説明

液吸い上げ材およびその製造方法

【課題】液の吸い上げ性に優れ、かつ折り加工性に優れた液吸い上げ材を提供する。
【解決手段】親水性繊維を含む不織布の少なくとも一方の表面に合成樹脂が付着されていることで、不織布の横断面において、不織布を構成する繊維に合成樹脂が付着した樹脂含浸部と、不織布を構成する繊維に合成樹脂が付着していない吸水部とを有し、かつループステフネスが5g以上の剛性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液吸い上げ材およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液吸い上げ材は、加湿器や植物の育成基盤や芳香剤・消臭剤の容器内等に利用されている。例えば、加湿器は、従来から、ビル、家、自動車等の室内の乾燥状態を回避し、適度な湿度を保つために使用されている。中でも気化式加湿器が一般に使用されており、多孔質体からなるフィルターの毛細管現象を利用して水を吸い上げて通風することにより蒸発させるものが広く利用されている。
【0003】
特許文献1には、加湿器用液吸い上げ材に用いることが可能な、親水性繊維からなる液体吸い上げシートが開示されている。しかし、特許文献1で示されるような親水性繊維からなる液体吸い上げシートは、繊維シートが柔軟であるため、加湿器用液吸い上げ材としてのフィルターエレメントへのプリーツまたはコルゲート状の折り加工時の剛性が十分ではなく、折り加工性が良好であるとはいえないものであった。
【0004】
このような問題を解決するため、基材に合成樹脂等を塗布または含浸させたものが提案されている。例えば、特許文献2には、親水性多孔質微粉末と抗菌剤とを配合した合成樹脂エマルジョンを基材に含浸させることにより、合成樹脂を介して親水性多孔質微粉末と抗菌剤とを基材に付着させた加湿器用気化促進材が記載されている。しかし、基材に合成樹脂エマルジョンを含浸させると、基材全体を合成樹脂が覆う形態となって、液の吸い上げ性が十分でないという問題があった。また合成樹脂を介して親水性多孔質微粉末と抗菌剤とを基材に付着させたものであるため、微粉末の脱落の問題があった。
【0005】
特許文献3には、抗菌防黴剤を水不溶性高分子化合物溶液に分散させて、親水性不織布に塗布または含浸させた抗菌性放湿シートが開示されている。しかし、抗菌防黴剤と高分子化合物を水に分散させた水溶液を親水性不織布に塗布または含浸させると、不織布全体を高分子化合物が覆う形態となり、液の吸い上げ性が十分でないという問題があった。
【特許文献1】特開2007−051398号公報
【特許文献2】特開平6−074500号公報
【特許文献3】特開2001−040580号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、液の吸い上げ性に優れ、かつ折り加工性に優れた液吸い上げ材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の吸い上げ材は、親水性繊維を含む不織布の少なくとも一方の表面に合成樹脂が付着されていることで、前記不織布の横断面において、不織布を構成する繊維に合成樹脂が付着した樹脂含浸部と、不織布を構成する繊維に合成樹脂が付着していない吸水部とを有し、かつ下記の方法で測定されるループステフネスが5g以上の剛性を有することを特徴とする。
【0008】
[ループステフネスの測定方法]
巾20mm、長さ120mmの試験片を合成樹脂が付着している表面がループの外側となるようにΩ字状のループ形に曲げたうえで、その長さ方向の両端を重ねて、ループの周長が92mmになるようにその重ねた部分をチャックで把持して、試験片をループが平面視で環状になるように固定し、そのループを、直径20mmの圧子で、圧縮速度3.5mm/秒、押しつぶし距離20mmの条件で直径方向に押しつぶしたときの負荷荷重を求めることにより測定する。
【0009】
本発明の液吸い上げ材の製造方法は、合成樹脂を疎水性溶剤に溶解又は分散させた合成樹脂溶液を、親水性繊維を含む不織布の少なくとも一方の表面に塗布し、乾燥させることで、不織布の少なくとも一方の表面に合成樹脂を付着させるとともに、前記不織布の横断面において、不織布を構成する繊維に合成樹脂が付着した樹脂含浸部と、不織布を構成する繊維に合成樹脂が付着していない吸水部とを形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の液吸い上げ材は、不織布の横断面において、不織布を構成する繊維に合成樹脂が付着した樹脂含浸部と、不織布を構成する繊維に合成樹脂が付着していない吸水部とを有するため、特に吸水部を有していることにもとづき、優れた液の吸い上げ性を有する。また、ループステフネスが5g以上の剛性を有するため、良好な折り加工性を有する。
