説明

液晶画面洗浄用ブラシ毛材および液晶画面洗浄用ブラシ

【課題】ブラシ基台への植毛加工性に優れた液晶画面洗浄用ブラシ毛材および被洗浄体である液晶画面の洗浄効率に優れると共に、毛材やその構成材料がブラシから脱落して液晶画面の表面に付着したり或いはこれを傷つけたりする恐れのない液晶画面洗浄用ブラシを提供する。
【解決手段】直径が50ミクロン以下の単糸の集合体であって、総繊度が5000dtex以下の合成繊維マルチフィラメントに対し、60〜120ターン/メートルの撚りをかけたものに、水溶性接着剤を付与してなる液晶画面洗浄用ブラシ毛材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶画面洗浄用ブラシ毛材および液晶画面洗浄用ブラシに関するものであり、さらに詳しくは、ブラシ基台への植毛加工性に優れた液晶画面洗浄用ブラシ毛材および被洗浄体である液晶画面の洗浄効率に優れると共に、毛材やその構成材料がブラシから脱落して液晶画面の表面に付着したり或いはこれを傷つけたりする恐れのない液晶画面洗浄用ブラシに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年では、IT関連技術や情報関連技術が拡大し、テレビ、パソコン、携帯電話などに使用されるフラットパネルディスプレイの需要が増大している。特に液晶ディスプレイの需要は今後も増大傾向にあり、各国、各メーカーで市場拡大が活発になっている。
【0003】
液晶ディスプレイは1枚のマザーガラスから切り取られるパネルの枚数でコストが異なるために、コストダウンを目的に液晶ディスプレイ用マザーガラスは大型化が進み、製造工程においても大型化に伴う効率化が進んでいる。
【0004】
液晶ディスプレイ(以下、液晶画面と呼ぶ)の製造工程においては、液晶画面の表面に付着した油分や埃などを除去するための洗浄工程があり、この洗浄工程で使用されるブラシには、柔軟で液晶画面を傷つけることがなく、しかも洗浄効率に優れるという性能が要求される。また、液晶画面の洗浄工程においては、洗浄効率の向上のために、洗浄剤として溶剤を使用して高温条件下で洗浄する場合もあることから、使用される洗浄用ブラシ毛材には、優れた耐薬品性と耐熱性といった基本性能以外にも、かかる洗浄条件下において、毛材やその構成材料がブラシから脱落して液晶画面の表面に付着したり、或いはこれを傷つけたりする恐れがないこと、つまりブラシとしての信頼性に優れることが要求されている。
【0005】
このような柔軟でしかも洗浄効率に優れたブラシ毛材としては、例えば、細い繊維を集束し、それらを撚って形成される繊維束を複数本撚り合せ、その撚りを接着剤等により固めてロープ状の撚合体を構成し、この撚合体の先端部の撚りを一定長さにわたってほぐして細い繊維状先端部分を形成してなる洗車用ブラシ毛材(例えば、特許文献1参照)が提案されている。しかしながら、このブラシ毛材は直径が約0.1mmの合成繊維を使用していることから十分に柔らかいブラシ面が得られないばかりか、ブラシから接着剤が脱落して洗浄体の表面に付着するなどの支障が生じるため、この毛材を液晶画面洗浄用として適用したとしても、その場合に要求される性能を満たすことはできなかった。
【0006】
また、先端部を合成繊維マルチフィラメントで、植毛部をポリエチレンなどの合成樹脂を被覆した合成繊維マルチフィラメントで、それぞれ構成した洗車機用ブラシ毛材(例えば、特許文献2参照)が提案されており、この毛材は上述した特許文献1に記載の毛材に比し柔軟で被洗浄体を傷つけることがなく、洗浄性に優れることが主張されている。しかしながら、この毛材は植毛部に合成樹脂を被覆する行程を必要とするためにコストアップとなるばかりか、先端部の直径が1〜2mmと太いことから、十分に柔らかいブラシ面を有するものではなかった。しかも、この毛材を液晶画面洗浄用として適用した場合には、植毛部に被覆したポリエチレンなどの合成樹脂が過酷な洗浄条件に耐えられずに脱落し、液晶画面に付着したり或いはこれを傷つけたりするという問題があった。
【0007】
