説明

液体容器、液体容器複合体、および液体供給システム

【課題】液体容器に液体を注ぎ足すことが可能でありながら、液体の脱気度を保持したまま液体容器内の液体を噴射ヘッドに初期充填することを可能にする。
【解決手段】液体容器を液体噴射装置とは独立に構成し、液体の入った液体容器を液体噴射装置の装着部に装着することで、装着部に設けられて噴射ヘッドと連通する液体取入部と、液体容器の底部に開口する液体供給口とを気密に接合させる。また、液体容器には、液体取入部と液体供給口とが接合すると、装着部から液体容器を脱離不能に液体噴射装置の一部と係合する係合部を設ける。さらに、液体容器の液体供給口よりも上側の位置には、液体注入口を設けておき、液体容器に液体を補充可能とする。こうすれば、噴射ヘッドに液体を初期充填するに当たって液体に空気が入り難いので、液体の脱気度を保持したまま噴射ヘッドに液体を充填することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に液体を収容する液体容器、および液体容器内の液体を液体噴射装置に供給する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
液体噴射装置の一例として、いわゆるインクジェットプリンターが広く知られている。インクジェットプリンターでは、噴射ヘッドに設けられた噴射ノズルから正確な分量のインクを紙などの対象物の正確な位置に噴射することによって、画像等を印刷することが可能である。
【0003】
こうしたインクジェットプリンターでは、インクを収容するインクタンクを備え付けておくことが提案されており(特許文献1)、噴射ノズルから噴射するインクは、インクタンクから噴射ヘッドに供給されるようになっている。このインクタンクには、インクを注入するための注入口が設けられており、インクタンク内のインクが残り少なくなったら(所定量より減少したら)、別途用意したインクボトルのインクを注入口から補充することで、連続して印刷することが可能である。また、インクタンクにインクを注ぎ足していくので、インクタンク内のインクを無駄なく使うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−219483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、インクタンクが備え付けられているインクジェットプリンターでは、購入して最初のインク充填(初期充填)を行う際に、次のような理由から、正常に印刷可能となるまでに時間がかかったり、大量のインクを使ったりすることがあるという問題があった。先ず、購入時にはインクタンク内は空であり、印刷を開始するに当たってインクボトルのインクをインクタンクに移す(注ぐ)作業が必要である。このとき、インクボトル内のインクが仮に脱気されていても、インクには多くの空気(気泡)が取り込まれこととなる。そして、このように空気を含んだインクが噴射ヘッドに充填されて、噴射ノズルからインクではなく空気が打ち出されると、印刷不良(いわゆるドット抜け)が生じる。そのため、インク内の空気が浮き上がるまでの待ち時間(例えば30分)を要したり、噴射ヘッド内に溜まった空気を噴射ノズルから吸引してインクとともに排出するのに大量のインクを用いたりすることがある。
【0006】
この発明は、従来の技術が有する上述した課題を解決するためになされたものであり、液体容器に液体を注ぎ足すことが可能でありながら、初期充填時には脱気度を保持したまま液体容器内の液体を噴射ヘッドに充填することが可能な技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の液体容器は次の構成を採用した。すなわち、
液体を噴射する噴射ヘッドと、該噴射ヘッドと連通する液体取入部と、該液体取入部が設けられた装着部とを備えた液体噴射装置とは独立して構成され、該噴射ヘッドに供給される液体を内部に収容する液体容器であって、
前記液体容器の底部に開口し、該液体容器が前記装着部に装着されることにより、前記液体取入部に気密に接合して該液体容器内の液体を供給する液体供給口と、
前記液体取入部と前記液体供給口とが接合すると、前記装着部から前記液体容器を脱離不能に前記液体噴射装置の一部と係合する係合部と、
前記液体容器の前記液体供給口よりも上側の位置に設けられており、該液体容器内に液体を注入することが可能な液体注入口と
を備えることを要旨とする。
【0008】
このような本発明の液体容器は、液体噴射装置とは独立して(別体に)構成されており、液体の入った液体容器を液体噴射装置の装着部に装着することによって、装着部に設けられた液体取入部と、液体容器の底部に開口する液体供給口とが気密に接合して液体容器内の液体が噴射ヘッドに供給される。また、液体容器には、液体噴射装置の一部と係合する部分(係合部)が設けられており、液体取入部と液体供給口とが接合した状態では、装着部から液体容器を脱離不能な態様で係合する。さらに、液体容器の液体供給口よりも上側の位置には、液体注入口が設けられており、液体容器に液体を補充することが可能となっている。
【0009】