【0011】
本発明の液吸い上げ材の製造方法によれば、優れた液の吸い上げ性と折り加工性を有する液吸い上げ材を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明者らは、液の吸い上げ性と折り加工性とに優れた液吸い上げ材を得る方法として、親水性繊維を含む不織布に、合成樹脂を塗布することを検討した。
【0013】
詳細には、本発明者らは、まず合成樹脂を水に分散させた合成樹脂水溶液に親水性不織布を含浸させて、液吸い上げ材を得ることを試みた。しかし、この液吸い上げ材は、不織布全体が合成樹脂で覆われたものであった。このため、折り加工性は十分であったが、十分な液吸い上げ性は得られなかった。
【0014】
次に、本発明者らは、上記水溶液を不織布に塗布することを試みた。しかし、この場合も不織布の大部分を合成樹脂が覆ったものとなった。このため、同様に十分な吸い上げ性を得ることができなかった。
【0015】
そこで、本発明者らは、合成樹脂溶液に着目し、溶媒の水が親水性不織布への合成樹脂の浸透を促進すると考え、疎水性溶剤に合成樹脂を溶解または分散させて、親水性不織布の少なくとも一方の表面に合成樹脂を塗布することで、優れた液の吸い上げ性と折り加工性とを両立した液吸い上げ材が得られることを見出した。
【0016】
すなわち本発明の液吸い上げ材は、親水性繊維を含む不織布の少なくとも一方の表面に合成樹脂が付着されているとともに、前記不織布の横断面において樹脂含浸部と吸水部とを有し、かつループステフネスが5g以上の剛性を有するものである。よりすぐれた折り加工性を得るために、ループステフネスの好ましい範囲は10〜150gであり、いっそう好ましい範囲は20〜100gである。
【0017】
本発明に用いられる不織布について説明する。
本発明で用いられる不織布は、親水性繊維を含む。親水性繊維を含む不織布は、液の吸い上げ性に優れ、特に水の吸い上げ性に優れる。
【0018】
親水性繊維としては、セルロース系繊維が挙げられる。セルロース系繊維としては、綿、麻、パルプ繊維等の天然繊維や、ビスコースレーヨン、キュプラ、溶剤紡糸セルロース繊維(例えば、レンチングリヨセル(登録商標)およびテンセル(登録商標))等の再生繊維が挙げられる。セルロース系繊維のほかに、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等の合成繊維に親水化処理を施した繊維や、絹、ウール等の動物繊維を挙げることができる。
【0019】
このうち、合成繊維に施す親水化処理の方法としては、公知のスルホン化処理法、コロナ放電処理法、フッ素処理法、オゾンガス処理法などを挙げることができる。
【0020】
パルプ繊維は、針葉樹木材または広葉樹木材を用いて常套の方法で製造されたものを任意に使用できる。パルプ繊維は、一般的に、その繊度は1.0〜4.0dtex程度、繊維長は0.8〜4.5mm程度である。この範囲外の繊度および/または繊維長を有するパルプ繊維を使用してもよい。パルプ繊維を用いる場合、不織布は、後述する積層不織布の形態であることが好ましい。
【0021】
本発明の液吸い上げ材に用いられる不織布は、親水性繊維以外の他の繊維を含んでいてもよい。他の繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル樹脂、ナイロン6等のポリアミド樹脂、エチレン−ビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル、エチレン−(メタ)アクリル酸ビニル、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル、エチレン−(無水)マレイン酸、エチレン−プロピレン等のエチレン−αオレフィン共重合体からなる合成繊維から、1または2種以上を選択することができる。これらの繊維の形態は、単一型繊維のほかに、芯鞘型複合繊維、分割型複合繊維、海島型複合繊維等の複合繊維であってよい。これらの繊維を混綿することで、液の吸い上げ性および不織布の硬さを調整することができる。
【0022】
親水性繊維以外の繊維を含んでいる場合に、不織布は、親水性繊維を50質量%以上含むことが好ましく、それによって所要の液の吸い上げ性能、特に水の吸い上げ性能を発揮することができる。このため、親水性繊維を70質量%以上含むことがより好ましく、80質量%以上含むことがいっそう好ましい。なお、好ましい上限は100質量%である。すなわち、不織布は、親水性繊維のみからなってよい。
