説明

液晶レンズ用ガラス基板

【課題】画素−レンズ間の距離が短く、且つ適正な透明導電膜等を有する3Dディスプレイの視域制御部を得ることができる板厚が小さい、撓み難い液晶レンズ用ガラス基板を提供する。
【解決手段】ガラス組成として、mol%で、SiO45〜75%、Al5〜15%、B0〜15%、MgO0〜15%、CaO0〜15%を含有し、且つ板厚が400μm以下であり、且つ板厚が400μm以下であることをことを特徴とする液晶レンズ用ガラス基板。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3Dディスプレイの視域制御部等に適用し得る液晶レンズ用ガラス基板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、メガネの着用を必要としない3Dディスプレイデバイスが市場に出始めている。眼鏡を必要としない3Dの表示方式として、パララックスバリア式、レンズを用いる方式が提案されている。パララックスバリア式は、適切な間隔に設定されたストライプ状のバリアにより、ディスプレイの画素を覆うことにより、両眼視差を作り出す方式である。最近では、バリアが液晶で作製されているタイプもあり、2Dと3Dの切り替えが可能なものが出てきている。しかし、このタイプは、少なからず画面の一部を何らかのバリアで隠す必要があるため、ディスプレイの輝度が低下するという問題がある。
【0003】
一方、レンズを用いる方式は、基本的な原理がパララックス式に類似しており、バリアの代わりに、プラスチックフィルムレンズにより両眼視差を作り出す方式である。この方式では、画面を遮るものがないため、ディスプレイの輝度を維持し易いが、2Dと3Dの切り替えが不可能であるという問題がある。
【0004】
これらの問題を解決する方法として、液晶レンズを用いて視域制御を行う方式が検討されている。この方式は、偏光フィルム、導電膜が形成された2枚のガラス基板間に存在する液晶に電界を印加して、液晶の配向を変化させることにより、一種のレンズのような役割を付与して、立体視を可能にする方式である。そして、この方式は、パララックスバリア式のような画素を遮るものがなく、また2Dと3Dの切り替えも可能であるため、次世代の3Dディスプレイの視域制御機構として期待されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、液晶レンズを用いて視域制御を行う方式では、液晶レンズをディスプレイデバイスの画素上に配置する場合、画素−レンズ間の距離が長くなってしまい、3Dの視野角が狭くなるという問題がある。
【0006】
この問題は、LCDやOLEDの表示部に、前面側に0.5〜0.7mmのガラス基板が既に存在し、更に液晶レンズのガラス基板の厚みが付加されることに起因している。
【0007】
一方、液晶レンズ用ガラス基板の板厚を小さくすると、上記問題を改善可能である。しかし、従来のガラス基板は、板厚を小さくすると、撓み易くなる。ガラス基板が撓むと、その表面上に所望の成膜(例えば、透明導電膜等の成膜)を行うことができないという問題が生じる。
【0008】
そこで、本発明は、板厚が小さくても、撓み難いガラス基板を創案することにより、画素−レンズ間の距離が短く、且つ適正な透明導電膜等を有する3Dディスプレイの視域制御部を得ることを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は、種々の実験を繰り返した結果、ガラス基板のガラス組成、寸法を厳密に規制することにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明の液晶レンズ用ガラス基板は、ガラス組成として、mol%で、SiO 45〜75%、Al 5〜15%、B 0〜15%、MgO 0〜15%、CaO 0〜15%を含有し、且つ板厚が400μm以下であることを特徴とする。
【0010】
上記のようにガラス組成を規制すれば、耐失透性、比ヤング率を高めることが可能になる。耐失透性が高いと、板厚400μm以下に成形し易くなり、更に比ヤング率が大きいと、板厚が400μm以下の場合でも、ガラス基板が撓み難くなる。更に、上記のようにガラス組成を規制すれば、密度、高温粘性を低下させることも可能になる。
【0011】
上記のように板厚を規制すれば、3Dディスプレイで立体視できる視野角を広げることが可能になる。更に、ガラス基板に可撓性を付与することが可能になり、ガラス基板をロール状に巻き取ることも可能になる。このようなガラスロールを用いると、透明導電膜の形成や偏光フィルムの貼り付けを連続的に行うことができ、液晶レンズの生産効率が飛躍的に向上する。
【0012】
