説明

液体抽出のためのシステム、及び方法

【課題】水で濡れた固体を乾燥するための、低コストで、より熱効率又はエネルギ効率のよい方法が必要されている。プロセスからの様々な排出流れが再生及び使用されると有利である。
【解決手段】固−液抽出及び液−液抽出を使用して固体材料から水を除去するための方法である。ほとんどの実施形態において、固体から水を除去しかつ乾燥した固体を得るために多数の溶剤が使用される。多数の溶剤は、水を溶剤と交換し、この溶剤と別の溶剤と交換し、次いで最後に第2の溶剤を固体から除去することによって、固体からの水の除去を容易にする。この方法は、固体を乾燥し、慣用的に乾燥プロセスにおいて使用される溶剤を分離するために、より少ない熱エネルギを使用する。選択された第1の溶剤は、水よりも低い気化熱、蒸発のエンタルピ、沸点、又はその他のこのような物理的特性を有する。それぞれの付加的な溶剤は、さらに低い気化熱、蒸発のエンタルピ、沸点、又はその他のこのような物理的特性を有することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2つの溶剤を使用して供給流れから液体水及び/又は炭化水素を抽出するためのシステム、及びその使用方法に関する。システム及び方法は概して低減されたエネルギ抽出及び乾燥プロセスとして説明されることができる。
【背景技術】
【0002】
多くのプロセスのために、既存の流れは、廃棄流れ、副産物又は主要な所望の流れであるかにかかわらず、水で濡れた固体材料から成る。この水は通常、固体の隙間の空間に存在し、固体によって吸収又は吸着される。このような水は通常は、熱エネルギによって固体を乾燥することによって除去される。このプロセスは一般的に、固体から水を除去しかつ乾燥した使用可能な固体を得るために大量の熱又はエネルギを必要とする。
【0003】
ヘキサン等の溶剤を使用して濡れた固体から水を除去するために有機溶剤を使用する試みがなされてきた。基本的に、ヘキサンは固体から水を散逸させるために使用される。次いで、固体と共に残るヘキサンは熱エネルギによって固体から蒸発させられる。再び、このプロセスは概して大量の熱エネルギを必要とするが、固体から水のみが乾燥される場合よりも少ない。しかしながら、ヘキサンは、毒性等のその他の問題を生じる。さらに、不十分な置換により、大量の残留水が固体に残る場合がある。
【0004】
公知の抽出方法のいくつかの例は、Bairdの特許文献1を含み、この特許は、発酵混合物からガソホールにおいて使用するのに適したアルコールを直接抽出するために液−液抽出を利用する。ガソリンは、抽出溶剤として使用される。水は、吸着剤又は吸収剤を使用することによって、又は抽出されたアルコール−ガソリン生成物を約−10°F未満の温度に冷却して水を除去することによって、除去される。
【0005】
エタノール製造プロセス中には、一次水及びエタノールで濡れた固体が、ビール流れとして発酵プロセスから出る。油及びグリセロール等のその他の材料もビール流れに存在している。乾燥した固体と、水と、エタノールとの個々の排出流れを得ることが望ましい。
【0006】
上述のようなビール流れ固体は、固体の隙間の空間に水を有しており、この水は固体によって吸収又は吸着されている。この水及びあらゆるエタノールは通常は固体を熱エネルギによって乾燥することによって除去されてきた。好適には、エタノールは回収されて使用される;あいにく、純粋な又はほとんど純粋なエタノールの回収は一般的ではない。さらに、好適には水は十分に純粋であり、水は容易に捨てられることができる;あいにく、この水は汚染物を含んでおり、管理されることなく直接捨てられることはできない。さらに、油及びグリセロール等の汚染物は固体に存在し、これにより固体が多くの用途に対して望ましくないものとなる。
【0007】
【特許文献1】米国特許第4,251,231号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、水で濡れた固体を乾燥するための、低コストで、より熱効率又はエネルギ効率のよい方法が必要されている。プロセスからの様々な排出流れが再生及び使用されると有利である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、固体から及び存在するかもしれない炭化水素から水を分離するための方法であり、この方法は、同じ材料の慣用の強制空気乾燥よりも少なくとも20%少ないエネルギを利用する。
【0010】
水で濡れた固体は、水から分離され、本発明による方法によって乾燥される。方法は、固体の隙間空間に存在する水、及び固体によって吸収された水の一部を除去する。この方法は、固体供給流れから水を除去するための液体−固体抽出プロセスを使用する。
【0011】
1つの実施形態において、段階的に固体から水を除去しかつ乾燥した固体を得るために多数の溶剤が使用される。多数の溶剤は、段階的に水を溶剤と交換し、その溶剤を別の溶剤と交換し、最後にその別の溶剤を固体から除去することによって固体からの水の除去を促進する。
【0012】
別の実施形態において、水を固体から除去して乾燥した固体を得るために多数の溶剤が組み合わされ1つのステップにおいて使用される。組み合わされた多数の溶剤は、水を溶剤のうちの1つと交換し、その溶剤を別の溶剤と交換し、最後にその別の溶剤を固体から除去することによって固体からの水の除去を促進する。この実施形態において、2つ(又は3つ以上)の溶剤が同時に固体に導入され、好適には混合される。
【0013】
相前後して又は同時に提供される多数の溶剤の使用は、固体からの水の分離、水からの溶剤の分離、及び様々な溶剤の互いの分離を促進する。多数の溶剤は、液−液抽出又は蒸留プロセスによって互いに分離される。
【0014】
多数の溶剤は、慣用的に乾燥プロセスにおいて使用されるよりも、固体を乾燥しかつ溶剤を分離するためにより少ない熱エネルギを使用する。選択された少なくとも1つの溶剤は、水よりも低い気化熱、蒸発のエンタルピ、沸点、又はその他のこのような物理的特性を有する。それぞれの付加的な溶剤は、使用される第1の溶剤よりも低い気化熱、蒸発のエンタルピ、沸点、又はその他のこのような物理的特性を有する。これらの一般的な特性は、溶剤が相前後して(例えば段階的に)又は同時に(例えば混合されて)使用されるかにかかわらず当てはまる。
【0015】
別の実施形態において、本発明は、最初に水で濡れた固体を乾燥する方法に関する。この方法は、隙間空間を有する固体と隙間空間に存在する水とを含む供給流れを溶剤に接触させる。この溶剤は2つ又は3つ以上の溶剤の組み合わせであってよい。隙間空間に存在する水は溶剤によって置換され、溶剤を隙間空間に残す。次いで、隙間空間に溶剤を有する供給流れは第2の溶剤と接触させられることができる。隙間空間に存在する第1の溶剤は第2の溶剤によって置換され、これにより、第2の溶剤を隙間空間に提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
前述のように、本発明は、少なくとも2つの溶剤を使用することによって固体から水を分離する方法に関する。少なくとも2つの溶剤は、逐次的に若しくは段階的に(すなわち相前後して)又は混合されて固体に提供されることができる。
【0017】
この方法は、固体の隙間空間から水を置換するために第1の溶剤を使用する。この第1の溶剤は、水よりも低い気化熱及び沸点を有しており、水よりも固体から除去するのが簡単である。第2の溶剤は、固体から第1の溶剤を置換するために使用される。第2の溶剤は、第1の溶剤よりも低い気化熱及び沸点を有する。第2の溶剤は、第1の溶剤を導入した後に、又は第1の溶剤と同時に固体に導入されることができる。
【0018】
第1の溶剤は好適には水溶性であるが、水との共沸混合物を形成しない。共沸混合物は、1つの物質のように働く2つ以上の物質の混合物である。液体の部分的な蒸発によって発生された蒸気は液体と同じ組成を有する。すなわち、混合物の気化は初期物質の分離を生じない。
【0019】
第2の溶剤は好適には第1の溶剤と可溶性であるが、水とは可溶性ではない。使用される溶剤及びそれらの比に依存して、第1及び第2の溶剤は共沸混合物を形成してもしなくてもよい。しかしながら、第2の溶剤は、第1の溶剤、及び/又は水と混和性であってもよい。
【0020】
あらゆる付加的な又は次の溶剤は、前の溶剤と可溶性であってもよく、また、他の溶剤と共沸混合物を形成してもしなくてもよい。
【0021】
この多重溶剤液体抽出プロセスを利用することにより、固体を乾燥し、様々な溶剤を互いから及び自ら分離するために必要とされるエネルギは、慣用のプロセスと比較して著しく減じられる。
【0022】
本発明のプロセスは、概して、固体から水を除去する初期抽出サブプロセスに減じられることができ、この初期抽出サブプロセスの後、2つのサブプロセス、すなわち固体から溶剤を分離する「固体から溶剤」分離サブプロセスと、水及び溶剤、及び選択的にその他の成分を分離及び回収再生する「溶剤から水」分離サブプロセスとが行われる。
【0023】
ここで図を参照すると、2つの次々に提供される溶剤を使用する、本発明によるプロセスの概略的な表現は、概して図1に示されている。このプロセスは、固体から水を分離するための初期分離プロセス100と、2つの一般的なサブプロセス、すなわち固体から溶剤を除去するためのサブプロセスAと、水及び溶剤を分離及び回収再生するための第2のサブプロセスBとを有している。
【0024】
供給流れ10、その中に固体を備えた水様の流れ、は、図1の左上の角隅においてシステムに進入するように示されている。流れ10における固体のタイプ及び量は様々である。存在する特定の固体は、起源に依存し、起源の例は、穀物、その他の植物材料及び土材料を含む。
【0025】
流れ10における固体の量は概して5〜50重量%である。流れ10における固体の一般的な量は約10〜12%である。前記のように、流れ10は通常は水様の流れであり、水が、約概して50〜95重量%のレベルで存在する。流れ10における水の一般的な量は78重量%である。水に加えて、その他の液体が供給流れ10であることができ、しばしば供給流れ10に存在する。
【0026】
供給流れ10が発酵プロセスからのものであると、流れ10は概してアルコール(例えばエタノール)を含む。流れ10におけるアルコール及びその他の成分のレベルは、流れ10を提供するプロセスの効率に依存するが、流れ10におけるアルコールは概して16重量%未満である。通常、流れ10におけるアルコールのレベルは約8重量%よりも大きい。幾つかの流れにおけるアルコールの一般的なレベルは約15重量%である。
