説明

液体排出機構及び分注装置

【課題】ボトルを回動させるという簡単な構成で、ボトル内の液体を短時間で十分に攪拌することができ、しかも液体の漏洩等の不具合を確実に防止する。
【解決手段】液体を収容可能な液体ボトル2を、上下逆向きで、かつ、傾倒可能に支持する回動支持部168と、エアチューブ220から液体ボトル2内に供給された気体により、液体ボトル2に収容された液体を外部に排出するための排出チューブ221とを備える。液体ボトル2は傾倒可能に支持する。液体ボトル2内に位置するエアチューブ220の先端は、エアチューブ220から液体ボトル2内に気体が供給される際の液体の液面よりも高い位置とする。エアチューブ220の先端には、液体が流入することを防止するための逆止弁300を取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に、薬液ボトルから薬液やシロップ等を排出して患者用ボトルに充填するための液体排出機構、及び、この液体排出機構を備えた分注装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、液体排出機構を備えた分注装置として、例えば、次のような構成のものが公知である。
すなわち、特許文献1には、平面視環状の載置体に、その周方向に沿って複数の薬液ボトルを載置し、ノズルを介して各薬液ボトルに薬液を注入するようにした分注装置が記載されている。
【0003】
ところで、薬液ボトルに収容した薬液が懸濁液である場合、時間の経過に伴って徐々に液体中に分散した固体粒子が不均一となるため、分注する前に攪拌して均一化する必要がある。このため、前記分注装置では、前記ノズルを利用して、薬液ボトル内の薬液を吸引し、吸引した薬液を再び薬液ボトル内に戻すことにより、薬液を攪拌するようにしている。
【0004】
しかしながら、前記特許文献1に記載の分注装置では、攪拌を適切に行えるように、薬液ボトルからノズルを介して十分な量の薬液を吸引するために、別途、貯留室が必要となる。
【0005】
また、ノズルを介しての薬液の吸引及び排出を迅速に行うために、使用するポンプを高性能なものとする必要が生じるが、ポンプの大型化、高価格化が避けられないし、ノズルを介しての薬液の吸引及び排出の迅速化には限界がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−178495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ボトルを回動させるという簡単な構成で、ボトル内の液体を短時間で十分に攪拌することができ、しかも液体の漏洩等の不具合を確実に防止することのできる液体排出機構及び分注装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記課題を解決するための手段として、
液体排出機構を、
液体を収容可能な液体ボトルを傾倒可能に支持する回動支持部と、
前記回動支持部に支持された液体ボトルの外部から内部に気体を供給するためのエアチューブと、
前記エアチューブから液体ボトル内に供給された気体により、液体ボトルに収容された液体を外部に排出するための排出チューブと、
を備え、
前記液体ボトル内に位置するエアチューブの先端は、エアチューブから液体ボトル内に気体が供給される際の液体の液面よりも高い位置にあり、
前記エアチューブの先端には、液体が流入することを防止するための逆止弁を取り付けた構成としたものである。
【0009】
この構成により、薬液ボトルを傾倒させてエアチューブの先端が薬液に浸漬されたとしても、逆止弁の働きによりエアチューブ内に薬液が浸入することがない。したがって、エアチューブを介して薬液が漏出したり、エアチューブ内で薬液が固化したりすることによる不具合の発生を防止することができる。
【0010】
前記エアチューブの先端には、前記逆止弁の脱落を防止する保持部材を取り付けるのが好ましい。
【0011】
この構成により、逆止弁の脱落を確実に防止することが可能となる。
【0012】
前記保持部材は、筒状であり、周壁には、内周面と外周面とを連通し、液体ボトルの傾倒により残留する液体を保持部材内から排出するための開口部を形成されているのが好ましい。
【0013】
この構成により、保持部材内に液体が残留しようとしても、開口部を介して還流されるので、保持部材内で固化する等によりエアチューブから空気の供給ができなくなるといった不具合の発生を防止することができる。
【0014】
本発明は、前記課題を解決するための手段として、
分注装置を、
前記構成の液体排出機構を複数備え、
前記回動支持部は、環状領域の周方向に沿って複数配置された構成としたものである。
【0015】
前記回動支持部は、前記液体ボトルを前記環状領域の内側に向かって傾倒可能に支持するのが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、液体ボトルを、上下逆向きで、かつ、傾倒可能に支持するようにしたので、ボトルを回動させるという簡単な構成で、ボトル内の液体を短時間で十分に攪拌することができる。しかも、エアチューブの先端に逆止弁を設けるようにしたので、薬液ボトルを傾倒させて収容された薬液を撹拌する場合であっても、エアチューブを介して薬液が流出したり、エアチューブ内に薬液が残留して固化したりするといった不具合の発生を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態に係る分注装置の斜視図である。
【図2】図1から外装パネル等を除去した状態を示す斜視図である。
【図3】図2の注出位置に設けられる回動支持部、回動駆動部、ロック機構を示す斜視図である。
【図4】図3のロック機構及び回動支持部の支持台を示す斜視図である。
【図5】図4に回動部を追加した状態を示す斜視図である。
【図6】図3の回動駆動部を示す斜視図である。
【図7】図6を反対側から見た状態を示す斜視図である。
【図8】図7に栓体部材を取り付けた薬液ボトルを装着した状態を示す斜視図である。
【図9】図8のロック部材からロック本体を除去し、異なる角度から見た斜視図である。
【図10】図8の薬液ボトルの口部に装着された栓体部材を示す斜視図である。
【図11】図10を異なる角度から見た状態を示す斜視図である。
【図12】図10の栓体の底面図である。
【図13】図3のエアチューブの先端に逆止弁を装着した状態を示す部分拡大断面図である。
【図14】図2の注出位置に設けられる移動部材を示す斜視図である。
【図15】図14を反対側から見た状態を示す斜視図である。
【図16】図8の薬液ボトルに空気を供給するための機構を示す概略説明図である。
【図17】他の実施形態に係るエアチューブでの薬液の遮断方法を示す概略説明図である。
【図18】他の実施形態に係る薬液ボトルに設ける補助ガイド部を示す概略図である。
【図19】図3の回動支持部の構造を示す概略側面図である。
【図20】図2の注出位置に設けられるボトル載置部及びその昇降機構を示す斜視図である。
【図21】図20を下方側から見た状態を示す斜視図である。
【図22】希釈水注入部を示す概略正面図である。
【図23】ノズル洗浄部を示す概略正面図である。
【図24】本実施形態に係る分注装置のブロック図である
【図25】図24の制御装置で実行する分注処理を示すフローチャートである。
【図26】図25の薬液注出処理を示すフローチャートである。
【図27】図25の希釈液注入処理を示すフローチャートである。
【図28】図25の洗浄処理を示すフローチャートである。
【図29】他の実施形態に係るエアチューブの先端構造を示す斜視図である。
【図30】図29の分解斜視図である。
【図31】図29の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る実施形態を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「側」、「端」を含む用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が限定されるものではない。また、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。
