説明

液体注出容器

【課題】内容物の注出および受け取りの一連の操作を片手で簡単に行える液体注出容器を提供することである。
【解決手段】液体注出容器10は、容器本体12、容器本体12の口部30に着脱自在に装着され、容器本体12内に収納される液状内容物を注出可能とするポンプ40を含み、ポンプ40は、口部30に装着される筒状の装着キャップ42と、シリンダ部44と、液状内容物を吸上げる吸上げチューブ46と、シリンダ部44内から装着キャップ42の上方に付勢されるピストン部50と、ピストン部50の上端側に配設され、吸上げチューブ46で吸上げられた液状内容物を吐出させる吐出ノズル54を備えた吐出ヘッド部52を含み、吐出ヘッド部52の下端位置よりも下側、且つ、口部30と容器本体12との境界端BLの位置よりも上側に配設され、側方に延出する延出部60をさらに含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、液体抽出容器に関し、シャンプー,リンス,トリートメント等の洗髪料、液状ソープの他、化粧料および整髪料等の種々の液体内容物を収容するたとえば袋体の口部に、特に、当該内容物を手動で注出可能とするポンプが着脱自在に組み付けられる液体注出容器に関する。
【背景技術】
【0002】
本願発明の背景となる従来技術としては、補充用の新液を詰め替え用包装体に充填して提供する態様に利用されるポンプ付き液体容器に関し、詰め替え用包装体の装填をより容易に且つより確実に行えるようにしたポンプ付き液体容器が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このポンプ付き液体容器では、突き刺し管の吸液部が詰め替え用包装体の内部の位置に存在することになり、該詰め替え用包装体内の液体の吸液および注出口からの注出が可能となっている。
ところが、特許文献1に示す従来のポンプ付き液体容器では、補充用の新液の詰め替え作業が煩雑なものとなっていて、また、詰め替え回数が多くなると、詰め替えの繰返しで容器の外枠体および内枠体が汚染される虞があり、不具合の生じるものであった。
【0003】
また、本願発明の背景となる従来技術としては、上記した不具合を解消するために、口部に取り付けた押出ポンプで内容物を取り出すようにした押出ポンプ用の詰替用容器を、前記押出ポンプの押動操作が可能なように起立状態に保持する容器保持具が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。詰替用容器は、柔軟性を有する袋状の容器本体と、容器本体の上端部に設けられる硬質樹脂製の口部と、口部に取り付けられ、容器本体内に収納されたシャンプーやトリートメント等の内容物を注出するようにした押出ポンプとを備えている。容器保持具は、金属杆を屈曲して形成された一対の支持部材と、この支持部材同士を連結する一対のばね部材とを有し、ばね部材で連結された一対の支持部材間に詰替用容器の口部を挿入するだけで、当該詰替用容器を起立状態に保持することができるため、詰替用容器の取り換えが容易に行えるものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−269651号公報(第8頁の第29行目〜第10頁の第7行目、図1〜図4)
【特許文献2】特開2003−20049号公報(第2頁の第2欄の第47行目〜第3頁の第4欄の第18行目、図1〜図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に示す従来技術では、容器保持具によって押出ポンプ用の詰替用容器を起立状態に保持し、当該詰替用容器の取り換えを容易に行えるものの、容器本体内に収容されたシャンプーやリンス等の内容物を使用するときには、押出しポンプの押圧部を一方の手で下方に押圧することにより、吐出パイプから内容物が吐出させ、もう片方の手で当該吐出パイプから吐出させた内容物を受け取る仕様となっており、このことは、特許文献1に示す従来のポンプ付き液体容器においても同様の仕様を有するものであって、いずれの場合においても、容器本体からの液体の注出操作には、両方の手を使用しなければならないのが原則となっていた。