さらに、合成繊維の収束糸に下撚りをかけてさらにこれを合糸して上撚りをかけたものに、接着剤を付与することにより合成繊維の単糸間を接合してなるアルミや鉄板などの金属表面仕上げ洗浄用ブラシ毛材(例えば、特許文献3参照)が提案されており、この毛材は柔らかいブラシ面を有すると共に、腰が適度に強く、さらには毛材が脱落することがなく耐久性にも優れることが主張されている。しかしながら、この毛材は強い撚りが接着剤で固定されていることから十分な柔軟性を有しているとはいえず、これを液晶画面の洗浄用として適用した場合には、液晶画面の表面を傷つけ易いばかりか、洗浄時に接着剤が容易に脱落して、液晶画面に付着したり或いはこれを傷つけたりしてしまうという問題があった。
【0008】
したがって、従来の液晶画面洗浄用のブラシ毛材としては、液晶画面を傷つけない程度の柔軟性を有する細い合成繊維が適用されているが、このような細い繊維はブラシ基台に植毛する際にばらけやすくて植毛加工性に劣るばかりか、ブラシとして実要する際に平滑で光沢のある液晶画面を得るための洗浄時間が長くなり、洗浄効率にも劣ることから、それらの改良が強く望まれていた。
【特許文献1】実開昭59−59124号公報
【特許文献2】特開平6−277177号公報
【特許文献3】特開2000−316634号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものであり、ブラシ基台への植毛加工性に優れた液晶画面洗浄用ブラシ毛材および被洗浄体である液晶画面の洗浄効率に優れると共に、毛材やその構成材料がブラシから脱落して液晶画面の表面に付着したり或いはこれを傷つけたりする恐れのない液晶画面洗浄用ブラシの提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明によれば、直径が50ミクロン以下、総繊度が5000dtex以下の単糸集合体からなる合成繊維マルチフィラメントに対し、60〜120ターン/メートルの撚りをかけたものに、水溶性接着剤を付与してなることを特徴とする液晶画面洗浄用ブラシ毛材が提供される。
【0011】
なお、本発明の液晶画面洗浄用ブラシ毛材においては、前記合成繊維マルチフィラメントが、直径10〜40ミクロン、総繊度1000〜4000dtexの単糸集合体からなること、前記水溶性接着剤の付着量が繊維重量に対して1〜10重量%であることが好ましい。
【0012】
また、本発明の液晶画面洗浄用ブラシは、上記の液晶画面洗浄用ブラシ毛材を基台に植毛後、前記水溶性接着剤を洗浄除去すると共に、前記下撚りを解除してなることを特徴とし、毛長が5〜30ミリメートルであることおよびチャンネルブラシであることが、いずれも好ましい条件として挙げられる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、以下に説明するとおり、ブラシ基台への植毛加工性に優れた液晶画面洗浄用ブラシ毛材および被洗浄体である液晶画面の洗浄効率に優れると共に、毛材やその構成材料がブラシから脱落して液晶画面の表面に付着したり或いはこれを傷つけたりする恐れのない液晶画面洗浄用ブラシを得ることができる。
【0014】
したがって、本発明の液晶画面洗浄用ブラシによれば、平滑でかつ光沢のある表面を有する液晶画面を効率的に仕上げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を具体的に説明する。
【0016】
本発明に用いられる合成繊維マルチフィラメントは、直径が50ミクロン以下、好ましくは10〜40ミクロン、且つ総繊度が5000dtex以下、好ましくは1000〜4000dtexの単糸集合体からなるものである。なお、ここでいう合成繊維マルチフィラメントとは、いわゆるマルチフィラメントの単体または複数本のマルチフィラメントを集束したマルチフィラメント束を総称するものである。
【0017】
ただし、合成繊維マルチフィラメントの単糸直径または総繊度が上記の範囲を超えると、ブラシの毛先が固くなって被洗浄体である液晶画面の表面を傷つけてしまい、高度な光沢や平滑な表面を有するものが得られにくくなるため好ましくない。