【0023】
本発明の液吸い上げ材に用いられる不織布は、単層不織布、混綿不織布、または2層以上の積層不織布の形態であってよい。不織布が積層不織布であって親水性繊維以外の繊維を含む場合は、積層不織布全体として親水性繊維を50質量%以上含むことが好ましい。また、不織布が積層不織布である場合は、積層不織布の両表面層を構成する層が、それぞれ親水性繊維を含むことが好ましい。積層不織布の両表面層がそれぞれ親水性繊維を含む構成であると、液を蒸発させやすくなり、液吸い上げ材として特に適している。
【0024】
不織布が積層不織布の形態である場合には、3層以上の積層不織布として、中層(両表面層以外の層)に、吸水部としての、湿式抄紙不織布を配することが好ましい。このように構成すると、不織布の表面に合成樹脂を塗布した際に、その合成樹脂が湿式抄紙不織布層に浸透しにくいか、または湿式不織布層を通過しにくく、不織布の表面にのみ合成樹脂を有する構成を容易に達成することができる。これは、湿式抄紙不織布の緻密性に起因して、合成樹脂が湿式抄紙不織布に浸透または湿式抄紙不織布を通過する際の浸透圧が高くなるためであると想像される。
【0025】
また、不織布が3層以上の積層不織布の形態である場合は、中層の湿式抄紙不織布は、パルプ繊維を含むものであることがより好ましい。中層の湿式抄紙不織布がパルプ繊維を含むものであると、合成樹脂を塗布した際に、その合成樹脂が湿式抄紙不織布層に浸透しにくくなる程度または湿式不織布層を通過しにくくなる程度がより大きくなる。これは、パルプ繊維が液体の吸収膨潤性に優れることに起因して、中層の不織布の断面方向への合成樹脂の浸透速度よりも、中層の不織布の表面方向への広がり速度のほうが速いためであると想像される。そしてパルプ繊維を含む湿式抄紙不織布は、積層不織布の液吸い上げ性を良好にすることに寄与する。
【0026】
パルプ繊維を含む湿式抄紙不織布には、紙が含まれる。紙には、ティッシュ(「ティッシュペーパー」とも呼ばれる)が含まれる。パルプ繊維を含む湿式抄紙不織布は、パルプ繊維のみから構成してもよく、あるいは、パルプ繊維と他の繊維とから構成してもよい。当該他の繊維は、パルプ以外のセルロース系短繊維(例えば、ビスコースレーヨン、溶剤紡糸セルロース繊維など)であってよい。パルプ繊維からなる湿式不織布は、積層不織布の液吸い上げ性をさらに良好にするとともに、合成樹脂溶液が不織布全体に浸透することを抑制することから、好ましく用いられる。
【0027】
合成樹脂を塗布する前の不織布の目付は、液吸い上げ材を構成する観点から、20g/m〜300g/mであることが好ましく、40g/m〜200g/mであることがより好ましく、50g/m〜120g/mであることがいっそう好ましい。
【0028】
本発明に用いられる不織布は、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、ケミカルボンド不織布、エアレイ不織布、エアスルー不織布、ニードルパンチ不織布、スパレンレース不織布等、いずれの形態であってもよい。なかでも、交絡性の観点から、ニードルパンチ不織布およびスパンレース不織布であることが好ましく、さらには、スパンレース不織布であることが好ましい。不織布がスパンレース不織布であると、三次元的に高度に交絡した不織布となり、毛細管現象による液吸い上げ性がより優れる。
【0029】
次に不織布の表面に塗布される合成樹脂について説明する。
この合成樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、ポリエステル、ポリスチレン、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、或いはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化性樹脂の、単独または2以上の混合物であってよい。
【0030】
この合成樹脂は、疎水性樹脂であることが好ましい。疎水性樹脂であると、水に接触する環境においても樹脂が不織布を構成する繊維から脱落し難く、したがって耐久性に優れ、液吸い上げ材の保形性を維持し、抗菌剤等の添加薬剤の溶出や脱落を防止することができる。さらに、疎水性樹脂は、水の溶解性パラメータ[SP値](=23.4)との絶対差が10以上の溶解性パラメータを有する合成樹脂であることが好ましく、水の溶解性パラメータとの絶対差が12以上であることがさらに好ましい。溶解性パラメータとは、2つの成分の溶解性パラメータの差によって、溶解度の大小を知るパラメータであって、2つの成分の溶解性パラメータの差が小さいほど溶解度が大となることが知られている。水の溶解性パラメータとの絶対差が10以上の溶解性パラメータを有する合成樹脂であると、合成樹脂が水と相溶し難く、水に接触する環境において耐久性に優れる。水の溶解性パラメータとの絶対差が10未満の溶解性パラメータの合成樹脂を用いると、合成樹脂が水に膨潤または溶解しやすく、水に接触する使用環境において十分な耐久性が得られない場合がある。
