説明

液晶組成物および液晶表示素子

【課題】 紫外線に対する高い安定性、熱に対する高い安定性などの複数の特性を充足する液晶組成物及びそれを用いた液晶表示素子の提供。
【解決手段】第1成分として、式(1)で表で表わされる化合物、第2成分として、Fで置換されたターフェニル化合物、4位にF、アルキル基等で置換されたシクロヘキシルジフェニル化合物、F、アルキル基等で置換されたジシクロヘキシルフェニル化合物から選ばれた1種の化合物、第3成分として4位にアルケニル基で置換されたジシクロヘキシル化合物を含有したネマチック液晶組成物。


(式中、Rはアルキル基、アルケニル基、YはF,Cl,トリフルオロメトキシ基、X〜XはHまたはFである。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主としてAM(active matrix)素子などに適する液晶組成物およびこの組成物を含有するAM素子などに関する。この組成物はネマチック相および正の誘電率異方性を有する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示素子において、液晶の動作モードに基づいた分類は、PC(phase change)、TN(twisted nematic)、STN(super twisted nematic)、ECB(electrically controlled birefringence)、OCB(optically compensated bend)、IPS(in-plane switching)、VA(vertical alignment)などである。素子の駆動方式に基づいた分類は、PM(passive matrix)とAM(active matrix)である。PMはスタティック(static)とマルチプレックス(multiplex)などに分類され、AMはTFT(thin film transistor)、MIM(metal insulator metal)などに分類される。TFTの分類は非晶質シリコン(amorphous silicon)および多結晶シリコン(polycrystal silicon)である。後者は製造工程によって高温型と低温型とに分類される。光源に基づいた分類は、自然光を利用する反射型、バックライトを利用する透過型、そして自然光とバックライトの両方を利用する半透過型である。
【0003】
これらの素子は適切な特性を有する液晶組成物を含有する。この液晶組成物はネマチック相を有する。良好な一般的特性を有するAM素子を得るには組成物の一般的特性を向上させる。2つの一般的特性における関連を下記の表1にまとめる。組成物の一般的特性を市販されているAM素子に基づいてさらに説明する。ネマチック相の温度範囲は、素子の使用できる温度範囲に関連する。ネマチック相の好ましい上限温度は70℃以上であり、そしてネマチック相の好ましい下限温度は−10℃以下である。組成物の粘度は素子の応答時間に関連する。素子で動画を表示するためには短い応答時間が好ましい。したがって、組成物における小さな粘度が好ましい。低い温度における小さな粘度はより好ましい。
【0004】

【0005】
組成物の光学異方性は、素子のコントラスト比に関連する。組成物の光学異方性(Δn)と素子のセルギャップ(d)との積(Δn・d)は、コントラスト比を最大にするように設計される。適切な積の値は動作モードの種類に依存する。TNのようなモードの素子では、適切な値は約0.45μmである。この場合、小さなセルギャップの素子には大きな光学異方性を有する組成物が好ましい。組成物における大きな誘電率異方性は素子における低いしきい値電圧、小さな消費電力と大きなコントラスト比に寄与する。一般的に、誘電率異方性が大きいほど粘度が大きくなる。素子の用途によって適切な誘電率異方性が求められる。組成物における大きな比抵抗は、素子における大きな電圧保持率と大きなコントラスト比に寄与する。したがって、初期段階において室温だけでなく高い温度でも大きな比抵抗を有する組成物が好ましい。長時間使用したあと、室温だけでなく高い温度でも大きな比抵抗を有する組成物が好ましい。紫外線および熱に対する組成物の安定性は、液晶表示素子の寿命に関する。これらの安定性が高いとき、この素子の寿命は長い。
【0006】
従来の組成物は、下記の特許文献1から11に開示されている。
【特許文献1】特開昭59−216876号公報(US4581155)
【特許文献2】特開昭63−196685号公報
【特許文献3】特開平2−502921号公報
【特許文献4】特開平2−501311号公報
【特許文献5】特開平2−86689号公報
【特許文献6】特開平3−63621号公報
【特許文献7】特開平4−502781号公報
【特許文献8】特開平4−501272号公報
【特許文献9】特開平4−501575号公報
【特許文献10】特開平4−299308号公報
【特許文献11】特開平8−157826号公報(EP0717093A2)
【0007】
望ましいAM素子は、使用できる温度範囲が広い、応答時間が短い、コントラスト比が大きい、しきい値電圧が低い、電圧保持率が大きい、寿命が長い、などの特性を有する。1ミリ秒でもより短い応答時間が望ましい。したがって、組成物の望ましい特性は、ネマチック相の高い上限温度、ネマチック相の低い下限温度、小さな粘度、大きな光学異方性、大きな誘電率異方性、大きな比抵抗、紫外線に対する高い安定性、熱に対する高い安定性、などである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、ネマチック相の高い上限温度、ネマチック相の低い下限温度、小さな粘度、適切な光学異方性、適切な誘電率異方性、大きな比抵抗、紫外線に対する高い安定性、熱に対する高い安定性などの特性において、複数の特性を充足する液晶組成物を提供することである。この目的は、複数の特性に関して適切なバランスを有する液晶組成物を提供することである。この目的は、このような組成物を含有する液晶表示素子を提供することでもある。本発明の側面は、小さな粘度、0.09〜0.17の光学異方性を有する液晶組成物を提供することであり、そして短い応答時間、大きな電圧保持率、大きなコントラスト比、長い寿命などを有するAM素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1成分として式(1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物、第2成分として式(2−1)から式(2−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物、第3成分として式(3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有し、そしてネマチック相を有する液晶組成物。

【0010】

【0011】
ここで、R、RおよびRは独立して炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数2〜12のアルケニルであり;Rはフッ素、炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数2〜12のアルケニルであり;Rはフッ素、塩素、炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数2〜12のアルケニルであり;Rは炭素数2〜12のアルケニルであり;Yはフッ素、塩素またはトリフルオロメトキシであり;X、X、X、およびXは独立して水素またはフッ素であり;XおよびXの一方がフッ素であり、他方が水素である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の組成物は、ネマチック相の高い上限温度、ネマチック相の低い下限温度、小さな粘度、適切な光学異方性、適切な誘電率異方性、大きな比抵抗、紫外線に対する高い安定性、熱に対する高い安定性などの特性において、複数の特性を充足する。この組成物は、複数の特性に関して適切なバランスを有する。本発明の素子は、この組成物を含有する。この組成物の多くは、小さな粘度、0.09〜0.17の光学異方性、短い応答時間、大きな電圧保持率、大きなコントラスト比、長い寿命などを有するAM素子に適した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
この明細書における用語の使い方は次のとおりである。本発明の液晶組成物または本発明の液晶表示素子をそれぞれ「組成物」または「素子」と略すことがある。液晶表示素子は液晶表示パネルおよび液晶表示モジュールの総称である。「液晶性化合物」は、ネマチック相、スメクチック相などの液晶相を有する化合物または液晶相を有さないが組成物の成分として有用な化合物を意味する。この有用な化合物は1,4−シクロヘキシレンや1,4−フェニレンのような六員環を含有し、直線状の分子構造を有する。光学活性な化合物は組成物に添加されることがある。この化合物が液晶性化合物であったとしても、ここでは添加物として分類される。式(1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を「化合物(1)」と略すことがある。式(1)で表される化合物の群も「化合物(1)」と略すことがある。他の式で表される化合物についても同様である。
【0014】
ネマチック相の上限温度を「上限温度」と略すことがある。ネマチック相の下限温度を「下限温度」と略すことがある。「比抵抗が大きい」は、組成物が初期段階において室温だけでなく高い温度でも大きな比抵抗を有し、そして長時間使用したあと室温だけでなく高い温度でも大きな比抵抗を有することを意味する。「電圧保持率が大きい」は、素子が初期段階において室温だけでなく高い温度でも大きな電圧保持率を有し、そして長時間使用したあと室温だけでなく高い温度でも大きな電圧保持率を有することを意味する。光学異方性などの特性を説明するときは、実施例に記載した方法で測定した値を用いる。「第1成分の割合」は、液晶組成物の全重量に基づいた重量百分率(重量%)を意味する。第2成分の割合などにおいても同様である。組成物に混合される添加物の割合は、液晶組成物の全重量に基づいた重量百分率(重量%)を意味する。
【0015】
下記の化合物(1)は大きな光学異方性、大きな誘電率異方性、および小さな粘度を有する。この化合物は、高速応答用の素子に対する組成物の成分として好ましい。この化合物は、主に、PM用およびSTN用の化合物として、シアノ化合物またはトラン化合物と一緒に用いられてきた。一方、シアノ化合物およびトラン化合物は、AM用の素子に求められる高い信頼性をクリアーしない。そこで、化合物(1)を、AM用の組成物に展開する際に、他の化合物を適切に選び出し、組成物を発明する必要があった。そこで、高い信頼性および種々の特性のバランスを満足するように、化合物(2−1)から化合物(2−3)、および化合物(3)を選択し本組成物を完成した。化合物(2−1)から化合物(2−3)は、広いネマチック相を有し、また、適切な光学異方性の調整ができ、化合物(3)は、小さい粘度および低い下限温度を有する。このような着想に基づいて組成物を調製し、適切な光学異方性、適切な誘電率異方性、小さい粘度、高い信頼性および高い上限温度と低い下限温度などの特性を有する組成物を見出した。組成物の特性を微調整できるような成分化合物をさらに検討し、本発明を完成させた。
【0016】


ここで、Rは炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数2〜12のアルケニルであり、Yはフッ素、塩素またはトリフルオロメトキシであり、X、X、XおよびXは独立して水素またはフッ素である。
【0017】
本発明の詳細は、下記の項のとおりである。
1. 第1成分として式(1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物、第2成分として式(2−1)から式(2−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物、第3成分として式(3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有し、そしてネマチック相を有する液晶組成物。

【0018】

【0019】
ここで、R、RおよびRは独立して炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数2〜12のアルケニルであり;Rはフッ素、炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数2〜12のアルケニルであり;Rはフッ素、塩素、炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数2〜12のアルケニルであり;Rは炭素数2〜12のアルケニルであり;Yはフッ素、塩素またはトリフルオロメトキシであり;X、X、X、およびXは独立して水素またはフッ素であり;XおよびXの一方がフッ素であり、他方が水素である。
【0020】
2. 液晶組成物の全重量に基づいて、第1成分の割合が5重量%から40重量%の範囲であり、第2成分の割合が5重量%から60重量%の範囲であり、そして第3成分の割合が10重量%から55重量%の範囲である、項1に記載の液晶組成物。
3. 第1成分として式(1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物、第2成分として式(2−1)から式(2−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物、第3成分として式(3−1)および式(3−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有し、そしてネマチック相を有する液晶組成物。
【0021】

【0022】

【0023】

【0024】
ここで、RおよびRは独立して炭素数1〜12のアルキルであり;Rはフッ素であり;Rは炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数2〜12のアルケニルであり;Rはフッ素、塩素、炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数2〜12のアルケニルであり;Yはフッ素、塩素またはトリフルオロメトキシであり;X、X、XおよびXは独立して水素またはフッ素であり;Xはフッ素であり;Xは水素である。
4. 第1成分として式(1−1)から式(1−4)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物、第2成分として式(2−1)から式(2−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物、第3成分として式(3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有し、そしてネマチック相を有する液晶組成物。
【0025】

【0026】

【0027】
ここで、R、RおよびRは独立して炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数2〜12のアルケニルであり;Rはフッ素、炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数2〜12のアルケニルであり;Rはフッ素、塩素または炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数2〜12のアルケニルであり;Rは炭素数2〜12のアルケニルであり、XおよびXの一方は水素であり、他方がフッ素である。
【0028】
5. 第1成分として式(1−1)から式(1−4)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物、第2成分として式(2−1)から式(2−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物、第3成分として式(3−1)および式(3−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有し、そしてネマチック相を有する液晶組成物。
【0029】