【0018】
合成繊維マルチフィラメントの構成素材としては、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、フッ素系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、炭素繊維などが挙げられるが、なかでもナイロン66、ナイロン6、ナイロン46などのポリアミド、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリプロピレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂およびポリフェニレンスルフィドに代表されるポリフェニレンサルファイド系樹脂であることが好ましい。また、上記それぞれのポリマを主成分とした共重合ポリマまたはブレンドポリマなどを用いることもできる。
【0019】
これらの素材ポリマは、各種の酸化防止剤、加水分解抑制剤、酸化防止剤、老化防止剤、各種金属封鎖剤、防汚性付与剤、各種難燃剤、各種導電性・制電性付与剤、滑り性付与剤、防黴剤、結晶核剤、発泡剤、加硫剤、加硫促進剤、色調改良剤、着色剤、触媒、界面活性剤、各種粒子および可塑剤などの各種添加剤を目的に応じて含有することができる。
【0020】
また、合成繊維マルチフィラメントは、公知の溶融紡糸・延伸法により製造することができ、その単糸断面形状は特に限定されるものではなく、円形、四角形、Y型、V型、扁平型等を目的に応じて選択することができる。
【0021】
本発明の液晶画面洗浄用ブラシ毛材を形成するに際しては、上記の合成繊維マルチフィラメントに対し、60〜120ターン/メートル、好ましくは70〜100ターン/メートルの撚りをかける。
【0022】
ここで、撚りが上記の範囲未満では、ブラシへの植毛時にばらけやすくなって植毛加工性が低下する傾向にあり、また上記の範囲を超えると、ブラシに植毛した後の撚りの開繊がしにくくなるばかりか、開繊時に糸切れが多発し、洗浄時に切れた単糸が液晶画面の表面に付着したり、或いはこれを傷つけたりする傾向がある。
【0023】
次いで、撚りをかけた上記の合成繊維マルチフィラメントに水溶性接着剤を付与するが、本発明で使用する水溶性接着剤の具体例としては、ポリビニルアルコール、スターチ、CMC(カルボキシメチルセルロース)等の水溶液が挙げられる。
【0024】
この水溶性接着剤の付着量は、繊維重量に対して1〜10重量%、特に2〜5重量%であることが好ましい。付着量が上記の範囲未満では、ブラシへの加工時にばらけやすくなって植毛加工性が低下し、また上記の範囲を超えると、ブラシへ加工した後の水溶性接着剤の洗浄除去に長時間を要するという好ましくない傾向が招かれる。
【0025】
合成繊維マルチフィラメントに対する水溶性接着剤の付与は、繊維を水溶性接着剤に浸漬する方法、繊維に水溶性接着剤をロールや刷毛で塗布する方法、および繊維に水溶性接着剤をスプレー塗布する方法等を採用することができ、付与後の繊維を適宜な方法で乾燥することにより本発明の液晶画面洗浄用ブラシ毛材が得られる。
【0026】
本発明の液晶画面洗浄用ブラシは、上記の液晶画面洗浄用ブラシ毛材を基台に植毛後、水溶性接着剤を洗浄除去すると共に、撚りを解除してなるものであるが、ここで使用する基台としては、チャンネルブラシ、ロールブラシ、直線ブラシ、ホイールブラシ、カップブラシ、ヘベル型ブラシ、ネジリ型ブラシおよびナイブレットブラシなどの目的とする各種ブラシの形状に応じたものを選択することができる。
【0027】
例えば、ロールブラシの場合には、具体的に次の方法で製造することができる。
【0028】
すなわち、厚さ約0.5mm、幅約15mmの金属製チャンネルプレート(ブラシ基台)上に、ブラシ毛材の中間点がチャンネルプレートの長さ方向の中心軸上に乗り、且つチャンネルプレートの長さ方向に対し垂直になるようにブラシ毛材を並べていく。その後、並べられたブラシ毛材の上に、チャンネルプレートと同じ長さで、直径約1mmの金属線をチャンネルプレートの長さ方向の中心軸に合わせて乗せ、チャンネルプレートの長さ方向の中心軸を対称軸としてチャンネルプレートを折り曲げることによって、ブラシ毛材がチャンネルプレートと金属線で挟固され、且つブラシ毛材がその中心点で折り曲げられた状態のチャンネルブラシが得られる。