【0031】
疎水性合成樹脂としては、例えば、上記の樹脂のうちの、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、(メタ)アクリル酸エステル樹脂、ポリエステル、ポリスチレン、ポリウレタンが挙げられる。中でも、(メタ)アクリル酸エステルであることが好ましく、メタクリル酸メチルであることがより好ましい。(メタ)アクリル酸エステルは、プリーツまたはコルゲート等の折り加工性に適した硬さを有する。さらに、酸およびアルカリに強く、耐薬品性に優れ、液吸い上げ材が酸性またはアルカリ性にさらされる場合に不織布の劣化を抑制する効果がある。
【0032】
不織布の表面に塗布される合成樹脂は、合成樹脂以外の成分を10質量%未満で含んでいてもよい。合成樹脂以外の他の成分としては、銀系無機抗菌剤等の抗菌剤や、有機硫黄窒素化合物、有機ヨウ素化合物、有機臭素化合物等の防カビ剤や、粘度調整剤や、有機顔料、無機顔料、染料等の着色剤や、消臭剤、芳香剤などが挙げられる。液吸い上げ材が抗菌剤を含むと細菌の繁殖を抑制することができ、防カビ剤を含むとカビの繁殖を抑制することができる。
【0033】
本発明の液吸い上げ材は、不織布に合成樹脂が付着しているものであるが、その付着量は、不織布の目付や、要求される折り加工性に対応した硬さを得ることなどに応じて、適宜に設定することができる。具体的には、合成樹脂は塗布前の不織布目付に対して7質量%〜100質量%付着していることが好ましい。より好ましい付着量は、不織布目付に対して10質量%〜80質量%であり、さらに好ましい付着量は、不織布目付に対して15質量%〜50質量%である。付着量がこの範囲であると、適度な硬さを有し、優れた折り加工性を得ることができ、不織布の液吸い上げ性も良好である。付着量が不織布目付に対して7質量%未満であると、十分な硬さが得られず、十分な折り加工性得られない傾向にある。また付着量が不織布目付に対して100質量%を超えると、合成樹脂が不織布の孔を塞ぐ場合があり、そのため毛細管現象による液吸い上げ性を阻害する傾向にある。例えば、不織布目付が20g/m〜300g/mである場合には、5g/m〜50g/m付着していることが好ましい。より好ましい付着量は、10g/m〜40g/mである。
【0034】
本発明の液吸い上げ材は、不織布の横断面において、不織布を構成する繊維に合成樹脂が付着した樹脂含浸部と、不織布を構成する繊維に合成樹脂が付着していない吸水部とを有する。
【0035】
吸水部は、不織布の一方あるいは両方の表面に存在していてよく、または、不織布の表面以外の中層に存在してもよい。吸水部は、不織布のシートの方向に連続していることが必要あるいはきわめて好ましいが、不織布横断面においては、連続していてもよく、または不連続であってもよい。吸水部が不織布のシートの方向に連続する形態は任意であり、たとえば不織布のシートの方向において直線状に連続したものなどが挙げられる。吸水部は樹脂含浸部より液の吸い上げ速度が速いため、この吸水部が不織布のシートの方向に連続していると、液吸い上げ性が特に優れる。なお、吸水部は、液吸い上げ材の断面を電子顕微鏡で撮影することで、その存在を確認することができる。
【0036】
上述のように、樹脂含浸部は、不織布の少なくとも一方の表面に存在してよく、または、不織布の表面以外の中層に存在してもよい。これにより、不織布表面が適度な硬さを有して、特に折り加工性に優れることになる。また、樹脂含浸部は不織布表面の方向に連続していることが好ましい。その連続の形態は任意である。樹脂含浸部が不織布表面の方向に連続していると、不織布全体の硬さむらが少なくなる。なお、樹脂含浸部も、液吸い上げ材の断面を電子顕微鏡で撮影することで、その存在を確認することができる。
【0037】
不織布の横断面における樹脂含浸部と吸水部との分布の例を、図面を参照して説明する。図1(a)は、単層不織布あるいは混綿不織布の両方の表面に樹脂含浸部1が存在するとともに、中層に吸水部2が存在したものの模式構造を示す。これ以外にも、樹脂含浸部1を不織布の一方の表面にのみ形成した構成とすることもできる。図1(b)は、積層不織布の例を示し、3、3は両側の表面層、4は中層である。この例では、積層構造を呈する両側の表面層3、3に樹脂含浸部1が存在するとともに、積層構造を呈する中層4に吸水部2が存在している。
