説明

液体容器の再密閉可能な密閉手段

本発明は、液体容器、とりわけ飲料缶(200)の再密閉可能な密閉手段(100)に関し、前記密閉手段はフランジ状の縁部(310)によって液体容器を密閉する蓋(300)と、カバー(400)とを備え、蓋(300)は、蓋上に配されたカバー(400)をねじることによって露出させることが可能な出口開口部(320)を有し、蓋(300)は、蓋(300)とカバー(400)との間に少なくとも1つの密封手段(430)を収容するための少なくとも1つの凹部(360、361)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体容器、とりわけ飲料缶の再密閉可能な密閉手段に関し、該密閉手段は、フランジ状の縁部によって液体容器を密閉する蓋と、カバーとを備え、蓋は、蓋上に配されたカバーをねじることによって露出させることが可能な出口開口部を有する。
【背景技術】
【0002】
再密閉可能な注ぎ開口部を有する多くの飲料缶が知られるようになった。特許文献1は、例えば、既に既存の蓋に適用されるほぼ同じ直径の密閉手段を開示しており、その密閉手段は、ねじることにより蓋に配置される注ぎ開口部を密閉する。これらの密閉手段のうちのいくつかが蓋を覆う同様の装置は、特許文献2、特許文献3、特許文献4、または、特許文献5に部分的に記載されているだけである。これらの密閉手段での不利な態様は、缶の蓋領域に対して望まれない構造的な変更をさらに必要とする、大部分が複雑なその配置である。
【0003】
飲料缶の密閉手段のさらなる群は、缶の蓋へのリベット接続によって固定されるプルタブからなり、このプルタブのハンドル部分は注ぎ開口部のための密閉手段として同時に配され、注ぎ開口部の開口後、プルタブをねじることおよび/または折り畳むことによって注ぎ開口部を再度閉じる。そのような要素は、数ある中でも特に、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、および、特許文献10で示されている。これらの飲料缶はすべて、外面から注ぎ開口部まで適用されるとともに、蓋縁部を超えて部分的に突出する密閉手段を有しており、その結果、密閉手段が不注意で外されて、缶の中身が周囲環境にさらされかねない。
【0004】
特許文献11は、密閉システムについて記載しており、該システムは、注ぎ開口部を露出させるためのプルタブと、缶の内部の缶の蓋の底部に配される密閉手段とからなり、ばね要素がこの密閉手段を注ぎ開口部に対して押圧する。缶を空にすることを可能にするために、密閉手段の一部をプルタブに対して移動させなければならない。この密閉手段には、それが高度に複雑なやり方で配されており、缶の従来の蓋に対する変更を必要とするという欠点がある。同様に複数の部分からなる少しだけ単純に配した密閉装置は、特許文献12に開示され、該文献は同様に複雑に変更した蓋を必要とする。同様の再利用可能な密閉手段は、特許文献13と特許文献14に記載されている。
【0005】
再密閉した飲料缶の締め付け(tightness)が、上に言及した再密閉可能な容器のさらなる問題を引き起こす。特に、未開封の缶の長期保存の場合には、密封要素が保存期間に機械的圧力を受けたり、緊張状態のままでいたりする際の密閉要素に関する問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国第19613246A1号
【特許文献2】独国第19613256B4号
【特許文献3】独国第19706112C2号
【特許文献4】欧州第1247752B1号
【特許文献5】米国6,626,314B1号
【特許文献6】独国第19746539A1号
【特許文献7】独国第20319105U1号
【特許文献8】欧州第1190952A2号
【特許文献9】欧州第1097086B1号
【特許文献10】欧州第0433502A1号
【特許文献11】英国第2331284A号
【特許文献12】米国第3,889,842号
【特許文献13】米国第4,746,032A号
【特許文献14】米国第345,695A号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、上記のような最先端技術の欠点を除去すること、および、缶を再密閉するためにしっかりと固定した、とりわけ流体密封性の密閉システムを備えるとともに、単純且つ経済的な方法で従来の蓋に取り付け可能であるのが好ましい、飲料缶用の蓋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
蓋とカバーの間に少なくとも1つの密封手段を収容するために蓋が少なくとも1つの凹部を含むような方法で、この目的は本発明に従って達成される。本発明に従って、少なくとも1つの密封手段が緩まる際に平面の凹部に留まり、その結果、好ましくは環状の密封手段に対しては、該密閉手段に早すぎる摩損を引き起こすこともある張力は一切作用しないと規定される。