【0030】

【0031】

【0032】
ここで、RおよびRは独立して炭素数1〜12のアルキルであり;Rはフッ素であり;Rは炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数2〜12のアルケニルであり;Rはフッ素、塩素、炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数2〜12のアルケニルであり;Xはフッ素であり;Xは水素である。
【0033】
6. 第1成分が式(1−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物であり、第2成分が、式(2−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、項4または5に記載の液晶組成物。
【0034】
7. 第1成分が式(1−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物であり、第2成分が、式(2−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(2−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、項4または5に記載の液晶組成物。
【0035】
8. 第1成分が式(1−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物であり、第2成分が、式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(2−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、項4または5に記載の液晶組成物。
【0036】
9. 第1成分が式(1−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物であり、第2成分が、式(2−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物、式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(2−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、項4または5に記載の液晶組成物。
10. 第1成分が、式(1−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(1−4)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物であり、第2成分が、式(2−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、項4または5に記載の液晶組成物。
【0037】
11. 第1成分が、式(1−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(1−4)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物であり、第2成分が、式(2−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(2−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、項4または5に記載の液晶組成物。
【0038】
12. 第1成分が、式(1−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(1−4)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物であり、第2成分が、式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(2−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、4または5に記載の液晶組成物。
【0039】
13. 第1成分が、式(1−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(1−4)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物であり、第2成分が、式(2−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物、式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(2−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、項4または5に記載の液晶組成物。
【0040】
14. 第1成分が式(1−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物であり、第2成分が、式(2−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、項4または5に記載の液晶組成物。
【0041】
15. 第1成分が式(1−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物であり、第2成分が、式(2−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(2−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である項4または5に記載の液晶組成物。
【0042】
16. 第1成分が式(1−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物であり、第2成分が、式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(2−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、項4または5に記載の液晶組成物。
【0043】
17. 第1成分が、式(1−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(1−4)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物であり、第2成分が、式(2−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、項4または5に記載の液晶組成物。
【0044】
18. 第1成分が、式(1−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(1−4)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物であり、第2成分が、式(2−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(2−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、項4または5に記載の液晶組成物。
【0045】
19. 第1成分が、式(1−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(1−4)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物であり、第2成分が、式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(2−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、項4または5に記載の液晶組成物。
【0046】
20. 第1成分が式(1−4)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物であり、第2成分が、式(2−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、項4または5に記載の液晶組成物。
【0047】
21. 第1成分が式(1−4)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物であり、第2成分が、式(2−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(2−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、項4または5に記載の液晶組成物。
【0048】
22. 第1成分が式(1−4)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物であり、第2成分が、式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(2−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、項4または5に記載の液晶組成物。
【0049】
23. 第1成分が式(1−4)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物であり、第2成分が、式(2−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物、式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(2−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、項4または5に記載の液晶組成物。
【0050】
24. 液晶組成物の全重量に基づいて、第1成分の割合が5重量%から40重量%の範囲であり、第2成分の割合が5重量%から60重量%の範囲であり、そして第3成分の割合が10重量%から55重量%の範囲である、項4から23のいずれか1項に記載の液晶組成物。
【0051】
25. 第4成分として式(4−1)および式(4−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する項1から24のいずれか1項に記載の液晶組成物。

【0052】
ここで、Rは炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数2〜12のアルケニルであり;Yはフッ素またはトリフルオロメトキシであり;Xは水素またはフッ素であり;Aは1,4−シクロへキシレンまたは1,4−フェニレンである。
【0053】
26. 第4成分が式(4−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である項25に記載の液晶組成物
【0054】
27. 液晶組成物の全重量に基づいて、第1成分の割合が5重量%から40重量%の範囲であり、そして第2成分の割合が5重量%から60重量%の範囲であり、第3成分の割合が10重量%から55重量%であり、そして第4成分の割合が10重量%から35重量%の範囲である、項25または26に記載の液晶組成物
【0055】
28. 第5成分として式(5−1)および式(5−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する、項1から項27のいずれか1項に記載の液晶組成物

【0056】
ここで、Rは炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数2〜12のアルケニルであり;Rは水素または基Dであり、少なくとも1つのRは基Dであり、;Rは水素、炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数1〜12のアルコキシであり;Rは炭素数1〜8のアルキルであり;R10およびR11は独立して水素または炭素数1〜5のアルキルであり;Bは1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレンまたは3−フルオロ−1,4−フェニレンであり;Zは単結合、エチレン、カルボニルオキシ、またはオキシカルボニルであり;mは1〜20であり;nは1または2である。

【0057】
29. 液晶組成物の全重量に基づいて、第1成分の割合が5重量%から40重量%の範囲であり、第2成分の割合が5重量%から60重量%の範囲であり、第3成分の割合が10重量%から55重量%であり、第4成分の割合が10重量%から35重量%の範囲であり、そして第5成分の割合が0.001重量%から5重量%の範囲である、項28に記載の液晶組成物
【0058】
30. ネマチック相の上限温度が70℃以上であり、波長589nmにおける光学異方性(25℃)が0.11から0.17の範囲であり、そして回転粘度(25℃)が20mPa・sから60mPa・sの範囲である、項1から29のいずれか1項に記載の液晶組成物。
【0059】
31. 項1から30のいずれか1項に記載の液晶組成物を含有する液晶表示素子。
【0060】
本発明は、次の項も含む。1)光学活性な化合物をさらに含有する上記の組成物、2)第5成分以外の、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤などの添加物をさらに含有する上記の組成物。3)上記の組成物を含有するAM素子、4)上記の組成物を含有し、そしてTN、ECB、OCB、またはIPSのモードを有する素子、5)上記の組成物を含有する透過型の素子、6)上記の組成物を、ネマチック相を有する組成物としての使用、7)上記の組成物に光学活性な化合物を添加することによって光学活性な組成物としての使用。
【0061】
本発明の組成物を次の順で説明する。第一に、組成物における成分化合物の構成を説明する。第二に、成分化合物の主要な特性、およびこの化合物が組成物に及ぼす主要な効果を説明する。第三に、成分化合物の好ましい割合およびその根拠を説明する。第四に、成分化合物の好ましい形態を説明する。第五に、成分化合物の具体的な例を示す。第六に、成分化合物の合成法を説明する。第七に、組成物に混合してもよい添加物を説明する。最後に、組成物の用途を説明する。
【0062】
第一に、組成物における成分化合物の構成を説明する。本発明の組成物は組成物Aと組成物Bに分類される。組成物Aはその他の液晶性化合物、添加物、不純物などをさらに含有してもよい。「その他の液晶性化合物」は、化合物(1)、化合物(2−1)、化合物(2−2)、化合物(2−3)、化合物(3)、化合物(3−1)、化合物(3−2)、化合物(4−1)、化合物(4−2)、化合物(5−1)および化合物(5−2)とは異なる液晶性化合物である。このような化合物は、特性をさらに調整する目的で組成物に混合される。添加物は、光学活性な化合物、色素、酸化防止剤、紫外線吸収剤などである。不純物は成分化合物の合成などの工程において混入した化合物などである
【0063】
組成物Bは、実質的に化合物(1)、化合物(2−1)、化合物(2−2)、化合物(2−3)、化合物(3)、化合物(3−1)、化合物(3−2)、化合物(4−1)、化合物(4−2)、化合物(5−1)および化合物(5−2)から選択された化合物のみからなる。「実質的に」は、これらの化合物と異なる液晶性化合物を組成物が含有しないことを意味する。「実質的に」は、添加物、不純物などを組成物がさらに含有してもよいことも意味する。組成物Bは組成物Aに比較して成分の数が少ない。組成物Bはコストを下げるためから組成物Aよりも好ましい。その他の液晶性化合物を混合することによって物性をさらに調整できるので、組成物Aは組成物Bよりも好ましい。
【0064】
第二に、成分化合物の主要な特性、およびこの化合物が組成物の特性に及ぼす主要な効果を説明する。第5成分以外の成分化合物の主要な特性を本発明の目的に従って表2にまとめる。表2の記号において、Lは大きいまたは高い、Mは中程度の、Sは小さいまたは低い、を意味する。
【0065】