【0038】
樹脂含浸部は、不織布の表面以外の中層にのみ存在してもよい。たとえば、不織布表面から合成樹脂を塗布した場合であっても、その合成樹脂が不織布の表面層を通過して中層にとどまり固化するものであるときには、中層のみに樹脂含浸部が存在することになる。あるいは、一方の表面に合成樹脂が付着した第1の不織布に第2の不織布を積層したものや、一方の表面に合成樹脂が付着した一対の不織布同士を樹脂付着面を内側にして積層したものなどでも、中層のみに樹脂含浸部が存在することになる。
【0039】
本発明の液吸い上げ材は、合成樹脂の塗布後に他の不織布を積層してもよい。他の不織布を構成する繊維としては、前述の親水性繊維、及び/又は前述の親水性繊維以外の他の繊維が挙げられる。また、他の不織布の形態は、前述のスパンボンド不織布、メルトブロー不織布などの、いずれの形態であってもよい。
【0040】
本発明の液吸い上げ材は、JIS L 1096 6.26.1 B法(バイレック法)で規定される水の吸い上げ性が、5cm以上であることが好ましい。水の吸い上げ性は、6cm〜20cmであることがより好ましい。吸い上げ性が5cm以上であると、たとえば加湿器用液吸い上げ材として用いた場合に、十分な量の水を吸い上げることができる。
【0041】
本発明の液吸い上げ材は、不織布の一方の表面のみに樹脂含浸部が存在するものであってよい。この場合は、不織布の少なくとも他方の表面にわたって吸水部が存在することが好ましく、吸水部は親水性繊維が露出していることが好ましい。かかる構成であると、不織布の表面にわたり吸水部が存在することになって、液の吸い上げ性に優れる。
【0042】
また本発明の液吸い上げ材は、不織布の両表面に樹脂含浸部が存在するものであってよい。この場合は、吸水部は不織布の表面以外の内部に存在することになる。不織布の両表面に樹脂含浸部が存在すると、より硬い不織布を得ることができて、折り加工性に優れる。
【0043】
樹脂含浸部及び吸水部は、不織布横断面を電子顕微鏡でたとえば100倍以上に拡大して観察することで確認できる。樹脂含浸部としては、不織布を構成する繊維に合成樹脂が付着している部分や、不織布の空隙に合成樹脂が存在する部分などが挙げられる。吸水部としては、不織布を構成する繊維の表面が合成樹脂により覆われていない部分や、不織布の空隙に合成樹脂が存在しない部分などが挙げられる。
【0044】
所要の液吸い上げ性能を発揮するために、吸水部は、不織布横断面において15%以上の面積を占めていることが好ましく、25%以上の面積を占めていることがより好ましい。
【0045】
本発明の液吸い上げ材は、液の吸い上げ性と折り加工性を共に備えており、未加工、又はコルゲート加工やプリーツ加工等の折り加工を施して、加湿器や植物の育成基盤や芳香剤・消臭剤の容器内等の液吸い上げ材として利用することができる。中でも、本発明の液吸い上げ材は、水の蒸発拡散性の観点から加湿器用液吸い上げ材に優れており、好ましく用いることができる。
【0046】
次に本発明の液吸い上げ材の製造方法について説明する。
まず、不織布を製造する。不織布の製造方法について、スパンレース不織布を例に挙げて説明する。まず、繊維ウェブを準備する。この繊維ウェブは親水性繊維を含み、好ましくは親水性繊維を50質量%以上含むものとする。積層不織布の形態である場合には、ウェブ層を順に重ねるとよい。繊維ウェブは、パラレルウェブ、クロスウェブ、セミランダムウェブ、ランダムウェブ等のカードウェブや、エアレイウェブや、湿式抄紙ウェブ等から選択されるいずれであってもよい。次に繊維ウェブに水流交絡処理を施す。水流交絡条件は、繊維ウェブの目付および最終的に得られる不織布の密度に応じて適宜設定される。例えば、目付が20〜300g/mである繊維ウェブの水流交絡処理は、孔径0.05mm以上0.5mm以下のオリフィスが0.3mm以上1.5mm以下の間隔で設けられたノズルから、水圧1MPa以上10MPa以下の水流を積層ウェブの一方および他方の表面に1〜4回ずつ噴射することにより実施してよい。つづいて、水流交絡処理を施した不織布を乾燥させて、合成樹脂塗布前の不織布を得る。
【0047】
また、合成樹脂を疎水性溶剤に溶解、分散または乳化させて、合成樹脂溶液を作製する。なかでも、溶解させて用いることが好ましい。合成樹脂を分散または乳化させて用いる場合は、水と接触する環境において、耐久性が十分でない場合がある。これは、合成樹脂を分散または乳化させる場合に用いる両親媒性物質が水との親和性を高め、合成樹脂が水で膨潤または溶解しやすくなることに起因する。
【0048】
