説明

液体導入ユニット、液体噴射ヘッドユニット、及び、液体導入ユニットの製造方法

【課題】フィルムが撓んだ場合でも、弁体を安定して開閉することができる液体導入ユニット、液体噴射ヘッドユニット、及び、液体導入ユニットの製造方法を提供する。
【解決手段】液体流路38と、その一面がフィルム39により封止された圧力室40と、該圧力室40と上流との連通部41を開成又は閉成する弁体42と、該弁体42に対向する受圧部材43と、を液体導入ユニット本体44に備え、受圧部材43は、回動軸となる軸部43aと、弁体42を押圧する受圧部43bと、を有し、圧力室40の内圧の変化に応じて連通部41を開閉する液体導入ユニット13であって、軸部43aを保持する液体導入ユニット本体44の軸受部65は、フィルム側の先端部に該フィルム39の一部を止着した溶着部68を備え、該溶着部68の少なくとも一部をフィルム39と軸部43aとの間に突出させて、当該突出部分により軸部43aのフィルム方向への移動を規制した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流路内の内圧に基づき流路を開閉する弁体を備えた液体導入ユニット、液体噴射ヘッドユニット、及び、液体導入ユニットの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液体噴射ヘッドユニットとしては、圧力発生室内の液体に圧力変動を生じさせることでノズルから液滴として噴射(吐出)させる液体噴射ヘッドと、液体供給源からの液体を液体噴射ヘッドに送る流路が形成された液体導入ユニットと、が組み合わされたものがある。
【0003】
上記の液体噴射ヘッドは、例えば、インクジェット式記録装置(以下、単にプリンターという)等の画像記録装置に用いられるインクジェット式記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドという)、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド、バイオチップ(生物化学素子)の製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等がある。
【0004】
また、液体導入ユニットは、その内部の流路の一部を封止するフィルムと、該フィルムの内面に一部が固着される弁体(自己封止弁ともいう)と、を液体導入ユニットの本体に備えたものがある。この液体導入ユニットは、記録ヘッドのノズルから液滴が噴射されることにより流路内の内圧が減少すると、フィルムが弁体を押圧して開く方向に撓み、これにより弁体が開かれて、液体供給源からの液体を液体導入ユニットの流路を介して記録ヘッド側に供給する。一方、液体供給源からの液体が導入されて流路の内圧が上昇すると、フィルムが弁体から離隔する方向に撓み、これにより弁体が閉じて、記録ヘッド側への液体の供給が阻止される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−230196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記した液体導入ユニットでは、フィルムを液体導入ユニットの本体に止着する際、又は弁体の一部をフィルムに固着する際に、製造誤差等によりフィルムが撓む虞があった。また、止着後においても気温や湿度の変化等により、フィルムが膨張あるいは収縮して撓む虞があった。フィルムが撓むと、弁体の周囲のフィルムに皺が発生し、皺の寄り具合によってはフィルムに固定された弁体の姿勢が変化したり、フィルムが弁体を押圧する力に偏りが生じたりする。このため、安定して弁体を開閉することができず、記録ヘッド側に送る液体の流量がばらつき、ひいては記録ヘッドから吐出する液滴量のばらつきの原因となる問題があった。
【0007】
このような不具合を防止すべく、弁体とフィルムとの間において一端を回動可能にした板状の受圧板をフィルムに固着させずに弁体に対向させ、この受圧板を介して弁体を押圧するように構成したものが開発されつつある。例えば、図9(a)に示す液体導入ユニット80では、一面がフィルム81により区画される圧力室82内において、該圧力室82と液体流路83との連通部84を開閉する弁体85に対向させて受圧板86を設けている。また、受圧板86は、回動軸となる軸部86aを上端部に有し、該軸部86aが液体導入ユニット本体の軸受部87に保持されている。この軸受部87は、内側が受圧板86の軸部86aの直径よりも僅かに大きな断面凹状に形成され、一体成型によりフィルム81側に開口して形成されている。そして、この軸受部87の開口部をフィルム81により封止することで、受圧板86の軸部86aの移動を規制している。これにより、圧力室82の内圧の変化に応じてフィルム81が内側に変位すると、フィルム81に押圧された受圧板86が回動して弁体85を押圧し、弁体85を開閉させることができる。また、たとえフィルム81が撓んだとしても、受圧板86をフィルム81に固着していないため、フィルム81の撓みの影響を受けることなく受圧板86の姿勢を維持することができ、弁体85の開閉の安定化を図ることができる。