【0009】
本発明の好ましい実施形態では、少なくとも1つの密封手段は、好ましくはカバー上で取り外しできないように配される。この場合、例えば、密封手段は、カバーの受け口(receiver)に配され、飲料缶が密閉されている限り、蓋の凹部に留まると規定される。
【0010】
蓋に対するカバーの第1の位置で、少なくとも1つの密封手段が少なくとも1つの凹部に配され、その一方で、出口開口部はもともと密封されていることがとりわけ好ましい。この状態で、密封手段は何の機能も有していない。
【0011】
蓋に対するカバーの第2の位置において、少なくとも1つの密封手段が露出した出口開口部の領域に配され、その一方で、出口開口部がカバーによって密閉されると規定される。
カバーのこの位置で、密封手段はその意図した目的、つまり、流体密封および/または気体密封式で飲料缶を再密閉するために、カバーに対して蓋の露出した出口開口部を密閉することを達成する。
【0012】
本発明のさらなる実施形態において、部分的にフランジ状の縁部の後ろで、および、互いから独立して係合する少なくとも2つのスナップフックによって、カバーを液体容器に固定することができると規定される。これらのスナップフックの助けを借りて蓋に対して、カバーをより容易にねじることができ、摩擦抵抗が低減されるため、それによって、カバーを部分的にのみ蓋と係合させる。
【0013】
蓋に対する、したがって、飲料缶に対するカバーのとりわけ容易な取り付けは、少なくとも2つのスナップフックがカバー上に移動可能なように配される際に達成される。この目的のために、スナップフックがカバーと一体化するように製造され、カバーの先細部分によって連結式にカバーと接続しているということが、好ましくは規定される。
【0014】
本発明のさらなる変形形態では、蓋が少なくとも部分的にプラスチックで作られていることが規定される。この蓋(好ましくはプラスチックで作られた)は、金属から作られたものと同じ特性を有する。しかしながら、製造費は安い。
【0015】
飲料缶の第1の開口を容易にするために、本発明のさらなる実施形態では、少なくとも1つの押圧開放式のカム(press−open cam)が出口開口部に配され、該カムは、好ましくはフックのように配される少なくとも1つの押圧開放要素(press−open element)を備えることが規定される。このフック様の押圧開放式要素は、出口開口部を囲む引き剥がし線(tearing line)で係合し、それによって、同時に、出口開口部のさらなる開口を容易にする圧力補正をもたらす。
【0016】
特に好ましい手法で、蓋に対するカバーの位置を決定するために少なくとも1つの要素が提供されるということが規定される。その結果、ユーザはカバーを正確な所望の位置に持って来ることができ、その結果、再密閉した飲料缶の締め付けに関する問題を防ぐことができる。
【0017】
蓋に対するカバーの位置を決定するための要素は、好ましくは、カバーの少なくとも1つの凹部に係合可能な、蓋上に配されたインデックスカムとして配される。この代替案として、カバーは、カバー上に配された隆起部(an elevation)またはカムが係合可能な少なくとも1つの溝部または凹部を含むと規定される。さらなる変形形態では、カバーの位置は、信号、とりわけクリック音によって代替的にまたは累積的に示される。
【0018】
本発明は、図で示された非限定的な実施形態を参照することによって以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1a】再密閉可能な密閉手段の分解立体図である。
【図1b】再密閉可能な密閉手段の分解立体図である。
【図1c】再密閉可能な密閉手段の分解立体図である。
【図2】上面図において、取り付けられた蓋とカバーとを有する、図1a乃至1cの飲料缶を示す。
【図3a】様々な図面において、本発明に従ったカバーのさらなる実施形態を示す。
【図3b】様々な図面において、本発明に従ったカバーのさらなる実施形態を示す。
【図3c】様々な図面において、本発明に従ったカバーのさらなる実施形態を示す。
【図4a】密閉した飲料用オリフィスを備えた、断面図における本発明のさらなる変形形態を示す。
【図4b】図4aの密閉手段の詳細な図を示す。
【図5a】本発明に従った密閉手段のさらなる実施形態の断面図を示す。
【図5b】本発明に従った密閉手段のさらなる実施形態の断面図を示す。
【図6】本発明に従った密閉手段のさらなる実施形態の断面図を示す。
【図7a】密閉した飲料用オリフィスを備えたカバーの第1の位置の上面図における、本発明のさらなる変形形態を示す。
【図7b】開放状態における図7aのカバーの位置にある密閉手段を示す。
【図7c】再密閉した状態のカバーの第2の位置にある図7aの密閉手段を示す。
