説明

液晶用第4級トリフルオロメチルシクロヘキサン誘導体

【課題】液晶部品を合成するために用いられ得る新規化合物を開示する。
【解決手段】4−トリフルオロメチル−4−メチルカルボキシ−4′−プロピル−1,1′−(ビ)シクロヘキサンにより例示されるところの、構造w−A−x−CY−Z(CF3)(ここで、CYはシクロヘキサン又は置換シクロヘキサンである)を有する化合物。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
液晶は、多くのタイプの光学表示装置の必須部品である。この分野における用途のための液晶の有用性は、液晶分子中の極性基の強さ及び位置並びに液晶が示す誘電異方性の度合いに関連づけられる(T.Inoi,Organofluorine Chemistry, Principles and Commercial Applications,第12章,「フッ素化液晶」,Plenum Press,ニューヨーク,編者R.E.Banks等,(1994),pp.263〜286)。従って、活性マトリックスに用いられる多数の液晶が、改善誘電異方性及び従って向上性能を達成するために分子に双極子を付与する高極性頭基(全く顕著には、CF3のような過フッ素化されたもの)を含有する液晶に発展してきた、ということをこの文献は示す(T.Inoiの同章)。
【0002】
Kirsch等は、Liquid Crystals,1999,26,449において、シクロヘキサン誘導体の第4級炭素においてフッ素原子及びジェミナルアルケニル置換基を担持する液晶組成物の製造を記載した。これらの化合物は負の誘電異方性を有し、そして低い回転粘性を備えたネマチック中間相(多ドメイン垂直整列を備えた薄膜トランジスターに用いるのに適合するようにする)を形成した。Reiffenrath及びLussemは、2001年7月19日に出願された米国公開特許出願シリアルナンバー2002/0117650において、シクロヘキサン誘導体においてCF3基及び及びジェミナルアルキニル基を担持する化合物に関して報告した。彼らは、これらの化合物が液晶媒体に用いるのに適していることを示唆した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、液晶部品を合成するために用いられ得る新規化合物を開示する。本発明の化合物は、一般構造w−A−x−CY−Z(CF3)を有する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一つの具体的態様は、一般構造w−A−x−CY−Z(CF3)を有する化合物であって、
ここで、
wは、R、OR、COOR、COR、OOCR、OOCOR、O(CH2nOR、CH=CHCOOR、CR=CR−COOR、CN、H、I、NH2、NHR、NR2、SR、Br、Cl、F、NO2、N=C=O、N=C=S、CF3及びそれらの混合物(ここで、R = 12個までのC原子を備えた直鎖又は分枝鎖アルキルである)から成る群から選択され、
Aは、アリール、ビフェニル、ポリフェニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、ジオキソラン、橋架け二環式、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、テトラジン及びそれらの混合物から成る群から選択され、
xは、CH=NR、CH=CHR′、N=N、COO、COS、CONH、(CH2n、N=C=N、O、CH2O、CH2NH、NH、N+(O-)=N、N=CH−CH=N、COO(CH2nOOC、(CH2)COO及びそれらの混合物から成る群から選択され、
Zは、COOR(ここで、R = アリール、不飽和を備えた又は備えない直線状、分枝状又は環状脂肪族、4〜6個の炭素原子のラクトン)、COH、CH2OH、RCH=CRR′(ここで、R又はR′ =12個までの炭素を備えたアリール又はアルキルである)及びそれらの混合物から成る群から選択され、そして
CYは、シクロヘキサン及び置換シクロヘキサンから成る群から選択される、
化合物を含む。
【0005】
本発明の別の具体的態様は、一般構造
【化1】

