説明

液体貯蔵タンクの内圧検知システム

【課題】タンクローリー車から液体貯蔵タンクへの荷卸し時に、タンクローリー車へのガス回収が十分に行われないことによって液体貯蔵タンクの内圧が異常に上昇し、安全弁が作動するような異常事態が生じたことを瞬時に検知することができる液体貯蔵タンクの内圧検知システムを提供すること。
【解決手段】大気と連通する通気管302を備えた液体貯蔵タンクであって、通気管の中途にタンクローリー車との間にガス回収用ホースを接続する分岐部が設けられ、この分岐部より下流側に通気弁10が組み込まれ、通気弁が液体貯蔵タンクの内圧変動に応じて流路を開閉する弁体14と、液体貯蔵タンクが所定圧力以上の内圧になったときに作動して開放する安全弁16とを有する液体貯蔵タンクにおいて、液体貯蔵タンクが所定圧力以上の内圧になったことを検知し、そのことを示す信号を発信する内圧検知手段20を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンクローリー車から液体貯蔵タンクに荷卸ししているときに、液体貯蔵タンクの内圧が異常に高くなったことを検知する液体貯蔵タンクの内圧検知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ガソリンスタンドの地下等に設置される液体貯蔵タンクには、内部ガスを放出して内圧の上昇を防ぐための通気管が接続され、この通気管を地面からある特定の高さまで立ち上げてガスを放出するようにしている。そして、タンクローリー車から液体貯蔵タンクへ荷卸しする際に放出される液体貯蔵タンク内部のガスをタンクローリー車側に回収するための分岐部もこの通気管に設けられる。
【0003】
図8はこのようなタンクローリー車による荷卸しの様子を示す。荷卸しは、タンクローリー車200の荷卸し用ホース201を液体貯蔵タンク300の注液口301に接続して行う。液体貯蔵タンク300には、その気相部分と大気とを連通する通気管302が設けられている。そして荷卸し時には、この通気管302の中途に設けられた分岐部303にガス回収用ホース202を接続する。このガス回収用ホース202はタンクローリー車200に連結されている。
【0004】
先に述べたように、タンクローリー車200から荷卸しするときには、ガス回収用ホース202によってガスをタンクローリー車200側に回収する。このとき、通気管302の上端からのガスの放出を防ぐ必要があるので、従来から通気管302には荷卸しの際に流路を自動的に閉じるための通気弁304が、分岐部303の下流側(上方)に組み込まれるのが通常である。
【0005】
この通気弁304として、先に本願出願人は特許文献1において、荷卸しの際の内圧上昇に応動して流路を閉じる傘状の弁体を備え、液体貯蔵タンク内のガスをタンクローリー車200側にのみ排出して通気管302の上端からの放出を停止させる機能を持つ弁構造を開示した。また、この弁構造には、上記の傘状の弁体と連動する弁機構が組み込まれており、さらに液体貯蔵タンク内の異常な圧力上昇の際に、瞬時に流路を大きく開いてガスを放出する安全弁も組み込まれている。
【0006】
このような荷卸し作業において、ガス回収用ホース202の接続ジョイント間違いや接続不良などが生じると、タンクローリー車200にガスを回収することができなくなる。ガスが回収されないまま荷卸しを続けると液体貯蔵タンク300の内圧が上昇し、ついには液体貯蔵タンク200が破損する危険性があるため、上述のとおり通気弁304に安全弁が組み込まれている。
【0007】
この安全弁が作動して開放すると、荷卸し中に発生したガスは通気管302の上端から大気に排出されるようになるが、従来は、このように安全弁が作動している異常事態の発生を検知し知らせる手段が全くなく、荷卸し作業者は安全弁が作動していることを知らないまま荷卸しを続けて、本来、回収しなければならないガスが全て大気に排出されてしまっている状態にある。とくにガソリンスタンドにおいては、引火性の高い危険なガスが大気に大量に排出され続けることになり、引火・爆発などの事故につながる非常に危険な状態となっている。