【図8a】蓋のさらなる変形形態の斜視図を示す。
【図8b】図8aの蓋の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1a乃至1cは、飲料缶(200)のための再密閉可能な蓋(100)の様々な分解立体図を示す。この場合、飲料缶(200)は、カバー(400)が置かれる蓋(300)を含む。周面にわたって分布している相互に独立したスナップフック(410)は、カバー(400)を蓋(300)に固定するために与えられ、該スナップフック(410)は、蓋(300)のフランジ状の縁部(310)の下でスナップ作用のように飲料缶(200)と係合する。摩擦抵抗が低減されたために、カバー(400)と蓋(300)を部分的にのみ係合させるこれらのスナップフック(410)の助けを借りて、カバー(400)を蓋に対してより容易にねじることができる。スナップフック(410)は、好ましくはカバー全体(400)と同様にプラスチックから作られ、カバー(400)は、蓋(300)が飲料缶(200)上にフランジ付けされた後に、フランジ状の縁部(310)上で掛け金をかけられる。スナップフック(410)には、例えば、カバー(400)の外側縁部に沿ったカバーの先細り部分によって、カバー(400)に面する終端部に弾性構造が提供され、その結果、スナップフック(410)は、フランジ状の縁部(310)を加えた蓋(300)よりも直径が通常小さなカバー(400)を配置する間に、フランジ状の縁部(310)の圧力によってそのフック様端部とともにたわみ、その後、そのフック様端部でフランジ状の縁部(310)を囲むことができる。カバー(400)またはスナップフック(410)を破壊することなく、蓋(300)からカバー(400)を持ち上げることが可能なように、スナップフック(410)のフック様端部を配することができる。あるいは、スナップフック(410)は、取り外しできないようにフランジ状の端部(310)に係合可能である。
【0021】
カバー(400)は飲料用オリフィス(420)をさらに含み、該オリフィス(420)は、飲料缶(200)の蓋(300)の飲料用オリフィス(320)を開く際には、この同じ物をきつく囲んでおり、その結果、飲料缶(200)から飲む際に、蓋(300)とカバー(400)の間の位置に流体が達することはない。加えて、密封装置(430)は、蓋(300)に面するカバー(400)の表面上に提供され、該密封装置は飲料缶(200)を再密閉する際に、蓋(300)の飲料用オリフィス(320)を介した流体の任意の漏れを防ぐために使用される。
【0022】
飲料缶(200)のガス抜き(venting)を可能にするために、好ましくは、カバー(400)の飲料用オリフィス(420)は、蓋(300)内の飲料用オリフィス(320)よりも小さくなるように配される。飲料缶(200)から飲む際に、カバーの飲料用オリフィス(420)が飲む人の口で完全に包まれることがしばしばあるため、それによって、飲料缶(200)内で負圧が生じ、大型の飲料用オリフィス(320)は飲料缶(200)のガス抜きを可能にし、そのようなガス抜きが蓋(300)内の飲料用オリフィス(320)によって可能になるように、密封要素(430)は開放位置(すなわち、飲んでいる間)に配される。
【0023】
図1cは、蓋(300)の飲料用オリフィス(320)が、示された図では依然としてもとから密閉されていることを示す。飲料用オリフィス(320)は、蹄鉄のような手法で、示された実施形態で配された引き剥がし線(330)を含む。さらに、カム(340)が表面上に配され、該カムは、一般的には金属薄板から作られる蓋(300)のエンボス加工部分として図1bに従って形成される。前記カム(340)は、蓋(300)の第1の開口と飲料用オリフィス(320)の露出のために使用され、カバー(400)の飲料用オリフィス(420)の(例えば、斜面部として配される)接触面(421)(図4a)は、カバー(400)をねじる間にカム(340)を押圧し、前記カム(340)は、それによって、引き剥がし線(330)の引き剥がしと、同時に、蓋領域(331)の飲料缶(200)への内側への折り畳みとを引き起こす。この蓋領域(331)は引き剥がし線(330)によって区切られている。この目的のために、飲料用オリフィス(320)が完全に晒されるまで、その間、蓋(300)に対する方向にカバー(400)をねじる。その後、漏らすことなく飲料缶(200)から飲むことを可能にするために、カバー(400)の飲料用オリフィス(420)が、飲料缶(200)の蓋(300)の露出した飲料用オリフィス(320)のほぼ上方に来るまで、好ましくは、カバー(400)を再度、正反対の方向にねじる。
【0024】