【0008】
しかしながら、図9(b)に示すように、軸受部87を封止する部分のフィルム81が撓んだ場合、受圧板86の軸部86aのフィルム81側への移動が許容され、受圧板86が回動する際の回動軸が前後にぶれる虞がある(図9(b)の矢印参照)。受圧板86の回動軸がぶれると、受圧板86が弁体85を押圧する力がばらつき、弁体85の開閉が不安定になる虞がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、フィルムが撓んだ場合でも、弁体を安定して開閉することができる液体導入ユニット、液体噴射ヘッドユニット、及び、液体導入ユニットの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の液体導入ユニットは、上記目的を達成するために提案されたものであり、上流側から下流側に向けて液体を流通させる液体流路と、該液体流路の一部に設けられ、その一面がフィルムにより封止された圧力室と、該圧力室と上流側の液体流路との連通部に設けられ、該連通部を開成又は閉成する弁体と、該弁体と前記フィルムとの間において該弁体に対向する位置に回動可能に設けられた受圧部材と、を液体導入ユニット本体に備え、
前記受圧部材は、回動軸となる軸部と、前記弁体を押圧する受圧部と、を有し、
前記圧力室の内圧の変化に応じて前記フィルムが変位することにより、前記受圧部材が前記弁体を変位させることで、前記連通部を開閉する液体導入ユニットであって、
前記フィルムより内側において前記軸部を回動可能に保持する前記液体導入ユニット本体の軸受部は、フィルム側の先端部に該フィルムの一部を止着した溶着部を備え、
該溶着部の少なくとも一部を前記フィルムと前記軸部との間に突出させて、当該突出部分により前記軸部のフィルム方向への移動を規制したことを特徴とする。
【0011】
本発明の液体導入ユニットによれば、フィルムの撓みに関係なく、受圧部材の軸部のフィルム方向への移動を溶着部の突出部分により規制することができるため、該軸部のぶれを抑制でき、受圧部材の受圧部が弁体を押圧する力がぶれることを防止できる。その結果、安定して弁体を開閉することができる。また、溶着部をフィルムと軸部との間に突出させて、軸部の移動を規制するため、別途部材を配置する必要がなく、製造工程を省くことができ、製造コストを抑えることができる。
【0012】
また、本発明の液体噴射ヘッドユニットは、上記構成の液体導入ユニットと、
該液体導入ユニットの前記液体流路の下流側と連通するヘッド流路と、該ヘッド流路に連通する圧力発生室と、該圧力発生室に開口するノズルと、を備え、該ノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明の液体噴射ヘッドユニットによれば、液体導入ユニットの弁体を安定して開閉することができるため、圧力発生室に液体を安定して供給することができ、ノズルから吐出する液滴量のばらつきを抑制することができる。
【0014】
さらに、本発明の液体導入ユニットの製造方法は、上流側から下流側に向けて液体を流通させる液体流路と、該液体流路の一部に設けられ、その一面がフィルムにより封止された圧力室と、該圧力室と上流側の液体流路との連通部に設けられ、該連通部を開成又は閉成する弁体と、該弁体と前記フィルムとの間において該弁体に対向する位置に回動可能に設けられた受圧部材と、を液体導入ユニット本体に備え、
前記受圧部材は、回動軸となる軸部と、前記弁体を押圧する受圧部と、を有し、
前記圧力室の内圧の変化に応じて前記フィルムが変位することにより、前記受圧部材を押圧すると、該受圧部材が前記弁体を変位させることで、前記連通部を開閉する液体導入ユニットの製造方法であって、
前記フィルムより内側において前記軸部を回動可能に保持する前記液体導入ユニット本体の軸受部に当該軸部を配置する軸部配置工程と、
前記軸受部のフィルム側の先端部に形成された溶着部を変形させて、該溶着部の少なくとも一部を前記フィルムと前記軸部との間に突出させるとともに、前記フィルムの一部を前記溶着部に止着するフィルム止着工程と、を含むことを特徴とする。
【0015】
本発明の液体導入ユニットの製造方法によれば、フィルム止着工程において、フィルムの一部を止着するとともに、溶着部の少なくとも一部をフィルムと軸部との間に突出させるため、作業効率を向上させることができる。
【0016】
上記方法において、前記溶着部は、熱可塑性材で形成され、
熱を加えることにより前記溶着部を変形させることが望ましい。
【0017】
また、上記方法において、荷重を加えることにより前記溶着部を塑性変形させることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】プリンターの構成を説明する斜視図である。
【図2】記録ヘッドユニットの正面図である。
