説明

液体用散布器

液体用の散布器(1)が提供されており、これは特に、専用ではないが、鼻噴霧のような液体の医用組成物を散布するのに有用である。散布器は、液体用タンク(12)を画成する少なくとも1つの、しかし好ましくは2つの半剛性ケーシング半部(2、3)を使用し、その中に、ディップチューブ、投与計量ポンプ、及び出口オリフィスの機能を果たす架橋部材(21)が取り付けられている。液体が出る時に空気の流入を可能にする空気入口(8)が、タンク中に設けられてもよく、その場合、液体不透過性の、及び好ましくは細菌不透過性のカバー(9)が設けられてもよい。そのようなカバーを必要としない、又は空気入口に対する必要性を完全に無くすことができる、他の構造も説明されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体用の散布器に関するものであり、及び好ましくは、液体を噴霧の形態で散布するための器具に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の散布器は、例えば、鼻及び喉の噴霧を含めた医薬品、目及び耳に適用するための組成物例えば点眼剤や点耳剤や耳噴霧、芳香剤、化粧品、洗浄用製品などの、液体を散布するために使用することができる。次に続く説明において、医薬品に関連する散布器の使用が特に参照されているが、本散布器は、上で述べたばかりのものを含めて、多数の用途を有することを理解すべきである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特に医薬品用の散布器の分野において、散布器が適切に効果的であるために、満たされなければならない幾つかの重要な課題がある。これには次のものが含まれる:
(a)散布器の内容物がその有効期限(life)を通して滅菌性を維持することが必要
(b)関係する用途に適切な程度の正確さで投与を散布する能力、及び器具が最初に使用される時だけでなく引き続く全使用を通してそのようにする能力
(c)散布器出口における閉塞の回避(これは、それ自体のために有利なだけでなく、述べたばかりの(a)及び(b)の両方の達成にも関係する)
(d)少なくとも前述の目的を達成するための必要性が許容する範囲までの製造容易性と低コスト
(e)少なくとも、日中使用するためにユーザーが携帯することを必要とするような散布器の場合、そのコンパクト性。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前述の目的の少なくとも幾つかを満たすように意図された散布器についての提案が、当該技術分野において数多くあり、一例としてPCT国際公開特許WO03/097250(ゲノサール(Genosar))、米国特許第6,460,781号(ガルシア(Garcia)ら)、及び米国特許第6,769,579号(ミリアン(Milian)ら)が注目される。しかしながら、これら及び他の提案に従って作製された散布器の使用によって利点が達成される可能性はあるが、いずれも全ての点に関して完全に満足できるとは考えられず、本発明は、その様々な態様において、上記目的の幾つか又は全てを達成することを、並びに続く説明から明らかになる他の目的を達成することを対象とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
本発明の第一の態様により、気道治療組成物用の散布器が提供され、これは:
a)気道治療組成物である流体を収容するタンクと、
b)タンクに流体連通しているポンプであって、投与チャンバ及びポンプ作動装置を含むポンプと、
c)タンク及びポンプに流体連通している出口オリフィスであって、ポンプを作動させると、散布器からの流体の放出が出口オリフィスを通して達成可能なようになっている出口オリフィスと、を備え、
タンクは、流体が散布されるにつれて層間剥離するように構成された、積層容器を含むことを特徴とする。
【0006】
更なる態様において、本発明は、液体用の散布器を提供しており、これは:
a)液体を収容するのに適したタンクであって、タンクが剛性材料を含む外側層と外側層から層間剥離可能なその内側の少なくとも1つの更なる層とを含む積層容器を含むタンク、並びに
b)タンク及び出口オリフィスに流体連通しているポンプであって、ポンプがポンプ上半部及びポンプ下半部を含んで、ポンプ上半部がポンプ上半部に連結された弾性のある作動装置を含むポンプを含んで、弾性のある作動装置を押し下げると、ポンプを介する流体投与の散布が実施され、並びにポンプ上半部及びポンプ下半部がそれぞれ、単一の成型品から形成されている。
【0007】
別の態様において、本発明は、液体散布器を提供しており、これは、
a)散布されるべき液体を入れるための実質的に閉止されたタンクをそれらの間に画成するための、相互結合された周辺縁部を有する2つの間隔が離れた主表面を含有しているポンプ本体であって、前記本体の主要部分が実質的に剛性であるポンプ本体、
b)前記タンクに連通する入口弁と出口オリフィスに連通する出口弁とを有するポンプチャンバであって、チャンバが、前記主表面の1つに沿って設けられたポンプボタンにより作動され、前記ポンプボタンが、前記主表面の1つの一部を画成し、及び前記ポンプチャンバの壁として機能し、並びにポンプボタンのその変位位置までの押し下げが、前記ポンプチャンバに入れられた液体を前記出口弁経由で押し出すように、及び前記ボタンのその最初の標準位置までの戻りが、液体を前記入口弁経由で前記ポンプチャンバに流入させるように構成されている、ポンプチャンバを含み;散布器が更に、前記ボタンのその最初の標準位置までの戻りの間に及び流体の散布に続いて周囲空気がタンクに流入することを可能にする、タンクに流体連通している空気入口開口部を含み、空気入口開口部は、気体がタンクに流入することを可能にするために気体透過性であるが、タンクに入れられた液体に対して不透過性であるカバーによって塞がれており、好ましくは、気体透過性カバーは、それが無ければタンクに入ることがある微生物に対して不透過性である。
【0008】
更に別の態様において、本発明は、液体散布器を提供しており、これは、
a)散布されるべき液体を収容することができる閉止されたタンクの境界をそれらの間に画成するための、相互結合された周辺縁部を有する2つの間隔が離れた主表面を含有している本体であって、前記本体の主要部分が実質的に剛性である主本体;
b)前記主表面の1つに沿って設けられたポンプボタンにより作動されるポンプであって、前記ポンプボタンが前記主表面の1つの一部として形成されているポンプを含み;散布器は更に、ポンプに流体連通して、流体を散布するための出口オリフィスを備える散布ノズルを含み、前記ノズルには、押出しチャネルと押出しチャネル内で前記出口オリフィスから上流に固定的に配置された閉止部材とが設けられて、前記閉止部材が、出口オリフィスに相対的に固定された固定部分と閉止要素を支持する弾性的に変形可能な部分とを含み、閉止要素は、静止時に、出口オリフィスを閉め切り、及び弾性的に変形可能な部分が変形する時、出口オリフィスを開放するものである。
【0009】
最初に記述された態様の好ましい形態では、ポンプが、入口弁を有して、前記主表面の1つに沿って設けられた前記ポンプボタンにより作動されるポンプチャンバを含み、前記ポンプボタンは、前記主表面の1つの一部として形成され、及び前記ポンプチャンバの壁としての働きをしており、並びにポンプボタンのその変位位置までの押し下げが、前記ポンプチャンバに入れられた液体を押し出し、及び前記ボタンのその最初の標準位置までの戻りが、液体を前記入口弁経由で前記ポンプチャンバに流入させ、散布ノズルが、ポンプチャンバに流体連通している。