【0019】
(1.全体構成)
図1は、本実施形態に係る分注装置の概略斜視図、図2は、図1から外装パネル等を除去した状態を示す。この分注装置は、略直方体形状の装置本体1に、液体ボトルの一例である複数本の薬液ボトル2を回動可能に支持するボトル支持部3と、このボトル支持部3に支持した各薬液ボトル2を回動させる回動駆動部4と、各薬液ボトル2に収容される薬液を注出するための薬液注出部5と、患者用ボトル6に希釈水を注入するための希釈水注入部7(図2では省略、詳細は図22参照)と、前記薬液注出部5で使用したノズルの洗浄を行うためのノズル洗浄部8(図2では省略、詳細は図23参照)と、これら構成部品を駆動制御するための制御装置9(図2では省略、詳細は図24参照)とを備える。
【0020】
(1−1.装置本体)
装置本体1は、ディスプレイ162の下方側に、薬液ボトル2をボトル支持部3に着脱可能とするための着脱空間163と、患者用ボトル6を配置して前記薬液ボトル2内の薬液を分注するための分注空間164とを備えている。着脱空間163は、装置本体1の正面及び右側面に沿って水平方向にスライド可能に設けた第1シャッター165aによって開閉可能となっている。この第1シャッター165aにより正面側のみならず側面側に至る領域をも開放することができる。したがって、薬液ボトル2の着脱作業や、内部の清掃、メンテナンス等を容易に行うことができる。また、着脱空間163の背面は、第2シャッター165bによって開閉可能となっている。第2シャッター165bを開放位置に移動させた状態で、後述するように、薬液ボトル2を、着脱準備位置から着脱位置へと回動させることができ、又、撹拌することができるようになっている。また、薬液ボトル2を回動させない場合には、第2シャッター165bを閉鎖位置に移動させることにより装置本体1の内部空間へのアクセスを阻止する。
【0021】
(1−2.ボトル支持部)
装置本体1内には、ボトル支持部3が設けられている。ボトル支持部3は、装置本体1内に設けた環状支持体167に、複数の回動支持部168を設けた構成である。なお、回動支持部168に支持した薬液ボトル2を回動させるための機構(後述する回動駆動部4)、薬液ボトル2から患者用ボトル6に薬液を注出するための機構(後述する移動部材253、第2押圧部材254等)等は、環状支持体167の近傍に配置されており、下方側には広い空間を確保することができる。このため、前述の着脱空間163や分注空間164を十分広いものとすることが可能となっている。
【0022】
環状支持体167は、詳細については図示しないが、外周部に断面略三角形状に突出する環状ガイド部が形成されている。環状支持体167は、環状ガイド部の4箇所を、外周面に略V字状の溝部を形成された支持ローラによって支持され、モータの駆動により回転可能となっている。
【0023】
環状支持体167には、周方向の複数箇所に等間隔で回動支持部168が設けられ、各回動支持部168には薬液ボトル2が支持されている(図2では、回動支持部168及び薬液ボトル2のうち、2つのみ示している。)。
【0024】
回動支持部168は、図3に示すように、支持台169と、この支持台169に支軸170を中心として回動可能に連結される回動部171とを備える。
【0025】
支持台169は、図4に示すように、下端側が二股に分岐した支持本体172と、支持本体172に溝部173を介して(環状支持体167への取付状態で、環状支持体167の外径側に)形成された側壁部174と、支持本体172の上端から延びる取付部175とで構成されている。
【0026】
支持本体172と側壁部174には貫通孔172a(側壁部側は図示せず)が形成され、図5に示すように、そこには支軸170が挿通されている。支軸170の一端部には、外周面の一部がカットされることによりギアが形成される領域が制限された従動ギア176が固定されている。側壁部174には円形の開口部(図示せず)が形成され、この開口部を介して後述するロック機構186のロッド208が溝部173内に出没可能となっている。
【0027】
回動部171は、前記支持台169に支軸170を中心として回動可能に設けられる回動プレート177にスペーサ178を介して一対の腕部179a、179bを固定したものである。
【0028】
回動プレート177は、中間壁180の両側部に両側壁181a、181bを対向して配置し、これらの一端部を天井壁182で覆った構成である。両側壁181a、181bの他端部は中間壁180よりもさらに延び、その延設部分は支持台169に設けた支軸170によって回動可能に支持されている。一方の側壁181aには、後述するロック機構186のロッド208が挿通する開口部(図示せず)が形成されている。そして、回動プレート177が上方回動位置に回動しているとき、一方の側壁181aは支持本体172の溝部173内に位置し、他方の側壁181bは支持本体172の一方の側壁外面側に位置する。
【0029】
スペーサ178と両腕部179a、179bで略コ字形のガイド部183が形成され、薬液ボトル2に装着した栓体219が着脱可能となっている。一方の腕部179bには、矩形状の係止孔184が形成され、栓体219に設けた係止爪233が係脱可能となっている。これにより、両腕部179a、179bによって栓体219すなわち栓体部材218を介して薬液ボトル2を保持することが可能となる。
【0030】
このように、回動支持部168の回動プレート177から環状支持体167の内側に突出した腕部179a、179bによって薬液ボトル2を保持することができる(図3参照)。したがって、回動支持部168を回動させると、薬液ボトル2は、環状支持体167の上方内側の着脱準備位置から下方外側の着脱空間163内の着脱位置へと移動する。つまり、着脱位置を装置本体161の外側から作業しやすい位置とすることができる。
【0031】
前記環状支持体167の回転によって各回動支持部168に支持された薬液ボトル2は周方向に所定ピッチずつ搬送され、その搬送位置には薬液ボトル2の着脱準備位置と、注出位置とが含まれる。
【0032】
着脱準備位置の近傍には、図3に示すように、回動駆動部4と、ロック機構186とが配置されている。
【0033】
(1−3.回動駆動部)
回動駆動部4は、図6及び図7に示すように、回動駆動本体187と、この回動駆動本体187に昇降可能に設けた第1モータ部188と、この第1モータ部188を昇降させる第2モータ部189とを備え、回転支持部168よりも下方側に位置している。
【0034】
回動駆動本体187は、平面視矩形状の底板190と、その両端部にそれぞれ設けたガイド枠191とを備える。ガイド枠191と底板190とで囲まれた領域には、幅方向に所定間隔で一対のガイド軸192(一方は図示せず)が設けられている。そして、ガイド軸192に沿って昇降可能に昇降ブロック193がそれぞれ設けられている。
【0035】
第1モータ部188は、図6に示すように、前面板194、両側板195及び天板196で構成されるカバー体197を備え、前面板194の背面に第1モータ198を固定し、前面板194の前面に第1駆動ギア199及び中間ギア200を設けたものである。第1駆動ギア199は、前面板194を貫通して前面側に突出する第1モータ198の回転軸に取り付けられている。また、中間ギア200は、軸部を中心として回転可能で、前記第1駆動ギア199に噛合している。これにより、第1モータ198を正逆回転駆動すると、第1駆動ギア199を介して中間ギア200が正逆回転する。
【0036】
第2モータ部189は、図7に示すように、回動駆動本体187の底板190に固定した第2モータ201と、この第2モータ201の回転軸に設けた第2駆動ギア202に噛合し、前記一方の昇降ブロック193に固定されるラック部203とを備える。これにより、第2モータ201を正逆回転駆動すると、第2駆動ギア202からラック部203を介して昇降ブロック193がガイド軸192に沿って昇降する。そして、昇降ブロック193を上昇移動させる場合には、これに伴って中間ギア200が上昇し、この中間ギア200が図5に示す支持台169の従動ギア176に噛合する。
【0037】