【図3】記録ヘッドの要部断面図である。
【図4】液体導入ユニットの斜視図である。
【図5】(a)液体導入ユニットの平面図、(b)図2におけるA−A断面図である。
【図6】受圧板の正面図である。
【図7】弁体の開閉を説明する図であり、(a)閉状態を表す要部断面図、(b)開状態を表す要部断面図である。
【図8】フィルムのダイレクタへの溶着を説明する図であり、(a)溶着前の状態を表す要部断面図、(b)溶着後の状態を表す要部断面図である。
【図9】(a)液体導入ユニットのフィルムが撓んでいない場合の要部断面図、(b)液体導入ユニットのフィルムが撓んでいる場合の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、本発明の液体噴射装置として、インクジェット式記録装置1(以下、プリンター)を例に挙げて説明する。
【0020】
図1はプリンター1の構成を示す斜視図である。このプリンター1は、液体噴射ヘッドユニットの一種である記録ヘッドユニット2が取り付けられると共に、液体供給源の一種であるインクカートリッジ3が着脱可能に取り付けられるキャリッジ4と、記録動作時の記録ヘッドユニット2の下方に配設されたプラテン5と、キャリッジ4を記録紙6(記録媒体および着弾対象の一種)の紙幅方向、即ち、主走査方向に往復移動させるキャリッジ移動機構7と、主走査方向に直交する副走査方向に記録紙6を搬送する搬送機構8と、を備えている。なお、プリンター1としては、インクカートリッジ3がプリンター1の本体側に配置され、当該インクカートリッジ3から供給チューブを通じて後述する液体導入ユニット13に液体が供給される所謂オフキャリッジタイプの構成を採用することも可能である。
【0021】
キャリッジ4は、主走査方向に架設されたガイドロッド9に軸支された状態で取り付けられており、キャリッジ移動機構7の作動により、ガイドロッド9に沿って主走査方向に移動する。キャリッジ4の主走査方向の位置は、位置情報検出手段の一種であるリニアエンコーダー(図示せず)によって検出され、その検出信号、即ち、エンコーダーパルス(位置情報の一種)をプリンター1の制御部に送信している。
【0022】
また、キャリッジ4の移動範囲内における記録領域よりも外側の端部領域には、キャリッジ4の走査の基点となるホームポジションが設定されている。本実施形態におけるホームポジションには、記録ヘッド14のノズル形成面(ノズルプレート25:図3参照)を封止するキャッピング部材11と、ノズル形成面を払拭するためのワイパー部材12とが配置されている。そして、プリンター1は、このホームポジションから反対側の端部へ向けてキャリッジ4が移動する往動時と、反対側の端部からホームポジション側にキャリッジ4が戻る復動時との双方向で記録紙6上に文字や画像等を記録する所謂双方向記録が可能になる。
【0023】
キャリッジ4に取り付けられる記録ヘッドユニット2は、図2に示すように、インクカートリッジ3からのインク(後述するノズル31から吐出される液体の一種)を内部に導入する液体導入ユニット13と、該液体導入ユニット13の下部(下流側)に接続され、インクを記録紙6に向けて吐出する記録ヘッド14(液体噴射ヘッドの一種)と、を備えている。そして、インクカートリッジ3に貯留されたインクは、液体導入ユニット13を介して記録ヘッド14に供給される。
【0024】
記録ヘッド14は、図3に示すように、ヘッドケース15、振動子ユニット16、及び流路ユニット17から構成されている。ヘッドケース15は、例えば、エポキシ系樹脂により作製された中空箱体状部材であり、その先端面(下面)には流路ユニット17を固定し、ケース内部に形成された収容空部18内には振動子ユニット16を収容している。また、ヘッドケース15の内部には、その高さ方向を貫通してケース流路19が形成されている。このケース流路19は、液体導入ユニット13側からのインクを後述するリザーバー27に供給するための流路であり、1つのリザーバー27に対して2本ずつ設けられている。本実施形態における記録ヘッド14は、後述するように2条のノズル列(ノズル群)に対応して2つのリザーバー27を有しており、合計4本のケース流路19がヘッドケース15内部に形成されている。なお、本実施形態の記録ヘッド14は、ノズル列方向に対して左右対称であるため、図3において一方を省略している。
【0025】
振動子ユニット16は、櫛歯状に列設された複数の圧電振動子20と、この圧電振動子20に駆動基板からの駆動信号を供給するためのフレキシブルケーブル21(配線部材)と、圧電振動子20の一側端部を固定する固定板22と、から構成される。圧電振動子20の固定板22に固定されない自由端部の先端面は、後述する島部36(振動板26)に接合されている。そして、この圧電振動子20は、駆動信号の印加により伸縮して圧力発生室29の容積を膨張又は収縮することで、圧力発生室29内のインクに圧力変動を生じさせ、この圧力変動の制御によりノズル31からインクを噴射させることができる。
【0026】