を有する化合物であって
ここで、
wは、R、OR、COOR、COR、OOCR、OOCOR、O(CH2nOR、CH=CHCOOR、CR=CR−COOR、CN、H、I、NH2、NHR、NR2、SR、Br、Cl、F、NO2、N=C=O、N=C=S、CF3及びそれらの混合物(ここで、R = 12個までのC原子を備えた直鎖又は分枝鎖アルキルである)から成る群から選択され、
Aは、アリール、ビフェニル、ポリフェニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、ジオキソラン、橋架け二環式、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、テトラジン及びそれらの混合物から成る群から選択され、
xは、CH=NR、CH=CHR′、N=N、COO、COS、CONH、(CH2n、N=C=N、O、CH2O、CH2NH、NH、N+(O-)=N、N=CH−CH=N、COO(CH2nOOC、(CH2)COO及びそれらの混合物から成る群から選択され、そして
Zは、COOR(ここで、R = アリール、不飽和を備えた又は備えない直線状、分枝状又は環状脂肪族、4〜6個の炭素原子のラクトン)、COH、CH2OH、RCH=CRR′(ここで、R又はR′ =12個までの炭素を備えたアリール又はアルキルである)及びそれらの混合物から成る群から選択される、
化合物を含む。
【0006】
上記の諸具体的態様において、wは、更に、
【化2】

及びそれらの混合物から成る群から選択され、
Aは、更に、
【化3】

及びそれらの混合物から成る群から選択され、そして
xは、更に、
【化4】

及びそれらの混合物から成る群から選択される。
【0007】
本発明の別の具体的態様は、一般構造w−A−x−CY−Z(CF3)を有する化合物であって、
ここで、
wは、
【化5】

及びそれらの混合物から成る群から選択され、
Aは、
【化6】

及びそれらの混合物から成る群から選択され、
xは、
【化7】

及びそれらの混合物から成る群から選択され、
Zは、COOR(ここで、R = アリール、不飽和を備えた又は備えない直線状、分枝状又は環状脂肪族、4〜6個の炭素原子のラクトン)、COH、CH2OH、RCH=CRR′(ここで、R又はR′ =12個までの炭素を備えたアリール又はアルキルである)及びそれらの混合物から成る群から選択され、そして
CYは、シクロヘキサン及び置換シクロヘキサンから成る群から選択される、
化合物を含む。
【0008】
本発明の更に別の具体的態様は、一般構造
【化8】

を有する化合物であって、
ここで、
wは、
【化9】

及びそれらの混合物から成る群から選択され、
Aは、
【化10】

及びそれらの混合物から成る群から選択され、
xは、
【化11】

及びそれらの混合物から成る群から選択され、そして
Zは、COOR(ここで、R = アリール、不飽和を備えた又は備えない直線状、分枝状又は環状脂肪族、4〜6個の炭素原子のラクトン)、COH、CH2OH、RCH=CRR′(ここで、R又はR′ =12個までの炭素を備えたアリール又はアルキルである)及びそれらの混合物から成る群から選択される、
化合物を含む。
【0009】
本発明の更に別の具体的態様は、4−トリフルオロメチル−4−メチルカルボキシ−4′−プロピル−1,1′−bi(シクロヘキサン)を含む化合物を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、新規物質組成物、特にトリフルオロメチル基及びジェミナル置換基を備えたシクロヘキサン環を担持する化合物(高電気極性分子特に新規液晶組成物を生じるように誘導体化され得る)に関する。
【0011】
本発明は、液晶部品を合成するために用いられ得る新規組成物を提供する。本発明の化合物は、一般構造w−A−x−CY−Z(CF3)(ここで、「CY」はCF3基及びジェミナル置換基Zを担持するシクロヘキサン又は置換シクロヘキサンである)を有する。式1は、本発明の化合物の具体的態様の例示である。
【化12】

式1
ここで、
「Z」は、様々な液晶組成物を生成するように誘導体化されることの可能な官能実体である。Z基は、COOR(R = 不飽和を備えた又は備えない直線状、分枝状又は環状脂肪族である)(COORは4〜6個の炭素原子のラクトンでもあり得る)、COH、CH2OH、RCH=CRR′(R、R′ =12個までの炭素を備えたアリール又はアルキル)を含み得;
「w」は、下記のスキーム1に示されるようにR、OR、COOR、COR、OOCR、OOCOR、O(CH2nOR、CH=CHCOOR、CR=CR−COOR、CN、H、I、NH2、NHR、NR2、SR、Br、Cl、F、NO2、N=C=O、N=C=S、CF3(ここで、R = 12個までのC原子を備えた直鎖又は分枝鎖アルキルである)のような基を含み得;
「A」は、下記のスキーム2に示されるようにアリール、ビフェニル、ポリフェニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、ジオキソラン、橋架け二環式、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン及びテトラジン基を含み得;そして
「x」は、2つの環の間の連結基であり、そして下記のスキーム3に示されるようにCH=NR、CH=CHR′、N=N、COO、COS、CONH、(CH2n、N=C=N、O、CH2O、CH2NH、NH、N+(O-)=N、N=CH−CH=N、COO(CH2nOOC、(CH2nCOOを含み得る。
【化13】