【0066】
成分化合物を組成物に混合したとき、成分化合物が組成物の特性に及ぼす主要な効果は次のとおりである。化合物(1)は誘電率異方性を上げ、そして光学異方性を上げる。化合物(2−1)から化合物(2−3)は上限温度を上げ、下限温度を下げ、粘度を下げそして適切な光学異方性の値に調整する。化合物(3)は、組成物の粘度を特に下げる。化合物(4−1)および化合物(4−2)は、組成物の誘電率異方性を特に上げる。化合物(5−1)と化合物(5−2)は、組成物の紫外線に対する安定性を特に上げる。
【0067】
第三に、成分化合物の好ましい割合およびその根拠を説明する。第1成分の好ましい割合は、誘電率異方性を上げ、そして光学異方性を上げるために5%以上であり、下限温度を下げるために40%以下である。さらに好ましい割合は5%から30%である。特に好ましい割合は10%から25%である。
【0068】
第2成分の好ましい割合は、上限温度を上げ、下限温度を下げ、粘度を下げるために5%以上であり、そして下限温度を下げるために60%以下である。さらに好ましい割合は10%から55%である。特に好ましい割合は10から50%である。
【0069】
第3成分の好ましい割合は、粘度を下げるために10%以上であり、下限温度を下げ、そして誘電率異方性を上げるために55%以下である。さらに好ましい割合は、10%から50%である。特に好ましい割合は15%から40%である。
【0070】
第4成分は選択的な成分であり、特に大きな誘電率異方性を有する組成物の調製に適している。この成分の好ましい割合は、下限温度を下げるために、35%以下である。さらに好ましい割合は、30%以下である。
第5成分は、紫外線に対する更に高い安定性を得るために添加することができる。この成分の好ましい割合は、紫外線に対する更なる安定性を発揮するために、0.001%以上であり、上限温度を上げ、そして下限温度を下げるために5%以下が好ましい。更に好ましい割合は、0.001%から2%である。特に好ましい割合は0.01から2%である。
【0071】
組成物Aにおいて、第1成分、第2成分、第3成分、および第4成分の合計の好ましい割合は、良好な特性を得るために70%以上である。さらに好ましい割合は90%以上である。組成物Bにおける4つの成分の合計は100%である。
【0072】
第四に、成分化合物の好ましい形態を説明する。
【0073】
、RおよびRは炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数2〜12のアルケニルである。好ましいRおよびRは炭素数1〜12のアルキルである。Rはフッ素、炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数2〜12のアルケニルであり、Rはフッ素、塩素または炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数2〜12のアルケニルである。好ましいR〜Rは、上限温度を上げ、下限温度を下げるなどのために、炭素数1〜7の直鎖アルキルまたは炭素数2〜7の直鎖アルケニルである。Rは炭素数2〜12のアルケニルである。好ましいRは、低い粘度のために、炭素数2〜7の直鎖アルケニルである。Rは炭素数1〜12のアルキル、炭素数1〜12のアルコキシまたは水素である。好ましいRは、紫外線に対する更なる安定化のために、水素またはメチルである。特に好ましいRは水素である。Rは炭素数1〜8のアルキルである。好ましいRは炭素数1〜5の直鎖アルキルである。特に好ましいRはメチルである。
【0074】
好ましいアルキルは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、またはオクチルである。さらに好ましいアルキルは、小さな粘度などのためにエチル、プロピル、ブチル、ペンチル、またはヘプチルである。
【0075】
好ましいアルケニルは、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、または5−ヘキセニルである。さらに好ましいアルケニルは、小さな粘度などのために、ビニル、1−プロペニル、3−ブテニル、または3−ペンテニルである。これらのアルケニルにおける−CH=CH−の好ましい立体配置は、二重結合の位置に依存する。粘度を下げるためなどから1−プロペニル、1−ブテニル、1−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ペンテニル、3−ヘキセニルのようなアルケニルにおいてはトランスが好ましい。2−ブテニル、2−ペンテニル、2−ヘキセニルのようなアルケニルにおいてはシスが好ましい。これらのアルケニルにおいては、分岐よりも直鎖のアルケニルが好ましい。
【0076】
Aは1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレンである。好ましいAは、大きい誘電異方性および大きい光学異方性のために1,4−フェニレンである。1,4−シクロヘキシレンに関する立体配置は、高い上限温度のためにシスよりもトランスが好ましい。Bは1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレンまたは3−フルオロ−1,4−フェニレンである。好ましいBは、高い上限温度および低い下限温度のために1,4−フェニレンである。1,4−シクロヘキシレンに関する立体配置は、高い上限温度のためにシスよりもトランスが好ましい。
【0077】
Zは単結合、エチレン、カルボニルオキシ、またはオキシカルボニルである。好ましいZは高い上限温度および低い下限温度のためにカルボニルオキシまたはオキシカルボニルである。
【0078】
〜Xは独立して水素またはフッ素である。高い上限温度および低い下限温度のために、化合物(1)の好ましいX〜Xは、順にフッ素、フッ素、水素およびフッ素、または、水素、フッ素、水素およびフッ素、または、水素、フッ素、水素および水素、または、水素、水素、水素および水素、である。さらに好ましいX〜Xは、順にフッ素、フッ素、水素およびフッ素、または、水素、フッ素、水素および水素、または、水素、水素、水素および水素、である。特に好ましいX〜Xは、順にフッ素、フッ素、水素およびフッ素、または、水素、水素、水素および水素、である。化合物(2−1)のXおよびXは、順にフッ素および水素、または水素およびフッ素である。高い上限温度および低い下限温度のために、さらに好ましいXおよびXは、順にフッ素および水素である。Xは水素またはフッ素である。
【0079】
はフッ素、塩素またはトリフルオロメトキシである。高い誘電異方性、小さい粘度および低い下限温度のために、好ましいYはフッ素またはトリフルオロメトキシである。特に好ましいYはフッ素である。Yはフッ素またはトリフルオロメトキシである。特に好ましいYはフッ素である。mは1〜20である。好ましいmは、紫外線に対する更なる安定化のために2以上であって、少なくとも2つのRが基Dの場合である。更に好ましいmは4以上であり、少なくとも4つのRが基Dの場合である。nは1または2である。
【0080】
第五に、成分化合物の具体的な例を示す。下記の好ましい化合物において、Rは、炭素数1〜10を有する直鎖のアルキルまたは炭素数2〜10を有する直鎖のアルケニルである。これらの化合物において1,4−シクロヘキシレンに関する立体配置は、高い上限温度のためにシスよりもトランスが好ましい。成分化合物の化学式において、Rの記号を複数の化合物に用いた。これらの化合物において、Rの意味は同一であってもよいし、または異なってもよい。例えば、化合物(1)のRがエチルであり、化合物(2−1−1)のRがエチルであるケースがある。化合物(1)のRがエチルであり、化合物(2−1−1)のRがプロピルであるケースもある。このルールは、R、Rなどにも適用される。
【0081】
好ましい化合物(1)は化合物(1−1)から(1−16)である。さらに好ましい化合物(1)は高い上限温度、低い下限温度、大きい誘電率異方性および小さい粘度のために化合物(1−1)から(1−4)である。特に好ましい化合物(1)は(1−1)、(1−3)および(1−4)である。好ましい化合物(2−1)は化合物(2−1−1)および(2−1−2)である。さらに好ましい化合物(2−1)は低い下限温度のために(2−1−1)である。好ましい化合物(2−2)は化合物(2−2−1)および化合物(2−2−2)である。さらに好ましい化合物(2−2)は低い下限温度のために化合物(2−2−2)である。好ましい化合物(2−3)は化合物(2−3−1)〜化合物(2−3−3)である。さらに好ましい化合物(2−3)は低い下限温度のために化合物(2−3−1)および(2−3−3)である。特に好ましい化合物(2−3)は化合物(2−3−1)であり、左末端基Rが炭素数2〜12のアルケニルの場合である。好ましい化合物(3)は化合物(3−1)〜化合物(3−6)である。さらに好ましい化合物(3)は、高い上限温度、低い下限温度および小さい粘度のために化合物(3−1)および化合物(3−2)である。
【0082】
好ましい化合物(4−1)は化合物(4−1−1)〜化合物(4−1−4)である。さらに好ましい化合物(4)は、大きな誘電率異方性、小さい粘度および小さい下限温度のために化合物(4−1−1)および(4−1−4)である。好ましい化合物(4−2)は化合物(4−2−1)および化合物(4−2−2)である。さらに好ましい化合物(4−2)は、大きな誘電率異方性、小さい粘度および小さい下限温度のために化合物(4−2−1)である。
【0083】
好ましい化合物(5−1)は化合物(5−1−1)〜化合物(5−1−5)である。さらに好ましい化合物(5−1)は、紫外線に対する安定化のために、化合物(5−1−1)または、化合物(5−1−2)である。特に好ましい化合物(5−1)は化合物(5−1−1)である。
【0084】
好ましい化合物(5−2)は化合物(5−2−1)〜化合物(5−2−16)である。さらに好ましい化合物(5−2)は、紫外線に対する安定化のために、化合物(5−2−3)〜化合物(5−2−5)および化合物(5−2−10)〜化合物(5−2−14)である。
【0085】

【0086】

【0087】

【0088】

【0089】

【0090】

【0091】

【0092】

【0093】

【0094】
第六に、成分化合物の合成法を説明する。これらの化合物は既知の方法によって合成できる。合成法を例示する。化合物(1−4)は、特開昭59−216876号公報に記載された方法で合成する。化合物(2−1−1)は、特開昭60−51135号公報に記載された方法で合成する。化合物(2−3−1)は、特開昭57−165328号公報に記載された方法で合成する。化合物(2−3−2)は、特開昭57−64626号公報に記載された方法で合成する。化合物(2−3−3)は、特開昭57−114531号公報に記載された方法で合成する。化合物(3−1)から(3−6)は、特公平4−30382号公報に記載された方法で合成する。化合物(4−1−1)から(4−1−4)は、特開平10−251186号公報に記載された方法で合成する。化合物(5−1−1)および(5−1−2)は旭電化工業株式会社か入手可能である。
【0095】
合成法を記載しなかった化合物は、オーガニック・シンセシス(Organic Syntheses, John Wiley & Sons, Inc)、オーガニック・リアクションズ(Organic Reactions, John
Wiley & Sons, Inc)、コンプリヘンシブ・オーガニック・シンセシス(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、新実験化学講座(丸善)などの成書に記載された方法によって合成できる。
【0096】
第七に、組成物に混合してもよい添加物を説明する。このような添加物は、光学活性な化合物、色素、酸化防止剤、紫外線吸収剤などである。液晶のらせん構造を誘起してねじれ角を与える目的で光学活性な化合物が組成物に混合される。このような化合物の例は、化合物(6−1)〜(6−4)である。光学活性な化合物の好ましい割合は5%以下である。さらに好ましい割合は0.01%から2%の範囲である。
【0097】

【0098】
GH(Guest host)モードの素子に適合させるために色素が組成物に混合される。色素の好ましい割合は、0.01%から10%の範囲である。大気中での加熱による比抵抗の低下を防止するために、または、素子を長時間使用したあと、室温だけではなく高い温度でも大きな電圧保持率を維持するために、酸化防止剤が組成物に混合される。酸化防止剤の好ましい割合は、その効果を得るために50ppm以上であり、上限温度を下げないように、または下限温度を上げないように600ppm以下である。さらに好ましい割合は、100ppmから300ppmである。
【0099】

【0100】
酸化防止剤の好ましい例は、kが1〜9の整数である化合物(7)などである。化合物(7)において、好ましいkは、1、3、5、7、または9である。さらに好ましいkは1または7である。kが1である化合物(7)は、揮発性が大きいので、大気中での加熱による比抵抗の低下を防止するときに有効である。kが7である化合物(7)は、揮発性が小さいので、素子を長時間使用したあと、室温だけではなく高い温度でも大きな電圧保持率を維持するのに有効である。
【0101】
紫外線吸収剤の好ましい例は、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾエート誘導体、トリアゾール誘導体などである。紫外線吸収剤の好ましい割合は、その効果を得るために50ppm以上であり、上限温度を下げないように、または下限温度を上げないように10000ppm以下である。さらに好ましい割合は100ppmから1000ppmの範囲である。
【0102】
最後に、組成物の用途を説明する。大部分の組成物は、−10℃以下の下限温度、70℃以上の上限温度、そして0.15〜0.25の光学異方性を有する。この組成物を含有する素子は大きな電圧保持率を有する。この組成物はAM素子に適する。この組成物は透過型のAM素子に特に適する。成分化合物の割合を制御することによって、またはその他の液晶性化合物を混合することによって、0.15〜0.25の光学異方性を有する組成物、さらには0.12〜0.30の光学異方性を有する組成物を調製してもよい。この組成物は、ネマチック相を有する組成物としての使用、光学活性な化合物を添加することによって光学活性な組成物としての使用が可能である。
【0103】
この組成物はAM素子への使用が可能である。さらにPM素子への使用も可能である。この組成物は、PC、TN、STN、ECB、OCB、IPS、VAなどのモードを有する素子への使用も可能である。TNまたはOCBモードを有する素子への使用は特に好ましい。これらの素子が反射型、透過型または半透過型であってもよい。透過型の素子への使用は好ましい。非結晶シリコン−TFT素子または多結晶シリコン−TFT素子への使用も可能である。この組成物をマイクロカプセル化して作製したNCAP(nematic curvilinear aligned phase)素子や、組成物中に三次元の網目状高分子を形成させたPD(polymer dispersed)素子、例えばPN(polymer network)素子にも使用できる。
【実施例】
【0104】
実施例により本発明を詳細に説明する。本発明は下記の実施例によって限定されない。比較例および実施例における化合物は、下記の表3の定義に基づいて記号により表した。
表3において、1,4−シクロヘキシレンおよび1,3−ジオキサン−2,5−ジイルに関する立体配置はトランスである。−CH=CH−の結合基に関する立体配置はトランスである。実施例において記号の後にあるかっこ内の番号は好ましい化合物の番号に対応する。(−)の記号はその他の液晶性化合物を意味する。化合物の割合(百分率)は、液晶組成物の全重量に基づいた重量百分率(重量%)である。最後に、組成物の特性値をまとめた。
【0105】

【0106】
組成物は、液晶性化合物などの成分の重量を測定してから混合することによって調製される。したがって、成分の重量%を算出するのは容易である。しかし、組成物をガスクロマト分析することによって成分の割合を正確に算出するのは容易でない。補正係数が液晶性化合物の種類に依存するからである。幸いなことに補正係数はほぼ1である。さらに、成分化合物における1重量%の差異が組成物の特性に与える影響は小さい。したがって、本発明においてはガスクロマトグラフにおける成分ピークの面積比を成分化合物の重量%と見なすことができる。つまり、ガスクロマト分析の結果(ピークの面積比)は、補正することなしに液晶性化合物の重量%と等価であると考えてよいのである。
【0107】
試料が組成物のときはそのまま測定し、得られた値を記載した。試料が化合物のときは、15重量%の化合物および85重量%の母液晶を混合することによって試料を調製した。測定によって得られた値から外挿法よって化合物の特性値を算出した。外挿値=(試料の測定値−0.85×母液晶の測定値)/0.15。この割合でスメクチック相(または結晶)が25℃で析出するときは、化合物と母液晶の割合を10重量%:90重量%、5重量%:95重量%、1重量%:99重量%の順に変更した。この外挿法によって化合物に関する上限温度、光学異方性、粘度、および誘電率異方性の値を求めた。
【0108】
母液晶の組成は下記のとおりである。
【0109】