第二に、本発明の液晶レンズ用ガラス基板は、比ヤング率が29GPa/(g/cm)以上であることが好ましい。ここで、「比ヤング率」は、ヤング率を密度の値で割った値である。「ヤング率」は、周知の共振法等で測定した値を指す。「密度」は、周知のアルキメデス法等で測定可能である。
【0013】
第三に、本発明の液晶レンズ用ガラス基板は、歪点が650℃以上であることが好ましい。ここで、「歪点」は、ASTM C336に基づいて測定した値を指す。
【0014】
第四に、本発明の液晶レンズ用ガラス基板は、密度が2.7g/cm以下であることが好ましい。
【0015】
第五に、本発明の液晶レンズ用ガラス基板は、102.5dPa・sにおける温度が1650℃以下であることが好ましい。ここで、「102.5dPa・sにおける温度」は、溶融温度に相当し、白金球引き上げ法で測定した値を指す。
【0016】
第六に、本発明の液晶レンズ用ガラス基板は、液相粘度が104.0dPa・s以上であることが好ましい。ここで、「液相粘度」は、液相温度におけるガラスの粘度を白金球引き上げ法で測定した値を指す。「液相温度」は、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れた後、この白金ボートを温度勾配炉中で24時間保持して、結晶が析出する温度を測定した値を指す。
【0017】
第七に、本発明の液晶レンズ用ガラス基板は、30〜380℃における熱膨張係数が30〜50×10−7/℃であることが好ましい。ここで、「熱膨張係数」は、ディラトメーターで測定した値であり、30〜380℃の温度範囲における平均値を指す。
【0018】
第八に、本発明の液晶レンズ用ガラス基板は、オーバーフローダウンドロー法で成形されてなることが好ましい。ここで、「オーバーフローダウンドロー法」は、フュージョン法とも称されており、耐熱性の樋状構造物の両側から、溶融ガラスを溢れさせて、溢れた溶融ガラスを樋状構造物の下端で合流させながら、下方に延伸成形してガラス基板を成形する方法である。
【0019】
第九に、本発明の液晶レンズ用ガラス基板は、ガラス組成として、mol%で、SiO 45〜75%、Al 5〜15%、B 0〜15%、MgO 0〜15%、CaO 0〜15%を含有し、モル比MgO/CaOが0〜1.5、モル比(SrO+BaO)/(MgO+CaO)が0〜1、モル比MgO/Alが0〜1、モル比CaO/Alが0〜3、モル比B/SiOが0〜0.3であり、実質的にアルカリ金属酸化物(LiO、NaO、KO)、As、Sb、PbO、及びBiを含有せず、比ヤング率が29GPa/(g/cm)以上、30〜380℃における熱膨張係数が30〜50×10−7/℃、密度が2.6g/cm以下、液相粘度が105.0dPa・s以上、幅寸法が500mm以上、長さ寸法が500mm以上、板厚が400μm以下であることを特徴とする。ここで、「SrO+BaO」は、SrOとBaOの合量を指す。「MgO+CaO」は、MgOとCaOの合量を指す。「実質的に〜を含有しない」とは、ガラス組成中の対象成分の含有量が0.1モル%未満の場合を指す。例えば、「実質的にAsを含有しない」とは、ガラス組成中のAsの含有量が0.1モル%未満の場合を指す。
【0020】
第十に、本発明の液晶レンズ用ガラス基板は、ガラス組成として、mol%で、SiO 45〜75%、Al 5〜15%、B 0〜15%、MgO 0〜15%、CaO 0〜15%を含有し、モル比MgO/CaOが0〜1.5、モル比(SrO+BaO)/(MgO+CaO)が0〜1、モル比MgO/Alが0〜1、モル比CaO/Alが0〜3、モル比B/SiOが0〜0.3であり、実質的にアルカリ金属酸化物、As、Sb、PbO、及びBiを含有せず、比ヤング率が29GPa/(g/cm)以上、30〜380℃における熱膨張係数が30〜50×10−7/℃、密度が2.6g/cm以下、液相粘度が105.0dPa・s以上、板厚が400μm以下であることを特徴とする。
【0021】
第十一に、本発明の液晶レンズは、上記何れかの液晶レンズ用ガラス基板を備えてなることを特徴とする。
【0022】
第十二に、本発明のガラス基板は、板厚が400μm以下であり、且つ比ヤング率が29GPa/(g/cm)以上であることを特徴とする。なお、本発明のガラス基板は、液晶レンズ用途に特に好適であるが、液晶レンズ以外の有機ELディスプレイの基板用途等に適用してもよい。
【0023】
第十二に、本発明のガラス基板は、液晶レンズに用いることが好ましい。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の液晶レンズ用ガラス基板は、ガラス組成として、mol%で、SiO 45〜75%、Al 5〜15%、B 0〜15%、MgO 0〜15%、CaO 0〜15%を含有する。上記のように各成分の含有範囲を限定した理由を以下に示す。
【0025】