スキーム1: 液晶組成物中の末端基(w)
【化14】

スキーム2: 液晶組成物中の環系(A)
【化15】

スキーム3: 液晶組成物中の連結基(x)
【0012】
Z = COOR、COH、CH2OH及びCH=CRR′である場合の化合物の製造方法が、下記のスキーム4に図示される。基Zを担持するカルボン酸をSF4と反応させて、CF3生成物を得て、この生成物をLiAlH4のような水素化物と反応させて、アルコール(Z = CH2OH)を得る。このアルコールの酸化は、アルデヒド(Z = COH)を与えた。アルキルトリフェニルホスフィン及び塩基とのこのアルデヒドのウィッティヒ反応は、オレフィン(Z = CH=CRR′)をもたらした。
【化16】

スキーム4: 第4級CF3への合成方法
ここで、LAHは水素化アルミニウムリチウムである。
【0013】
エステル官能基(Z = COOR)の更なる変換が、他のエステルCOOR′(R′ = アルキル、アリール)、アミドCONR2(R = H、アルキル又はアリール)、カルボン酸COOH、カルボン酸塩化物、アルコール(R2COH,R = アルキル又はアリール)、ケトンCOR(R = アルキル又はアリール)を製造するために行われ得る。
【0014】
アルコールZ = CH2OHの更なる変換が、アルキルハライドCH2F、CH2Cl、CH2Br、CH2I、エーテルCH2OR(R = 12個までの炭素原子を備えた直鎖若しくは分枝状アルキル、シクロアルキル、アリール又はアルキルアリール)、チオエーテルCH2SR(R = 10個までの炭素原子を備えた直鎖若しくは分枝状アルキル、シクロアルキル、アリール又はアルキルアリール)、アミンCH2NR2(R = H、12個までの炭素原子を備えた直鎖若しくは分枝状アルキル、シクロアルキル、アリール又はアルキルアリール)及びエステルCH2OCOR(R = 10個までの炭素原子を備えた直鎖若しくは分枝状アルキル、シクロアルキル、アリール又はアルキルアリール)を製造するために行われ得る。
【0015】
アルデヒド基(Z = COH)の更なる変換が、
ウィッティヒ又はホーナー−エモンズ反応を介するオレフィンCH=CR2(R = 12個までの炭素原子を備えた直鎖若しくは分枝状アルキル、シクロアルキル、アリール又はアルキルアリールであり,これらはO、N、Sのようなヘテロ原子又はカルボン酸エステル、シアノ、ニトロ、ケトン若しくはアルデヒドのような基で置換されていてもよい);
NaBH4のような水素化物での還元によるアルコールCH2OH、
又はR-+(M = Li、Na、K)、RMgX(X = Br、Cl)、R2CuLi若しくはR2Znのような有機金属反応試薬との反応によるアルコールCH2(OH)R(R = 12個までの炭素原子を備えた直鎖若しくは分枝状アルキル、シクロアルキル、アリール又はアルキルアリールであり,これらはO、N、Sのようなヘテロ原子又はエステル、シアノ、ニトロ、ケトン若しくはアルデヒドのような基で置換されていてもよい);
1,3−プロパンジオール又は1,2−エタンジオールとの酸触媒縮合によるジオキソランCHO(CH2nO(n = 2又は3);
1,3−プロパンチオール又はエタンジチオールとの酸触媒縮合によるジチオランCHS(CH2nS(n = 2又は3)、を製造するために行われ得る。
【0016】
オレフィン(Z = RCH=CRR′)の更なる変換が、タングステン、モリブデン、ルテニウム又はレニウム錯体によって触媒されるメタセシス反応により他のオレフィンRCH=CR23(R2、R3 = 12個までの炭素原子のアルキル鎖)を得るために行われ得る。ハロゲンの付加はRCHXCRR′X(X = F、Cl、Br、I)を生成し、そしてハロゲン化水素はRCH2CXRR′(X = F、Cl、Br、I)を生成する。オレフィンのヒドロホウ素化及び酸化は、アルコールRCH(OH)CHRR′を生成する。過酸又は過酸化物でもってのエポキシ化は、対応するエポキシドRCH(O)CRR′(R、R′ = 個々に12個までの炭素を備えたアリール又はアルキル)を発生する。
【実施例】
【0017】
次の諸例は本発明を更に例示する目的のために提供されるが、しかし決して本発明を限定するようには意図されていない。
【0018】
例1
四フッ化硫黄でもっての4−カルボキシ−4−メチルカルボキシ−(4′−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキサンのフッ素化
安全装置及び入口弁に連結されたT字管を備え且つ撹拌子を含有する75mLホーク(Hoke)シリンダー中に、4.2グラムの4−カルボキシ−4−メチルカルボキシ−(4′−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキサンを入れた。このホーク(Hoke)シリンダーを排気し、そして−78℃に冷却した。この冷却シリンダー中に、9.4gのフッ化水素を9.5モル当量の四フッ化硫黄と共に減圧導入した。シリンダーの弁を閉じ、そしてシリンダーを室温まで温めた。この反応物を室温にて24時間撹拌した。揮発物をホーク(Hoke)シリンダーから排気し、そして残留内容物をジエチルエーテルで抽出し、そして重炭酸ナトリウムで中和した。この混合物を濾過し、濃縮し、そしてシリカゲルの充填体に通し、ヘキサン中の2〜4%エチルアセテート(vol/vol)で溶離した。GC−MSクロマトグラムは、各々分子イオンピーク(m/z=334)を有するところの4種のアクシアル/エクアトリアル異性体に対応する4つの生成物ピークを示した。溶媒を蒸発すると、反応物は2.0グラムの生成物を生じた。
【0019】
例2
水素化アルミニウムリチウムでもっての4−トリフルオロメチル−4−メチルカルボキシ−(4′−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキサンの還元
