液晶の測定方法および装置
【課題】 OCBモード液晶素子のVcr測定に用いられると、測定精度が向上し、さらには観測者の負担も軽減する液晶の測定方法および装置を提供する。
【解決手段】 液晶素子10に電圧を印加し、該印加後の異時点で撮影したスプレイ‐ベンド転移状況の二画像をコンピュータ15にて相互相関解析により一致検定し、一致が得られるように前記電圧を制御する方法、およびこの方法を全自動で実行しうる装置である。
【解決手段】 液晶素子10に電圧を印加し、該印加後の異時点で撮影したスプレイ‐ベンド転移状況の二画像をコンピュータ15にて相互相関解析により一致検定し、一致が得られるように前記電圧を制御する方法、およびこの方法を全自動で実行しうる装置である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶の測定方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
OCB(Optically Compensated Bend:光学補償ベンド)モード液晶素子(例えば特許文献1参照)で表示を行うためには、予め液晶素子に電場などを印加して液晶をスプレイ(Splay)モードからベンド(Bend)モードへ転移させておく必要がある。このスプレイ‐ベンド転移の過程で、スプレイモードとベンドモードが混在し転移が完全に静止する状態が存在する。この時の電圧を臨界電圧(Vcr)と呼ぶ。Vcrより低い電圧をOCBモード液晶素子に印加すると、液晶がベンド状態を維持できず、次第にスプレイモードに転移してしまう。よって、OCBモード液晶素子を表示装置に適用する場合には、Vcr以上の電圧で階調を設定する必要がある。OCBモードでは、一般的にVcr付近の低電圧側を白表示(最明階調)、高電圧側を黒表示(最暗階調)として、その間の電圧で階調の表示を行う。したがって、OCB液晶表示装置(OCBモード液晶素子を用いた表示装置)の最適設計のためには、Vcrの厳密な測定が不可欠となる。
【0003】
液晶の転移の検査技術に関しては、冷却しながら、通常より低い電圧で、あるいは通常より短い時間で、あるいはDC電圧を印加しながら転移を行うことによって、確実な転移の検査を行う検査装置の製造方法(特許文献2参照)が知られている。
【特許文献1】特許第3504480号公報
【特許文献2】特開2002−207226号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
今のところVcrの測定は偏光顕微鏡などを用いて目視で行われることが多く、観測者がスプレイ‐ベンド転移が静止したと判断した時の印加電圧をVcrとしている。例えば図2に示すように、スプレイ‐ベンド転移が進行中の状態では、電圧印加直後から数分経過する間にベンド領域1が拡大する。一方、例えば図3に示すように、スプレイとベンドが釣り合った状態では、電圧印加直後から数分経過しても観察像に変化が認められない。観測者はこのような転移静止を視認できたと判断した時の印加電圧値をVcrとして採用する。
【0005】
しかしながら、Vcr付近では、スプレイ‐ベンド転移の進行速度が極めて遅く、転移が静止したと判断しても数分間待ってみると転移が進行していることも少なくない。このような理由から、観測者によってVcrの測定値が異なる可能性があり、測定精度も小数点以下1桁程度である。また、現状の測定は以下に示す手順c1〜c3の繰り返しによってなされているため、測定値を得るまでに要する時間が数10分に及ぶことも多い。そのため、観測者の負担が著しく大きくなっている。
(c1)液晶素子に電圧を印加し、スプレイ‐ベンド転移の様子を顕微鏡で観察しながら、転移が静止していると判断した時、電圧を現印加値に固定する。
(c2)ある時間(数分以上)経過した後に転移の進行状況を観察する。
(c3)転移が進行しているようなら電圧を微調整する。この際、スプレイモードからベンドモードに転移が進行している場合は電圧を下げ、ベンドモードからスプレイモードに転移が進行している場合は電圧を上げる。
【0006】
そこで、本発明は、OCBモード液晶素子のVcr測定に用いられると、測定精度が向上し、さらには観測者の負担も軽減する液晶の測定方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、液晶素子のスプレイ‐ベンド転移が平衡に達する臨界電圧を測定する液晶の測定方法であって、前記液晶素子に電圧を印加し、該印加後の異時点で撮影したスプレイ‐ベンド転移状況の二画像をコンピュータにて相互相関解析により一致検定し、一致が得られるように前記電圧を制御することを特徴とする液晶の測定方法である。本発明では、前記一致検定および/または前記電圧の制御は、自動で行うことが好ましい。