【0010】
その態様のいずれにおいても、上に記述されたもの及び以下で記述されるもの両方で、本発明による散布器は、好ましくは、少なくとも出口オリフィスを覆って外部環境から保護するために、散布器本体に係合するカバーを含んで、カバーが閉止要素を含み、カバーが閉止位置にはめ込まれる時、閉止要素が、出口オリフィス及び/又は出口オリフィスを包囲する表面に封止係合する。
【0011】
更なる態様において、本発明は更に、流体をタンクから散布するための、ポンプチャンバを含むポンプを提供しており、ポンプチャンバが、底プレートと、入口ポート及び出口ポートと、ポンプチャンバ壁の少なくとも1つの少なくとも一部を形成する作動装置と、ポンプチャンバ内で底プレートと作動装置の間に挿入された、変形可能な抵抗デバイスとを含み、変形可能な抵抗デバイスは作動中の作動装置の初期変形にはあまり干渉しないが、作動装置の最終変形に抵抗し、変形可能な抵抗デバイスの変形は閾値抵抗力を超えるまで生じないようになっており、これにより、完全な作動を決定するためのフィードバック信号がユーザーに提供される。
【0012】
更なる態様において、本発明は、流体散布器を提供しており、これは、散布されるべき流体物質を収容するタンクと出口オリフィスとを含み、前記タンクには、圧縮力を付加することにより変形可能な少なくとも1つの作動壁又は壁部分が含まれて、タンクの内部容積を減少するように、及びこのようにして流体物質に圧力を及ぼして出口オリフィスを通して放出するようになっており、前記少なくとも1つの作動壁は、変形するためには超さなければならない変形に対する抵抗の予め定められた閾値を有しており;作動壁の変形に対する抵抗の予め定められた閾値は、前記作動壁又は壁部分のすぐ下に配置された閾値抵抗手段により作り出されるが、前記閾値抵抗手段は、変形に対する抵抗の予め定められた閾値が一旦超されると、タンクに入れられた流体に実質的に圧力を及ぼさない。
【0013】
そのいずれの態様においても、本発明による散布器の出口は、好ましくは流体放出軸を画成し、及びポンプが、流体放出軸に対して少なくとも60度の角度で散布器に対して直接付加される力によって作動される。
【0014】
いずれの態様においても、本発明は、流体散布器を提供しており、これは、
a)主表面を含む上半部と主表面を含む下半部とを含む本体であって、前記本体の主要部分が実質的に剛性であり、2つの主表面が、相互に対向し及び相互結合された周辺縁部を有して、散布されるべき液体を中に入れるための実質的に閉止されたタンクをそれらの間に画成しており、2つの半部の周辺縁部が、2つの半部の液密封止を可能にするための接続手段を含み、相互結合された時に、流体出口開口部を画成する本体と、
b)流体入口チャネルの少なくとも一部を画成し、上半部と下半部の間に挿入された架橋要素であって、架橋要素が更に、上半部と下半部により画成される流体出口開口部を介して流体散布器から出てくる流体出口チャネル本体を含み、流体出口チャネル本体が、流体出口開口部の縁部に液密封止で係合する封止手段を含む、架橋要素と、を備える。
【0015】
更に別の態様において、本発明は、流体散布器を提供しており、これは、
a)主表面を含む上半部と主表面を含む下半部とを含む本体であって、前記本体の主要部分が実質的に剛性であり、2つの主表面が、相互に対向し及び相互結合された周辺縁部を有して、散布されるべき液体を中に入れるための実質的に閉止されたタンクをそれらの間に画成しており、2つの半部の周辺縁部が、2つの半部の液密封止を可能にする接続手段を含んで、相互結合された時に、流体出口開口部を画成し、前記半部の1つが、2つの半部を共に溶接可能な波長のレーザー放射に対して実質的に吸収性の材料で形成され、及び前記半部の他方が、前記放射に対して実質的に透過性である本体と、
b)ポンプ手段を含む及び上半部と下半部の間に位置する流体散布チャネルの少なくとも一部を画成する架橋要素であって、架橋要素が更に、上半部と下半部により画成される流体出口開口部を介して流体散布器から出てくる流体出口チャネル本体を画成する、架橋要素と、を備える。
【0016】
更に別の態様において、本発明は、流体散布器を提供しており、これは、
a)主表面を含む上側散布器半部であって、前記上側散布器半部の主要部分が実質的に剛性であり、前記上半部の周辺縁部が、主表面の平面から概ね垂直方向に延びており、前記上半部が更に、前記主表面の一部として形成され、ポンプチャンバの壁として働くポンプボタンを含む、上側散布器半部と、
b)ポンプチャンバ底プレートを含む架橋要素であって、前記ポンプチャンバ底プレートが、ポンプチャンバに流体連通する入口ポート及び出口ポートを含み、ポンプチャンバ底プレートが、上側散布器半部のポンプボタンに封止係合して、封止されたポンプチャンバを形成するようになっている、架橋要素と、
c)入口ポートに流体連通する入口弁と、
d)出口ポートに流体連通する出口弁と、
e)剛性の上側散布器半部の垂直な周辺縁部に封止して固着された可撓性材料を含んで、可撓性のタンク壁を画成するようになっている下側散布器半部であって、及び散布に続くポンプボタンの戻りが、流体を入口弁及び入口ポート経由でポンプチャンバに吸い込んで、タンク内に減圧を作り出し、その結果可撓性の下側散布器半部が変形し、中の減少した容積に適合するようになっている、下側散布器半部と、を備える。
【0017】
別の態様において、本発明は、モジュール式流体散布器及びポンプ用の架橋要素を提供しており、前記架橋要素は単一構造であって、
a)入口流体チャネルの少なくとも一部を画成する入口チャネル壁と、
b)ポンプチャンバの少なくとも1つの壁を画成するポンプチャンバ底表面と、
c)入口流体チャネルをポンプチャンバに連通させる入口ポートと、
d)ポンプチャンバに流体連通する出口ポートと、
e)出口ポートに流体連通する流体出口チャネル本体であって、前記流体出口チャネル本体がその中に流体出口チャネルを画成する、流体出口チャネル本体とを含む。
【0018】
既に示されたように、本発明による散布器は、薬剤を含む流体組成物を散布するのに、例えば、ヒトの気道を治療するための組成物を散布するのに使用されてもよく、及び本発明の幾つかの態様では、そのように使用される。これらが、例としてこれから更に説明される。
【0019】
気道治療組成物
当該流体は、好ましくは、薬剤、調味剤、塩、界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される製薬上許容できる治療剤を含む、製薬上許容できる組成物である。前記流体は、任意に、その中に溶解した又は分散した他の補助剤を含む。前記流体は、水性にも、非水性にもすることができる。好適な水性流体には、水、及びグリセロール、プロピレングリコールのような水と相溶性の溶媒と水の混合物、又はエタノール若しくはイソプロピルアルコールなどのアルコールが挙げられる。水性エマルションも、油中水型または水中油型いずれかのエマルションで使用することができる。好ましくは、流体は、水性の溶液、分散液、又は水中油型エマルションである。好適な非水性流体は、ポリエチレングリコール類、グリセロール、プロピレングリコール、ジメチルイソソルビド、シリコーンオイル類、ケトン類、エーテル類、及びこれらの混合物を含む。
【0020】