流路ユニット17は、流路形成基板24の一方の面にノズルプレート25を、流路形成基板24の他方の面に振動板26をそれぞれ接合して構成されている。この流路ユニット17には、ケース流路19と連通するリザーバー27(共通液室)と、流路幅の狭い狭窄部として形成されるインク供給口28と、インク供給口28を介してリザーバー27と連通する圧力発生室29と、圧力発生室29に連通(開口)したノズル31とが設けられている。リザーバー27は、ノズル列を挟んで2列形成されており、各リザーバー27には2本のケース流路19の下端がそれぞれ連通している。また、インク供給口28から圧力発生室29を経てノズル31に至る一連のインク流路が、各ノズル31に対応して複数列状に形成されている。なお、ヘッドケース15のケース流路19、リザーバー27、及びインク供給口28からなる一連の流路が本発明のヘッド流路に相当する。
【0027】
上記ノズルプレート25は、ドット形成密度に対応したピッチ(例えば180dpi)で複数のノズル31が列状に穿設されたステンレス等の金属製の薄いプレートである。本実施形態のノズルプレート25には、ノズル31を列設したノズル列が2条設けられており、1つのノズル列は、例えば180個のノズル31によって構成される。
【0028】
上記振動板26は、支持板32の表面に弾性体膜33を積層した二重構造である。本実施形態では、金属板の一種であるステンレス板を支持板32とし、この支持板32の表面に樹脂フィルム39を弾性体膜33としてラミネートした複合板材を用いて振動板26を作製している。この振動板26には、圧力発生室29の容積を変化させるダイヤフラム部34が設けられている。また、この振動板26には、リザーバー27の一部を封止するコンプライアンス部35が設けられている。
【0029】
上記のダイヤフラム部34は、エッチング加工等によって圧力発生室29に対向する領域の支持板32を部分的に除去することで作製される。即ち、このダイヤフラム部34は、圧電振動子20の自由端部(固定板22に固定される側とは反対側の端部)の先端面が接合される島部36と、この島部36を囲む薄肉弾性部とからなる。上記のコンプライアンス部35は、リザーバー27の開口面に対向する領域の支持板32を、ダイヤフラム部34と同様にエッチング加工等によって除去することにより作製され、リザーバー27に貯留されたインクの圧力変動を吸収するダンパーとして機能する。
【0030】
そして、上記の島部36には圧電振動子20の先端面が接合されているので、この圧電振動子20の自由端部を伸縮させることで圧力発生室29の容積を変動させることができる。この容積変動に伴って圧力発生室29内のインクに圧力変動が生じる。そして、記録ヘッド14は、この圧力変動を利用してノズル31からインク滴を吐出する。
【0031】
次に、液体導入ユニット13ついて説明する。図4は液体導入ユニット13の斜視図、図5(a)は液体導入ユニット13の平面図、図5(b)は図2におけるA−A断面図である。
液体導入ユニット13は、上流側(インクカートリッジ3側)から下流側(記録ヘッド14側)にインクを供給するインク導入路38(本発明における液体流路に相当)と、インク導入路38の一部に設けられ、その一面(開口面)がフィルム39により封止された圧力室40と、を液体導入ユニット本体44に備えている。また、圧力室40と上流側のインク導入路38とを連通する貫通孔41(本発明における連通部に相当)には、該貫通孔41を開成又は閉成する弁体42を備えている。さらに、圧力室40内において弁体42とフィルム39との間には、弁体42に対向する位置に回動可能に設けられた受圧板43(本発明における受圧部材に相当)を備えている。
【0032】
具体的に説明すると、液体導入ユニット本体44は、合成樹脂等によってノズル列方向に長い直方体状に成型されており、本実施形態では、熱可塑性樹脂(例えば、PP(ポリプロピレン)等)を用いて作製されている。また、液体導入ユニット本体44には、長手方向の両端にフランジ部46が形成され、このフランジ部46には止着孔47が開設されている。この止着孔47は、液体導入ユニット13をヘッドケース15の上面にノズルプレート25に対して起立した姿勢で重ねた状態において、ヘッドケース15の上面(ノズルプレート25とは反対側の面)に開口したネジ孔(図示せず)と対応しており、ネジ孔を通じて止着孔47にネジ等を止着(螺合)することができる。これにより、液体導入ユニット13を、記録ヘッド14に固定することができる。
【0033】