乾燥100mL二口丸底フラスコ中に、窒素下で200ミリグラムの水素化アルミニウムリチウムを入れた。10mLの無水テトラヒドロフランを添加し、そしてこのフラスコを氷浴中で0℃に冷却した。1.45グラムの4−トリフルオロメチル−4−メチルカルボキシ−(4′−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキサンを6mLの無水テトラヒドロフラン中に溶解し、そして反応フラスコに滴加した。この反応物を0℃にて1時間そして次いで室温にて4時間撹拌した。この反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、そして0.25mLの水、次いで0.25mLの15%NaOH(aq)そして次いで0.75mLの水をゆっくり添加した。この混合物を一晩撹拌した。アルミニウム塩の濾過後、有機相を水で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮すると1.0グラムの生成物を生じた。GC−MSクロマトグラムは、各々分子イオンピーク(m/z=306)を有するところのアクシアル/エクアトリアル異性体についての3つの明確なピークを示した(多分第4のピークはその他の3つのピークの一つの下に隠されたのであろう)。
【0020】
例3
無水クロム酸/ピリジンでもっての4−トリフルオロメチル−4−ヒドロキシメチル−(4′−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキサンの酸化
乾燥二口丸底フラスコ中に、窒素下で1.0gのクロム酸無水物を入れた。10mLの無水メチレンクロライドそして次いで1.7mLの無水ピリジンを添加した。この混合物を室温にて40分間撹拌した。6mLの無水メチレンクロライド中で1.0gの4−トリフルオロメチル−4−ヒドロキシメチル−(4′−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキサンを添加し、そして週末にわたって撹拌した。この反応物をエーテルで希釈し、そして沈殿物をセライトを通じて濾過した。有機相を希薄HCl溶液で2回、NaHCO3溶液で1回そして水で1回洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして溶媒を蒸発すると0.59グラムの物質を生じた。GC−MSクロマトグラムは、分子イオンピーク(m/z=302)を有するピークを示した。
【0021】
例4
4−トリフルオロメチル−4−ホルミル−(4′−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキサンのウィッティヒ反応
乾燥二口丸底フラスコ中に、窒素下で6.25グラムのヘキシルホスホニウムブロマイドを入れた。30mLの無水テトラヒドロフランを添加し、そして−70℃に冷却した。撹拌しながらヘキサン中の2.5Mのn−ブチルリチウムを5.8mL滴加し、そして塩のすべてを溶解して有機溶液を形成させた。冷却浴をわずかに下げ、そして10mLのテトラヒドロフラン中の4.04グラムの4−トリフルオロメチル−4−ホルミル−(4′−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキサンをゆっくり添加し、そして2時間撹拌した。ジエチルエーテルを添加し、そしてこの反応混合物を希薄HCl(aq)でそして続いて飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。有機相を濃縮し、そしてヘキサンと共に摩砕した。このヘキサンをシリカの充填体に通し、そして続いて追加のヘキサンで洗浄した。これらのヘキサン溶媒を一緒にして蒸発すると4.21gの生成物を生じた。GC−MSクロマトグラムは、分子イオンピーク(m/z=372)を示した。
【0022】
好ましい具体的態様の上記の諸例及び説明は、請求項により定められる本発明の限定としてではなくむしろ例示として解されるべきである。容易に認識されるように、上記に記述された特徴の数多くの変型及び組合わせが、請求項に記述された本発明から逸脱することなく利用され得る。かかる変型は本発明の精神及び範囲からの逸脱とみなされないで、すべてのかかる変型は添付の請求項の範囲内に含まれるよう意図されている。
【0023】
関連出願への相互参照
本願は、2007年2月6日に出願された米国仮特許出願第60/899,679号の恩恵を主張する。この仮出願の開示は、これにより参照することによって組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の構造
w−A−x−CY−Z(CF3
を有する化合物であって、
ここで、
wは、R、OR、COOR、COR、OOCR、OOCOR、O(CH2nOR、CH=CHCOOR、CR=CR−COOR、CN、H、I、NH2、NHR、NR2、SR、Br、Cl、F、NO2、N=C=O、N=C=S、CF3及びそれらの混合物(ここで、R = 12個までのC原子を備えた直鎖又は分枝鎖アルキルである)から成る群から選択され、
Aは、アリール、ビフェニル、ポリフェニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、ジオキソラン、橋架け二環式、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、テトラジン及びそれらの混合物から成る群から選択され、
xは、CH=NR、CH=CHR′、N=N、COO、COS、CONH、(CH2n、N=C=N、O、CH2O、CH2NH、NH、N+(O-)=N、N=CH−CH=N、COO(CH2nOOC、(CH2)COO及びそれらの混合物から成る群から選択され、
Zは、COOR(R = アリール、不飽和を備えた又は備えない直線状、分枝状又は環状脂肪族、4〜6個の炭素原子のラクトン)、COH、CH2OH、RCH=CRR′(ここで、R又はR′は12個までの炭素を備えたアリール又はアルキルである)及びそれらの混合物から成る群から選択され、そして
CYは、シクロヘキサン及び置換シクロヘキサンから成る群から選択される、
化合物。
【請求項2】
wが、
【化1】