SiOの含有量は45〜75%であり、好ましくは50〜73%、より好ましくは55〜72%、更に好ましくは60〜70%である。SiOの含有量が少な過ぎると、低密度化を図り難くなる。一方、SiOの含有量が多過ぎると、高温粘度が不当に高くなり、溶融性が低下することに加えて、ガラス中に失透結晶(クリストバライト)等の欠陥が生じ易くなる。
【0026】
Alの含有量は5〜15%である。Alの含有量が少な過ぎると、ヤング率や耐熱性を高め難くなり、また高温粘性が不当に高くなり、溶融性が低下し易くなる。よって、Alの好適な下限範囲は7%以上、9%以上、10%以上、11%以上、特に12%以上である。一方、Alの含有量が多過ぎると、液相温度が高くなり、耐失透性が低下し易くなる。よって、Alの好適な上限範囲は14.5%以下、14%以下、13.5%以下、特に13%以下である。
【0027】
は、融剤として働き、高温粘性を下げて、溶融性を高める成分であり、その含有量は0〜15%である。Bの含有量が多過ぎると、ヤング率の低下により、比ヤング率を高め難くなり、また耐熱性や耐候性が低下し易くなる。よって、Bの好適な上限範囲は11%以下、8%以下、5%以下、3%以下、1%以下、特に0.5%以下である。なお、Bの含有量が少ないと、高温粘性が高くなり、泡品位が低下する傾向があり、更には密度が上昇する傾向がある。
【0028】
MgOの含有量は0〜15%である。MgOは、歪点を低下させずに、高温粘性を下げて、溶融性を高める成分であり、またアルカリ土類金属酸化物の中では、密度を下げる効果が最も大きい成分であり、更にヤング率を高める効果が大きい成分である。しかし、MgOの含有量が多過ぎると、液相温度が上昇して、耐失透性が低下し易くなる。よって、MgOの好適な上限範囲は12%以下、10%以下、特に9%以下であり、MgOの好適な下限範囲は1%以上、1.5%以上、3%以上、3.5%以上、4%以上、6%以上、特に7.5%以上である。
【0029】
CaOの含有量は0〜15%である。CaOは、歪点を低下させずに、高温粘性を下げて、溶融性を顕著に高める成分である。また、アルカリ土類金属酸化物の中で、CaOの含有量を相対的に増加させると、ガラスを低密度化し易くなる。しかし、CaOの含有量が多過ぎると、熱膨張係数や密度が不当に高くなり、またガラス組成の成分バランスが損なわれて、耐失透性が低下し易くなる。よって、CaOの好適な上限範囲は13%以下、12%以下、11%以下、10.5%以下、9%以下、特に8%以下であり、CaOの好適な下限範囲は1%以上、3%以上、4%以上、5%以上、特に5.5%以上である。
【0030】
上記成分以外にも、例えば、以下の成分を添加してもよい。
【0031】
SrOは、歪点を低下させずに、高温粘性を下げて、溶融性を高める成分であるが、SrOの含有量が多くなると、密度や熱膨張係数が上昇し易くなる。また、SrOの含有量が多くなると、Siの熱膨張係数に整合させるために、CaOやMgOの含有量を相対的に低下しなければならず、その含有量の低下に起因して、耐失透性が低下したり、ヤング率が低下したり、高温粘性が上昇する事態を招き易くなる。よって、SrOの含有量は0〜10%、0〜5%、0〜3%、0〜1.8%、0〜1.4%、0〜1%、特に0〜0.5%が好ましい。
【0032】
BaOは、歪点を低下させずに、高温粘性を下げて、溶融性を高めたり、耐失透性を高める成分である。BaOの含有量が多くなると、密度や熱膨張係数が上昇し易くなる。また、BaOの含有量が多くなると、Siの熱膨張係数に整合させるために、CaOやMgOの含有量を相対的に低下しなければならず、結果として、耐失透性が低下したり、ヤング率が低下したり、高温粘性が上昇する事態を招き易くなる。よって、BaOの含有量は0〜10%が好ましい。また、BaOの好適な上限範囲は8%以下、6%以下、5%以下、特に3%以下であり、好適な下限範囲は0.5%以上、1%以上、1.5%以上、特に2%以上である。
【0033】
モル比MgO/CaOは0〜1.5が好ましい。この値が大きい程、ヤング率が高くなり、また高温粘性が低下する傾向があるが、この値が大き過ぎると、ガラスが失透し易くなる。よって、モル比MgO/CaOの好適な上限範囲は1.4以下であり、好適な下限範囲は0.2以上、0.4以上、0.6以上、0.8以上、特に1以上である。
【0034】
モル比(SrO+BaO)/(MgO+CaO)は0〜1が好ましい。この値が大きい程、耐失透性が向上する傾向があるが、この値が大き過ぎると、高温粘性、密度、熱膨張係数が高くなり過ぎたり、比ヤング率が低下する虞がある。よって、モル比(SrO+BaO)/(MgO+CaO)の好適な上限範囲は0.8以下、0.6以下、0.5以下、0.45以下、0.4以下、0.35以下であり、好適な下限範囲は0.05以上、0.1%以上、0.15以上、0.2以上、0.25以上、特に0.3以上である。
