説明

液体製品の処理および純化のための装置

この装置は実質的に蒸留酒産業に関する。本発明の装置は、ボトルネックに固定されたフィルタと本体とを備えたカートリッジ(3)、およびボトル内部に空気を供給するための手動ポンプ(10)を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この装置は食品産業、特に蒸留酒産業に関する。本発明は、消費者による消費に先立って、ボトル(容器)から注がれる液体製品(例えばウォッカ)の各部分を個別に処理して純化(不純物除去)することを目的とする。
【背景技術】
【0002】
ボトルネック(瓶首部)に固定されたカートリッジ本体と、その内部に位置するフィルタと、給気装置とを含んだ液体製品を処理して純化する装置(米国特許6193886、2001年2月27日、参照)は存在する。
【0003】
そのような従来装置の欠点は、純化レベルを不安定にするような、液体製品をその内部に押して通過させる構造である非効率なカートリッジであって、剛体ボトルに対しては利用不能であるようなカートリッジが使用されていることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明により達成される技術的結果は上述の欠点の是正であり、液体製品が詰められたボトル内部の空気圧を必要な圧力に上昇させ、カートリッジ本体の断面全体をカバーするようにフィルタを配置することによって簡便で単純機構の装置を提供することである。本発明の他の目的は、加圧外気を液体の容器内に供給する単純な構造物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的は、液体製品の処理と純化のために、ボトル内の液体の最大高の上方で装置本体の内面にフィルタを設けることで達成される。この装置は、ボトルを収容し、ボトルネックに提供され、フィルタを備えた本体と給気装置とを含む。この給気装置はボトルに固定される手動ポンプを含む。この手動ポンプは導管によって給気具に連結されている。この給気具は導管と、カートリッジ本体内の貫通導路とによって形成できる。あるいは、カートリッジ本体とボトルネックとの間に提供され、導管と、カートリッジ本体の内面上に提供されており、ボトルネックの外面で規制されている導通路とに気密式に連結された密封リング要素によって形成できる。カートリッジ本体は次のフィルタ要素で順番に充填できる。すなわち、粗目フィルタ材料と、吸着材料またはその混合材料と、微細目フィルタ材料である。飛散防止のため、本体の排出開口部にはスプレッダが取り付けられている。カートリッジ本体をボトルネックに取り付ける構造体は、ボトルネックの外面上でリングカラーにそれを固定させることができる、本体設置部分の内面上における突起リングの形態の密封ホルダで提供できる。カートリッジは、悪戯防止キャップ機能を備えた螺子溝を介して本体に連結された化粧キャップで覆われており、締付け要素によって管体に頑丈に連結されている開口部を備えている。カートリッジ本体は、方向性内側螺子溝、あるいは装着具を備えた設置部分でボトルネックに気密式に接続できる。すなわち、機械を使用してカートリッジを固定させると、それは常にボトルの特定部位に貫通導路によって確実に固定される。給気装置である空気ポンプは、吸気バルブと排気バルブとを備えた弾性的な気密材料製の中空容器の形態である。空気ポンプはボトルの外面に固定される。
【0006】
本装置は容器の他に3つの主要部材を含んでいる。すなわち、処理と純化を実行する構造部と、容器内部の圧力を上昇させる機構を備えた給気装置と、給気具とである。
【0007】
この処理と純化を実行する構造部は、カートリッジ本体3にねじ込むための内側螺子溝2を備えた密封キャップ1と、本装置の2実施例において弾性プラスチック材で製造された封入要素4と、ボトルネック上に配置する配置部分5を有したカートリッジ本体と、通流導路を備えた規制スプレッダ6と、密封キャップをねじ込むために外面に提供された螺子溝2と、粗目フィルタ材料7と、吸着材料8またはその混合材料と、微細目フィルタ材料9とが順番に充填配置されている中空体とで構成されている。
【0008】
ボトル内に必要な圧力を形成する機構を備えた給気装置は、吸気バルブ11と排気バルブ12とを備えた弾性材料製の容器10(すなわちプレス式空気ポンプ)を有している。この空気ポンプはボトル内部に設置され、ボトル製品のデザインに従ったボトル形状にフィットする形状を有している。
【0009】
給気具は、給気管体13と、給気管体に気密式に接続されたカートリッジ本体の導路14とを含む。これら通路を通って加圧外気が空気ポンプからリリースバルブを通ってボトル15の内部に供給される。
【発明の効果】
【0010】
図1と図2に図示される本装置は以下のように機能する。
ウォッカの密封ボトルは手に取られ、キャップ1を弛めることでボトルは開かれ、飲み容器の上で引っくり返される。ボトルに入れられたウォッカは封入要素4の開口部を通過して粗目フィルタ材料7に送られ、一部は重力の作用でそれを通過し、必要レベルのウォッカ処理を提供する吸着材料8またはその混合材料で充填されたカートリッジの空間内に入る。
【0011】
吸着材料8を通過したウォッカは微細目フィルタ材料9を重力作用だけでは通過できない。なぜなら内部空気が希薄になり、粗目フィルタ材料7と微細目フィルタ材料9および吸着材料8の強力な総抵抗力でボトル15内部の空気圧が減圧されるからである。これらフィルタ材料と吸着材料にウォッカを通過させるべく圧力をかけるため、消費者は、初めは容量が大きな空気ポンプの容器を押圧する。
【0012】