好ましい実施形態では、流体は、製薬上許容できる鼻腔内用キャリアであり、好ましくは等張性、すなわち、血液及び涙液と同一の浸透圧を有する。流体組成物に所望される等張性は、例えば、塩化ナトリウム、或いはブドウ糖、ホウ酸、クエン酸、酒石酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、プロピレングリコール、又は他の無機若しくは有機溶質類などの他の製薬上許容できる剤類を使用して達成することができる。塩化ナトリウムが、ナトリウムイオンを含有する緩衝剤のために特に好ましい。塩化ナトリウム等価物の更なる例が、レミングトンの製薬科学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)1491〜1497頁(アルフォンソ・ゲナロ(Alfonso Gennaro)第18版、1990年)にて開示されている。
【0021】
本明細書の流体は、好ましくは鼻治療組成物であって、好ましくは約1,000mPa・s未満の粘性を有するが、一般には少なくとも10mPa・sである。より好ましい粘性値は、20〜約500mPa・s、及び約50〜約500mPa・sである。
【0022】
薬剤
流体組成物は、広い範囲の薬剤を含むことができる。「薬剤」は、身体に治療効果を有するように意図された薬物又は他の物質を意味する。薬剤の好適な濃度は、0.001〜20%、好ましくは0.01〜5%、より好ましくは0.1〜5%である。特定の薬剤の濃度は、それらの力価、安全特性、溶解度/分散の容易さ、及び意図される効果を含めた多数の要因によって決まることが分かるだろう。薬剤は、使用される時、うっ血除去薬、抗ヒスタミン剤、鎮痛剤、又は抗炎症薬物などの、適用の場所における効果を有するように意図されたものとすることができ、あるいは、抗ウイルス、抗うつ薬、制吐薬、解熱剤、又はホルモンなどのような全身性吸収を意図されていてもよい。薬剤は、流体に可溶性とすることができ、又は不溶性の、微細に粉砕された微粒子状液体若しくは流体中に分散された固体にすることができる。
【0023】
好適なうっ血除去薬には、オキシメタゾリン、トラマゾリン、キシロメタゾリン、ナファゾリン、テトラヒドラゾリン(tetrahydrazoline)、プソイドエフェドリン、エフェドリン、フェニレフリンと、塩酸塩類のようなこれらの製薬上許容できる塩類、及びこれらの混合物が挙げられる。好ましいうっ血除去薬は、オキシメタゾリン、キシロメタゾリン、これらの製薬上許容できる塩類、及びこれらの混合物から選択される。うっ血除去薬は、好適には約0.01%〜約3.0%、より好ましくは約0.01%〜約1%の濃度で存在する。
【0024】
有用な抗ヒスタミン剤には、即効性のヒスタミンH−1レセプター拮抗物質類が挙げられる。そのようなH−1レセプター抗ヒスタミン剤類は、抗ヒスタミン剤類の次の群の中から選択されてもよい:アルキルアミン類、エタノールアミン類、エチレンジアミン類、ピペラジン類、フェノチアジン類、ピペリジン類。有用で即効性の抗ヒスタミン剤類の例には、アクリバスチン(acrivastine)、カルビノキサミン、ジフェンヒドラミン、クロロフェニルアミン(chloropheniramine)、ブロムフェニルアミン、デキスクロロフェニルアミン(dexchloropheniramine)、ドキシルアミン、クレマスチン、プロメタジン、トリメプラジン、メトジラジン、ヒドロキシジン、ピリラミン、トリペレンナミン、メクリジン、トリプロリジン、アザタジン、サイプロヘプタジン、ロカスチン(rocastine)、フェニンダミン、又は製薬上許容できる塩類、及びこれらの混合物が挙げられる。その他の有用な抗ヒスタミン剤類として、テルフェナジン、アゼラスチン、セチリジン、アステミゾール、エバスチン、ケトチフェン、ロドキサミド(lodoxamide)、ロラタジン、レボカバスチン(levocabastine)、メキタジン、オキサトミド(oxatomide)、セタスチン(setastine)、タジフィリン(tazifylline)、テメラスチン(temelastine)、又は製薬上許容できる塩類、及びこれらの混合物が挙げられる。抗ヒスタミン剤構成成分は、使用される時、好ましくは約0.01%〜約3%、より好ましくは約0.01%〜約1%の濃度で鼻治療流体中に存在する。
【0025】
薬剤は、副腎皮質ホルモンのような抗炎症剤にすることもできる。この部類の中で特に好ましい剤類には、ベクロメタゾン、フルニソリド、フルチカゾン(fluticasone)、モメタゾン(memetasone)、ブデソニド、これらの製薬上許容できる塩類、及びこれらの混合物から成る群から選択される、糖質コルチコイドがある。抗炎症剤は、好ましくは、約0.001%〜約0.1%、より好ましくは、約0.01%〜約0.1%の濃度で流体中に存在する。
【0026】
本明細書でやはり有用なものには、カフェイン及びメチルキサンチンなどのようなキサンチン誘導体類;抗アレルギー性物質類;粘液溶解剤類;抗コリン作用薬類;アセトアミノフェン、アセチルサリチル酸、イブプロフェン、エトドラク、フェンブプロフェン(fenbuprofen)、フェノプロフェン、ケトロラク、フルルビプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ナプロキセン、これらの製薬上許容できる塩類、及びこれらの混合物のような非麻酔性鎮痛薬類;ブトルファノールのような麻酔性鎮痛薬類;ロイコトリエンレセプター拮抗薬類;クロモリンナトリウム、ネドクロミル、及びロドキサミド(lodoxamide)のようなマスト細胞安定剤類;並びにリポキシゲナーゼ抑制化合物がある。
【0027】
好適な薬剤の更なる例は、PCT国際公開特許WO97/46243、EP−A−780127、US−A−5,124,315、US−A−5,622,724、US−A−5,656,255号、及びUS−A−5,705,490に見出すことができる。
【0028】
調味剤
様々な調味及び/又は芳香構成成分(例えば、アルデヒド類及びエステル類)が、本鼻治療流体中で使用可能である。これらには、例えば、メントール、カンファー、ユーカリプトール、ベンズアルデヒド(サクランボ、アーモンド);シトラール(レモン、ライム);ネラール;デカナール(オレンジ、レモン);アルデヒドC−8、アルデヒドC−9、及びアルデヒドC−12(カンキツ類果実);トリルアルデヒド(サクランボ、アーモンド);2,6−ジメチル−オクタナール(緑色果実);2−ドデセナール(dodecenal)(カンキツ類、マンダリン);並びにタイム、ローズマリー、及びセージオイルのようなハーブ成分が挙げられる。本発明で使用するのに好適な追加芳香成分には、米国特許第4,136,163号(ワトソン(Watson)ら)、米国特許第4,459,425号(アマノ(Amano)ら)、及び米国特許第4,230,688号(ロウセル(Rowsell)ら)に記載されるものが挙げられる。これらの芳香剤類の混合物も使用可能である。
【0029】
界面活性剤
治療流体は、1種以上の製薬上許容できる界面活性剤も含むことができる。そのような界面活性剤は、薬剤又は調味剤を分散又は乳化して、鼻又は粘膜中での吸収を強めるために、あるいはそれらだけで治療剤として、有用であり得る。界面活性剤は、陰イオン性、非イオン性陽イオン性、又は両性にすることができるが、好ましくは、非イオン性である。本明細書で有用な典型的な非イオン性界面活性剤には:ポリソルベート80のような無水ソルビトール類の脂肪酸部分エステル類のポリオキシエチレン誘導体類;ポリオキシエチレン50ステアレートのような脂肪酸類のポリオキシエチレン誘導体類;並びにオキシエチラート化(oxyethylated)三級オクチルフェノールホルムアルデヒドポリマー(スターリングオルガニックス(Sterling Organics)からチロクサポル(Tyloxapol)として入手可能)、又はこれらの混合物が挙げられる。界面活性剤の通常の濃度は、約0.1重量%〜約3重量%である。