【0008】
また、本発明は、液晶素子のスプレイ‐ベンド転移が平衡に達する臨界電圧を測定する液晶の測定装置であって、前記液晶素子に電圧を印加する電圧発生器と、前記電圧を計測する電圧計と、前記液晶素子のスプレイ‐ベンド転移状況を顕微鏡を介して撮影する撮像素子と、該撮像素子から送られた異時点撮影の二画像を相互相関解析により自動で一致検定し、一致が得られるように前記電圧を自動制御するコンピュータとを有することを特徴とする液晶の測定装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電圧を印加した液晶素子のスプレイ‐ベンド転移状況を異時点撮影して得た二画像を一致検定し、一致が得られるように前記電圧を自動制御する(すなわち電圧印加中の異時点の二画像の一致検定結果を電圧にフィードバックする)ことにより、測定精度が向上する。また、これを全自動で行うことにより観測者の負担が大幅に軽減する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、本発明の最良の形態の1例を示す装置構成図である。試料載置台23上にVcr測定対象である液晶素子10が置かれ、顕微鏡(この例では偏光顕微鏡)11で観察される。液晶素子10には電圧発生器13により電圧が印加される。この電圧は電圧計14により計測される。液晶素子10のスプレイ‐ベンド転移状況の顕微鏡拡大像は撮像素子(この例ではCCD)12により撮影される。撮影時点は電圧印加直後およびその数分後の二時点である。得られた撮像データ(異時点の二画像)18はコンピュータ15に送られる。
【0011】
コンピュータ15は、送られてきた二画像を相互相関解析により一致検定し、一致が得られるように前記電圧を制御する。すなわち、不一致であった場合、ベンド領域が拡大していれば電圧を下げ、縮小していれば上げるように制御する。この電圧変更は、コンピュータ15からの電圧制御信号17を受けた電圧発生器13へにより実行され、この変更後の電圧における二画像に対し再度一致検定が行われる。一致であった場合は電圧計測値22をVcrと定め、1回の測定が完了する。
【0012】
このように、異時点の二画像をコンピュータで相互相関解析して一致検定することにより、観測者によって測定値が異なるといった問題が回避でき、かつ測定精度も小数点以下3桁まで向上する。また、一致検定およびその結果の電圧へのフィードバックを全自動で行うことにより、常時観察者が観察する必要もなく、測定を行う際の労力も劇的に軽減できる。
【0013】
二画像の相互相関解析による一致検定の手法としては、例えば、画像処理機能により、二画像を重ね合わせた合成画像において、ベンド領域とスプレイ領域の境界が複線(二重線)であれば不一致、単線であれば一致と判定するといった手法が挙げられる。不一致度は前記複線の幅で評価でき、この複線幅に応じて電圧変更分を設定することができる。電圧変更分の決定方法は、予め実験により求めておいた複線幅との定量的関係(較正曲線)に則って決定してもよいし、あるいは、実測定中の現段階までの電圧変更履歴と複線幅変化履歴の関係を自動学習し、その結果に基づいて次段階の電圧変更分を決定してもよい。
【0014】
なお、図1の例では、コンピュータ15に取り込まれた二画像を画像モニタ16の表示画面19に表示可能としている。画像20および21はそれぞれ電圧印加直後および数分後の画像である。画像20、21は画面の同一表示領域内で高速自動切替可能であり、この高速自動切替を実行すると、見かけ上、二画像が重なり合って静止した合成画像が観察できる。
【0015】
手動モードで測定する場合は、二画像の高速自動切替を行い、得られた見かけの合成画像におけるスプレイ‐ベンドの境界が複線から単線に移行するように手動で電圧を微調整すればよい。
【実施例】
【0016】
1ロットのOCBモード液晶素子のうちから無作為に抽出した1個を測定対象とし、次の二例(比較例および本発明例)の方法でVcr測定を行った。
(比較例)
図3において、撮像素子12を顕微鏡11から取り外した形態の測定装置を用い、二人の観測者A,Bが、従来の測定手順(前記c1〜c3の繰り返し)により測定した。その結果、観測者Aによる測定値は1.75V、観測者Bによる測定値は1.78Vと、小数点以下1桁の測定精度であった。
(発明例)
図3の測定装置を用い、前記二人の観測者A,Bが、上記手動モードにより測定した。すなわち上述のように、画像モニタ上で二画像の高速自動切替を行い、得られた見かけの合成画像上のスプレイ‐ベンドの境界を目視観察し、この境界が複線から単線に移行するように手動で電圧を微調整した。その結果、観測者Aによる測定値は1.7587V、観測者Bによる測定値は1.7585Vと、小数点以下3桁の測定精度であり、比較例に比べ、精度向上が確認された。