【0027】
その他の材料が通常は流れ10に存在する。例えば、油(例えばコーン油)及びグリセロールが通常は存在する。存在するかもしれない溶質の例は、酸(例えば酢酸)、アルデヒド(例えばアセトアルデヒド)、及び様々な糖を含む。これらの材料のレベルは低く、通常は2重量%未満、しばしば流れの1重量%未満である。
【0028】
図1に戻ると、供給流れ10は、供給流れ10の固体が自ら分離される水/固体抽出システム100に供給される。水/固体抽出システム100のための択一的な用語は、水抽出装置又は固−液抽出ユニットである。抽出システム100は、供給流れ10から水を除去し、水を溶剤と交換するように構成されている。好適な抽出システム100に関する付加的な詳細は以下に提供される。
【0029】
抽出システム100は1つ又は2つ以上の成分を供給流れ10から抽出溶剤流れ(以下で説明する)に転移する。通常、抽出システム100は反対流配列で動作する。すなわち、抽出溶剤流れは、供給流れ10が流入するところから最も遠いところにおいてシステム100に進入し、2つの流れは接触し、互いに反対方向に流過する。
【0030】
抽出システム100に供給される供給流れ10に加えて、抽出溶剤流れ15がシステム100に供給される。供給流れ10から水を抽出しかつ交換するのは流れ15における溶剤である。流れ15からの第1の溶剤は、供給流れ10と溶剤流れ15とがシステム100内を通過しながら、供給流れ10の元来の水様液体と結合する又は置換する。
【0031】
流れにおける1つの溶剤の別の溶剤とのこの交換は、濃度平衡によるものである。流れ15に高濃度で存在する溶剤は、より低い濃度を有する流れ、すなわち流れ10へ移動する。同様に、流れ10に高濃度で存在する水は、より低い水濃度を有する流れ、すなわち流れ15へ移動する。
【0032】
溶剤は、供給流れ10における水よりも低い気化熱又は蒸発のエンタルピに基づいて流れ15のために選択される。水は、1ポンドの水ごとに1000BTUの気化熱を有しているので、流れ15の溶剤は1000未満の気化熱を有するべきである。1000BTUに対して気化熱が低いほど、水からの溶剤15の後の分離が容易になる。流れ15の溶剤は、水溶性であることができる。流れ15の溶剤及び水は、共沸混合物を形成してもしなくてもよい。共沸混合物が形成されないならば、溶剤と水との後の分離は単純である。
【0033】
抽出溶剤流れ15のために実質的にあらゆる水溶性溶剤が選択されることができるが、供給流れ10に既に存在しているかもしれないものを選択することが好適である。適切な溶剤の例は、(エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、及びガソホール等の)アルコール、(アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)等の)ケトン、及びそれらの混合物を含む。多くの発酵プロセスからのものであるように、供給流れ10が主に固体と、水と、アルコールとから成るならば、溶剤流れ15は好適にはアルコール、例えば供給流れ10に存在するアルコールである。
【0034】
前記のように、供給流れ10における水は、水抽出システム100によって流れ15からの第1の溶剤と交換される。システム100から結果的に出る流れは、固体流れ20と液体流れ30とである。
【0035】
固体流れ20は、流れ10の固体と流れ15の所定量の第1の溶剤とから成る、濡れた固体流れである。濡れた固体流れ20は、以下に説明するように、サブプロセスAへ進行し、サブプロセスAによって処理される。液体流れ30は概して、供給流れ10の元来の液体(すなわち、水と、アルコール等のあらゆるその他の液体)と、溶剤流れ15の溶剤とから成る。液体流れ30は、以下に説明するように、サブプロセスBへ進行し、サブプロセスBによって処理される。
【0036】
<抽出システム100>
水−固体抽出システム100のための好適な構成が図2に示されている。図1及び図2に示されたように、供給流れ10と溶剤流れ15とがシステム100に進入し、濡れた固体流れ20と液体流れ30とがシステム100から出てくる。
【0037】
水−固体抽出システム100は少なくとも1つの抽出ユニット110を有している。図2に示されたシステムにおいて、システム100は3つの抽出ユニット、特に110A,110B,110Cを有している。各抽出ユニット110は、混合タンク112と、ポンプ114と、機械的な分離装置116と、エレメントを作動上接続するための管とを有している。
【0038】
混合タンク112は、固体及び液体材料を結合及び一時的に貯蔵するためのあらゆる適切なレセプタクルであることができる。示された実施形態において、タンク112は、以下で説明されるビール供給10及び水/溶剤流れ31を受容する。タンク112のための適切な材料の例は、炭素鋼及びステンレス鋼等の鋼を含む。好適な材料は304ステンレス鋼である。タンク112の容積は、材料流れ容積と、タンク112内の所望の滞在時間とに基づく。30ガロンのタンクが幾つかのカプロセスのために適した寸法である。
【0039】
タンク112から材料を移動させるために使用されるポンプ114は、タンク112の下流に位置決めされる。ポンプ114は、固体材料及び液体を含むタンク112から材料を機械的な分離装置116へ移動させることができるように選択されている。適切なポンプの例は、ダイアフラムポンプ、遠心ポンプ、及び液体及び固体の組み合わせを圧送するように設計されたポンプを含む。好適なポンプ114の例は、ITTインダストリ社のGoulds Pumpsから販売される遠心ポンプである。
【0040】
機械的な分離装置116は固体材料を液体から分離する。適切な機構分離機器の例は、ロトセル抽出装置、二重ねじ抽出装置、バスケット、回転式穴あきベルト、滑りロール、ループ抽出装置を含む。この機器は固−液抽出プロセスのためにはよく知られている。使用される特定の機器は、プロセスにおいて使用される溶剤及び溶剤比に依存する。抽出システム100において使用するための好適な機器は、以下で説明されるような定置のスクリーンである。
【0041】
それぞれの抽出ユニット110のためにタンク112と、ポンプ114と、機械的な分離装置116とを接続する管は、固体−液体材料を移動させることができるように選択されている。好適な管の例は、1インチ炭素鋼管である。
【0042】
スクリーン材料分離装置116のための好適な構成は、図3Aに示されている。分離装置116は、内部にスクリーン1163が設けられたハウジング1162を有している。スクリーン1163は、第1の湾曲部1163Aと、第2の、概して垂直な部分1163Bとを有している。スクリーン1163はハウジング1162をろ過側1167と堆積物側1168とに分離している。
【0043】
濡れた固体流れ11をタンク112からスクリーン1163へ噴霧するためのノズル1164が設けられている。1つの好適なプロセスの構成において、ノズル1164は、濡れた固体流れ11の8〜10ガロン/分の流れをスクリーン1163に提供するように構成されている。
【0044】
スクリーン1163の拡大図が図3Bに示されている。スクリーン1163は、クロスメンバ1166によって固定された複数の分離部材1165を有しており、クロスメンバ及び分離部材は、炭素鋼又はステンレス鋼であることができる。堆積物側1168において、よりノズル1164の近くに位置決めされた分離部材1165は、好適には、固体が部材1165に沿って落下するのを容易にするために垂直に延びている。1つの好適なプロセスにおいて、部材1165及び1166は、少なくとも0.01インチのメッシュサイズ(すなわち開口)を提供するために配置されている。
【0045】
主に湾曲部分1163Aにノズル1164によって噴霧される濡れた固体流れ11は、部材1165及び1166によって分離される。流れ11の液体は、スクリーン1163を通過し、ろ過側1167に収集される。大きすぎてスクリーン1163を通過できない固体は、堆積物側1168に残っている。
【0046】
一部の液体はスクリーン1163を通過せずに固体と共に残る。スクリーン1163は、固体からの液滴を得ようとして固体を保持するために、湾曲部分1163Aと垂直部分1163Bとの接合部に又はその近くに位置決めされたダム又はバッフル1169を有している。
【0047】
ろ過側1167へスクリーン1163を通過した液体は、出口1167Aを介してハウジング1162へ除去される。堆積物側1168に残った濡れた固体は、出口1168Aを介してハウジング1162から除去される。
【0048】
図2に戻ると、この示されたプロセスは、3つの抽出ユニット110A,110B,110Cを有している。ユニット110Aは、混合タンク112Aと、ポンプ114Aと、機械的な分離装置116Aと、エレメントを作動上結合するための管とを有している。ユニット110Bは、混合タンク112Bと、ポンプ114Bと、機械的な分離装置116Bと、エレメントを作動上結合するための管とを有している。ユニット110Cは、混合タンク112Cと、ポンプ114Cと、機械的な分離装置116Cと、エレメントを作動上結合するための管とを有している。
【0049】
ビール供給10はタンク112Aに供給され、このタンクにおいて水/溶剤流れ31(後で説明する)と混合される。流れ11としてのこの混合物はポンプ114Aを介して機械的な分離装置116Aへ圧送され、この分離装置において混合物は水/溶剤流れ30と濡れた固体流れ34とに分割される。
【0050】
濡れた固体流れ34はタンク112Bに供給され、このタンクにおいて水/溶剤流れ32(後で説明する)と混合される。流れ12としてのこの混合物は、ポンプ114Bを介して機械的な分離装置116Bに圧送され、この分離装置において混合物は水/溶剤流れ31と濡れた固体流れ35とに分割される。
【0051】
濡れた固体流れ35はタンク112Cに供給され、このタンクにおいて第1の溶剤流れ15と混合される。流れ13としてのこの混合物はポンプ114Cを介して機械的な分離装置116Cへ圧送され、この分離装置において水/溶剤流れ32と濡れた固体流れ20とに分割される。
【0052】