【0006】
このように、両方の手を使用することが原則の従来の液体注出容器では、特に、たとえば洗髪の際に目を閉じたままの操作が困難なものとなり、また、病気や障害等で片方の手が不自由な人にとっても、その取り扱い扱いが困難なものとなっていた。すなわち、上記した各従来技術の構成では、片手しか使えない状況下においては内容物の注出操作が煩わしいものとなり、利便性の非常に悪いものであった。
【0007】
それゆえに、本願発明の主たる目的は、内容物の注出および受け取りの一連の操作を片手で簡単に行える液体注出容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1にかかる本願発明は、容器本体と、容器本体の上端部に配設される口部と、口部に着脱自在に装着され、容器本体内に収納される液状内容物を注出可能とするポンプとを含む液体注出容器であって、ポンプは、口部に装着される筒状の装着キャップと、装着キャップから下に垂設されるシリンダ部と、シリンダ部の下端側から垂下し、液状内容物を吸上げる吸上げチューブと、シリンダ部内から装着キャップの上方に付勢され、シリンダ部内を往復運動するピストン部と、ピストン部の上端側に配設され、吸上げチューブで吸上げられた液状内容物を吐出させる吐出ノズルを備えた吐出ヘッド部とを含み、吐出ヘッド部の下端位置よりも下側、且つ、口部と容器本体との境界端の位置よりも上側に配設され、側方に延出する延出部をさらに含むことを特徴とする、液体注出容器である。
請求項1にかかる本願発明は、上記した構成を有するため、ポンプのシリンダ部およびピストン部の作用によりポンプアップされた容器本体内の液状内容物は、吸上げチューブを通って、吐出ヘッド部の吐出ノズルから吐出される。当該発明は、特に、延出部を有するため、使用する際に、例えば、片方の掌を上に向けて当該掌を上記延出部と容器本体との間に差し込み、当該掌で延出部を下側から支え持つように液体注出容器を保持すれば、当該液体注出容器を保持している方の手の親指で吐出ヘッド部を押圧するだけで吐出ノズルから掌に一定量の液状内容物を注出させることが可能となっている。すなわち、請求項1にかかる本願発明によれば、ワンタッチで液状内容物の注出および受け取りの一連の操作を片手で簡単に行えるものとなっている。
請求項2にかかる本願発明は、請求項1にかかる発明に従属する発明であって、延出部は、装着キャップの軸方向の中間部、装着キャップの軸方向の一端部およびその近傍、装着キャップの軸方向の他端部およびその近傍のいずれかの部位に嵌装され、装着キャップの径方向に延出するフランジ部材を含むことを特徴とする、液体注出容器である。
請求項2にかかる本願発明は、特に、延出部がフランジ部材を含むため、使用する際に、例えば、片方の掌を上に向けて当該掌を上記延出部と容器本体との間に差し込み、人差し指と中指との間、あるいは、中指と薬指との間に装着キャップを挟み込むようにした状態で、掌で液体注出容器を下側から支え持つように保持することも可能となるので、より一層安定して、液体注出容器を保持することが可能となっている。そして、そのように液体注出容器を保持した状態で、当該片方の手の親指で吐出ヘッド部を押圧すれば、吐出ノズルから掌に一定量の液状内容物を注出させることが可能となっている。すなわち、請求項2にかかる本願発明おいても、上記した請求項1にかかる発明と同様に、ワンタッチで液状内容物の注出および受け取りの一連の操作を片手で簡単に行えるものとなっている。
請求項3にかかる本願発明は、請求項1または請求項2にかかる発明に従属する発明であって、容器本体は、自立可能なプラスチック製の袋体を含むことを特徴とする、液体注出容器である。
請求項3にかかる本願発明は、容器本体が自立可能なプラスチック製の袋体を含み、当該容器本体が軽量となるので、当該容器本体を所望する場所に載置した状態あるいは当該容器本体を片手で持ち上げた状態で、上記した請求項1および請求項2にかかる発明と同様に、ワンタッチで液状内容物の注出および受け取りの一連の操作を片手で簡単に行えるものとなっている。