【0017】
なお、このとき、CCDとコンピュータとが未接続であったので、CCDの撮影画像はFD(フロッピーディスク(登録商標))を介してコンピュータに入力した。そのため、測定時間は比較例よりも長かったが、接続された場合について推定した測定時間は比較例と同等かそれより短い。
また、二画像の一致検定およびその結果の電圧へのフィードバックを全自動化すれば、測定時間、労力を軽減しつつ、手動モードの場合と同等もしくはそれ以上の精度向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の最良の形態の1例を示す装置構成図である。
【図2】スプレイ‐ベンド転移進行状態の二時点での観察像を示す図である。
【図3】スプレイ‐ベンド転移静止状態の二時点での観察像を示す図である。
【符号の説明】
【0019】
1 ベンド領域
2 スプレイ領域
10 液晶素子(Vcr測定対象)
11 顕微鏡(偏光顕微鏡)
12 撮像素子(CCD)
13 電圧発生器
14 電圧計
15 コンピュータ
16 画像モニタ
17 電圧制御信号
18 撮像データ(異時点の二画像)
19 画面
20、21 画像
21 静止画像
22 電圧計測値
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶の測定方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
OCB(Optically Compensated Bend:光学補償ベンド)モード液晶素子(例えば特許文献1参照)で表示を行うためには、予め液晶素子に電場などを印加して液晶をスプレイ(Splay)モードからベンド(Bend)モードへ転移させておく必要がある。このスプレイ‐ベンド転移の過程で、スプレイモードとベンドモードが混在し転移が完全に静止する状態が存在する。この時の電圧を臨界電圧(Vcr)と呼ぶ。Vcrより低い電圧をOCBモード液晶素子に印加すると、液晶がベンド状態を維持できず、次第にスプレイモードに転移してしまう。よって、OCBモード液晶素子を表示装置に適用する場合には、Vcr以上の電圧で階調を設定する必要がある。OCBモードでは、一般的にVcr付近の低電圧側を白表示(最明階調)、高電圧側を黒表示(最暗階調)として、その間の電圧で階調の表示を行う。したがって、OCB液晶表示装置(OCBモード液晶素子を用いた表示装置)の最適設計のためには、Vcrの厳密な測定が不可欠となる。
【0003】
液晶の転移の検査技術に関しては、冷却しながら、通常より低い電圧で、あるいは通常より短い時間で、あるいはDC電圧を印加しながら転移を行うことによって、確実な転移の検査を行う検査装置の製造方法(特許文献2参照)が知られている。
【特許文献1】特許第3504480号公報
【特許文献2】特開2002−207226号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
今のところVcrの測定は偏光顕微鏡などを用いて目視で行われることが多く、観測者がスプレイ‐ベンド転移が静止したと判断した時の印加電圧をVcrとしている。例えば図2に示すように、スプレイ‐ベンド転移が進行中の状態では、電圧印加直後から数分経過する間にベンド領域1が拡大する。一方、例えば図3に示すように、スプレイとベンドが釣り合った状態では、電圧印加直後から数分経過しても観察像に変化が認められない。観測者はこのような転移静止を視認できたと判断した時の印加電圧値をVcrとして採用する。
【0005】
しかしながら、Vcr付近では、スプレイ‐ベンド転移の進行速度が極めて遅く、転移が静止したと判断しても数分間待ってみると転移が進行していることも少なくない。このような理由から、観測者によってVcrの測定値が異なる可能性があり、測定精度も小数点以下1桁程度である。また、現状の測定は以下に示す手順c1〜c3の繰り返しによってなされているため、測定値を得るまでに要する時間が数10分に及ぶことも多い。そのため、観測者の負担が著しく大きくなっている。
(c1)液晶素子に電圧を印加し、スプレイ‐ベンド転移の様子を顕微鏡で観察しながら、転移が静止していると判断した時、電圧を現印加値に固定する。
(c2)ある時間(数分以上)経過した後に転移の進行状況を観察する。
(c3)転移が進行しているようなら電圧を微調整する。この際、スプレイモードからベンドモードに転移が進行している場合は電圧を下げ、ベンドモードからスプレイモードに転移が進行している場合は電圧を上げる。
【0006】