疎水性溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、テトラクロロエチレン、ヘキサン、酢酸エチル、キシレンテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン等の有機溶剤を、単独で、あるいは複数を混合して、使用することができる。合成樹脂を疎水性溶剤に溶解または分散させて用いると、親水性不織布への合成樹脂の浸透を抑制することができ、容易に不織布の表面のみに合成樹脂を付着させることができる。なかでも、疎水性溶剤は、メチルエチルケトンの単独、あるいはメチルエチルケトンとトルエンの混合溶剤であることが好ましい。これらの溶剤は、乾燥時の蒸発速度が優れたものである。
【0049】
合成樹脂を溶液の形で用いる場合において、その濃度は、溶液粘度、塗布装置の加工特性、不織布の構成、塗布目標量等によって、適宜調整することができる。例えば、合成樹脂としてメタクリル酸メチル、溶剤としてメチルエチルケトンを用いる場合には、合成樹脂溶液の濃度を10質量%〜40質量%として、不織布に塗布することが好ましい。合成樹脂溶液の濃度がこの範囲であると、濃度を均一に保ち易く、さらに、目標とする付着量を得やすい。
【0050】
合成樹脂溶液を不織布に塗布する手法としては、スプレーコーティング、オフセットコーティング、フラットスクリーンコーティング、ロータリースクリーンコーティング、キスロールコーティング、グラビアロールコーティング等を挙げることができる。中でも、グラビアロールを用いて塗布することが好ましい。グラビアロールを用いて合成樹脂溶液を塗布すると、塗液の付着量を調節することが容易となり、不織布内部への浸透を抑制することができる。
【0051】
合成樹脂溶液は、不織布の少なくとも一方の表面に塗布する。すなわち、合成樹脂溶液を不織布の片方の表面に塗布してよく、或いは不織布の両方の表面に塗布してよい。さらに、不織布の目付が20g/m〜120g/mである場合には、吸水部を容易に形成できる観点から片方の表面のみに塗布することが好ましく、不織布の目付が50g/m〜300g/mである場合には、抗菌剤や防カビ剤等の付着容易性の観点から両方の表面に塗布することが好ましい。また、各表面への塗布回数は、1回または2回以上としてよい。なかでも、不織布の各表面に2回以上塗布することが好ましい。2回以上塗布すると、最終の合成樹脂の付着量を複数の回数に分けて塗布することができ、不織布内部への合成樹脂の浸透量を調節することができる。
【0052】
次に合成樹脂溶液を塗布した不織布を、適宜の温度および時間で乾燥させる。乾燥工程は、疎水性溶剤を蒸発させる工程と合成樹脂を不織布に定着させる工程を兼ねてよい。
【実施例】
【0053】
以下、本発明の液吸い上げ材の実施例、比較例について説明する。なお、下記の実施例、比較例において、各種物性の評価方法は、次の通りとした。
[ループステフネス]
試料から巾20mm、長さ120mmの寸法の試験片を作製した。次に、図2(a)に示すように、作製した試験片11をΩ字状のループ形に曲げたうえで、その長さ方向の両端12、12を重ねて、その重ねた部分を、図2(b)および(c)に示すように、ループステフネステスターD型(東洋精機製作所社製)のチャック13、13で把持し、試験片11をループが平面視で環状になるように、かつ合成樹脂を塗布した表面がループの外側となるように固定した。そして、図2(c)に示すように、そのループをその直径方向すなわち水平方向に押しつぶしたときの曲げ剛性を測定した。なお、押しつぶしのための圧子の直径は20mmであり、圧縮速度を3.5mm/秒、押しつぶし距離を20mm、ループの周長を92mmとして、ロードセルにて検出される負荷荷重を測定した。
【0054】
[合成樹脂の付着量]
タテ20cm、ヨコ20cmの正方形に切り抜いた試料を秤量して質量W1とし、この試料をメチルエチルケトンに浸漬させて付着合成樹脂を溶解させ、これを濾紙で漉して乾燥させた残渣の質量をW2とし、W1−W2より樹脂の付着量を求めた。付着量は、平方メートル当たりに換算して求めた。
【0055】
また、(W1−W2)/W2×100より、求めた付着量を平方メートル当たりに換算して、不織布目付に対する合成樹脂の付着量を算出した。
[横断面における樹脂含浸部、吸水部の有無]
不織布横断面を電子顕微鏡で200倍に拡大して観察した。
【0056】
不織布を構成する繊維に合成樹脂が付着している部分と、不織布の空隙に合成樹脂が存在する部分とを、樹脂含浸部とした。また、不織布を構成する繊維の表面が合成樹脂により覆われていない部分と、不織布の空隙に合成樹脂が存在しない部分とを、吸水部とした。
【0057】