上述した構成を有する本発明の液体容器によれば、液体容器に液体を注ぎ足すことが可能でありながら、噴射ヘッドに最初に液体を充填する際(初期充填時)には、液体の脱気度を低下させることなく噴射ヘッドに液体を充填することができる。すなわち、本発明とは異なり、液体噴射装置に液体容器が予め一体に備え付けられている場合には、初期充填に当たって空の状態の液体容器に、別途用意された液体ボトルなどから液体を注ぎ入れることによって、液体に空気が入ってしまい泡立つことがある。そして、このような気泡を含んだ液体が噴射ヘッドに充填されると、液体が適切に噴射されない不具合が生じる。これに対して、本発明のように液体容器を液体噴射装置とは別体に構成しておき、液体の入った液体容器を液体噴射装置の装着部に装着するようにすれば、初期充填に当たって液体に空気が入り難く、液体の脱気度を保持したまま噴射ヘッドに液体を充填することができる。結果として、液体から空気が抜けるまで待つ必要がないので、液体を適切に噴射可能となるまでの時間を短縮することができる。また、噴射ヘッド内の空気を液体とともに吸引して排出する処理(いわゆるクリーニング)を行う場合でも、軽微なクリーニングでよいので、排出する液体の量を抑えることができる。
【0010】
また、液体容器は、液体噴射装置の装着部に一旦装着すると、液体噴射装置の一部と係合して脱離不能となる。そして、液体容器内の液体が少なくなったら、液体注入口から液体を注ぎ足すことができるので、噴射ヘッドから連続して液体を噴射することが可能であり、且つ、液体容器内の液体を無駄なく使うことができる。
【0011】
上述した本発明の液体容器では、液体注入口を塞ぐ蓋部材を備えることとして、この蓋部材は、液体容器を装着部から取り外す方向とは異なる方向に力を作用させることで開栓するようにしてもよい。
【0012】
このようにすれば、蓋部材の開栓動作の方向が、液体容器を装着部から取り外す方向とは異なるので、蓋部材を開栓する際に液体容器の取り外し方向に力がかかることはなく、液体取入部と液体供給口との接合が緩む不具合を回避することができる。
【0013】
また、上述した蓋部材を有する本発明の液体容器では、液体注入口および蓋部材に互いに嵌まり合うネジ構造を設けることとして、蓋部材は、液体容器を装着部から取り外す方向に対して平行な回転軸で回転させることによって開栓するようにしてもよい。
【0014】
こうすれば、開栓する際に蓋部材を回転させる方向と、液体容器を装着部から取り外す方向とが直交することになる。そのため、蓋部材の開栓動作によって液体容器の取り外し方向に力がかかることはなく、液体取入部と液体供給口との接合が緩む不具合を回避できる。
【0015】
こうした本発明の液体容器を複数一体に連結して液体容器複合体を構成する場合には、複数の液体容器を、各々の液体容器を対応する装着部に装着する方向に対して交差する方向に並べて連結してもよい。
【0016】
このように複数の液体容器を一体に連結して液体容器複合体として扱うことにより、複数の液体容器をそれぞれ対応する装着部に同時に装着することが可能となる。そのため、複数の液体容器を対応する装着部に個別に装着する場合に比べて、液体容器の装着にかかる手間や時間を省くことができる。
【0017】
また、上述した液体容器複合体では、次のようにしてもよい。先ず、液体噴射装置では、液体容器内の液体に対応付けられた認証符号が入力されると、その認証符号に基づいて、噴射ヘッドから噴射するのに適した液体であることを認証する。そして、液体容器複合体を液体噴射装置に装着する前に複数の液体容器の各々に収容された液体には、共通の認証符号を対応付けてもよい。
【0018】
複数の液体容器にそれぞれ異なる液体を収容して、液体の種類毎に噴射ヘッドに供給される液体噴射装置において、認証符号によって液体を認証する場合には、液体の種類を取り違えることのないように、液体の種類毎に異なる認証符号が対応付けられるのが一般的であり、液体の種類が増えると、認証符号の入力が煩雑となる。しかし、複数の液体容器を一体に連結して液体容器複合体として扱えば、初期充填時においては液体の種類を取り違えることがないので、各液体に共通の認証符号を対応付けることができる。その結果、液体の種類毎に認証符合を入力する必要がなく、液体容器複合体で1つの認証符号を入力するだけでよいので、認証符号の入力の手間を大幅に省くことができる。
【0019】
また、前述した本発明の液体容器は、液体噴射装置に装着されることで、内部に収容した液体が液体噴射装置の噴射ヘッドに供給される。このため、本発明は、液体容器内の液体を液体噴射装置に供給するための液体供給システムの態様で把握することも可能である。そこで、本発明の液体供給システムは、次の構成を採用した。すなわち、
噴射ヘッドから液体を噴射する液体噴射装置に、該液体噴射装置とは独立して構成された液体容器内の液体を供給するための液体供給システムであって、
前記液体噴射装置には、
前記噴射ヘッドと連通し、該噴射ヘッドから噴射する液体を取り入れる液体取入部と、
前記液体取入部が設けられ、且つ、前記液体容器が装着される装着部と
が設けられており、
前記液体容器には、
前記液体容器の底部に開口し、該液体容器が前記装着部に装着されることにより、前記液体取入部に気密に接合して該液体容器内の液体を供給する液体供給口と、
前記液体取入部と前記液体供給口とが接合すると、前記装着部から前記液体容器を脱離不能に前記液体噴射装置の一部と係合する係合部と、
前記液体容器の前記液体供給口よりも上側の位置に設けられており、該液体容器内に液体を注入することが可能な液体注入口と
が設けられていることを要旨とする。
【0020】