【0035】
モル比MgO/Alは0〜1が好ましい。この値が大きい程、ヤング率が高くなり、また高温粘性が低下する傾向があるが、この値が大き過ぎると、耐失透性が低下したり、密度や熱膨張係数が高くなり過ぎる。よって、モル比MgO/Alの好適な上限範囲は0.9以下、0.8以下、0.75以下、特に0.7以下であり、好適な下限範囲は0.2以上、0.3以上、特に0.5以上である。
【0036】
モル比CaO/Alは0〜3が好ましい。この値が大きい程、ヤング率が高くなり、また高温粘性が低下する傾向があるが、この値が大き過ぎると、液相粘度が極端に高くなったり、密度や熱膨張係数が高くなり過ぎる。モル比CaO/Alの好適な上限範囲は2以下、1.5以下、1以下、0.8以下、特に0.6以下であり、好適な下限範囲は0.1以上、0.2以上、0.3以上、0.4以上、特に0.5以上である。
【0037】
モル比B/SiOは0〜0.3が好ましい。この値が大きい程、高温粘度が低下して、溶融性が向上したり、密度が低下したり、液相温度が低下する傾向がある。しかしこの値が大き過ぎると、歪点、ヤング率が低下し易くなる。よって、モル比B/SiOの好適な上限範囲は0.25以下、0.2以下、0.15以下、特に0.1以下である。
【0038】
MgO+CaO+SrO+BaOは、液相温度を下げて、ガラス中に結晶異物を発生させ難くする成分であり、また溶融性や成形性を高める成分であり、その含有量は0〜25%、3〜20%、5〜19%、10〜19%、12%〜19%、12.5〜19%、特に14〜19%が好ましい。MgO+CaO+SrO+BaOの含有量が少な過ぎると、融剤としての働きを十分に発揮できず、溶融性が低下し易くなることに加えて、熱膨張係数が低くなり過ぎて、Siの熱膨張係数に整合させ難くなる。一方、MgO+CaO+SrO+BaOの含有量が多過ぎると、密度が上昇して、低密度化を図り難くなることに加えて、比ヤング率が低下し易くなり、更には熱膨張係数が不当に高くなる虞がある。なお、「MgO+CaO+SrO+BaO」は、MgO、CaO、SrO、及びBaOの合量である。
【0039】
清澄剤は、泡品位を高めるために用いる成分である。従来、清澄剤として、As、Sbが使用されていた。しかし、As、Sbは、環境負荷物質であり、環境的観点から、これらの使用量を削減することが望ましい。そこで、清澄剤として、SnOを用いると、環境的要請に配慮しつつ、泡品位を高めることができる。SnOは、高温域で良好な清澄作用を発揮する成分であると共に、高温粘性を低下させる成分であり、その含有量は0〜1%、0.001〜1%、0.01〜0.5%、特に0.05〜0.3%が好ましい。SnOの含有量が多過ぎると、SnOの失透結晶がガラス中に析出し易くなる。なお、SnOの含有量が0.001%より少ないと、上記の効果を享受し難くなる。
【0040】
As、Sbも清澄剤として有効に作用し、本発明は、これらの成分の含有を完全に排除するものではないが、環境的観点から、これらの成分の含有量をそれぞれ0.1%未満、特に0.05%未満に規制することが好ましい。また、F、Cl等のハロゲンは、溶融温度を低温化すると共に、清澄剤の作用を促進させる効果がある。よって、ハロゲンを添加すれば、溶融コストを低廉化しつつ、ガラス製造窯の長寿命化を図ることができる。しかし、F、Clの含有量が多過ぎると、液晶レンズ用ガラス基板上に形成される金属の配線パターンを腐食させる場合がある。このため、F、Clの含有量は各々1%以下、0.5%以下、0.1%未満、0.05%以下、特に0.01%以下が好ましい。
【0041】
ガラス特性を損なわない範囲で、清澄剤として、CeO、SO、C、金属粉末(例えばAl、Si等)を添加してもよい。
【0042】
ZnOは、溶融性を高める成分であるが、その含有量が多過ぎると、ガラスが失透し易くなると共に、歪点が低下し易くなる上、密度も上昇し易くなる。よって、ZnOの含有量は0〜10%、0〜5%、0〜3%、0〜0.5%、0〜0.3%、特に0〜0.1%が好ましい。
【0043】
ZrOは、耐候性を高める成分であるが、その含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなることに加えて、誘電率や誘電正接が上昇し易くなる。よって、ZrOの含有量は0〜5%、0〜3%、0〜0.5%、特に0.01〜0.2%が好ましい。また、耐失透性の向上を優先する場合は、ZrOの含有量を0.01%以下に規制することが好ましい。
【0044】
TiOは、高温粘性を下げて、溶融性を高める成分であると共に、ソラリゼーションを抑制する成分であるが、ガラス組成中に多く添加すると、ガラスが着色し、透過率が低下し易くなる。よって、TiOの含有量は0〜5%、0〜3%、0〜1%、特に0〜0.02%が好ましい。