ロック機構186は、図8及び図9に示すように、支持台169に対して回動部171を位置規制するためのものである。ロック機構186は、図8に示すように、前記支持台169に対して前記回動部171を位置決めし、薬液ボトル2を上下逆の状態に維持するためのロック部材204と、このロック部材204を作動させるための作動部材205とで構成されている。ロック部材204は各回動支持部168に取り付けられ、作動部材205は着脱準備位置の近傍に配置されている。
【0038】
ロック部材204は、図9に示すように、支持台169の側壁部174にネジ止め固定されるロック本体206と、このロック本体206にスライド可能に保持されるロッド部207とを備えている。ロック本体206は矩形枠体形状に形成されている。ロッド部207は、上下一対のロッド208を左右2箇所の連結棒(支持台169に近い第1連結棒209a、及び、遠い第2連結棒209b)で連結したものである。各ロッド208は、ロック本体206の上方部及び下方部に摺動可能に配置される。連結棒209は、ロック本体206の開口部206aに開口する上方部及び下方部の各長穴を介して開口部内に左右方向に移動可能に配置される。
【0039】
作動部材205は、図9に示すように、作動本体210と、この作動本体210から出没可能な作動バー211と、この作動バー211を往復移動させるための作動モータ212とを備えている。
【0040】
作動本体210は、薄型の略直方体形状で、中央部からやや一方の側縁部側にずれた位置に、上下面に連通する連通穴が形成されている。また、作動本体210の上面には、連通穴を構成する内周面の一部にも開口する開口部が形成されている。さらに、作動本体210の他方の側縁部上面には、この側縁部に沿って3箇所に長穴がそれぞれ形成されている。各長穴を利用して3つの磁気センサ213(図9では、1つは省略)がそれぞれ取り付けられている。
【0041】
作動バー211は、棒状で、一端側には、左右両面に長手方向2箇所で位置をずらせて略三角形状の第1突部214及び第2突部215がそれぞれ形成されている。また、作動バー211の他端側上面には永久磁石(図示せず)が設けられている。この永久磁石は、前記各磁気センサ213によって検出され、作動バー211が基準位置、第1突出位置、及び、第2突出位置のいずれに位置するのかが分かるようになっている。作動バー211は、第1突出位置で、第1突部214が第1連結棒209aを押圧し、ロッド208を支持台169側に突出させて回動プレート177の側壁181aに形成した開口部に位置させることにより支持台169に対して回動プレート177(回動部171)を位置規制する(ロック状態)。また、作動バー211は、第2突出位置で、第2突部215が第2連結棒209bを押圧し、ロッド208を支持台169側から後退させて回動プレート177を回動自在とする(アンロック状態)。作動バー211の一方の側面にはラックギア(図示せず)が形成されている。
【0042】
作動モータ212は、回転軸に駆動ギア216が一体化され、取付プレート217を介して作動本体210に固定される。この固定状態では、駆動ギア216が作動本体210の連通穴内に位置し、開口部を介して作動バー211のラックギアに噛合するピニオンとして機能する。作動モータ212は、前記各磁気センサ213からの検出信号に基づく制御装置からの制御信号に従って正逆回転駆動する。
【0043】
(栓体部材)
薬液ボトル2の上方開口部には、栓体部材218が取り付けられている。
栓体部材218は、図10から図12に示すように、栓体219と、この栓体219を貫通する一対の貫通孔(図示せず)の一方に接続される、可撓性を有する材料からなる第1チューブ221と、この第1チューブ221をガイドするガイド部材222と、このガイド部材222にガイドされた第1チューブ221に接離して流路を開閉する第1押圧部材223とを備える。なお、ここでは、第1チューブ221が本発明の排出チューブとして機能している。
【0044】
栓体219は、略直方体形状で、その取付面には、薬液ボトル2の口部を配置可能な平面視円形状の凹部224が形成されている。凹部224の内周面には図示しない雌ネジが形成され、薬瓶ボトル2の口部に形成される雄ネジが螺合可能となっている。また、凹部224の底面には一対の貫通孔が形成されている。一方の貫通孔にはエアチューブ220が接続され、このエアチューブ220を介して薬液ボトル2内に空気が供給される。他方の貫通孔は、薬液ボトル2から薬液を排出するためのもので、第1チューブ221が接続される。
【0045】
また、取付面には、凹部224の近傍に、RFID225(Radio Frequency IDentification)が内蔵されている。RFID225には、いずれの回転支持部168であるのかを識別するための特定のID(IDentification:以下、取付位置IDと記載する。)が記憶されている。RFID225に記憶される取付位置IDは、RFIDリーダ・ライタ(図示せず)によって書き込まれる。
【0046】
栓体219の側面上端部には突条226が形成され、そこにはスライド可能にボトル留め具227が取り付けられている。ボトル留め具227は合成樹脂材料を略U字形に成形加工したもので、周囲の3辺を囲む側壁部228と、その内縁部から内側に膨出したU字形の押え部229とで構成されている。側壁部228のうち、対向面下端部には溝部230が形成され、栓体219の突条226が位置している。そして、前記栓体219の凹部224に薬液ボトル2の口部を螺合した状態で、ボトル留め具227をスライド移動させるだけで、その押え部229が薬液ボトル2の環状膨出部2aに係止する。薬液ボトル2が栓体219の凹部224に適切な位置まで螺合できていない場合、ボトル留め具227が薬液ボトル2の環状膨出部2aに適切に係止できず、薬液ボトル2の螺合状態が不十分であることが分かるようになっている。
【0047】
栓体219内にはラッチ部材231が設けられている。ラッチ部材231は、図11に示すように、一端側から突出する押込部232を押込操作することにより、一側面から突出させた係止爪233を没入させるものである。ラッチ部材231の押込部232は栓体219の一端面から押込可能に突出し、係止爪233は栓体219の一側面から没入可能に突出する。係止爪233は、前記回動部171の一方の腕部179bに形成した係止孔184に係脱し、栓体219を回動支持部168の回動部171に装着可能とする。
【0048】
栓体219の底面には、図12に示すように、前述の一対の貫通孔のほかに、連通孔(図示せず)が開口している。一方の貫通孔には第1チューブコネクタ234が接続され、そこには第1チューブ221の一端部が接続されている。他方の貫通孔には第2チューブコネクタ235が接続され、そこにはさらに第2チューブ236の一端側開口が接続されている。連通孔には、第3チューブコネクタ237が接続され、そこには、前記第2チューブ236の他端側開口が接続されている。連通孔は栓体219の一端面へ延び、その開口位置には円錐状のガイド凹部238(図10参照)が形成されている。
【0049】
また、栓体219の底面には、軸部239aを中心として回動可能に取り付けた押圧受片239が設けられている。押圧受片239の一端部は栓体219から側方に向かって斜めに突出し、他端部は栓体219の底面に固定した略コ字形のガイド受部240に第2チューブ236を押圧している。押圧受片239は、その一端部に後述する押圧プレート269(図14参照)が圧接することにより回動し、第2チューブ236の閉鎖状態を解除して流路を開放する。
【0050】
エアチューブ220は、図3に示すように、前記栓体219の凹部224に形成した一方の貫通孔に接続されて薬液ボトル2内に延び、その先端は薬液ボトル2の底面近傍に位置している。エアチューブ220の先端面中心には、図13に示すように、開口部220aが形成され、そこには逆止弁300が装着されている。したがって、薬液ボトル2内の薬液は、薬液ボトル2が上下逆向きとなることにより、口部が上方を向いた通常位置で口部側に形成されていた空間側に移動し、底面側に空間が形成される。このため、エアチューブ220の先端位置、すなわち逆止弁300は、液面から上方に位置する。逆止弁300が薬液中にあれば、気体を供給したとしても、エアチューブ220内に薬液が流入することがあるが、液面から上方に位置するため、そのような心配もない。逆止弁300は、ゴム材料を筒状としたもので、一端側には、前記開口部220aの内周面に形成した環状溝220bに係止する鍔部300aが形成されている。また、逆止弁300の他端側には、先端に向かうに従って徐々に流路断面積が小さくなる先細部300bが形成されている。先細部300bの先端にはスリット300cが形成され、エアチューブ220の内圧が所定値以上となることにより筒状に開口するようになっている。また、内圧が上昇する場合、逆止弁300が弾性変形してエアチューブ220の内周面等に圧接されるので、脱落しにくい。