【発明の効果】
【0009】
本願発明の液体注出容器によれば、内容物の注出および受け取りの一連の操作を片手で簡単に行えるという効果がある。
【0010】
本願発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本願発明にかかる液体注出容器の実施形態の一例を示す斜視図である。
【図2】図1に示す液体注出容器の使用状態の一例を示す斜視図である。
【図3】本願発明にかかる液体注出容器の実施形態の他の例を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本願発明にかかる液体注出容器は、内容物の注出および受け取りの一連の操作を片手で簡単に行えるという目的を、当該液体注出容器の吐出ヘッド部の下端位置よりも下側、且つ、口部と容器本体との境界端の位置よりも上側に、側方に延出する延出部を付設することによって実現した。
【実施例1】
【0013】
図1は、本願発明にかかる液体注出容器の実施形態の一例を示す斜視図であり、図2は、図1に示す液体注出容器の使用状態の一例を示す斜視図である。
本実施形態例にかかる液体注出容器10は、たとえば軟質のプラスチック製の袋体に形成される容器本体12を含む。容器本体12内には、シャンプー,リンス,トリートメント等の洗髪料、液状ソープの他、化粧料および整髪料等の種々の液体内容物が収容され得る。
容器本体10は、正面部14a,背面部14bおよび挿入材(図示せず)を含み、図1に示すように、正面部14a,背面部14bは正面視矩形状のもので、2層に重ね合わされている。挿入材(図示せず)は、底ガゼット部16aおよび左サイドガゼット部18a,右サイドガゼット部20aを有し、底ガゼット部16aにより底面部16が形成され、左サイドガセット部18aにより左側面部18が形成され、右サイドガゼット部20aにより右側面部20が形成されている。正面部14a,背面部14bと、底面部16と、左側面部18,右側面部20とは、底側ヒートシール部22と、左側ヒートシール部24と、右側ヒートシール部26と、上側ヒートシール部28a,28bとで固着されることによって、正面部14a,背面部14b,底面部16,左側面部18,右側面部20との接続端部に剛性を持たせるものとなっている。
【0014】
また、左サイドガゼット部18a,右サイドガゼット部20aには、それぞれ、たとえば三角形状の折り曲げフラップ29a,29bを有する。折り曲げフラップ29a,29bは、それぞれ、正面部14a,背面部14bおよび左サイドガゼット部18a,右サイドガゼット部20aに、左側ヒートシール部24,右側ヒートシール部26で固着されている。折り曲げフラップ29a,29bと当該左側ヒートシール部24,右側ヒートシール部26部分に、大きいシール強度をもたせることができ、且つ、より大きい剛性を持たせることができる。
【0015】
本実施形態例では、容器本体12が上記した構成を有するため、左サイドガゼット部18aおよび右サイドガゼット部20によって、容器本体12を拡げられ、当該容器本体12の容量を増大することができる。また、底ガゼット部16aによって底面部16が拡げられ、当該容器本体12の底面には、矩形状の底面が形成される。さらに、底側ヒートシール部22,左側ヒートシール部24,右側ヒートシール部26,上側ヒートシール部28a,28bによって、正面部14a,背面部14b,底面部16,左側面部18,右側面部20との接続端部には剛性を持たせられるため、容器本体12を安定して直立状態に自立可能とすることができる。
【0016】
この容器本体12の上端縁の中央部には、たとえば硬質のプラスチック製の口部30が配設されている。口部30は、たとえばその外周面にネジ面32aを有する円筒状の口部本体32を含み、口部本体32は、平面視略菱形のブラケット部34によって、容器本体12に支持されている。ブラケット部34は、その外周面に周方向に所定の間隔を隔てて延設される複数のリブ溝条部34aを有し、当該ブラケット部34の外周面は、容器本体12と溶着されている。また、ブラケット部34は、その中央にたとえば円形の貫通孔36を有し、当該貫通孔36は、口部本体32の孔32aと連通している。