【0110】
特性値の測定は下記の方法にしたがった。それらの多くは、日本電子機械工業会規格(Standard of Electric Industries Association of Japan)EIAJ・ED−2521Aに記載された方法、またはこれを修飾した方法である。測定に用いたTN素子には、TFTを取り付けなかった。
【0111】
ネマチック相の上限温度(NI;℃):偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレートに試料を置き、1℃/分の速度で加熱した。試料の一部がネマチック相から等方性液体に変化したときの温度を測定した。ネマチック相の上限温度を「上限温度」と略すことがある。
【0112】
ネマチック相の下限温度(T;℃):ネマチック相を有する試料をガラス瓶に入れ、0℃、−10℃、−20℃、−30℃、および−40℃のフリーザー中に10日間保管したあと、液晶相を観察した。例えば、試料が−20℃ではネマチック相のままであり、−30℃では結晶またはスメクチック相に変化したとき、Tを≦−20℃と記載した。ネマチック相の下限温度を「下限温度」と略すことがある。
【0113】
粘度(η;20℃で測定;mPa・s):測定にはE型回転粘度計を用いた。
【0114】
回転粘度(γ1;25℃で測定;mPa・s):測定はM. Imai et al., Molecular Crystals and Liquid Crystals, Vol. 259, 37 (1995)に記載された方法に従った。ツイスト角が0°であり、そして2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が5μmであるTN素子に試料を入れた。TN素子に16ボルトから19.5ボルトの範囲で0.5ボルト毎に段階的に印加した。0.2秒の無印加のあと、ただ1つの矩形波(矩形パルス;0.2秒)と無印加(2秒)の条件で印加を繰り返した。この印加によって発生した過渡電流(transient current)のピーク電流(peak current)とピーク時間(peak time)を測定した。これらの測定値とM. Imaiらの論文、40頁の計算式(8)とから回転粘度の値を得た。この計算で必要な誘電率異方性の値は、この回転粘度の測定で使用した素子にて、下記の誘電率異方性の測定方法で求めた。
【0115】
光学異方性(屈折率異方性;Δn;25℃で測定):測定は、波長589nmの光を用い、接眼鏡に偏光板を取り付けたアッベ屈折計により行なった。主プリズムの表面を一方向にラビングしたあと、試料を主プリズムに滴下した。屈折率n‖は偏光の方向がラビングの方向と平行であるときに測定した。屈折率n⊥は偏光の方向がラビングの方向と垂直であるときに測定した。光学異方性の値は、Δn=n‖−n⊥、の式から計算した。
【0116】
誘電率異方性(Δε;25℃で測定):2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が9μmであり、そしてツイスト角が80度であるTN素子に試料を入れた。この素子にサイン波(10V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の長軸方向における誘電率(ε‖)を測定した。この素子にサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の短軸方向における誘電率(ε⊥)を測定した。誘電率異方性の値は、Δε=ε‖−ε⊥、の式から計算した。
【0117】
しきい値電圧(Vth;25℃で測定;V):測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプである。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が約0.45 / Δn (μm)であり、ツイスト角が80度であるノーマリーホワイトモード(normally white mode)のTN素子に試料を入れた。この素子に印加する電圧(32Hz、矩形波)は0Vから10Vまで0.02Vずつ段階的に増加させた。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%である電圧−透過率曲線を作成した。しきい値電圧は透過率が90%になったときの電圧である。
【0118】
電圧保持率(VHR−1;25℃;%、VHR−2;80℃;%):測定に用いたTN素子はポリイミド配向膜を有し、そして2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)は5μmである。この素子は試料を入れたあと紫外線によって重合する接着剤で密閉した。このTN素子にパルス電圧(5Vで60マイクロ秒)を印加して充電した。減衰する電圧を高速電圧計で16.7ミリ秒のあいだ測定し、単位周期における電圧曲線と横軸との間の面積Aを求めた。面積Bは減衰しなかったときの面積である。電圧保持率は面積Bに対する面積Aの百分率である。
【0119】
電圧保持率(VHR−3;25℃;%):紫外線を照射したあと、電圧保持率(VHR−3;25℃;%)を測定し、紫外線に対する安定性を評価した。大きなVHR−3を有する組成物は紫外線に対して大きな安定性を有する。測定に用いたTN素子はポリイミド配向膜を有し、そしてセルギャップは5μmである。この素子に試料を注入し、光を20分間照射した。光源は超高圧水銀ランプUSH−500D(ウシオ電機製)であり、素子と光源の間隔は20cmである。VHR−3の測定では、減衰する電圧を1667ミリ秒のあいだ測定した。
【0120】
応答時間(τ;25℃で測定;ms(ミリ秒)):測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプである。ローパス・フィルター(Low-pass filter)は5kHzに設定した。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が約0.45 / Δn (μm)であり、ツイスト角が80度であるノーマリーホワイトモード(normally white mode)のTN素子に試料を入れた。この素子に矩形波(60Hz、5V、0.5秒)を印加した。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%である。立ち上がり時間(τr:rise time)は、透過率が90%から10%に変化するのに要した時間である。立下がり時間(τf:fall time)は透過率10%から90%に変化するのに要した時間である。応答時間は、このようにして求めた立上がり時間と立下り時間との和である。
【0121】
ガスクロマト分析:測定には島津製作所製のGC−14B型ガスクロマトグラフを用いた。キャリアーガスはヘリウム(2ml/分)である。試料気化室を280℃に、検出器(FID)を300℃に設定した。成分化合物の分離には、Agilent Technologies Inc.製のキャピラリカラムDB−1(長さ30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm;固定液相はジメチルポリシロキサン;無極性)を用いた。このカラムは、200℃で2分間保持したあと、5℃/分の割合で280℃まで昇温した。試料はアセトン溶液(0.1重量%)に調製したあと、その1μlを試料気化室に注入した。記録計は島津製作所製のC−R5A型Chromatopac、またはその同等品である。得られたガスクロマトグラムは、成分化合物に対応するピークの保持時間およびピークの面積を示した。
【0122】
試料を希釈するための溶媒は、クロロホルム、ヘキサンなどを用いてもよい。成分化合物を分離するために、次のキャピラリカラムを用いてもよい。Agilent Technologies Inc.製のHP−1(長さ30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm)、Restek Corporation製のRtx−1(長さ30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm)、SGE International Pty. Ltd製のBP−1(長さ30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm)。化合物ピークの重なりを防ぐ目的で島津製作所製のキャピラリーカラムCBP1−M50−025(長さ50m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)を用いてもよい。ガスクロマトグラムにおけるピークの面積比は成分化合物の割合に相当する。成分化合物の重量%は各ピークの面積比と完全には同一ではない。しかし、本発明においては、これらのキャピラリカラムを用いるときは、成分化合物の重量%は各ピークの面積比と同一であると見なしてよい。成分化合物における補正係数に大きな差異がないからである。
【0123】
比較例1
特許文献3(特表平2−502921号公報)に開示された組成物の中から例1を選んだ。根拠は、この組成物が化合物(1−3)および(2−2−1)を含有するからである。この組成物の成分および特性は下記のとおりである。
【0124】
7−PyBB(F)−F (1−3) 2%
5−HBB−9 (2−2−1) 5%
5−HB−3 (−) 11%
3−HB−O1 (−) 9%
3−HB−O3 (−) 7%
3−PyB−2 (−) 7%
3−PyB−3 (−) 7%
6−PyB−O4 (−) 5%
6−PyB−O6 (−) 5%
6−PyB−O8 (−) 5%
7−PyB−O6 (−) 5%
7−PyB−O8 (−) 5%
3−HH2B−1 (−) 9%
3−HH2B−3 (−) 9%
3−HH2B−5 (−) 9%
NI=60.3℃;Tc≦0℃;Δn=0.127;Δε=0.7;γ1=65.2mPa・s;Vth=4.19V;VHR−1=97.2%;VHR−2=96.5%;τ=7.2ms.
【0125】
比較例2
特許文献11(特開平8−157826公報)に開示された組成物のなかから実施例11を選んだ。根拠は、この組成物が化合物(1−4)を含有するからである。
この組成物の成分および特性は下記のとおりである。
3−PyBB−F (1−4) 5%
4−PyBB−F (1−4) 5%
5−PyBB−F (1−4) 4%
2−HHB(F)−F (−) 4%
3−HHB(F)−F (−) 4%
5−HHB(F)−F (−) 4%
4−HH−VFF (−) 6%
5−HH−VFF (−) 7%
2−BEB−CN (−) 5%
3−HB−CN (−) 10%
1O1−HB−CN (−) 6%
3−HEB−O4 (−) 6%
5−HEB−O1 (−) 6%
4−HEB−3 (−) 6%
4−HEB−4 (−) 6%
3−HHEB(F,F)−F (−) 4%
3−HHEB−F (−) 4%
3−HBEB(F,F)−F (−) 4%
3−HBEB−F (−) 4%
NI=81.5℃;Tc≦−20℃;Δn=0.113;Δε=8.1;γ1=107.9mPa・s;Vth=1.51V;VHR−1=94.5%;VHR−2=65.2%;τ=13.4ms.
【0126】
実施例1
実施例1の組成物は、比較例1のそれと比較して、高いNI、大きいΔε、低いVth、小さいγ1および短いτを有する。
3−PyBB−F (1−4) 10%
4−PyBB−F (1−4) 9%
5−PyBB−F (1−4) 10%
V−HHB−1 (2−3−1) 5%
V−HH−3 (3−1) 32%
3−HB−CL (−) 14%
3−HHB(F,F)−F (−) 5%
3−HBB(F,F)−F (−) 15%
NI=80.0℃;Tc≦−10℃;Δn=0.132;Δε=5.4;γ1=47.9mPa・s;Vth=2.06V;VHR−1=98.9%;VHR−2=98.0%;τ=5.3ms.
【0127】
実施例2
実施例2の組成物は、比較例2のそれと比較して、ほぼ同等のNI、小さいγ1および高いVHR−2を有する。
3−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 7%
5−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 6%
2−BB(F)B−3 (2−1−1) 8%
2−BB(F)B−5 (2−1−1) 4%
3−BB(F)B−5 (2−1−1) 2%
2−HBB−F (2−2−2) 3%
3−HBB−F (2−2−2) 3%
5−HBB−F (2−2−2) 3%
V−HHB−1 (2−3−1) 11%
V−HH−3 (3−1) 51%
3−HHBB(F,F)−F (−) 2%
NI=79.1℃;Tc≦−20℃;Δn=0.113;Δε=3.4;γ1=40.1mPa・s;Vth=2.25V;VHR−1=99.0%;VHR−2=98.0%
;τ=6.6ms.
【0128】
実施例3
3−PyBB−F (1−4) 5%
4−PyBB−F (1−4) 5%
5−PyBB−F (1−4) 5%
2−BB(F)B−3 (2−1−1) 5%
V−HHB−1 (2−3−1) 9%
3−HHB−CL (2−3−3) 7%
V−HH−3 (3−1) 32%
3−BB(F,F)XB(F,F)−OCF3(4−1−3) 10%
3−HB−CL (−) 14%
3−HHB(F,F)−F (−) 5%
3−HBB(F,F)−F (−) 3%
NI=72.1℃;Tc≦−20℃;Δn=0.116;Δε=4.7;γ1=43.3mPa・s;Vth=1.85V;VHR−1=98.7%;VHR−2=98.1%;VHR−3=72.1%;τ=6.3ms.
【0129】
実施例4
3−PyBB(F)−F (1−3) 7%
5−PyBB(F)−F (1−3) 8%
2−BB(F)B−3 (2−1−1) 5%
V−HHB−1 (2−3−1) 7%
3−HHB−CL (2−3−3) 7%
V−HH−3 (3−1) 32%
3−HB−CL (−) 14%
3−HHB(F,F)−F (−) 5%
3−HBB(F,F)−F (−) 15%
NI=73.1℃;Tc≦−20℃;Δn=0.114;Δε=4.5;γ1=45.6mPa・s;Vth=1.92V;VHR−1=98.5%;VHR−2=97.9%;τ=6.6ms.
【0130】
実施例5
3−PyBB(F,F)−F (1−2) 6%
5−PyBB(F,F)−F (1−2) 6%
2−BB(F)B−3 (2−1−1) 9.5%
V−HHB−1 (2−3−1) 8.5%
3−HHB−CL (2−3−3) 7%
V−HH−3 (3−1) 29%
3−HB−CL (−) 14%
3−HHB(F,F)−F (−) 5%
3−HBB(F,F)−F (−) 15%
NI=71.9℃;Tc≦−10℃;Δn=0.114;Δε=4.7;γ1=46.9mPa・s;Vth=1.89V;VHR−1=98.0%;VHR−2=97.7%;VHR−3=79.4%;τ=7.1ms.
【0131】
実施例6
3−PyBB(F,F)−F (1−2) 3%
4−PyBB(F,F)−F (1−2) 4%
5−PyBB(F,F)−F (1−2) 3%
V2−HBB−2 (2−2−1) 11%
2−HBB−F (2−2−2) 5%
3−HBB−F (2−2−2) 6%
5−HBB−F (2−2−2) 6%
3−HHB−1 (2−3−1) 5%
V−HHB−1 (2−3−1) 2%
V−HH−5 (3−1) 19%
1V−HH−3 (3−2) 10%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (4−1−1) 13%
3−HB−CL (−) 13%
NI=77.7℃;Tc≦−10℃;Δn=0.121;Δε=5.5;γ1=57.4mPa・s;Vth=1.91V;VHR−1=98.0%;VHR−2=97.5%;τ=7.1ms.
【0132】
実施例7
2−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 6%
3−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 6%
4−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 3%
V2−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 3%
2−BB(F)B−3 (2−1−1) 10%
2−BBB(2F)−5 (2−1−2) 5%
V2−HBB−2 (2−2−1) 10%
2−HBB−F (2−2−2) 5%
3−HBB−F (2−2−2) 5%
5−HBB−F (2−2−2) 5%
V−HH−3 (3−1) 25%
V−HH−4 (3−1) 10%
3−HBB(F,F)−F (−) 7%
NI=83.3℃;Tc≦−20℃;Δn=0.143;Δε=7.0;γ1=59.6mPa・s;Vth=1.72V;VHR−1=97.9%;VHR−2=97.5%;τ=6.2ms.
【0133】
実施例8
2−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 5%
3−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 5%
5−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 5%
2−BB(F)B−3 (2−1−1) 6%
2−BB(F)B−5 (2−1−1) 6%
3−HBB−2 (2−2−1) 5%
5−HBB−2 (2−2−1) 5%
V2−HBB−2 (2−2−1) 10%
1V2−HBB−2 (2−2−1) 8%
V−HH−3 (3−1) 28%
V−HH−5 (3−1) 7%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (4−1−1) 10%
NI=87.0℃;Tc≦−20℃;Δn=0.143;Δε=7.6;γ1=60.1mPa・s;Vth=1.68V;VHR−1=98.0%;VHR−2=97.5%;τ=6.0ms.
【0134】
実施例9
2−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 5%
3−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 5%
1V2−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 5%
2−BB(F)B−3 (2−1−1) 10%
2−BB(F)B−5 (2−1−1) 5%
1V2−BB(F)B−5 (2−1−1) 5%
2−BBB(2F)−5 (2−1−2) 8%
V−HHB−1 (2−3−1) 15%
V2−HHB−1 (2−3−1) 10%
3−HHB−F (2−3−2) 5%
V−HH−3 (3−1) 22%
V−HH−4 (3−1) 5%
NI=96.0℃;Tc≦−20℃;Δn=0.163;Δε=7.9;γ1=72.2mPa・s;Vth=1.91V;VHR−1=98.0%;VHR−2=97.5%;τ=7.7ms.
【0135】
実施例10
2−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 9%
3−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 9%