そこで、本発明は、OCBモード液晶素子のVcr測定に用いられると、測定精度が向上し、さらには観測者の負担も軽減する液晶の測定方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、液晶素子のスプレイ‐ベンド転移が平衡に達する臨界電圧を測定する液晶の測定方法であって、前記液晶素子に電圧を印加し、該印加後の異時点で撮影したスプレイ‐ベンド転移状況の二画像をコンピュータにて相互相関解析により一致検定し、一致が得られるように前記電圧を制御することを特徴とする液晶の測定方法である。本発明では、前記一致検定および/または前記電圧の制御は、自動で行うことが好ましい。
【0008】
また、本発明は、液晶素子のスプレイ‐ベンド転移が平衡に達する臨界電圧を測定する液晶の測定装置であって、前記液晶素子に電圧を印加する電圧発生器と、前記電圧を計測する電圧計と、前記液晶素子のスプレイ‐ベンド転移状況を顕微鏡を介して撮影する撮像素子と、該撮像素子から送られた異時点撮影の二画像を相互相関解析により自動で一致検定し、一致が得られるように前記電圧を自動制御するコンピュータとを有することを特徴とする液晶の測定装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電圧を印加した液晶素子のスプレイ‐ベンド転移状況を異時点撮影して得た二画像を一致検定し、一致が得られるように前記電圧を自動制御する(すなわち電圧印加中の異時点の二画像の一致検定結果を電圧にフィードバックする)ことにより、測定精度が向上する。また、これを全自動で行うことにより観測者の負担が大幅に軽減する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、本発明の最良の形態の1例を示す装置構成図である。試料載置台23上にVcr測定対象である液晶素子10が置かれ、顕微鏡(この例では偏光顕微鏡)11で観察される。液晶素子10には電圧発生器13により電圧が印加される。この電圧は電圧計14により計測される。液晶素子10のスプレイ‐ベンド転移状況の顕微鏡拡大像は撮像素子(この例ではCCD)12により撮影される。撮影時点は電圧印加直後およびその数分後の二時点である。得られた撮像データ(異時点の二画像)18はコンピュータ15に送られる。
【0011】
コンピュータ15は、送られてきた二画像を相互相関解析により一致検定し、一致が得られるように前記電圧を制御する。すなわち、不一致であった場合、ベンド領域が拡大していれば電圧を下げ、縮小していれば上げるように制御する。この電圧変更は、コンピュータ15からの電圧制御信号17を受けた電圧発生器13へにより実行され、この変更後の電圧における二画像に対し再度一致検定が行われる。一致であった場合は電圧計測値22をVcrと定め、1回の測定が完了する。
【0012】
このように、異時点の二画像をコンピュータで相互相関解析して一致検定することにより、観測者によって測定値が異なるといった問題が回避でき、かつ測定精度も小数点以下3桁まで向上する。また、一致検定およびその結果の電圧へのフィードバックを全自動で行うことにより、常時観察者が観察する必要もなく、測定を行う際の労力も劇的に軽減できる。
【0013】
二画像の相互相関解析による一致検定の手法としては、例えば、画像処理機能により、二画像を重ね合わせた合成画像において、ベンド領域とスプレイ領域の境界が複線(二重線)であれば不一致、単線であれば一致と判定するといった手法が挙げられる。不一致度は前記複線の幅で評価でき、この複線幅に応じて電圧変更分を設定することができる。電圧変更分の決定方法は、予め実験により求めておいた複線幅との定量的関係(較正曲線)に則って決定してもよいし、あるいは、実測定中の現段階までの電圧変更履歴と複線幅変化履歴の関係を自動学習し、その結果に基づいて次段階の電圧変更分を決定してもよい。
【0014】
なお、図1の例では、コンピュータ15に取り込まれた二画像を画像モニタ16の表示画面19に表示可能としている。画像20および21はそれぞれ電圧印加直後および数分後の画像である。画像20、21は画面の同一表示領域内で高速自動切替可能であり、この高速自動切替を実行すると、見かけ上、二画像が重なり合って静止した合成画像が観察できる。
【0015】
手動モードで測定する場合は、二画像の高速自動切替を行い、得られた見かけの合成画像におけるスプレイ‐ベンドの境界が複線から単線に移行するように手動で電圧を微調整すればよい。
【実施例】
【0016】
1ロットのOCBモード液晶素子のうちから無作為に抽出した1個を測定対象とし、次の二例(比較例および本発明例)の方法でVcr測定を行った。
(比較例)
図3において、撮像素子12を顕微鏡11から取り外した形態の測定装置を用い、二人の観測者A,Bが、従来の測定手順(前記c1〜c3の繰り返し)により測定した。その結果、観測者Aによる測定値は1.75V、観測者Bによる測定値は1.78Vと、小数点以下1桁の測定精度であった。
