説明

液晶化合物および液晶媒体

【課題】液晶化合物および液晶媒体を提供する。
【解決手段】本発明は、2個のフッ素化ビフェニル単位、末端トリフルオロメチルまたはトリフルオロメトキシ基、および、この2個のフッ素化ビフェニル単位の間の−CFO−ブリッジを有する液晶化合物に関する。また、本発明は、それらを用いて調製される液晶媒体、およびこれらの媒体を含有する液晶ディスプレイ装置(LCディスプレイ)にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2個のフッ素化ビフェニル単位、末端トリフルオロメチルまたはトリフルオロメトキシ基、および、この2個のフッ素化ビフェニル単位の間の−CFO−ブリッジを有する液晶化合物に関する。また、本発明は、それらを用いて調製される液晶媒体、およびこれらの媒体を含有する液晶ディスプレイ装置(LCディスプレイ)にも関する。
【背景技術】
【0002】
情報を表示するために、LCディスプレイにおいて液晶媒体が長らく使用されてきた。例えば、ドイツ国特許出願公開第10353658号公報(特許文献1)および欧州特許出願公開第1454975号公報(特許文献2)において、4個の環および1個の−CFO−ブリッジを有する高極性化合物がディスプレイ装置用として既に提案されている。米国特許出願公開第2009/0059157号公報(特許文献3)には、光学的等方性ブルー相において動作するLCディスプレイが開示されている。
【0003】
当業者に良く知られているネマチック液晶を用いるディスプレイに加え、ブルー相を有する媒体を基礎とする用途も次第に開発されてきている。これらは、特に、短い応答時間によって際立っている。液晶ブルー相の電気光学的効果を利用するディスプレイ用途においては、特に、パラメータΔεおよびΔnが極めて重要である。
【0004】
これらの相における高速スイッチング動作のための原理は、所謂カー効果である。カー効果は、外部電界によって引き起こされる光学的に透明および等方な材料の複屈折における変化である。複屈折における変化は、以下の式によって与えられる:
【0005】
【数1】

式中、Δninducedは誘発される複屈折であり、Kはカー定数であり、Eは印加される電界である。λは波長を表す。ブルー相における材料については、異常に高いカー定数が観測される。
【0006】
Kikuchiらは、LC材料の特性に対するカー定数の依存性を記載している[H.Kikuchiら、Appl.Phys.Lett.2008年、92巻、043119頁(非特許文献1)]。それによれば、カー定数は、液晶媒体の複屈折率および誘電異方性の積に比例する:
【0007】
【数2】

高速スイッチングプロセスおよび低いスイッチング電圧のためには、高い値のカー定数、よって、高い値の積Δn・Δεを有する材料が必要である。
【0008】
特開2003−261478号公報(特許文献4)、欧州特許出願公開第1046693号公報(特許文献5)および特開2002−327175号公報(特許文献6)には、式−CF−O−のブリッジ基によって接続されておりフッ素化されていてもよい2個のビフェニル基を含有するLC成分の構造式が開示されている。この構造式は、反対側の末端位において、それぞれの場合で、非極性基(例えば、アルキル)および極性基(例えば、F、OCF、CF、Clなど)によって置換されている。これらの化合物と本発明の化合物は、フッ素化の位置および/または末端極性置換基の性質が異なっているため、この文献は本発明による化合物を一切開示していない。加えて、類似の化合物に対して、液晶媒体に対する化合物の適性を結論付ける物理的データが開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】ドイツ国特許出願公開第10353658号公報
【特許文献2】欧州特許出願公開第1454975号公報
【特許文献3】米国特許出願公開第2009/0059157号公報
【特許文献4】特開2003−261478号公報
【特許文献5】欧州特許出願公開第1046693号公報
【特許文献6】特開2002−327175号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】H.Kikuchiら、Appl.Phys.Lett.2008年、92巻、043119頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、液晶媒体における使用のための有利な特性を有する化合物を提供することである。特に、化合物は、ポリマー安定化されたブルー相を有する媒体を使用するディスプレイにおける使用に適していなければならない。本明細書においては、高速スイッチングを可能とし、良好な電圧保持率(VHR)を有し、スイッチングプロセスのために低い電圧(Vop)を必要とし、高い透明点を有し、低いヒステリシスを示し、低いメモリー効果を有し、光および熱への曝露に対して安定な材料が要求される。加えて、個々の化合物は、ネマチックLC媒体において適度な溶解性を有しているか、それら自身で広いネマチック相範囲を有していなければならない。
【0012】
更に、本発明の目的は、混合物の電気抵抗および混合物の長期安定性を増加するために、エステル化合物またはニトリル類を本質的に含まない液晶媒体を提供することである。光学的等方ブルー相における動作のために現在までに既知の液晶媒体は、しばしば依然として、例えば、下式の化合物を含むが、この化合物は、同様の物理的特性および更に顕著な安定性を有する化合物によって置き換えられるべきである。
【0013】
【化1】