【0030】

流体は、1種以上の製薬上許容できる塩類も含むことができる。塩は、例えば塩化ナトリウムのような無機塩類、又はクエン酸ナトリウムのような有機酸の塩類にすることができる。
【0031】
他の補助剤
本明細書の流体は更に、増粘剤、保湿剤、懸濁助剤、カプセル化助剤、キレート化剤、及び防腐剤などの、その他の成分を含むことができる。
【0032】
組成物の粘性は、製薬上許容できる増粘剤を使用して選定されたレベルに維持されてもよい。好適な増粘剤には、例えば、キサンタンガム、メチルセルロース、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、キトサン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、カルボマーなど、又はそれらの製薬上許容できる塩類が挙げられる。そのような増粘剤の混合物も使用されてもよい。増粘剤の好ましい濃度は、選択された剤によって決まる。重要な点は、選定された粘性を達成する量で使用することである。粘稠な組成物は通常、そのような増粘剤の添加によって、溶液から調製される。
【0033】
本発明で有用な流体は、粘膜の乾燥を抑制するために、及び炎症を防ぐために、約0.01%〜約5%の保湿剤も含むことができる。様々な製薬上許容できる保湿剤のいずれをも使用することができ、例えば、ソルビトール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、又はこれらの混合物が挙げられる。増粘剤の場合のように、その濃度は選択された剤のために変動するが、これらの剤の存在又は非存在又はそれらの濃度は、本発明の本質的な特徴ではない。
【0034】
製薬上許容できる防腐剤が、本明細書の組成物の貯蔵寿命を伸ばすために使用されてもよい。様々な防腐剤を、例えば、ベンジルアルコール、パラベン類、フェニルエチルアルコール、チメロサール、クロロブタノール、クロルヘキシジングルコネート、又は塩化ベンザルコニウムを含めて、使用することができる。防腐剤の好適な濃度は、総重量に基づいて0.001%〜2%であるが、選択された剤次第で、かなりの程度の変化があってもよい。しかしながら、本発明の幾つかの態様では、汚染の可能性を有する微生物に対する不透過性を有するタンクへの空気入口の提供、及び/又は投与量が散布される時以外は外部に対して開口部を閉め切る出口オリフィスにおける閉止部材の使用、及び/又は使用中に散布器に入る空気が散布されるべき液体に接触できないようにする積層容器の使用が、防腐剤の使用を不必要にする可能性がある。
【0035】
定義
異なる指定がない限り、本明細書のパーセンテージ及び比率は全て重量によるものであり、測定は全て25℃で行われる。本明細書における全ての粘度測定は、異なる指定がない限り、定常流方法を使用して、25℃及び1s−1のずり速度で実施される。
【0036】
好ましい実施形態では、本明細書の散布器及びポンプは、上側及び下側の半部を含む。本明細書の用語「半部(単数又は複数)」は、対応する部品を表すことだけが意図され、大きさ、構造、又は機能のいかなる等分性も含意することは意図されていない。ポンプに関する用語「上側」及び「下側」は、2つの半部を区別するためにのみ使用され、使用中の部品のいずれか特定の向きを含意することは意図されていない。
【0037】
本明細書で使用するとき、「半剛性」の熱可塑性材料とは、ASTM D790を使用して測定して、少なくとも約300、好ましくは少なくとも約500MPaの曲げ弾性率を有する、熱可塑性材料を意味する。
【0038】
「一体成型品」により、単一品で形成された、又は単一の金型の中で完全に形成された成型品を意味する。これは1つの材料だけを含んでもよいが、用語「一体成型品」は、異なる材料が共通金型の中へ共射出される又は順次射出される2ショット射出成形などの共通成型作業にて、2つ以上の材料から形成された加工物をも含む。
【0039】
本明細書の「流体」は、流動性の液体又はゲルを指す。
【0040】
「流体放出軸」は、散布出口を離れた時に大部分の流体が移動する線を指すが、流体は噴霧に散らばっており、一般に、散布出口から噴霧パターンの中心に向う線を表す。
【0041】
図1〜9にて例として示される実施形態は、気道治療組成物用の、更に具体的には、鼻内噴霧として施されるような組成物に対する散布器として意図されている。散布器1は、以下で便宜的に上半部2及び下半部3と呼ばれる2つのケーシング部品2及び3で形成されたケーシングを含んでおり、用語「上半部」及び「下半部」は上で定義されたように理解されるものである。ケーシング半部2及び3は、少なくとも半剛性の材料からなる。ケーシング半部2及び3は、それぞれの主表面2a及び3aと、主表面2a及び3aに対して横方向である及びそれぞれの主表面の周辺縁部と一体をなす周辺壁2b及び3bとを有する。周辺壁2b及び3bは、周辺縁部2c及び3cにおいて終了し、これらは相互に噛み合うように配置されている。図示される実施形態では、周辺縁部2cが下向き壁2dを有し、及び周辺縁部3cが上向き溝3dを有して、壁2dが溝3dの中に係合している。しかしながら、壁及び溝の位置は逆にすることもでき、又はある完全に異なる配置も代わりに配設可能であることを理解すべきである。
【0042】
上側ケーシング半部2は、その主表面において、浅い皿を形成する窪み部分4を有し、皿4の中に、ボタン5を画成する薄い壁の上向きドーム状部分が形成されている。ボタン5は、上側ケーシング半部2の残りの部分と完全に一体にすることができ、すなわち、上側ケーシング半部と共に上側ケーシング半部と同一材料で形成することができ、又は擬似一体にすることができ、すなわち、上側ケーシング半部と異なる材料であるが共形成(好ましくは共成型)することができ、又は同一若しくは異なる材料の別個の構成要素にすることができる。擬似一体的細工は、容易に製造できるのに、ボタン(好ましくはプラスチックエラストマー)及びケーシング半部(好ましくは半剛性のプラスチック材料)に対して異なる材料が使用可能になるので、好ましい。このことの目的は、以下で更に説明される。各ケーシング半部は、散布器の後方端部に、半円形の切取りを有しており、その結果、2つの半部が組み立てられた時、円形開口部6を画成する。開口部6が、穴8を有する円筒形プラグ7を受け入れ、その中にフィルター部材9が受け入れられる。フィルター部材9は、細長い円筒形として示されているが、好ましくは、フィルター材料のディスクである。フィルター9は、その孔径が空気の通過を可能とするが、液体及び細菌の両方の通過を妨げるような材料で、形成される。この目的のために、フィルター材料中の孔は、0.2μmより大きい直径であってはならない。フィルター部材9は、好ましくは繊維性材料であり、及び少なくとも散布器が水系液体の散布を意図されている場合、その繊維は、好ましくは、本来的に疎水性であるか、又は疎水性にされた材料のものである。より好ましくは、フィルター部材は、PTFE繊維で形成された膜であり、及び米国デラウェア州ニューアーク(Newark, Delaware, USA)のWLゴア・アソーシエーツ社(W. L. Gore Associates, Inc.)から商標ゴアテックス(GORE-TEX)で入手可能なものがある。