[吸い上げ性]
JIS L 1096 6.26.1 B法(バイレック法)に準じて、不織布の機械方向(MD方向)を長手方向とした、長さ20cm、幅2cmの試験片を用いて、10分後の水の上昇した高さを測定することにより、評価した。
【0058】
[折り加工性]
市販のコルゲート加工機を用いて、下記の指標で評価した。
○:十分な不織布硬さがあり、良好に折り加工を施すことができた
△:不織布は柔らかかったが、折り加工を施すことができた
×:不織布が柔らかく、折り加工を施すことができなかった
【0059】
(不織布A)
繊度1.7dtex、繊維長40mmのビスレーヨン繊維(商品名 コロナ、ダイワボウレーヨン社製)と、繊度1.45dtex、繊維長38mmのポリエチレンテレフタレート繊維(商品名 101、ユニチカ社製)とを質量比8:2で混綿した目付32g/mのステープル繊維ウェブを2枚作製し、それぞれ第1繊維ウェブおよび第2繊維ウェブとした。
【0060】
第1繊維ウェブの上に、パルプ繊維からなる目付26g/mのティッシュ(ハビックス社製)を積層し、さらにティッシュ層の上に第2繊維ウェブを積層し、これに水流交絡処理を施した。水流交絡処理は、孔径0.1mmのオリフィスが0.6mm間隔で設けられたノズルを用いて、第1繊維ウェブの表面に向けて、3MPaの柱状水流を1回噴射し、第2繊維ウェブの表面に向けて水圧3.5MPaの柱状水流を1回噴射して実施した。次いで、水流交絡処理を施した積層不織布をエアスルー熱処理機を用いて110℃で乾燥して、目付90g/mの積層不織布を得た。
【0061】
(不織布B)
第1繊維ウェブおよび第2繊維ウェブの目付を22g/mとした。それ以外は不織布Aの場合と同様にして、目付70g/mの積層不織布を得た。
【0062】
(不織布C)
不織布Aで用いたビスレーヨン繊維とポリエチレンテレフタレート繊維とを質量比8:2で混綿した目付70g/mのステープル繊維ウェブを1枚だけ得た。この1枚のステープル繊維ウェブに、不織布Aの場合と同様の水流交絡処理を施した。それ以外は不織布Aの場合と同様にして、目付70g/mの単層不織布を得た。
【0063】
(合成樹脂溶液X)
ポリメタクリル酸メチル(商品名 アクリペットM、三菱レイヨン社製)30質量部と、メチルエチルケトン80質量部と、トルエン8.5質量部と、銀系無機抗菌剤(商品名 ゼオミックXAW10−D、シナネン・ゼオミック社製)0.5質量部と、防カビ剤(商品名 マルカザイドBX−0、大阪化成社製)1.0質量部とを混合し、ポリメタクリル酸メチルの濃度が25質量%である合成樹脂溶液Xを作製した。
【0064】
(合成樹脂溶液Y)
メチルエチルケトンを110重量部とした。それ以外は合成樹脂溶液Xを製造するときに採用した手順と同様の手順に従って、ポリメタクリル酸メチルの濃度が20質量%である合成樹脂溶液Yを作製した。
【0065】
(実施例1)
目付が90g/mの積層不織布である不織布Aの一方の表面すなわち片面に、合成樹脂溶液Xをグラビアロールを用いて2回塗布し、120℃で60秒間乾燥させて、不織布に合成樹脂を27.7g/m付着させ、実施例1の液吸い上げ材を得た。
【0066】
(実施例2〜18、比較例1〜3)
合成樹脂溶液Xまたは合成樹脂溶液Yを、不織布A〜Cに対し、その不織布の片面または両面にグラビアロールを用いてそれぞれ2回塗布し、120℃で60秒間乾燥させて、不織布に合成樹脂を表1に記載の付着量だけ付着させ、実施例2〜18、比較例1〜3の液吸い上げ材を得た。
【0067】
(比較例4)
グラビアロールを用いて塗布する代わりに、合成樹脂溶液Xを不織布Aに含浸させ、120℃で60秒間乾燥させて、不織布に合成樹脂を27.5g/m付着させ、比較例4の液吸い上げ材を得た。
【0068】
(比較例5〜7)
不織布A〜Cについて、合成樹脂をまったく付着させなかった。これらを比較例5〜7とした。
【0069】
実施例1〜18、比較例1〜7について、各種物性の評価結果を表1に示す。
【0070】
【表1】

【0071】
実施例1〜18は、不織布の横断面において、不織布を構成する繊維に合成樹脂が付着した樹脂含浸部と、不織布を構成する繊維に合成樹脂が付着していない吸水部とを有していた。また、横断面における吸水部の面積S1と不織布の横断面の面積S2を測定し、S1/S2×100より、横断面における吸水部の横断面積比を算出したところ、実施例1〜14は、不織布横断面において吸水部が25%以上の面積を占めていた。このため、水の吸い上げ性が優れるとともに、合成樹脂が全く付着していない比較例5〜7に比べて折り加工性が優れていた。
【0072】