及びそれらの混合物から成る群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Aが、
【化2】

及びそれらの混合物から成る群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
xが、
【化3】

及びそれらの混合物から成る群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
次の構造
【化4】

を有する化合物であって、
ここで、
wは、R、OR、COOR、COR、OOCR、OOCOR、O(CH2nOR、CH=CHCOOR、CR=CR−COOR、CN、H、I、NH2、NHR、NR2、SR、Br、Cl、F、NO2、N=C=O、N=C=S、CF3及びそれらの混合物(ここで、Rは12個までのC原子を備えた直鎖又は分枝鎖アルキルである)から成る群から選択され、
Aは、アリール、ビフェニル、ポリフェニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、ジオキソラン、橋架け二環式、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、テトラジン及びそれらの混合物から成る群から選択され、
xは、CH=NR、CH=CHR′、N=N、COO、COS、CONH、(CH2n、N=C=N、O、CH2O、CH2NH、NH、N+(O-)=N、N=CH−CH=N、COO(CH2nOOC、(CH2)COO及びそれらの混合物から成る群から選択され、そして
Zは、COOR(R = アリール、不飽和を備えた又は備えない直線状、分枝状又は環状脂肪族、4〜6個の炭素原子のラクトン)、COH、CH2OH、RCH=CRR′(ここで、R又はR′は12個までの炭素を備えたアリール又はアルキルである)及びそれらの混合物から成る群から選択される、
化合物。
【請求項6】
wが、
【化5】