【0017】
上記した口部30には、容器本体12内に収納される液状内容物を注出可能とするポンプ40が、着脱自在に装着される構造となっている。
すなわち、ポンプ40は、口部30に装着されるたとえば円筒状の装着キャップ42を含む。装着キャップ42は、その内周面に、上記した口部のネジ面32aに螺合可能なネジ面(図示せず)を有している。また、装着キャップ42の外周面には、当該装着キャップ42の軸方向に延びる多数のリブ条片42aが突設されている。さらに、装着キャップ42の上には、当該装着キャップ42の直径よりも小さい直径を有するリング部材48が配設されている。リング部材48は、後述するピストン部50を回動自在に装着キャップ42に支持するものとなっている。
装着キャップ42には、当該装着キャップ42から下方に延びてシリンダ部44が垂設されている。シリンダ部44には、当該シリンダ部44の下端側から垂下し、容器本体12内に収納された液状内容物を吸上げる吸上げチューブ46が配設されている。
【0018】
ポンプ40は、シリンダ部44内から装着キャップ42の上方にコイルスプリング等の付勢手段(図示せず)により付勢され、シリンダ部44内を往復運動するピストン部50をさらに含む。ピストン部50の上端側には、吸上げチューブ46で吸上げられた液状内容物を吐出させる円盤状の吐出ヘッド部52が配設されている。吐出ヘッド部52は、その外周面に、たとえば1つの吐出ノズル54を備えたものとなっている。吐出ノズル54は、たとえば円形管状のノズル本体56を含み、ノズル本体56は、そのノズル孔56aが斜め下方に向くように形成されている。
【0019】
本実施形態例にかかる液体注出容器10は、特に、吐出ヘッド部52の下端位置よりも下側、且つ、口部30と容器本体12との境界端BLの位置よりも上側に配設され、側方に延出する延出部60をさらに含むことを特徴としている。
すなわち、延出部60は、特に、図1に示すように、たとえば平面視略楕円形環状のフランジ部材62を含む。フランジ部材62は、その長軸方向の長さが、たとえば上記した装着キャップ42の直径の略3倍強程度に形成され、その短軸方向の長さが、装着キャップ42の直径の略2倍弱程度に形成されている。フランジ部材62は、たとえば硬質のプラスチックで薄肉に形成されている。フランジ部材62は、装着キャップ42とその上側に位置するリング部材48との段差部Sに配設されている。フランジ部材62は、当該段差部Sに固着されている。この場合、フランジ部材62は、接着剤等の固着手段により、段差部Sに固着されてもよく、また、当該段差部Sに一体的に形成するようにしてもよい。
【0020】
図1に示す実施形態例にかかる液体注出容器10は、上述した構造を有するため、ポンプ40のシリンダ部44およびピストン部50の作用によりポンプアップされた容器本体12内の液状内容物は、吸上げチューブ46を通って、吐出ノズル54のノズル孔56aから吐出される。本実施形態例では、特に、延出部60として、たとえばフランジ部材62を有するため、当該液体注出容器10を使用する場合に、図2に示すように、例えば、片方の掌を上に向けて当該掌をフランジ部材62と容器本体12との間に差し込み、当該掌でフランジ部材62を下側から支え持つようにして液体注出容器10を保持すれば、当該液体注出容器10を保持している方の手の親指で吐出ヘッド部52を押圧するだけで吐出ノズル54のノズル孔56aから掌に一定量の液状内容物を注出させることができる。この場合、ピストン部50を上方に付勢する付勢手段(図示せず)に抗して、吐出ヘッド部52が押し下げられた後、押圧力が解除されて吐出ヘッド部52が付勢手段(図示せず)により元の位置に復帰する(上昇する)ことによって、容器本体12内の液状内容物を吐出ノズル54のノズル孔56aから吐出される。
【0021】