【0045】
は、耐失透性を高める成分であるが、ガラス組成中に多く添加すると、ガラス中に分相、乳白が生じ易くなることに加えて、耐水性が顕著に低下する虞がある。よって、Pの含有量は0〜5%、0〜1%、特に0〜0.5%が好ましい。
【0046】
、Nb、Laは、歪点を高める働きがあるが、これらの含有量が多過ぎると、密度が上昇し易くなる。よって、Y、Nb、Laの含有量は、各々0〜3%、0〜1%、特に0〜0.1%が好ましい。
【0047】
アルカリ金属酸化物の含有量が多くなると、熱膨張係数が高くなったり、歪点が低下したり、TFTの特性が劣化する。よって、アルカリ金属酸化物の含有量は0〜6%、0〜3%、0〜1%、特に0〜0.1%が好ましい。更に、実質的にアルカリ金属酸化物を含有しないことが望ましい。
【0048】
環境的観点から、PbO、Biを実質的に含有しないことが好ましい。
【0049】
各成分の好適な含有範囲を適宜選択して、好適なガラス組成範囲を構築することは当然に可能であるが、その中でも、以下のガラス組成範囲が、耐失透性、密度、比ヤング率、高温粘性、環境的要請等の観点から、特に好ましい。
【0050】
(1)mol%で、SiO 50〜75%、Al 7〜15%、B 0〜11%、MgO 0〜10%、CaO 0〜12%を含有し、モル比MgO/CaOが0〜1.5、モル比(SrO+BaO)/(MgO+CaO)が0〜0.5、モル比MgO/Alが0〜0.8、モル比CaO/Alが0〜1.5、モル比B/SiOが0〜0.2であり、実質的にアルカリ金属酸化物、As、Sb、PbO、及びBiを含有しない。
【0051】
(2)mol%で、SiO 55〜73%、Al 9〜15%、B 0〜8%、MgO 1.5〜10%、CaO 3〜10.5%を含有し、モル比MgO/CaOが0.2〜1.4、モル比(SrO+BaO)/(MgO+CaO)が0.1〜0.5、モル比MgO/Alが0.2〜0.8、モル比CaO/Alが0.2〜1、モル比B/SiOが0〜0.2であり、実質的にアルカリ金属酸化物、As、Sb、PbO、及びBiを含有しない。
【0052】
(3)mol%で、SiO 60〜73%、Al 10〜15%、B 0〜5%、MgO 2〜10%、CaO 3〜8%を含有し、モル比MgO/CaOが0.6〜1.4、モル比(SrO+BaO)/(MgO+CaO)が0.15〜0.45、モル比MgO/Alが0.2〜0.8、モル比CaO/Alが0.2〜0.6、モル比B/SiOが0〜0.2であり、実質的にアルカリ金属酸化物、As、Sb、PbO、及びBiを含有しない。
【0053】
(4)mol%で、SiO 60〜73%、Al 11〜15%、B 0〜3%、MgO 3〜9%、CaO 3〜8%を含有し、モル比MgO/CaOが0.8〜1.4、モル比(SrO+BaO)/(MgO+CaO)が0.15〜0.4、モル比MgO/Alが0.3〜0.75、モル比CaO/Alが0.3〜0.6、モル比B/SiOが0〜0.15であり、実質的にアルカリ金属酸化物、As、Sb、PbO、及びBiを含有しない。
【0054】
(5)mol%で、SiO 60〜72%、Al 12〜15%、B 0〜3%、MgO 6〜9%、CaO 5〜8%を含有し、モル比MgO/CaOが1〜1.4、モル比(SrO+BaO)/(MgO+CaO)が0.15〜0.3、モル比MgO/Alが0.5〜0.75、モル比CaO/Alが0.4〜0.6、モル比B/SiOが0〜0.1であり、実質的にアルカリ金属酸化物、As、Sb、PbO、及びBiを含有しない。
【0055】
(6)mol%で、SiO 60〜72%、Al 12〜15%、B 0〜3%、MgO 7.5〜9%、CaO 5〜8%を含有し、モル比MgO/CaOが1〜1.4、モル比(SrO+BaO)/(MgO+CaO)が0.15〜0.3、モル比MgO/Alが0.5〜0.7、モル比CaO/Alが0.4〜0.6、モル比B/SiOが0〜0.1であり、実質的にアルカリ金属酸化物、As、Sb、PbO、及びBiを含有しない。
【0056】
本発明の液晶レンズ用ガラス基板において、板厚は400μm以下であり、300μm以下、200μm以下、特に100μm以下が好ましい。板厚が小さい程、3Dディスプレイで立体視できる視野角が広がると共に、ガラス基板が軽量になるため、デバイスを軽量化することができる。更に、ガラス基板の可撓性が向上するため、デバイスに可撓性を付与し易くなり、ロールtoロールプロセスで液晶レンズを製造することも可能になる。
【0057】
本発明の液晶レンズ用ガラス基板において、長さ、幅寸法は各々500mm以上、700mm以上、特に1000mm以上が好ましく、また3000mm以下、特に2500mm以下が好ましい。長さ、幅寸法が大きい程、大型3Dディスプレイの作製が可能になるが、長さ、幅寸法が大き過ぎると、撓み量が大きくなり過ぎて、ガラス基板が破損し易くなる。