【0051】
なお、エアチューブ220への逆止弁300の取付構造については、前述のものに限らず、逆止弁300の外周面に凹部(周方向に延びる環状凹部でもよい)を形成する一方、エアチューブ220の内周面にこの凹部に係合する突部(環状凹部に係脱する環状突部でもよい)を形成するようにしてもよい。
【0052】
また、エアチューブ220の先端に、本発明の保持部材の一例である、開口を有するキャップ部材を螺合等により装着し、このキャップ部材を取り外さなければ逆止弁300を取り外すことができないようにしてもよい。
【0053】
具体的には、図29〜図31に示すように、エアチューブ220の先端に、螺合により着脱可能な円筒状のキャップ部材400を設けることができる。エアチューブ220の先端は、段付き形状で、大径部220cには、小径部220dとの隣接部分に雄ネジが形成されている。
【0054】
キャップ部材400の内周面は、図31に示すように、逆止弁300の外周面よりも若干内径寸法が大きい第1内径部401と、そこから下端側に延び、第1内径部401よりも内径寸法が大きくなった第2内径部402と、さらに下端側に延び、第2内径部402よりも内径寸法が大きくなって内周面に、エアチューブ220の雄ネジに螺合する雌ネジが形成された第3内径部403とで構成されている。第1内径部401と第2内径部402の境界部分に形成される段部404は、逆止弁300の鍔部300aをエアチューブ220の先端面との間に挟持するためのものである。但し、雌ネジは、第3内径部403に限らず、第2内径部402に形成することもできる。この場合、エアチューブ220には小径部220dに雌ネジを形成すればよい。
【0055】
また、キャップ部材400の周壁(ここでは、第1内径部401)には、図30に示すように、軸心を中心とした対称な位置の2箇所に、内周面と外周面とを連通する開口部405がそれぞれ形成されている。これら開口部405は、薬液ボトル2を回動させることによりキャップ部材400内に浸入した薬液を還流させるためのものである。すなわち、薬液ボトル2内の薬液を撹拌させるために上下逆向きの状態から底面が下方側に向かう状態までの範囲で回動させると、キャップ部材400内に薬液が浸入する。この場合、キャップ部材400に開口部405が形成されていなければ、薬液ボトル2が上下逆向きの状態に復帰した際、キャップ部材400内に薬液が残留する。キャップ部材400に開口部405を形成することで、キャップ部材400内に薬液が残留せず、還流されることになる。したがって、残留した薬液が固化する等によりエアチューブ220からの空気の供給が妨げられるといった不具合の発生を防止することができる。
【0056】
前記キャップ部材400は、エアチューブ220の先端面に逆止弁300の鍔部300aを載置した状態で、エアチューブ220に螺合により取り付ける。エアチューブ220に対してキャップ部材400を螺合して行くことで、逆止弁300の鍔部300aが弾性圧縮状態で、エアチューブ220の先端面と、キャップ部材400の段部404との間に挟持される。したがって、逆止弁300の取付状態を強固なものとすることができると共に、エアチューブ220からのキャップ部材400の緩み(あるいは脱落)を防止することができる。
【0057】
また、このようにしてキャップ部材400によってエアチューブ220の先端に取り付けられた逆止弁300の先端は、キャップ部材400の先端開口端と面一又は内側に位置している。このため、逆止弁300にユーザの手が触れたり、あるいは、逆止弁300が薬液ボトル2に接触したりすることを防止し、逆止弁300が脱落することを確実に阻止することができる。
【0058】
なお、前記キャップ部材400では、開口部405を2箇所に形成するようにしたが、前述のものに限らず、1箇所のみ、あるいは、3箇所以上に形成することもできる。また、開口部405の形状や大きさは自由であり、要は、薬液ボトル2が上下逆向きとなったときにキャップ部材400内に薬液が残留することを防止可能な構成であればよい。
【0059】
ガイド部材222は、図10に示すように、前記栓体219の底面に固定した支持プレート222aに、第1ガイド部241と第2ガイド部242とを設けたものである。
【0060】
第1ガイド部241は、支持プレート222aの一方の側面に固定され、突出側の端面が下方側に向かうに従って徐々に前方へと突出する湾曲面243を有する。湾曲面243の先端部分は両側部を残して切り欠かれることにより溝状部244が形成され、その底面は平坦な押圧受面245で構成されている。
【0061】
また、第1ガイド部241は、支持プレート167の他方の側面に取り付けられる第1リンクプレート246、第2リンクプレート247及び第1押圧部材223を備える。
【0062】
第1リンクプレート246は、支持プレート222aに支軸246aを中心として回動可能に取り付けられている。第1リンクプレート246には、その一端部が直角方向に延びることにより押圧受部248が形成されている。この押圧受部248には、カム271に一体化した押圧用ローラ273が圧接し、第1リンクプレート246が回動する。
【0063】
第2リンクプレート247は、支持プレート222aに支軸247aを中心として回動可能に取り付けられている。第2リンクプレート247の一方の面には、第1押圧受用ローラ249aが、他方の面には、第2押圧受用ローラ249bがそれぞれ回転可能に設けられている。第2リンクプレート247は、スプリング250(図10では係止されていない。)によって付勢され、第2押圧受用ローラ249bが第2押圧部材254のカム271に形成した押圧部274によって押圧されることにより、前記スプリング250の付勢力に抗して、支軸247aを中心として、図10中、時計回り方向に回動する。
【0064】
第1押圧部材223は、第2リンクプレート247に固定されている。第1押圧部材223は、一端側が断面半円状に膨出する押圧突条251で構成されている。第1押圧部材223は、第2リンクプレート247がスプリング250の付勢力によって回動することにより、その押圧突条251が前記第1ガイド部241の溝状部244に侵入する。この結果、押圧突条251が押圧受面245に接近することで、そこに配置された第1チューブ221が押し潰されて弾性変形し、その流路が閉鎖される。また、前述のように、第2リンクプレート247は、第1押圧受用ローラ249aが第2押圧部材254のカム271に形成した押圧部274によって押圧されることにより回動し、押圧突条251による第1チューブ221の押圧状態を解除して流路を開放する。
【0065】
第2ガイド部242は、支持プレート222aに固定され、自由端側には貫通孔(すしせず)が形成されている。貫通孔には、第4チューブコネクタ252が接続され、この第4チューブコネクタ252に前記第1チューブ221が接続されている。また、第2ガイド部242には、薬液ボトルを検出するための検出センサ(図示せず)が設けられている。これにより、後述する昇降機構312を駆動し、載置プレート311に載置した薬液ボトルを上昇させると、その位置を検出できるようになっている。検出センサによって薬液ボトルが検出された後は、その検出信号に基づいて昇降機構312を駆動制御することにより、薬液ボトルを正確に注出位置から所定位置まで上昇させて位置決めすることが可能である。
【0066】
注出位置には、移動部材253によって移動し、前記薬液ボトル2から注出する薬液の流出量を調整するための第2押圧部材254を配置可能となっている。
【0067】