ユニット110Aからの流れ30は、“フルミセラ”と呼ばれる。図2に示された実施形態においては、3つのユニットが設けられているので、各流れは第3の(すなわち1/3)目的地が割り当てられている。ユニット110Bからの流れ31は、“2/3”ミセラと呼ばれ、ユニット110Cからの流れ32は、“1/3ミセラ”と呼ばれる。フルミセラ流れ30は、2/3ミセラ流れ31よりも低い溶剤濃度と高い水濃度とを有しており、2/3ミセラ流れは、1/3ミセラ流れ32よりも低い溶剤濃度と高い水濃度とを有している。
【0053】
これらの流れ30,31,32のそれぞれはプロセスにおいて再利用される。流れ31はリサイクルされてタンク112Aに供給され、流れ32はリサイクルされてタンク112Bに供給される。ビール供給10の水と流れ15の第1の溶剤とから成るフルミセラ流れ30は、“溶剤から水”分離サブプロセスBにおいて使用される。固体と流れ15の第1の溶剤とから成る濡れた固体流れ20は、“固体から溶剤”分離サブプロセスAに進行する。
【0054】
<“固体から溶剤”分離サブプロセスA>
図1に戻ると、水抽出システム100から、濡れた固体流れ20は“固体から溶剤”分離サブプロセスAに搬送される。サブプロセスAにおいて、乾燥した固体流れ90を得るために、濡れた固体流れ20の溶剤は第2の溶剤を使用することによって除去される。第2の溶剤は流れ70としてサブプロセスAに導入される。(元来は流れ15からの)第1の溶剤及び流れ70の第2の溶剤は、流れ80/230としてサブプロセスAから出る。
【0055】
サブプロセスAにおいて、アルコール等の、流れ15の第1の溶剤は、固体から抽出されて第2の溶剤と置換される。第2の溶剤は固体から除去され、乾燥した固体が得られる。“固体から溶剤”分離サブプロセスAは概して、2つのサブ−サブプロセス、溶剤抽出及び熱乾燥として構成されている。
【0056】
図4を参照すると、“固体から溶剤”分離プロセスAは、溶剤抽出システム200及び乾燥システム300を有して示されている。溶剤抽出システム200の択一的な用語は、溶剤抽出装置、又は固体−液体又は固体−溶剤抽出ユニットである。溶剤抽出システム200は、濡れた固体流れ20から第1の溶剤を除去して第1の溶剤を第2の溶剤と置換するように構成されている。
【0057】
溶剤抽出システム200は、濡れた固体流れ20の1つ又は2つ以上の成分を抽出第2溶剤流れ(後で説明する)に転移する。通常は、溶剤抽出システム200は、反対流れ配列で動作する。
【0058】
抽出システム200に供給される濡れた固体流れ20に加えて、抽出第2溶剤流れ70はシステム200に供給される。濡れた固体20から溶剤を抽出して置換するのは流れ70における溶剤である。流れ70の第2の溶剤は、流れ20及び溶剤流れ70がシステム200を通過するとき、固体流れ20における供給流れ15の第1の溶剤と結合し、この第1の溶剤と置換する。
【0059】
第2の溶剤は、濡れた固体流れ70に存在する流れ15の第1の溶剤よりも低い気化熱または蒸発のエンタルピに基づく。好適には、流れ70の溶剤は、流れ15の第1の溶剤と可溶性で混合可能である。流れ70の溶剤と流れ15の溶剤とは、共沸混合物を形成してもしなくてもよい。共沸混合物が形成されないならば、溶剤の後の分離はより単純である。
【0060】
流れ70の適切な溶剤の例は、(エチルエーテル、MTBE(メチル-tert-ブチルエーテル)、ETBE(エチル-tert-ブチルエーテル)、フッ化エーテル、及びその他の低分子量エーテル等の)エーテル、ハロゲン化炭化水素(例えば、n−プロピル臭化物又は1−ブロモプロパン、“Hypersolve NPB”の商品名で市販されている)、及び低分子量芳香族炭化水素(例えばトルエン、ベンゼン、キシレン)、及びこれらのあらゆる混合物を含む。
【0061】
第2の溶剤は、第1の溶剤(例えばエタノール)との高い可溶性、水との低い可溶性、及び第1の溶剤と第2の溶剤との分離しやすさとに基づき、概して気化熱又は蒸発のエンタルピの差に基づき、選択される。
【0062】
流れ70は、外部供給源によって提供されるが、好適には、後で説明するように、固体から除去された溶剤から、及び蒸留器700からのオーバーヘッド流れ70からリサイクルされる。
【0063】
上述のように、今や濡れた固体流れ20に存在する流れ15の第1の溶剤は、溶剤抽出システム200によって流れ70の第2の溶剤と交換される。システム200の結果的な排出流れは、濡れた固体流れ220及び液体流れ230である;図4参照。固体流れ220は、固体と、所定の量の、流れ70の第2の溶剤とから成る。濡れた固体流れ220は、第2の溶剤が固体から除去される乾燥システム300へ進行する。
【0064】
液体流れ230は、概して溶剤流れ15の溶剤と、流れ70の第2の溶剤とから成る。液体流れ230は、後で説明されるサブプロセスBへ進行し、このサブプロセスBによって処理される。
【0065】
<溶剤抽出システム200>
溶剤−固体抽出システム200のための好適な構成が図5に示されている。図4及び図5に示されているように、濡れた固体流れ20と第2の溶剤流れ70とがシステム200に進入し、濡れた固体流れ220と液体流れ230とがシステム200から出てくる。
【0066】
溶剤−固体抽出システム200は少なくとも1つの抽出ユニット210を有している。図5に示されたシステム200においては、システム210は3つの抽出ユニット、特に210A,210B,210Cを有している。各抽出ユニット210は混合タンク212と、ポンプ214と、機械的な分離装置216と、エレメントを作動上結合するための管とを有している。
【0067】
混合タンク212は、固体及び液体材料を組み合わせて一時的に貯蔵するためのあらゆる適切なレセプタクルであることができる。示された実施形態において、タンク212は、後で説明するように、濡れた固体流れ20と液体流れ41とを受容する。タンク212のための適切な材料の例は、炭素鋼及びステンレス鋼等の鋼を含む。好適な材料は304ステンレス鋼である。タンク212の容積は、材料の流れ容積とタンク212における所望の滞在時間とに基づく。30ガロンのタンクが幾つかのプロセスのために適した寸法である。
【0068】
タンク212から材料を移動させるために使用されるポンプ214はタンク212の下流に配置されている。ポンプ214は、固体材料及び液体を含むタンク212から機械的な分離装置216へ材料を移動させることができるように選択されている。適切なポンプの例は、ダイアフラムポンプ、遠心ポンプ、及び液体と固体との組み合わせを圧送するように設計されたポンプを含む。好適なポンプ214の例は、ITT Industries のGoulds Pumpsから販売されている遠心ポンプである。
【0069】
機械的な分離装置216は液体から固体材料を分離する。適切な機械的な分離装置の例は、ロトセル抽出装置、ダブルスクリュー抽出装置、バスケット、回転式穴あきベルト、スライドロール、及びループ抽出装置を含む;この装置は固−液抽出プロセスのためによく知られている。使用される特定の装置は、プロセスにおいて及び溶剤比において使用される溶剤に依存する。抽出システム200において使用するための好適な装置は、後で説明される定置のスクリーンである。
【0070】
各抽出ユニット210のためのタンク212と、ポンプ214と、機械的な分離装置216とを接続する管は、固体−液体材料を移動させることができるように選択されている。好適な管の例は1インチ炭素鋼管である。
【0071】
スクリーン機械的分離装置216のための好適な構成が分離装置116として図3Aに示されている;すなわち、機械的分離装置216は、水抽出システム100の機械的な分離装置116と同じであることができる。
【0072】
図5に戻ると、示されたプロセスは3つの抽出ユニット210A,210B,210Cを有している。ユニット210Aは混合タンク212Aと、ポンプ214Aと、機械的な分離装置216Aと、エレメントを作動上結合するための管とを有している。ユニット210Bは、混合タンク212Bと、ポンプ214Bと、機械的な分離装置216Bと、エレメントを作動上結合するための管とを有している。ユニット210Cは、混合タンク212Cと、ポンプ214Cと、機械的な分離装置216Cと、エレメントを作動上結合するための管とを有している。
【0073】
濡れた固体流れ20はタンク212Aに供給され、このタンクにおいて液体流れ41と混合される(後で説明する)。流れ21としてのこの混合物はポンプ214Aを介して機械的な分離装置216Aへ圧送され、機械的な分離装置において液体流れ230と濡れた固体流れ44とに分割される。
【0074】
濡れた固体流れ44はタンク212Bへ供給され、このタンクにおいて液体流れ42と混合される(後で説明する)。流れ22としてのこの混合物はポンプ214Bを介して機械的な分離装置216Bへ圧送され、機械的な分離装置において液体流れ41と濡れた固体流れ45とに分割される。
【0075】
濡れた固体流れ45はタンク212Cへ供給され、このタンクにおいて第2の溶剤流れ70と混合される。流れ23としてのこの混合物はポンプ214Cを介して機械的な分離装置216Cへ圧送され、機械的な分離装置において液体流れ42と濡れた固体流れ220とに分割される。
【0076】
ユニット210Aの液体流れ230は、“フルミセラ”と呼ばれる。ユニット210Bの流れ41は“2/3ミセラ”と呼ばれ、ユニット210Cの流れ42は“1/3ミセラ”と呼ばれる。フルミセラ流れ230は、2/3ミセラ流れ41よりも低い第2の溶剤濃度と高い第1の溶剤濃度とを有しており、2/3ミセラ流れ41は、1/3ミセラ流れ42よりも低い第2の溶剤濃度と高い第1の溶剤濃度とを有している。
【0077】
これらの流れ230,41,42のそれぞれはプロセスにおいて再利用される。流れ41はリサイクルされてタンク212Aに供給され、流れ42はリサイクルされたタンク212Bに供給される。流れ15の第1の溶剤と流れ70の第2の溶剤とから成るフルミセラ流れ230は、“溶剤から水”分離サブプロセスBにおいて使用される。固体と流れ70の第2の溶剤とから成る濡れた固体流れ220は乾燥システム300へ進行する。
【0078】
<乾燥システム300>
溶剤抽出システム200からの、流れ70の固体及び第2の溶剤を有する、濡れた固体流れ220は、乾燥システム300に供給され、この乾燥システムにおいて、溶剤とあらゆるその他の揮発性液体又は溶剤が固体から除去される。乾燥システム300は、熱エネルギを使用する“固体から溶剤”分離サブプロセスAにおける唯一のユニットである。乾燥システム300のための適切な装置の例は、蒸気ジャケットチューブ乾燥機(例えばシュネッケンチューブ乾燥機)、蒸気加熱スクリューチューブ乾燥機、ロータリ乾燥機、ベルト乾燥機、ダウンドラフト溶剤除去装置、又はDT;この装置は乾燥プロセスのためによく知られている。好適な乾燥システム300は、蒸気ジャケットチューブスタイル乾燥機を含む。