5−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 9%
2−BB(F)B−3 (2−1−1) 4%
2−BB(F)B−5 (2−1−1) 8%
3−BB(F)B−5 (2−1−1) 5%
3−HHB−1 (2−3−1) 10%
2−HHB−CL (2−3−3) 7%
3−HHB−CL (2−3−3) 7%
5−HHB−CL (2−3−3) 7%
V−HH−3 (3−1) 17%
3−HB−CL (−) 8%
NI=93.8℃;Tc≦−10℃;Δn=0.153;Δε=10.0;γ1=106.0mPa・s;Vth=1.54V;VHR−1=97.8%;VHR−2=97.4%;τ=10.0ms.
【0136】
実施例11
2−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 5%
3−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 5%
5−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 5%
3−HBB−2 (2−2−1) 4%
4−HBB−2 (2−2−1) 4%
V2−HBB−2 (2−2−1) 5%
2−HBB−F (2−2−2) 6%
3−HBB−F (2−2−2) 6%
5−HBB−F (2−2−2) 6%
2−HHB−1 (2−3−1) 5%
3−HHB−1 (2−3−1) 5%
V−HHB−1 (2−3−1) 10%
V2−HHB−1 (2−3−1) 8%
V−HH−3 (3−1) 20%
1V−HH−3 (3−1) 6%
NI=102.8℃;Tc≦−20℃;Δn=0.139;Δε=5.6;γ1=71.0mPa・s;Vth=1.98V;VHR−1=98.2%;VHR−2=97.7%;τ=7.3ms.
【0137】
実施例12
2−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 6%
3−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 6%
5−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 6%
V2−HBB−2 (2−2−1) 10%
2−HBB−F (2−2−2) 4%
3−HBB−F (2−2−2) 4%
5−HBB−F (2−2−2) 4%
2−HHB−CL (2−3−3) 5%
3−HHB−CL (2−3−3) 5%
5−HHB−CL (2−3−3) 5%
V−HH−3 (3−1) 25%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (4−1−1) 10%
3−BB(F,F)XB(F)−OCF3 (4−1−4) 10%
NI=79.2℃;Tc≦−20℃;Δn=0.134;Δε=10.9;γ1=91.0mPa・s;Vth=1.41V;VHR−1=97.6%;VHR−2=97.2%;τ=7.3ms.
【0138】
実施例13
2−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 5%
3−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 5%
1V2−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 5%
2−BB(F)B−3 (2−1−1) 10%
2−HBB−F (2−2−2) 5%
3−HBB−F (2−2−2) 5%
5−HBB−F (2−2−2) 5%
3−HHB−1 (2−3−1) 5%
V−HHB−1 (2−3−1) 15%
3−HHB−F (2−3−2) 5%
V−HH−3 (3−1) 30%
3−HB−CL (−) 5%
NI=93.8℃;Tc≦−20℃;Δn=0.131;Δε=5.6;γ1=50.3mPa・s;Vth=1.93V;VHR−1=98.2%;VHR−2=97.9%;τ=5.4ms.
【0139】
実施例14
2−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 5%
3−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 5%
2−BB(F)B−3 (2−1−1) 6%
2−BBB(2F)−5 (2−1−2) 6%
3−HBB−2 (2−2−1) 5%
V2−HBB−2 (2−2−1) 5%
V−HHB−1 (2−3−1) 10%
V2−HHB−1 (2−3−1) 5%
2−HHB−CL (2−3−3) 3%
3−HHB−CL (2−3−3) 3%
5−HHB−CL (2−3−3) 3%
V−HH−3 (3−1) 20%
1V−HH−3 (3−2) 10%
3−HB−CL (−) 14%
NI=87.7℃;Tc≦−20℃;Δn=0.135;Δε=4.2;γ1=40.0mPa・s;Vth=2.09V;VHR−1=98.1%;VHR−2=97.9%;τ=4.6ms.
【0140】
実施例15
2−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 5%
3−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 5%
3−PyBB−F (1−4) 5%
4−PyBB−F (1−4) 5%
5−PyBB−F (1−4) 5%
2−BB(F)B−3 (2−1−1) 10%
2−BBB(2F)−5 (2−1−2) 5%
V2−HBB−2 (2−2−1) 10%
2−HBB−F (2−2−2) 6%
3−HBB−F (2−2−2) 6%
5−HBB−F (2−2−2) 6%
V−HH−3 (3−1) 25%
1V−HH−3 (3−2) 7%
NI=100.9℃;Tc≦−10℃;Δn=0.160;Δε=6.0;γ1=63.7mPa・s;Vth=1.91V;VHR−1=98.1%;VHR−2=97.9%;τ=6.8ms.
【0141】
実施例16
2−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 5%
3−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 5%
5−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 5%
3−PyBB−F (1−4) 7%
4−PyBB−F (1−4) 7%
3−PyBB−CL (1−14) 7%
2−BB(F)B−3 (2−1−1) 12%
3−HBB−2 (2−2−1) 5%
5−HBB−2 (2−2−1) 5%
V2−HBB−2 (2−2−1) 5%
2−HBB−F (2−2−2) 5%
3−HBB−F (2−2−2) 5%
V−HH−3 (3−1) 27%
NI=102.8℃;Tc≦−10℃;Δn=0.170;Δε=8.4;γ1=84.9mPa・s;Vth=1.69V;VHR−1=98.2%;VHR−2=97.5%;τ=8.4ms.
【0142】
実施例17
2−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 6%
3−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 6%
5−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 6%
3−PyBB−F (1−4) 6%
4−PyBB−F (1−4) 6%
5−PyBB−F (1−4) 6%
2−BB(F)B−3 (2−1−1) 10%
V−HHB−1 (2−3−1) 10%
V2−HHB−1 (2−3−1) 5%
V−HH−3 (3−1) 18%
3−HB−CL (−) 5%
5−HBB(F)B−2 (−) 5%
5−HBB(F)B−3 (−) 5%
3−HHB(F,F)−F (−) 6%
NI=99.5℃;Tc≦−10℃;Δn=0.169;Δε=9.9;γ1=112.8mPa・s;Vth=1.57V;VHR−1=98.2%;VHR−2=97.6%;τ=10.8ms.
【0143】
実施例18
2−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 5%
3−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 5%
5−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 5%
3−PyBB−F (1−4) 3%
4−PyBB−F (1−4) 3%
5−PyBB−F (1−4) 3%
3−HBB−2 (2−2−1) 5%
V2−HBB−2 (2−2−1) 5%
2−HBB−F (2−2−2) 5%
3−HBB−F (2−2−2) 5%
V−HHB−1 (2−3−1) 10%
V2−HHB−1 (2−3−1) 6%
3−HHB−CL (2−3−3) 5%
V−HH−3 (3−1) 22%
V−HH−4 (3−1) 4%
V−HH−5 (3−1) 4%
7−HB−1 (−) 5%
NI=94.8℃;Tc≦−10℃;Δn=0.139;Δε=6.2;γ1=65.6mPa・s;Vth=1.86V;VHR−1=98.2%;VHR−2=97.6%;τ=7.0ms.
【0144】
実施例19
2−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 5%
3−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 5%
5−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 5%
3−PyBB−F (1−4) 4%
4−PyBB−F (1−4) 4%
5−PyBB−F (1−4) 4%
2−BB(F)B−3 (2−1−1) 8%
3−HBB−2 (2−2−1) 5%
V2−HBB−2 (2−2−1) 10%
2−HBB−F (2−2−2) 3%
3−HBB−F (2−2−2) 3%
5−HBB−F (2−2−2) 3%
3−HHB−1 (2−3−1) 5%
V−HHB−1 (2−3−1) 10%
V2−HHB−1 (2−3−1) 5%
V−HH−3 (3−1) 15%
3−HB−CL (−) 6%
NI=104.9℃;Tc≦−10℃;Δn=0.167;Δε=7.7;γ1=91.1mPa・s;Vth=1.76V;VHR−1=98.4%;VHR−2=97.7%;τ=9.2ms.
【0145】
実施例20
3−PyBB(F)−F (1−3) 7%
4−PyBB(F)−F (1−3) 7%
5−PyBB(F)−F (1−3) 6%
2−BB(F)B−3 (2−1−1) 5%
3−BB(F)B−5 (2−1−1) 5%
3−HBB−2 (2−2−1) 4%
5−HBB−2 (2−2−1) 4%
V2−HBB−2 (2−2−1) 10%
V−HH−3 (3−1) 30%
V−HH−5 (3−1) 5%
3−HB−CL (−) 10%
5−HB−CL (−) 7%
NI=82.5℃;Tc≦−20℃;Δn=0.140;Δε=4.1;γ1=38.0mPa・s;Vth=2.06V;VHR−1=98.0%;VHR−2=97.8%;τ=4.0ms.
【0146】
実施例21
3−PyBB(F)−F (1−3) 5%
4−PyBB(F)−F (1−3) 5%
5−PyBB(F)−F (1−3) 4%
2−BB(F)B−3 (2−1−1) 10%
3−HBB−2 (2−2−1) 8%
2−HBB−F (2−2−2) 6%
3−HBB−F (2−2−2) 6%
5−HBB−F (2−2−2) 6%
V−HH−3 (3−1) 25%
V−HH−4 (3−1) 5%
V−HH−5 (3−1) 5%
1V−HH−3 (3−1) 5%
7−HB−1 (−) 5%
3−HB−CL (−) 5%
NI=85.4℃;Tc≦−20℃;Δn=0.130;Δε=3.0;γ1=34.0mPa・s;Vth=2.37V;VHR−1=98.5%;VHR−2=98.0%;τ=4.1ms.
【0147】
実施例22
3−PyBB(F)−F (1−3) 8%
4−PyBB(F)−F (1−3) 8%
5−PyBB(F)−F (1−3) 8%
2−BB(F)B−3 (2−1−1) 10%
2−BBB(2F)−5 (2−1−2) 5%
2−HHB−1 (2−3−1) 5%
3−HHB−1 (2−3−1) 10%
V−HHB−1 (2−3−1) 10%
3−HHB−F (2−3−2) 5%
V−HH−3 (3−1) 25%
1V−HH−3 (3−1) 6%
NI=112.5℃;Tc≦−10℃;Δn=0.151;Δε=4.7;γ1=72.0mPa・s;Vth=2.16V;VHR−1=98.0%;VHR−2=97.5%;τ=8.3ms.
【0148】
実施例23
3−PyBB(F)−F (1−3) 6%
4−PyBB(F)−F (1−3) 5%
5−PyBB(F)−F (1−3) 5%
V2−HBB−2 (2−2−1) 10%
2−HBB−F (2−2−2) 4%
3−HBB−F (2−2−2) 4%
5−HBB−F (2−2−2) 4%
V−HHB−1 (2−3−1) 10%
2−HHB−CL (2−3−3) 5%
3−HHB−CL (2−3−3) 5%
5−HHB−CL (2−3−3) 5%
V−HH−3 (3−1) 25%
3−HB−CL (−) 12%
NI=101.2℃;Tc≦−20℃;Δn=0.135;Δε=4.0;γ1=53.8mPa・s;Vth=2.20V;VHR−1=98.2%;VHR−2=97.6%;τ=6.6ms.
【0149】
実施例24
3−PyBB(F)−F (1−3) 6%
4−PyBB(F)−F (1−3) 5%
5−PyBB(F)−F (1−3) 5%
3−PyBB−F (1−4) 6%
4−PyBB−F (1−4) 6%
5−PyBB−F (1−4) 6%
2−BB(F)B−3 (2−1−1) 7%
2−BBB(2F)−3 (2−1−2) 5%
V2−HBB−2 (2−2−1) 6%
2−HBB−F (2−2−2) 3%
3−HBB−F (2−2−2) 3%
5−HBB−F (2−2−2) 3%
V−HH−3 (3−1) 29%
V−HH−5 (3−1) 3%
7−HB−1 (−) 7%
NI=97.9℃;Tc≦−10℃;Δn=0.161;Δε=5.5;γ1=65.6mPa・s;Vth=1.97V;VHR−1=98.0%;VHR−2=97.4%;τ=7.3ms.
【0150】
実施例25
3−PyBB(F)−F (1−3) 5%
5−PyBB(F)−F (1−3) 5%
3−PyBB−F (1−4) 3%
4−PyBB−F (1−4) 3%
5−PyBB−F (1−4) 3%
2−BB(F)B−3 (2−1−1) 10%
2−HHB−1 (2−3−1) 5%
3−HHB−1 (2−3−1) 8%
V−HHB−1 (2−3−1) 10%
V2−HHB−1 (2−3−1) 5%
V−HH−3 (3−1) 25%
V−HH−4 (3−1) 8%
V1−HH−3 (3−1) 5%
3−HB−CL (−) 5%
NI=99.7℃;Tc≦−20℃;Δn=0.135;Δε=3.0;γ1=42.0mPa・s;Vth=2.42V;VHR−1=98.1%;VHR−2=97.5%;τ=5.8ms.
【0151】
実施例26
3−PyBB(F)−F (1−3) 7%
5−PyBB(F)−F (1−3) 6%
3−PyBB−F (1−4) 5%
4−PyBB−F (1−4) 5%
5−PyBB−F (1−4) 5%
V2−HBB−2 (2−2−1) 10%
2−HBB−F (2−2−2) 5%
3−HBB−F (2−2−2) 5%
V−HHB−1 (2−3−1) 10%
2−HHB−CL (2−3−3) 3%
3−HHB−CL (2−3−3) 3%
V−HH−3 (3−1) 28%
V1−HH−3 (3−1) 3%
5−HB−1 (−) 5%
NI=108.0℃;Tc≦−10℃;Δn=0.145;Δε=4.6;γ1=59.5mPa・s;Vth=2.14V;VHR−1=98.0%;VHR−2=97.5%;τ=6.9ms.
【0152】
実施例27
3−PyBB−F (1−4) 7%
4−PyBB−F (1−4) 7%
5−PyBB−F (1−4) 7%
2−BB(F)B−3 (2−1−1) 10%
2−BBB(2F)−5 (2−1−2) 5%
2−HBB−F (2−2−2) 5%
3−HBB−F (2−2−2) 5%
5−HBB−F (2−2−2) 5%
V−HH−3 (3−1) 28%
7−HB−1 (−) 10%
3−HB−CL (−) 6%
5−HB−CL (−) 5%
NI=81.5℃;Tc≦−10℃;Δn=0.144;Δε=3.4;γ1=37.0mPa・s;Vth=2.20V;VHR−1=98.2%;VHR−2=97.5%;τ=4.3ms.
【0153】
実施例28
3−PyBB−F (1−4) 5%
4−PyBB−F (1−4) 5%
5−PyBB−F (1−4) 5%
2−BB(F)B−3 (2−1−1) 5%
2−BB(F)B−5 (2−1−1) 5%
3−BB(F)B−5 (2−1−1) 5%
2−HHB−1 (2−3−1) 5%
3−HHB−1 (2−3−1) 5%
V−HHB−1 (2−3−1) 5%
V−HH−3 (3−1) 25%
1V−HH−3 (3−2) 10%
7−HB−1 (−) 10%
3−HB−CL (−) 5%
5−HB−CL (−) 5%
NI=86.2℃;Tc≦−20℃;Δn=0.126;Δε=2.6;γ1=30.0mPa・s;Vth=2.64V;VHR−1=98.6%;VHR−2=97.9%;τ=3.3ms.
【0154】
実施例29
3−PyBB−F (1−4) 8%
4−PyBB−F (1−4) 7%
5−PyBB−F (1−4) 7%
V2−HBB−2 (2−2−1) 5%
1V2−HBB−2 (2−2−1) 5%
V−HHB−1 (2−3−1) 10%
2−HHB−CL (2−3−3) 5%
3−HHB−CL (2−3−3) 5%
V−HH−3 (3−1) 30%
VFF−HHB−1 (−) 5%
3−HB−CL (−) 10%
5−HB−CL (−) 3%
NI=105.0℃;Tc≦−10℃;Δn=0.136;Δε=3.5;γ1=43.0mPa・s;Vth=2.33V;VHR−1=98.2%;VHR−2=97.7%;τ=5.7ms.
【0155】
実施例30
3−PyBB−F (1−4) 8%
4−PyBB−F (1−4) 8%
5−PyBB−F (1−4) 8%
2−BB(F)B−3 (2−1−1) 10%
V2−HBB−2 (2−2−1) 10%
3−HBB−F (2−2−2) 5%
V−HHB−1 (2−3−1) 10%
V2−HHB−1 (2−3−1) 5%
V−HH−3 (3−1) 30%
7−HB−1 (−) 6%
NI=106.0℃;Tc≦−10℃;Δn=0.156;Δε=3.5;γ1=48.0mPa・s;Vth=2.34V;VHR−1=98.3%;VHR−2=97.7%;τ=6.2ms.
【0156】
実施例31
2−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 4%
3−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 4%