飲料缶(200)が完全に空ではないとき、飲料缶を再密閉するために、密封手段(430)が蓋(300)の飲料用オリフィス(320)を完全に囲み、流体が飲料缶(200)から漏れることがないような程度にカバー(400)をねじる。カバー(400)の開放位置と密閉位置(図示されず)を正確に定義するために、蓋(300)に対するカバー(400)の正確な位置を指定するマークや標識を、蓋(300)から離れて外側を向いたカバー(400)の表面上に提供可能である。代替的に、音響信号、例えば、クリック音による特定の位置の達成を示す装置も同様に提供可能である。
【0025】
蓋(300)上に取り付けられた状態のカバー(400)をねじることを容易にする把持要素(gripper element)(405)が、カバー(400)の外側縁部上にさらに提供される。
【0026】
図2は、取り付けられた蓋(300)を備えた飲料缶(200)と、上面図におけるカバー(400)のさらなる実施形態を示す。この場合、缶(200)は依然として密閉されており、カム(340)がカバー(400)の飲料用オリフィス(420)に突出している。矢印によって示された2つの方向のうちの1つによって示された方向に、カバー(400)をねじることによってのみ、蓋の飲料用オリフィス(320)を上に記載されるように露出させる。
【0027】
本発明に従ったカバー(400)のさらなる実施形態が、図3a乃至で3cで示される。
この場合でも、カバー(400)は、好ましくは安定したプラスチックで作られ、飲料用オリフィス(420)を含む。さらに、把持要素(405)は、規則的な間隔でその外側縁部に提供され、該把持要素は、カバー(400)をねじることを容易にする。スナップフック(410)は、カバー(400)の底部の外周まわり(図3b)に再度配され、このカバー(400)は飲料缶(200)の蓋(300)に固定される。
【0028】
把持領域(480)は、本発明に従って蓋(300)上にカバー(400)を自動取り付けする目的で好ましくは提供され、その把持領域は、カバー(400)の外周に沿って環状に伸張し、真空の把持手段がカバー(400)を掴めるようにほぼ平面状に配される。
【0029】
図4aと4bは、密閉した飲料用オリフィス(320)を備えた、断面図における本発明のさらなる変形形態を示す。カム(340)は、この場合、カバー(400)の凹部(440)に再度突出して、引き剥がし線(330)によって区切られており、蓋(300)はこの実施形態では完全に金属から作られるというわけではない。その代わりに、飲料用オリフィス(320)が配される平面領域(350)は、安定したプラスチックで作られている。カバー(400)は、飲料缶(200)を開くために再度ねじられ、カバー(400)の飲料用オリフィス(420)は接触面(421)(図4aで示されたように)を含み、該接触面は、蓋(300)の飲料用オリフィス(320)を開く間にカム(340)に作用して、引き剥がし線(330)を引き剥がして開ける。蓋(300)は完全にプラスチックで作られていることも同様に規定可能である。
【0030】
図5aはさらなる断面図を示し、この断面図において、例えば、接着手段によって取り付けられるカム(340)は、蓋(300)の材料にエンボス加工されるか、または、材料の蓄積として配されるカムの代わりに、引き剥がし線(330)で区切られた蓋領域(331)上に配されるともに、飲料缶(200)が開かれず、カバー(400)のねじれが生じないかぎり、カバー(400)の凹部(440)に突出する。カバー(400)をねじることによって飲料缶(200)を再密閉する間の流体の損失を防ぐために、凹部(440)は、本発明のこの実施形態の密封手段(430)によって少なくとも部分的に囲まれる。
【0031】
図5bで示すような変形形態では、カム(340)は、カム(340)と一体的に配される押圧開放式要素(345)をさらに含む。カバー(400)をねじることによるカム(340)への圧力の作用下で、このフック様の押圧開放式要素(345)は、引き剥がし線(330)に直接押し込まれ、その結果、引き剥がし線(330)の押圧開口は、例えば、二重の引き剥がし線のきわめて正確な精度の改良型押圧開口を介して、本発明のこの実施形態で容易になる。
【0032】
引き剥がし線(330)を押圧開口する際に、例えば、図5bに記載されたような押圧開口式装置、または、代替的に、蓋に面するカバー(400)の側部上でほぼ鋭角に配された別々のカムは、別の手動による力で支持され、それぞれの標識がカバー(400)上に提供されるということをさらに規定可能である。カバー(400)を所定位置(開放位置)までねじった後に、飲料缶(200)を開くためには、カバー(400)をねじることによって生じるプリテンションの結果として垂直に作用する別の手動による垂直な押圧力で、押圧開放要素の押圧開放力を増幅させるためには、ユーザは1本または複数の指でカバー(400)の印のついた領域を押さなければならない。