空気ポンプ容器内部の圧力の影響によって吸気バルブ11は閉じ、排気バルブ12は開く。その結果、ポンプからの空気は管体13、カートリッジ本体内の給気導路14および封入要素内の開口部を通過してボトル内部に供給される。ボトル内の圧力がフィルタ材料と吸着材料とを通ってウォッカを押し流すのに十分となり、必要な速度でウォッカが注げるようになるまでユーザは空気ポンプ容器を押し続ける。
【0013】
飲み容器をウォッカで充たすと、消費者は空気ポンプ容器の押圧を中止し、ボトルを元に姿勢に戻す。ボトル内の高圧空気は吸着材料で充たされた空間からウォッカの一部をフィルタ材料9を通して、規制スプレッダ6で規制された、その上のカートリッジ本体内の空間に送り込む。残留圧力はカートリッジの規制スプレッダ内のウォッカ通流導路を通して外部に解放する。
【0014】
規制スプレッダのデザインは圧力解放によるウォッカの飛散を防止する。リリースバルブは閉じられ、ボトル内部への空気アクセスを規制する。密封キャップは螺子溝形態の接続によってカートリッジ本体上にねじ込まれ、ボトルを封入する。カートリッジからの残留ウォッカは重力作用によって徐々にボトルに流れ戻る。この一連の操作は必要に応じて反復される。
【0015】
本装置の第2実施例は図3と図4において図示されている。
第2実施例の給気具は、給気管体13と、リングシール16と、それと連結された空気導路17とを含む。これら空気導路はカートリッジ本体の内面の要素内で形成され、ボトル15のネックの外面に沿っており、押圧式空気ポンプの容器からの加圧外気がそこを通ってボトル15の内部に供給される。
【0016】
図3と図4で示される本装置は第1実施例の場合と同様に操作される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】カートリッジ本体内に吸気導路を備えた本装置の概略図である。
【図2】カートリッジ本体が螺子溝式に固定されている本装置の概略図である。
【図3】密封リング要素の形態である給気具を備えた本装置の概略図である。
【図4】カートリッジ本体が螺子溝式に固定されている別実施形態の本装置の概略図である。
【図5】ボトル内に開口部を備えた本装置の概略図である。
【図6】カートリッジ本体がカービング加工により固定されている別実施形態の本装置の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボトル内の液体製品の処理と純化のための装置であって、前記ボトルのネック部に設置可能なカートリッジ本体と、前記カートリッジ本体内に設置されるフィルタとを含んだカートリッジを含んでおり、前記フィルタとは別体の給気装置は前記カートリッジ本体の内部に固定されており、前記給気装置は管体と連結された手動空気ポンプを含んでおり、前記管体は前記カートリッジ本体内に提供されている貫通導路と気密式に連結されており、あるいは、前記カートリッジ本体の内面上に提供された導路と整合状態で、密封要素の手段によって気密式に連結され、前記ボトルのネック部の外面によって規制されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
空気供給ための節部分は、管体に頑強に連結されたボトル内の追加開口部によって形成されていることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
フィルタは粗目フィルタ材料と、吸着材料またはその混合材料と、微細目フィルタ材料とを順番に配置して形成されていることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項4】
本体の排出開口部にはスプレッダが取り付けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
カートリッジ本体は、方向性内側螺子溝を備えた設置部分でボトルネックに気密式に接続されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
カートリッジ本体は、装着具を備えた設置部分でボトルネックに気密式に接続されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
本体をボトルネックに接続する装置はロックホルダの形態で提供されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
本体に気密式に取り付けられている化粧キャップを有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
化粧キャップは、悪戯防止キャップ機能を備えた螺子溝を介して本体に装着されていることを特徴とする請求項8記載の装置。
【請求項10】
手動空気ポンプは、吸気バルブと排気バルブとを備えた弾性的な気密材料製の中空容器の形態であり、ボトルの外面に固定されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の装置。












【図1】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−521377(P2010−521377A)
【公表日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−553539(P2009−553539)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際出願番号】PCT/RU2008/000125
【国際公開番号】WO2008/111876
【国際公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(509175953)
【Fターム(参考)】