【0043】
ケーシング半部2及び3の前方端部は、図5の参照番号10により表される平面で終了しており、これらが円形開口部11を画成する。
【0044】
ケーシング半部2及び3は、それらの間に空洞を画成しており、その後ろ部分12が、散布されるべき液体用のタンクを形成する。空洞の中には、散布されるべき液体の計量投与を可能にする働きをする構成要素20が、取り付けられている。構成要素20の主要部品は、一体構造の要素21により提供され、これは本明細書において架橋と呼ばれる。架橋は、細長いチャネル部材22を含んで、図示される実施形態では、これに矩形の3辺を画成する断面が含まれており、チャネル部材が、下側ケーシング半部3に固定されて、断面の開放側が、チャネル半部3に面している。図4に示されるように、チャネル部材22は、その側壁22bに平行に走る中央リブ22aを有し、及び下側ケーシング半部3が、4つの相互に平行なリブ3eを有する。側壁22bは、隣接する対のリブ3eにより画成される溝にスナップ嵌めされている(その連結は、超音波溶接、レーザー溶接、又は器具に入れられることを意図される液体に関係して受容可能なタイプの接着剤によって助けられてもよい)。中央リブ22aは、2つのリブ3eの間に係合するが、入口チャネル23を提供する空間を残すようになっている。図6に見られるように、リブ22aの上流部分は、好ましくは、上流端部に向かって漸進的に高さが減少している。チャネル23は、したがって、その入口端部から漸進的に断面が縮小する。これにより、チャネル23は、比較的大きな断面の入口部分を有し、続いて、その中の液体に毛管効果を及ぼすのに十分に小さい断面の部分を有することが可能になる。
【0045】
チャネル23の下流端部は、入口チャンバ24経由でポンプチャンバ30に連通しており、入口チャンバの中に入口弁25が取り付けられている。入口弁25は、幾つかのタイプの1つにすることができるが、図示される実施形態では、弾性のある材料で、例えば合成ゴムで形成されて、フランジ26と、実質的に円筒形の本体27と、相互に向かって集まり及び線29に沿って封止する方法で交わる対の表面28とを含む。これは、以下において、ダックビル弁25と呼ばれる。弁25は、逆止め弁として作動し、液体がそのフランジ端部から反対側端部に向かって流れて表面28の間を出ることを可能にするが、流体が反対方向に流れることは阻止する。
【0046】
入口チャンバ24の出口端部は、既に述べたように、ポンプチャンバ30に連通しており、ポンプチャンバは、その下側をポンプチャンバ底表面40により画成され、その上側をボタン5により画成される。上向きドーム状部材31が、その縁部において表面40上に位置付けられ、ボタン5と平行に配置されている。部材31は、この実施形態では、斜め切りされた隅部付きの正方形を有して(図7及び8参照)、液体が自由に通過することを可能にしており、その結果、チャンバの上側境界は、部材31ではなく、ボタン5により画成される。部材31は、2つの相互に関連するが異なる機能の1つを実施するように配置することができる。1つの配置では、部材31がボタンの直下にあり、すなわち、ボタンと部材31の間に示される隙間は無視できる。この配置では、部材は、ボタンの下向き移動に著しい抵抗をもたらすように設計されて、ある点に達するまでボタンの移動を阻止し、変形に対する閾値抵抗を超えると、ボタン5及び部材31が突然変形して、投与チャンバの容積が急激に減少するようになっている。このことは、ボタンに著しい圧力の蓄積を可能にする効果を有し、これが次に流体に及ぼされて、流体をより速い速度で散布器から押し出す。ボタンの下に挿入されるそのような部材は、ボタンの構造及び材料だけにより利用可能なものと比較して、閾値力の増加をもたらすので有利である。他の配置では、ボタン5と部材31の間に著しい隙間が有り、その結果、ボタンの移動の第一部分の間(投与量の提供に必要な体積の液体がチャンバから押し出される間の部分)、部材31は、ボタンの変形にほぼ干渉することがなく、したがって、それに抵抗しない。しかしながら、次に、ボタンが部材(31)に接触するボタン移動の点に到達すると、ボタンの移動に対する抵抗が増大する。ユーザーは抵抗に打ち勝たなければならず、完全な投与が達成されたというフィードバック信号がユーザーにもたらされる。
【0047】
ポンプチャンバ30は、中間チャンバ32に連通しており、これが今度は、出口チャンバ33に連通する。容積減少要素33aは、以下で説明される目的のために、チャンバ33のかなりの割合を占拠している。出口チャンバ33は、出口ダクト35により画成される出口通路34の上流端部に連通している。出口ダクトには、その両端部の中間で外向きに延びるフランジ36が設けられており、これは、好ましくは、出口ダクト35の主要部分と一体であり、並びに図6及び7に見られるように、好ましくは、丸みのある隅が付いたダイヤモンド形状を有する。フランジ36は、対の隙間に、1つは上側ケーシング半部2から下向きに延びる2つのリブ37の間に画成され、もう1つは下側ケーシング半部3から上向きに延びる対のリブ38により画成された対の隙間に受け入れられて、それらの中に例えば超音波スポット溶接により封止されており、そのようにして、液体が出口ダクト35の外部に出る及び空気が反対方向に入るのを阻止する、封止手段を形成している。
【0048】
フランジ36とリブ37及び38との間の連結は、ケーシング半部2及び3に対して架橋が固定的に連結される手段の一部を形成する。連結手段の残りは、チャネル部材22の下側ケーシング半部3に対する取付けと、窪み部分4の下側に形成されてボタン5を包囲する対の下向きリブの間に係合する、ポンプチャンバ周りで立ち上がった環状リブ39aとにより提供される。
【0049】
出口通路34の中に取り付けられているのは、更なる容積減少要素50である。要素33a及び50は共に、ポンプチャンバと散布器出口の間のデッドスペース容積を減少する働きをする。これにより、最初の使用の前に、先に言及した容積に液体が無い場合に、器具が出口を通して液体の投与を押し出す前に必要とされる呼び水の量が減少され、有利である。呼び水の問題は、器具の操作に関連して以下で説明される。これに関して、典型的な液体薬剤の投与は50μLのオーダーであり、その結果、散布器内の比較的小さいデッドスペース容積でさえもが多数の投与に、したがって多数のポンプチャンバ容積に相当する場合もあることを心に留めておく必要がある。これは、その上流端部にシャフト51を含み、シャフトが、半径方向外向きに延びる複数のリブ52を有する。図示される実施形態では、4つのそのようなリブが示されているが、その代わりに、4より少ない、又は4より多いリブを設けることもできることを理解すべきである。シャフト51の下流端部分は、リブ52の下流端部間の隙間が部材53の内部に連通するような方法で、円筒部材53の上流端部分により包囲されている。ダクト35には、拡大された下流部分35aが設けられ、その中に、円筒部材53が滑り嵌めされている。部材53は、外向きに延びるフランジ54を有しており、これが部分35aの下流端部にもたれて、部材50をその正しい長手方向位置に保持する。部分35aには、外向きに延びるフランジ55が設けられており、その目的は以下で説明される。
【0050】
