説明

液圧バルジ成形装置のノズル

【課題】応力集中で破損することのないノズルを提供すること。
【解決手段】液圧バルジ成形装置のノズル1において、前記ノズル1をノズル本体1aとノズル先端部材1bとで構成し、前記ノズル先端部材1bを前記ノズル本体1aに段部7を形成させた状態で固定し、前記段部の平坦部8でパイプ状素材3の端面を押圧する構成にする。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、液圧バルジ成形装置のノズルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】液圧バルジ成形装置は、例えば同出願人による特願平11−173850に開示されている。その第1図にプレス機械を含む全体の構成が示されている。同図のボルスタ5とスライド4に夫々下型9、上型8が対向して配備され、下型9に近接させて軸押しシリンダ18が設けられている。この軸押しシリンダ18に軸押しピストン19が組み込まれ、軸押しピストン19の先端部が所謂液圧バルジ成形装置のノズルを構成している。
【0003】従来のノズルは、図2に示す如く、前記軸押しピストンの先端部にノズル1がねじで固定されている。即ち,軸押しピストンロッド2にノズル1がねじで固定されている.この場合、軸押しピストンロッド2とノズル1との間には圧液が洩れない様にパッキン類が組み込まれているが,図では省略されている.ノズル1の中心部には、圧液を供給する穴が設けられ、ノズル1の先端部のガイド部1fと大径部との間に段部1cが設けらている。この段部1cは平坦部1dとアール部1eとで構成されている。
【0004】ガイド部1fはパイプ状素材3の端部内径部に挿入され、パイプ状素材を案内すると共に、パイプ状素材3内に供給された圧液が逃げないようにシールする。
【0005】平坦部1dは、パルジ成形に合せてパイプ状素材3の端部を押す役目をする。そのため、平坦部1dを出来るだけ広い面積とし、パイプ状素材3の端面全体を押圧する構造にすることが望まれる。よって、前記アール部1eは大きく出来ない。
【0006】アール部1eを大きく出来ない為に、応力集中のため、図2に示すような亀裂6が発生し、ノズル1の先端部が破損し、分離してしまうことがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本願発明の目的は、応力集中で破損することのないノズルを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明においては、ノズル先端部を別物とする。より具体的には、請求項1の発明は、液圧バルジ成形装置のノズルにおいて、前記ノズルをノズル本体とノズル先端部材とで構成し、前記ノズル先端部材を前記ノズル本体に段部を形成させた状態で固定し、前記段部の平坦部でパイプ状素材の端面を押圧する構成にした。請求項2の発明は、前記ノズル先端部材を前記ノズル本体にボルトで固定した。請求項3の発明は、前記ノズル先端部材と前記ノズル本体との係合部にシール部材を組み込んだ。
【0009】
【発明の実施の形態】図1において、ノズル本体1aにノズル先端部材1bをボルト4で固定する。ノズル本体1aとノズル先端部材1bとの係合部に、必要に応じてシール部材5を組み込む。
【0010】ノズル先端部材1bのガイド部9でパイプ状素材3の端部内径部を案内すると共に。ノズル本体1aとノズル先端部材1bとで構成されている段部7における平坦部8でパイプ状素材3の端面を押圧する。
【0011】
【発明の効果】本願発明によれば、ノズル本体とノズル先端部材が別物であるため、段部に応力集中が起きないため、ノズルが破損する心配が無い。寸法が異なったパイプ状素材即ちパイプの肉厚が異なったパイプ状素材を取り扱う場合には、ノズル先端部材1bのみを交換すれば良い。更に、ガイド部9が摩耗した場合は、ノズル先端部材1bのみを交換すれば良く経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のノズル部分の断面図
【図2】本実施例のノズル部分の断面図
【符号の説明】
1はノズル、1aはノズル本体、1bはノズル先端部材、1cは段部、1dは平坦部、1eはアール部、1fはガイド部、2は軸押しピストンロッド、3はパイプ状素材、4はボルト、5はシール部材、6は亀裂、7は段部、8は平坦部、9はガイド部である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】液圧バルジ成形装置のノズルにおいて、前記ノズルをノズル本体とノズル先端部材とで構成し、前記ノズル先端部材を前記ノズル本体に段部を形成させた状態で固定し、前記段部の平坦部でパイプ状素材の端面を押圧する構成にしたことを特徴とする液圧バルジ成形装置のノズル。
【請求項2】前記ノズル先端部材を前記ノズル本体にボルトで固定したことを特徴とする請求項1記載の液圧バルジ成形装置のノズル。
【請求項3】前記ノズル先端部材と前記ノズル本体との係合部にシール部材を組み込んだことを特徴とする請求項2記載の液圧バルジ成形装置のノズル。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2001−105043(P2001−105043A)
【公開日】平成13年4月17日(2001.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−290502
【出願日】平成11年10月13日(1999.10.13)
【出願人】(000100861)アイダエンジニアリング株式会社 (153)
【Fターム(参考)】