【0058】
本発明の液晶レンズ用ガラス基板において、表面粗さRaは50Å以下、30Å以下、10Å以下、5Å以下、3Å以下、特に2Å以下が好ましい。表面粗さRaが大きいと、ガラス基板上に形成されるITO等の膜の品位が低下して、デバイスが表示不良を引き起こす虞がある。ここで、「表面粗さRa」は、JIS B0601:2001に準拠した方法により測定した値を指す。
【0059】
本発明の液晶レンズ用ガラス基板において、密度は2.7g/cm以下、2.68g/cm以下、2.66g/cm以下、2.63g/cm以下、2.61g/cm以下、2.59g/cm以下、2.57g/cm以下、特に2.55g/cm以下が好ましい。密度が大きいと、ガラスを軽量化し難くなる。
【0060】
本発明の液晶レンズ用ガラス基板において、熱膨張係数は30〜50×10−7/℃、32〜50×10−7/℃、35〜50×10−7/℃、37〜50×10−7/℃、38〜49×10−7/℃、特に38〜46×10−7/℃が好ましい。熱膨張係数が上記範囲外になると、透明導電膜やパターニング等の膜との熱膨張係数差に起因して、ガラス基板に反りが発生し易くなる。またディスプレイデバイス側の基板と貼り合わせることが困難になる。
【0061】
本発明の液晶レンズ用ガラス基板において、歪点は650℃以上、670℃以上、690℃以上、700℃以上、715℃以上、720℃以上、特に730℃以上が好ましい。歪点が高くなると、ガラス基板上に導電膜のパターニング等を行った場合でも、ガラス基板の寸法変化が小さくなる。このため、ガラス基板の両面に高精度のパターニングを行うことが可能になる。
【0062】
本発明の液晶レンズ用ガラス基板において、液相温度は1320℃以下、1290℃以下、1250℃以下、1220℃以下、1190℃以下、特に1170℃以下が好ましい。このようにすれば、ガラス中に失透結晶が発生し難くなるため、オーバーフローダウンドロー法等により、板厚400μm以下のガラス基板を成形し易くなる。結果として、ガラス基板の表面品位を高めつつ、ガラス基板の製造コストを低廉化することができる。なお、液相温度は、耐失透性の指標である。液相温度が低い程、耐失透性に優れる。
【0063】
本発明の液晶レンズ用ガラス基板において、液相粘度は104.0dPa・s以上、104.3dPa・s以上、104.5dPa・s以上、104.7dPa・s以上、105.0dPa・s以上、105.3dPa・s以上、特に105.5dPa・s以上が好ましい。このようにすれば、成形時にガラス中に失透結晶が発生し難くなるため、オーバーフローダウンドロー法等により、板厚400μm以下のガラス基板を成形し易くなる。結果として、液晶レンズ用ガラス基板の表面品位を高めつつ、液晶レンズ用ガラス基板の製造コストを低廉化することができる。なお、液相粘度は、成形性の指標であり、液相粘度が高い程、成形性に優れる。
【0064】
高温溶融は、一般的に、ガラス溶融窯の負担を増加させる。ガラス溶融窯に使用されるアルミナやジルコニア等の耐火物は、高温になる程、溶融ガラスに激しく浸食される。耐火物の浸食量が多くなると、ガラス溶融窯のライフサイクルが短くなるため、ガラス基板の製造コストが高騰する。また、高温溶融の場合、ガラス溶融窯の構成部材に高耐熱性の構成部材を使用する必要があるため、ガラス溶融窯の構成部材が割高になり、結果として、溶融コストが高騰する。更に、高温溶融は、ガラス溶融窯の内部を高温に保持する必要があるため、低温溶融に比べて、ランニングコストが高騰する。よって、102.5dPa・sにおける温度は1650℃以下、1640℃以下、1620℃以下、1600℃以下、特に1580℃以下が好ましい。102.5dPa・sにおける温度が高過ぎると、ガラス基板の製造コストが高騰することに加えて、泡品位が低下し易くなる。
【0065】
本発明の液晶レンズ用ガラス基板において、比ヤング率は29GPa/(g/cm)以上、30GPa/(g/cm)以上、30.5GPa/(g/cm)以上、31GPa/(g/cm)以上、特に31.5GPa/(g/cm)以上が好ましい。比ヤング率が高い程、大型、薄肉のガラス基板が自重で撓み難くなる。
【0066】
3Dディスプレイの構成として、LCDと液晶レンズ、OLEDと液晶レンズの組み合わせ等が考えられる。この場合、それぞれのデバイスを作製した後にお互いを貼り合わせるプロセスを採用することが好ましい。このようにすれば、それぞれのデバイスの不良品を事前に取り除くことが可能になり、3Dディスプレイの製造歩留まりを高めることが可能になる。一方、このようにすれば、LCD、OLEDの対向基板の厚みが付加されるため、3Dの視野角が狭くなる虞がある。この場合、本発明の液晶レンズ用ガラス基板にレンズデバイスのパターニングを行った後、同ガラス基板の裏面にCF等を形成した上で、LCDやOLEDの対向基板とすることが好ましい。このような構造であれば、画素−レンズ間の距離が実質的に液晶レンズ用ガラス基板の厚みとなり、3Dディスプレイの視野角を高めることが可能になる。