4−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 4%
2−BB(F)B−3 (2−1−1) 10%
2−BB(F)B−5 (2−1−1) 5%
3−BB(F)B−5 (2−1−1) 5%
2−HBB−F (2−2−2) 7%
3−HBB−F (2−2−2) 7%
5−HBB−F (2−2−2) 7%
V−HH−3 (3−1) 20%
1V−HH−3 (3−2) 4%
2−BB(F,F)XB(F,F)−F (4−1−1) 3%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (4−1−1) 9%
5−BB(F,F)XB(F,F)−F (4−1−1) 6%
5−HBB(F)B−2 (−) 5%
NI=80.9℃;Tc≦−20℃;Δn=0.155;Δε=9.4;γ1=91.9mPa・s;Vth=1.51V;VHR−1=97.9%;VHR−2=97.5%;τ=8.9ms.
【0157】
実施例32
2−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 3%
3−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 4%
4−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 3%
2−BB(F)B−3 (2−1−1) 10%
2−HBB−F (2−2−2) 3%
3−HBB−F (2−2−2) 3%
5−HBB−F (2−2−2) 3%
V−HHB−1 (2−3−1) 12%
V2−HHB−1 (2−3−1) 10%
V−HH−3 (3−1) 20%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (4−1−1) 14%
3−BB(F,F)XB(F)−OCF3 (4−1−4) 5%
5−BB(F,F)XB(F)−OCF3 (4−1−4) 5%
5−HBB(F)B−2 (−) 5%
NI=74.5℃;Tc≦−20℃;Δn=0.153;Δε=9.6;γ1=99.9mPa・s;Vth=1.48V;VHR−1=98.0%;VHR−2=97.5%;τ=9.6ms.
【0158】
実施例33
2−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 3%
3−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 3%
4−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 3%
3−PyBB−F (1−4) 5%
4−PyBB−F (1−4) 5%
5−PyBB−F (1−4) 5%
2−BB(F)B−3 (2−1−1) 8%
2−HHB−1 (2−3−1) 5%
3−HHB−1 (2−3−1) 10%
V−HHB−1 (2−3−1) 8%
V2−HHB−1 (2−3−1) 5%
V−HH−3 (3−1) 10%
1V−HH−3 (3−2) 10%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (4−1−1) 10%
3−BB(F,F)XB(F,F)−OCF3(4−1−3) 10%
NI=93.0℃;Tc≦−10℃;Δn=0.153;Δε=10.4;γ1=108.5mPa・s;Vth=1.51V;VHR−1=98.1%;VHR−2=97.6%;τ=10.4ms.
【0159】
実施例34
2−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 3%
3−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 3%
V2−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 3%
3−PyBB−F (1−4) 4%
4−PyBB−F (1−4) 4%
5−PyBB−F (1−4) 4%
V2−HBB−2 (2−2−1) 10%
V−HHB−1 (2−3−1) 10%
2−HHB−CL (2−3−3) 5%
3−HHB−CL (2−3−3) 5%
5−HHB−CL (2−3−3) 5%
V−HH−3 (3−1) 20%
1V−HH−3 (3−2) 9%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (4−1−1) 5%
3−BB(F,F)XB(F)−F (4−1−2) 5%
3−BB(F,F)XB(F,F)−OCF3(4−1−3) 5%
NI=99.0℃;Tc≦−10℃;Δn=0.137;Δε=8.5;γ1=78.0mPa・s;Vth=1.67V;VHR−1=98.3%;VHR−2=97.7%;τ=7.8ms.
【0160】
実施例35
2−PyBB(F,F)−F (1−2) 3%
3−PyBB(F,F)−F (1−2) 3%
4−PyBB(F,F)−F (1−2) 3%
2−BB(F)B−3 (2−1−1) 10%
V2−HBB−2 (2−2−1) 10%
2−HBB−F (2−2−2) 5%
3−HBB−F (2−2−2) 5%
5−HBB−F (2−2−2) 5%
2−HHB−1 (2−3−1) 5%
V−HHB−1 (2−3−1) 10%
V−HH−3 (3−1) 28%
V−HH−4 (3−1) 4%
3−HB−CL (−) 9%
NI=92.0℃;Tc≦−10℃;Δn=0.128;Δε=3.0;γ1=30.6mPa・s;Vth=2.41V;VHR−1=98.4%;VHR−2=97.9%;τ=4.1ms.
【0161】
実施例36
2−PyBB(F,F)−F (1−2) 3%
3−PyBB(F,F)−F (1−2) 3%
4−PyBB(F,F)−F (1−2) 3%
3−PyBB−F (1−4) 3%
4−PyBB−F (1−4) 3%
5−PyBB−F (1−4) 3%
2−BB(F)B−3 (2−1−1) 5%
2−BBB(2F)−5 (2−1−2) 5%
5−BBB(2F)−2 (2−1−2) 5%
3−HBB−2 (2−2−1) 5%
V−HHB−1 (2−3−1) 10%
3−HHB−F (2−3−2) 5%
V−HH−3 (3−1) 27%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (4−1−1) 10%
3−BB(F,F)XB(F,F)−OCF3(4−1−3) 10%
NI=86.3℃;Tc≦−10℃;Δn=0.147;Δε=8.9;γ1=83.1mPa・s;Vth=1.58V;VHR−1=98.1%;VHR−2=97.6%;τ=8.1ms.
【0162】
実施例37
2−PyB(F)B(F,F)−OCF3 (1−7) 5%
3−PyB(F)B(F,F)−OCF3 (1−7) 5%
4−PyB(F)B(F,F)−OCF3 (1−7) 5%
3−PyB(F,F)B(F)−OCF3 (1−11) 5%
2−BB(F)B−3 (2−1−1) 10%
V2−HBB−2 (2−2−1) 5%
2−HBB−F (2−2−2) 5%
3−HBB−F (2−2−2) 5%
5−HBB−F (2−2−2) 5%
V−HHB−1 (2−3−1) 10%
V−HH−3 (3−1) 10%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (4−1−1) 20%
3−BB(F,F)XB(F,F)−OCF3(4−1−3) 5%
3−HHBB(F,F)−F (−) 5%
NI=80.5℃;Tc≦−20℃;Δn=0.157;Δε=14.8;γ1=135.0mPa・s;Vth=1.25V;VHR−1=97.9%;VHR−2=97.6%;τ=12.2ms.
【0163】
実施例38
3−PyBB(F)−F (1−3) 5%
5−PyBB(F)−F (1−3) 5%
3−PyBB−F (1−4) 5%
4−PyBB−F (1−4) 5%
5−PyBB−F (1−4) 5%
2−BB(F)B−3 (2−1−1) 5%
2−BB(F)B−5 (2−1−1) 5%
V−HHB−1 (2−3−1) 10%
V2−HHB−1 (2−3−1) 10%
V−HH−3 (3−1) 20%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (4−1−1) 10%
3−BB(F,F)XB(F)−OCF3 (4−1−4) 10%
3−HB−CL (−) 5%
NI=82.9℃;Tc≦−20℃;Δn=0.163;Δε=9.0;γ1=97.3mPa・s;Vth=1.55V;VHR−1=98.2%;VHR−2=97.6%;τ=9.5ms.
【0164】
実施例39
3−PyBB(F)−F (1−3) 6%
5−PyBB(F)−F (1−3) 6%
3−PyBB−F (1−4) 4%
4−PyBB−F (1−4) 4%
5−PyBB−F (1−4) 4%
V−HHB−1 (2−3−1) 10%
2−HHB−CL (2−3−3) 5%
3−HHB−CL (2−3−3) 5%
5−HHB−CL (2−3−3) 5%
V−HH−3 (3−1) 10%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (4−1−1) 10%
3−BB(F,F)XB(F,F)−OCF3(4−1−3) 5%
3−BB(F,F)XB(F)−OCF3 (4−1−4) 10%
3−HB−CL (−) 5%
2−HBB(F,F)−F (−) 5%
3−HBB(F,F)−F (−) 6%
NI=85.3℃;Tc≦−20℃;Δn=0.150;Δε=11.6;γ1=127.0mPa・s;Vth=1.41V;VHR−1=98.3%;VHR−2=97.7%;τ=11.8ms.
【0165】
実施例40
3−PyBB−F (1−4) 4%
4−PyBB−F (1−4) 4%
5−PyBB−F (1−4) 4%
2−BB(F)B−3 (2−1−1) 6%
2−BB(F)B−5 (2−1−1) 5%
V−HHB−1 (2−3−1) 10%
V2−HHB−1 (2−3−1) 5%
V−HH−3 (3−1) 28%
1V−HH−3 (3−2) 7%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (4−1−1) 10%
3−BB(F,F)XB(F,F)−OCF3(4−1−3) 5%
3−HB−CL (−) 5%
2−BB(2F,5F)B−3 (−) 4%
3−BB(2F,5F)B−3 (−) 3%
NI=78.9℃;Tc≦−20℃;Δn=0.140;Δε=5.5;γ1=52.7mPa・s;Vth=1.84V;VHR−1=98.2%;VHR−2=97.8%;τ=5.8ms.
【0166】
実施例41
3−PyBB−F (1−4) 6%
5−PyBB−F (1−4) 6%
2−BB(F)B−3 (2−1−1) 8%
2−BB(F)B−5 (2−1−1) 3%
2−HBB−F (2−2−2) 6%
3−HBB−F (2−2−2) 6%
5−HBB−F (2−2−2) 4%
3−HHB−CL (2−3−3) 7%
V−HH−3 (3−1) 31%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (4−1−1) 14%
3−HB−CL (−) 9%
NI=76.2℃;Tc≦−20℃;Δn=0.131;Δε=5.0;γ1=51.0mPa・s;Vth=1.80V;VHR−1=98.5%;VHR−2=97.8%;τ=4.9ms.
【0167】
実施例42
2−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 3%
3−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 3%
4−PyB(F)B(F,F)−F (1−1) 3%
3−PyBB−F (1−4) 3%
4−PyBB−F (1−4) 3%
5−PyBB−F (1−4) 3%
2−BB(F)B−3 (2−1−1) 10%
2−HBB−F (2−2−2) 5%
3−HBB−F (2−2−2) 5%
5−HBB−F (2−2−2) 5%
V−HHB−1 (2−3−1) 10%
V−HH−3 (3−1) 30%
2−BB(F)B(F,F)−F (4−2−1) 4%
3−BB(F)B(F,F)−F (4−2−1) 4%
4−BB(F)B(F,F)−F (4−2−1) 4%
3−HB(F)B(F,F)−F (4−2−2) 5%
NI=87.3℃;Tc≦−20℃;Δn=0.148;Δε=7.6;γ1=72.7mPa・s;Vth=1.68V;VHR−1=98.4%;VHR−2=97.7%;τ=7.3ms.
【0168】
実施例43
3−PyBB(F)−F (1−3) 6%
5−PyBB(F)−F (1−3) 6%
3−PyBB−F (1−4) 4%
4−PyBB−F (1−4) 4%
5−PyBB−F (1−4) 4%
2−BB(F)B−3 (2−1−1) 5%
2−BB(F)B−5 (2−1−1) 5%
2−HBB−F (2−2−2) 5%
3−HBB−F (2−2−2) 5%
V−HHB−1 (2−3−1) 10%
V−HH−3 (3−1) 20%
1V−HH−3 (3−2) 9%
2−BB(F)B(F,F)−F (4−2−1) 4%
3−BB(F)B(F,F)−F (4−2−1) 4%
4−BB(F)B(F,F)−F (4−2−1) 4%
3−HB(F)B(F,F)−F (4−2−2) 5%
NI=97.0℃;Tc≦−20℃;Δn=0.160;Δε=7.3;γ1=84.0mPa・s;Vth=1.76V;VHR−1=98.0%;VHR−2=97.6%;τ=8.6ms.
【0169】
実施例44
2−PyB(F)B(F,F)−OCF3 (1−7) 3%
3−PyB(F)B(F,F)−OCF3 (1−7) 3%
3−PyBB−F (1−4) 4%
4−PyBB−F (1−4) 4%
5−PyBB−F (1−4) 4%
2−HHB−CL (2−3−3) 5%
3−HHB−CL (2−3−3) 5%
5−HHB−CL (2−3−3) 5%
V−HH−3 (3−1) 30%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (4−1−1) 10%
2−BB(F)B(F,F)−F (4−2−1) 5%
3−BB(F)B(F,F)−F (4−2−1) 5%
4−BB(F)B(F,F)−F (4−2−1) 5%
3−HB(F)B(F,F)−F (4−2−2) 5%
3−HBB(F)−F (−) 7%
NI=76.0℃;Tc≦−20℃;Δn=0.137;Δε=10.0;γ1=89.9mPa・s;Vth=1.44V;VHR−1=98.1%;VHR−2=97.6%;τ=8.5ms.
【0170】
実施例45
3−PyBB−F (1−4) 4%
4−PyBB−F (1−4) 4%
5−PyBB−F (1−4) 4%
2−HBB−F (2−2−2) 5%
3−HBB−F (2−2−2) 5%
5−HBB−F (2−2−2) 5%
V−HH−3 (3−1) 24%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (4−1−1) 10%
3−BB(F,F)XB(F)−OCF3 (4−1−4) 5%
3−BB(F)B(F,F)−F (4−2−1) 8%
3−HB(F)B(F,F)−F (4−2−2) 8%
VFF−HH−3 (−) 5%
VFF−HH−5 (−) 5%
5−HBB(2F)H−3 (−) 4%
5−HBB(F)B−2 (−) 4%
NI=79.2℃;Tc≦−20℃;Δn=0.134;Δε=8.1;γ1=78.0mPa・s;Vth=1.59V;VHR−1=98.0%;VHR−2=97.6%;τ=7.7ms.
【0171】
実施例46
実施例3の下記組成物に化合物(5−1−1)を0.1%添加しVHR−3を測定した。化合物(5−1−1)を添加することによって、紫外線に対する安定性を更に高めることができた。
3−PyBB−F (1−4) 5%
4−PyBB−F (1−4) 5%
5−PyBB−F (1−4) 5%
2−BB(F)B−3 (2−1−1) 5%
V−HHB−1 (2−3−1) 9%
3−HHB−CL (2−3−3) 7%
V−HH−3 (3−1) 32%
3−BB(F,F)XB(F,F)−OCF3(4−1−3) 10%
3−HB−CL (−) 14%
3−HHB(F,F)−F (−) 5%
3−HBB(F,F)−F (−) 3%
NI=72.1℃;Tc≦−10℃;Δn=0.116;Δε=4.7;γ1=43.3mPa・s;Vth=1.85V;VHR−1=98.7%;VHR−2=98.1%;VHR−3=97.5%;τ=6.3ms.
【0172】
実施例47
実施例3の下記組成物に化合物(5−2−3)を0.1%添加しVHR−3を測定した。化合物(5−2−3)を添加することによって、紫外線に対する安定性を更に高めることができた。
3−PyBB−F (1−4) 5%
4−PyBB−F (1−4) 5%
5−PyBB−F (1−4) 5%
2−BB(F)B−3 (2−1−1) 5%
V−HHB−1 (2−3−1) 9%
3−HHB−CL (2−3−3) 7%
V−HH−3 (3−1) 32%
3−BB(F,F)XB(F,F)−OCF3(4−1−3) 10%
3−HB−CL (−) 14%
3−HHB(F,F)−F (−) 5%
3−HBB(F,F)−F (−) 3%
NI=72.1℃;Tc≦−10℃;Δn=0.116;Δε=4.7;γ1=43.3mPa・s;Vth=1.85V;VHR−1=98.7%;VHR−2=98.1%;VHR−3=97.7%;τ=6.3ms.
【0173】
実施例48
実施例5の下記組成物に化合物(5−1−1)を0.1%添加しVHR−3を測定した。化合物(5−1−1)を添加することによって、紫外線に対する安定性を更に高めることができた。
3−PyBB(F,F)−F (1−2) 6%
5−PyBB(F,F)−F (1−2) 6%
2−BB(F)B−3 (2−1−1) 9.5%
V−HHB−1 (2−3−1) 8.5%
3−HHB−CL (2−3−3) 7%
V−HH−3 (3−1) 29%
3−HB−CL (−) 14%
3−HHB(F,F)−F (−) 5%
3−HBB(F,F)−F (−) 15%
NI=71.9℃;Tc≦0℃;Δn=0.114;Δε=4.7;γ1=46.9mPa・s;Vth=1.89V;VHR−1=98.0%;VHR−2=97.7%;VHR−3=97.4%;τ=7.1ms.
【0174】
実施例49
実施例5の下記組成物に化合物(5−2−3)を0.1%添加しVHR−3を測定した。化合物(5−2−3)を添加することによって、紫外線に対する安定性を更に高めることができた。
3−PyBB(F,F)−F (1−2) 6%
5−PyBB(F,F)−F (1−2) 6%
2−BB(F)B−3 (2−1−1) 9.5%
V−HHB−1 (2−3−1) 8.5%
3−HHB−CL (2−3−3) 7%
V−HH−3 (3−1) 29%
3−HB−CL (−) 14%
3−HHB(F,F)−F (−) 5%
3−HBB(F,F)−F (−) 15%
NI=71.9℃;Tc≦0℃;Δn=0.114;Δε=4.7;γ1=46.9mPa・s;Vth=1.89V;VHR−1=98.0%;VHR−2=97.7%;VHR−3=97.5%;τ=7.1ms.