本実施形態例では、延出部60がフランジ部材62で形成されているため、片方の掌を上に向けて当該掌をフランジ部材62と容器本体12との間に差し込んだ際に、例えば、人差し指と中指との間、あるいは、中指と薬指との間に装着キャップ42を挟み込むようにした状態で、掌により液体注出容器10を下側から支え持つように保持することができるため、より一層安定して、液体注出容器10を保持することができるものとなっている。そして、そのように液体注出容器10を保持した状態で、当該片方の手の親指で吐出ヘッド部52を押圧すれば、吐出ノズル54のノズル孔56aから掌に一定量の液状内容物を注出させることができる。
【0022】
さらに、本実施形態例では、容器本体12が自立可能なプラスチック製の袋体に形成されているため、当該容器本体12自体の重量が軽量となり、当該容器本体12を所望する場所に載置した状態、あるいは、当該容器本体12を片手で持ち上げた状態で、ワンタッチで液状内容物の注出および受け取りの一連の操作を片手で簡単に行えることができる。
【0023】
図3は、本願発明にかかる液体注出容器の実施形態の他の例を示す分解斜視図である。
図3に示す実施形態例は、上述した実施形態例に比べて、特に、延出部60および容器本体12への取り付け構造が相違するものである。この場合、上述の実施形態例では、延出部60を構成するフランジ部材62が、装着キャップ42とその上側に位置するリング部材48との段差部Sに固着されているのに対して、本実施形態例では、図3に示すように、フランジ部材70が容器本体12に着脱自在に配置されるものとなっている。
すなわち、図3に示す実施形態例の液体注出容器10では、延出部60がたとえば平面視楕円形環状のフランジ部材70を含む。フランジ部材70は、その中央にたとえば円形の貫通孔72を有し、貫通孔72の円周方向には、所定の間隔を隔てて、複数のたとえば平面視V字状の切り欠き部74を含むものとなっている。複数の切り欠き部74は、それぞれ、その基端側が貫通孔72に連通し、その先端側が当該フランジ部材70の外周側に向いて所定の長さを持って放射状に延び設けられている。
【0024】
フランジ部材70は、装着キャップ42の軸方向の中間部に配置される。装着キャップ42は、その軸方向の中央部が、フランジ部材70の貫通孔72に嵌挿される。このとき、隣り合う複数の切り欠き部74間に設けられる平面視台形状の片部76が、装着キャップ42の多数のリブ条片42a間に部分的に係合される。つまり、当該片部76は、フランジ部材70を装着キャップ42に嵌挿したときのストッパとしての機能を有するものとなっている。
【0025】
本実施形態例の液体注出容器10では、延出部60を構成するフランジ部材70が装着キャップ42に着脱自在に嵌装することができるため、当該フランジ部材70の取り付け位置を、例えば、装着キャップ42の軸方向の中間部、軸方向の一端部およびその近傍、軸方向の他端部およびその近傍のいずれかの部位に嵌装させることも可能となり、その取扱いにおいて利便性のあるものになっている。
【0026】
図1に示す液体注出容器10では、延出部60としてのフランジ部材62が、装着キャップ42とその上側に位置するリング部材48との段差部Sに固着され、図3に示す液体注出容器10では、延出部60としてのフランジ部材70が装着キャップ42の軸方向の中間部に着脱自在に装着されたが、当該延出部60の装着位置は、それらに限定されるものではなく、例えば、延出部60を装着キャップ42の下側のブラケット部34の上面側に装着するようにしてもよい。すなわち、延出部60は、吐出ヘッド部52の下端位置よりも下側、且つ、口部30と容器本体12との境界端BLの位置よりも上側であれば、適宜、所望する部位に装着され得るものである。
【0027】
例えば、この場合、延出部60を構成するフランジ部材62,70をピストン部50に固定して配設した場合、当該フランジ部材62,70をたとえば手の甲で押圧すれば、それに連動して、ピストン部50が押圧されて下降するため、掌に、吐出ノズル54のノズル孔56aから吐出される液状内容物を受け取ることが可能となる。この場合においても、当該容器本体12を所望する場所に載置した状態、あるいは、当該容器本体12を片手で持ち上げた状態で、ワンタッチで液状内容物の注出および受け取りの一連の操作を片手で簡単に行えることができる。