【0067】
本発明の液晶レンズ用ガラス基板は、所定のガラス組成になるように調合したガラスバッチを連続式ガラス溶融窯に投入し、このガラスバッチを加熱溶融した後、得られた溶融ガラスを清澄し、成形装置に供給した上で薄板形状等に成形することにより作製することができる。
【0068】
本発明の液晶レンズ用ガラス基板は、オーバーフローダウンドロー法で成形されてなることが好ましい。このようにすれば、未研磨で表面品位が良好なガラス基板を作製することができる。その理由は、オーバーフローダウンドロー法の場合、ガラス基板の表面となるべき面は樋状耐火物に接触せず、自由表面の状態で成形されるからである。樋状構造物の構造や材質は、所望の寸法や表面品位を実現できる限り、特に限定されない。また、下方への延伸成形を行う際に、ガラスに力を印加する方法は、所望の寸法や表面品位を実現できる限り、特に限定されない。例えば、充分に大きい幅を有する耐熱性ロールをガラスに接触させた状態で回転させて延伸する方法、或いは複数の対になった耐熱性ロールをガラスの端面近傍のみに接触させて延伸する方法を採用することができる。なお、液相温度が低く、或いは液相粘度が高い程、オーバーフローダウンドロー法により、板厚400μm以下のガラス基板を成形し易くなる。
【0069】
オーバーフローダウンドロー法以外に、他の成形方法を採用してもよい。例えば、スロットダウンドロー法、リドロー法、フロート法等を採用することができる。
【0070】
本発明のガラス基板は、板厚が400μm以下であり、且つ比ヤング率が29GPa/(g/cm)以上であることを特徴とし、液晶レンズに用いることが好ましい。本発明のガラス基板の技術的特徴(好適な組成、好適な特性、効果)は、本発明の液晶レンズ用ガラス基板の技術的特徴と同様になる。ここでは、本発明のガラス基板の技術的特徴について、詳細な説明を省略する。
【実施例1】
【0071】
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。なお、以下の実施例は単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
【0072】
表1〜5は、本発明の実施例(試料No.1〜34)を示している。
【0073】
【表1】

【0074】
【表2】

【0075】
【表3】

【0076】
【表4】

【0077】
【表5】

【0078】
次のようにして、試料No.1〜35を作製した。まず表中のガラス組成になるように調合したガラスバッチを白金坩堝に入れ、1600℃で24時間溶融した後、カーボン板上に流し出して平板形状に成形した。次に、得られた各試料について、密度ρ、熱膨張係数α、歪点Ps、徐冷点Ta、軟化点Ts、10dPa・sにおける温度、10dPa・sにおける温度、102.5dPa・sにおける温度、液相温度TL、液相粘度log10ηTL、ヤング率、比ヤング率、剛性率を評価した。
【0079】
密度ρは、周知のアルキメデス法で測定した値である。
【0080】
熱膨張係数αは、ディラトメーターで測定した値であり、30〜380℃の温度範囲における平均値である。
【0081】
歪点Ps、徐冷点Ta、軟化点Tsは、ASTM C336に基づいて測定した値である。
【0082】
104.0dPa・sにおける温度、103.0dPa・sにおける温度、102.5dPa・sにおける温度は、白金球引き上げ法で測定した値である。
【0083】
液相温度TLは、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れた後、この白金ボートを温度勾配炉中に24時間保持して、結晶が析出する温度を測定した値である。
【0084】
液相粘度log10ηTLは、液相温度TLにおけるガラスの粘度を白金球引き上げ法で測定した値である。
【0085】
ヤング率、剛性率は、周知の共振法で測定した値である。
【0086】
表1〜5から明らかなように、試料No.1〜35は、ガラス組成が所定範囲に規制されているため、密度ρが2.66g/cm以下、熱膨張係数αが38〜46×10−7/℃、歪点Psが712℃以上、102.5dPa・sにおける温度が1653℃以下、液相温度TLが1229℃以下、液相粘度log10ηTLが4.7以上、ヤング率が78GPa以上、比ヤング率が29.7GPa/(g/cm)以上であった。特に、試料No.1〜35は、耐失透性が良好であるため、板厚400μm以下に成形し易く、更に比ヤング率が大きいため、板厚が400μm以下の場合でも、ガラス基板が撓み難い。よって、試料No.1〜35は、液晶レンズ用ガラス基板として好適であると考えられる。なお、試料No.1〜35は、ガラス組成中にAs、Sbを含有していないが、SnOを含むため、泡品位が良好であった。