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1成分として式(1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物、第2成分として式(2−1)から式(2−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物、第3成分として式(3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有し、そしてネマチック相を有する液晶組成物。




ここで、R、RおよびRは独立して炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数2〜12のアルケニルであり;Rはフッ素、炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数2〜12のアルケニルであり;Rはフッ素、塩素、炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数2〜12のアルケニルであり;Rは炭素数2〜12のアルケニルであり;Yはフッ素、塩素またはトリフルオロメトキシであり;X、X、X、およびXは独立して水素またはフッ素であり;XおよびXの一方がフッ素であり、他方が水素である。
【請求項2】
液晶組成物の全重量に基づいて、第1成分の割合が5重量%から40重量%の範囲であり、第2成分の割合が5重量%から60重量%の範囲であり、そして第3成分の割合が10重量%から55重量%の範囲である、請求項1に記載の液晶組成物。
【請求項3】
第1成分として式(1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物、第2成分として式(2−1)から式(2−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物、第3成分として式(3−1)および式(3−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有し、そしてネマチック相を有する液晶組成物。







ここで、RおよびRは独立して炭素数1〜12のアルキルであり;Rはフッ素であり;Rは炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数2〜12のアルケニルであり;Rはフッ素、塩素、炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数2〜12のアルケニルであり;Yはフッ素、塩素またはトリフルオロメトキシであり;X、X、XおよびXは独立して水素またはフッ素であり;Xはフッ素であり;Xは水素である。
【請求項4】
第1成分として式(1−1)から式(1−4)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物、第2成分として式(2−1)から式(2−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物、第3成分として式(3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有し、そしてネマチック相を有する液晶組成物。