式中、nは3〜5である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的は、一般式Iの化合物によって本発明に従い達成される。また、驚くべきことに、本発明による化合物を用いることにより、適切なネマチック相範囲、高い誘電異方性Δεおよび高いΔnを有し、先行技術の材料の不具合を有していないか、少なくとも著しく低減された程度にのみ有する液晶媒体を達成することができることも見出された。実質的には、純粋にネマチックディスプレイ用の高極性物質にも同一の要求がある。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は式Iの化合物に関する。
【0016】
【化2】

式中、
は、HまたはF、好ましくは、Hを表し、
は、1〜15個のC原子を有する無置換のアルキル基を表し、ただし加えて、この基における1個以上のCH基は、それぞれ互いに独立に、O原子が互いに直接連結しないようにして、−C≡C−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CF=CH−、−CH=CF−、−(CO)O−、−O(CO)−、−(CO)−または−O−により置き換えられていてもよく、および
は、CFまたはOCF、好ましくは、CFを表す。
【0017】
本発明による化合物は、比較的高い透明点、極めて高い誘電異方性(Δε)、高い光学異方性(Δn)および低い回転粘度を有する。本発明による化合物は、単独または更なるメソゲン成分と混合されて、広い温度範囲にわたりネマチック相を有する。これらの特性により、本発明による化合物は、当業者によく知られている正の誘電異方性を有する媒体により特徴づけられる例えば、TN−TFT、IPS、FFS、「ブルー相」、HT−VAなどのタイプのディスプレイ用の液晶媒体における使用に適するものとなる。本発明による化合物は、ブルー相の領域における媒体における使用に特に適する。
【0018】
基Rは、好ましくは、1〜15個のC原子を有するアルキル基を表し、ただし加えて、この基における1個以上のCH基は、それぞれ互いに独立に、O原子が互いに直接連結しないようにして、−C≡C−、−CH=CH−、−(CO)O−、−O(CO)−、−(CO)−または−O−により置き換えられていてもよい。Rは、特に好ましくは、無置換のアルキル、アルケニルまたはアルコキシ、特に、アルキル、非常に特に好ましくは、1〜12個のC原子を有する直鎖状のアルキルを表す。
【0019】
従って、本発明の具体的な好ましい実施形態は、とりわけ、以下の構造である。
【0020】
【化3】

式中、Rは上で定義される通りであり、好ましくは、式−C2n+1(式中、nは、1、2、3、4、5、6または7、特には、3である。)の直鎖状のアルキル基である。
【0021】
式Iの化合物は、以下の図解的合成例(スキーム1〜3)より明らかな通り、有利に調製できる。
【0022】
式Iの化合物は、特に好ましくは、構築ブロック2をボロン酸類1とパラジウム促進交差カップリング反応する(鈴木カップリング)ことにより調製される。
【0023】
【化4】

【0024】
また、求電子剤および求核剤の役割を交換することもできる(スキーム2)。ボロン酸エステル類4または対応するボロン酸は、従って好ましい出発化合物である。これらを適切な求電子剤3(ただし、Xは、好ましくは、Br、Iまたはトリフレート(OTf)である。)と反応する。
【0025】
【化5】

【0026】
必要な出発材料は、当業者に既知で、例えば、Houben−Weyl著、Methoden der organischen Chemie [Methods of Organic Chemistry]、Thieme−Verlag社、Stuttgart市などの有機化学の標準的な著作に記載される方法に類似して調製できる。
【0027】
出発材料2および4は、スキーム3に示される通り合成される。
【0028】
【化6】

【0029】
最初に、対応する臭化物5よりボロン酸エステル類6を調製する。これは、ビス(ピナコラト)ジボロン(Pin)を使用するパラジウム促進ホウ素化によって行う。次いで、この化合物を4−ブロモ−2−フルオロフェノール7にカップリングさせる(鈴木カップリング)。塩基存在下においてこのフェノール類8をジチアニリウム塩9と反応させ、それぞれの付加物を直接、酸化的に脱硫する[P.Kirsch、M.Bremer、A.Taugerbeck、T.Wallmichrath、Angew.Chem.Int.Ed.2001年、40巻、1480〜1484頁]。これにより、化合物2が得られる。次いで、ビス(ピナコラト)ジボロン(Pin)を使用するパラジウム促進ホウ素化により、化合物4を得る。
【0030】
従って、本発明は、適切な遷移金属触媒の存在下において、式AおよびBの2種類の出発材料を反応させる反応工程を含む式Iの化合物を調製する方法も包含する。
【0031】
【化7】

式中、R、RおよびLは、式Iで定義される通りであり、および
またはXは、−B(OH)、ボロン酸エステルまたはボロン酸塩を表し、他の基は、Cl、Br、Iまたは−O(SO)CFを表す。好ましい遷移金属はパラジウムである。
【0032】
本発明による液晶媒体は、式Iの1種類以上の化合物および任意成分として少なくとも1種類の更なる、好ましくはメソゲン性の化合物を含む。従って、液晶媒体は、好ましくは、2種類以上の化合物を含む。好ましい媒体は、式Iの好ましい化合物を含む。
【0033】
本発明による液晶媒体は、好ましくは、正の誘電異方性を有する。本発明による液晶媒体は、それらが高い光学的異方性と共に非常に高い誘電異方性を有するように設計できる。
【0034】
本発明による液晶媒体のための好ましい更なる化合物は、式IIおよびIIIの化合物より選択される:
【0035】
【化8】

式中、
は、それぞれの場合において互いに独立に、1〜15個のC原子を有する無置換のアルキル基(ただし加えて、この基における1個以上のCH基は、それぞれ互いに独立に、O原子が互いに直接連結しないようにして、−C≡C−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CF=CH−、−CH=CF−、−(CO)O−、−O(CO)−、−(CO)−または−O−により置き換えられていてもよい。)、好ましくは、2〜7個のC原子を有する直鎖状のアルキル基を表し、
、Aは、互いに独立に、
【0036】
【化9】

を表し、
、Zは、互いに独立に、単結合、CFO、CHCH、CFCH、CFCF、CFHCFH、CFHCH、(CO)O、CHO、C≡C、CH=CH、CF=CH、CF=CFを表し、ただし、非対称な結合単位(例えば、CFO)は両方の可能な方向のどちらを向いていてもよく、
は、F、Cl、CN、または、1〜3個のC原子を有しFにより一置換または多置換されているアルキル、アルケニル、アルケニルオキシ、アルキルアルコキシまたはアルコキシを表し、および
〜Lは、HまたはFを表す。
【0037】
液晶媒体は、好ましくは、10および50質量%の間の式Iの化合物を含む。総含有量が10%を超える場合、好ましくは、基Rの鎖長が異なる式Iの2種類以上の化合物を使用する。液晶媒体は、好ましくは、20および40質量%の間の式IIの化合物を含む。式IIIの化合物は、存在するのであれば、好ましくは、20質量%までの量で使用する。残りの他の化合物は、存在するのであれば、高い誘電異方性、高い光学的異方性、および、好ましくは、高い透明点を有する更なる化合物より選択される。
【0038】
好ましくは、式IIおよびIIIの化合物によって補足された高含有量の式Iの化合物により、過度に高い誘電異方性を有する液晶媒体を達成できる。
【0039】
式IIの好ましい化合物は、式IIaの化合物である:
【0040】
【化10】

式中、RおよびLは、式IIで定義される通りである。
【0041】
式IIIの好ましい化合物は、式IIIaまたはIIIbの化合物である:
【0042】
【化11】

式中、Rは式IIIで定義される通りである。
【0043】
本発明は、更に、液晶媒体または電気光学的ディスプレイにおける、好ましくは、光学的に等方な液晶相を有する、好ましくは、ブルー相を有する媒体およびディスプレイにおける、式Iの化合物の使用に関する。この相は、好ましくは、ポリマーによって安定化され、このポリマーは、好ましくは、液晶媒体中において対応するモノマーを重合することで形成される。一般に、媒体のモノマー含有物は、媒体がブルー相にある温度において重合される。よって、この相の安定範囲は広くなっている。ブルー相におけるポリマー安定化媒体のこれまでに達成可能な特性における著しい改良が、本発明による化合物および媒体に関連している。
【0044】
加えて、液晶媒体は、安定剤、キラルドーパントおよびナノ粒子などの更なる添加剤を含むことができる。添加される個々の化合物は、好ましくは、0.1〜6%の濃度において使用される。使用される個々の化合物の濃度は、好ましくは、それぞれの場合において、0.1%〜3%の範囲内である。しかしながら、液晶混合物の他の構成成分、即ち、液晶またはメソゲン化合物、および、適切な場合には重合成分の濃度データは、これらの添加剤の濃度を考慮せずに示される。
【0045】
液晶媒体は、好ましくは、0.01〜10質量%の光学的に活性なキラルドーパントを含む。これは、液晶ブルー相の形成を助ける。ブルー相のためには、好ましくは、高いHTP(「helical twisting power(らせん誘起力)」)を有するキラルドーパントを、典型的には、2〜5質量%の範囲内において使用する。
【0046】
本発明による媒体は、好ましくは、1種類以上の重合性化合物(モノマー)を含むか、または、それらより得られるポリマーによって安定化されており、ここで、重合は、好ましくは、ブルー相において行われる。
【0047】
液晶媒体は、好ましくは0〜10質量%、特には0.01〜5質量%、特に好ましくは0.1〜3質量%の安定剤を含む。媒体は、好ましくは、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール類、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン類または2−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール類より選択される1種類以上の安定剤を含む。これらの補助剤は当業者に既知であり、例えば、光安定剤として商業的に入手可能である。
【0048】
従って、また、本発明の実施形態は、式Iの1種類以上の化合物を、好ましくは、式IIおよびIIIより選択される1種類以上の液晶化合物と、任意成分として1種類以上の更なる化合物と、任意成分として1種類以上の添加剤と混合することを特徴とする液晶媒体を調製する方法である。任意に、引き続き、液晶媒体の重合性成分を重合する。
【0049】
本発明は、更に、電気光学的装置、好ましくは、液晶ディスプレイにおける本発明による化合物または媒体の使用、およびそのような装置自身に関する。ディスプレイは、好ましくは、少なくとも部分的にブルー相(好ましくは、ポリマー安定化ブルー相である。)の領域において動作する。あるいは、媒体およびディスプレイは、好ましくは、ネマチック相においても動作する。
【0050】
本発明によるポリマー安定化装置は、好ましくは、装置自身において、即ち、光電子セルにおいて、媒体の重合性構成成分の重合を行うことによって製造される。
【0051】
本発明による電気光学的ディスプレイ装置の構造は、好ましくは、液晶媒体を封入する2枚の互いに対向する基板と、セル内に設けられた電極とを含むセルより成る。電極は、好ましくは、基板に平行な方向(または、光軸に垂直)の成分を有する電界を液晶媒体中に電極が生成できるように設計される。電極は、好ましくは、くし型電極(交差指電極)として基板の一方に適用される。一方または両方の基板が透明であることが好ましい。ブルー相において動作するディスプレイの場合、電圧を印加することで、光学的に等方な媒体が複屈折性となる。対応して配置された偏光子と共に、光学的なスイッチング動作が達成される。
【0052】
本出願において、用語「誘電的に正」は、Δεが3.0より大きい化合物または成分を記載し、「誘電的に中性」は、Δεが−1.5以上3.0以下の化合物または成分を記載し、「誘電的に負」は、Δεが−1.5未満の化合物または成分を記載する。それぞれの化合物の誘電異方性は、ネマチックホスト混合物中のそれぞれ個々の化合物の10%溶液の結果より決定される。それぞれの化合物のホスト混合物中における溶解度が10%未満の場合、濃度を5%に下げる。テスト混合物の容量は、ホメオトロピック配向のセルにおいて、また、ホモジニアス配向のセルの両方において決定される。両方のセルタイプの場合について、セル厚は約20μmである。印加される電圧は1kHzの周波数、および、典型的には、0.5V〜1.0Vの有効値を有する矩形波であるが、それぞれのテスト混合物に対する容量閾値よりも電圧が低くなるよう常に選択される。
【0053】
誘電的に正の化合物に使用されるホスト混合物は混合物ZLI−4792であり、誘電的に中性および誘電的に負の化合物に使用されるホスト混合物は混合物ZLI−3086であり、両者ともドイツ国メルク社製である。化合物の誘電定数の絶対値は、注目する化合物を添加した際のホスト混合物のそれぞれの値における変化より決定される。その値を、注目する化合物の濃度100%に外挿する。
【0054】
20℃の測定温度においてネマチック相を有する成分および液晶媒体は、そのままで測定され、他の全ては化合物と同様に処理される。
【0055】
本出願において示されるパラメータの範囲は、他に明らかに示さない限り、全て限界値を含む。
【0056】
本出願を通じて、他に明らかに示さない限り、以下の条件および定義を適用する。全ての濃度は質量パーセントで示され、それぞれの場合において、混合物全体に関する。例えば、液晶の融点T(C,N)またはT(C,S)、スメクチック(S)相からネマチック(N)相への転移T(S,N)および透明点T(N,I)などの全ての温度は、摂氏度で示される。全ての温度差は差異度で示される。全ての物理的特性、典型的な液晶の特性は、他に明らかに示さない限り、「Merck Liquid Crystals、Physical Properties of Liquid Crystals」、1997年11月、ドイツ国メルク社に従って決定され、20℃の温度で示される。光学異方性(Δn)は、589.3nmの波長で決定される。誘電異方性(Δε)は、1kHzの周波数で決定される。Δεは(ε−ε)と定義され、一方、εaveは(ε+2ε)/3である。
【0057】
閾電圧および他の全ての電気光学的特性は、ドイツ国メルク社で製造されたテストセルを使用して決定される。Δεの決定のためのテストセルは、約20μmの層厚を有している。電極は、1.13cmの面積および保護リングを有する円形ITO電極である。配向層は、ホメオトロピック配向(ε)用には日本国日産化学社製SE−1211、ホモジニアス配向(ε)用には日本国日本合成ゴム社製ポリイミドAL−1054である。容量値は、0.3Vrmsの電圧を有する正弦波を使用し、Solatron1260周波数応答解析装置を使用して決定する。電気光学的測定において使用される光は、白色光である。ドイツ国Autronic Melchers社製の商業的に入手可能なDMS装置を使用する装置構成を、本明細書において使用する。特性電圧を、垂直観察で決定する。閾値電圧(V10)、「中間灰色電圧」(V50)および飽和電圧(V90)を、それぞれ、10%、50%および90%の相対コントラストで決定する。
【0058】
液晶のダイレクタに垂直および平行な特性の成分に関する値は、磁界中において液晶を配向することで得られる。この目的のために、永久磁石の磁界を使用する。磁界の強度は0.35テスラである。磁石の配置を対応して設定し、次いで、対応して90°回転する。
【0059】
本出願においては、他に明らかに示さない限り、化合物との用語は、1種類の分子と、また、複数種類の分子との両方を表す。
【0060】
用語「アルキル」は、好ましくは、1〜15個の炭素原子を有する直鎖状および分岐状のアルキル基、特に、直鎖状の基であるメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルおよびヘプチルを包含する。2〜10個の炭素原子を有する基が、一般に好ましい。
【0061】
用語「アルケニル」は、好ましくは、2〜15個の炭素原子を有する直鎖状および分岐状のアルケニル基、特に直鎖状の基を包含する。特に好ましいアルケニル基は、C〜C−1E−アルケニル、C〜C−3E−アルケニル、C〜C−4−アルケニル、C〜C−5−アルケニルおよびC−6−アルケニル、特に、C〜C−1E−アルケニル、C〜C−3E−アルケニルおよびC〜C−4−アルケニルである。更に好ましいアルケニル基の例は、ビニル、1E−プロペニル、1E−ブテニル、1E−ペンテニル、1E−ヘキセニル、1E−ヘプテニル、3−ブテニル、3E−ペンテニル、3E−ヘキセニル、3E−ヘプテニル、4−ペンテニル、4Z−ヘキセニル、4E−ヘキセニル、4Z−ヘプテニル、5−ヘキセニル、6−ヘプテニルなどである。5個までの炭素原子を有する基が、一般に好ましい。
【0062】
用語「アルコキシ」は、好ましくは、式C2n+1−O−の直鎖状の基を包含し、ただし、nは1〜10を表し、nは、好ましくは、1〜6である。好ましいアルコキシ基は、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、n−ヘプトキシ、n−オクトキシ、n−ノノキシ、n−デコキシである。
【0063】
用語「オキサアルキル」または「アルコキシアルキル」は、好ましくは、式C2n+1−O−(CHの直鎖状の基を包含し、ただし、nおよびmは、それぞれ互いに独立に、1〜10を表す。好ましくは、nが1で、mが1〜6である。
【0064】
用語「フッ素化アルキル基」は、好ましくは、一フッ素化または多フッ素化された基を包含する。ペルフッ素化された基も含む。CF、CHCF、CHCHF、CHF、CHF、CHFCFおよびCFCHFCFが特に好ましい。
【0065】
用語「フッ素化アルコキシ基」は、好ましくは、一フッ素化または多フッ素化された基を包含する。ペルフッ素化された基も含む。OCFが特に好ましい。
【0066】
本発明による液晶媒体は、複数種類の化合物、好ましくは3〜30種類、より好ましくは4〜20種類、非常に好ましくは4〜16種類の化合物から成る。これらの化合物は、従来の様式において混合される。一般に、より少ない量で使用される化合物の所望の量を、より多い量で使用される化合物中に溶解する。より高濃度において使用される化合物の透明点より温度が高い場合、溶解工程の完了を特に容易に観察できる。しかしながら、他の従来法において、例えば、化合物の同族または共晶混合物であってもよい所謂プレミックスを使用して、または、例えば、それらの構成成分がそれら自身で使用可能な状態の混合物である所謂「マルチボトル」系を使用して媒体を調製することも可能である。
【0067】
本出願において、他に明らかに示さない限り、用語の複数形は、単数形および複数形の両者を表し、逆もまた同様である。
【0068】
また、本記載による本発明の実施形態および変法の更なる組み合わせも特許請求の範囲から生じる。
【0069】
更なる略称:
THF テトラヒドロフラン
MTBE メチルtert−ブチルエーテル
SiO クロマトグラフィー用のシリカゲル
以下の例は、本発明をどのようにも制限することなく説明する。
【0070】
しかしながら、物理的特性は、いかなる特性が達成可能であり、それらをどの範囲で改変できるかを、当業者に明らかにする。よって、特に、好ましく達成できる種々の特性の組み合わせが当業者に対して十分に規定される。
【実施例】
【0071】
<例1>4−[ジフルオロ(3,5,2’−トリフルオロ−4’−プロピルビフェニル−4−イル)メトキシ]−6,3’,5’−トリフルオロ−4’−トリフルオロメチルビフェニル(「GUQGU−3−T」)
【0072】
【化12】

本発明による化合物4−[ジフルオロ(3,5,2’−トリフルオロ−4’−プロピルビフェニル−4−イル)メトキシ]−6,3’,5’−トリフルオロ−4’−トリフルオロメチルビフェニルを下に記載する通り調製する。
【0073】
【化13】

2.60g(14.3mmol)の2−フルオロ−4−プロピルベンゼンボロン酸、7.0g(13.1mmol)の4’−[(4−ブロモ−2,6−ジフルオロフェニル)ジフルオロメトキシ]−3,5,2’−トリフルオロ−4−トリフルオロメチルビフェニル、0.30g(0.42mmol)の塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)および2.80g(10.1mmol)のメタホウ酸ナトリウム八水和物の混合物を、最初に、40mlのTHF/水(3:1)中に導入する。0.02ml(0.4mmol)の抱水ヒドラジンを加え、混合物を20時間還流する。冷却後、バッチをMTBEで希釈し、混合物を水洗する。有機層を分離し、水相をMTBEで抽出する。合わせた有機相を水洗する。溶液を硫酸ナトリウムを使用して乾燥し、乾燥するまで濃縮する。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO、n−ヘプタン)で精製する。エタノールおよびn−ヘプタンより再結晶して更なる精製を行い、4−[ジフルオロ(3,5,2’−トリフルオロ−4’−プロピルビフェニル−4−イル)メトキシ]−6,3’,5’−トリフルオロ−4’−トリフルオロメチルビフェニルを無色の固体として与える。
【0074】
【表1】

【0075】
【表2】

【0076】
【表3】

【0077】
【表4】

例1と同様に、例示化合物2〜5を得る。それぞれの場合において分光学的データ(NMR、MS)は構造に対応している。
【0078】
【表5】

<例6>4−[ジフルオロ−(3,5,2’−トリフルオロ−4’−ブトキシビフェニル−4−イル)メトキシ]−6,3’,5’−トリフルオロ−4’−トリフルオロメチルビフェニル(「GUQGU−4O−T」)
【0079】
【化14】

本発明による化合物4−[ジフルオロ−(3,5,2’−トリフルオロ−4’−ブトキシビフェニル−4−イル)メトキシ]−6,3’,5’−トリフルオロ−4’−トリフルオロメチルビフェニルを下に記載する通り調製する。
【0080】
【化15】

4.55g(18.4mmol)の4−ブトキシ−2−フルオロブロモベンゼン、9.10g(15.7mmol)の2−{4−[ジフルオロ−(2,3’,5’−トリフルオロ−4’−トリフルオロメチルビフェニル−4−イルオキシ)メチル]−3,5−ジフルオロフェニル}−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン、0.36g(0.50mmol)の塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)および3.35g(12.0mmol)のメタホウ酸ナトリウム八水和物の混合物を、最初に、60mlのTHF/水(4:1)中に導入する。0.024ml(0.5mmol)の抱水ヒドラジンを加え、混合物を19時間還流する。冷却後、バッチをMTBEで希釈し、混合物を水洗する。有機層を分離し、水相をMTBEで抽出する。合わせた有機相を水洗する。溶液を硫酸ナトリウムを使用して乾燥し、乾燥するまで濃縮する。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO、n−ヘプタン:トルエンを9:1から3:1へ)で精製する。エタノールおよびn−ヘプタンより再結晶して更なる精製を行い、4−[ジフルオロ−(3,5,2’−トリフルオロ−4’−ブトキシビフェニル−4−イル)メトキシ]−6,3’,5’−トリフルオロ−4’−トリフルオロメチルビフェニルを無色の固体として得る。
【0081】
【表6】

【0082】
【表7】

【0083】
【表8】

【0084】
【表9】

<混合物例>
液晶ベース混合物(ホスト)の成分を記載するために、以下の頭字語を使用する。添え字nは1〜9の値を採用する。以下の化合物は、本発明による液晶媒体の調製に適切である。
<表A:LC成分のための頭字語>
【0085】
【表10】