散布器の下流端部は、キャップ60を含む。キャップは、概ね円筒形の壁61及び端部壁62を含み、下流方向に先細の開口部63が、端部壁62内に画成されて、噴霧ノズルを提供する。円筒形壁61には、その上流端部近辺に、内向き円周溝が設けられて、これがフランジ55上にスナップ嵌めして、キャップを適所に保持するようになっている。ダックビル弁65が、キャップ60の内側表面から内向きに延びるフランジ60aにより円筒形部材53の下流端部に固定されており、その結果、その内部が、部材53の内部に流体連通している。図5に示されるように、ダックビル弁65の下流端部は、出口ノズル63の近くに隣接しており、これが散布器のための作動条件である。
【0051】
散布器の操作をこれから説明するが、条件から始めると、タンク12が少なくとも部分的に液体で満たされており、及びタンクからダックビル弁65の下流端部までの流体流路の全体が液体で完全に満たされている。これは、ユーザーが投与量を散布するために使用した後の散布器の状態である。それは、当初ユーザーに供給された時の散布器の状態のことがある。しかしながら、最初の使用の前に、ポンプチャンバは、散布されるべき流体で呼び水されて、呼び水前のポンプの内側の空気をタンクから引き出した流体で置換する必要があることがある。呼び水ストロークの好ましい回数は、3回以下である。ユーザーは、ボタンの上で矢印Xの方向に力を及ぼすことにより、ボタン5を押し下げる。この方向は、流体が散布器を離れる方向Y(流体放出軸)に対して90度にある。器具が鼻又は口スプレーの散布用の場合に特に、これは、使用が容易になるという点で有利である。図示された器具の修正に際して、方向Xが方向Yに対して90度にあるのが可能でない又は便利でない場合でも、好ましくは少なくとも60度の角度に、より好ましくは少なくとも75度の角度にあるべきである。チャンバ24内の液体はダックビル弁25を通って流出できないので、ボタン5を押し下げると、液体は、中間チャンバ32を通って、通路34へ入り、リブ52間の隙間を通り、円筒形部材53の内部を通り、ダックビル弁65の内部を通り、及び出口オリフィス63を通って、噴霧として散布器から出される。噴霧は、液体の粘度並びに出口オリフィスのサイズ及び形状次第で、霧化噴霧であっても、なくてもよい。ユーザーがボタン5に圧力を及ぼすのを止めた時、ボタンは、その図示された位置に戻り、並びにそうなるに際して、液体をタンク12から通路23及びダックビル弁25を介してチャンバ24に吸い入れる。そうすると、器具は、必要な時に、次の投与を散布するために利用可能である。
【0052】
図1に示されるように、散布器は、カバー70によって、間違った作動に対して保護されている。カバーは、出口端部から考える時、散布器の長さの約1/3を延びる主要部分71を有し、及び更に、ボタン5が配置された散布器の側面上だけに存在する一体延長部72を含む。カバーは、好ましくは、下に存在する散布器の部品上にスナップ嵌めされる。カバー70は、その上側端部の内側に、キャップ6の上側端部の上に位置するための当接手段が設けられていてもよい。1つの形体では、当接手段は、好ましくは弾性のある材料の封止リングを含み、これが出口オリフィス63回りのキャップの表面に位置する。別の形体では、当接手段は、弾性のある材料のパッドを含み、これが出口オリフィスそのものを含めてキャップの端部表面に位置する。両方の形体において、その効果は、出口オリフィスを、ひいてはそのオリフィスの上流の液体を、周囲空気から隔離することである。
【0053】
図1〜8に示される散布器は、好ましくは、2つのケーシング半部の周囲縁部を相互に対して結合するために、超音波溶接又はレーザー溶接を使用して組み立てられる。この目的のためには、超音波溶接の使用が便利であるが、上述のように、フランジ36をリブ37に連結するのに使用されたものと同一の溶接装置が、次に使用できるからである。ケーシング半部がレーザー溶接により接続されるとき、2つのケーシング半部の1つは、2つの半部を共に溶接可能な波長のレーザー放射に対して実質的に吸収性の材料で作製されるべきであり、ケーシング半部の他方は、その放射に対して実質的に透過性の材料で作製されるべきである。溶接が図4の図で示される概ね水平の線に沿ってケーシングの縁部に向けられた放射により達成できるように、溝3dを有するケーシング半部(この例では下側ケーシング半部)が透過性であって、壁2dを有するケーシング半部(この例では上側ケーシング半部)が吸収性であると、本質的ではないが便利である。
【0054】
本発明の態様の幾つか又は全てをやはり具現する多数の代替実施形態が考察可能であり、それらの幾つかをこれから説明する。
【0055】
図9は、弾性のある材料で形成されて管状シャフト153が取り付けられた中空封止部材165によって、ダックビル弁65が置換された変更を示す。封止部材165は、部材165の端部上で出口オリフィス63に隣接して形成された、円錐形の先端封止部170を有する。図9に示される位置では、先端封止部170は、オリフィス63と封止係合にある。管状シャフト153は、その壁を貫いて延びる及び通路34に連通する、穴171を有する。ユーザーがボタン5を押し下げる時、通路34内の、ひいては穴171内の圧力が上昇し、部材165の穴に隣接する部分を外向きにたわませる。その時、流体が、部材165のたわんだ部分を通り越して流出することができ、次に、部材165の先端封止部170を担持する部分に到達するまで、部材165とキャップ62の間に画成された隙間に沿って移動する。流体圧力は、次に、部材165のその部分を(図9で見て)左向きにたわませて、先端封止部170を出口オリフィス63との接触から離し、このようにして、流体がオリフィスを通過可能になる。先端封止部170は、投与が散布されない時、液体の流出及び空気の流入を防止し、並びに出口オリフィス63の閉塞防止を助ける。
【0056】
図10a〜13に示される実施形態は、主として、ポンプユニットがタンクの外側にあるという点で、既に説明されたものと異なる。図10a及び10bは、それぞれが単一成型品として形成された2つのポンプ半部201及び202を概略的に示しており、両半部が、図11に示されるように共に連結されて、完全なポンプユニットを形成する。ポンプユニットは、図10aの部分203にて見られる、出口オリフィスを一端部に有する。図12は、外側層211及び内側層212を有して積層容器として形成されたタンク210を示しており、使用中に、内側層が外側層から層間剥離する。完全な散布器220は、タンク210の出口213をポンプユニット202の入口204に、それらの間を流体連通して取り付けることによって、形成される。
【0057】
図1〜8を参照して説明された散布器は、2つのケーシング半部で形成されたケーシングを有し、その両方が少なくとも半剛性である。しかしながら、代わりの可能性は、ボタンが設けられた主表面が半剛性材料で作製され、反対側主表面が可撓性材料で例えばプラスチックシート材料で作製されて、その周辺縁部が図4の縁部3cに相当する半剛性材料の縁部に取付け可能なものである。そのような取付けは、例えば、溶接(例えば、超音波溶接又はレーザー溶接のいずれか)によって、接着剤の使用によって、又は他のいずれか好適なやり方で可能である。可撓性材料が張り詰めていなくて、半剛性構成要素に向かって十分にたわむ能力を有し、これにより可撓性シート材料と半剛性構成要素の間の容積が減少されるような方法で、可撓性シート材料が半剛性構成要素に取り付けられるという条件で、図1〜8の実施形態において構成要素6〜9により設けられた空気入口を無くして、それによって器具の滅菌性を更に向上し、及び散布されるべき液体中の防腐剤に対する必要性を避ける可能性を更に増大することができる。この構造においては、架橋は、半剛性ケーシング半部にのみ取付けが必要である。また、架橋の一部(チャネル部材22)と下側ケーシング半部の協同によりディップチューブを形成する代わりに、従来型のディップチューブが、設けられる必要がある。
