液晶表示装置及び自動車用映像機器
【課題】外光等が自動車に搭載された液晶表示装置の表示面に映り込まない様にする。
【解決手段】液晶表示装置に於ける表示面11の横断面形状を、その焦点位置がC1及びC2である楕円弧13に沿って凹形に湾曲されたものとする。位置R3で反射した外光等L3は、楕円焦点C2に居る観察者24の視界には入らない。しかも、外光等L4は、楕円焦点C1に居る観察者24によって遮られ、楕円焦点C2に居る観察者24の視界には入らない。
【解決手段】液晶表示装置に於ける表示面11の横断面形状を、その焦点位置がC1及びC2である楕円弧13に沿って凹形に湾曲されたものとする。位置R3で反射した外光等L3は、楕円焦点C2に居る観察者24の視界には入らない。しかも、外光等L4は、楕円焦点C1に居る観察者24によって遮られ、楕円焦点C2に居る観察者24の視界には入らない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば自動車等に搭載され、地図や案内等の情報又は映画等の娯楽映像の表示を行なう液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、小型、軽量及び薄型の特徴を有することから、自動車等のナビゲーションシステムの画像表示装置として用いられている。又、近年では、自動車等の車内でビデオテープやDVD等の媒体に記録された娯楽映像を表示する用途にも、液晶表示装置が用いられている。
【0003】
一般に、液晶表示装置は、一対の平板状のガラス基板間に、流動性のある液晶が封入されて、両ガラス基板の各外側面に偏光板が配置されて成る液晶パネルと、バックライトとが積層されて構成されている。少なくとも一方のガラス基板の内側(液晶側)面には透明電極が形成され、液晶に印加される電圧波形により液晶の複屈折性が調整され、液晶パネルの透過率が制御される。液晶表示装置の詳細については、例えば非特許文献1に記載されている。
【0004】
自動車等に搭載される液晶表示装置に於いては、車内に入る太陽光等の外光や車内の照明が表示面で反射して観察者の視界に入り画像が見難くなると言う「映り込み現象」が発生する。この映り込み現象を抑制するために、表示面の表面を粗面化する、或いは、表面に誘電体薄膜等の反射防止層が設けられる。
【0005】
しかしながら、液晶表示装置が自動車等の乗物に搭載される場合、季節、時刻、場所等の環境条件によっては、上記の表面の粗面化や反射防止層の配設では外光等の映り込み現象を充分に防止することは出来なかった。
【0006】
そこで、柔軟なプラスチック基板と自己支持性のある液晶とを用いて作製され、円弧に沿って凹形に湾曲した表示面を有する液晶表示装置が提案されている(特許文献1)。本液晶表示装置は、観察者を中心とする円弧に沿った表示面を備えており、これにより、表示面で反射する外光等は全て観察者の視界から外れることとなるため、外光等の映り込み現象を防止することが出来る。即ち、1名の観察者が液晶表示装置の正面に位置する場合には、特許文献1に記載の液晶表示装置は、高い映り込み現象防止効果を奏する。
【0007】
【特許文献1】特開平6−3650号公報
【非特許文献1】「カラーTFT液晶ディスプレイ」、SEMIスタンダードFPDテクノロジー部会編、共立出版株式会社
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
円弧に沿って凹形に湾曲した表示面を有する液晶表示装置を自動車内の左右方向の中央付近に設置して左右の座席から当該液晶表示装置を観察する場合、例えば液晶表示装置をダッシュボードやインスツルメントパネル(インパネ)の中央付近、或いはセンターコンソール部に配置して左右の前部座席から当該液晶表示装置を観察する場合、又は、前部座席間のセンターコンソール部やコンソールボックス部、或いは前部座席間の天井部に配置して左右の後部座席から当該液晶表示装置を観察する場合に於いては、外光等の表示面での反射光が観察者の視界に入り、表示画像が見難くなるという問題点があった。
【0009】
以下では、従来の湾曲した表示面を有する液晶表示装置と観察者との位置関係を示す図14及び図15を用いて、映り込み現象が発生しない場合と発生する場合とのメカニズムを説明する。
【0010】
従来の液晶表示装置は、所定の円弧12に沿って凹形に湾曲した表示面11を有している。図14では、外光等の反射の様子を説明するために、液晶表示装置の表示面11のみを示しているが、表示面11の後方には、液晶表示装置の構成要素、即ち、偏光板、基板、液晶層、バックライト等が積層されている。図14に示す様に、観察者21が円の中心Cの位置から液晶表示装置を観察する場合には、観察者の左右から表示面に入射する外光L1(図14は観察者の左から入射する場合を示す。)は、表示面11の位置R1に於いて表示面11への入射角θiと同じ角度の反射角θr(=θi)で反射するので、位置R1の垂線(図14中の破線)の方向に位置する観察者の視界には入らない。従って、外光等の映り込み現象を防止することが出来る。特許文献1に記載の液晶表示装置は、湾曲した表示面11の円弧12の曲率を調整する機構を有しており、観察者が液晶表示装置に対して前後方向3に移動しても、上記曲率12の調整によって外光等の映り込みを防止することが出来る。