また、ガソリンスタンドで発生するガソリン等のガスは有害物質でもあり、このようなガスが大気に大量に排出され続けることは、環境問題の原因ともなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特公昭55−29878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、タンクローリー車から液体貯蔵タンクへの荷卸し時に、液体貯蔵タンクの内圧が異常に上昇し、安全弁が作動するような異常事態が生じたことを瞬時に検知することができる液体貯蔵タンクの内圧検知システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、大気と連通する通気管を備えた液体貯蔵タンクであって、通気管の中途にタンクローリー車との間にガス回収用ホースを接続する分岐部が設けられ、この分岐部より下流側に通気弁が組み込まれ、通気弁が液体貯蔵タンクの内圧変動に応じて流路を開閉する弁体と、液体貯蔵タンクが所定圧力以上の内圧になったときに作動して開放する安全弁とを有する液体貯蔵タンクにおいて、液体貯蔵タンクが所定圧力以上の内圧になったことを検知し、そのことを示す信号を発信する内圧検知手段を設けたことを特徴とするものである。
【0011】
内圧検知手段としては、通気弁の安全弁が作動したことを検知するもの、あるいは通気弁より下流側の通気管に配置した部材が通気弁の安全弁の作動による圧力変動により動いたことを検知するものを用いることができる。通気弁より下流側の通気管に配置した部材の具体例は通気管の先端に配置した排気弁であり、この場合、内圧検知手段は、排気弁が通気弁の安全弁の作動による圧力変動により開放したことを検知する。
【0012】
また、内圧検知手段としては、液体貯蔵タンクの気相部分又は通気弁及び分岐部より上流側の通気管の内圧を検知するものを用いることもできる。
【0013】
本発明は、上記の内圧検知手段を設けたことで、通気弁の安全弁が作動するような異常事態が生じたことを瞬時に検知し知らせることができる。
【0014】
また本発明は、内圧検知手段が発信した信号を受信して警報を発する警報手段を備えることができる。
【0015】
さらに本発明は、内圧検知手段が発信した信号を受信して、タンクローリー車からの液体の荷卸しを中止させる制御手段を備えることもできる。具体的には、制御手段は、タンクローリー車の荷卸し用ホースを接続する液体貯蔵タンクの注液口に設けられたバルブを閉止することにより、タンクローリー車からの液体の荷卸しを中止させる。また制御手段は、タンクローリー車に設けられた荷卸し用バルブを閉止することにより、タンクローリー車からの液体の荷卸しを中止させることもできる。
【0016】
このような制御手段を備えることで、通気弁の安全弁が作動するような異常事態が生じたときに、直ちにタンクローリー車からの液体の荷卸しを中止させることができ、それ以上の液体貯蔵タンクの内圧上昇、及び通気管の先端からのガスの放出を止めることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、タンクローリー車から液体貯蔵タンクへの荷卸し時に、通気弁の安全弁が作動するような異常事態が生じたことを瞬時に検知することができる。そして、この検知を利用して、上記の異常事態が生じたときに、手動又は自動によって直ちにタンクローリー車からの液体の荷卸しを中止させることができ、それ以上の液体貯蔵タンクの内圧上昇、及び通気管の先端からのガスの放出を止めることができる。したがって、例えばガソリンスタンドにおいて、引火性の高い危険なガスが大気に大量に排出され続けることを防止でき、引火・爆発などの事故の危険性を解消できる。また、有害なガスが大気に大量に排出され続けることもなくなり、環境への悪影響も大幅に軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る液体貯蔵タンクの内圧検知システムの一実施例を示す。
【図2】図1で使用される内圧検知手段の他の例を示す。
【図3】図1で使用される内圧検知手段の他の例を示す。
【図4】図1の内圧検知手段を用いて荷卸しを中止させる本発明の内圧検知システムを示す。
【図5】本発明に係る液体貯蔵タンクの内圧検知システムの他の実施例を示す。
【図6】図5の内圧検知手段を用いて荷卸しを中止させる本発明の内圧検知システムを示す。
【図7】本発明に係る液体貯蔵タンクの内圧検知システムの他の実施例を示す。
【図8】タンクローリー車による荷卸しの様子を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に示す実施例に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【実施例1】
【0020】
図1は、本発明に係る液体貯蔵タンクの内圧検知システムの一実施例を示す。この実施例は通気弁10に内圧検知手段20を組み込んだものである。
【0021】