このような本発明の液体供給システムにおいては、液体容器が液体噴射装置とは独立して(別体に)構成されており、液体の入った液体容器を液体噴射装置の装着部に装着することによって、装着部に設けられた液体取入部と、液体容器の底部に開口する液体供給口とが気密に接合して液体容器内の液体が噴射ヘッドに供給される。また、液体容器には、液体噴射装置の一部と係合する部分(係合部)が設けられており、液体取入部と液体供給口とが接合した状態では、装着部から液体容器を脱離不能な態様で係合する。さらに、液体容器の液体供給口よりも上側の位置には、液体注入口が設けられており、液体容器に液体を補充することが可能となっている。
【0021】
このような本発明の液体供給システムによれば、液体容器が液体噴射装置とは別体に構成されており、液体の入った液体容器を液体噴射装置の装着部に装着することで、噴射ヘッドに最初に液体を充填する(初期充填)に当たって液体に空気が入り難いので、液体の脱気度を保持したまま噴射ヘッドに液体を充填することができる。また、液体容器は、液体噴射装置の装着部に一旦装着すると、液体噴射装置の一部と係合して脱離不能となる。そして、液体容器内の液体が少なくなったら、液体注入口から液体を注ぎ足すことができるので、噴射ヘッドから連続して液体を噴射することが可能であり、且つ、液体容器内の液体を無駄なく使うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施例の液体消費装置としてのインクジェットプリンターを例示した説明図である。
【図2】インクジェットプリンターの大まかな内部構造を示した説明図である。
【図3】インクタンクが格納されるタンクケースの構成を示した斜視図である。
【図4】タンクケースの挿入孔にインクタンクを挿入して装着する様子を示した説明図である。
【図5】インクタンクのインク注入口および蓋部材の周辺を拡大して示した説明図である。
【図6】第1変形例の蓋部材によってインク注入口を開閉する様子を示した説明図である。
【図7】第2変形例の蓋部材によってインク注入口を開閉する様子を示した説明図である。
【図8】第3変形例の蓋部材によってインク注入口を開閉する様子を示した説明図である。
【図9】4つのインクタンクが一体に連結されたタンクセットをタンクケースに装着する様子を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.インクジェットプリンターの構成:
B.インクタンクおよびタンクケースの構成:
C.変形例:
C−1.第1変形例:
C−2.第2変形例:
C−3.第3変形例:
C−4.第4変形例:
【0024】
A.インクジェットプリンターの構成 :
図1は、本実施例の液体噴射装置としてのインクジェットプリンター10を例示した説明図である。図示したインクジェットプリンター10は、略箱形の外観形状をしており、前面のほぼ中央には前面カバー11が設けられ、その左隣には複数の操作ボタン15が設けられている。前面カバー11は下端側で軸支されており、上端側を手前に倒すと、印刷用紙2が排出される細長い排紙口12が現れる。また、インクジェットプリンター10の背面側には、図示しない給紙トレイが設けられており、給紙トレイに印刷用紙2をセットして操作ボタン15を操作すると、給紙トレイから印刷用紙2が送り込まれて、内部で印刷用紙2の表面に画像等が印刷された後、排紙口12から印刷用紙2が排出されるようになっている。
【0025】
また、インクジェットプリンター10の上面側には天面カバー14が設けられている。天面カバー14は、奥側で軸支されており、手前側を持ち上げて天面カバー14を開くと、インクジェットプリンター10の内部の状態を確認したり、あるいはインクジェットプリンター10の修理などを行ったりすることが可能となっている。
【0026】
さらに、インクジェットプリンター10の図中の左側面には、箱形形状のタンクケース100が設けられている。詳細には後述するが、タンクケース100の内部には、インクを収容するインクタンクが複数格納されており、印刷に用いるインクは、このインクタンクから供給されるようになっている。
【0027】
図2は、インクジェットプリンター10の内部構造を大まかに示した説明図である。図示されているように、インクジェットプリンター10の内部には、印刷用紙2上を往復動するキャリッジ20が設けられている。キャリッジ20の底面側(印刷用紙2を向いた側)には、複数の噴射ノズルが形成された噴射ヘッド22が搭載されており、噴射ノズルから印刷用紙2に向かってインクを噴射して画像等の印刷を行う。本実施例のインクジェットプリンター10では、シアン色、マゼンタ色、イエロー色、黒色の4種類のインクを用いてカラー画像を印刷することが可能であり、このことと対応して、キャリッジ20に搭載された噴射ヘッド22には、インクの種類毎に噴射ノズルが設けられている。
【0028】
キャリッジ20は、図示しない駆動機構によって駆動されて、ガイドレール28でガイドされながら印刷用紙2上で往復動を繰り返す。また、インクジェットプリンター10には、印刷用紙2を紙送りするための図示しない紙送機構も設けられており、キャリッジ20が往復動する動きに対応して印刷用紙2が少しずつ紙送りされる。そして、キャリッジ20が往復動する動きと、印刷用紙2が紙送りされる動きとに合わせて、噴射ヘッド22の噴射ノズルから正確な量のインクを噴射することによって、印刷用紙2に画像等が印刷される。
【0029】