液体導入ユニット本体44の上面には、長手方向の両側にインク導入孔49がそれぞれ形成されている。このインク導入孔49は、インクカートリッジ3からのインクが導入される部分である。また、液体導入ユニット本体44の下面には、長手方向の両側に記録ヘッド14のケース流路19の上端と接続される接続孔50が、各ケース流路19に対応して一対ずつ合計4つ形成されている。この接続孔50とインク導入孔49との間、すなわち、液体導入ユニット本体44に、両孔を繋ぐ一連のインク導入路38が形成される。さらに、液体導入ユニット本体44のノズル列方向に沿った両側面には、可撓性を有する透明な薄手のフィルム39がそれぞれ貼着されている。このフィルム39は、後述するように、区画部60、第1軸受壁65aおよび第2軸受壁65bの先端面に一体成型されたダイレクタ68(本発明における溶着部)に、熱溶着等によって接合される。そして、このフィルム39により封止されることで、インク導入路38の一部が液体導入ユニット本体44の両側面に区画形成される。
【0034】
本実施形態のインク導入路38は、インク導入孔49、上流側連通路52、第1フィルター室53、内部流路54、貫通孔41、圧力室40、下流側連通路56、主流路57、第2フィルター室58、接続孔50から構成される。また、インク導入路38は、2つのインク導入孔49に対応して互いに別個独立した状態で液体導入ユニット本体44に2つ形成されている。なお、この2つのインク導入路38は液体導入ユニット13の平面視において中心対称に配置されているため、以下では一のインク導入路38について説明し、他のインク導入路38については説明を省略する。また、図5(b)では一側の内部流路54の一部を省略してある。
【0035】
上流側連通路52は、図4に示すように、インク導入孔49と第1フィルター室53を連通する流路である。具体的には、上流側連通路52はインク導入孔49から液体導入ユニット本体44の内部を下方(記録ヘッド14側)に向けて伸びた後、液体導入ユニット本体44の上下方向の中央部において外側(フィルム39側)に向けて屈曲し、第1フィルター室53に開口している。この第1フィルター室53は、液体導入ユニット本体44の側面から起立した区画部60により周囲が区画され、この区画部60の先端のダイレクタ68(後述)に溶着されたフィルム39によって封止されている。また、第1フィルター室53の内側(フィルム39とは反対側)には、通過するインクを濾過するための第1フィルター61が面内に沿って取り付けられており、この第1フィルター61を介して、第1フィルター室53と内部流路54とが連通している。
【0036】
内部流路54は、液体導入ユニット本体44の内部において、第1フィルター室53側から圧力室40側に向けて前後(液体導入ユニット本体44の側面に対して垂直な方向)に形成された流路であり、その内側には、一端がバネ座62に固定されたバネ63(付勢部材の一種)と、このバネ63の他端に固定された弁体42と、を収容している。バネ座62は、第1フィルター61より内側において液体導入ユニット本体44に固定され、その一部にインクの流通が可能な流通孔(図示せず)を形成している。
【0037】
弁体42は、バネ63により圧力室40側、より具体的には、圧力室40の底面(開口面とは反対側の面)を構成する壁面側に付勢され、当該壁面に開設されて圧力室40と内部流路54とを連通する貫通孔41を開閉する円板部42aと、この円板部42aから圧力室40側に突出した弁体軸部42bと、から構成されている。円板部42aは、図7(a)に示すように、バネ63とは反対側の周囲に貫通孔41の縁に当接するパッキン42cが設けられ、この円板部42aのパッキン42cが貫通孔41の縁に当接している状態(閉状態)において貫通孔41を密閉することができる。また、弁体軸部42bは、貫通孔41よりも小径に形成されるとともに貫通孔41に挿入され、閉状態において先端が圧力室40側に突出する。そして、図7(b)に示すように、後述する受圧板43に弁体軸部42bが押圧されて、バネ63の付勢力に抗しながら弁体42が圧力室40から遠ざかる方向に移動すると、円板部42aのパッキン42cが貫通孔41の縁から離間する状態(開状態)に変換され、貫通孔41(貫通孔41と弁体軸部42bの隙間)を介して内部流路54と圧力室40とが連通する。なお、貫通孔41の開閉については、後で詳述する。
【0038】
圧力室40は、第1フィルター室53とは反対側の側面において区画部60により区画されるとともに、この区画部60の先端のダイレクタ68に溶着されたフィルム39によって封止されており、その内部には、軸受部65に回動可能に固定された受圧板43が備えられている。詳しく説明すると、受圧板43は、図6に示すように、上端部において回動軸となる軸部43aと、貫通孔41と対向して、貫通孔41から突出した弁体軸部42bを押圧可能な円板状の受圧部43bと、軸部43aと受圧部43bとを接続する軸部43aの全長より幅狭な接続部43cと、から構成されている。なお、本実施形態の受圧板43は、液体導入ユニット本体44よりも可撓変形し難い樹脂等(例えば、POM(ポリアセタール)等)により形成されている。
【0039】
軸受部65は、液体導入ユニット本体44に一体成型され、外側に向けて突出した第1軸受壁65aおよび第2軸受壁65bを、上下に間隔を空けて一対備えている。即ち、軸受部65は、外側(フィルム39側)に開口した断面凹状に形成されている。第1軸受壁65aは、受圧板43の軸部43aの一側(本実施形態においては上側)おいて、液体導入ユニット本体44の上下面に平行に形成されている。また、第2軸受壁65bは、受圧板43の軸部43aの他側(本実施形態においては下側)おいて、第1軸受壁65aに平行に形成されている。この第2軸受壁65bは、長手方向の略中央部が所定の幅に切り欠かれている。この切欠部の幅は、受圧板43の接続部43cの幅よりも少し大きく設定されている。すなわち、受圧板43の軸部43aが軸受部65に嵌合した状態では、第2軸受壁65bの切欠部に受圧板43の接続部43cの一部が収容可能となっている。
【0040】
そして、第1軸受壁65aおよび第2軸受壁65bの先端部には、可撓変形してフィルム39の一部を止着(溶着)するためのダイレクタ68が形成されている。本実施形態では、第2軸受壁65bの先端部に位置するダイレクタ68の一部をフィルム39と、軸受部65に収容された軸部43aとの間に突出させて、この突出部分と軸受部65とにより囲まれた空間(より詳しくは、この突出部分、液体導入ユニット本体44の側面、第1軸受壁65a、および第2軸受壁65bにより囲まれた空間)に、該空間の内法よりも僅かに小径な受圧板43の軸部43aを回動可能に保持している。これにより、受圧板43の軸部43aの上下方向(ノズルプレート25に対し垂直な方向)および前後方向(弁体42の変位方向)への移動が規制されている。なお、受圧板43は、ダイレクタ68およびフィルム39に止着されていない。
【0041】
圧力室40の上部には、図4に示すように、液体導入ユニット本体44の長手方向中央部に向けて延びた下流側連通路56が連通している。この下流側連通路56は、上下に間隔を空けて並行に延びた一対の区画部60により区画され、フィルム39により封止された面流路であり、圧力室40とは反対側で主流路57の上部と連通している。主流路57は、下流側連通路56と同様に区画部60およびフィルム39により区画された面流路であり、上方から下方に向けて次第に流路の幅を広げて形成し、下端で第2フィルター室58と連通している。また、主流路57の内側には、区画部60よりも高さの低い棚部69が、区画部60の内側に沿って段差をつけて形成されている。このため、棚部69のフィルム側の面と当該フィルム39との間に深さが浅い流路が形成され、この流路内に気泡等が入ることが抑制されている。これにより、主流路57内に気泡等が混入したとしても、少なくとも棚部69とフィルム39との間に形成された流路を介してインクを流通させることができ、その結果、主流路57が塞がれることを防止できる。
【0042】
第2フィルター室58は、液体導入ユニット13の下部において区画部60およびフィルム39により区画された長手方向に横長な面流路であり、フィルム39とは反対側の底面に設けられた第2フィルター70を介して、液体導入ユニット本体44の下面に開口する接続孔50に連通している。また、主流路57から流入したインクが両側の接続孔50に分配されるように、第2フィルター室58の底部のうち主流路57に対向する部分は、上方(主流路57側)に向けて三角形状に隆起している。そして、接続孔50に流入したインクは、記録ヘッド14のケース流路19に供給される。
【0043】
このように液体導入ユニット13は、インク導入孔49から、上流側連通路52、第1フィルター室53、内部流路54、貫通孔41、圧力室40、下流側連通路56、主流路57および第2フィルター室58を介して接続孔50に至る一連のインク導入路38を形成している。そして、圧力室40の内圧の変化に応じてフィルム39が変位することにより、貫通孔41を開閉させ、記録ヘッド14側にインク送ることができる。なお、図5には、インク導入孔49から、主流路57に至るまでのインクの流れ(F1またはF2)を図示している。
【0044】
貫通孔41の開閉について、図7に基づいて具体的に説明する。本実施形態のインク導入路38のうち貫通孔41よりも下流側は、流路内が十分にインクで満たされている場合、大気圧に対して僅かに負圧になるように設定されている。この場合、圧力室40を封止するフィルム39は、圧力室40の開口面と同一面または僅かに圧力室40の底面側(受圧板43側)に位置する。この状態では、フィルム39は、受圧板43を押圧しない。このため、バネ63の付勢力により弁体42の円板部42aのパッキン42cが貫通孔41の縁に当接し、弁体42の閉状態を維持する(図7(a)参照)。
【0045】
次に、記録ヘッド14がノズル31からインクを吐出すると、リザーバー27の圧力が低下し、これに伴って弁体42よりも下流側のインク導入路38の圧力が低下する。この圧力の低下により、圧力室40を封止するフィルム39が受圧板43側に変位し、受圧板43を弁体42側に押圧する。これにより、受圧板43が軸部43aを中心として回動して弁体42を押圧し、弁体42がバネ63の付勢力に抗しながら内側(第1フィルター61側)に変位して貫通孔41の縁から離隔して開状態となる。この開状態では、上流側から貫通孔41を通じて下流側(内部流路54から圧力室40)へのインクの流入を許容する(図7(b)参照)。このとき、受圧板43の軸部43aは、ダイレクタ68の軸部43a側に突出した部分と軸受部65とにより囲まれた空間に保持されているため、軸部43aが上下方向および前後方向へぶれることが抑制される。これにより、安定して弁体42を変位させることができる。