【0028】
また、上記した延出部60を構成するフランジ部材62,70は、その外形がたとえば平面視楕円形環状に形成されたが、当該フランジ部材62,70の外形は、それに限定されるものではなく、たとえば平面視矩形環状、平面視円形環状、平面視三角形環状、平面視菱形環状、その他、平面視多角形環状など、種々の環状体に形成され得るものである。
【0029】
さらに、延出部60は、上記したフランジ部材62,70に限定されるものではなく、たとえば装着キャップ42の直径方向に対向する棒部材、板状部材、弧状面部材等で形成されてもよい。
【0030】
なお、上述の各実施形態例では、使用者が親指等で吐出ヘッド52を押圧することによってポンプ40を作動させるワンプッシュタイプのものが提示されたが、それに限定されるものではなく、使用者がトリガー(引き金)に引っ掛けた指を引くことによってポンプ作用を惹起するトリガータイプのものについても適応され得るものである。
【符号の説明】
【0031】
10 液体注出容器
12 容器本体
14a 正面部
14b 背面部
16 底面部
16a 底ガゼット部
18 左側面部
18a 左ガゼット部
20 右側面部
20a 右ガゼット部
22 底側ヒートシール部
24 左側ヒートシール部
26 右側ヒートシール部
28a,28b 上側ヒートシール部
29a,29b 折り曲げフラップ
30 口部
32a 口部本体の孔
32b 口部のネジ面
32 口部本体
34 ブラケット部
36 ブラケット部の貫通孔
40 ポンプ
42 装着キャップ
42a リブ条片
44 シリンダ部
46 吸上げチューブ
48 リング部材
50 ピストン部
52 吐出ヘッド部
54 吐出ノズル
56 ノズル本体
56a ノズル孔
60 延出部
62,70 フランジ部材
72 貫通孔
74 切り欠き部
76 片部
BL 口部と容器本体との境界端
S 装着キャップとリング部材との段差部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体、
前記容器本体の上端部に配設される口部、および
前記口部に着脱自在に装着され、前記容器本体内に収納される液状内容物を注出可能とするポンプを含む液体注出容器であって、
前記ポンプは、
前記口部に装着される筒状の装着キャップ、
前記装着キャップから下に垂設されるシリンダ部、
前記シリンダ部の下端側から垂下し、前記液状内容物を吸上げる吸上げチューブ、
前記シリンダ部内から前記装着キャップの上方に付勢され、前記シリンダ部内を往復運動するピストン部、および
前記ピストン部の上端側に配設され、前記吸上げチューブで吸上げられた前記液状内容物を吐出させる吐出ノズルを備えた吐出ヘッド部を含み、
前記吐出ヘッド部の下端位置よりも下側、且つ、前記口部と前記容器本体との境界端の位置よりも上側に配設され、側方に延出する延出部をさらに含むことを特徴とする、液体注出容器。
【請求項2】
前記延出部は、
前記装着キャップの軸方向の中間部、
前記装着キャップの軸方向の一端部およびその近傍、および、
前記装着キャップの軸方向の他端部およびその近傍のいずれかの部位に嵌装され、
前記装着キャップの径方向に延出するフランジ部材を含むことを特徴とする、請求項1に記載の液体注出容器。
【請求項3】
前記容器本体は、自立可能なプラスチック製の袋体を含むことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の液体注出容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−66849(P2012−66849A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−213634(P2010−213634)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(300032949)日新シール工業株式会社 (8)
【Fターム(参考)】