噴射ヘッド22の噴射ノズルから噴射されるインクは、タンクケース100内に格納されたインクタンク150に収容されている。本実施例のインクジェットプリンター10では、シアン色、マゼンタ色、イエロー色、黒色の4種類のインクを使用することから、インクの種類毎のインクタンク150が用意されている。それぞれのインクタンク150内のインクは、チューブ等で構成されたインクの種類毎の供給通路200を介して、キャリッジ20の噴射ヘッド22に供給される。本実施例のインクジェットプリンター10では、供給通路200の途中に供給ポンプ202が設けられており、供給ポンプ202の作動によってインクタンク150内のインクを吸引して噴射ヘッド22に圧送するようになっている。尚、インクタンク150およびタンクケース100の詳細な構成については、後ほど別図を用いて説明する。また、本実施例のインクタンク150は、本発明の「液体容器」に相当している。
【0030】
加えて、キャリッジ20をガイドレール28に沿って印刷用紙2の外側まで移動させた位置には、ホームポジションと呼ばれる領域が設けられている。ホームポジションには、キャップ30が設けられており、このキャップ30は、図示しない昇降機構によって上下方向に移動可能となっている。インクジェットプリンター10が画像等を印刷していない間は、キャリッジ20をホームポジションに移動させて、キャップ30を上昇させると、キャップ30が噴射ヘッド22の底面側に押し当てられて噴射ノズルを覆うように閉空間が形成されるので、噴射ヘッド22内のインクが乾燥することを抑制できる。また、キャップ30には、吸引チューブ32を介して吸引ポンプ34が接続されており、噴射ヘッド22の底面側にキャップ30を押し当てた状態で吸引ポンプ34を作動させることにより、噴射ヘッド22内のインクを吸い出す動作(いわゆるクリーニング)が実行される。
【0031】
更に、インクジェットプリンター10の内部には、インクジェットプリンター10の全体の動作を制御する制御部40が搭載されている。キャリッジ20を往復動させる動作や、印刷用紙2を紙送りする動作や、噴射ノズルからインクを噴射する動作や、正常に印刷可能なようにメンテナンスを実行する動作などは、全て制御部40によって制御されている。
【0032】
B.インクタンクおよびタンクケースの構成 :
図3は、インクタンク150が格納されるタンクケース100の構成を示した斜視図である。図示されているように、箱形形状の本実施例のタンクケース100では、上面を構成する上面カバー102が一端で回動可能に軸支されており、他端側を持ち上げるようにして上面カバー102を開けると、内部に格納されたインクタンク150が現れる。このインクタンク150は、インクジェットプリンター10とは独立して(別体に)構成されている。そして、インクジェットプリンター10を購入して印刷を開始する際には、インクが収容されたインクタンク150をタンクケース100に装着するようになっている。尚、図示したインクタンク150は、直方体形状に形成されているが、インクタンク150の形状はこれに限定されず、例えば、円筒形状であってもよい。
【0033】
タンクケース100の内部には、インクタンク150を挿入する挿入孔104がインクタンク150毎に設けられており、これら挿入孔104は鉛直上方に向けて開口している。インクタンク150をタンクケース100に装着する際には、鉛直上方から挿入孔104にインクタンク150を挿入して底に押し付けるように装着する。尚、本実施例のタンクケース100の挿入孔104は、本発明の「装着部」に相当している。
【0034】
また、図示されているように、タンクケース100の側面には、確認窓106が設けられており、この確認窓106からは、タンクケース100に装着されたインクタンク150の側面の下部を視認可能となっている。加えて、本実施例のインクタンク150は透明または半透明の材料で形成されているため、確認窓106から目視によってインクタンク150内の残りのインク量を確認することができる。
【0035】
図4は、タンクケース100の挿入孔104にインクタンク150を挿入して装着する様子を示した説明図である。図4では、インクジェットプリンター10の手前側から奥側に向かってタンクケース100およびインクタンク150を鉛直面で切断した断面図が示されている。先ず、図示されているように、挿入孔104の底面には、インクタンク150からインクを取り入れるためのインク取入針108が鉛直上方に向けて立設されている。インク取入針108の先端には、インク取入口108hが開口しており、このインク取入口108hは、供給通路200を介して噴射ヘッド22に連通している。尚、本実施例のインク取入針108は、本発明の「液体取入部」に相当している。
【0036】
一方、タンクケース100の挿入孔104に挿入されるインクタンク150の底面には、インク供給口152が設けられている。タンクケース100に装着前のインクタンク150では、インク供給口152が封止フィルム154によって覆われて塞がれている。そして、インクタンク150を挿入孔104に挿入して底まで押し下げると、インク取入針108が封止フィルム154を突き破ってインク供給口152に挿入される。このインク供給口152の内周面には、ゴム等の弾性材料で形成されたシール部材156が設けられており、挿入されたインク取入針108の側面に密接してインクが漏れ出ることを防いでいる。尚、本実施例のインク供給口152は、本発明の「液体供給口」に相当している。
【0037】