及びそれらの混合物から成る群から選択される、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
Aが、
【化6】

及びそれらの混合物から成る群から選択される、請求項5に記載の化合物。
【請求項8】
xが、
【化7】

及びそれらの混合物から成る群から選択される、請求項5に記載の化合物。
【請求項9】
次の構造
w−A−x−CY−Z(CF3
を有する化合物であって、
ここで、
wは、
【化8】

及びそれらの混合物から成る群から選択され、
Aは、
【化9】

及びそれらの混合物から成る群から選択され、
xは、
【化10】

及びそれらの混合物から成る群から選択され、
Zは、COOR(R = アリール、不飽和を備えた又は備えない直線状、分枝状又は環状脂肪族、4〜6個の炭素原子のラクトン)、COH、CH2OH、RCH=CRR′(ここで、R又はR′は12個までの炭素を備えたアリール又はアルキルである)及びそれらの混合物から成る群から選択され、そして
CYは、シクロヘキサン及び置換シクロヘキサンから成る群から選択される、
化合物。
【請求項10】
次の構造
【化11】

を有する化合物であって、
ここで、
wは、
【化12】

及びそれらの混合物から成る群から選択され、
Aは、
【化13】

及びそれらの混合物から成る群から選択され、
xは、
【化14】

及びそれらの混合物から成る群から選択され、そして
Zは、COOR(R = アリール、不飽和を備えた又は備えない直線状、分枝状又は環状脂肪族、4〜6個の炭素原子のラクトン)、COH、CH2OH、RCH=CRR′(ここで、R又はR′は12個までの炭素を備えたアリール又はアルキルである)及びそれらの混合物から成る群から選択される、
化合物。
【請求項11】
4−トリフルオロメチル−4−メチルカルボキシ−4′−プロピル−1,1′−(bi)シクロヘキサンを含む化合物。
【請求項12】
次の構造
w−A−x−CY−Z(CF3
を有する化合物であって、
ここで、
wは、R、OR、COOR、COR、OOCR、OOCOR、O(CH2nOR、CH=CHCOOR、CR=CR−COOR、CN、H、I、NH2、NHR、NR2、SR、Br、Cl、F、NO2、N=C=O、N=C=S、CF3、NHCOR、OCF3及びそれらの混合物(ここで、R = 12個までのC原子を備えた直鎖又は分枝鎖アルキルである)から成る群から選択され、
Aは、アリール、ビフェニル、ポリフェニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、ジオキソラン、ジオキサン、橋架け二環式、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、テトラジン及びそれらの混合物から成る群から選択され、
xは、単結合、CH=NR、CH=CHR′、N=N、COO、COS、CONH、(CH2n、N=C=N、O、CH2O、CH2nNH、NH、N+(O-)=N、N=CH−CH=N、COO(CH2nOOC、(CH2nCOO、エチン、CH=N+(O-)、O(CH2n及びそれらの混合物(ここで、R又はR′は12個までの炭素を備えたアリール又はアルキルであり、そしてn = 1から5である)から成る群から選択され、
Zは、COOR(ここで、R = アリール、不飽和を備えた又は備えない直線状、分枝状又は環状脂肪族であり、しかもCOORは4〜6個の炭素原子のラクトンであり得る)、COH、CH2OH、CH=CRR′(ここで、R又はR′は12個までの炭素を備えたアリール又はアルキルである)及びそれらの混合物から成る群から選択され、そして
CYは、シクロヘキサン及び置換シクロヘキサンから成る群から選択される、
化合物。
【請求項13】
wが、
【化15】