【0058】
別の代替実施形態では、散布器のケーシングにいわゆる積層構造を使用することによって、空気入口に対する必要性を無くすこともできる。全く違う目的のためではあるが、容器本体が内側層及び外側層を有して、ある状況下では、内側層の一部が外側層から層間剥離するという容器が知られている。例として、容器の内容物がポンプ作用により排出されることに起因する圧力差の結果として層間剥離が生じるという容器をどのように形成するかの記述について、EP−A−0550772(ヨシノコウギョウショ社(Yoshino Kogyosho Co., Ltd))を参照する。内側層の一部だけが外側層から層間剥離する容器を使用することによって、内側表面の層間剥離が生じない部分が、作動ボタンを取り付ける場所として、及び図1〜8の実施形態で使用される架橋に相当する又は少なくとも類似機能を有する構造体として、利用可能である。しかしながら、層間剥離が生じる時、散布されるべき液体が中に保持されたタンクの容積が自然に簡単に減少可能であるので、空気入口が必要で無くなる。
【0059】
添付図を参照して、本発明を以下で更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施形態の片側からの図。
【図2】同様の図であるが、器具の下に存在する部品を露呈するために、実施形態の一部を形成するキャップが取り去られている。
【図3】図2に見られる物の斜視図。
【図4】図1の線IV−IV上で見る断面図。
【図5】キャップを完全に取り去った、図1の実施形態を貫く長手方向断面図。
【図6】図1の器具のある構成要素を示す斜視分解図。
【図7】図6の構成要素の1つを、図6に示されている方向に対して180度の方向から示す。
【図8】図7の矢印「A」に沿って見る図。
【図9】器具の出口端部の変更型の、拡大寸法での長手方向断面図。
【図10a】本発明の更なる実施形態を示す。
【図10b】本発明の更なる実施形態を示す。
【図11】組み立てられてポンプを形成する、図10の2つの部品を示す。
【図12】剛性外壁と層間剥離する内層とを含む、本発明の実施形態によるタンクの断面図。
【図13】図11のポンプを図12のタンクと組み合わせた、本発明の代替実施形態である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気道治療組成物用の散布器であって、
a)気道治療組成物である流体を収容するタンクと、
b)前記タンクに流体連通するポンプであって、投与チャンバ及びポンプ作動装置を含むポンプと、
c)前記タンク及び前記ポンプに流体連通する出口オリフィスであって、前記ポンプを作動させると、散布器からの流体の放出が前記出口オリフィスを介して達成可能になるような出口オリフィスと、
を備え、
前記タンクは、流体が散布されるにつれて層間剥離するように構成された積層容器を含むことを特徴とする散布器。
【請求項2】
液体用散布器であって、
a)液体を入れるのに適したタンクであって、剛性材料を含む外側層と前記外側層から層間剥離可能なその内側の少なくとも1つの更なる層とを含む積層容器を有するタンクと、
b)前記タンク及び出口オリフィスに流体連通するポンプであって、ポンプ上半部及びポンプ下半部を含み、前記ポンプ上半部が当該ポンプ上半部に連結された弾性のある作動装置を含むポンプと、
を備え、
前記弾性のある作動装置を押し下げると、前記ポンプを介して投与流体の散布が実施され、前記ポンプ上半部及びポンプ下半部がそれぞれ単一の成型品から形成される、散布器。
【請求項3】
液体散布器であって、
a)散布されるべき液体を収容するための実質的に閉止されたタンクをその間に画成する相互結合された周辺縁部を有する離れて配置された2つの主表面を包含するポンプ本体であって、前記ポンプ本体の主要部分が実質的に剛性であるポンプ本体と、
b)前記タンクに連通する入口弁と出口オリフィスに連通する出口弁とを有するポンプチャンバであって、前記チャンバが、前記主表面の1つに沿って設けられたポンプボタンにより作動され、前記ポンプボタンは、前記主表面の1つの一部分を画成するとともに、前記ポンプチャンバの壁として機能し、前記ポンプボタンをその変位位置まで押し下げると、前記ポンプチャンバに収容された液体が前記出口弁経由で押し出され、前記ボタンがその最初の標準位置まで戻ると液体は前記入口弁経由で前記ポンプチャンバに流入されるように構成された、ポンプチャンバと、
を備え、
散布器は更に、前記ボタンが最初の標準位置まで戻る間に周囲空気が前記タンクへ流入することを可能にする、前記タンクに流体連通する空気入口開口部を含み、流体の散布に続いて前記空気入口開口部は、気体が前記タンクへ流入することを可能にするように気体透過性であるが、前記タンクに収容された液体に対して不透過性であるカバーによって塞がれる、液体散布器。
【請求項4】
前記気体透過性カバーは、前記タンクに入る可能性がある微生物に対して不透過性である、請求項3に記載の散布器。
【請求項5】
液体散布器であって、
a)散布されるべき液体を収容することができる閉止されたタンクの境界をその間に定める、相互結合された周辺縁部を有する、離れて配置された2つの主表面を含む本体であって、前記本体の主要部分が実質的に剛性である本体と、
b)前記主表面の1つに沿って設けられたポンプボタンにより作動されるポンプであって、前記ポンプボタンが前記主表面の1つの一部として形成されるポンプと、
を備え、
散布器は更に、前記ポンプに流体連通し、流体を散布するための出口オリフィスを含む散布ノズルを含み、前記ノズルには、押出しチャネルと、当該押出しチャネル内で前記出口オリフィスよりも上流側に固定的に配置された閉止部材とが設けられ、前記閉止部材は、前記出口オリフィスに相対的に固定された固定部分と、閉止要素を支持する弾性的に変形可能な部分とを含み、前記閉止要素は、静止時に、前記出口オリフィスを閉め切り、前記弾性的に変形可能な部分が変形する時、前記出口オリフィスを開放する、液体散布器。
【請求項6】
前記ポンプが、
入口弁を有するとともに前記主表面の1つに沿って設けられた前記ポンプボタンにより作動されるポンプチャンバを含み、前記ポンプボタンは、前記主表面の1つの一部として形成されるとともに前記ポンプチャンバの壁として機能し、前記ポンプボタンをその変位位置まで押し下げると前記ポンプチャンバ内の液体が押し出され、前記ボタンがその最初の標準位置に戻ると、液体は前記入口弁経由で前記ポンプチャンバに流入され、前記散布ノズルが、前記ポンプチャンバに流体連通する、請求項5に記載の散布器。
【請求項7】
少なくとも前記出口オリフィスを覆って外部環境から保護するために、前記散布器の本体に係合するカバーを更に備え、前記カバーは閉止要素を含み、前記カバーが閉止位置にはめ込まれる時、閉止要素が、出口オリフィス及び/又は出口オリフィスを包囲する表面に封止係合する、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の散布器。
【請求項8】