【0033】
代替的な開口機構が図6に示されており、該図では、カバー(400)の凹部(440)に配されるとともに、例えば、カバーの先細り部分によって連結式にカバー(400)に接続したレバー要素(460)が提供されている。カバー(400)をねじる際、レバー要素(460)を曲げることで、このレバー要素は、引き剥がし線(330)が開いて、蓋領域(331)が飲料缶(200)の内部に押し込まれるように、引き剥がし線(330)によって囲まれた蓋領域(331)に作用する。結果として、レバー要素(460)は、開口機構として作用するだけでなく、引き剥がし線(330)で区切られた領域(331)のための曲げ機構としても作用する。
【0034】
密閉手段(100)は、図7a乃至7cで示されるような本発明の実施形態の様々な状態で示される。図7aでは、飲料缶(200)は依然として開いていない。密封手段(430)は、この実施形態では環状であり、この場合、蓋(300)の平面凹部(360)にあるカバー(400)の一部である。カバーは、カバー(400)の飲料用オリフィス(420)が蓋領域(331)上に配された位置へとねじられ、該蓋領域は、開いている間に、出口開口部(320)を露出させる。
【0035】
蓋(300)内の出口開口部(320)は、上記のような手法でカバー(400)をねじることによって露出し、蓋領域(331)は飲料缶(200)に向かって回転する。密封手段(430)は、この場合、凹部(360)に留まる(図7b)。
【0036】
飲料缶(200)が再密閉される際にのみ、密封手段(430)は、カバー(400)をねじることによって出口開口部(320)の周辺に配され、その結果、特に、カバー(400)と蓋との間での缶の内容物の漏れが避けられる。
【0037】
図8aと8bは、好ましくはアルミニウム製のさらなる蓋(300)を示し、開放カム(340)と折り畳みカム(341)は、引き剥がし線(330)によって区切られた蓋(300)の領域(331)に提供され、該カムは好ましくは蓋(300)の金属にエンボス加工される。開放カム(340)は折り畳みカム(341)よりも蓋の面から高い位置に突出している。なぜなら、開放カムと連携するカバー(400)の接触面(421)(図4a)は、例えば、カバー(400)をねじる間に開放カム(340)に大きな力をかけることで引き剥がし線(330)を開くが、折り畳みカム(341)を介した小さな力は、引き剥がし線(330)の開いた後に蓋領域(331)を飲料缶(200)内部に折り畳ませるからである。3番目として、いわゆるインデックスカム(342)は、蓋領域(331)の外部に配されるとともに、カバー(400)をねじる間に特定の位置にあるカバー(400)の凹部に係合し、それによって、その正確に定義された開放位置と密閉位置とを確保する。蓋(300)内のインデックスカム(342)の代わりに、凹部または溝部が配され、その一方で、カバー(400)は特定の回転位置にある凹部または溝部に係合する隆起部またはカムを備えるということも、同様に規定可能である。
【0038】
蓋(300)は、蓋の面から突出する密封領域(370)によって互いに分離した2つの平面凹部(360および361)をさらに備える。開かれた位置でも(例えば、飲んでいる際)、密閉された位置で飲料缶(200)を再密閉する間でも、飲料缶(200)の内容物が、蓋(300)とカバー(400)との間の領域に達しないように、および/または、飲料缶(200)から滲み出ないように、この密封領域(370)は、カバー(400)をとともに組み立てられた状態で協働する。さらに、このエンボス加工された密封領域(370)は、蓋(300)の機械的な補強をもたらす。
【0039】
密封手段(図示されず)、好ましくはカバー(400)に配されるエラストマーシールは、その送達状態(すなわち、飲料缶(200)の第1の開口前)で凹部(360および361)にあり、その結果、飲料缶(200)の第1の開口前の一般的には長い保存期間に、シールは緩めて保存される。このことは、この位置では密封手段に影響を与える機械的負荷がほとんどないか、ごくわずかであるという利点をもたらし、その結果として、使用中の張力の損失や結果として生じる締め付けの減少が一切生じない。弾性材料は、密封材料としては好ましいとみなされており、この密封手段を環状かまたは平面的な手法で配することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体容器、とりわけ飲料缶(200)の再密閉可能な密閉手段(100)であって、
前記密閉手段は、
フランジ状の縁部(310)によって前記液体容器を密閉する蓋(300)、および、
カバー(400)を備え、
前記蓋(300)は、蓋(300)上に配された前記カバー(400)をねじることによって露出させることが可能な出口開口部を有し、