図1に示す通気弁10は、先に図8で説明した通気弁304の代わりに設置される。すなわち、通気弁10は図8において、液体貯蔵タンク300に接続された通気管302の中途であってタンクローリー車200との間にガス回収用ホース202を接続する分岐部303より下流側(上方)に組み込まれる。具体的には、通気弁10のハウジング11の下端にはフランジ11aが一体に設けられ、上端内周には雌ネジ11bが形成されており、これらのそれぞれに上下の通気管302がそれぞれ接続される。
【0022】
ハウジング11は、側面側に開口部を有し、この開口部は着脱可能な蓋12によって塞がれている。この蓋12は開口部周りの端面に被さるパッキン12aによって水密状に連結されている。
【0023】
ハウジング11の内部には、カートリッジ式のバルブケーシング13が上記の開口部から出し入れ自在に組み込まれている。このバルブケーシング13はハウジング11の内周壁の内径にほぼ等しい外径を持つ中空の円筒体であって、その内部に弁要素を一体に収納したものであり、その上下両端に環状のパッキン13a,13bを取り付けてハウジング11内に水密状に組み込まれている。
【0024】
バルブケーシング13内の弁要素は、先行技術文献として挙げた特許文献1に記載のものと同様であり、軸線方向に固定したロッド14aに傘状の弁体14が上下に移動可能に設けられると共に、この弁体14の下端が着座する弁体受け15がバルブケーシング13の下端側内周に組み込まれている。そして、弁体14の上方には安全弁を兼ねる環状の弁座(以下「安全弁」という。)16を同軸上に配置してこれを圧縮のスプリング17によって下向き付勢し、この安全弁16に開けた弁孔16aをガス抜用の流路としている。これらの弁要素は全てバルブケーシング13に予めユニットとして組込んでおき、バルブケーシング13をカートリッジ式でハウジング11に出し入れ可能としている。
【0025】
このような構成において、タンクローリー車から荷卸しするときには、このタンクローリー車からの荷卸しによって地下貯蔵タンクの内圧が上昇する。これにより、荷卸しの際には弁体14が弁孔16aを塞ぐ位置まで上昇して通気管302からのガスの放出が遮断される。また、荷卸し中に地下貯蔵タンクの内圧が異常に上昇したときには、安全弁16も内圧を受けて上昇し、地下貯蔵タンク内のガスが通気管302から大気に放出される。
【0026】
本実施例では、この安全弁16が作動し開放(上昇)したことを内圧検知手段20によって検知する。内圧検知手段20は押し型スイッチ21とスイッチ作動体22を備える。押し型スイッチ21はバルブケーシング13に固定され、スイッチ作動体22は安全弁16に固定されている。そして、スイッチ作動体22の先端が押し型スイッチ21のスイッチ部21aを押さえている。したがって、安全弁16が作動して上昇すると、スイッチ作動体22も上昇するので押し型スイッチ21のスイッチ部21aが開放され、これによって押し型スイッチ21が作動し、信号を発信する。
【0027】
図2及び図3には、安全弁16が作動し開放(上昇)したことを検知する内圧検知手段の他の例を示す。
【0028】
図2に示す内圧検知手段30は、近接スイッチ31とスイッチ作動体32を備える。近接スイッチ31はバルブケーシング13に固定され、スイッチ作動体32は安全弁16に固定されている。また、近接スイッチ31と対向するスイッチ作動体32の先端側には磁石32aが固定されている。安全弁16が作動して上昇すると、スイッチ作動体32の磁石32aがスイッチ作動体32から離れ、これによって近接スイッチ31が作動し、信号を発信する。
【0029】
図3に示す内圧検知手段40は、リードスイッチ41とスイッチ作動体42を備える。リードスイッチ41は蓋12に固定され、スイッチ作動体42は安全弁16に固定されている。また、リードスイッチ41と対向するスイッチ作動体42の先端側には磁石42aが固定されている。安全弁16が作動して上昇すると、リードスイッチ41とスイッチ作動体42の磁石42aとの位置関係が変化し、これによってリードスイッチ41が作動し、信号を発信する。
【0030】
以上説明した内圧検知手段20〜40は、いずれもバルブケーシング13とユニット化されている。したがって、内圧検知手段20〜40はバルブケーシング13と共にカートリッジ式でハウジング11に出し入れ可能となっている。つまり、ハウジング11の蓋12を開ければ既設の通気弁のバルブケーシングを、内圧検知手段20〜40を備えたバルブケーシング13と容易に交換可能であり、既設の通気弁を全て取り替える必要がないので、設置コストを削減できる。
【0031】
次に、内圧検知手段20〜40が、通気弁の安全弁が作動したことを検知して発信する信号に基づいて荷卸しを中止させるシステムについて説明する。図4はそのシステム構成図である。内圧検知手段が図1〜図3のいずれであってもシステム構成は同一であるので、図4では代表として内圧検知手段20による場合を示す。また、図4では液体貯蔵タンクが4つあり、それぞれに接続された通気管302にそれぞれ内圧検知手段20を設けている。