及びそれらの混合物から成る群から選択される、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
Aが、
【化16】

及びそれらの混合物から成る群から選択される、請求項12に記載の化合物。
【請求項15】
xが、
【化17】

及びそれらの混合物から成る群から選択される、請求項12に記載の化合物。
【請求項16】
次の構造
【化18】

を有する化合物であって、
ここで、
wは、R、OR、COOR、COR、OOCR、OOCOR、O(CH2nOR、CH=CHCOOR、CR=CR−COOR、CN、H、I、NH2、NHR、NR2、SR、Br、Cl、F、NO2、N=C=O、N=C=S、CF3、NHCOR、OCF3及びそれらの混合物(ここで、Rは12個までのC原子を備えた直鎖又は分枝鎖アルキルである)から成る群から選択され、
Aは、アリール、ビフェニル、ポリフェニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、ジオキソラン、ジオキサン、橋架け二環式、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、テトラジン及びそれらの混合物から成る群から選択され、
xは、単結合、CH=NR、CH=CHR′、N=N、COO、COS、CONH、(CH2n、N=C=N、O、CH2O、CH2nNH、NH、N+(O-)=N、N=CH−CH=N、COO(CH2nOOC、(CH2nCOO、エチン、CH=N+(O-)、O(CH2n及びそれらの混合物(ここで、R又はR′は12個までの炭素を備えたアリール又はアルキルであり、そしてn = 1から5である)から成る群から選択され、そして
Zは、COOR(ここで、R = アリール、不飽和を備えた又は備えない直線状、分枝状又は環状脂肪族であり、しかもCOORは4〜6個の炭素原子のラクトンであり得る)、COH、CH2OH、CH=CRR′(ここで、R又はR′は12個までの炭素を備えたアリール又はアルキルである)及びそれらの混合物から成る群から選択される、
化合物。
【請求項17】
wが、
【化19】

及びそれらの混合物から成る群から選択される、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
Aが、
【化20】

及びそれらの混合物から成る群から選択される、請求項16に記載の化合物。
【請求項19】
xが、
【化21】

及びそれらの混合物から成る群から選択される、請求項16に記載の化合物。
【請求項20】
次の構造
w−A−x−CY−Z(CF3
を有する化合物であって、
ここで、
wは、
【化22】

及びそれらの混合物から成る群から選択され、
Aは、
【化23】

及びそれらの混合物から成る群から選択され、
xは、
【化24】

及びそれらの混合物(ここで、n = 1から5である)から成る群から選択され、
Zは、COOR(ここで、R = アリール、不飽和を備えた又は備えない直線状、分枝状又は環状脂肪族であり、しかもCOORは4〜6個の炭素原子のラクトンであり得る)、COH、CH2OH、CH=CRR′(ここで、R又はR′は12個までの炭素を備えたアリール又はアルキルである)及びそれらの混合物から成る群から選択され、そして
CYは、シクロヘキサン及び置換シクロヘキサンから成る群から選択される、
化合物。
【請求項21】
次の構造
【化25】

を有する化合物であって、
ここで、
wは、
【化26】

及びそれらの混合物から成る群から選択され、
Aは、
【化27】

及びそれらの混合物から成る群から選択され、
xは、
【化28】

及びそれらの混合物(ここで、n = 1から5である)から成る群から選択され、そして
Zは、COOR(ここで、R = アリール、不飽和を備えた又は備えない直線状、分枝状又は環状脂肪族であり、しかもCOORは4〜6個の炭素原子のラクトンであり得る)、COH、CH2OH、CH=CRR′(ここで、R又はR′は12個までの炭素を備えたアリール又はアルキルである)及びそれらの混合物から成る群から選択される、
化合物。
【請求項22】
4−トリフルオロメチル−4−メチルカルボキシ−4′−プロピル−1,1′−(bi)シクロヘキサンを含む化合物。

【公開番号】特開2008−189672(P2008−189672A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−26640(P2008−26640)
【出願日】平成20年2月6日(2008.2.6)
【出願人】(591035368)エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド (452)
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】7201 Hamilton Boulevard, Allentown, Pennsylvania 18195−1501, USA
【Fターム(参考)】