こうしてインク供給口152にインク取入針108が挿入されて気密に接合されると、前述したように供給ポンプ202の作動によって、インクタンク150内のインクが吸引されて噴射ヘッド22に向けて圧送される。尚、タンクケース100に装着前のインクタンク150において、インクタンク150内のインクは脱気されていることが望ましい。インクを脱気しておくことによって、インクの成分が空気と反応することが抑えられるので、インクの劣化を抑制することができる。
【0038】
また、図4に示されているように、タンクケース100の挿入孔104の上端側には、一対の鉤部110が設けられており、インクタンク150の側面の上部の位置には、一対の窪み158が設けられている。一対の鉤部110は、挿入孔104に挿入されるインクタンク150の側面に当接することで、外側に押し広げられるように移動する。しかし、インクタンク150が挿入孔104の底まで完全に押し込まれる(インクタンク150がタンクケース100に装着される)と、鉤部110が元の位置に戻って窪み158に係合するので、インクタンク150をタンクケース100から取り外すことが不可能となる。尚、本実施例の窪み158は、本発明の「係合部」に相当している。
【0039】
さらに、インクタンク150の上面には、インクタンク150内にインクを注入するための円形のインク注入口160が設けられており、このインク注入口160は、蓋部材162によって塞がれている。本実施例のインクタンク150の蓋部材162は、直径が異なる2つの円筒を重ね合わせた形状をしており、直径の小さい側の円筒が円形のインク注入口160に嵌め込まれている。尚、本実施例のインク注入口160は、本発明の「液体注入口」に相当している。
【0040】
図5は、図4に示したインクタンク150のインク注入口160および蓋部材162の周辺を拡大して示した説明図である。前述したように、インクタンク150の上面に設けられたインク注入口160は、蓋部材162によって塞がれている。本実施例のインクタンク150の蓋部材162は、コルク栓のようにインク注入口160の上方に引き抜くタイプではなく、インク注入口160と互いに嵌り合うネジ構造を有している。すなわち、図5(a)に示すように、円形のインク注入口160の内周面に螺旋状に刻まれた溝と、円筒形状の蓋部材162の側面に螺旋状に刻まれた溝とがちょうど嵌まるように形成されている。このようなネジ構造を有する蓋部材162は、インク注入口160の中心を通る鉛直方向の回転軸で反時計周り(図4(a)中の白抜きの矢印の方向)に回転させることによって開栓する。
【0041】
また、本実施例の蓋部材162の内部には、インクタンク150内に空気を取り入れるための大気開放通路164が形成されている。この大気開放通路164は、一端が蓋部材162の底面(インクタンク150の内側に向いた面)に開口しており、他端が蓋部材162の側面(ネジ溝が刻まれた面)に開口している。以下では、蓋部材162の側面にある側の開口を「側面開口」と呼ぶことがあるものとする。
【0042】
タンクケース100に装着前のインクタンク150では、図5(a)に示すように、大気開放通路164の側面開口がインク注入口160の内周面によって塞がれる深さまで蓋部材162がインク注入口160に嵌め込まれている。このため、インクタンク150を倒したり傾けたりしても、内部のインクが大気開放通路164から漏れ出ることはない。また、インクタンク150内のインクを脱気しておく場合には、脱気状態を保つことができる。
【0043】
一方、インクタンク150をタンクケース100に装着したら、蓋部材162を開栓方向に回転させて、図5(b)に示すように、大気開放通路164の側面開口の少なくとも一部がインクタンク150の上面よりも上方に出た状態(側面開口の少なくとも一部がインク注入口160の内周面で覆われていない状態)にする。
【0044】
前述したように、インクタンク150内のインクは、供給ポンプ202の作動によって吸引されて、噴射ヘッド22に圧送される。このとき、大気開放通路164を通って空気がインクタンク150内に取り入れられることから、インクタンク150内が負圧になることはない。また、蓋部材162を完全に取り外さなくてよいので、インク注入口160から埃などの異物が入ることを防いだり、インクの成分が揮発するのを抑えたりすることができる。
【0045】
そして、インクタンク150内のインクが消費されて残り少なくなったら(所定量よりも減少したら)、蓋部材162を開栓方向に回転させて取り外すことにより、図5(c)に示すように、別途用意したインクボトル300のインクをインク注入口160から注ぎ入れて補充することができる。このようにインクタンク150へのインクの注ぎ足しを可能にすることによって、連続して印刷することが可能であり、尚且つ、インクタンク150内のインクを無駄なく使うことができる。
【0046】
以上のように、本実施例のインクタンク150は、インクジェットプリンター10とは別体に構成されており、インクジェットプリンター10を購入して印刷を開始するに際して、インクの入ったインクタンク150をタンクケース100に装着するようになっている。また、インクタンク150には、インク注入口160が設けられており、インクの補充が可能となっている。こうすることで、インクタンク150にインクを注ぎ足して無駄なく使うことが可能でありながら、噴射ヘッド22に最初にインクを充填する際(初期充填時)には、インクの脱気度を低下させることなく噴射ヘッド22にインクを充填することができる。以下では、この点について詳しく説明する。
【0047】