【0032】
内圧検知手段20が、通気弁の安全弁が作動したことを検知して発信する信号は制御盤(制御手段)50に送信される。制御盤50は、内圧検知手段20からの信号を受信すると、その信号がいずれの内圧検知手段20からのものであるかを判断し、対応する地下貯蔵タンクに荷卸しを行っているタンクローリー車200の車載制御ユニット203に制御信号を有線又は無線で送信し、その車載制御ユニット203によってタンクローリー車の荷卸しバルブ204を閉止させ、タンクローリー車200からの荷卸しを中止させる。
【0033】
なお、車載制御ユニット203の機能を制御盤50に併合し、制御盤50によって直接、タンクローリー車の荷卸しバルブ204を閉止させるようにすることもできる。
【実施例2】
【0034】
図5は、本発明に係る液体貯蔵タンクの内圧検知システムの他の実施例を示す。この実施例は通気管302の先端に取り付けられる通気口70に内圧検知手段80を組み込んだものである。
【0035】
通気口70には、排気弁71が組み込まれている。排気弁71は、通常時は通気口本体72に開けた排気口73を上側から閉止し、通気管302内の圧力が上昇すると、その圧力により上昇して排気口72を開放する。
【0036】
タンクローリー車からの荷卸しのときには、図8で説明したように通気弁304によって通気管302の流路が閉じられているので、排気弁71は閉止した状態となる。ただし、通気弁304の安全弁が作動して開放すると、ガス放出の圧力によって排気弁71が開放する。
【0037】
本実施例の内圧検知手段80は、この排気弁71の開放を検知することで、液体貯蔵タンクが異常内圧になったことを検知する。この内圧検知手段80は、図1に示した内圧検知手段20と同様に、押し型スイッチ81とスイッチ作動体82を備える。押し型スイッチ81は通気口本体72に固定され、スイッチ作動体82は排気弁71に固定されている。そして、スイッチ作動体82の先端が押し型スイッチ81のスイッチ部81aを押さえている。したがって、排気弁71が上昇して開放すると、スイッチ作動体82も上昇して押し型スイッチ81のスイッチ部81aが開放され、これによって押し型スイッチ81が作動し、信号を発信する。
【0038】
ここで、通気口70は通気管302の先端に着脱可能に取り付けられており、内圧検知手段80も通気口70に一体的に組み込まれているので、既設の通気弁を、内圧検知手段80を備えた通気口70と容易に交換可能である。
【0039】
なお、本実施例では内圧検知手段80として、上述のとおり押し型スイッチ81を利用したが、図2及び図3に示したように、近接スイッチやリードスイッチを利用することもできる。また、本実施例では内圧検知手段80が通気管302先端に取り付けられた通気口70の排気弁71の開放を検知することにより、液体貯蔵タンクが異常内圧になったことを検知するようにしたが、図8に示した通気弁304より下流側の通気管302に何らかの部材を配置し、その部材が通気弁の安全弁の作動により動いたことを検知することによっても同様に液体貯蔵タンクが異常内圧になったことを検知することができる。
【0040】
次に、内圧検知手段80が発信する信号に基づいて荷卸しを中止させるシステムについて説明する。図6はそのシステム構成図である。図6では液体貯蔵タンクが4つあり、それぞれに接続された通気管302にそれぞれ内圧検知手段80を設けている。
【0041】
内圧検知手段80が、通気口の排気弁が作動したことを検知して発信する信号は制御盤50に送信される。制御盤50は、内圧検知手段80からの信号を受信すると、その信号がいずれの内圧検知手段80からのものであるかを判断し、制御ユニット60に制御信号を有線又は無線で送信し、その制御ユニット60によって対応する地下貯蔵タンクの注液口301に設けられたバルブ305を閉止することにより、タンクローリー車からの液体の荷卸しを中止させる。
【0042】
なお、制御ユニット60の機能を制御盤50に併合し、制御盤50によって直接、注液口のバルブ305を閉止させるようにすることもできる。また、図4で説明したように、タンクローリー車の荷卸しバルブを閉止させることによって、タンクローリー車からの荷卸しを中止させることもできる。
【実施例3】
【0043】