【0079】
溶剤は、乾燥システム300において固体から熱的に除去され、乾燥した固体は出口流れ90として得られる。除去された第2の溶剤は流れ80として乾燥システム300から出てくる。流れ80はさらに処理されることができる。図4に示されたプロセス実施形態において、流れ80は、ミセラ流れ230と組み合わされて、“溶剤から水”分離サブプロセスBへ送られる。
【0080】
<“溶剤から水”分離サブプロセスB>
図1に戻ると、ビール供給10の水と流れ15の第1の溶剤とから成る流れ30は、“溶剤から水”分離サブプロセスBへ搬送され、溶剤から水を分離するように処理される。
【0081】
しかしながら、所望の出口流れを提供するために分離を最大限にするために、サブプロセスBは好適には、溶剤流れ40としてサブプロセスBに提供される第2の溶剤を利用する。
【0082】
流れ40の溶剤は、流れ30の成分、すなわち供給流れ10の水及び流れ15の溶剤、よりも低い気化熱又は蒸発のエンタルピを有するように選択される。好適な方法において、流れ40の溶剤は、上述された“固体から溶剤”分離サブプロセスAからの、流れ70の溶剤と同じである。好適には、溶剤流れ40は、“固体から溶剤”分離サブプロセスBからリサイクルされる;特に、溶剤流れ40は流れ80から得られる。
【0083】
流れ80は流れ230と組み合わされ、この組み合わされた流れ80/230は、1つの流れとしてサブプロセスBに供給される。流れ40は、4つの主要な成分、すなわち水と、第1の溶剤と、第2の溶剤との適切な濃度を保証するように必要に応じて加えられる。
【0084】
溶剤から水を分離するためにあらゆる公知の方法を使用することができる。適切な液−液抽出又は液−液分離方法の例は、蒸留、例えばパックされた、ヨークシャイベル、オールドシューラストン、回転ディスク、Karr又はパルスカラムを含む。別の適切な分離方法は遠心コンタクタに関する。
【0085】
“溶剤から水”分離プロセスBのための1つの一般的な構成が図6に示されている。サブプロセスBは、液−液分離ユニット400と、2つの蒸留ユニット500,600とを含む。
【0086】
この実施形態において、底部において液−液プロセスユニット400に進入する、液体流れ30は、ユニット400の頂上部において進入する流れ80/230よりも低い密度を有する。すなわち、流れ30の成分はユニット400において上昇するのに対し、流れ80/230における成分はカラムにおいて低下する。ユニット400からの排出は、ユニット400の上部から上部流れ45と、ユニット400の底部からの底部流れ65とである。流れ45,65の特定の組成は、流れ30及び80/230の組成に依存する。流れ40は、ユニット400における水と、第1の溶剤と、第2の溶剤との適切なバランスを保証するための追加流れである。
【0087】
互いに可溶性のそれぞれの進入する流れ30,40と、互いに不溶性である幾つかの流れとにおける成分がある。選択によって、流れ80/230の溶剤と、水とは、通常は互いに不溶性であり、一方又は他方において濃厚な上部及び下部の相を形成する。溶剤は、水よりも大きな又は小さな密度を有するので、水濃厚相は、上部又は底部における。流れ80/230の溶剤が1.3の密度を有する、ひいては水よりも濃厚であるとすると、流れ65と水濃厚相とが上部から流れ45として出るときに、溶剤濃厚相はカラム400の底部から出る。流れ45は、他のより少ない水溶性成分、場合によっては流れ80/230の少量の溶剤を備えた、アルコール及び水の多い流れである傾向がある。流れ65は、場合によっては少量のアルコール及びその他の成分を備えた、溶剤の多い流れである。
【0088】
流れ45は、流れ55及び60へのさらなる分離のために、プロセスユニット500、蒸発又は蒸留装置へ送られる。流れ65は、流れ50及び75へのさらなる分離のために、処理ユニット600、異なる蒸留又は蒸発装置へ送られる。
【0089】
多くのプロセスにおいて、付加的な処理の必要なしにこれらの流れの材料が販売されるか又はそれ以外で使用されることができるように、流れ50,55,60,75は十分に純粋である。
【0090】
(プロセスの好適な実施形態)
このプロセスの好適な実施形態が図7に概略的に示されている。このプロセスは、固体から水を除去する初期抽出プロセスを有しており、この後に2つのサブプロセスが行われる。第1のサブプロセスは固体から初期溶剤を除去し、第2のサブプロセスは、水と、溶剤と、その他の成分を分離し、再生する。この好適なプロセスの説明においては、参照符号の後に“a”が付いていることを除けば、適当に、同様の流れ及び装置に関して前で使用されたものと同じ参照符号が使用される。
【0091】
好適なプロセスのこの実施形態において、(穀物固体、水、エタノール、油、グリセロール、及びその他少量の成分から成る)ビール流れ10aが固体液体抽出システム100aに供給される。固−液抽出システム100aの択一的な用語は水抽出装置又は水抽出ユニットである。水抽出システム100aは、供給流れ10aから水を除去し、水を溶剤と置換するように設計されている。適切な固−液抽出装置の例は前に水抽出システム100として説明されており、好適なシステム100aは3つの分離装置116を有している。水抽出システム100aは反対流れ形式で作動する。
【0092】
第1の溶剤、抽出溶剤15aは、溶剤の一部が水を流れ10aから置換する水抽出システム100aに供給される。この実施形態において、抽出溶剤はエタノールである。エタノールは、供給流れ10aにおける水よりも低い気化熱又は蒸発のエンタルピを有している。
【0093】
システム100a、結果的な出口流れは濡れた固体流れ20a及び液体流れ30aである。固体流れ20aは、後で説明される“固体から溶剤”分離サブプロセスAへ進行し、これによって処理される。液体流れ30aは、後で説明される“溶剤から水”分離サブプロセスBへ進行し、これによって処理される。
【0094】
サブプロセスA
システム100aの濡れた固体流れ20aは管によって固−液抽出システム200aへ圧送される。システム200aのための適切な装置の例は前に固−液抽出システム200として提供されており、好適なシステム200aは3つの分離装置216を有している。通常は、溶剤抽出システム200aは反対流れ構成で動作する。
【0095】
また、第2の溶剤、流れ70aも溶剤抽出システム200aに進入する。この実施形態において、溶剤はn−プロピル臭化物である。n−プロピル臭化物は、供給流れ10aにおける水及び流れ15aのエタノールよりも低い気化熱又は蒸発のエンタルピを有している。
【0096】
溶剤抽出システム200aにおいて、特に固体の隙間空間における、流れ20aにおけるエタノールは、流れ70aのn−プロピル臭化物と交換される。エタノールは流れ230aとしてシステム200aから排出され、今やn−プロピル臭化物で濡れた固体は流れ220aとしてシステム200aから排出される。
【0097】
流れ220aは乾燥機300aへ供給され、この乾燥機においてn−プロピル臭化物とあらゆるその他の残留する揮発性液体又は溶剤は固体から除去される。乾燥機300aは熱エネルギを使用するサブプロセスAにおける唯一のユニットである。乾燥機300aのための適切な装置の例は、前に乾燥機300に関して説明されている。乾燥した固体は出口流れ90aとして排出される。熱的に除去された溶剤は、流れ80a、蒸気として乾燥機300aから排出される。流れ80aは液体流れ230aと組み合わされる。この組み合わされた流れ80a/230a及び流れ30aは、“溶剤から水”分離サブプロセスBにおいて液−液抽出ユニット400aに供給される。
【0098】
サブプロセスB
組み合わされた流れ30aはプロセスユニット400aの底部に提供される。溶剤流れ80a/230aはユニット400aの上部において進入する。この実施形態において、流れ80a/230aの溶剤はn−プロピル臭化物である。流れ30aは、ユニット400aの上部において進入するn−プロピル臭化物よりも低い密度を有する。したがって、流れ80a/230aの成分はカラムにおいて落下するのに対し、流れ30aにおける成分はカラムにおいて上昇する。したがって、1.3の密度を有する標準−プロピル臭化物は、溶剤濃厚流れ65aとしてカラムの底部から排出され、水濃厚相は流れ45aとして出てくる。
【0099】
流れ45aは、その他のより少ない水溶性成分と共に、アルコール及び水の濃度が高い。流れ45aには少量のn−プロピル臭化物が存在することがある。
【0100】
流れ45aはプロセスユニット500a、蒸発又は蒸留装置へ送られる。ユニット500aは流れ45aの混合物からエタノールを分離する;蒸気としての及びエタノール及び水の共沸混合物としてのエタノールは、流れ60aとしてユニット500aから出てくる。流れ60aは、凝縮されるか、そのまま使用されるか、又はその他の成分を除去するための別の処理のために送られる。流れ60aは、99.9+%純粋な生成エタノールを提供するための別の精製装置へ蒸気としても搬送される。
【0101】
プロセスユニット500aの流れ55aは、ほとんど、ユニット500aにおいて蒸発しなかった幾らかの水溶性成分を含んだ水である。この液体流れ55aは、そのまま、又はさらに精製されて使用することができる。
【0102】
ユニット400aに戻ると、流れ65a、ユニット400aからの高有機底部流れも、蒸留又は蒸発装置へ送られる。流れ65aの大部分はn−プロピル臭化物から成り、流れ65aの残りは、コーン油等の、脂溶性成分から成る。流れ65aは、存在する蒸気流れ75aと液体流れ50aとを有するプロセス装置600aを供給する。流れ75aは主にn−プロピル臭化物である。この蒸気は、凝縮され、流れ70aとして、液体抽出サブプロセスAにおいてリサイクル(再利用)されることができる。液体流れ50aは主に脂肪及び油である;この流れはそのまま使用することもできるし、又はさらに精製することもできる。
【0103】
連続的な溶剤を使用するプロセスの択一的な実施形態
プロセスの第1の択一的な実施形態は図8に概略的に示されている。このプロセスは、固体から水を除去する初期抽出プロセスを有しており、その後に2つのサブプロセスが続く。第1のサブプロセスは固体から初期溶剤を除去し、第2のサブプロセスは、水と、溶剤と、その他の成分とを分離して再生する。この好適なプロセスの説明は、参照符号の後に“b”が付けられていることを除けば、適当に、同様の流れ及び装置のために前に使用された同じ参照符号を使用する。
【0104】
この実施形態において、供給流れ10bは固−液抽出システム100bに供給され、供給流れ10bの固体は自ら分離される。適切な固液抽出装置の例は、水抽出システム100として前に説明されており、好適なシステム100bは分離装置116を有している。
【0105】
抽出溶剤流れ15bは供給流れ10bと共に水抽出システム100bに供給される。この実施形態において、抽出溶剤はエタノールである。エタノールは、供給流れ10bにおける水よりも低い気化熱又は蒸発のエンタルピを有している。システム100bからの結果的な出口流れは、濡れた固体流れ20bと液体流れ30bとである。固体流れ20bは、後で説明される“固体から溶剤”分離サブプロセスAへ進行し、このプロセスによって処理される。液体流れ30bは、やはり後で説明される“溶剤から水”分離サブプロセスBへ進行し、このプロセスによって処理される。
【0106】
サブプロセスA
水抽出システム100bから、固体流れ20bは、固−液抽出システム200bへ搬送され、この固−液抽出システムにおいて流れ15bの溶剤は、固体から除去され、流れ70bとして進入する第2の溶剤と交換される。この実施形態において、溶剤はエチルエーテルであり、エチルエーテルは、供給流れ10bにおける水及び流れ15bのエタノールよりも低い気化熱又は蒸発のエンタルピを有している。流れ70bのエチルエーテルは外部供給源によって提供されるが、好適には、後で説明するように、固体から除去された溶剤から、及び蒸留器600bからのオーバヘッド流れ75bからリサイクルされる。
【0107】
溶剤抽出システム200bにおいて、流れ20bにおけるエタノールは、流れ70bのエチルエーテルと交換される。エタノールは流れ230bとしてシステム200bから排出され、今やエチルエーテルで濡れた固体は流れ220bとしてシステム200bから出る。
【0108】
流れ220bは乾燥機300bへ供給され、この乾燥機においてエチルエーテル及びあらゆるその他の残留する揮発性の液体又は溶剤は固体から除去される。熱的に除去された溶剤は流れ80b、蒸気、として乾燥機300bから排出され、凝縮器800へ進行する。流れ80bの体積に応じて、流れの一部はエーテル副次流として除去される。流れ80bの残りはシステム200bへ戻される。
流れ230bは“固体から水”分離サブプロセスBへ進行する。
【0109】
サブプロセスB
“溶剤から水”分離サブプロセスBは、水抽出システム100bの液体流れ30bと、サブプロセスAからの流れ230bとを処理する。流れ30bはプロセスユニット400bの上部に提供される。液−液抽出ユニット400bは通常は4つのポートを備えた高いカラムであり、頂上部と底部とに1つずつ入口が設けられており、頂上部と底部とに1つずつ、2つの出口が設けられている;2つの入口からの流れは反対方向に流れる。溶剤流れ40bはユニット400bの底部において進入する。この実施形態において流れ40bの溶剤はエチルエーテルである。したがって、流れ40bの成分はカラムにおいて上昇するのに対し、流れ30bの成分はユニット400bにおいて低下し、入口において流れ30bが有するよりも低いエタノール濃度を有する排出水様底部出口流れ45bを生じ、いくらかのエタノールをエーテル流れに転移させている。また、ほとんどエーテルである上部出口流れ65bも排出されるが、この流れは、入口において流れ40bが有するよりも高いエタノール濃度を有しており、流れ30bのいくらかのエタノールを受け取っている。
【0110】
底部出口流れ45bは、水と、エタノールと、供給流れ10bのいくらかのその他の炭化水素と、流れ40bの少量のエチルエーテルとから成る。流れ45bは蒸留器500bに供給され、この蒸留器において、全ての揮発性成分を自ら分離しかつオーバヘッド流れ60b及び底部流れ55bを提供するために熱エネルギが使用される。蒸留器500bは、サブプロセスBのこの実施形態において、熱エネルギを利用する2つだけのプロセスエレメントのうちの1つである。
【0111】
オーバヘッド流れ60bは、エタノールと、流れ45bに存在していたあらゆる僅かなエーテルとを含む。底部流れ55bは、水と、あらゆるその他の重い材料を含む。水と溶剤との異なる沸点により、分離を提供するために概して少量の外部熱又はエネルギが必要とされる。
【0112】
オーバヘッド流れ60bはコンデンサ700へ進行し、このコンデンサにおいてエタノール蒸気は液体に凝縮される。結果的な液体流れは、かなり純粋、通常は少なくとも90%、好適には少なくとも95%である。エタノールは、溶剤流れ15bのために収集されかつ使用されることができる。底部流れ55bは、最小限のさらなる精製で廃棄することができるように、概して十分に純粋な水である。
【0113】
液−液抽出ユニット400bの上部出口流れ65bは、ユニット400bの大部分のエーテルと、流れ30bの大部分のエタノールとを含み、通常は少量の水を含む。上部出口流れ65b及び流れ230bは蒸留器600b、すなわち熱エネルギを利用するこの実施形態におけるサブプロセスBの2つのプロセスエレメントのうちの第2のもの、に供給される。上部出口流れ65bは、蒸留器600bによって、オーバヘッド流れ75bと底部流れ67とに分離される。
【0114】
オーバヘッド流れ75bはエーテルを含む;通常、この流れはかなり純粋、通常は少なくとも95%、好適には少なくとも98%純粋である。オーバヘッド流れ75bは、プロセス内へリサイクルされ、サブプロセスAの乾燥機300bから排出されたエーテル流れ80bと組み合わされる。
【0115】
底部流れ67はより重いエタノールを含む;この流れはかなり純粋、通常は少なくとも90%純粋、好適には少なくとも95%純粋である。かなり純粋なエタノールから成る底部流れ67は、流れ60bと同じ形式で処理されることができ、収集され、溶剤流れ15bとしてプロセスへ戻されるか、又はさらに精製されることができる。
【0116】
2つの連続的に提供される溶剤を使用するプロセスの第2の択一的な実施形態が図9に概略的に示されている。このプロセスは、固体から水を除去する初期抽出プロセスを有しており、その後に2つのサブプロセスが行われる。第1のサブプロセスは、固体から初期溶剤を除去し、第2のサブプロセスは、水と、溶剤と、その他の成分とを分離しかつ再生する。この好適なプロセスの説明は、参照符号の後に“c”が付けられていることを除いて、適切に、同様の流れ及び装置のために前に使用された同じ参照符号を使用する。
【0117】
図9は、この実施形態が付加的なプロセス装置を有することを除いて、図8のプロセスと同様のプロセスを示している。ユニット600cからの底部流れ67cは蒸発器ユニット900へ送られ、この蒸発器ユニットは、流れ76及び流れ77を提供するために、エタノール及び水の共沸混合物を沸騰させるように設計されている。流れ76は、エタノールと、好適には水、及びいくらかの少量の付加的な揮発性の材料の混合物を含む。流れ76はシステム1000、一連の分子ふるい、へ進行する。システム1000は、蒸発器ユニット900から共沸混合物を取り出し、エタノール、流れ78を提供する。分離からの残りの水は流れ79としてシステム1000から排出される。
【0118】
流れ75cの揮発させられない部分は、流れ77、比較的クリーンな水としてユニット900から排出される。
【0119】
2つの連続的な溶剤を使用するプロセスの第3の択一的な実施形態が概略的に図10に示されている。この好適なプロセスの説明は、参照符号の後に“d”が付けられていることを除いて、適切に、同じ流れ及び装置のために前に使用された同じ参照符号を使用する。
【0120】
図10は、プロセスの別の実施形態であり、図9のプロセスと同様である。しかしながら、図10のプロセスは、付加された液/液抽出ユニット450を有する。図8及び図9の実施形態とは異なり、ユニット400dからの水様(底部)の流れ45dは直接ユニット500dに供給されず、ユニット450への2つの供給流れのうちの1つである。ユニット400dと同様に、ユニット450は、ユニット450に提供される他の供給流れ46であるエーテルを使用して、水様の供給流れからエタノールを抽出する。ユニット450からの有機(上部)相流れ、流れ47は、ユニット400dの有機相流れ65dと組み合わされる。付加的に、ユニット500dの蒸気流れ60dは、凝縮器へ送られないが、流れ47及び65dと組み合わされ、結果的な流れは、システム200dからの流れ230dと組み合わされる。この組み合わされた流れはユニット600dに供給される。この実施形態においても、流れ67dは流れ61及び62に分割される。流れ62は、システム1000のふるいベッドを再生するために200プルーフエタノール及びエタノールを提供するために適切な量のエタノールを運搬する。プロセスにおける再利用のために流れ61は貯蔵タンクへ送られる。
【0121】
固体から水を除去する初期抽出プロセスを利用し、その後に2つのサブプロセスが行われる、前記プロセスのいずれかの択一的な実施形態は、本発明の範囲に含まれる。
【0122】
前記の様々なプロセスは、2つの溶剤を連続的に、又は段階的に使用し、固体から水を除去した;特に、第1の溶剤は水と交換され、第2の溶剤は第1の溶剤と交換された。上の説明では溶剤を“第1の溶剤”及び“第2の溶剤”などと呼んでいるが、これらのグループ分けは限定するものではないことが認識されるべきである。幾つかの設計では、例えば、“第2の溶剤”に列挙された溶剤が第1の溶剤として使用されることもある;同様に、“第1の溶剤”に列挙された溶剤が第2の溶剤として使用されることもある。唯一の基本は、第2の溶剤が第1の溶剤よりも低い気化熱又は蒸発のエンタルピ、又はその他のこのような物理的特性を有しているということである。第3の溶剤が使用される場合には、第3の溶剤は第2の溶剤よりも低い気化熱、蒸発のエンタルピ、又はこのような物理的特性を有するであろう。
【0123】
(一般的動作条件)
以下の一般的な作動条件は、典型的なパイロットプラントスケールで作動させられた場合、本発明によるプロセスに適している。
【0124】
【表1】

【0125】
本発明に従って有効なシステム内の流量が上に示されている。概して、供給流れ10は100〜120lbs/minの流量を有する。第1の溶剤流れ15の流量は等式(I)に従って設定される。第2の溶剤流れ70の流量は概して10〜20lbs/minの範囲であるが、等式(II)を介して流れ20に関して調整されることもできる。サブプロセスBへの及びサブプロセスBからの様々な流れの流量は概して、システム100及びサブプロセスAにおける流れの流量によって支配される。
【0126】
<典型的なプロセス条件>
以下に、後の第2の溶剤としてn−プロピル臭化物を使用した、図7に関して説明された、商業的な大きさの、モデル化されたプロセスのための典型的な流れ成分及び提案される材料流量が提供されている。n−プロピル臭化物/エタノール/水のためのバイナリダイアグラムが図11として提供されている。水とエタノールとを分離したいシステムのためにn−プロピル臭化物を使用することは、低い水パーセンテージにおいて平衡するためのシステムのための傾向があるという点において有利であることが分かった。
【0127】
【表2】

【0128】
ユニット100aにおいて、供給流れ10a(通常は約85〜90°Fの温度)と第1の溶剤流れ15aとは、一連の6スクリーン抽出ユニット116を通って送られる(図2を参照すると、一連の3スクリーン抽出ユニット116A,116B,116Cが示されている)。6つの抽出機からの結果的な流れは以下の通りである:
【0129】
【表3】

【0130】
【表4】

【0131】
濡れた固体流れ20aはユニット200aへ進行し、このユニット200aにおいて濡れた固体流れ20aと第2の溶剤流れ70aとは一連の6スクリーン抽出ユニット216に送り込まれる(図5を参照すると、一連の3スクリーン抽出ユニット216A,216B,216Cが示されている)。6つの抽出機からの結果的な流れは以下の通りである:
【0132】
【表5】

【0133】
第1抽出機からのミセラ流れは図7の流れ230aに対応する。流れ230aの成分は以下に提供される。
【0134】
第6抽出機から得られた固体流れは図7の流れ220aに対応する。乾燥機300aに供給される流れ220aは固体流れ90aと蒸気流れ80aとを提供する。固体流れ90aは、100%固体の389lb/minの流量である。
【0135】
【表6】

【0136】
組み合わされた流れ80a/230aは分離カラム400aの上部に供給され、水様流れ30aはカラム400aの底部に供給され、流れ45a及び65aが出てくる。この実施例において、流れ40aのような付加的な溶剤は加えられなかった。
【0137】
【表7】

【0138】
流れ45aは蒸留器500aへ供給され、出てくる流れ60a,55aは以下に列挙される組成を有する。この実施例において、蒸留器の上部へ溶剤を運搬するか又はさもなければ搬送するのを容易にするために、流れ散布流れが、35lb/minで加えられた。流れ65aは蒸留器600aに供給され、出てくる流れ75a,50aは以下に列挙される組成を有する。この実施例において、蒸留器600aに進入する前に流れ65aを押し流すために熱交換器が使用される;これは、進入する質量流量を約4700lb/minに減少させる。
【0139】
【表8】

【0140】
<付加的な典型的なプロセス条件>
以下に、第2の溶剤としてのエーテルを使用した、図10に関して説明されたモデル化されたプロセスのための典型的な流れ成分及び提案された材料流量が提供されている。
【0141】
【表9】