先ず、本実施例とは異なり、インクジェットプリンター10に予め一体に備え付けられている従来のインクタンク400では、初期充填に当たって空の状態のインクタンク400に、別途用意されたインクボトル300のインクを注ぎ入れることによって、インクに空気が入ってしまい泡立つことがある。そして、このような気泡を含んだインクが噴射ヘッド22に充填されると、噴射ノズルからインクではなく空気(気泡)が打ち出されて、「ドット抜け」と呼ばれる印刷不良が発生してしまう。
【0048】
これに対して、本実施例のように、インクタンク150をインクジェットプリンター10とは別体に構成しておき、インクの入ったインクタンク150をタンクケース100に装着するようにすれば、初期充填に当たってインクに空気が含まれることを抑制して、インクの脱気度を保持したまま噴射ヘッド22にインクを充填することができる。結果として、インクから空気が抜けるのを待つ必要がないので、正常に印刷可能となるまでの時間を短縮することができる。また、噴射ヘッド22内の空気を排出するためにクリーニング(噴射ヘッド22内のインクを噴射ノズルから吸い出す動作)を行う場合でも、軽微なクリーニングでよいので、排出するインクの量を抑えることができる。
【0049】
特に、タンクケース100に装着前のインクタンク150において、予め内部のインクを脱気しておけば、脱気度の高いインクを噴射ヘッド22に充填することができるので、一層効果的である。すなわち、脱気度の高いインクは、噴射ヘッド22の内壁などに残存する極微量の気泡を溶存させることができ、その結果、上述したドット抜けが生じ難くなるので、一層効果的である。
【0050】
また、本実施例のインクタンク150は、タンクケース100に一旦装着すると、タンクケース100側の鉤部110とインクタンク150側の窪み158とが係合して、タンクケース100から取り外すことが不可能となる。そして、インクタンク150内のインクが残り少なくなったら、インクタンク150の上面に設けられているインク注入口160からインクを注ぎ足すことができるので、連続印刷が可能であり、且つ、インクタンク150内のインクを無駄なく使うことができる。
【0051】
尚、インクタンク150に所定量のインクが残っている状態でインクを注ぎ足すようにすれば、インクを注入する際にインクに空気が入ったとしても、その気泡を含んだインクが直ちに噴射ヘッド22に供給されることはなく、印刷に影響する可能性は低い。すなわち、気泡を含んだインクが噴射ヘッド22に供給されることとなる要因の1つは、インクで濡れていないインクタンク150内面と、注入されたインクとの界面に気泡が発生することにある。そこで、インクタンク150内にインクが残っている状態でインクを注ぎ足せば、気泡が発生する可能性があるのは、インクから露出したインクタンク150の内面と、注ぎ足されたインクとの界面だけとなるので、気泡を含んだ液体が噴射ヘッド22に供給されて印刷に影響する可能性は低い。また、この注ぎ足されたインクが脱気度の高いインクであれば、注ぎ足されてから消費される(噴射ヘッド22に供給される)までの間に気泡を溶存させることができるので、一層効果的である。
【0052】
さらに、本実施例のインクタンク150では、インク注入口160を塞ぐ蓋部材162がネジ式になっており、インク注入口160の中心を通る鉛直方向の回転軸で蓋部材162を回転させることによって開栓する。この蓋部材162の開栓動作の方向は、インクタンク150をタンクケース100から取り外す方向(鉛直上方)とは異なっている。そのため、蓋部材162の開栓動作によって、インクタンク150をタンクケース100から取り外す方向に力がかかることはなく、インク供給口152とインク取入針108との接合が緩む不具合を回避することができる。
【0053】
C.変形例 :
以上に説明した本実施例のインクタンク150には、幾つかの変形例が存在している。以下では、これら変形例について説明する。尚、変形例の説明にあたっては、前述した実施例と同様の構成部分については、先に説明した実施例と同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0054】
C−1.第1変形例 :
前述したように、蓋部材162を開ける動作の方向は、インクタンク150をタンクケース100から取り外す方向と異なっていることが好ましく、前述の実施例では、ネジ式の蓋部材162を採用していた。しかし、インク注入口160を塞ぐ蓋部材の態様はこれに限られるわけではない。
【0055】
図6は、第1変形例の蓋部材170によってインク注入口160を開閉する様子を示した説明図である。図6には、インクタンク150を上方から見た平面図が示されている。先ず、図6(a)に示すように、第1変形例のインクタンク150にも、前述した実施例と同様に、上面に円形のインク注入口160が設けられている。ただし、第1変形例のインクタンク150のインク注入口160は、ネジ式の蓋部材162ではなく、インク注入口160よりも大きい円板形状の蓋部材170によって覆われている。
【0056】
この第1変形例の蓋部材170は、インク注入口160から外れた位置に回転軸172を有しており、回転軸172を中心にして、円板形状の蓋部材170をインクタンク150の上面と平行に回転可能となっている。そして、蓋部材170を回転させると、図6(b)に示すようにインク注入口160が現れるので、インクタンク150にインクを注入して補充することができる。