図7は、本発明に係る液体貯蔵タンクの内圧検知システムの他の実施例を示す。この実施例は、内圧検知手段として、通気弁304及び分岐部303より上流側(下方)の通気管302の内圧を検知する圧力センサAを設けたものである。すなわち、圧力センサAへの圧力取り入れ口91を通気弁304及び分岐部303より上流側の通気管302に接続し、その内圧を連続的に測定する。図7では液体貯蔵タンクが4つあり、それぞれに接続された通気管302にそれぞれ圧力取り入れ口91を設けて圧力センサAが組み込まれた制御盤(制御手段)90に接続している。そして、圧力センサAが検知した内圧が通気弁304の安全弁が作動するような異常内圧となったときに、制御盤90はそれがいずれの圧力取り入れ口91からのものであるかを判断し、警報として異常ランプ92を点灯させると共に、制御ユニット60に制御信号を有線又は無線で送信し、制御ユニット60によって、対応する地下貯蔵タンクの注液口301に設けられたバルブ305を閉止させ、タンクローリー車からの液体の荷卸しを中止させる。
【0044】
なお、制御ユニット60の機能を制御盤90に併合し、制御盤90によって直接、注液口のバルブ305を閉止させるようにすることもできる。また、図4で説明したように、タンクローリー車の荷卸しバルブを閉止させることによって、タンクローリー車からの荷卸しを中止させることもできる。さらに、本実施例では圧力センサAによって通気管302の内圧を測定するようにしたが、液体貯蔵タンクの気相部分の内圧を測定してもよい。
【符号の説明】
【0045】
10 通気弁
11 ハウジング
11a フランジ
11b 雌ネジ
12 蓋
12a パッキン
13 バルブケーシング
13a,13b パッキン
14 弁体
14a ロッド
15 弁体受け
16 安全弁
16a 弁孔
17 スプリング
20 内圧検知手段
21 押し型スイッチ
21a スイッチ部
22 スイッチ作動体
30 内圧検知手段
31 近接スイッチ
32 スイッチ作動体
32a 磁石
40 内圧検知手段
41 リードスイッチ
42 スイッチ作動体
42a 磁石
50 制御盤(制御手段)
60 制御ユニット
70 通気口
71 排気弁
72 通気口本体
73 排気口
80 内圧検知手段
81 押し型スイッチ
81a スイッチ部
82 スイッチ作動体
90 制御盤(制御手段)
91 圧力取り入れ口91
92 異常ランプ
200 タンクローリー車
201 荷卸し用ホース
202 ガス回収用ホース
300 液体貯蔵タンク
301 注液口
302 通気管
303 分岐部
304 通気弁
A 圧力センサ(内圧検知手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大気と連通する通気管を備えた液体貯蔵タンクであって、通気管の中途にタンクローリー車との間にガス回収用ホースを接続する分岐部が設けられ、この分岐部より下流側に通気弁が組み込まれ、通気弁が液体貯蔵タンクの内圧変動に応じて流路を開閉する弁体と、液体貯蔵タンクが所定圧力以上の内圧になったときに作動して開放する安全弁とを有する液体貯蔵タンクにおいて、
液体貯蔵タンクが所定圧力以上の内圧になったことを検知し、そのことを示す信号を発信する内圧検知手段を設けたことを特徴とする液体貯蔵タンクの内圧検知システム。
【請求項2】
内圧検知手段が、通気弁の安全弁が作動したことを検知する請求項1に記載の液体貯蔵タンクの内圧検知システム。
【請求項3】
内圧検知手段が、通気弁より下流側の通気管に配置した部材が、通気弁の安全弁の作動による圧力変動により動いたことを検知する請求項1に記載の液体貯蔵タンクの内圧検知システム。
【請求項4】
内圧検知手段が、通気管の先端に配置した排気弁が、通気弁の安全弁の作動による圧力変動により開放したことを検知する請求項1に記載の液体貯蔵タンクの内圧検知システム。
【請求項5】
内圧検知手段が、液体貯蔵タンクの気相部分又は通気弁及び分岐部より上流側の通気管の内圧を検知する請求項1に記載の液体貯蔵タンクの内圧検知システム。
【請求項6】
内圧検知手段が発信した信号を受信して警報を発する警報手段を備えた請求項1〜5のいずれかに記載の液体貯蔵タンクの内圧検知システム。
【請求項7】
内圧検知手段が発信した信号を受信して、タンクローリー車からの液体の荷卸しを中止させる制御手段を備えた請求項1〜6のいずれかに記載の液体貯蔵タンクの内圧検知システム。
【請求項8】
制御手段が、タンクローリー車の荷卸し用ホースを接続する液体貯蔵タンクの注液口に設けられたバルブを閉止することにより、タンクローリー車からの液体の荷卸しを中止させる請求項7に記載の液体貯蔵タンクの内圧検知システム。
【請求項9】
制御手段が、タンクローリー車に設けられた荷卸し用バルブを閉止することにより、タンクローリー車からの液体の荷卸しを中止させる請求項7に記載の液体貯蔵タンクの内圧検知システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate