説明

液晶媒体

【課題】液晶媒体を提供する。
【解決手段】本発明は誘電的に負な極性化合物の混合物に基づく液晶媒体に関し、該混合物は少なくとも1種類の式(I)の化合物を含み、ただし、パラメーターは請求項1で示される意味を有する。また、電気光学的ディスプレイ、特に、VA、ECB、PALC、FFS、またはIPS効果に基づくアクティブマトリクスディスプレイ中における液晶媒体の使用ならびにそのようなディスプレイユニットも開示される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶媒体および液晶ディスプレイ中でのそれの使用に関し、これらの液晶ディスプレイ、特に、最初の配向がホメオトロピックである誘電的に負の液晶におけるECB(電気的制御複屈折;Electrically Controlled Birefringence)効果を使用する液晶ディスプレイに関する。本発明によるディスプレイ中において特に短い応答時間と、同時に高い電圧保持率とによって、本発明による液晶媒体は区別される。
【背景技術】
【0002】
ECB効果を利用するディスプレイは、所謂VAN(垂直配向ネマチック;Vertically Aligned Nematic)ディスプレイとして確立されており、例えば、MVA(マルチドメイン垂直配向;Multi−Domain Vertical Alignment、例えば:Yoshide、H.ら、論文3.1:「MVA LCD for Notebook or Mobile PCs(以下省略)」SID 2004 International Symposium、Digest of Technical Papers、XXXV、Book I、第6〜9頁(非特許文献1)およびLiu、C.T.ら、論文15.1:「A46−inch TFT−LCD HDTV Technology(以下省略)」、SID 2004 International Symposium、Digest of Technical Papers、XXXV、Book II、第750〜753頁(非特許文献2))、PVA(パターン化垂直配向;Patterned Vertical Alignment、例えば:Kim、Sang Soo、論文15.4:「Super PVA Sets New State−of−the−Art for LCD−TV」、SID 2004 International Symposium、Digest of Technical Papers、XXXV、Book II、第760〜763頁(非特許文献3))デザイン、ASV(高度超視野;Advanced Super View、例えば:Shigeta、MitzuhiroおよびFukuoka、Hirofumi、論文15.2:「Development of High Quality LCDTV」、SID 2004 International Symposium、Digest of Technical Papers、XXXV、Book II、第754〜757頁(非特許文献4))ディスプレイであり、IPS(面内スイッチング;In−Plane Switching)ディスプレイ(例えば:Yeo、S.D.、論文15.3:「A LC Display for the TV Application」、SID 2004 International Symposium、Digest of Technical Papers、XXXV、Book II、第758および759頁(非特許文献5))および長く知られているディスプレイに加えて、特にテレビ用途向けとしてTN(捩れネマチック;Twisted Nematic)ディスプレイ以外で、現在のところ最も重要である液晶ディスプレイのより最近の3種類の型の1つとして確立した。それらの技術は、例えば、2004年6月のSoukにおけるSIDセミナーにおいて一般的な形で比較されており、セミナーM−6:「Recent Advances in LCD Technology」、セミナー講義ノート、M−6/1〜M−6/26(非特許文献6)およびMiller、Ian、SIDセミナー 2004、セミナーM−7:「LCD−Television」、セミナー講義ノート、M−7/1〜M−7/32(非特許文献7)である。オーバードライブによるアドレス方法により、最近のECBディスプレイの応答時間は既に著しく改良されてきたが(例えば:Kim、Hyeon Kyeongら、論文9.1:「A57−in.Wide UXGA TFT−LCD for HDTV Application」、SID 2004 International Symposium、Digest of Technical Papers、XXXV、Book I、第106〜109頁(非特許文献8))、ビデオに対応できる応答時間を達成することは、特にグレーシェイドのスイッチングにおいて、依然として満足いくほどには未だ解決されていない問題である。
【0003】
TNおよび現在までの全ての従来のIPSディスプレイは正の誘電異方性の液晶媒体を使用している一方、ASVディスプレイと同様に、ECBディスプレイは負の誘電異方性(Δε)の液晶媒体を使用する。
【0004】
この型の液晶ディスプレイにおいて液晶は誘電体として使用されており、その光学特性は電圧の印加により可逆的に変化する。
【0005】
一般にディスプレイ中において、即ち、これらの既述の効果によるディスプレイ中においても、動作電圧は可能な限り低くなければならないため、全てが同一の符号の誘電異方性を有し可能な限り高い値の誘電異方性を有する液晶化合物から一般に主になる液晶媒体が使用される。一般に、相対的に最も少量の中性化合物が使用され、媒体と反対の符号の誘電異方性を有する化合物は可能な限り使用しない。よって、ECBディスプレイ向けの負の誘電異方性の液晶媒体の場合、負の誘電異方性の化合物が主に使用される。使用される液晶媒体は、一般に、負の誘電異方性の液晶化合物より主に、および更に通常、本質的になる。
【0006】
本出願によって使用される媒体において、一般に液晶ディスプレイは可能な限り低いアドレス電圧を有するように意図されるため、殆どの場合に著しい量の誘電的に中性の液晶化合物と、一般に非常に少量のみの誘電的に正の化合物とが使用されるか、または更に誘電的に正の化合物は一切使用されない。
【0007】
対応する低いアドレス電圧を有する先行技術の液晶媒体は比較的低い電気抵抗値または低い電圧保持率を有しており、ディスプレイにおける高い電圧消費という好ましくない結果となる。
【0008】
加えて、先行技術のディスプレイのアドレス電圧は多くの場合、例えば携帯用途のディスプレイなどの、電力供給系に直接または連続して接続されていないディスプレイにとって特に大き過ぎる。
【0009】
加えて、意図される用途にとって、相範囲が十分広くなければならない。
【0010】
特に、ディスプレイ中の液晶媒体の応答時間は改良、即ち、短縮されなければならない。このことは、テレビおよびマルチメディアの用途向けのディスプレイにおいて、特に重要である。応答時間を改良するために、液晶媒体の回転粘度(γ)を最適化すること、即ち、可能な限り低い回転粘度を有する媒体を達成することが過去に繰り返し提案されてきた。しかしながら、ここで達成された結果は多くに用途にとっては不適切で、従って、更なる最適化手法を見出すことが望まれていると見受けられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Yoshide、H.ら、論文3.1:「MVA LCD for Notebook or Mobile PCs・・・」SID 2004 International Symposium、Digest of Technical Papers、XXXV、Book I、第6〜9頁
【非特許文献2】Liu、C.T.ら、論文15.1:「A46−inch TFT−LCD HDTV Technology・・・」、SID 2004 International Symposium、Digest of Technical Papers、XXXV、Book II、第750〜753頁
【非特許文献3】Kim、Sang Soo、論文15.4:「Super PVA Sets New State−of−the−Art for LCD−TV」、SID 2004 International Symposium、Digest of Technical Papers、XXXV、Book II、第760〜763頁
【非特許文献4】Shigeta、MitzuhiroおよびFukuoka、Hirofumi、論文15.2:「Development of High Quality LCDTV」、SID 2004 International Symposium、Digest of Technical Papers、XXXV、Book II、第754〜757頁
【非特許文献5】Yeo、S.D.、論文15.3:「A LC Display for the TV Application」、SID 2004 International Symposium、Digest of Technical Papers、XXXV、Book II、第758および759頁
【非特許文献6】セミナーM−6:「Recent Advances in LCD Technology」、セミナー講義ノート、M−6/1〜M−6/26
【非特許文献7】Miller、Ian、SIDセミナー 2004、セミナーM−7:「LCD−Television」、セミナー講義ノート、M−7/1〜M−7/32
【非特許文献8】Kim、Hyeon Kyeongら、論文9.1:「A57−in.Wide UXGA TFT−LCD for HDTV Application」、SID 2004 International Symposium、Digest of Technical Papers、XXXV、Book I、第106〜109頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、先行技術からの媒体の不具合を有さないか、少なくとも著しく低減されている液晶媒体に対する多大な要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
驚くべきことに、ECBディスプレイ中において短い応答時間を有し、同時に十分に広いネマチック相、好ましい複屈折率(Δn)および高い電圧保持率を有する液晶ディスプレイを達成できることが見出された。
【0014】
本発明は、式Iの1種類以上の化合物を含み極性化合物の混合物に基づく液晶媒体に関する。
【0015】
【化1】

式中、
11およびR12は、それぞれ互いに独立に、H、15個までのC原子を有する無置換のアルキルまたはアルケニル基を表し、ただし加えて、これらの基の中の1個以上のCH基は、O原子が互いに直接結合しないようにして、−O−、−S−、
【0016】
【化2】

−C≡C−、−CF−O−、−O−CF−、−CO−O−または−O−CO−で置き換えられていてもよく、好ましくは、無置換のアルキル、アルケニル、アルコキシまたはアルケニルオキシ基であり、特に好ましくは、R11およびR12の一方がアルキルまたはアルケニル基を表し、他方がアルキル、アルケニル、アルコキシまたはアルケニルオキシ基を表し、特に好ましくは、R11が直鎖のアルキルまたはアルケニルを表し、特に、CH=CH−、E−CH−CH=CH−、CH=CH−CH−CH−、CH−CH=CHC−、CH−、C−、n−C−、n−C−またはn−C11−であり、
【0017】
【化3】

【0018】
【化4】

【0019】
【化5】

【0020】
【化6】

11〜Z13は、それぞれ互いに独立に、−CH−CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−CH−O−、−O−CH−、−CO−O−、−O−CO−、−CF−O−、−O−CF−、−CF−CF−または単結合、好ましくは、−CH−CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−CF−O−、−O−CF−または単結合を表し、特に好ましくは、Z11〜Z13の1つ、または存在しているのであれば1つより多く、非常に特に好ましくは、Z11〜Z13の全てが単結合を表し、
mおよびnは、それぞれ互いに独立に、0または1を表し、
(m+n)は、好ましくは、0または1を表す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
この型の媒体は、特に、ECB効果に基づくアクティブマトリックスアドレスの電気光学的ディスプレイ用およびIPS(面内スイッチング;In−Plane Switching)ディスプレイ用に使用される。本発明による媒体は、好ましくは、負の誘電異方性を有する。
【0022】
電気的制御複屈折の原理、ECB(電気的制御複屈折;Electrically Controlled Birefringence)効果またはDAP(整列相変形:Deformation of Aligned Phases)効果は、1971年に初めて記載された(M.F.SchieckelおよびK.Fahrenschon、「Deformation of nematic liquid crystals with vertical orientation in electrical fields」、Appl.Phys.Lett.第19巻(1971年)、第3912頁)。その後、J.F.Kahn(Appl.Phys.Lett.第20巻(1972年)、第1193頁)およびG.LabrunieおよびJ.Robert(J.Appl.Phys.第44巻(1973年)、第4869頁)による報文が続いた。
【0023】
J.RobertおよびF.Clerc(SID 第80巻 Digest Techn.Papers(1980年)、第30頁)、J.Duchene(Displays 第7巻(1986年)、第3頁)およびH.Schad(SID 第82巻 Digest Techn.Papers(1982年)、第244頁)の報文では、ECB効果に基づく高情報量のディスプレイ素子中での使用に適するものとするためには、液晶相が、高い値の弾性定数比K/K、高い値の光学異方性Δnおよび−0.5以下の値の誘電異方性Δεを有していなければならないことが示された。ECB効果に基づく電気光学的ディスプレイ素子はホメオトロピックなエッジ配向を有している(VA技術、即ちVertically Aligned)。誘電的に負の液晶媒体も、所謂IPS効果を利用するディスプレイ中で使用できる。
【0024】
この効果を電気光学的ディスプレイ素子中で工業的に応用するには、多数の要求を満足するLC相が必要となる。ここで特に重要なものは、水分、空気、および熱、赤外線、可視および紫外領域の照射、および直流および交流電界などの物理的影響に対する化学的耐性である。
【0025】
さらに、工業的に使用できるLC相は、適切な温度範囲での液晶中間相および低粘度を有していることが必要である。
【0026】
現在までに開示された液晶中間相を有する一連の化合物には、単一の化合物でこれら全ての要求を満たすものはなかった。従って、LC相として使用できる物質を得るためには、一般に、2〜25種類、好ましくは3〜18種類の化合物の混合物を調製する。しかしながら、著しく負の誘電異方性および適切な長期安定性を有する液晶材料がこれまで入手できなかったため、化合物を混合しても最適な相を調製することは容易ではなかった。
【0027】
マトリックス液晶ディスプレイ(MLCディスプレイ;Matrix Liquid−Crystalディスプレイ)は既知である。個々のピクセルをそれぞれスイッチングするために使用することができる非線形素子は、例えば、アクティブ素子(即ち、トランジスター)である。なお、用語「アクティブマトリックス」は、2つの区別される型に分けられて使用される。
【0028】
1.基体としてのシリコンウエハー上のMOS(金属酸化物半導体;Metal Oxide Semiconductor)トランジスター。
【0029】
2.基体としてのガラス板上の薄膜トランジスター(TFT;Thin−Film Transistor)。
【0030】
第1の型の場合、使用される電気光学的効果は、通常、動的散乱またはゲスト−ホスト効果である。基板材料として単結晶シリコンを使用すると、色々な部品ディスプレイのモジュール組み立て品の場合であっても接続部での問題が生じるため、ディスプレイの大きさが制限される。
【0031】
ここで好適であり、より有望な第2の型の場合には、これまで使用されてきた電気光学的効果は大部分がTN効果であった。
【0032】
2つの技術は区別される:例えばCdSeなどの化合物半導体を含むTFT、または多結晶またはアモルファスシリコンに基づくTFTである。後者の技術について、世界的に集中した研究がなされている。
【0033】
TFTマトリックスは、ディスプレイの一方のガラス板の内面に適用され、もう一方のガラス板は、内面に透明な対向電極を有する。ピクセル電極の大きさと比較して、TFTは非常に小さく、事実上、画像に対する悪影響はない。この技術は、フルカラー対応のディスプレイにも適用でき、このディスプレイでは、フィルター素子がスイッチング可能なピクセルの各々に対向するように、赤、緑および青フィルターのモザイクが配置される。
【0034】
これまでに最も使用されてきたTFTディスプレイは、通常、透過に対して直交した偏光子を備えるTNセルとして作動させ、バックライトで照らされる。テレビの用途については、IPSセルまたはECN(またはVAN)セルを含むディスプレイが、最近、徐々に使用されるようになってきた。
【0035】
ここで用語「MLCディスプレイ」は、集積非線形素子を備える任意のマトリックスディスプレイを網羅する。即ち、アクティブマトリックスに加えて、バリスターまたはダイオード(MIM、即ち、metal−insulator−metal)などのパッシブ素子を備えたディスプレイもである。
【0036】
この型のMLCディスプレイは、特にテレビ用途(例えばポケットテレビ)、または自動車または航空機内での高度情報ディスプレイに適している。コントラストの角度依存性および応答時間の問題に加えて、MLCディスプレイにおいては、液晶混合物の比抵抗が十分に高くないことに起因する問題がある[TOGASHI,S.、SEKIGUCHI,K.、TANABE,H.、YAMAMOTO,E.、SORIMACHI,K.、TAJIMA,E.、WATANABE,H.およびSHIMIZU,H.、Proc.Eurodisplay、第84巻、1984年9月:第A210〜288号、「Matrix LCD Controlled by Double Stage Diode Rings」、第141ff頁、パリ;STROMER,M.、Proc.Eurodisplay、第84巻、1984年9月、「Design of Thin Film Transistors for Matrix Addressing of Television Liquid Crystal Displays」、第145ff頁、パリ]。抵抗の低下に伴い、MLCディスプレイのコントラストが劣化する。液晶混合物の比抵抗は、ディスプレイの内部表面との相互作用のために、一般に、MLCディスプレイの寿命の全体にわたって低下するので、許容される抵抗値を長期の動作期間で有するディスプレイのためには、高い(初期)抵抗が非常に重要である。
【0037】
これまでに開示されたMLC−TNディスプレイの不具合は、それらの比較的低いコントラスト、比較的大きい視野角依存性、およびこれらのディスプレイ中でグレーシェイドを生じさせることが困難なことである。
【0038】
よって、非常に高い比抵抗を有すると同時に、広い動作温度範囲、短い応答時間および低い閾電圧を有しており、これらのおかげで各種のグレーシェイドを生じさせることができるMLCディスプレイが引き続き強く要求されている。
【0039】
本発明は、モニターおよびテレビ用途向けのみならず、携帯電話およびナビゲーションシステム向けのMLCディスプレイを提供することを目的としており、それらはECBまたはIPS効果に基づいており、上で示した不具合を有さないか有していても低減されており、同時に非常に高い比抵抗値を有している。特に、携帯電話およびナビゲーションシステムが、非常に高温および非常に低温においても確実に機能しなければならない。
【0040】
驚くべきことに、これらのディスプレイ素子中で、式Iの少なくとも1種類の化合物を含むネマチック液晶混合物を使用すれば、この目的を達成できることを今回見出した。式Iの化合物は、例えば、液晶としてドイツ国特許第39 06 040号より、および中間体としてドイツ国特許第102 04 236号より既知である。米国特許第6,548,126号および米国特許第6,395,353号には、液晶混合物中での式Iの化合物が開示されている。
【0041】
よって、本発明は、式Iの少なくとも1種類の化合物を含み、極性化合物の混合物に基づく液晶媒体に関する。
【0042】
本発明による混合物は、85℃以上の透明点と共に非常に広い範囲でネマチック相を示し、非常に好ましい値の容量閾値、比較的高い値の保持率および同時に−30℃および−40℃において非常に良好な低温安定性ならびに非常に低い回転粘度を示す。更に、本発明による混合物は、透明点および回転粘度の良好な比および非常に負な誘電異方性によって区別される。
【0043】
式Iの化合物中に存在する基
【0044】
【化7】

の少なくとも1つが、
【0045】
【化8】

を表す式Iの化合物が特に好ましい。
【0046】
a)R11および/またはR12が、H、アルキル、アルケニルまたはアルコキシを表し、好ましくは、6個までのC原子を有しており、R12が、非常に特に好ましくは、アルコキシまたはアルケニルオキシを表し、
b)R11およびR12の両方がアルキルを表し、ただし、該アルキル基は同一でも異なってもよく、
c)R11が、直鎖のアルキル、ビニル、1E−アルケニルまたは3−アルケニルを表す
式Iの化合物が特に好ましい。
【0047】
11および/またはR12がアルケニルを表す場合、これは、好ましくは、CH=CH、CH−CH=CH、CH=CH−CまたはCH−CH=CH−Cである。
【0048】
本発明による媒体は、好ましくは、式Iの1種類、2種類、3種類または4種類以上の、好ましくは、1種類、2種類または3種類の化合物を含む。
【0049】
本発明による媒体は、好ましくは、誘電的に負である。
【0050】
本発明による液晶媒体は、好ましくは、以下を含む。
【0051】
a)式Iの1種類以上の誘電的に負な化合物より好ましくは成る、第1の誘電的に負なメソゲン成分(成分A)。
【0052】
b)式IIの1種類以上の誘電的に負な化合物よりなる、第2の誘電的に負なメソゲン成分(成分B)。
【0053】
【化9】

式中、
21およびR22は、それぞれ互いに独立に、H、15個までのC原子を有する無置換のアルキルまたはアルケニル基を表し、ただし加えて、これらの基の中の1個以上のCH基は、O原子が互いに直接結合しないようにして、−O−、−S−、
【0054】
【化10】

−C≡C−、−CF−O−、−O−CF−、−CO−O−または−O−CO−で置き換えられていてもよく、好ましくは、無置換のアルキル、アルケニル、アルコキシまたはアルケニルオキシ基であり、特に好ましくは、R21およびR22の一方がアルキルまたはアルケニル基を表し、他方がアルキル、アルケニル、アルコキシまたはアルケニルオキシ基を表し、好ましくは、互いに独立に、1〜7個のC原子を有するアルキル、好ましくは、n−アルキル、特に好ましくは、1〜5個のC原子を有するn−アルキル、1〜7個のC原子を有するアルコキシ、好ましくは、n−アルコキシ、特に好ましくは、1〜5個のC原子を有するn−アルコキシ、または、2〜7個のC原子を有する、好ましくは、2〜4個のC原子を有するアルコキシアルキル、アルケニルまたはアルケニルオキシ、好ましくは、アルケニルであり、ただし、全ての基の1個以上のH原子は、ハロゲン原子、好ましくは、F原子で置き換えられていてもよく、
特に好ましくは、R21およびR22の一方が、好ましくは、R11がアルキルまたはアルケニル基を表し、他方がアルキル、アルケニル、アルコキシまたはアルケニルオキシ基を表し、特に好ましくは、R21が直鎖のアルキル、特には、CH−、C−、n−C、n−C−またはn−C11−、またはアルケニル、特には、CH=CH−、E−CH−CH=CH−、CH=CH−CH−CH−、E−CH−CH=CH−CH−CH−またはE−n−C−CH=CH−を表し、
【0055】
【化11】

【0056】
【化12】

【0057】
【化13】

【0058】
【化14】

21およびL22は、それぞれ互いに独立に、=C(X)−または=N−を表し、好ましくは、L21およびL22の少なくとも一方が=C(−F)−を表し、他方が=C(−F)−または=C(−Cl)−を表し、特に好ましくは、L21およびL22の両方が=C(−F)−を表し、
は、F、Cl、OCF、CF、CH、CHF、CHF、好ましくは、FまたはCl、特に好ましくは、Fを表し、
【0059】
【化15】

21〜Z23は、それぞれ互いに独立に、−CH−CH−、−CH−CF−、−CF−CH−、−CF−CF−、−CH=CH−、−CF=CH−、−CH=CF−、−C≡C−、−CH−O−、−O−CH−、−O−、−CH−、−CO−O−、−O−CO−、−CF−O−、−O−CF−または単結合、好ましくは、−CH−CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−CF−O−、−O−CF−または単結合を表し、特に好ましくは、Z21〜Z23の1つ、または存在しているのであれば1つより多くが単結合を表し、非常に特に好ましくは、全てが単結合を表し、
lおよびoは、それぞれ互いに独立に、0または1を表し、および
(l+o)は、好ましくは、0または1を表す。
【0060】
および/または
c)式IIIの1種類以上の誘電的に中性な化合物よりなる、誘電的に中性なメソゲン成分(成分C)。
【0061】
【化16】

式中、
31およびR32は、それぞれ互いに独立に、R11およびR12に与えられる意味の1つを有し、好ましくは、1〜7個のC原子を有するアルキル、好ましくは、n−アルキル、特に好ましくは、1〜5個のC原子を有するn−アルキル、1〜7個のC原子を有するアルコキシ、好ましくは、n−アルコキシ、特に好ましくは、2〜5個のC原子を有するn−アルコキシ、または、2〜7個のC原子を有する、好ましくは、2〜4個のC原子を有するアルコキシアルキル、アルケニルまたはアルケニルオキシ、好ましくはアルケニルオキシを表し、
【0062】
【化17】

【0063】
【化18】

【0064】
【化19】

31〜Z33は、それぞれ互いに独立に、Z11〜Z13に与えられる意味の1つを有し、好ましくは、−CH−CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−COO−または単結合、好ましくは、−CH−CH−または単結合、特に好ましくは、単結合を表し、
pおよびqは、それぞれ互いに独立に、0または1を表し、
(p+q)は、好ましくは、0または1、好ましくは、0を表す。
【0065】
および/または
d)式IVおよびVの化合物群より選択される1種類以上の誘電的に負な化合物よりなる、更なる誘電的に負なメソゲン成分(成分D)。
【0066】
【化20】

式中、
41、R42、R51およびR52は、それぞれ互いに独立に、R11およびR12に与えられる意味の1つを有し、好ましくは、1〜7個のC原子を有するアルキル、好ましくは、n−アルキル、特に好ましくは、1〜5個のC原子を有するn−アルキル、1〜7個のC原子を有するアルコキシ、好ましくは、n−アルコキシ、特に好ましくは、2〜5個のC原子を有するn−アルコキシ、または、2〜7個のC原子を有する、好ましくは、2〜4個のC原子を有するアルコキシアルキル、アルケニルまたはアルケニルオキシ、好ましくはアルケニルオキシを表し、
【0067】
【化21】

【0068】
【化22】

【0069】
【化23】

【0070】
【化24】

【0071】
【化25】

【0072】
【化26】

【0073】
【化27】

【0074】
【化28】

【0075】
【化29】

【0076】
【化30】

【0077】
【化31】

41〜Z43およびZ51〜Z53は、それぞれ互いに独立に、Z11〜Z13に与えられる意味の1つを有し、好ましくは、−CH−CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−COO−または単結合、好ましくは、−CH−CH−または単結合、特に好ましくは、単結合を表し、
rおよびsは、それぞれ互いに独立に、0または1を表し、
(r+s)は、好ましくは、0または1、好ましくは0を表し、
tおよびuは、それぞれ互いに独立に、0または1を表し、
(t+u)は、好ましくは、0または1、好ましくは0を表す。
【0078】
および、場合により、
e)1種類以上のキラル化合物よりなる、キラル成分(成分E)。
【0079】
式Iの化合物は、好ましくは、補助式IAおよびIBより選択される。
【0080】
【化32】

式中、パラメーターは、式Iにおいて上で与えられる意味を有する。
【0081】
式Iの化合物は、特に好ましくは、補助式IA−1およびIB−1〜IB−10、好ましくは、IA−1、およびIB−1〜IB−3、IB−9およびIB−10より選択される。
【0082】
【化33】

【0083】
【化34】

式中、パラメーターは上で与えられる意味を有し、好ましくは、Z11の一方または両方、存在するのであればZ12は単結合を表す。
【0084】
式Iの化合物は、非常に特に好ましくは、補助式IA’−1およびIB’−1〜IB’−4、好ましくは、IA’−1および/またはIB’−1より選択される。
【0085】
【化35】

式中、パラメーターは上で与えられる意味を有し、R11およびR12は、好ましくは、互いに独立に、1〜7個、好ましくは1〜5個のC原子を有するアルキル、好ましくは、n−アルキル、または、2〜5個のC原子を有するアルケニル、好ましくは、1−アルケニルを表し、特に好ましくは、特に式IA’−1およびIB’−1の場合、R12は(O)C2v+1を表し、ただし、vは1〜6を表す。
【0086】
好ましい実施形態において、媒体は、式IA”−1、IB”−1およびIB”−2、好ましくは式IA”−1および/またはIB”−1の化合物群より選択される式IAおよび/またはIBの1種類以上の化合物を含む。
【0087】
【化36】

式中、パラメーターは上で与えられる意味を有し、R11およびR12は、好ましくは、互いに独立に、1〜7個、好ましくは1〜5個のC原子を有するアルキル、好ましくは、n−アルキル、または、2〜5個のC原子を有するアルケニル、好ましくは、1−アルケニルを表し、特に好ましくは、R12は(O)C2v+1を表し、ただし、vは1〜6を表す。
【0088】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、式IA”’−1、IB”’−1およびIB”’−2、好ましくは式IA”−1および/またはIB”−1の化合物群より選択される式IAおよび/またはIBの1種類以上の化合物を含む。
【0089】
【化37】

式中、パラメーターは上で与えられる意味を有し、R11およびR12は、好ましくは、互いに独立に、1〜7個、好ましくは1〜5個のC原子を有するアルキル、好ましくは、n−アルキル、または、2〜5個のC原子を有するアルケニル、好ましくは、1−アルケニルを表し、特に好ましくは、R12は(O)C2v+1を表し、ただし、vは1〜6を表す。
【0090】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、式IA’−1aおよびIA’−1b、好ましくは式IA’−1bの化合物群より選択される式IA’−1の1種類以上の化合物を含む。
【0091】
【化38】

式中、
alkylおよびalkyl’は、互いに独立に、1〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルキルを表し、
alkoxyは、1〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜4個のC原子を有するアルコキシを表し、
alkenylは、2〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルケニルを表す。
【0092】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、式IB’−1a〜IB’−1d、好ましくは式IB’−1aおよび/またはIB’−1bの化合物群より選択される式IB’−1の1種類以上の化合物を含む。
【0093】
【化39】

式中、
alkylおよびalkyl’は、互いに独立に、1〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルキルを表し、
alkoxyは、1〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜4個のC原子を有するアルコキシを表し、
alkenylは、2〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルケニルを表す。
【0094】
好ましい実施形態において、媒体は、式IIA〜IIC、好ましくは、IIAおよびIIBの化合物群より選択される、式IIの1種類以上の化合物を含む。
【0095】
【化40】

式中、パラメーターは上で示される意味を有するが、式IIA中において、
【0096】
【化41】

【0097】
【化42】

21は、アルキルを表し、
22はアルキルまたはアルコキシ、特に好ましくは、(O)C2v+1を表し、
21およびX22の両方が、Fを表し、
21およびZ22は、互いに独立に、単結合、−CH−CH−、−CH=CH−、−CHO−、−OCH−、−O−、−CH−、−CFO−または−OCF−、好ましくは、単結合または−CHCH−、特に好ましくは、単結合を表し、
pは、1または2を表し、および
vは、1〜6を表す。
【0098】
好ましい実施形態において、媒体は、式II−1〜II−13の化合物群より選択される、式IIの1種類以上の化合物を含む。
【0099】
【化43】

【0100】
【化44】

式中、
21〜Y26は、互いに独立に、HまたはFを表し、および
21およびX22の両方がHを表すか、またはX21およびX22の一方がHを表し、他方がFを表すが、
好ましくは最大で4つ、特に好ましくは最大で3つ、非常に特に好ましくは1つまたは2つのY21〜Y26、X21およびX22がFを表し、
および
他のパラメーターは式IIに上で示されるそれぞれの意味を有し、および好ましくは、
21は、アルキルまたはアルケニルを表し、および
22は、アルキル、アルケニル、アルコキシまたはアルケニルオキシ、好ましくは、(O)C2v+1を表し、および
vは、1〜6の整数を表す。
【0101】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、式II−1a〜II−1d、好ましくは式II−1bおよび/またはII−1d、特に好ましくはII−1bの化合物群より選択される、式II−1の1種類以上の化合物を含む。
【0102】
【化45】

式中、
alkylおよびalkyl’は、互いに独立に、1〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルキルを表し、
alkoxyは、1〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜4個のC原子を有するアルコキシを表し、
alkenylは、2〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルケニルを表す。
【0103】
式II−1cおよびII−1dの好ましい化合物は、以下の式の化合物である。
【0104】
【化46】

式中、vは上で示される意味を有する。
【0105】
式II−1の更に好ましい化合物は、以下の式の化合物である。
【0106】
【化47】

式中、R21は式IIに上で示されるそれぞれの意味を有する。
【0107】
好ましい実施形態において、媒体は、式II−3a〜II−3d、好ましくは式II−3bおよび/またはII−3d、特に好ましくはII−3bの化合物群より選択される、式II−3の1種類以上の化合物を含む。
【0108】
【化48】

式中、
alkylおよびalkyl’は、互いに独立に、1〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルキルを表し、
alkoxyは、1〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜4個のC原子を有するアルコキシを表し、
alkenylは、2〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルケニルを表す。
【0109】
これらのビフェニル化合物の混合物全体中での濃度は、好ましくは3重量%以上、特には5重量%以上、非常に特に好ましくは5〜25重量%である。
【0110】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、式II−4a〜II−4d、好ましくは式II−4aおよび/またはII−4b、特に好ましくはII−4bの化合物群より選択される、式II−4の1種類以上の化合物を含む。
【0111】
【化49】

式中、
alkylおよびalkyl’は、互いに独立に、1〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルキルを表し、
alkoxyは、1〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜4個のC原子を有するアルコキシを表し、
alkenylは、2〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルケニルを表す。
【0112】
式II−4cおよびII−4dの好ましい化合物は、以下の式の化合物である。
【0113】
【化50】

式中、vは上で示される意味を有する。
【0114】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、以下の補助式II−4eの式II−4の1種類以上の化合物を含む。
【0115】
【化51】

式中、
21は、上で示される意味を有し、
mおよびzは、それぞれ互いに独立に、1〜6の整数を表し、
m+zは、好ましくは、1〜6の整数である。
【0116】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、式II−5a〜II−5d、好ましくは式II−5bおよび/またはII−5dの化合物群より選択される、式II−5の1種類以上の化合物を含む。
【0117】
【化52】

式中、
alkylおよびalkyl’は、互いに独立に、1〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルキルを表し、
alkoxyは、1〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜4個のC原子を有するアルコキシを表し、
alkenylは、2〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルケニルを表す。
【0118】
式II−5cおよびII−5dの好ましい化合物は、以下の式の化合物である。
【0119】
【化53】

式中、vは上で示される意味を有する。
【0120】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、式II−6a〜II−6d、好ましくは式II−6aおよび/またはII−6c、特に好ましくは式II−6aの化合物群と、
および/または、式II−6e〜II−6mの化合物群とより選択される、式I−4の1種類以上の化合物を含む。
【0121】
【化54】

式中、
alkylおよびalkyl’は、互いに独立に、1〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルキルを表し、
alkoxyは、1〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜4個のC原子を有するアルコキシを表し、
alkenylは、2〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルケニルを表す。
【0122】
【化55】

式中、
Rは、R21に上で与えられる意味を有し、
mは、1〜6の整数を表す。
【0123】
Rは、好ましくは、それぞれ1〜6個のC原子を有する直鎖のアルキルまたはアルコキシ、または2〜6個のC原子を有するアルキルアルコキシ、アルケニルまたはアルケニルオキシ、特に好ましくは、1〜5個のC原子を有するアルキル、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、または更に、1〜5個のC原子を有するアルコキシ、好ましくは、ヘキシル、メトキシ、エトキシ、プロポキシまたはブトキシを表す。
【0124】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、式II−7a〜II−7d、好ましくは式II−7aおよび/またはII−7c、特に好ましくは式II−7aの化合物群と、
および/または、式II−7e〜II−7iの化合物群とより選択される、式II−7の1種類以上の化合物を含む。
【0125】
【化56】

式中、
alkylおよびalkyl’は、互いに独立に、1〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルキルを表し、
alkoxyは、1〜5個のC原子を有する、好ましくは2〜4個のC原子を有するアルコキシを表し、
alkenylは、2〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルケニルを表す。
【0126】
【化57】

式中、
Rは、R21に上で与えられる意味を有し、
mは、1〜6の整数を表す。
【0127】
Rは、好ましくは、それぞれ1〜6個のC原子を有する直鎖のアルキルまたはアルコキシ、または2〜6個のC原子を有するアルキルアルコキシ、アルケニルまたはアルケニルオキシ、特に好ましくは、1〜5個のC原子を有するアルキル、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、または更に、1〜5個のC原子を有するアルコキシ、好ましくは、ヘキシル、メトキシ、エトキシ、プロポキシまたはブトキシを表す。
【0128】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、式II−8aおよびII−8b、特に好ましくは式II−8bの化合物群より選択される、式II−8の1種類以上の化合物を含む。
【0129】
【化58】

式中、パラメーターは上で示される意味を有する。
【0130】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、式II−9a〜II−9dの化合物群より選択される、式II−9の1種類以上の化合物を含む。
【0131】
【化59】

式中、パラメーターは上で示される意味を有し、好ましくは、
22は、C2v+1を表し、
vは、1〜6の整数を表す。
【0132】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、式II−10a〜II−10eの化合物群より選択される、式II−10の1種類以上の化合物を含む。
【0133】
【化60】

式中、パラメーターは上で示される意味を有し、好ましくは、
22は、C2v+1を表し、
vは、1〜6の整数を表す。
【0134】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、式II−11aおよびII−11b、特に好ましくはII−11bの化合物群より選択される、式II−11の1種類以上の化合物を含む。
【0135】
【化61】

式中、パラメーターは上で示される意味を有する。
【0136】
好ましい実施形態において、媒体は、式II’−1およびII’−2および/またはII”−1およびII”−2および/またはII”’−1〜II”’−3および/またはII(IV)−1〜II(IV)−3および/またはII(V)−1の化合物群より選択される、式IIの1種類以上の化合物を含む。
【0137】
【化62】

【0138】
【化63】

式中、パラメーターは上で与えられるそれぞれの意味を有し、pは0、1または2を表し、好ましくは、
21は、アルキルまたはアルケニルを表す。
【0139】
21が直鎖のアルキル、特に、CH、C、n−C、n−Cまたはn−C11、またはアルケニル、特に、CH=CH、CHCH=CH、CH=CHCHCH、CHCH=CHCまたはCCH=CHを表す上の式の化合物が特に好ましい。
【0140】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、以下の式IIIの1種類以上の化合物を含み、式中、
【0141】
【化64】

【0142】
【化65】

ただし、フェニレン環中の1個以上のH原子は、互いに独立に、FまたはCN、好ましくはFにより置き換えられていてもよく、シクロヘキシレン環または2個のシクロヘキシレン環の1個の隣接しない2個のCH基は、O原子により置き換えられていてもよい。
【0143】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、式III−1〜III−11の化合物群からで、好ましくは式III−1〜III−9の化合物群より、好ましくは群III−1〜III−6より、特に好ましくは群III−1およびIII−4より選択される式IIIの1種類以上の化合物を含む。
【0144】
【化66】

式中、パラメーターは式IIIに上で示されるそれぞれの意味を有し、
はHまたはFを表し、および好ましくは、
31は、アルキルまたはアルケニルを表し、および
32は、アルキル、アルケニルまたはアルコキシ、好ましくは、アルキルまたはアルケニル、特に好ましくは、アルケニルを表す。
【0145】
媒体は、特に好ましくは、
−式III−1cと、特に好ましくは、
−R31がビニルまたは1−プロペニルを表し、R32がアルキル、好ましくは、n−アルキルを表し、特に好ましくは、R31がビニルを表し、R32がプロピルを表す式III−1と、
−式III−1dと、特に好ましくは、
−R31およびR32が、互いに独立に、ビニルまたは1−プロペニルを表し、好ましくは、R31がビニルを表し、特に好ましくは、R31およびR32がビニルを表す式III−1と
の群より選択される式III−1の1種類以上の化合物を含む。
【0146】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、式III−1a〜III−1e、好ましくは、式III−1aおよび/または式III−1cおよび/またはIII−1d、特に好ましくは、式III−1cおよび/またはIII−1d、非常に特に好ましくは、式III−1cおよび式III−1dの化合物群より選択される式III−1の1種類以上の化合物を含む。
【0147】
【化67】

式中、
alkylおよびalkyl’は、互いに独立に、1〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルキルを表し、
alkoxyは、1〜5個のC原子を有する、好ましくは2〜4個のC原子を有するアルコキシを表し、
alkenyl及びalkenyl’は、2〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルケニルを表す。
【0148】
本発明による媒体は、特に好ましくは20重量%以上、特には25重量%以上、非常に特に好ましくは30重量%以上の量で、式III−1の化合物、特には式III−1a’の化合物を含む。
【0149】
【化68】

式中、
nは、3、4、5で、RはHまたはCHを表す。
【0150】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、式III−2a〜III−2d、好ましくは、式III−2aおよび/またはIII−2b、特に好ましくは、式III−2bの化合物群より選択される式III−2の1種類以上の化合物を含む。
【0151】
【化69】

式中、
alkylおよびalkyl’は、互いに独立に、1〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルキルを表し、
alkoxyは、1〜5個のC原子を有する、好ましくは2〜4個のC原子を有するアルコキシを表し、
alkenylは、2〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルケニルを表す。
【0152】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、式III−3a〜III−3cの化合物群より選択される式III−3の1種類以上の化合物を含む。
【0153】
【化70】

式中、
alkylおよびalkyl’は、互いに独立に、1〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルキルを表し、
alkenylは、2〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルケニルを表す。
【0154】
これらのビフェニル類の混合物全体中での割合は、好ましくは3重量%以上、特には5重量%以上である。
【0155】
式III−3aおよびIII−3bの好ましい化合物は、以下の式の化合物である。
【0156】
【化71】

式中、パラメーターは、上で示される意味を有する。
【0157】
式III−3bの特に好ましい化合物は、以下の式の化合物である。
【0158】
【化72】

これらの中でも、特に、最後の式のものである。
【0159】
好ましい実施形態において、媒体は式III−4の1種類以上の化合物を含み、特に好ましくは、R31がビニルおよび1−プロペニルを表し、R32がアルキル、好ましくはn−アルキルを表し、特に好ましくは、R31がビニルを表し、R32がメチルを表す1種類以上の化合物である。
【0160】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、式III−4a〜III−4d、好ましくは、式III−4aおよび/またはIII−4b、特に好ましくは、式III−4bの化合物群より選択される式III−4の1種類以上の化合物を含む。
【0161】
【化73】

式中、
alkylおよびalkyl’は、互いに独立に、1〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルキルを表し、
alkoxyは、1〜5個のC原子を有する、好ましくは2〜4個のC原子を有するアルコキシを表し、
alkenylは、2〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルケニルを表す。
【0162】
好ましい実施形態において、媒体は式III−5の1種類以上の化合物を含み、特に好ましくは、R31がアルキル、ビニルまたは1−プロペニルを表し、R32がアルキル、好ましくはn−アルキルを表す1種類以上の化合物である。
【0163】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、式III−5a〜III−5d、好ましくは式III−5aおよび/またはIII−5b、特に好ましくは式III−5aの、
および/または、式III−5e〜III−5h、好ましくは式III−5eおよび/またはIII−5f、特に好ましくは式III−5eの化合物群より選択される、式III−5の1種類以上の化合物を含む。
【0164】
【化74】

式中、
alkylおよびalkyl’は、互いに独立に、1〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルキルを表し、
alkoxyは、1〜5個のC原子を有する、好ましくは2〜4個のC原子を有するアルコキシを表し、
alkenylは、2〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルケニルを表す。
【0165】
【化75】

式中、
alkylおよびalkyl’は、互いに独立に、1〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルキルを表し、
alkoxyは、1〜5個のC原子を有する、好ましくは2〜4個のC原子を有するアルコキシを表し、
alkenylは、2〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルケニルを表す。
【0166】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、式III−6a〜III−6c、好ましくは、式III−6aおよび/またはIII−6b、特に好ましくは、式III−6aの化合物群より選択される式III−6の1種類以上の化合物を含む。
【0167】
【化76】

式中、
alkylおよびalkyl’は、互いに独立に、1〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルキルを表し、
alkoxyは、1〜5個のC原子を有する、好ましくは2〜4個のC原子を有するアルコキシを表し、
alkenylは、2〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルケニルを表す。
【0168】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、式III−10aおよびIII−10bの化合物群より選択される式III−6の1種類以上の化合物を含む。
【0169】
【化77】

式中、
alkylおよびalkyl’は、互いに独立に、1〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルキルを表す。
【0170】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、式III−11aの化合物より選択される式III−11の1種類以上の化合物を含む。
【0171】
【化78】

式中、
alkylおよびalkyl’は、互いに独立に、1〜7個のC原子を有する、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルキルを表す。
【0172】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、インダン単位を含有する1種類以上の化合物、好ましくは、式IV−1〜IV−2の化合物群より好ましくは選択される式IVの化合物を(付加的に)含む。
【0173】
【化79】

式中、パラメーターは式Vに上で示されるそれぞれの意味を有し、好ましくは、
41は、アルキルまたはアルケニルを表し、
42は、アルキル、アルケニル、アルコキシまたはアルケニルオキシを表し、
41は、単結合を表し、
rは、0を表す。
【0174】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、テトラヒドロナフチルまたはナフチル単位を含有する1種類以上の化合物、好ましくは、式V−1〜V−8の化合物群より好ましくは選択される式Vの化合物を(付加的に)含む。
【0175】
【化80】

式中、パラメーターは式Vに上で示されるそれぞれの意味を有し、好ましくは、
51は、アルキルまたはアルケニルを表し、
52は、アルキル、アルケニル、アルコキシまたはアルケニルオキシを表し、
および
式V−1およびV−2中では、
51は、−CH−CH−または単結合を表し、
式V−3およびV−4中では、
51は、単結合を表し、
52は、−CH−CH−または単結合を表す。
【0176】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、フッ素化されたフェナントレン単位を含有する1種類以上の化合物、好ましくは、式V−9およびV−10の化合物群より好ましくは選択される式Vの化合物を(付加的に)含む。
【0177】
【化81】

式中、パラメーターは式Vに上で示されるそれぞれの意味を有し、好ましくは、
51は、アルキルまたはアルケニルを表し、
52は、アルキル、アルケニル、アルコキシまたはアルケニルオキシを表す。
【0178】
更なる好ましい実施形態において、媒体は、フッ素化されたジベンゾフラン単位を含有する1種類以上の化合物、好ましくは式V−11である好ましくは式Vの化合物を(付加的に)含む。
【0179】
【化82】

式中、パラメーターは式Vに上で示されるそれぞれの意味を有し、好ましくは、
51は、アルキルまたはアルケニルを表し、
52は、アルキル、アルケニル、アルコキシまたはアルケニルオキシを表す。
【0180】
本発明による液晶媒体の成分E中で使用できる1種類のキラル化合物または複数種類のキラル化合物は、既知のキラルドーパントより選択される。成分Eは、以下の式VI〜VIIIの化合物群より選択される1種類以上の化合物より、好ましくは大部分が、特に好ましくは本質的に、非常に特に好ましくは実質的に完全に成る。
【0181】
【化83】

式中、
61およびR62、R71〜R73およびRは、それぞれ互いに独立に、式IIでR21に上で与えられる意味を有するか、もしくは、H、CN、F、Cl、CF、OCF、CFHまたはOCFHを表し、R61およびR62の少なくとも一方はキラル基を表し、
61およびZ62、Z71〜Z73およびZは、それぞれ互いに独立に、−CHCH−、−CH=CH−、−COO−、−O−CO−または単結合を表し、好ましくは、Z61、Z62、Z71、Z74およびZ75は単結合を表し、Z63、Z72およびZ73は−COO−または単結合を表し、Z72は、好ましくは、−COO−を表し、Z73およびZは−O−CO−を表し、
【0182】
【化84】

uおよびv、およびx、yおよびzは、それぞれ互いに独立に、0または1を表し、好ましくは、
uおよびvの両方が0を表し、
xおよびvの両方が1を表す。
【0183】
式VI〜VIIIの化合物は、好ましくは、式VI−1〜VI−3、VII−1およびVII−2、およびVIII−1およびVIII−2の化合物群より選択される。
【0184】
【化85】

式中、パラメーターは、式VI〜VIIIに上で与えられる意味をそれぞれ有し、好ましくは、
61およびR62、R71〜R73およびRは、アルキル、アルケニルまたはアルコキシ、H、CN、F、Cl、CF、OCF、CFHまたはOCFHを表し、R31およびR32の少なくとも一方はキラル基、好ましくはイソオクチルオキシを表し、
61は、単結合を表し、
63は、式V−2中で単結合を表し、式V−3中で−COO−を表し、
72は、−COO−を表し、
73は、−O−CO−を表し、
mは1〜8の整数、好ましくは6を表し、
lは、mと異なる0〜8の整数、好ましくは1を表す。
【0185】
化合物は、特に好ましくは、以下の式VI−1a、VI−1b、VI−2a〜VI−2cおよびVI−3a、VII−1aおよびVII−2aおよびVIII−1aおよびVIII−2aの化合物群より選択される。
【0186】
【化86】

【0187】
【化87】

本発明の特に特に好ましい実施形態は、以下の条件の1つ以上を満たす。
【0188】
i.液晶媒体は、補助式IA−1およびIB−1〜IB−5より、好ましくは補助式IA’−1およびIB’−1〜IB’−5から、特に好ましくは補助式IA−1および/またはIB−1より、好ましくは補助式IA’−1および/またはIB’−1より選択される1種類以上の化合物を含む。
【0189】
ii.混合物全体中の式IIの化合物の割合は、20重量%以上である。
【0190】
iii.混合物全体中の式IIIの化合物の割合は、5重量%以上である。
【0191】
iv.液晶媒体は、以下の補助式の式IIIの1種類以上の化合物を含む。
【0192】
【化88】

式中、
31およびR32は、それぞれ互いに独立に、12個までのC原子を有する直鎖のアルキル、アルケニル、アルキルアルコキシまたはアルコキシ基を表し、
【0193】
【化89】

【0194】
【化90】

Zは、単結合、−CHCH−、−CH=CH−、−CFO−、−OCF−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−C−または−CF=CF−を表し、
ただし、式III−1およびIII−2の化合物は除外する。
【0195】
v.液晶媒体は、以下の補助式II−6の式IIの1種類以上の化合物を含む。
【0196】
【化91】

式中、R21およびR22は上で示される意味を有する。
【0197】
vi.本発明による媒体は、式III−1a、III−1b、III−1cおよびIII−1dの、好ましくは式III−1a、III−1bおよびIII−1cの、特に好ましくは式III−1cの群より選択される1種類以上の化合物を含む。
【0198】
vii.液晶媒体は、下述の補助式より選択される式III−1cおよびIII−1dの1種類以上の特に好ましい化合物を含む。
【0199】
【化92】

式中、alkylは上で与えられる意味を有し、好ましくは、それぞれの場合で互いに独立に、1〜6個、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルキルを表し、nが3以上を表す場合、好ましくはn−アルキルである。
【0200】
viii.液晶媒体は、
2〜80重量%の1種類以上の式Iの化合物と、
2〜80重量%の1種類以上の式IIの化合物と、
2〜80重量%の1種類以上の式IIIの化合物と、および/または
2〜80重量%の式IVおよび/またはVの化合物群より選択される1種類以上の化合物と
から本質的に成る。
【0201】
ix.液晶媒体は、式II−6および/またはIII−6の化合物群より選択される式の、特に好ましくは、それぞれの好ましいそれらの補助式から選択され、および/または、式II”’−2、II”’−3、II(IV)−2、II(IV)−3、II(V)−1および/または式T−1〜T−4、好ましくは、T−1および/またはT−4の1種類以上のフッ素化されたターフェニル類を含む。
【0202】
【化93】

式中、
RはR31に示される意味を有し、好ましくは、それぞれ1個または2〜6個のC原子を有するアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキルアルコキシまたはアルケニルオキシを表し、特に好ましくは(O)C2m+1であり、非常に特に好ましくはC2m+1であり、mは1〜6の整数を表す。
【0203】
Rは、好ましくは、それぞれ1〜6個のC原子を有する直鎖のアルキル、アルコキシまたはアルキルアルコキシ、2〜6個のC原子を有するアルケニルまたはアルケニルオキシ、好ましくは、それぞれ1〜5個のC原子を有するアルキル、更にはアルコキシ、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシである。
【0204】
混合物のΔn値が0.09以上であることを意図する場合、本発明による混合物中において、好ましくは、ターフェニル類を使用する。好ましい混合物は、2〜20重量%で1種類以上の、上で示されるターフェニル類の群より好ましくは選択されるターフェニル化合物を含む。
【0205】
x.液晶媒体は、好ましくは、上記のターフェニル類を、2〜30重量%、特には5〜20重量%の量で含む。
【0206】
ターフェニル類は、好ましくは、0.10以上のΔnを有する混合物中において、式I、IIおよびIIIの化合物と組み合わせて使用される。好ましい混合物は、2〜20重量%のターフェニル類と、5〜60重量%の式IIIの更なる化合物とを含む。
【0207】
xi.液晶媒体は、式Iの1種類以上の化合物を、2〜90重量%、特には5〜80重量%、特に好ましくは10〜70重量%、非常に特に好ましくは15〜45重量%の量で含む。
【0208】
xii.液晶媒体は、式IAの1種類以上の化合物を、個々の化合物あたり2〜25重量%、特には3〜20重量%、非常に特に好ましくは4〜17重量%の量で含む。
【0209】
xiii.液晶媒体は、3個の6員環を含む式Iの1種類以上の化合物を、個々の化合物あたり2〜20重量%、特には2〜15重量%、非常に特に好ましくは3〜10重量%の量で含む。
【0210】
xiv.液晶媒体は、4個の6員環を含む式Iの1種類以上の化合物を、個々の化合物あたり1〜15重量%、特には2〜12重量%、非常に特に好ましくは3〜8重量%の量で含む。
【0211】
xv.液晶媒体は、2個の6員環を含む式II、好ましくは補助式II−1および/またはII−6の1種類以上の化合物を、個々の化合物あたり、好ましくは1〜60重量%、特には5重量%以上、非常に特に好ましくは5〜45重量%の量、特には2〜20重量%の範囲で含む。
【0212】
xvi.液晶媒体は、3個の6員環を含む式II、好ましくは補助式II−3および/またはII−4、非常に好ましくは式II−3bおよび/またはII−3dおよび/またはII−4bおよび/またはII−4dの1種類以上の化合物を、個々の化合物あたり、好ましくは1〜60重量%、特には10重量%以上、非常に特に好ましくは5〜45重量%の量、特には2〜20重量%の範囲で含む。
【0213】
xvii.液晶媒体は、3個の6員環を含む式II、好ましくは補助式II−4および/またはII−6および/またはII−7、非常に好ましくは式II−4aおよび/またはII−4cおよび/またはII−5aおよび/またはII−5bおよび/またはII−6aおよび/またはII−6cおよび/またはII−7aおよび/またはII−7cの1種類以上の化合物を、式II−4aおよび/またはII−4cの化合物の個々の化合物あたり、好ましくは1〜50重量%、特には10重量%以上、非常に特に好ましくは5〜45重量%、特には2〜15重量%の範囲、式II−5aおよびII−5cの化合物の個々の化合物あたり2〜10重量%、および/または式II−6aおよびII−6cの化合物の個々の化合物あたり2〜20重量%の量で含む。
【0214】
xviii.液晶媒体は、式IVの1種類以上の化合物を、個々の化合物あたり、好ましくは2重量%以上、特には5重量%以上、非常に特に好ましくは5〜25重量%の量、特には2〜12重量%の範囲で含む。
【0215】
xix.液晶媒体は、式Vの1種類以上の化合物を、個々の化合物あたり、好ましくは3重量%以上、特には5重量%以上、非常に特に好ましくは5〜25重量%の量、特には2〜20重量%の範囲で含む。
【0216】
xx.液晶媒体は、以下の式の群より選択される式IIIの1種類以上の化合物を含む。
【0217】
【化94】

式中、R31およびR32は上で示される意味を有し、好ましくは、それぞれ互いに独立に、それぞれ1個または2〜7個のC原子を有する直鎖のアルキル、アルコキシまたはアルケニル基、特に好ましくは、直鎖のアルキル、更にはアルケニルを表す。
【0218】
混合物中における、これらの化合物の割合は5〜40重量%である。
【0219】
本発明は、更に、ECB効果に基づいてアドレスするアクティブマトリックスを備える電気光学的ディスプレイに関し、本発明による液晶媒体を誘電体として含有することを特徴とする。
【0220】
液晶混合物は、好ましくは、少なくとも60度のネマチック相範囲と、20℃において最大で30mm・s−1の流動粘度ν20を有する。
【0221】
本発明による液晶混合物は、約−0.5〜−8.0、特には、−2.5〜−6.0のΔεを有し、ただしΔεは誘電異方性を表す。回転粘度γは、好ましくは、200mPa・s以下、特には、170mPa・s以下である。
【0222】
液晶混合物中の複屈折率Δnは、一般に、0.06および0.16の間であり、好ましくは、0.08および0.12の間である。
【0223】
本発明による混合物は、例えば、VAN、MVA、(S)−PVAおよびASVなどの全てのVA−TFT用途に適する。更に、負のΔεのIPS(面内スイッチング;In−Plane Switching)、FFS(フリンジ場スイッチング;Fringe Field Switching)およびPALCの用途に適する。
【0224】
本発明によるディスプレイ中のネマチック液晶混合物は一般に2種類の成分AおよびBを含んでおり、これらの成分自身は1種類以上の個々の化合物より成る。
【0225】
成分Aのためには、−0.8以下の値のΔεを有する1種類(または多種類)の個々の化合物を、好ましくは選択する。混合物全体におけるAの割合が低いほど、この値をより負としなければならない。
【0226】
成分Bのためには、−0.8以下の値のΔεを有する1種類(または多種類)の個々の化合物を、好ましくは選択する。混合物全体におけるBの割合が低いほど、この値をより負としなければならない。
【0227】
成分Cは明瞭なネマトゲン性を有しており、20℃において30mm・s−1以下の流動粘度を有しており、好ましくは25mm・s−1以下である。
【0228】
成分C中の特に好ましい個々の化合物は、極めて低い粘度のネマチック液晶で、20℃において18mm・s−1以下の流動粘度を有しており、好ましくは12mm・s−1以下である。
【0229】
成分Cは単変または互変ネマチックであり、非常に低温まで液晶混合物中にスメクチック相が発生することを予防できる。例えば、高いネマトゲン性の各種材料を、それぞれの場合でスメクチック液晶混合物に加えた場合、これらの材料のネマトゲン性を、達成されるスメクチック相を抑制できる程度によって比較できる。
【0230】
多数の適切な材料が文献より当業者に知られている。式IIIの化合物が特に好ましい。
【0231】
加えて、これらの液晶相も18種類より多い成分を含む場合があり、好ましくは18〜25種類の成分である。
【0232】
その相は、好ましくは、4〜15種類、特には5〜12種類、特に好ましくは10種類以下の、式IおよびIIおよび/またはIIIおよび/またはIVおよび/またはVの化合物を含む。
【0233】
式I〜Vの化合物に加え、他の構成成分も存在してよく、例えば、混合物全体の45%までの量だが、好ましくは35%まで、特には10%までである。
【0234】
他の構成成分は、好ましくは、ネマチックまたはネマトゲン性の物質より選択され、特には、アゾキシベンゼン類、ベンジリデンアニリン類、ビフェニル類、ターフェニル類、フェニルまたはシクロヘキシル安息香酸エステル類、フェニルまたはシクロヘキシルシクロヘキサンカルボン酸エステル類、フェニルシクロヘキサン類、シクロヘキシルビフェニル類、シクロヘキシルシクロヘキサン類、シクロヘキシルナフタレン類、1,4−ビスシクロヘキシルビフェニル類またはシクロヘキシルピリミジン類、フェニルまたはシクロヘキシルジオキサン類、ハロゲン化されていてもよいスチルベン類、ベンジルフェニルエーテル類、トラン類および置換された桂皮酸エステル類に分類される既知の物質である。
【0235】
この型の液晶相の構成成分として適する最も重要な化合物は、式IXで特徴付けることができる。
【0236】
91−L−G−E−R92 IX
式中、LおよびEは、それぞれ、1,4−二置換ベンゼンおよびシクロヘキサン環、4,4’−二置換ビフェニル、フェニルシクロヘキサンおよびシクロへキシルシクロヘキサン構造、2,5−二置換ピリミジンおよび1,3−ジオキサン環、2,6−二置換ナフタレン、ジ−およびテトラヒドロナフタレン、キナゾリンおよびテトラヒドロキナゾリンから成る群からの炭素環構造またはヘテロ環構造を表す。
【0237】
Gは、−CH=CH−、−N(O)=N−、−CH=CQ−、−CH=N(O)−、−C≡C−、−CH−CH−、−CO−O−、−CH−O−、−CO−S−、−CH−S−、−CH=N−、−COO−Phe−COO−、−CFO−、−CF=CF−、−OCF−、−OCH−、−(CH−、−(CHO−またはC−C単結合を表し、Qはハロゲン、好ましくは塩素、または−CNを表し、R91およびR92は、それぞれ、18個まで、好ましくは8個までの炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルカノイルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシを表し、あるいは、これらの基の1つは、CN、NC、NO、NCS、CF、OCF、F、ClまたはBrを表す。
【0238】
これらの化合物の殆どにおいて、R91およびR92は互いに異なっており、これらの基の1つは、通常、アルキルまたはアルコキシ基である。提案された置換基の他のものも一般的である。このような物質またはそれらの混合物の多くも、商業的に入手できる。全てのこれらの物質は、文献から知られる方法により調製できる。
【0239】
混合物全体中での式IXの化合物の濃度は、好ましくは1%〜25%、特に好ましくは1%〜15%、非常に特に好ましくは2%〜9%である。
【0240】
また、本発明による媒体は、誘電的に正の成分も含む場合があり、それの総濃度は、好ましくは、媒体全体を基礎として10重量%以下である。
【0241】
好ましい実施形態において、本発明による液晶媒体は、全体として、混合物全体を基礎として、5%以上〜80%以下、好ましくは10%以上〜70%以下、好ましくは20%以上〜60%以下、特に好ましくは30%以上〜50%以下、非常に特に好ましくは35%以上〜40%以下の成分Aと、
10%以上〜85%以下、好ましくは20%以上〜80%以下、好ましくは30%以上〜70%以下、特に好ましくは40%以上〜60%以下、非常に特に好ましくは45%以上〜50%以下の成分Bと、
5%以上〜70%以下、好ましくは10%以上〜55%以下、好ましくは25%以上〜50%以下の成分Cとを含む。
【0242】
好ましい実施形態において、本発明による液晶媒体は、成分AおよびC、好ましくは、成分B、DおよびEの群より選択される1種類以上の成分を含み、それらは、好ましくは大部分が、特に好ましくは本質的に、非常に特に好ましくは実質的に完全に前記成分より成る。
【0243】
本発明による液晶媒体は、好ましくは、−20℃以下〜70℃以上までネマチック相を有し、特に好ましくは、−30℃以下〜80℃以上、非常に特に好ましくは、−40℃以下〜85℃以上、最も好ましくは、−40℃以下〜90℃以上である。
【0244】
ここで用語「ネマチック相を有する」は、一方でスメクチック相および結晶化が対応する温度の低温で確認されないことを意味し、他方でネマチック相から加熱しても透明化しないことを意味する。低温における検査は対応する温度において流動粘度計により行なわれ、試験は、電気光学的用途に対応するセル厚みを有する試験用セルに少なくとも100時間保存して行なわれる。対応する試験用セル中における−20℃での保存安定性が1000時間以上の場合、媒体はこの温度において安定であると言われる。−30℃および−40℃の温度において、対応する時間は、それぞれ500時間および250時間である。高温においては、従来法により毛細管中で透明点が測定される。
【0245】
好ましい実施形態において、本発明による液晶媒体は、中程度から低い領域の光学的異方性の値により特徴付けられる。複屈折率の値は、好ましくは0.065以上〜0.130以下の範囲内、特に好ましくは0.080以上〜0.120以下の範囲内、非常に特に好ましくは0.085以上〜0.110以下の範囲内である。
【0246】
この実施形態において、本発明による液晶媒体は負の誘電異方性を有し、比較的高い絶対値の誘電異方性(|Δε|)を有し、それは、好ましくは、2.7以上〜5.3以下、好ましくは4.5以下まで、好ましくは2.9以上〜4.5以下、特に好ましくは3.0以上〜4.0以下、非常に特に好ましくは3.5以上〜3.9以下の範囲内である。
【0247】
本発明による液晶媒体は、1.7V以上〜2.5V以下、好ましくは1.8V以上〜2.4V以下、特に好ましくは1.9V以上〜2.3V以下、非常に特に好ましくは1.95V以上〜2.1V以下の範囲内の比較的低い値の閾電圧(V)を有する。
【0248】
更なる好ましい実施形態において、本発明による液晶媒体は、好ましくは比較的低い値の平均誘電異方性(εav≡(ε+2ε)/3)を有し、それは、好ましくは、5.0以上〜7.0以下、好ましくは5.5以上〜6.5以下、更により好ましくは5.7以上〜6.4以下、特に好ましくは5.8以上〜6.2以下、非常に特に好ましくは5.9以上〜6.1以下の範囲内である。
【0249】
LCDテレビディスプレイ中での使用に特に適する好ましい実施形態において、本発明による液晶媒体は、1.7以上〜4.9以下、好ましくは4.3以下まで、好ましくは2.3以上〜4.0以下、特に好ましくは2.8以上〜3.8以下の範囲内の誘電異方性の絶対値(|Δε|)を好ましくは有する。
【0250】
この実施形態において、本発明による液晶媒体は、1.9V以上〜2.5V以下、好ましくは2.1V以上〜2.3V以下の範囲内の閾電圧(V)の値を有する。
【0251】
加えて、本発明による液晶媒体は、液晶セル中において、高い値の電圧保持率を有する。新しく充填されたセル中20℃でセル中において、これらは95%以上、好ましくは97%以上、特に好ましくは98%以上、非常に特に好ましくは99%以上であり、100℃でオーブン中5分後のセル中において、これらは90%以上、好ましくは93%以上、特に好ましくは96%以上、非常に特に好ましくは98%以上である。
【0252】
一般に、ここで、低いアドレス電圧または閾電圧を有する液晶媒体は、より大きいアドレス電圧または閾電圧を有するものより低い電圧保持率を有し、逆もそうである。
【0253】
また、好ましくは、個々の物理的特性に対するこれらの好ましい値も、それぞれの場合において互いに組合せで、本発明による媒体によって維持される。
【0254】
本出願において、他に明示されない限り、「1種類以上の化合物」とも記載される用語「化合物」は、1種類および複数種類の化合物の両方を意味する。
【0255】
他に明示されない限り、それぞれの場合で1%以上〜30%以下、好ましくは2%以上〜30%以下、特に好ましくは4%以上〜16%以下の濃度で混合物中において個々の化合物が一般に使用される。
【0256】
本発明において、個々の場合で他に示されない限り、組成物の構成成分の特定に関連して以下の定義を適用する:
−「含む」:組成物中の問題となっている構成成分の濃度が、好ましくは5%以上、特に好ましくは10%以上、非常に特に好ましくは20%以上、
−「大部分が成る」:組成物中の問題となっている構成成分の濃度が、好ましくは50%以上、特に好ましくは55%以上、非常に特に好ましくは60%以上、
−「本質的に成る」:組成物中の問題となっている構成成分の濃度が、好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上、非常に特に好ましくは95%以上、
−「実質的に完全に成る」:組成物中の問題となっている構成成分の濃度が、好ましくは98%以上、特に好ましくは99%以上、非常に特に好ましくは100.0%。
【0257】
このことは、成分でも化合物でも構わない、それらの構成成分と共に組成物としての媒体と、化合物である、それらの構成成分と共に成分との両方に適用する。媒体全体に比べて個々の化合物の濃度に関してのみ、含むとの用語は、組成物中の問題となっている構成成分の濃度が、好ましくは1%以上、特に好ましくは2%以上、非常に特に好ましくは4%以上であることを意味する。
【0258】
本発明において、「≦」は以下、好ましくは未満を意味し、「≧」は以上、好ましくは超えてを意味する。
【0259】
本発明において、
【0260】
【化95】

は、トランス−1,4−シクロヘキシレンを表し、
【0261】
【化96】

は、1,4−フェニレンを表す。
【0262】
本発明において、用語「誘電的に正な化合物」は△ε>1.5の化合物を表し、用語「誘電的に中性な化合物」は−1.5≦△ε≦1.5のものを表し、用語「誘電的に負な化合物」は△ε<−1.5のものを意味する。ここで、化合物の誘電異方性は10%の化合物を液晶ホストに溶解して決定され、それぞれの場合で20μmのセル厚みでホメオトロピック及びホモジニアスな表面配向の少なくとも1つの試験用セル中で1kHzにより得られる混合物の容量を決定する。測定電圧は典型的には0.5V〜1.0Vであるが、検討されるそれぞれの液晶混合物の容量閾値よりはいつも低くされる。
【0263】
誘電的に正および誘電的に中性な化合物に使用されるホスト混合物はZLI−4792で、誘電的に負な化合物に使用されるものはZLI−2857で、いずれもドイツ国のメルク社製である。検討される化合物を添加後にホスト混合物の誘電率の変化より検討される個々の化合物の値が得られ、使用される化合物の100%に外挿する。検討される化合物は、ホスト混合物に10%の量で溶解される。材料の溶解度が低すぎてこれが行なえない場合、所望の温度で検討できるようになるまで濃度を段階的に半分にしていく。
【0264】
また、必要に応じて、本発明による液晶媒体は、例えば、安定化剤および/または多色性色素および/またはキラルドーパントなどの更なる添加剤も通常の量で含む。これらの使用される添加剤の量は、好ましくは全体で、混合物全体の量に基づいて0%以上〜10%以下、特に好ましくは0.1%以上〜6%以下である。使用される個々の化合物の濃度は、好ましくは、0.1%以上〜3%以下である。これらおよび同様の添加剤の濃度は、液晶媒体中の液晶化合物の濃度および濃度範囲を特定する際には、一般に考慮されない。
【0265】
好ましい実施形態において、本発明による液晶混合物は、1種類以上の反応性化合物、好ましくは反応性メソゲンと、必要に応じて、例えば、重合開始剤および/または重合変調剤などの更なる添加剤とを通常の量で含む高分子前駆体を含む。これらの使用される添加剤の量は、全体で、混合物全体の量に基づいて0%以上〜10%以下、好ましくは0.1%以上〜2%以下である。これらおよび同様の添加剤の濃度は、液晶媒体中の液晶化合物の濃度および濃度範囲を特定する際には、考慮されない。
【0266】
組成物は複数種類の化合物からなり、好ましくは3種類以上〜30種類以下、特に好ましくは6種類以上〜20種類以下、非常に特に好ましくは10種類以上〜16種類以下の化合物であり、それらは従来の方法で混合される。一般に、より少ない量で使用される成分の所望の量を、混合物の主要な構成成分を構成する成分中に溶解する。これは、加温すると効果がある。選択された温度が主要な構成成分の透明点より高い場合、溶解操作の完了を特に簡単に見て取れる。しかしながら、例えば、プレミックスの使用または所謂「マルチボトルシステム」からの他の従来法において、液晶混合物を調製することも可能である。
【0267】
本発明による混合物は、65℃以上の透明点、非常に好ましい値の容量閾値、比較的高い値の保持率と同時に、−30℃および−40℃における非常に良好な低温安定性と共に非常に広いネマチック相範囲を示す。更に、本発明による混合物は、低い回転粘度γによって区別される。
【0268】
本発明による混合物の幾つかの更なる好ましい実施形態を、下に述べる。
【0269】
a)1種類、2種類、3種類または4種類以上、好ましくは、1種類、2種類または3種類の式Iの化合物を含む液晶媒体。
【0270】
b)混合物全体中の式Iの化合物の割合が2重量%以上、好ましくは4重量%以上、特に好ましくは2重量%以上〜20重量%以下である液晶媒体。
【0271】
c)混合物全体中の式IIAおよび/またはIIBの化合物の割合が少なくとも20重量%である液晶媒体。
【0272】
d)2〜20重量%の1種類以上の式Iの化合物と、
20〜80重量%の1種類以上の式IIAおよび/またはIIBの化合物と
を含むか本質的になる液晶媒体。
【0273】
e)以下の式の1つ以上より選択される1種類以上の式IIの化合物を追加的に含む液晶媒体。
【0274】
【化97】

【0275】
【化98】

式中、パラメーターは上で示される意味を有し、好ましくは、R21はアルキルを表し、vは1〜6を表す。
【0276】
f)以下の式の1つ以上より選択される1種類以上の式IIの化合物を(追加的に)含む液晶媒体。
【0277】
【化99】

【0278】
【化100】

式中、パラメーターalkylは上で示される意味を有し、好ましくは、
21は、それぞれ1個または2〜7個のC原子を有する直鎖のアルキル、アルコキシまたはアルケニル基を表し、
「alkyl」は、1〜6個のC原子を有する直鎖のアルキル基を表す。
【0279】
g)R31およびR32が、好ましくは、それぞれ互いに独立に、それぞれ6個までのC原子を有する直鎖のアルキル、アルコキシまたはアルケニルを表し、Z31およびZ32が、好ましくは、それぞれ互いに独立に、単結合、更に−COO−または−CHO−を表し、環A31、A32およびA33が、好ましくは、それぞれ互いに独立に、
【0280】
【化101】

を表す、1種類、2種類、3種類または4種類以上の式IIIの化合物を含む液晶媒体。
【0281】
h)混合物全体中の式IIIの化合物の割合が少なくとも5重量%である液晶媒体。
【0282】
i)以下の式の群の1つ以上の式より選択される1種類以上の式IVの化合物を(追加的に)含む、本発明による好ましい液晶媒体。
【0283】
【化102】

式中、
41およびR42は上で示される意味を有し、qは1または2を表し、R42は、好ましくは、CH、Cまたはn−Cを表し、好ましくは、3重量%以上、特には5重量%以上の量で、非常に特に好ましくは5〜30重量%の範囲内である。
【0284】
j)以下の式の1種類以上の式Vの化合物を(追加的に)含む、本発明による好ましい液晶媒体。
【0285】
【化103】

式中、パラメーターは上で示される意味を有し、好ましくは3〜20重量%の量で、特には3〜15重量%の量である。
【0286】
これらの化合物は、好ましくは、以下の式の化合物群より選択される。
【0287】
【化104】

式中、
alkylおよびalkyl’は、それぞれ互いに独立に、1〜6個のC原子を有する直鎖のアルキル基を表し、
alkenylおよびalkenyl’は、それぞれ互いに独立に、2〜6個のC原子を有する直鎖のアルケニル基を表す。
【0288】
k)以下の式の1種類以上の式Vの化合物を(追加的に)含む、本発明による好ましい液晶媒体。
【0289】
【化105】

式中、
51およびR52は上で示される意味を有し、cは1または2を表し、
好ましくは、3〜20重量%の量で、特には3〜15重量%の量である。
【0290】
この式の特に好ましい化合物は、以下の式の化合物である。
【0291】
【化106】

式中、
alkylおよびalkyl’は、それぞれ互いに独立に、1〜6個のC原子を有する直鎖のアルキル基を表し、
alkenylおよびalkenyl’は、それぞれ互いに独立に、2〜6個のC原子を有する直鎖のアルケニル基を表す。
【0292】
l)以下の式より選択される1種類以上の式Vの化合物を含む液晶媒体。
【0293】
【化107】

【0294】
【化108】

式中、
alkylおよびalkyl’は、それぞれ互いに独立に、1〜6個のC原子を有する直鎖のアルキル基を表し、alkenylは2〜6個のC原子を有する直鎖のアルケニル基を表す。
【0295】
m)例えば以下の式の化合物などの、テトラヒドロナフチルまたはナフチル単位を含有する1種類以上の化合物を(追加的に)含む、本発明による好ましい液晶媒体。
【0296】
【化109】

式中、RN1およびRN2は、それぞれ互いに独立に、R11に示される意味を有し、好ましくは、直鎖のアルキル、直鎖のアルコキシまたは直鎖のアルケニルを表す。
【0297】
本発明は、更に、ECB効果に基づいてアドレスするアクティブマトリックスを備える電気光学的ディスプレイに関し、本出願による液晶媒体を誘電体として含有することを特徴とする。
【0298】
本発明による液晶混合物は、好ましくは、少なくとも60度のネマチック相範囲と、20℃において30mm・s−1以下の流動粘度ν20を有する。
【0299】
好ましい実施形態において、本発明による液晶混合物は、約−0.5〜−7.0、特には、約−2.0〜−4.0のΔεを有し、ただしΔεは誘電異方性を表す。回転粘度γは、好ましくは、150mPa・s以下、特には、130mPa・s以下である。
【0300】
液晶混合物中の複屈折率Δnは、一般には0.13以下であり、好ましくは0.06および0.12の間であり、特には、0.07および0.11の間である。
【0301】
特に好ましい実施形態において、本発明による混合物は、好ましくは式IB’−1、特に好ましくは式IB’−1b、非常に特には式CLY−n−Omより選択される、1〜35%の1種類以上の式Iの化合物を含む。次の個々の化合物が、好ましくは使用される:CLY−2−O2、CLY−3−O2、CLY−3−O3および/またはCLY−2−O4。個々の化合物の濃度は、好ましくは、1%以上〜15%以下の範囲内である。
【0302】
これらの略号の構成の説明は下の表A〜C中に与えられ、使用される略号は下の表D中にまとめられている。
【0303】
これらの混合物は、好ましくは、以下の成分を含む:
−場合により、1種類以上の式II−5の化合物を、好ましくは、10%以下、特に好ましくは、5%以下の総濃度で、
−式II−1、好ましくは、II−1b、IA’−1、好ましくは、IIA’−1b、AIY−n−OmおよびII−3、好ましくは、II−3bの化合物群より選択される1種類以上の化合物を、好ましくは、60%以下の総濃度で、それぞれ個々の化合物の濃度は、好ましくは、2〜20%の範囲内であり、
−式II−4、好ましくは、II−4aおよび/またはII−4bの1種類以上の化合物を、好ましくは、60%以下の総濃度で、それぞれ個々の化合物の濃度は、好ましくは、2〜20%の範囲内であり、
−式II−6、好ましくは、II−6a、およびII−7、好ましくは、II−7aの化合物群より選択される1種類以上の化合物を、好ましくは、50%以下の総濃度で、それぞれ個々の化合物の濃度は、好ましくは、2〜20%の範囲内であり、
−場合により、式IV、好ましくは、式IV−2、特に好ましくは、rが0および/またはZ41が単結合および/または(F)0/1がFであり、非常に特に好ましくは、式CK−n−Fの1種類以上の化合物を、好ましくは、30%以下の総濃度で、それぞれ個々の化合物の濃度は、好ましくは、2〜15%の範囲内であり、
−場合により、式III−1およびIII−4、特に好ましくは、式III−1cおよびIII−4b、非常に特に好ましくは、式CC−n−Vm、CCP−nVmおよびCCP−Vn−mの群、特に好ましくは、式CC−3−V1、CC−4−V2およびCCP−nV−mの群より選択される1種類以上の化合物を、好ましくは、15%以下、特に好ましくは、5%以下の総濃度で、混合物は、非常に特に好ましくは、これらの化合物を含んでおらず、
−場合により、式III−2、好ましくは、III−2aおよび/またはIII−2b、III−1a、III−b、III−3、好ましくは、III−3c、III−4、好ましくは、III−4a、III−5、好ましくは、III−a、III−6、好ましくは、III−6a、III−11、CCZC−n−m、CCOC−n−m、CCZPC−n−mおよびPGIGI−n−Fの群より選択される1種類以上の化合物を、好ましくは、10%以上〜70%以下の総濃度である。
【0304】
本発明によるディスプレイ中のネマチック液晶混合物は一般に2種類の成分AおよびBを含んでおり、それら自身は1種類以上の個々の化合物より成る。
【0305】
成分Aは著しい負の誘電異方性を有しており、誘電異方性が−0.5以下のネマチック相を与える。それは、好ましくは、式I、IIAおよび/またはIIBの化合物を含む。
【0306】
成分Aの割合は、好ましくは、45〜100%の範囲内であり、特には、60〜100%の間である。
【0307】
成分Aのためには、−0.8以下の値のΔεを有する1種類(または多種類)の個々の化合物を、好ましくは選択する。混合物全体におけるAの割合が低いほど、この値をより負としなければならない。
【0308】
成分Bは明瞭なネマトゲン性を有しており、20℃において30mm・s−1以下の流動粘度を有しており、好ましくは、25mm・s−1以下である。
【0309】
成分B中の特に好ましい個々の化合物は、極めて低い粘度のネマチック液晶で、20℃において18mm・s−1以下の流動粘度を有しており、好ましくは12mm・s−1以下である。成分Bは単変または互変ネマチックで、スメクチック相を有しておらず、非常に低温まで液晶混合物中にスメクチック相が発生することを予防できる。例えば、高いネマトゲン性の各種材料を、それぞれの場合でスメクチック液晶混合物に加えた場合、これらの材料のネマトゲン性を、達成されるスメクチック相を抑制できる程度によって比較できる。
【0310】
多数の適切な材料が文献より当業者に知られている。式IIIの化合物が特に好ましい。
【0311】
加えて、これらの液晶相も18種類より多い成分を含む場合があり、好ましくは18〜25種類の成分である。
【0312】
その相は、好ましくは、4〜15種類、特には5〜12種類の、式I、IIAおよび/またはIIBおよび場合によりIIIの化合物を含む。
【0313】
式I、IIAおよび/またはIIBおよびIIIの化合物に加え、他の構成成分も存在してよく、例えば、混合物全体の45%までの量だが、好ましくは35%まで、特には10%までである。
【0314】
他の構成成分は、好ましくは、ネマチックまたはネマトゲン性の物質より選択され、特には、アゾキシベンゼン類、ベンジリデンアニリン類、ビフェニル類、ターフェニル類、フェニルまたはシクロヘキシル安息香酸エステル類、フェニルまたはシクロヘキシルシクロヘキサンカルボン酸エステル類、フェニルシクロヘキサン類、シクロヘキシルビフェニル類、シクロヘキシルシクロヘキサン類、シクロヘキシルナフタレン類、1,4−ビスシクロヘキシルビフェニル類またはシクロヘキシルピリミジン類、フェニルまたはシクロヘキシルジオキサン類、ハロゲン化されていてもよいスチルベン類、ベンジルフェニルエーテル類、トラン類および置換された桂皮酸エステル類に分類される既知の物質である。
【0315】
本発明による液晶混合物は、1種類以上の式I化合物を1種類以上の更なるメソゲン化合物と混合することで調製される。
【0316】
当業者には言うまでもなく、VA、IPS、FFSまたはPALCディスプレイ中で使用するための本発明による媒体は、例えば、H、N、O、Cl、Fが対応する同位体で置き換えられた化合物も含むことができる。
【0317】
例えば米国特許第6,861,107号で開示されるようないわゆる反応性メソゲン(RM)である重合性化合物を、更に本発明による混合物に加えることができ、好ましくは、混合物に基づいて0.1〜5重量%、特に好ましくは、0.2〜2重量%の濃度である。この型の混合物はいわゆるポリマー安定化VAモード用に使用でき、そこでは反応性メソゲンの重合が液晶混合物中で起こるよう意図されている。このための前提条件は、液晶混合物自身が、例えばアルケニル側鎖を含有する化合物などの重合性成分を一切含んでいないことである。
【0318】
本発明による液晶ディスプレイの構造は、例えば欧州特許出願公開第0 240 379号公報に記載されているような通常の構成に対応する。
【0319】
本発明によって使用できる液晶混合物は、それ自体は従来の方法で調製される。一般に、より少ない量で使用される成分の所望量を、主要な構成成分を構成する成分に溶解し、加温すると効果がある。成分の溶液を有機溶媒、例えば、アセトン、クロロホルムまたはメタノール中に混合し、完全に混合後、例えば蒸留により、再び溶媒を除去することも可能である。
【0320】
適切な添加剤を利用することで、本発明による液晶相を、例えばECB、VAN、IPS、GHまたはASM−VA−LCDと言ったこれまで開示された任意の型のディスプレイ中において使用できるように改変できる。
【0321】
また、誘電体は、好ましくは、UV吸収剤、抗酸化剤、ナノ微粒子およびフリーラジカル捕捉剤の群から選択される、当業者に既知で文献に記載されている1種類以上の更なる添加剤を含むこともできる。例えば、0〜15%の多色性色素、安定化剤および/またはキラルドーパント、更に、導電性塩、好ましくは4−ヘキソキシ安息香酸エチルジメチルドデシルアンモニウム、テトラフェニルボラン酸テトラブチルアンモニウムまたはクラウンエーテル類の錯塩(例えば、Hallerら、Mol.Cryst.Liq.Cryst.第24巻、第249〜258頁(1973年)参照)を、導電性を改良するために添加することができ、ナノ微粒子ができるように、誘電異方性、粘度および/またはネマチック相の配向を改変するために物質を加えることもできる。この型の物質は、例えば、ドイツ国特許出願公開第22 09 127、22 40 864、23 21 632、23 38 281、24 50 088、26 37 430および28 53 728号公報に記載されている。
【0322】
表Eに、本発明による混合物に添加できる使用可能なドーパントを示す。混合物が1種類以上のドーパントを含む場合、0.01〜4質量%の量、好ましくは0.1〜1.0%の量で使用する。
【0323】
例えば本発明による混合物に、好ましくは0.01〜6重量%の量で、特には0.1〜3重量%で添加できる物質が、下の表F中に述べられている。
【0324】
本発明の目的のために、全ての濃度は、他に明記されない限り、重量パーセントで示され、他に明示されない限り、対応する混合物または混合物成分に関する。
【0325】
他に明示されない限り、例えば、融点T(C,N)、スメクチック(S)からネマチック(N)相への転移T(S,N)および透明点T(N,I)などの本出願において示される全ての温度の値は摂氏度(℃)で示され、全ての温度差は対応する差異度(°または度)である。
【0326】
本発明においては、用語「閾電圧」は、他に明示されない限り、フレデリックス閾値としても知られる容量閾値(V)に関する。
【0327】
全ての物理的特性は「メルク液晶、液晶の物理的特性」1997年11月、ドイツ国メルク社に従って決定するか決定され、それぞれの場合で他に明示されない限り、20℃の温度に適用され、Δnは589nmにおいて、Δεは1kHzにおいて決定される。
【0328】
電気光学的特性、例えば閾電圧(V)(容量的測定)は、スイッチング特性としてメルク社において製造された試験用セル中で決定される。測定用セルはソーダ石灰ガラス基体を有し、互いに直交してラビングされ液晶をホメオトロピック配向させる効果を有するポリイミド配向層(希釈剤**26と共にSE−1211(混合比1:1)、何れも日本国日産化学社製)を備えるECBまたはVA構造に構成されている。透明で実質的に正方形のITO電極の表面積は1cmである。
【0329】
他に示されない限り使用される液晶混合物にキラルドーパントは加えないが、この型のドーピングが必要な用途に対しても液晶混合物は特に適している。
【0330】
電圧保持率は、メルク社で製造された試験用セル中で決定される。測定用セルはソーダ石灰ガラス製の基体を有し、層厚み50nmで互いに直交してラビングされたポリイミド配向層(AL−3046、日本国日本合成ゴム社製)により構成されている。層厚みは均一に6.0μmである。透明ITO電極の表面積は1cmである。
【0331】
電圧保持率は、20℃(HR20)および100℃のオーブン中で5分後(HR100)に決定される。使用される電圧は、周波数60Hzである。
【0332】
回転粘度は回転永久磁石法を使用して決定され、流動粘度は改変ウベロード粘度計で決定される。全てドイツ国ダルムスタット市のメルク社の製品である液晶混合物ZLI−2293、ZLI−4792およびMLC−6608について、20℃で決定された回転粘度の値は、それぞれ161mPa・s、133mPa・sおよび186mPa・sであり、流動粘度の値(ν)は、それぞれ21mm−1、14mm−1および27mm−1である。
【0333】
以下の記号を使用する:
は20℃における容量閾電圧(V)、
は20℃および589nmで測定される異常屈折率、
は20℃および589nmで測定される通常屈折率、
Δnは20℃および589nmで測定される光学異方性、
εは20℃および1kHzにおけるダイレクターに垂直な電気感受率、
εは20℃および1kHzにおけるダイレクターに平行な電気感受率、
Δεは20℃および1kHzにおける誘電異方性、
cl.p.またはT(N,I)は透明点(℃)、
γは20℃で測定される回転粘度(mPa・s)、
は20℃における「スプレイ」変形に対する弾性定数(pN)、
は20℃における「ツイスト」変形に対する弾性定数(pN)、
は20℃における「ベンド」変形に対する弾性定数(pN)、
LTSは試験用セル中で決定される低温安定性(相)。
【0334】
以下で与えられる例は、制限することなく本発明を説明する。しかしながら、それらは、当業者に、好ましく使用される化合物の好ましい混合物の考え方と、それらのそれぞれの濃度およびそれらの互いの組み合わせとを示す。加えて、例は、実現可能な特性および特性の組み合わせを説明する。
【0335】
本発明および以下の例において、液晶化合物の構造は頭文字を使用して示され、化学式への変換は、下の表A〜Cによって行われる。全ての基C2n+1、C2m+1およびC2l+1またはC2n、C2mおよびC2lは、それそれの場合で、それぞれn、mおよびlのC原子を有する直鎖のアルキル基またはアルキレン基である。表Aに化合物の核の環要素に対するコードを示し、表Bに結合部を列記し、表Cに分子の左側および右側の末端基に対する記号の意味を列記する。表Dに、分子構造の説明およびそれらの略号を列記する。
【0336】
【表1】

【0337】
【表2】

【0338】
【表3】

【0339】
【表4】

式中、nおよびmはそれぞれ整数であり、3つの点「...」は、この表からの他の略号のための場所を表す。式Iの化合物に加え、本発明による混合物は、好ましくは、下に述べられる化合物の1種類以上の化合物を含む。
【0340】
以下の略号を使用する(n、m=1〜6;z=1〜6)。
【0341】
【化110】

【0342】
【表5】

【0343】
【表6】

【0344】
【表7】

【0345】
【表8】

【0346】
【表9】

【0347】
【表10】

【0348】
【表11】

【0349】
【表12】

【0350】
【表13】

【0351】
【表14】

【0352】
【表15】

【0353】
【表16】

【0354】
【表17】

表Eに、本発明による混合物中で好ましくは使用されるキラルドーパントを示す。
【0355】
【表18】

【0356】
【表19】

表Eからの化合物群より選択される化合物。
【0357】
【表20】

【0358】
【表21】

【0359】
【表22】

【0360】
【表23】

本発明の好ましい実施形態において、本発明による媒体は、表Fからの化合物群より選択される1種類以上の化合物を含む。
【実施例】
【0361】
<混合物例>
<例1.1〜1.4>
【0362】
【表24】

【0363】
【表25】

【0364】
【表26】

【0365】
【表27】

<例2.1〜2.4>
【0366】
【表28】

【0367】
【表29】

【0368】
【表30】

【0369】
【表31】

<例3.1〜3.5>
【0370】
【表32】

【0371】
【表33】

【0372】
【表34】

【0373】
【表35】

【0374】
【表36】

<例4.1および4.2>
【0375】
【表37】

【0376】
【表38】

<例5.1および5.2>
【0377】
【表39】

【0378】
【表40】

<例6.1および6.2>
【0379】
【表41】

【0380】
【表42】

<例7.1〜7.3>
【0381】
【表43】

【0382】
【表44】

【0383】
【表45】

<例8.1および8.2>
【0384】
【表46】

【0385】
【表47】

<例9>
【0386】
【表48】

<例10>
以下の混合物を調製および検討する。
【0387】
【表49】

この混合物に10%の化合物CLY−3−O3および0.3%の以下の式の反応性メソゲン化合物を加える。
【0388】
【化111】

生じる混合物を電極を備える試験用セルに導入し、UVを照射する。次いで、HRを検討する。値はHR20=99%である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの1種類以上の化合物を含み、誘電的に負な極性化合物の混合物に基づく液晶媒体。
【化1】

(式中、
11およびR12は、それぞれ互いに独立に、H、15個までのC原子を有する無置換のアルキルまたはアルケニル基を表し、ただし加えて、これらの基の中の1個以上のCH基は、O原子が互いに直接結合しないようにして、−O−、−S−、
【化2】

−C≡C−、−CF−O−、−O−CF−、−CO−O−または−O−CO−で置き換えられていてもよく、
【化3】

【化4】

【化5】

11〜Z13は、それぞれ互いに独立に、−CH−CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−CH−O−、−O−CH−、−CO−O−、−O−CO−、−CF−O−、−O−CF−、−CF−CF−または単結合を表し、および
mおよびnは、それぞれ互いに独立に、0または1を表す。)
【請求項2】
a)請求項1に記載される式Iの1種類以上の誘電的に負な化合物よりなる、第1の誘電的に負なメソゲン成分(成分A)と、
b)式IIの1種類以上の誘電的に負な化合物よりなる、第2の誘電的に負なメソゲン成分(成分B)と、
【化6】

(式中、
21およびR22は、それぞれ互いに独立に、H、15個までのC原子を有するアルキルまたはアルケニル基を表し、ただし加えて、これらの基の中の1個以上のCH基は、O原子が互いに直接結合しないようにして、−O−、−S−、
【化7】

−C≡C−、−CF−O−、−O−CF−、−CO−O−または−O−CO−で置き換えられていてもよく、
【化8】

【化9】

21およびL22は、それぞれ互いに独立に、=C(X)−または=N−を表し、
は、F、Cl、OCF、CF、CH、CHF、CHFを表し、
21〜Z23は、それぞれ互いに独立に、−CH−CH−、−CH−CF−、−CF−CH−、−CF−CF−、−CH=CH−、−CF=CH−、−CH=CF−、−C≡C−、−CH−O−、−O−CH−、−CO−O−、−O−CO−、−CF−O−、−O−CF−または単結合を表し、
lおよびoは、それぞれ互いに独立に、0または1を表す。)
および/または
c)式IIIの1種類以上の誘電的に中性な化合物よりなる、誘電的に中性なメソゲン成分(成分C)と、
【化10】

(式中、
31およびR32は、それぞれ互いに独立に、R11およびR12に与えられる意味の1つを有し、
【化11】

31〜Z33は、それぞれ互いに独立に、Z11〜Z13に与えられる意味の1つを有し、
pおよびqは、それぞれ互いに独立に、0または1を表す。)
および/または
d)式IVおよびVの化合物群より選択される1種類以上の誘電的に負な化合物よりなる、更なる誘電的に負なメソゲン成分(成分D)と、
【化12】

(式中、
41およびR42、およびR51およびR52は、それぞれ互いに独立に、R11およびR12に与えられる意味の1つを有し、
【化13】

【化14】

【化15】

【化16】

41〜Z43およびZ51〜Z53は、それぞれ互いに独立に、Z11〜Z13に与えられる意味の1つを有し、
rおよびsは、それぞれ互いに独立に、0または1を表し、および
tおよびuは、それぞれ互いに独立に、0または1を表す。)
および、場合により、
e)1種類以上のキラル化合物よりなる、キラル成分(成分E)と
を含むことを特徴とする請求項1に記載の媒体。
【請求項3】
式Iの化合物中に存在する基
【化17】

の少なくとも1つが、
【化18】

を表す式Iの1種類以上の化合物を含むことを特徴とする請求項1および2の少なくとも一項に記載の媒体。
【請求項4】
式Iの1種類、2種類、3種類または4種類以上の化合物を含むことを特徴とする請求項1ないし3の一項以上に記載の媒体。
【請求項5】
混合物全体中における式Iの化合物の割合は少なくとも15重量%であることを特徴とする請求項1ないし4の一項以上に記載の媒体。
【請求項6】
混合物全体中における式IA−1およびIB−1〜IB−4の化合物の割合は少なくとも20重量%であることを特徴とする請求項1ないし5の一項以上に記載の液晶媒体。
【請求項7】
式IA−1、IB−1〜IB−3およびIB−9より選択される少なくとも1種類の化合物を含むことを特徴とする請求項1ないし6の一項以上に記載の媒体。
【化19】

(式中、パラメーターは請求項1で与えられる意味を有する。)
【請求項8】
11〜Z13がそれぞれ単結合を表す式Iの1種類以上の化合物を含むことを特徴とする請求項1ないし7の一項以上に記載の媒体。
【請求項9】
2〜80重量%の1種類以上の式Iの化合物と、
2〜80重量%の1種類以上の式IIの化合物と、
2〜80重量%の1種類以上の式IIIの化合物と、および/または
2〜80重量%の1種類以上の式IVおよび/またはVの化合物とを含み、
ただし、媒体中の式Iの全ての化合物の総含有量は100重量%以下である
ことを特徴とする請求項1ないし8の一項以上に記載の媒体。
【請求項10】
請求項1ないし9の一項以上に記載の液晶媒体を誘電体として含有すること特徴とする電気光学的ディスプレイ。
【請求項11】
アクティブマトリクスアドレス装置を有すること特徴とする請求項10に記載のディスプレイ。
【請求項12】
VA、ECB、PALC、FFSまたはIPS効果に基づくこと特徴とする請求項10または11に記載のディスプレイ。
【請求項13】
電気光学的ディスプレイ中における、請求項1ないし9の少なくとも一項以上に記載の液晶媒体の使用。
【請求項14】
アクティブマトリクスアドレス装置を有する電気光学的ディスプレイ中における、請求項13に記載の液晶媒体の使用。

【公表番号】特表2010−503733(P2010−503733A)
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−519862(P2009−519862)
【出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【国際出願番号】PCT/EP2007/006327
【国際公開番号】WO2008/009417
【国際公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】