ここで、R、RおよびRは独立して炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数2〜12のアルケニルであり;Rはフッ素、炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数2〜12のアルケニルであり;Rはフッ素、塩素または炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数2〜12のアルケニルであり;Rは炭素数2〜12のアルケニルであり、XおよびXの一方は水素であり、他方がフッ素である。
【請求項5】
第1成分として式(1−1)から式(1−4)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物、第2成分として式(2−1)から式(2−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物、第3成分として式(3−1)および式(3−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有し、そしてネマチック相を有する液晶組成物。






ここで、RおよびRは独立して炭素数1〜12のアルキルであり;Rはフッ素であり;Rは炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数2〜12のアルケニルであり;Rはフッ素、塩素、炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数2〜12のアルケニルであり;Xはフッ素であり;Xは水素である。
【請求項6】
第1成分が式(1−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物であり、第2成分が、式(2−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、請求項4または5に記載の液晶組成物。
【請求項7】
第1成分が式(1−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物であり、第2成分が、式(2−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(2−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、請求項4または5に記載の液晶組成物。
【請求項8】
第1成分が式(1−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物であり、第2成分が、式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(2−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、請求項4または5に記載の液晶組成物。
【請求項9】
第1成分が式(1−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物であり、第2成分が、式(2−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物、式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(2−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、請求項4または5に記載の液晶組成物。
【請求項10】
第1成分が、式(1−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(1−4)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物であり、第2成分が、式(2−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、請求項4または5に記載の液晶組成物。
【請求項11】
第1成分が、式(1−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(1−4)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物であり、第2成分が、式(2−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(2−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、請求項4または5に記載の液晶組成物。
【請求項12】
第1成分が、式(1−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(1−4)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物であり、第2成分が、式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(2−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、請求項4または5に記載の液晶組成物。
【請求項13】
第1成分が、式(1−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(1−4)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物であり、第2成分が、式(2−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物、式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(2−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、請求項4または5に記載の液晶組成物。
【請求項14】
第1成分が式(1−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物であり、第2成分が、式(2−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、請求項4または5に記載の液晶組成物。
【請求項15】
第1成分が式(1−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物であり、第2成分が、式(2−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(2−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、請求項4または5に記載の液晶組成物。
【請求項16】
第1成分が式(1−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物であり、第2成分が、式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(2−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、請求項4または5に記載の液晶組成物。
【請求項17】
第1成分が、式(1−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(1−4)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物であり、第2成分が、式(2−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、請求項4または5に記載の液晶組成物。
【請求項18】
第1成分が、式(1−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(1−4)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物であり、第2成分が、式(2−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(2−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、請求項4または5に記載の液晶組成物。
【請求項19】
第1成分が、式(1−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(1−4)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物であり、第2成分が、式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(2−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、請求項4または5に記載の液晶組成物。
【請求項20】
第1成分が式(1−4)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物であり、第2成分が、式(2−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、請求項4または5に記載の液晶組成物。
【請求項21】
第1成分が式(1−4)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物であり、第2成分が、式(2−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(2−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、請求項4または5に記載の液晶組成物。
【請求項22】
第1成分が式(1−4)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物であり、第2成分が、式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(2−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、請求項4または5に記載の液晶組成物。
【請求項23】
第1成分が式(1−4)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物であり、第2成分が、式(2−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物、式(2−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物および式(2−3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である、請求項4または5に記載の液晶組成物。
【請求項24】
液晶組成物の全重量に基づいて、第1成分の割合が5重量%から40重量%の範囲であり、第2成分の割合が5重量%から60重量%の範囲であり、そして第3成分の割合が10重量%から55重量%の範囲である、請求項4から23のいずれか1項に記載の液晶組成物。
【請求項25】
第4成分として式(4−1)および式(4−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する請求項1から24のいずれか1項に記載の液晶組成物。

ここで、Rは炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数2〜12のアルケニルであり;Yはフッ素またはトリフルオロメトキシであり;Xは水素またはフッ素であり;Aは1,4−シクロへキシレンまたは1,4−フェニレンである。
【請求項26】
第4成分が式(4−1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物である請求項25に記載の液晶組成物
【請求項27】
液晶組成物の全重量に基づいて、第1成分の割合が5重量%から40重量%の範囲であり、そして第2成分の割合が5重量%から60重量%の範囲であり、第3成分の割合が10重量%から55重量%であり、そして第4成分の割合が10重量%から35重量%の範囲である、請求項25または26に記載の液晶組成物
【請求項28】
第5成分として式(5−1)および式(5−2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する、請求項1から27のいずれか1項に記載の液晶組成物


ここで、Rは炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数2〜12のアルケニルであり;Rは水素または基Dであり、少なくとも1つのRは基Dであり;Rは水素、炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数1〜12のアルコキシであり;Rは炭素数1〜8のアルキルであり;R10およびR11は独立して水素または炭素数1〜5のアルキルであり;Bは1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレンまたは3−フルオロ−1,4−フェニレンであり;Zは単結合、エチレン、カルボニルオキシ、またはオキシカルボニルであり;mは1〜20の整数であり;nは1または2である。

【請求項29】
液晶組成物の全重量に基づいて、第1成分の割合が5重量%から40重量%の範囲であり、第2成分の割合が5重量%から60重量%の範囲であり、第3成分の割合が10重量%から55重量%であり、第4成分の割合が10重量%から35重量%の範囲であり、そして第5成分の割合が0.001重量%から5重量%の範囲である、請求項28に記載の液晶組成物
【請求項30】
ネマチック相の上限温度が70℃以上であり、波長589nmにおける光学異方性(25℃)が0.11から0.17の範囲であり、そして回転粘度(25℃)が20mPa・sから60mPa・sの範囲である、請求項1から29のいずれか1項に記載の液晶組成物。
【請求項31】
請求項1から30のいずれか1項に記載の液晶組成物を含有する液晶表示素子。

【公開番号】特開2007−161995(P2007−161995A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−290069(P2006−290069)
【出願日】平成18年10月25日(2006.10.25)
【出願人】(000002071)チッソ株式会社 (658)
【出願人】(596032100)チッソ石油化学株式会社 (309)
【Fターム(参考)】