すなわち実施例1〜18は、液吸い上げ材に適した水の吸い上げ性を有しており、かつプリーツまたはコルゲート等への折り加工性に優れていた。さらに、合成樹脂が抗菌剤と防カビ剤とを含むものであったため、抗菌・防カビ効果を期待できるものであり、液吸い上げ材として特に適したものであった。
【0073】
これに対し、比較例1〜4は、不織布を構成する繊維に合成樹脂が付着していない吸水部が存在せず、このため水の吸い上げ性が十分ではなかった。比較例5〜7は、水の吸い上げ性に優れていたが、樹脂含浸部が存在せず、折り加工性が不十分であった。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明の液吸い上げ材は、優れた液の吸い上げ性と折り加工性を共に備えており、未加工、或いはコルゲート加工やプリーツ加工又はその他の形に成形して、家庭用または業務用の加湿器や植物の育成基盤や芳香剤・消臭剤の容器内等の液吸い上げ材として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の液吸い上げ材を構成する不織布の横断面における樹脂含浸部と吸水部との分布の例を示す図である。
【図2】本発明にもとづくループステフネスの測定方法を示す図である。
【符号の説明】
【0076】
1 樹脂含浸部
2 吸水部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
親水性繊維を含む不織布の少なくとも一方の表面に合成樹脂が付着されていることで、前記不織布の横断面において、不織布を構成する繊維に合成樹脂が付着した樹脂含浸部と、不織布を構成する繊維に合成樹脂が付着していない吸水部とを有し、かつ下記の方法で測定されるループステフネスが5g以上の剛性を有することを特徴とする液吸い上げ材。
[ループステフネスの測定方法]
巾20mm、長さ120mmの試験片を合成樹脂が付着している表面がループの外側となるようにΩ字状のループ形に曲げたうえで、その長さ方向の両端を重ねて、ループの周長が92mmになるようにその重ねた部分をチャックで把持して、試験片をループが平面視で環状になるように固定し、そのループを、直径20mmの圧子で、圧縮速度3.5mm/秒、押しつぶし距離20mmの条件で直径方向に押しつぶしたときの負荷荷重を求めることにより測定する。
【請求項2】
吸水部が不織布のシートの方向に連続していることを特徴とする請求項1に記載の液吸い上げ材。
【請求項3】
不織布が3層以上の積層不織布であって、表面層以外の中層が湿式抄紙不織布を含む構成であることを特徴とする請求項1または2に記載の液吸い上げ材。
【請求項4】
湿式抄紙不織布がパルプ繊維を含むことを特徴とする請求項3に記載の液吸い上げ材。
【請求項5】
合成樹脂が疎水性樹脂であることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の液吸い上げ材。
【請求項6】
合成樹脂がメタクリル酸メチルであることを特徴とする請求項5に記載の液吸い上げ材。
【請求項7】
抗菌剤と防カビ剤との少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の液吸い上げ材。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1項に記載の液吸い上げ材にて構成されていることを特徴とする加湿器用液吸い上げ材。
【請求項9】
合成樹脂を疎水性溶剤に溶解または分散させた合成樹脂溶液を、親水性繊維を含む不織布の少なくとも一方の表面に塗布し、乾燥させることで、不織布の少なくとも一方の表面に合成樹脂を付着させるとともに、前記不織布の横断面において、不織布を構成する繊維に合成樹脂が付着した樹脂含浸部と、不織布を構成する繊維に合成樹脂が付着していない吸水部とを形成することを特徴とする液吸い上げ材の製造方法。
【請求項10】
合成樹脂溶液を、グラビアロールを用いて不織布の表面に塗布することを特徴とする請求項9に記載の液吸い上げ材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−155782(P2009−155782A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−338750(P2007−338750)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000002923)大和紡績株式会社 (173)
【出願人】(300049578)ダイワボウポリテック株式会社 (120)
【出願人】(000104412)カンボウプラス株式会社 (15)
【Fターム(参考)】