【0142】
【表10】

【0143】
【表11】

【0144】
【表12】

【0145】
【表13】

【0146】
【表14】

【0147】
【表15】

【0148】
【表16】

【0149】
図10に示されかつ図10に関して説明されたシステムからのプロセス装置の3つの片のみが熱エネルギを使用する。シュネッケン・チューブタイプ乾燥機である乾燥機1300は典型的な77.3lb/minの流れを使用し、蒸留器1700は典型的な6532lb/minの流れを使用し、水分離機1500は典型的な199.5lb/minの流れを使用する。
【0150】
上記の説明は、ほとんどの部分において、2つの溶剤が連続的に固体に提供されるプロセスに関している;すなわち、固体は第1の溶剤に、次いで第2の溶剤に接触させられる。本発明によれば、2つ又はそれ以上の溶剤を同時に固体に提供することができる;例えば、多数の溶剤が、固体に接触させられる前に混合されることができる。
【0151】
固体に同時に提供するための溶剤は、上で説明されたものと同じであることができる。第1の溶剤は好適には水溶性であるが、水と共沸混合物を形成しない。第2の溶剤は好適には第1の溶剤と可溶性であるが、水溶性ではない。しかしながら、第2の溶剤は第1の溶剤及び/又は水と混和性であることもできる。さらに、第1の溶剤は水よりも低い気化熱および沸点を有しており、第2の溶剤は第1の溶剤よりも低い気化熱及び沸点を有している。概して、連続的な又は段階的なシステムに関して、混合される又は同時システムのために同じ溶剤を使用することができる。
【0152】
混合されることができる適切な溶剤の例は、アルコール(例えば、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、及びガソホール)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK))、炭化水素、及びこれらの混合物を含む。適切な炭化水素の例は、エーテル(例えば、エチルエーテル、MTBE(メチル-tert-ブチルエーテル)、ETBE(エチル-tert-ブチルエーテル)、フッ化エーテル、及びその他の低分子量エーテル)、ハロゲン化炭化水素(例えば、n−プロピル臭化物又は1−ブロモプロパン)、直鎖低分子量炭化水素(例えばヘキサン、ペンタン)、低分子量芳香族炭化水素(例えば、トルエン、ベンゼン、キシレン)、及びこれらのあらゆる混合物を含む。
【0153】
溶剤の比は、溶剤と、固体に存在する材料(例えば、エタノール及び水)と、その他のパラメータに基づいて選択される。適切な比は、1/99〜99/1、10/90〜90/10、25/75〜75/25、30/70〜70/30及びその他の比である;前記のように、比は溶剤と所望の結果特性とに基づき選択され、この結果特性は、分離効果、溶剤のコスト、溶剤の分離コスト、又は固体からの溶剤の分離コスト、溶剤の毒性等を含む。例えば、固体からの水及びエタノールの分離のために、エタノール及びn−PBは好適な溶剤組み合わせの一例である;エタノール及びヘキサンは別の例である。適切な溶剤混合物の例は;PB/エタノールの84/16、75/25、67/33及び50/50重量比を含み;84/16は共沸混合物レベルである。抽出の有効性、分離の容易さ及びコストを含む多くの特性に基づき、75/25及び67/33の比が好ましい。溶剤混合物のその他の適切な例は79/21のヘキサン/エタノールを含み、これは共沸混合物レベルである。
【0154】
組み合わされた溶剤は、連続的な溶剤と概して同じ形式で働く。水及びエタノールで濡れた固体におけるエタノール及びn−PBの例を使用して、エタノール溶剤は固体の隙間空間における水と組み合わさる。なぜならば、エタノールはn−PBよりも水を好むからである(少なくとも部分的に、エタノールが水溶性であり、エタノール及びn−Pbが互いに不溶性であることによる)。n−PBはこれらの空間におけるエタノールと交換され、これらの空間からエタノール及び水を抜き出す。次いで、使用された溶剤流れ(すなわち、あらゆるその他の成分を含む、n−PB、エタノール、水)は、ろ過、デキャンティング等を含む固液分離技術によって固体から除去されることができる。好適なシステムにおいて、使用された固体流れ相は分離し、n−PBはエタノール及び自ら分離する。少量の固体は溶剤に連行されるか、それぞれの側に層として存在するか、又は溶剤の間に存在する。蒸留を含む液−液抽出は、溶剤を分離するために、使用された溶剤流れにおいて行われることができる。あらゆる残留溶剤(例えばn−PB及び/又はエタノール)は例えば加熱によって固体から除去されることができる。
【0155】
この議論は、固体から水を除去するために多数の組み合わされた溶剤を使用することの簡単な概要であった。択一的な実施形態が本発明の範囲に含まれる。固体から水を除去するために、上で説明されたプロセスは2つの溶剤を同時に使用した又は混合した;特に、第1の溶剤は水と交換され、次いで第2の溶剤は第1の溶剤と交換された。しかし一回の動作である。上記の説明では溶剤を“第1の溶剤”及び“第2の溶剤”と呼んでいるが、これらのグループ分けは限定するものでないことが認識されるべきである。唯一の基本は、第1の溶剤が、第1の溶剤よりも低い気化熱、蒸発のエンタルピ、又はその他のこのような物理的特性を有することである。第3の溶剤が使用されるならば、第3の溶剤は、第2の溶剤よりも低い気化熱、蒸発のエンタルピ、又はその他のこのような物理的特性を有する。
【0156】
上の明細書は、本発明のプロセス、装置及び組成の完全な説明を提供する。本発明の多くの実施形態が発明の精神及び範囲から逸脱することなく行われることができるので、発明は別紙に添付された請求項に帰属する。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1】「初期」分離サブプロセスと、「固体から溶剤」分離サブプロセスと、「溶剤から水」分離サブプロセスとを有する、本発明による一般的な方法の概略図である。
【図2】本発明による「導入」分離サブプロセスの一般的な第1の実施形態の概略的なプロセス図である。
【図3A】図2のサブプロセスの抽出ユニットの概略図である。
【図3B】図3Aの抽出ユニットの一部の拡大した斜視図である。
【図4】本発明による「固体から溶剤」分離サブプロセスの第1の実施形態の概略的なプロセス図である。
【図5】図4の「固体から溶剤」分離サブプロセスの部分の概略的なプロセス図である。
【図6】本発明による「溶剤から水」分離サブプロセスの第1の実施形態の概略的なプロセス図である。
【図7】本発明による好適なプロセスの概略的なプロセス図である。
【図8】本発明による別の択一的なプロセスの概略図である。
【図9】本発明による別の択一的なプロセスの概略図である。
【図10】本発明によるさらに別の択一的なプロセスの概略図である。
【図11】本発明による好適な3溶剤システムのためのバイナリダイアグラムである。
【符号の説明】
【0158】
100 初期分離プロセス
10 供給流れ
15 溶剤流れ
20 固体流れ
30 液体流れ
110 抽出ユニット
112 混合タンク
114 ポンプ
116 分離装置
1163 スクリーン
1163A 第1の湾曲部
1163B 垂直な部分
1164 ノズル
1165 分離部材
1166 クロスメンバ
1167 ろ過側
1168 堆積物側
1167A,1168A 出口
1169 バッフル
30,31 水/溶剤流れ
34,35 固体流れ
70 流れ
80 流れ
90 固体流れ
200 溶剤抽出システム
210 システム
212 混合タンク
214 ポンプ
216 分離装置
220 濡れた固体流れ
230 液体流れ
300 乾燥システム
400 液−液プロセスユニット
500,600 蒸留ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
最初に水で濡れた固体を乾燥する方法において、
(a)供給流れを第1の溶剤及び第2の溶剤と接触させ、前記供給流れが、隙間空間と該隙間空間内に存在する水とを有する固体を含んでおり、第1の溶剤が、水の気化熱よりも低い気化熱を有しておりかつ水溶性であり、第2の溶剤が、第1の溶剤の気化熱よりも低い気化熱を有しておりかつ第1の溶剤と混和性であり;
(b)隙間空間に第1の溶剤を有する固体を提供するために、隙間空間に存在する水を第1の溶剤と交換し;
(c)隙間空間に第2の溶剤を有する固体を提供するために、隙間空間に存在する第1の溶剤を第2の溶剤と交換することを特徴とする、最初に水で濡れた固体を乾燥する方法。
【請求項2】
(e)加熱によって固体の隙間空間から第2の溶剤を除去するステップを含むことを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
供給流れを接触させることが:
(a)供給流れを、アルコールである第1の溶剤と接触させることを含むことを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項4】
供給流れを接触させることが:
(a)供給流れを、エタノールである第1の溶剤と接触させることを含むことを特徴とする、請求項3記載の方法。
【請求項5】
供給流れを接触させることが:
(a)供給流れを、ハロゲン化炭化水素である第2の溶剤と接触させることを含むことを特徴とする、請求項3記載の方法。
【請求項6】
供給流れを接触させることが:
(a)供給流れを、n−プロピル臭化物である第2の溶剤と接触させることを含むことを特徴とする、請求項5記載の方法。
【請求項7】
(a)供給流れを第1の溶剤と接触させることが、供給流れをアルコールと接触させることを含み;
(b)供給流れを第2の溶剤と接触させることが、供給流れをn−プロピル臭化物と接触させることを含み;さらに、
(c)少なくとも95%純粋なn−プロピル臭化物である生成物を獲得し;
(d)少なくとも90%純粋なアルコールであるアルコール生成物を獲得することを特徴とする、請求項6記載の方法。
【請求項8】
(a)供給流れをアルコールと接触させることが、エタノールと接触させることを含み;
(b)少なくとも90%純粋なアルコールであるアルコール生成物を獲得することが、少なくとも95%純粋なエタノールであるアルコール生成物を獲得することを含むことを特徴とする、請求項7記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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