(発明例)
図3の測定装置を用い、前記二人の観測者A,Bが、上記手動モードにより測定した。すなわち上述のように、画像モニタ上で二画像の高速自動切替を行い、得られた見かけの合成画像上のスプレイ‐ベンドの境界を目視観察し、この境界が複線から単線に移行するように手動で電圧を微調整した。その結果、観測者Aによる測定値は1.7587V、観測者Bによる測定値は1.7585Vと、小数点以下3桁の測定精度であり、比較例に比べ、精度向上が確認された。
【0017】
なお、このとき、CCDとコンピュータとが未接続であったので、CCDの撮影画像はFD(フロッピーディスク(登録商標))を介してコンピュータに入力した。そのため、測定時間は比較例よりも長かったが、接続された場合について推定した測定時間は比較例と同等かそれより短い。
また、二画像の一致検定およびその結果の電圧へのフィードバックを全自動化すれば、測定時間、労力を軽減しつつ、手動モードの場合と同等もしくはそれ以上の精度向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の最良の形態の1例を示す装置構成図である。
【図2】スプレイ‐ベンド転移進行状態の二時点での観察像を示す図である。
【図3】スプレイ‐ベンド転移静止状態の二時点での観察像を示す図である。
【符号の説明】
【0019】
1 ベンド領域
2 スプレイ領域
10 液晶素子(Vcr測定対象)
11 顕微鏡(偏光顕微鏡)
12 撮像素子(CCD)
13 電圧発生器
14 電圧計
15 コンピュータ
16 画像モニタ
17 電圧制御信号
18 撮像データ(異時点の二画像)
19 画面
20、21 画像
21 静止画像
22 電圧計測値
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶素子のスプレイ‐ベンド転移が平衡に達する臨界電圧を測定する液晶の測定方法であって、前記液晶素子に電圧を印加し、該印加後の異時点で撮影したスプレイ‐ベンド転移状況の二画像をコンピュータにて相互相関解析により一致検定し、一致が得られるように前記電圧を制御することを特徴とする液晶の測定方法。
【請求項2】
前記一致検定および/または前記電圧の制御を自動で行うことを特徴とする請求項1記載の液晶の測定方法。
【請求項3】
液晶素子のスプレイ‐ベンド転移が平衡に達する臨界電圧を測定する液晶の測定装置であって、前記液晶素子に電圧を印加する電圧発生器と、前記電圧を計測する電圧計と、前記液晶素子のスプレイ‐ベンド転移状況を顕微鏡を介して撮影する撮像素子と、該撮像素子から送られた異時点撮影の二画像を相互相関解析により自動で一致検定し、一致が得られるように前記電圧を自動制御するコンピュータとを有することを特徴とする液晶の測定装置。
【請求項1】
液晶素子のスプレイ‐ベンド転移が平衡に達する臨界電圧を測定する液晶の測定方法であって、前記液晶素子に電圧を印加し、該印加後の異時点で撮影したスプレイ‐ベンド転移状況の二画像をコンピュータにて相互相関解析により一致検定し、一致が得られるように前記電圧を制御することを特徴とする液晶の測定方法。
【請求項2】
前記一致検定および/または前記電圧の制御を自動で行うことを特徴とする請求項1記載の液晶の測定方法。
【請求項3】
液晶素子のスプレイ‐ベンド転移が平衡に達する臨界電圧を測定する液晶の測定装置であって、前記液晶素子に電圧を印加する電圧発生器と、前記電圧を計測する電圧計と、前記液晶素子のスプレイ‐ベンド転移状況を顕微鏡を介して撮影する撮像素子と、該撮像素子から送られた異時点撮影の二画像を相互相関解析により自動で一致検定し、一致が得られるように前記電圧を自動制御するコンピュータとを有することを特徴とする液晶の測定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図2】
【図3】
【公開番号】特開2006−258679(P2006−258679A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−78422(P2005−78422)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【出願人】(503354044)財団法人21あおもり産業総合支援センター (27)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【出願人】(503354044)財団法人21あおもり産業総合支援センター (27)
【Fターム(参考)】
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