【0046】
そして、上流側からのインクの流入により、下流側のインク導入路38が再びインクで満たされると、圧力室40の圧力が大気圧に近づき、フィルム39が圧力室40の底面から離隔する側に変位する。これに伴って、バネ63の付勢力により弁体42および受圧板43がフィルム39側に変位し、弁体42が貫通孔41の縁に密着して閉状態に戻る。
【0047】
次に、上記した液体導入ユニット13の製造方法について、図8に基づいて説明する。まず、液体導入ユニット本体44を合成樹脂等によって成型した後、第1フィルター61、第2フィルター70等を液体導入ユニット本体44の所定位置に固着する。ここで、図8(a)に示すように、液体導入ユニット本体44には、ダイレクタ68が一体成型により区画部60、第1軸受壁65aおよび第2軸受壁65bの先端面から外側に向けて突出して形成されている。また、各ダイレクタ68は、それぞれ区画部60、第1軸受壁65aおよび第2軸受壁65bよりも狭い断面幅に形成されている。さらに、区画部60および第1軸受壁65aに設けられたダイレクタ68は、フィルム39を溶着するために変形したとしても流路側にはみ出さないように、区画部60および第1軸受壁65aの断面幅方向の中央部に形成されている。一方、第2軸受壁65bに設けられたダイレクタ68は、第1軸受壁65a側に偏った位置に形成されている。なお、上記したように、本実施形態の液体導入ユニット本体44は熱可塑性樹脂を用いて成型される。その後、一側面に形成された第1軸受壁65aと第2軸受壁65bとの間に受圧板43の軸部43aを前方から挿入し、受圧部43bを圧力室40内に配置した状態で軸部43aを軸受部65内に配置する(軸部配置工程)。
【0048】
次にフィルム39を張った状態で、所定の位置にダイレクタ68の先端面と重合させて配置する。そして、熱圧着治具を用いてフィルム39側から熱および荷重を加えることにより(図8(a)の矢印参照)、ダイレクタ68を押し潰すように塑性変形させて、フィルム39の一部を各ダイレクタ68に止着するとともに、第2軸受壁65bに設けられたダイレクタ68の一部をフィルム39と軸部43aとの間に突出させる(フィルム止着工程、図8(b)参照)。上記したように、第2軸受壁65bに設けられたダイレクタ68は、第2軸受壁65bの先端面において第1軸受壁65aに偏った位置に形成されているため、塑性変形して軸部43a側に突出するが、積極的に第1軸受壁65a側へ荷重を加えることで、より確実に軸部43a側へ突出させることもできる。
【0049】
例えば、熱圧着治具の先端面(圧着面)のうち、第2軸受壁65bに設けられたダイレクタ68に対応する部分を、当該先端面が下側となる姿勢で熱圧着治具を見たときに第1軸受壁65a側に向けて上り傾斜する状態に形成し、圧着時にこの部分をダイレクタ68側に押圧することで、第1軸受壁65a側へ荷重を加えることができる。このように、フィルム39を液体導入ユニット本体44の一側面に止着してインク導入路38を形成する際に、ダイレクタ68の一部を軸部43a側に突出させることで、この突出部分と軸受部65とにより囲まれた空間に受圧板43の軸部43aを保持することができる。液体導入ユニット本体44の他側面のフィルムについても同様の手順を繰り返して止着することで、上記のような液体導入ユニット13を作成することができる。
【0050】
このように、上記液体導入ユニット13によれば、フィルム39の撓みに関係なく、ダイレクタ68によって受圧板43の軸部43aのフィルム39側への移動を規制することができるため、該軸部43aのぶれを抑制でき、受圧板43の受圧部43bが弁体42を押圧する力がぶれることを防止できる。これにより、安定して弁体42を開閉することができる。その結果、圧力発生室29に液体を安定して供給することができ、ノズル31から吐出する液滴量のばらつきを抑制することができる。また、ダイレクタ68をフィルム39と軸部43aとの間に突出させて、軸部43aの移動を規制するため、別途部材を配置する必要がなく、製造工程を省くことができ、製造コストを抑えることができる。さらに、フィルム止着工程において、フィルム39の一部を止着するとともに、ダイレクタ68の少なくとも一部をフィルム39と軸部43aとの間に突出させるため、作業効率を向上させることができる。
【0051】