流体をタンクから散布するための、ポンプチャンバを含むポンプにおいて、前記ポンプチャンバが、底プレートと、入口ポート及び出口ポートと、前記ポンプチャンバ壁の少なくとも1つの少なくとも一部を形成する作動装置と、前記ポンプチャンバ内で前記底プレートと前記作動装置の間に挿入された、変形可能な抵抗デバイスとを含み、前記変形可能な抵抗デバイスは、作動中の前記作動装置の初期変形にはほぼ干渉しないが、前記作動装置の最終変形に抵抗し、前記変形可能な抵抗デバイスの変形が、閾値の力を超えるまで生じず、これにより、完全な作動を決定するためのフィードバック信号がユーザーに提供されるポンプ。
【請求項9】
散布されるべき流体物質が収容されるタンクと出口オリフィスとを備えた流体散布器において、前記タンクは、圧力を付加することによってタンクの内部容積を減少させるように変形可能な少なくとも1つの作動壁又は壁部分を含み、このようにして流体物質に圧力を与えて前記出口オリフィスを介して放出させ、前記少なくとも1つの作動壁は、変形するために超えるべき、変形に対する抵抗の予め定められた閾値を有し、前記作動壁の変形に対する抵抗の予め定められた閾値は、前記作動壁又は壁部分のすぐ下に配置された閾値抵抗手段により生成され、前記閾値抵抗手段は、変形に対する抵抗の予め定められた閾値を一旦超えると、前記タンクに収容された流体に実質的に圧力を与えないような、流体散布器。
【請求項10】
前記出口が流体放出軸を画成し、前記ポンプが、前記流体放出軸に対して少なくとも60度の角度で散布器に直接付加される力によって作動される、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の散布器。
【請求項11】
流体散布器であって、
a)主表面を含む上半部と主表面を含む下半部とを含む本体であって、前記本体の主要部分が実質的に剛性であり、2つの主表面は、相互に対向するとともに、相互結合された周辺縁部を有し、散布されるべき液体を収容するための実質的に閉止されたタンクをその間に画成し、上半部および下半部の周辺縁部は、上半部および下半部の液密封止を可能にするための接続手段を含み、上半部および下半部の周辺縁部が、相互結合された時に、流体出口開口部を画成する本体と、
b)流体入口チャネルの少なくとも一部を定め、前記上半部と下半部の間に挿入された架橋要素であって、前記上半部と下半部により画成される流体出口開口部を介して前記流体散布器から突き出た流体出口チャネル本体を含み、前記流体出口チャネル本体が、前記流体出口開口部の縁部に液密封止で係合する封止手段を含む、架橋要素と、
を備えた流体散布器。
【請求項12】
流体散布器であって、
a)主表面を含む上半部と主表面を含む下半部とを含む本体であって、前記本体の主要部分が実質的に剛性であり、2つの主表面は、相互に対向するとともに、相互結合された周辺縁部を有し、散布されるべき液体を収容するための実質的に閉止されたタンクをその間に画成し、上半部および下半部の周辺縁部は、上半部および下半部の液密封止を可能にするための接続手段を含み、上半部および下半部の周辺縁部は、相互結合された時に、流体出口開口部を画成し、上半部および下半部のうちの一方が、上半部および下半部を共に溶接可能な波長のレーザー放射に対して実質的に吸収性の材料で形成され、上半部および下半部の他方が、前記放射に対して実質的に透過性である本体と、
b)ポンプ手段を含むとともに前記上半部と下半部の間に位置する流体散布チャネルの少なくとも一部を画成する架橋要素であって、前記架橋要素が更に、前記上半部と下半部により画成される前記流体出口開口部を介して前記流体散布器から突出する流体出口チャネル本体を画成する、架橋要素と、
を備えた流体散布器。
【請求項13】
流体散布器であって、
a)主表面を含む散布器上半部であって、前記散布器上半部の主要部分が実質的に剛性であり、前記上半部の周辺縁部が、主表面の平面から概ね垂直方向に延びており、前記上半部が更に、前記主表面の一部として形成され、ポンプチャンバの壁として機能するポンプボタンを含む、散布器上半部と、
b)ポンプチャンバ底プレートを含む架橋要素であって、前記ポンプチャンバ底プレートが、前記ポンプチャンバに流体連通する入口ポート及び出口ポートを含み、前記ポンプチャンバ底プレートが、前記散布器上半部のポンプボタンに封止係合して封止されたポンプチャンバを形成する、架橋要素と、
c)前記入口ポートに流体連通する入口弁と、
d)前記出口ポートに流体連通する出口弁と、
e)前記剛性の散布器上半部の垂直な周辺縁部に封止して固着された可撓性材料を含み、可撓性のタンク壁を定める散布器下半部であって、散布に続いて前記ポンプボタンが戻ると液体は前記入口弁及び入口ポートを介して前記ポンプチャンバに吸い上げられ、前記タンク内を減圧し、前記可撓性の散布器下半部が変形する結果、中の減少した容積に適合する、散布器下半部と、
を備えた流体散布器。
【請求項14】
前記ボタンは、それが一部となる前記主表面と完全に一体である、請求項3、4、5、6、及び13のいずれか1項に記載の散布器。
【請求項15】
前記ボタンは、それが一部となる前記主表面とほぼ一体である、請求項3、4、5、6、及び13のいずれか1項に記載の散布器。
【請求項16】
前記ボタンが、それが一部となる前記主表面と一体ではない、請求項3、4、5、6、及び13のいずれか1項に記載の散布器。
【請求項17】
前記タンクが、医薬品の形態の液体を含む、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の液体散布器。
【請求項18】
前記医薬品が、人の気道の治療のための組成物である、請求項17に記載の散布器。
【請求項19】
前記組成物が鼻の治療のために構成される、請求項18に記載の散布器。
【請求項20】
前記液体が防腐剤を含有しない、請求項17〜19のいずれか1項に記載の散布器。
【請求項21】
モジュール式流体散布器及びポンプ用の架橋要素において、前記架橋要素は一体構造となっており、
a)入口流体チャネルの少なくとも一部を画成する入口チャネル壁と、
b)ポンプチャンバの少なくとも1つの壁を画成するポンプチャンバ底面と、
c)前記入口流体チャネルを前記ポンプチャンバに連通させる入口ポートと、
d)前記ポンプチャンバに流体連通する出口ポートと、
e)前記出口ポートに流体連通する流体出口チャネル本体であって、前記流体出口チャネル本体はその中に流体出口チャネルを画成する、流体出口チャネル本体と、
を備えた架橋要素。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10a】
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【図10b】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2009−512490(P2009−512490A)
【公表日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−536200(P2008−536200)
【出願日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際出願番号】PCT/IB2006/053953
【国際公開番号】WO2007/049239
【国際公開日】平成19年5月3日(2007.5.3)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】