移動部材253は、図14に示すように、スライド用モータ255の駆動により前進及び後退可能なスライド台256を備える。スライド台256の側方にはラック257が形成され、このラック257にはスライド用モータ255の回転軸に設けたピニオン(図示せず)が噛合している。スライド台256の移動はスライド位置検出センサ258によって検出され、第2押圧部材254を前進位置と後退位置にそれぞれ位置決め可能となっている。
【0068】
また、スライド台256の上方には、図15に示すように、後述する回転用モータ270を保持する保持ブロック259が設けられている。保持ブロック259の上方側には、エア供給管260と、そこに接続されたノズル部261とが設けられている。エア供給管260は、図16に示すように、エア供給源262に接続され、そこから供給された空気をノズル部261から噴出させる。ノズル部261は、前記栓体219の端面に形成したガイド凹部238に挿入されて連通孔(図示せず)に接続されている。したがって、噴出された空気は、連通孔を介してエアチューブ220から薬液ボトル2内に供給される。
【0069】
エア供給源262にはコンプレッサが使用され、ノズル部261に至る経路の途中には、エア供給源側から直列接続されるスイッチバルブ263とニードルバルブ264の4組が並列に接続され、その先には開閉バルブ265と圧力センサ266とが接続されている。4つのスイッチバルブ263のうちのいずれかが開放し、1つの流路でのみ空気を流動可能となる。ニードルバルブ264は、通過可能な単位時間当たりの流量がそれぞれ相違している。そして、いずれか1つのスイッチバルブ263を開放することにより、薬液ボトル2内に供給する空気量を調整することができるようになっている。なお、開閉バルブ265と圧力センサ266は必ずしも必要なものではない。
【0070】
保持ブロック259には、図15に示すように、保持プレート267を介して基板268と押圧プレート269が固定されている。押圧プレート269は、スライド台256を前進させた際、前記押圧受片239の一端部を押圧して回動させる。そして、押圧受片239が回動することにより、その近傍に配置した第2チューブ236(図12参照)が、押し潰された状態から開放されて空気の流動を可能とする。
【0071】
第2押圧部材254は、スライド台256の上方に取り付けられている。第2押圧部材254は、回転用モータ270の回転軸に設けたカム271を備える。カム271の一方の面には押圧用突出部272が形成されている。そして、回転用モータ270を正転駆動してカム271を正転させると、押圧用突出部272が第1リンクプレート246の下方縁261aに当接し、第1リンクプレート246を(図10中、支軸246aを中心として時計回り方向に)回動させる。
【0072】
また、カム271の他方の面には、回転可能な押圧用ローラ273が設けられている。そして、回転用モータ270を逆転駆動してカム271を逆回転させると、押圧用ローラ273が前記第1チューブ221に圧接する。そして、その圧接位置を変化させながら転動することにより、第1チューブ221内の薬液を所定量ずつ送り出す。このとき、押圧用突出部272が第1リンクプレート246の上方縁261bに当接し、第1リンクプレート246を(図10中、支軸246aを中心として反時計回り方向に)回動させるが、この第1リンクプレート246は他の部材に何等影響を及ぼすことがない。
【0073】
さらに、カム271の外周部には部分的に突出する押圧部274が形成されている。押圧部274は、図10に示す第2リンクプレート247の第2押圧受用ローラ249bに圧接し、第2リンクプレート247を回動させる。そして、この第2リンクプレート247に一体化した第1押圧部材223を回動させることにより、その押圧突条251による第1チューブ221の押圧を一時的に解除する。
【0074】
また、前記栓体219には、図18に示すように、薬液ボトル2の胴部及び底部をガイドする補助ガイド部275を回動可能に設けるのが好ましい。
【0075】
補助ガイド部275は、栓体219に軸部を中心として回動可能に設けられ、薬液ボトル2の外周面の一部をガイドする格子状の側面部276と、底面の約半分をガイドする底面部277とで構成されている。この補助ガイド部275によっても、前記ボトル留め具227と同様に、薬液ボトル2の口部が栓体219の凹部224に対して適切な位置まで螺合できていなければ、補助ガイド部275は、その底面部277が薬液ボトル2の底面をガイドする位置まで回動できない。したがって、この補助ガイド部275によっても、薬液ボトル2の螺合状態が適切であるか否かを検出することができる。
【0076】
(1−4.薬液注出部5)
薬液注出部5は、図19に示すように、注出された薬液が充填される患者用ボトル6を載置するためのボトル載置部60と、前記薬液ボトル2内にエアチューブ220を介して空気を供給可能な空気供給部61とを備える。
【0077】
ボトル載置部60は、図20及び図21に示すように、昇降台310に載置される載置プレート311を備える。昇降台310は、昇降機構312によって昇降する昇降アーム313の先端に、ロードセル314を介して支持されている。昇降機構312は、昇降モータ315の駆動によりプーリ316及びベルト317を介して昇降用ボールネジ318を回転させることにより、昇降用ボールネジ318の両側に設けたガイド軸319に沿って昇降アーム313を昇降させるように構成されている。昇降アーム313の昇降位置は、図示しないエンコーダを利用して特定できるようになっている。ロードセル314は、昇降台310と、そこに載置される載置プレート311及び患者用ボトル6の重量を検出する。
【0078】
昇降台310は、台座部320の上方に開閉可能な一対の挟持片321を備える。台座部320は、一端側上面に平面視矩形状の係止凹部(図示せず)を形成されている。係止凹部には、載置プレート311が載置された際、その下面に設けた係止突部(図示せず)が係止する。これにより、載置プレート311の位置ずれが防止される。
【0079】
各挟持片321は、接離可能に対向し、対向部分が基部から先端に向かって徐々に離れた後、再度接近するような形状をしており、その中間の薬液ボトル2を挟持する部分は所定角度をなす一対のテーパ面で構成されている。また、各挟持片321は、台座部320内に設けた2本のガイド棒322によって台座部320にスライド可能に支持されている。各挟持片321からは台座部320内にガイドプレート323がそれぞれ延び、その対向縁に形成した各ラックには連動ギア324が噛合している。各挟持片321は図示しないスプリングの付勢力により接近する方向に付勢されている。連動ギア324は、図示しないモータの駆動により回転し、ガイドプレート323を介して挟持片321を同期して接離させる。但し、挟持片321の接近は、所定位置までであり、その後は、モータ側との連結が遮断され、スプリングの付勢力のみで薬液ボトル2を挟持する。
【0080】
載置プレート311は、平面視矩形状の板材からなり、一端側上面には薬液ボトル2を載置するための凹部311aが形成されている。載置プレート311は、昇降台310が最下位置に位置するとき、分注空間164を構成する底面部分に設けた支持台(図示せず))に当接し、昇降台310から浮き上がる。この状態であれば、載置プレート311に薬液ボトル2等を載置しても、ロードセル314に力が作用することはない。この場合、挟持片321も、支持台で支持するようにすれば、挟持片321に薬液ボトル2等を載置しても、ロードセル314に力が作用することがない。つまり、不必要に重量が検出されることがなくなり、又、ロードセル314の故障の原因を排除することができる。
【0081】
空気供給部61は、図19に示すように、昇降モータ71を駆動して、その回転軸に設けたカム71aを回転させることにより接続位置と離間位置との間で昇降する昇降プレート72を備える。昇降プレート72には、ポンプ73から延びるエアチューブ73aが接続されている。エアチューブ73aは昇降プレート72を接続位置に上昇させることにより第2ノズル52aに接続される。そして、ポンプ73を駆動することにより、第2ノズル52aからエアチューブ220を介して薬液ボトル2内に空気を供給し、その空気圧で、収容される薬液を第1ノズル51から強制的に注出させる。また、第1ノズル52aの所定箇所(例えば、エアチューブ73aに対向する下端開口等)に別途開閉弁を設け、昇降プレート72の上昇によりエアチューブ73aが接続されるとともに昇降プレート72が開閉弁に当接して開閉弁を開放し、昇降プレート72の下降によりエアチューブ73aの接続が解除されるとともに昇降プレート72が開閉弁から離間して開閉弁が閉鎖するようにしてもよい。