【0086】
【表11】

好ましくは、以下のモノマーを使用する。
【0087】
【表12】

RM220は、相シーケンスC82.5N97Iを有する。
【0088】
RM257は、相シーケンスC66N127Iを有する。
【0089】
好ましくは、以下の添加剤を使用する(DP:キラルドーパント、IN:重合開始剤)。
【0090】
【表13】

LC混合物のための更なるキラルドーパントおよび重合開始剤は当業者に既知であり、本明細書において明示的に述べられている。
【0091】
記載する通りにして、重合前に媒体の特性を解析する。次いで、ブルー相において、一度、照射(180秒)してRM成分を重合し、得られた媒体の特性を再び解析する。
【0092】
<重合に関する記載>
サンプルを重合する前に、約10ミクロンの厚みおよび2×2.5cmの面積を有するテストセルにおいて媒体の相特性を決定する。毛細管現象によって75℃の温度で充填を行う。加熱ステージを備える偏光顕微鏡下で1℃/分の加熱速度において、未重合の媒体を測定する。約1.5mW/cmの有効出力を有するUVランプ(Honle社、Bluepoint 2.1、365nm干渉フィルター)を使用して、180秒間の照射によって媒体の重合を行う。重合は、電気光学的テストセル内において直接行う。最初に、媒体がブルー相I(BP−I)内にある温度において重合を行う。複数の段階的工程において重合を行い、これにより徐々に重合が完了する結果となる。一般に、重合中に、ブルー相の温度範囲が変化する。従って、それぞれの段階的工程間において、媒体が引き続きブルー相内にあるように温度を適合させる。実際には、このことは、それぞれ約5秒以上の照射操作後に偏光顕微鏡下においてサンプルを観察することによって行うことができる。サンプルがより暗くなる場合、このことは、等方相への転移を意味する。それに応じて、次の段階的工程のための温度を下げる。示される照射強度において最大の安定化の結果となる全照射時間は、典型的には180秒である。最適化された照射/温度プログラムに従って、更なる重合を行うことができる。あるいは、特に、重合前に既に十分に広いブルー相が存在している場合、1回の照射工程において重合を行うこともできる。
【0093】
<電気光学的特性の解析>
上記の重合およびブルー相の安定化後、ブルー相の相幅を決定する。引き続き、この範囲内、および、必要であればこの範囲外の種々の温度において、電気光学的特性の解析を行う。
【0094】
使用されるテストセルには、片側においてセル表面上に交差指電極が取り付けられている。セル間隙、電極間距離および電極幅は、典型的には、それぞれ1〜10ミクロンであり、好ましくは、同一の大きさである。以下では、この均一な寸法を間隙幅とする。電極で覆われている面積は約0.4cmである。テストセルは配向層を有していない。電気光学的特性を解析するために、交差する偏光フィルターの間にセルを配置する。ここで、電極の長軸は、偏光フィルターの軸に対して45°の角度をとる。セル面に対して垂直にDMS301(Autronic−Melchers社)を使用し、または、偏光顕微鏡上の高感度カメラを用いて測定を行う。電圧を印加していない状態において、既述の配置は本質的に暗画像を与える(0%透過と定義)。
【0095】
テストセルにおいて最初に特性動作電圧、次いで応答時間を測定する。下記の通り、セル電極における動作電圧は、交流信号(周波数100Hz)および可変な振幅の矩形電圧の形式で印加される。
【0096】
電圧を印加していない状態における透過率を0%と定義する。動作電圧を増加しながら、透過率を測定する。約100%強度の最大値への到達をもって、動作電圧の特性量V100と定義する。同様に、最大透過率の10%において、特性電圧V10を定義する。これらの値は、任意にブルー相の領域における種々の温度において、どのような場合でも室温(20℃)において、測定される。
【0097】
ブルー相の温度範囲の下限域において、比較的高い特性動作電圧V100が観測される。温度範囲の上限域(透明点に近い)においては、V100の値が著しく増加する。最小動作電圧の領域においては、温度と共に、V100が一般に徐々にのみ増加する。この温度範囲はTおよびTによって限定され、使用可能な平坦温度範囲(flat temperature range:FR)として知られている。この「平坦範囲(FR)」の幅は(T−T)であり、平坦範囲幅(width of the flat range:WFR)として知られている。TおよびTの正確な値は、V100/温度図において、平坦曲線部分FRと、隣接する急峻曲線部分とにおける接線の交点によって決定される。
【0098】
測定の第2段階において、スイッチのオンおよびオフの際の応答時間(τon、τoff)を決定する。応答時間τonは、選択された温度においてV100のレベルにおける電圧を印加後に90%強度を達成するのにかかる時間によって定義される。応答時間τoffは、電圧を0Vに低下後にV100における最大強度より出発して90%減少するのにかかる時間によって定義される。また、ブルー相の領域における種々の温度においても、応答時間が決定される。
【0099】
更なる特性解析として、FR内の温度において、0VおよびV100の間で動作電圧を連続的に変化させて透過率を測定できる。動作電圧の増加および減少に対する曲線を比較すると、ヒステリシスが生じることがある。例えば、0.5V100における透過率の相違および50%透過における電圧の相違は特性ヒステリシス値であり、それぞれ、ΔT50およびΔV50として既知である。
【0100】
更なる特性量として、スイッチングサイクルを経る前および後において電圧を印加していない状態での透過率の比を測定できる。この透過率比は「メモリー効果」として既知である。理想的な状態におけるメモリー効果の値は1.0である。1より高い値は、セルをスイッチオンおよびオフした後に過剰な残存透過の形式で、ある程度のメモリー効果が存在することを意味する。また、この値は、ブルー相の動作範囲(FR)内でも決定される。
【0101】
他に示さない限り、測定値は20℃において決定される。
【0102】
<混合物例>
【0103】
【表14】