【実施例2】
【0087】
試験溶融炉で試料No.6、34に対応するガラスバッチを溶融した後、オーバーフローダウンドロー法により、板幅1500mm、板厚250μmの液晶レンズ用ガラス基板を成形した。その結果、液晶レンズ用ガラス基板の表面粗さRaは20Å以下であった(表1、5参照)。なお、成形に際し、引っ張りローラーの速度、冷却ローラーの速度、加熱装置の温度分布、溶融ガラスの温度、溶融ガラスの流量、板引き速度、攪拌スターラーの回転数等を適宜調整することで、液晶レンズ用ガラス基板の表面品位を調節した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス組成として、mol%で、SiO 45〜75%、Al 5〜15%、B 0〜15%、MgO 0〜15%、CaO 0〜15%を含有し、且つ板厚が400μm以下であることを特徴とする液晶レンズ用ガラス基板。
【請求項2】
比ヤング率が29GPa/(g/cm)以上であることを特徴とする請求項1に記載の液晶レンズ用ガラス基板。
【請求項3】
歪点が650℃以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶レンズ用ガラス基板。
【請求項4】
密度が2.7g/cm以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の液晶レンズ用ガラス基板。
【請求項5】
102.5dPa・sにおける温度が1650℃以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の液晶レンズ用ガラス基板。
【請求項6】
液相粘度が104.0dPa・s以上であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の液晶レンズ用ガラス基板。
【請求項7】
30〜380℃における熱膨張係数が30〜50×10−7/℃であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の液晶レンズ用ガラス基板。
【請求項8】
オーバーフローダウンドロー法で成形されてなることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の液晶レンズ用ガラス基板。
【請求項9】
ガラス組成として、mol%で、SiO 45〜75%、Al 5〜15%、B 0〜15%、MgO 0〜15%、CaO 0〜15%を含有し、モル比MgO/CaOが0〜1.5、モル比(SrO+BaO)/(MgO+CaO)が0〜1、モル比MgO/Alが0〜1、モル比CaO/Alが0〜3、モル比B/SiOが0〜0.3であり、実質的にアルカリ金属酸化物、As、Sb、PbO、及びBiを含有せず、比ヤング率が29GPa/(g/cm)以上、30〜380℃における熱膨張係数が30〜50×10−7/℃、密度が2.6g/cm以下、液相粘度が105.0dPa・s以上、幅寸法が500mm以上、長さ寸法が500mm以上、板厚が400μm以下であることを特徴とする液晶レンズ用ガラス基板。
【請求項10】
ガラス組成として、mol%で、SiO 45〜75%、Al 5〜15%、B 0〜15%、MgO 0〜15%、CaO 0〜15%を含有し、モル比MgO/CaOが0〜1.5、モル比(SrO+BaO)/(MgO+CaO)が0〜1、モル比MgO/Alが0〜1、モル比CaO/Alが0〜3、モル比B/SiOが0〜0.3であり、実質的にアルカリ金属酸化物、As、Sb、PbO、及びBiを含有せず、比ヤング率が29GPa/(g/cm)以上、30〜380℃における熱膨張係数が30〜50×10−7/℃、密度が2.6g/cm以下、液相粘度が105.0dPa・s以上、板厚が400μm以下であることを特徴とする液晶レンズ用ガラス基板。
【請求項11】
請求項1〜10の何れか一項に記載の液晶レンズ用ガラス基板を備えてなることを特徴とする液晶レンズ。
【請求項12】
板厚が400μm以下であり、且つ比ヤング率が29GPa/(g/cm)以上であることを特徴とするガラス基板。
【請求項13】
液晶レンズに用いることを特徴とする請求項12に記載のガラス基板。

【公開番号】特開2012−236759(P2012−236759A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−92857(P2012−92857)
【出願日】平成24年4月16日(2012.4.16)
【出願人】(000232243)日本電気硝子株式会社 (1,447)
【Fターム(参考)】