【0029】
その後さらに、このチャンネルブラシの一端を金属シャフト表面に溶接等で固定し、金属シャフト表面上を螺旋状に巻き付けていくことによりロールブラシが得られる。
【0030】
本発明の液晶画面洗浄用ブラシ毛材は、単糸直径が小さい合成繊維マルチフィラメントに対し、適宜な撚りをかけるとともに、水溶性接着剤を付与してなるため、ブラシ基台への植毛時にばらけにくくて均一な整毛状態を保つことができ、優れた植毛加工性を発現する。
【0031】
なお、本発明の液晶画面洗浄用ブラシにおけるブラシ毛長は、5〜30ミリメートル、特に7〜20ミリメートルであることが望ましく、上記の範囲を外れる場合には、液晶画面の洗浄効率が悪化する傾向となる。
【0032】
基台に植毛した毛材からの水溶性接着剤の洗浄除去は、ブラシの全体を流水に曝すか、水槽に浸漬して引き上げることにより、容易に行うことができる。ここで、水溶性接着剤が完全に除去されていない場合には、液晶画面の洗浄時に接着剤がブラシから脱落して、液晶画面の表面に付着し、それを傷つけることになるため好ましくない。
【0033】
水溶性接着剤を除去した後、毛材に施された撚りを解除することにより本発明の液晶画面洗浄用ブラシが得られるが、この撚りの解除は、上記した撚りの程度であれば、ブラシの先端を指でつまんで逆方向へ捻るか、或いはブラシに櫛をかけること程度の方法で十分に達成可能である。ここで、毛材に撚りが残存している場合には、ブラシの毛先が固く、また不揃いになって、被洗浄体である液晶画面の表面を傷つけ易くなるため好ましくない。
【0034】
かくして得られる本発明の液晶画面洗浄用ブラシは、適度な柔軟性と腰の強さを有することから被洗浄体である液晶画面の洗浄効率に優れると共に、毛材やその構成材料がブラシから脱落して液晶画面の表面に付着したり、或いはこれを傷つけたりする恐れのないため、液晶画面洗浄用として用いた場合にその効果を最大限に発揮する。
【実施例】
【0035】
以下に本発明を実施例および比較例によって説明する。
【0036】
[実施例1]
単糸直径が27ミクロンのナイロン6繊維136本からなるマルチフィラメントを3本引き揃えてなる総繊度が2520dtexの繊維束に、80ターン/メートルの撚りをかけた撚り糸を、マーポゾールAJ−220(松本油脂製薬(株)製ポリビニルアルコール系水溶性接着剤)を濃度4重量%に調製した接着剤溶液に浸積した後、180℃の温度で加熱乾燥することにより、繊維重量に対するポリビニルアルコールの固形分付着量が3.5重量%のブラシ毛材を得た。
【0037】
このブラシ毛材を使用して、毛長が30ミリメートルとなるように植毛してチャンネルブラシを作成し、得られたチャンネルブラシをよく水洗することにより付着した接着剤を洗浄除去した後、櫛をかけることによりブラシ面の撚りを開繊した。
【0038】
さらにこのチャンネルブラシを加工して、直径60ミリメートル、幅300ミリメートルのロールブラシを製作した。
【0039】
このロールブラシを液晶画面の表面に接触させて、温水をスプレーしながら1200rpmで回転させ、液晶画面を洗浄した。この結果、液晶画面は優れた洗浄効率のもとで、傷の発生などの不良を生じることなく、極めて平滑でかつ光沢のある表面に仕上がった。また、100時間洗浄後した後の状態を観察した結果、ブラシ面は使用前の状態と変化なく、単糸の脱落も認められなかった。
【0040】
[実施例2]
ナイロン6繊維をポリプロピレンテレフタレート繊維に変更したこと以外は、実施例1と同じ条件でロールブラシを作成した。
【0041】
そして、このロールブラシを液晶画面の表面に接触させて、実施例1と同じ洗剤をスプレーしながら1200rpmで回転し、液晶画面を洗浄した。この結果、実施例1の結果と同様に、液晶画面は優れた洗浄効率のもとで、傷の発生などの不良を生じることなく、極めて平滑でかつ光沢のある表面に仕上がった。また、100時間洗浄後した後の状態を観察した結果、ブラシ面は使用前の状態と変化なく、単糸の脱落も認められなかった。