【0057】
このような第1変形例のインクタンク150においても、前述した実施例と同様に、蓋部材170を開ける動作の方向が、インクタンク150をタンクケース100から取り外す方向(鉛直上方)とは異なっている。そのため、蓋部材170を開ける動作でインク供給口152とインク取入針108との接合が緩む不具合を回避できる。
【0058】
C−2.第2変形例 :
図7は、第2変形例の蓋部材174によってインク注入口160を開閉する様子を示した説明図である。図7には、インクタンク150を上方から見た平面図が示されている。図7(a)に示すように、第2変形例のインクタンク150では、矩形平板の蓋部材174によってインク注入口160が覆われている。
【0059】
この第2変形例のインクタンク150の上面には、溝を有する一対の枠体176が、溝を向き合わせてインク注入口160の両側に設けられている。矩形平板の蓋部材174の両端は、一対の枠体176の溝に嵌め込まれており、枠体176に沿って蓋部材174をインクタンク150の上面と平行にスライド移動させることが可能である。そして、蓋部材174をスライド移動させることによって、図7(b)に示すように、インク注入口160が現れる。
【0060】
このような第2変形例のインクタンク150においても、前述の実施例と同様に、蓋部材174を開ける動作の方向(水平方向)と、インクタンク150をタンクケース100から取り外す方向(鉛直上方)とが異なる(直交する)ので、蓋部材174を開ける際にインクタンク150の取り外し方向に力がかかることはなく、インク供給口152とインク取入針108との接合が緩む不具合を回避できる。
【0061】
C−3.第3変形例 :
図8は、第3変形例の蓋部材178によってインク注入口160を開閉する様子を示した説明図である。図8には、インク注入口160の中心を通る鉛直面でインクタンク150を切断した断面図が示されている。図8(a)に示すように、第3変形例のインクタンク150では、断面形状がL字型の蓋部材178によってインク注入口160が覆われている。
【0062】
この第3変形例の蓋部材178は、インク注入口160を覆う被覆部178aと、被覆部178aに対して垂直な作用部178bとを有しており、被覆部178aと作用部178bとの交点を回動軸180として、回動可能に軸支されている。そして、作用部178bの先端側をインクタンク150の上面に向かって倒すと、図8(b)に示すように、インク注入口160が現れるので、インクタンク150にインクを補充することが可能となる。
【0063】
このような第3変形例のインクタンク150では、蓋部材178を開ける動作によって、インクタンク150をタンクケース100から取り外す方向(鉛直上方)に力がかかることはなく、むしろインクタンク150をタンクケース100に装着する方向(鉛直下方)に力がかかる。そのため、蓋部材178を開ける際にインク供給口152とインク取入針108との接合が緩む不具合を回避できる。
【0064】
C−4.第4変形例 :
前述した実施例では、4色のインクの色毎に用意されたインクタンク150を個別にタンクケース100の対応する挿入孔104に挿入して装着するようになっていた。しかし、4つのインクタンク150を連結して一体に構成しておいてもよい。
【0065】
図9は、4つのインクタンク150が一体に連結されたタンクセット190をタンクケース100に装着する様子を示した説明図である。図示されているように、第4変形例では、インクの種類毎に用意された4つのインクタンク150を連結部材192で一体に連結することによってタンクセット190が構成されており、個別のインクタンク150に切り離せないようになっている。尚、第4変形例のタンクセット190は、本発明の「液体容器複合体」に相当している。
【0066】
また、タンクセット190では、4つのインクタンク150が、インクタンク150をタンクケース100の挿入孔104に挿入する方向に対して交差する方向に並べて連結されている。このようなタンクセット190をタンクケース100に装着する際には、各インクタンク150をタンクケース100の対応する挿入孔104に鉛直上方から挿入して底に押し付けるように装着する。
【0067】
図9に示したように、各インクタンク150を連結する連結部材192の底面には、下方を向いた突起であるオス部194が設けられている。一方、タンクケース100の挿入孔104の上端側には、連結部材192のオス部194を受け入れるメス部196が設けられており、タンクセット190がタンクケース100に装着されると、オス部194がメス部196に挿入されて脱離不能に係合するようになっている。
【0068】
さらに、タンクセット190には、1つのID番号が対応付けられている。このID番号は、インクタンク150内のインクが噴射ヘッド22から噴射するのに適正なインクであることを認証するためのものであり、タンクセット190をタンクケース100に装着して印刷を開始する際には、図示しない入力装置にID番号を入力する。インクジェットプリンター10の全体の動作を制御する制御部40は、入力されたID番号に基づいてインクタンク150内のインクが適正なインクであることを認証すると、印刷の開始を許可するようになっている。尚、第4変形例のID番号は、本発明の「認証符号」に相当している。また、第4変形例の制御部40は、本発明の「認証手段」に相当している。
【0069】