【0082】
(1−6.希釈水注入部7)
希釈水注入部7は、図22に示すように、装置本体1の下方側に設けた希釈水タンク(図示せず)に収容された洗浄水を、患者用ボトル6に注入するためのものである。希釈水注入部7は、注入チューブ74と、揺動支持部75と、揺動支持部75に支軸76aを中心として回動可能に設けた回動アーム76とを備える。注入チューブ74は、一端部を装置本体1の下方側に設けた希釈水タンクに挿入され、揺動支持部75から回動アーム76を通過して他端部が回動アーム76の先端下面に注入口76bを位置させている。揺動支持部75には、第1チューブポンプ77と回動モータ78とが設けられている。第1チューブポンプ77は、前記注入チューブ74に作用し、希釈水タンク内に収容した洗浄水を、回動アーム76の先端側の注入口76bから吐出させる。回動モータ78は、駆動によりギア78a、78bを介して回動アーム76を回動させる。回動アーム76の回動範囲はセンサ76cによって検出され、注水位置と退避位置とに位置決めされるようになっている。回動アーム76の先端側には、注入チューブ74に圧接して通過する洗浄水の流れを遮断可能な第2ピンチバルブ79が設けられている。なお、第2ピンチバルブ79は、図示しない駆動モータとカムによって開閉が制御されるようになっている。
【0083】
(1−7.ノズル洗浄部8)
ノズル洗浄部8は、図23に示すように、装置本体1内に設けた支持プレート(図示せず)に昇降可能に取り付けられる洗浄皿80を備える。洗浄皿80は、略逆円錐形状で、底面中央部には廃水口81が形成され、そこには廃液回収タンク22に延びる廃水チューブ82が接続されている。また、洗浄皿80には、廃水口81の周囲2箇所に形成した貫通孔80a及び80bを介して洗浄ノズル83及びエア供給ノズル84がそれぞれ接続されている。支持プレート25には、上下動用モータ85、第2チューブポンプ86、及び、コンプレッサ87が取り付けられている。上下動用モータ85の回転軸にはカム85aが一体化され、このカム85aを介して洗浄皿80が昇降可能となっている。第2チューブポンプ86は、一端部を洗浄水タンク18に挿入されたチューブ18aに作用して、洗浄水タンク18内に収容した洗浄水を、チューブ18aを介して洗浄ノズル83から噴出させる。コンプレッサ87は、チューブ87aを介してエア供給ノズル84から空気を噴出させる。
【0084】
(1−8.制御装置9)
制御装置9は、図24に示すように、制御部88及び記憶部89を備える。制御部88は、後述するように、サーバ90からLAN等を介して入力される処方データや、前記各センサからの入力信号に基づいて、記憶部89に記憶させたデータベースを参照して各構成部品を駆動制御し、環状支持体26を回転させることによりボトル支持部3に装着した薬液ボトル2を回転し、薬液ボトル2を回動させて収容した薬液を攪拌し、薬液ボトル2から患者用ボトル6に薬液を注出し、薬液を希釈水で希釈し、第1ノズル51aを洗浄して乾燥する等の一連の分注処理を制御する。
【0085】
(2.動作)
次に、前記構成からなる分注装置の動作について説明する。
【0086】
まず、薬液ボトル2の口部に栓体部材218を装着する。すなわち、薬液ボトル2の口部からエアチューブ220を挿入して栓体219で覆い、口部を栓体219の凹部224内に配置する。そして、ボトル留め具227をスライドさせ、その押え部229で薬液ボトル2に栓体部材218を固定する。このように、薬液ボトル2内にエアチューブ220を挿入し、口部を栓体219で覆い、ボトル留め具227をスライド移動させるだけで、薬液ボトル2への栓体部材218の装着を簡単に行うことができる。
【0087】
栓体部材218の装着後は、薬液ボトル2の外周面に貼着したバーコードをバーコードリーダで読み取る。これにより、記憶部89に記憶させたデータが参照され、該当する薬液に関する情報(薬液の名称、コード番号等。以下、薬液情報と記載する。)が呼び出され、RFID225に書き込まれる。
【0088】
続いて、第1シャッター165aをスライドさせ、着脱空間163を露出させる。第1シャッター165aをスライドさせることにより、装置本体161の前方側のみならず側方側にも開口し、着脱空間163にアクセス容易な広い領域を確保することができる。これは、環状支持体167の上方に、回動支持部168に支持した薬液ボトル2、ロック機構186、移動部材253、第2押圧部材254等を配置し、薬液ボトル2を交換する場合にのみ、回動支持部168を回動させて薬液ボトル2を環状支持体167の下方側の着脱空間163に移動させるようにしているためである。したがって、以下の薬液ボトル2の着脱作業のほか、着脱空間163の清掃、その他メンテナンス等をスムーズに行うことができる。
【0089】
そして、着脱空間163を露出させた状態で、環状支持体167の各回動支持部168に薬液ボトル2をそれぞれ装着する。薬液ボトル2の装着では、ロック部材204を作動させて回動部171をアンロック状態とした後、回動駆動部4を移動させ(第2モータ189を駆動して第1モータ188を上昇させ)、回動支持部168の従動ギア176に、回動駆動部4の中間ギア200を噛合させる。そして、第1モータ188を駆動することにより、第1駆動ギア199を回転させ、中間ギア200を介して従動ギア176を回転させる。これにより、回動支持部168の回動部171が着脱準備位置から着脱位置へと回動する。
【0090】
回動部171が着脱位置に回動すれば、栓体部材218を装着した薬液ボトル2を取り付ける。このとき、記憶部89には、これから装着しようとする薬液ボトル2に収容される薬液情報と、着脱位置に位置する回動部171の回動支持部168の取付位置IDとが関連付けて記憶される。
【0091】
このようにして、薬液ボトル2の装着作業が完了すれば、次のようにして分注処理を開始する。
【0092】
すなわち、図25に示すように、サーバ90から処方データを受信すると(ステップS1)、その処方データに含まれる薬液(複数ある場合、最初の薬液)が充填された薬液ボトル2を特定する(ステップS2)。この場合、薬液ボトル2の特定は、予め、薬液ボトル2をボトル支持部3の各回動支持部168に装着する際、収容される薬液と、装着される回動支持部168とを互いに関連付けて記憶部89に記憶させておいたデータに基づいて行う。
【0093】
薬液ボトル2が特定されれば、収容される薬液が注出する前に攪拌が必要であるか否かを判断する(ステップS3)。この判断は、薬液ボトル2に収容する薬液に関する情報(薬液情報)として予め記憶部89に記憶させたデータを使用する。攪拌が必要であると判断されれば、モータを駆動して環状支持体167を回転させることにより、該当する薬液ボトル2が装着された回動支持部168を着脱準備位置に位置させる(ステップS4)。そして、第2シャッター165bを開放位置へと移動させ、回動駆動部4の第1モータ188を駆動することにより、駆動ギア58を前進させ、回動支持部168の従動ギア部49に噛合させる(ステップS5)。
【0094】