【0042】
[比較例1]
接着剤を使用せず、撚りのみをかけたこと以外は、実施例1と同じ条件でブラシ毛材を得た。
【0043】
そして、このブラシ毛材を使用し、実施例1と同じ方法でチャンネルブラシを作成しようと試みたが、糸がばらけやすく植毛しにくいなど、植毛加工性が極めて低かった。
【0044】
[比較例2]
単糸直径を70ミクロンにしたこと以外は、実施例1と同じ条件でロールブラシを得た。
【0045】
そして、このロールブラシを液晶画面の表面に接触させて、実施例1と同じ洗剤をスプレーしながら1200rpmで回転させ、液晶画面を洗浄した。この結果、単糸直径が太いためにロールブラシの毛先が固くなり、液晶画面の表面を傷つけ、高度な光沢や平滑な表面を有する液晶画面が得られなかった。
【0046】
[比較例3]
ブラシ毛材の撚りを200ターン/メートルにしたこと以外は、実施例1と同じ条件でブラシ毛材を得た。
【0047】
そして、このブラシ毛材を使用して、実施例1と同じ方法でチャンネルブラシを作成し、得られたチャンネルブラシをよく水洗することにより付着したポリビニルアルコールを洗浄除去した後、櫛をかけることによりブラシ面の撚りを開繊しようと試みた。
【0048】
しかし、撚りが強いために開繊が困難となり、さらには開繊時に糸切れが多発し、洗浄時に切れた単糸が液晶画面の表面に付着したり、液晶画面を傷つけたりした。
【産業上の利用可能性】
【0049】
以上説明したように、本発明の液晶画面洗浄用ブラシ毛材は、ブラシ基台への植毛加工性に優れており、これをブラシ基台に植毛してなる本発明の液晶画面洗浄用ブラシは、被洗浄体である液晶画面の洗浄効率に優れると共に、毛材やその構成材料がブラシから脱落して液晶画面の表面に付着したり、或いはこれを傷つけたりする恐れがないため、液晶画面洗浄用として用いた場合にその効果を最大限に発揮する。
【0050】
したがって、本発明の液晶画面洗浄用ブラシは、チャンネルブラシ、ロールブラシ、直線ブラシ、ホイールブラシ、カップブラシ、ヘベル型ブラシ、ネジリ型ブラシおよびナイブレットブラシなどの各種ブラシとして、液晶画面洗浄用に広く適用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直径が50ミクロン以下、総繊度が5000dtex以下の単糸集合体からなる合成繊維マルチフィラメントに対し、60〜120ターン/メートルの撚りをかけたものに、水溶性接着剤を付与してなることを特徴とする液晶画面洗浄用ブラシ毛材。
【請求項2】
前記合成繊維マルチフィラメントが、直径10〜40ミクロン、総繊度1000〜4000dtexの単糸集合体からなることを特徴とする請求項1に記載の液晶画面洗浄用ブラシ毛材。
【請求項3】
前記水溶性接着剤の付着量が繊維重量に対して1〜10重量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶画面洗浄用ブラシ毛材。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶画面洗浄用ブラシ毛材を基台に植毛後、前記水溶性接着剤を洗浄除去すると共に、前記撚りを解除してなることを特徴とする液晶画面洗浄用ブラシ。
【請求項5】
毛長が5〜30ミリメートルであることを特徴とする請求項4に記載の液晶画面洗浄用ブラシ。
【請求項6】
チャンネルブラシであることを特徴とする請求項4または5に記載の液晶画面洗浄用ブラシ。

【公開番号】特開2006−231144(P2006−231144A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−46669(P2005−46669)
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【出願人】(000219288)東レ・モノフィラメント株式会社 (239)
【Fターム(参考)】