前記蓋(300)は、前記蓋(300)と前記カバー(400)との間に少なくとも1つの密封手段(430)を収容するための少なくとも1つの凹部(360、361)を備えることを特徴とする密閉手段(100)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの密封手段(430)が好ましくは前記カバー(400)上に取り外しできないように配されることを特徴とする請求項1に記載の密閉手段(100)。
【請求項3】
前記蓋(300)に対する前記カバー(400)の第1の位置において、前記少なくとも1つの密封手段(430)が、前記少なくとも1つの凹部(360、361)に配され、その一方で、前記出口開口部(320)はもともと密封されていることを特徴とする請求項1または2に記載の密閉手段(100)。
【請求項4】
前記蓋(300)に対する前記カバー(400)の第2の位置において、前記少なくとも1つの密封手段(430)が露出した出口開口部(320)の領域に配され、その一方で、前記出口開口部は前記カバー(400)によって密封されることを特徴とする請求項3に記載の密閉手段(100)。
【請求項5】
前記カバー(400)は、部分的にフランジ状の縁部の後ろで、および、互いから独立して係合する少なくとも2つのスナップフック(410)によって、前記液体容器(200)に固定可能であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の密閉手段(100)。
【請求項6】
前記少なくとも2つのスナップフック(410)が前記カバー(400)上に移動可能なように配されることを特徴とする請求項5に記載の密閉手段(100)。
【請求項7】
前記スナップフック(410)が前記カバー(400)と一体化するように製造され、前記カバーの先細部分によって連結式に前記カバー(400)と接続していることを特徴とする請求項5または6に記載の密閉手段(100)。
【請求項8】
前記蓋(300)が少なくとも部分的にプラスチックで作られることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載の密閉手段(100)。
【請求項9】
少なくとも1つの押圧開放式のカム(340)が前記出口開口部(320)に配され、前記カムは、好ましくはフックのように配される少なくとも1つの押圧開放要素(345)を備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1つに記載の密閉手段(100)。
【請求項10】
前記蓋(300)に対する前記カバー(400)の位置を決定するために、少なくとも1つの要素が提供されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1つに記載の密閉手段(100)。
【請求項11】
前記蓋(300)に対する前記カバー(400)の位置を決定するための前記要素は、前記カバー(400)の少なくとも1つの凹部に係合可能な、前記蓋上に配された少なくとも1つのインデックスカム(342)として配されることを特徴とする請求項10に記載の密閉手段(100)。
【請求項12】
前記蓋(300)に対する前記カバー(400)の位置を決定するために、前記蓋は、前記カバー(400)上に配された少なくとも1つの隆起部またはカムが係合可能な少なくとも1つの溝部または凹部を備えることを特徴とする請求項10に記載の密閉手段(100)。
【請求項13】
前記蓋(300)に対する前記カバー(400)の位置を決定するために、前記カバー(400)の位置は、音響信号、例えば、クリック音によって示されることを特徴とする請求項10に記載の密閉手段(100)。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図8a】
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【図8b】
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【公表番号】特表2012−522695(P2012−522695A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−504005(P2012−504005)
【出願日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【国際出願番号】PCT/EP2010/054566
【国際公開番号】WO2010/115911
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(509227296)エクソリューション ゲーエムベーハー (6)
【Fターム(参考)】