以上のように、複数のインクタンク150を一体に連結してタンクセット190として扱うことにより、複数のインクタンク150を同時にタンクケース100に装着することが可能となる。そのため、複数のインクタンク150を個別にタンクケース100に装着する場合に比べて、インクタンク150の装着にかかる手間や時間を省くことができる。
【0070】
また、複数種類のインクを用いて印刷を行うインクジェットプリンター10において、ID番号によってインクを認証する処理を行う場合には、インクの種類を取り違えることのないように、インクの種類毎に異なるID番号が対応付けられるのが一般的であり、インクの種類が増えると、ID番号の入力が煩雑となる。しかし、第4変形例のように、インクの種類毎のインクタンク150を一体に連結してタンクセット190として扱えば、インクの種類を取り違えることがないので、各インクに共通のID番号を対応付けることができる。結果として、インクの種類毎にID番号を入力する必要がなく、タンクセット190で1つのID番号を入力するだけでよいので、ID番号の入力の手間を大幅に省くことができる。
【0071】
以上、各種の実施形態を説明したが、本発明は上記すべての実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
【0072】
例えば、前述した実施例および変形例では、インク注入口160がインクタンク150の上面に設けられていた。しかし、インク注入口160の位置は、インク供給口152よりも上側であれば、インクタンク150の上面に限られるわけではなく、例えば、インクタンク150の側面の上部の位置であってもよい。尚、この場合でも、インク注入口160を塞ぐ蓋部材162を開ける動作の方向は、インクタンク150をタンクケース100から取り外す方向とは異なっていることが好ましい。
【符号の説明】
【0073】
10…インクジェットプリンター、 20…キャリッジ、 22…噴射ヘッド、
40…制御部、 100…タンクケース、 104…挿入孔、
108…インク取入針、 110…鉤部、 150…インクタンク、
152…インク供給口、 160…インク注入口、 162…蓋部材、
164…大気開放通路、 200…供給通路、 202…供給ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を噴射する噴射ヘッドと、該噴射ヘッドと連通する液体取入部と、該液体取入部が設けられた装着部とを備えた液体噴射装置とは独立して構成され、該噴射ヘッドに供給される液体を内部に収容する液体容器であって、
前記液体容器の底部に開口し、該液体容器が前記装着部に装着されることにより、前記液体取入部に気密に接合して該液体容器内の液体を供給する液体供給口と、
前記液体取入部と前記液体供給口とが接合すると、前記装着部から前記液体容器を脱離不能に前記液体噴射装置の一部と係合する係合部と、
前記液体容器の前記液体供給口よりも上側の位置に設けられており、該液体容器内に液体を注入することが可能な液体注入口と
を備える液体容器。
【請求項2】
請求項1に記載の液体容器であって、
前記液体注入口を塞ぐ蓋部材を有しており、
前記蓋部材は、前記液体容器を前記装着部から取り外す方向とは異なる方向に力を作用させることで開栓する部材である液体容器。
【請求項3】
請求項2に記載の液体容器であって、
前記蓋部材および前記液体注入口は互いに嵌まり合うネジ構造を有しており、
前記蓋部材は、前記液体容器を前記装着部から取り外す方向に対して平行な回転軸で回転させることによって開栓する部材である液体容器。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載の液体容器を複数連結して一体に構成された液体容器複合体であって、
前記複数の液体容器は、各々の前記液体容器を対応する前記装着部に装着する方向に対して交差する方向に並べて連結されている液体容器複合体。
【請求項5】
請求項4に記載の液体容器複合体であって、
前記液体噴射装置は、前記液体容器内の液体に対応付けられた認証符号が入力されると、該認証符号に基づいて該液体が前記噴射ヘッドから噴射可能であることを認証する認証手段を備えており、
前記液体容器複合体を前記液体噴射装置に装着する前に前記複数の液体容器の各々に収容された液体には、共通の前記認証符号が対応付けられている液体容器複合体。
【請求項6】
噴射ヘッドから液体を噴射する液体噴射装置に、該液体噴射装置とは独立して構成された液体容器内の液体を供給するための液体供給システムであって、
前記液体噴射装置には、
前記噴射ヘッドと連通し、該噴射ヘッドから噴射する液体を取り入れる液体取入部と、
前記液体取入部が設けられ、且つ、前記液体容器が装着される装着部と
が設けられており、
前記液体容器には、
前記液体容器の底部に開口し、該液体容器が前記装着部に装着されることにより、前記液体取入部に気密に接合して該液体容器内の液体を供給する液体供給口と、
前記液体取入部と前記液体供給口とが接合すると、前記装着部から前記液体容器を脱離不能に前記液体噴射装置の一部と係合する係合部と、
前記液体容器の前記液体供給口よりも上側の位置に設けられており、該液体容器内に液体を注入することが可能な液体注入口と
が設けられている液体供給システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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