【0104】
【表15】

【0105】
【表16】

<混合物例4>
典型的なポリマー安定化混合物は、下表に示す通りの組成を有する。
【0106】
【表17】

約30〜50℃の温度でブルー相の温度範囲の下限域(詳細は上を参照)において、1回の照射工程で重合性混合物を重合する。
【0107】
ポリマー安定化液晶媒体は、広い温度領域にわたってブルー相を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物。
【化1】

(式中、
は、HまたはFを表し、
は、1〜15個のC原子を有する無置換のアルキル基を表し、ただし加えて、この基における1個以上のCH基は、それぞれ互いに独立に、O原子が互いに直接連結しないようにして、−C≡C−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CF=CH−、−CH=CF−、−(CO)O−、−O(CO)−、−(CO)−または−O−により置き換えられていてもよく、および
は、CFまたはOCFを表す。)
【請求項2】
が水素原子を表すことを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が基CFを表すことを特徴とする請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
が1〜15個のC原子を有するアルキル基を表し、ただし加えて、この基における1個以上のCH基は、それぞれ互いに独立に、O原子が互いに直接連結しないようにして、−C≡C−、−CH=CH−、−(CO)O−、−O(CO)−、−(CO)−または−O−により置き換えられていてもよいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
が1〜12個のC原子を有する直鎖状のアルキル基を表すことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
が3個のC原子を有する直鎖状のアルキル基を表すことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の式Iの化合物を調製する方法であって、
適切な遷移金属触媒の存在下において、式AおよびBの2種類の出発物質を反応させる反応工程を含む方法。
【化2】

(式中、R、RおよびLは、式Iで定義される通りであり、および
またはXは、−B(OH)、ボロン酸エステルまたはボロン酸塩を表し、他の基は、Cl、Br、Iまたは−O(SO)CFを表す。)
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の式Iの1種類以上の化合物を含むことを特徴とする液晶媒体。
【請求項9】
式IIおよびIIIの化合物より選択される1種類以上の化合物を追加的に含むことを特徴とする請求項8に記載の液晶媒体。
【化3】

(式中、
は、互いに独立に、1〜15個のC原子を有する無置換のアルキル基(ただし加えて、この基における1個以上のCH基は、それぞれ互いに独立に、O原子が互いに直接連結しないようにして、−C≡C−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CF=CH−、−CH=CF−、−(CO)O−、−O(CO)−、−(CO)−または−O−により置き換えられていてもよい。)、好ましくは、2〜7個のC原子を有する直鎖状のアルキル基を表し、
、Aは、互いに独立に、
【化4】

を表し、
、Zは、互いに独立に、単結合、CFO、CHCH、CFCH、CFCF、CFHCFH、CFHCH、(CO)O、CHO、C≡C、CH=CH、CF=CH、CF=CFを表し、ただし、非対称な結合単位は両方の可能な方向のどちらを向いていてもよく、
は、F、Cl、CN、または、1〜3個のC原子を有しFにより一置換または多置換されているアルキル、アルケニル、アルケニルオキシ、アルコキシアルキルまたはアルコキシを表し、および
〜Lは、HまたはFを表す。)
【請求項10】
液晶媒体における、または、電気光学的ディスプレイにおける請求項1〜6のいずれか一項に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項11】
請求項8または9に記載の液晶媒体を含有する電気光学的ディスプレイ装置。
【請求項12】
液晶ブルー相の領域において完全または部分的に動作することを特徴とする請求項11に記載の電気光学的ディスプレイ装置。

【公開番号】特開2011−225566(P2011−225566A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90983(P2011−90983)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】