続いて、第2モータ189を駆動することにより、回動支持部168を回動させ、そこに装着された薬液ボトル2を着脱準備位置と着脱位置との間で移動させる(ステップS6)。この場合、前記薬液ボトル2の回動方向は、略同一円周上に配置された薬液ボトル2の内側、すなわち部品が配置されてないデッドスペースである。したがって、装置を大型化することなく、薬液ボトル2内の薬液を攪拌することができる。しかも、薬液ボトル2を、上下逆向きとなった着脱準備位置と、口部が上方を向いた着脱位置との間の、ほぼ180度の範囲で回動させることができるため、収容した薬液を十分に攪拌することが可能となる。この場合、薬液ボトル2が着脱位置まで回動すると、エアチューブ220の先端部分が薬液内に浸漬することになる。したがって、エアチューブ220の先端に逆止弁300が装着されていなければ、コンプレッサ等に接続されておらず、気体を供給することができない条件下であるので、エアチューブ220内に薬液が侵入する。そして、薬液ボトル2が上下逆向きに回動した際、エアチューブ220内に浸入した薬液がそのまま排出される恐れがある。しかしながら、エアチューブ220には、逆止弁300が取り付けられている。このため、前記一連の回動動作で、エアチューブ220内に薬液が浸入することがない。また、逆止弁300はエアチューブ220の途中ではなく、先端に設けられている。このため、薬液がエアチューブ220内に残留することもなし、エアチューブ220内の薬液によって逆止弁300を開放できなくなることもない。また、たとえ逆止弁300の表面に付着した薬液が固化したとしても、薄膜が形成されるだけであり、内圧の上昇により簡単にスリット300cを開放させることができる。よって、薬液が薬液ボトル2から漏出して周囲を汚染したり、エアチューブ220内に残留して固化する等により、注出できなくなったりするような不具合の発生を防止することができる。
【0095】
薬液ボトル2内の薬液が攪拌されれば、薬液ボトル2を着脱準備位置に位置させた状態で、さらに駆動モータ32を駆動して環状支持体26を回転させ、該当する薬液ボトル2を注出位置に位置決めする(ステップS7)。また、載置プレート311の凹部311aに患者用ボトル6が載置されれば、モータを駆動して挟持片321を所定位置まで接近させ、その後はスプリングの付勢力を利用して患者用ボトル6を保持することにより、注出待機位置に位置決めする(ステップS8)。患者用ボトル6は載置プレート311に載置してから挟持片321で挟持するようにしているので、傾いたり、位置ずれしたりすることなく、常に同じ位置で保持することができる。
【0096】
患者用ボトル6が注出待機位置に位置決めされれば、この患者用ボトル6を載置したボトル載置部60を上昇させ、その上方開口部を第4チューブコネクタ252の近傍に位置させる。このとき、ロードセル314で検出される重量が、予め設定した重量を超えていないか否かを判断する。例えば、患者用ボトル6が載置プレート311ではなく、挟持片321に載置されている場合等では、患者用ボトル6が第2ガイド部242以外の部材に当接し、ロードセル314に過大な荷重が作用して損傷させる恐れがある。このため、ロードセル314で検出される重量が予め設定した重量を超えれば、昇降台310の上昇を停止し、エラーを報知する。
【0097】
患者用ボトル6が挟持片321によって適切に保持された状態で、ボトル載置部60が上昇することにより、第2ガイド部242に設けた検出センサによって患者用ボトル6の口部が検出されれば、昇降台310の上昇を停止する。そして、薬液注出処理を開始する(ステップS9)。
【0098】
薬液注出処理では、図26に示すように、スライド用モータ255を駆動することによりスライド台256を前進させ、回動支持部168に対して第2押圧部材254を所定位置に位置決めする(ステップS21)。このとき、回動支持部168側のスペーサ178に形成した位置決め凹部224に、第2押圧部材254側に設けた回転用モータ270の回転軸が位置決めされる。また、エアチューブ220が栓体219のガイド凹部238に侵入し、連通孔234に接続される。さらに、押圧プレート269が押圧受片239を押圧させて回動させることにより、第2チューブ236を押し潰した状態から開放させる。
【0099】
次いで、回転用モータ270を逆転駆動し、カム271を逆回転させ、その押圧用ローラ273で押圧受部248を押圧することにより第1リンクプレート246を回動させる。これにより、第1リンクプレート246の下縁によって押圧受用ローラ249が押圧されて第2リンクプレート247が回動し、この第2リンクプレート247に一体化した第1押圧部材223が第1チューブ221から離間する。そして、この状態を維持することにより、第1チューブ221を介して薬液ボトル2内の薬液を連続して患者用ボトル6へと供給させる(ステップS22)。患者用ボトル6への薬液の供給量は、ボトル載置部60で検出する重量に基づいて、希望する供給量(分注値)に至る前の第1設定値になるまで行う(ステップS23)。
【0100】
このとき、薬液ボトル2内への空気の供給は、圧力センサ266での検出信号等に基づいて、薬瓶ボトル2内が一定圧力に維持されるように行ってもよいし、薬液の水位の低下に伴って吐出量が減少しないように、徐々に内圧が上昇するように行ってもよい。
【0101】
患者用ボトル6への薬液の供給量が第1設定値に到達すれば(ステップS23:YES)、第1チューブ221に対して第1押圧部材223を接離させる。すなわち、第1チューブ221の流路の開閉を繰り返す(ステップS24)。これにより、第1チューブ221を介して患者用ボトル6に薬液が間欠的に供給されることになる。そして、第1チューブ221の開閉動作は患者用ボトル6への薬液の供給量が第2設定値に到達するまで行う(ステップS25)。
【0102】
ところで、第1チューブの開時間と、薬液の排出量との関係は、予めデータテーブルに記憶されている。ここでは、薬液よりも粘度の小さい水について、第1チューブの開時間と、薬液の排出量との関係が記憶されている。そして、このデータテーブルに従って患者用ボトル6に薬液を供給すれば、最も流れやすい水を基準としているので、患者用ボトル6から薬液が溢れることがない。但し、供給する薬液の粘度の違いに応じて、第1チューブの開時間と、薬液の排出量との関係を設定したデータテーブルを記憶するようにしてもよい。これによれば、患者用ボトル6への薬液の供給量を正確に所望の値とすることができる点で好ましい。
【0103】
また、第1チューブ221の開閉のタイミング(開時間と閉時間の割合)は、自由に設定することができる。さらに、開閉のタイミングは、薬液の供給量が第2設定値に到達するまで自由に変更することも可能である。例えば、第2設定値に到達する直前まで開時間を長くとり、その後第2設定値に到達するまで開時間を短くする等、その設定方法は自由である。
【0104】
続いて、患者用ボトル6への薬液の供給量が第2設定値に到達すれば(ステップS25:YES)、回転用モータ270を正転駆動し、カム271を正回転させる(ステップS26)。これにより、第2リンクプレート247は、スプリング250の付勢力によって元の位置に復帰し、一旦、第1押圧部材223によって第1チューブ221が押圧され、流路が遮断される。そして、カム271がさらに正回転すると、これに一体化した押圧用ローラ273が回転して第1チューブ221に対して上方側から下方側に向かって圧接しながら転動する。これにより、押圧用ローラ273によって押さえられていた位置よりも下方側で第1チューブ221内に留まっていた薬液が下流側へと圧送される。そして、この転動途中で、カム271に形成した押圧部274が第2リンクプレート247の押圧受用ローラ249に当接し、この第1リンクプレート246を回動させる。これにより、一時的に第1押圧部材223が第1チューブ221から離間し、圧送された一定量の薬液が第4チューブコネクタ252を介して患者用ボトル6へと流下する。
【0105】
以下、第2設定値よりも分注値に近付いた第3設定値に至るまで前記カム271の正回転動作を続行し(ステップS27)、一定量ずつ患者用ボトルに薬液を分注する。そして、検出値が第3設定値となれば(ステップS27:YES)、回転用モータ270への印加電圧を低下させることにより回転速度を抑制する(ステップS28)。これは、間欠的であっても比較的高速で患者用ボトルに薬液を分注することによる検出値のばらつきを解消するためである。検出値が安定した状態で、薬液を一定量ずつ供給し、分注値に至った時点で(ステップS29)、回転用モータ270の駆動を停止させる(ステップS30)。
【0106】
薬液注出処理が完了すれば、希釈水の注水が必要か否かを判断する(ステップS10)。希釈水の注水が必要であると判断すれば、希釈水注入処理を開始する(ステップS11)。
【0107】