ところで、上記実施形態では、第2軸受壁に設けられたダイレクタをフィルムと軸部との間に突出させたが、これには限られず、第1軸受壁に設けられたダイレクタをフィルムと軸部との間に突出させてもよい。あるいは、第1軸受壁および第2軸受壁に設けられた両方のダイレクタをフィルムと軸部との間に突出させてもよい。要は、ダイレクタの少なくとも一部をフィルムと軸部との間に突出させられればよい。また、上記実施形態では、熱圧着治具により熱および荷重を加えることにより、ダイレクタを塑性変形させたが、熱だけを加えることによりダイレクタを塑性変形させてもよい。この場合、ダイレクタは自重により変形する。さらに、ダイレクタとフィルムの止着には、熱圧着治具に限らず、超音波溶着治具を用いることもできる。この場合は、超音波溶着治具とフィルムとの摩擦により熱を発生させて、ダイレクタを塑性変形させるとともにダイレクタとフィルムを止着する。
【0052】
また、本発明は、圧力発生手段を用いて液体の噴射制御が可能な液体噴射装置であれば、プリンターに限らず、プロッター、ファクシミリ装置、コピー機等、各種のインクジェット式記録装置や、記録装置以外の液体噴射装置、例えば、ディスプレイ製造装置、電極製造装置、チップ製造装置等にも適用することができる。そして、ディスプレイ製造装置では、色材噴射ヘッドからR(Red)・G(Green)・B(Blue)の各色材の溶液を噴射する。また、電極製造装置では、電極材噴射ヘッドから液状の電極材料を噴射する。チップ製造装置では、生体有機物噴射ヘッドから生体有機物の溶液を噴射する。
【符号の説明】
【0053】
1…プリンター,2…記録ヘッドユニット,13…液体導入ユニット,14…記録ヘッド,38…インク導入路,39…フィルム,40…圧力室,41…貫通孔,42…弁体,43…受圧板,44…液体導入ユニット本体,54…内部流路,65…軸受部,68…ダイレクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流側から下流側に向けて液体を流通させる液体流路と、該液体流路の一部に設けられ、その一面がフィルムにより封止された圧力室と、該圧力室と上流側の液体流路との連通部に設けられ、該連通部を開成又は閉成する弁体と、該弁体と前記フィルムとの間において該弁体に対向する位置に回動可能に設けられた受圧部材と、を液体導入ユニット本体に備え、
前記受圧部材は、回動軸となる軸部と、前記弁体を押圧する受圧部と、を有し、
前記圧力室の内圧の変化に応じて前記フィルムが変位することにより、前記受圧部材が前記弁体を変位させることで、前記連通部を開閉する液体導入ユニットであって、
前記フィルムより内側において前記軸部を回動可能に保持する前記液体導入ユニット本体の軸受部は、フィルム側の先端部に該フィルムの一部を止着した溶着部を備え、
該溶着部の少なくとも一部を前記フィルムと前記軸部との間に突出させて、当該突出部分により前記軸部のフィルム方向への移動を規制したことを特徴とする液体導入ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の液体導入ユニットと、
該液体導入ユニットの前記液体流路の下流側と連通するヘッド流路と、該ヘッド流路に連通する圧力発生室と、該圧力発生室に開口するノズルと、を備え、該ノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
を備えたことを特徴とする液体噴射ヘッドユニット。
【請求項3】
上流側から下流側に向けて液体を流通させる液体流路と、該液体流路の一部に設けられ、その一面がフィルムにより封止された圧力室と、該圧力室と上流側の液体流路との連通部に設けられ、該連通部を開成又は閉成する弁体と、該弁体と前記フィルムとの間において該弁体に対向する位置に回動可能に設けられた受圧部材と、を液体導入ユニット本体に備え、
前記受圧部材は、回動軸となる軸部と、前記弁体を押圧する受圧部と、を有し、
前記圧力室の内圧の変化に応じて前記フィルムが変位することにより、前記受圧部材を押圧すると、該受圧部材が前記弁体を変位させることで、前記連通部を開閉する液体導入ユニットの製造方法であって、
前記フィルムより内側において前記軸部を回動可能に保持する前記液体導入ユニット本体の軸受部に当該軸部を配置する軸部配置工程と、
前記軸受部のフィルム側の先端部に形成された溶着部を変形させて、該溶着部の少なくとも一部を前記フィルムと前記軸部との間に突出させるとともに、前記フィルムの一部を前記溶着部に止着するフィルム止着工程と、を含むことを特徴とする液体導入ユニットの製造方法。
【請求項4】
前記溶着部は、熱可塑性材で形成され、
熱を加えることにより前記溶着部を変形させることを特徴とする請求項3に記載の液体導入ユニットの製造方法。
【請求項5】
荷重を加えることにより前記溶着部を塑性変形させることを特徴とする請求項4に記載の液体導入ユニットの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−18250(P2013−18250A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155350(P2011−155350)
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】