希釈水注入処理では、図27に示すように、載置プレート64を降下させて薬液ボトル2を、昇降位置検出センサ70での検出信号に基づいて希釈水注入位置に位置させる(ステップS31)。そして、希釈水注入部7の回動アーム76を回動させ、患者用ボトル6の口部46の上方に注入チューブ74の注入口76bを位置させる(ステップS32)。そして、薬液の注出の場合と同様にして、処方データに基づいて所望量の希釈水を注水する(ステップS33)。
【0108】
薬液注出処理や、適宜行う希釈水注入処理が完了すれば、さらに駆動モータ32を駆動して環状支持体167を回転させ、該当する薬液ボトル2を洗浄位置に移動させ(ステップS12)、洗浄処理を開始する(ステップS13)。
【0109】
洗浄処理では、図28に示すように、第1ノズル51の下端開口部が洗浄ノズル83の上方に位置しているので、第2チューブポンプ86を駆動して洗浄水タンク18内の洗浄水を洗浄ノズル83から噴出させる(ステップS41)。これにより、第1ノズル51の下端部分が洗浄される。洗浄後の廃水は、洗浄皿80で底面中央部へと流動し、廃水口81から廃水チューブ82を介して廃水タンクへと回収される。
【0110】
第1ノズル51の洗浄が済めば、さらに駆動モータ32を駆動して環状支持体26を回転させ、前記薬液ボトル2を乾燥位置に移動させる(ステップS42)。そして、コンプレッサ87を駆動してエア供給ノズル84を介して第1ノズル51に空気を吹き付け、付着した洗浄水を乾燥させる(ステップS43)。
【0111】
以下、同様にして、処方データに含まれる各薬液についての分注処理を実行する。処方データに含まれる全ての薬液についての分注処理が完了すれば、次の処方データについて同様の処理を行う。
【0112】
このように、前記実施形態に係る分注装置によれば、元々デッドスペースであった、装着した薬液ボトル2で囲まれた中央部に空間を、薬液ボトル2内の薬液を攪拌する際の回動領域として有効利用することができる。このため、装置を大型化することなく、薬液の攪拌を行うことができる。また、薬液ボトル自体を回動させるため、薬液の攪拌を十分に行うことができる。しかも、回動駆動部4は、1箇所に設けるだけでよいので、構造が複雑化することもなく、コストアップを招来することもない。
【0113】
なお、前記実施形態では、薬液を収容した薬液ボトル2について説明したが、シロップ等の薬液以外の液体を収容した液体ボトルであっても、同様に、先端に逆止弁300を装着したエアチューブ220を採用することができる。
【符号の説明】
【0114】
1…装置本体
2…薬液ボトル
3…ボトル支持部
4…回動駆動部
5…薬液注出部
6…患者用ボトル
7…希釈水注入部
8…ノズル洗浄部
9…制御装置
18a…チューブ
39…回動部
45…ボトル装着部
49…従動ギア部
52a…チューブ
57…進退用ボールネジ
58…駆動ギア部
60…ボトル載置部
61…空気供給部
70…昇降位置検出センサ
71…昇降モータ
71a…カム
72…昇降プレート
73…ポンプ
73a…エアチューブ
74…注入チューブ
75…揺動支持部
76…回動アーム
76a…支軸
76b…注入口
76c…センサ
78…回動モータ
78a、78b…ギア
79…第2ピンチバルブ
80…洗浄皿
80a,80b…貫通孔
81…廃水口
82…廃水チューブ
83…洗浄ノズル
84…エア供給ノズル
85…上下動用モータ
85a…カム
86…第2チューブポンプ
87…コンプレッサ
87a…チューブ
88…制御部
89…記憶部
90…サーバ
162…ディスプレイ
163…着脱空間
164…分注空間
167…環状支持体
168…回動支持部
169…支持台
170…支軸
171…回動部
172…支持本体
172a…貫通孔
173…溝部
174…側壁部
175…取付部
176…従動ギア
177…回動プレート
178…スペーサ
179a、179b…腕部
180…中間壁
181a、181b…両側壁
182…天井壁
183…ガイド部
184…係止孔
186…ロック機構
187…回動駆動本体
188…第1モータ部
189…第2モータ部
190…底板
191…ガイド枠
192…ガイド軸
193…昇降ブロック
194…前面板
195…側板
196…天板
197…カバー体
200…中間ギア
203…ラック部
204…ロック部材
205…作動部材
206…ロック本体
207…ロッド部
208…ロッド
209…連結棒
210…作動本体
211…作動バー
212…作動モータ
213…磁気センサ
216…駆動ギア
217…取付プレート
218…栓体部材
219…栓体
210…作動本体
211…作動バー
212…作動モータ
213…磁気センサ
218…栓体部材
219…栓体
220…エアチューブ
220a…開口部
220b…環状溝
222…ガイド部材
222a…支持プレート
224…凹部
226…突条
227…ボトル留め具
228…側壁部
229…押え部
230…溝部
231…ラッチ部材
232…押込部
233…係止爪
238…ガイド凹部
239…押圧受片
239a…軸部
240…ガイド受部
243…湾曲面
244…溝状部
245…押圧受面
246a…支軸
247a…支軸
248…押圧受部
250…スプリング
251…押圧突条
253…移動部材
255…スライド用モータ
256…スライド台
257…ラック
258…スライド位置検出センサ
259…保持ブロック
260…エア供給管
261…ノズル部
261a…下方縁
260…エア供給管
262…エア供給源
263…スイッチバルブ
264…ニードルバルブ
265…開閉バルブ
266…圧力センサ
267…保持プレート
268…基板
269…押圧プレート
270…回転用モータ
271…カム
272…押圧用突出部
273…押圧用ローラ
274…押圧部
275…補助ガイド部
276…側面部
277…底面部
300…逆止弁
300a…鍔部
300b…先細部
300c…スリット
310…昇降台
311…載置プレート
312…昇降機構
313…昇降アーム
314…ロードセル
315…昇降モータ
316…プーリ
317…ベルト
318…昇降用ボールネジ
319…ガイド軸
320…台座部
321…挟持片
322…ガイド棒
323…ガイドプレート
324…連動ギア
400…キャップ部材(保持部材)
401…第1内径部
402…第2内径部
403…第3内径部
404…段部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を収容可能な液体ボトルを傾倒可能に支持する回動支持部と、
前記回動支持部に支持された液体ボトルの外部から内部に気体を供給するためのエアチューブと、
前記エアチューブから液体ボトル内に供給された気体により、液体ボトルに収容された液体を外部に排出するための排出チューブと、
を備え、
前記液体ボトル内に位置するエアチューブの先端は、エアチューブから液体ボトル内に気体が供給される際の液体の液面よりも高い位置にあり、
前記エアチューブの先端には、液体が流入することを防止するための逆止弁が取り付けられていることを特徴とする液体排出機構。
【請求項2】
前記エアチューブの先端には、前記逆止弁の脱落を防止する保持部材を取り付けたことを特徴とする請求項1に記載の液体排出機構。
【請求項3】
前記保持部材は、筒状であり、周壁には、内周面と外周面とを連通し、液体ボトルの傾倒により残留する液体を保持部材内から排出するための開口部を形成されていることを特徴とする請求項2に記載の液体排出機構。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の液体排出機構を複数備え、
前記回動支持部は、環状領域の周方向に沿って複数配置されたことを特徴とする分注装置。
【請求項5】
前記回動支持部は、前記液体ボトルを前記環状領域の内側に向かって傾倒可能に支持することを特徴とする請求項4に記載の分注装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2013−75128(P2013−75128A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220770(P2011−220770)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(592246705)株式会社湯山製作所 (202)
【Fターム(参考)】