【0011】
しかしながら、図15に示す様に、液晶表示装置を自動車内の左右の座席から観察する場合(図15は右座席から観察する場合を示す。)には、観察者22は円の中心Cから外れた位置から液晶表示装置を観察することになり、図14と同じ方向から入射する外光L1の反射光は観察者22の視界に入ってしまう。又、外光L1とは異なる方向から入射する外光についても、例えば外光L2の様に、外光L1の反射位置R1とは異なる位置R2で反射して、観察者22の視界に入ってしまう。
【0012】
この発明は、上記の様な問題点を解決するために成されたものであり、液晶表示装置を自動車内の左右の座席から観察する場合に、液晶表示装置の表示面での外光や車内照明等の映り込み現象を防止する、見易い液晶表示装置を提供することを、その目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の主題に係る液晶表示装置は、その横断面形状が所定の楕円弧に沿って凹形に湾曲された表示面を備えることを特徴とする。
【0014】
以下、この発明の主題の様々な具体化を、添付図面を基に、その効果・利点と共に、詳述する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の主題によれば、液晶表示装置は所定の楕円弧に沿って凹形に湾曲した表示面を備えているので、自動車等の乗物に於いて観察者が左右の座席から液晶表示装置を観察する場合に、表示面に入射した外光等を観察者の視界の外に反射させることが出来、映り込み現象を効果的に防止することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(実施の形態1)
図1は、その横断面形状が所定の楕円弧に沿った凹形状に湾曲した表示面を有する液晶表示装置と観察者との位置関係を模式的に示す横断面図である。以下、図1を用いて、本発明の液晶表示装置の映り込み現象防止のメカニズムを説明する。
【0017】
本発明の液晶表示装置は、所定の楕円弧13に沿って凹形に湾曲した表示面11を備えている。図1では、図14及び図15と同様に、液晶表示装置の表示面11のみを示しており、表示面11の後方の構成要素の記載を省略している。2名の観察者23、24が、表示面11が形成する楕円(楕円弧13)の2つの焦点C1、C2の位置から表示面11を観察する場合には、2名の観察者23、24の左右或いは観察者23、24の間から入射する外光の表示面11での反射光は、2名の観察者23、24の視界には入らない。図1は、外光L3が2名の観察者23、24の左から入射する場合を示すが、外光L3は表示面11の位置R3に於いて反射し、2名の観察者23、24の右側へ抜ける。同様に、2名の観察者23、24の右側から入射する場合の反射光は、2名の観察者23、24の左側へ抜ける。又、2名の観察者23、24の間から入射する場合の反射光は、2名の観察者23、24の間へ抜ける。従って、外光等の映り込み現象を防止することが出来る。
【0018】
外光等の表示面11での反射光が観察者23、24の一方の視界に入る場合、例えば図1に示す様に表示面11での反射光が焦点C2の位置の観察者24の視界に入る場合の外光とは、焦点C2とは別の焦点C1を通って表示面11に入射する外光L4のみである。しかしながら、焦点C1の位置にはもう1名の観察者23がいるので、観察者23によって外光L4は遮られ、表示面11に入射しない。外光L4とは異なる方向から焦点C1を通って表示面11に入射する場合も、同様に、当該外光は観察者23によって遮られる。又、観察者23が焦点C1の位置にいない場合であっても、自動車の両座席の頭部部分の位置が2つの焦点C1、C2の位置にある場合を考えるときには、焦点C1を通る外光は、座席のヘッドレスト部によって遮られるので、焦点C1を通る外光の表示面11への入射を確実に防止することが出来る。
【0019】
本発明は、一方の焦点から放出された光はもう一方の焦点に収束する楕円鏡の性質に着目して成されたものであり、所定の楕円弧13に沿って凹形に湾曲した表示面11を備えることによって、外光等の映り込み現象を効果的に抑制出来る液晶表示装置を提供する。
【0020】
一般的な大きさの自動車(普通乗用車、軽乗用車等)では、左右の座席の頭部部分の間の距離は50cmから100cmの範囲内である。従って、表示面11が形成する楕円の焦点距離(図1のD1)を、図1の液晶表示装置を搭載する自動車の座席間距離に合わせて、50cmから100cmの範囲内の所定の焦点距離に設定する。更に、表示面11が形成する楕円の短軸半径(図1のD2)を、図1の液晶表示装置を搭載する自動車の左右の座席の頭部部分を結ぶ線と当該液晶表示装置の設置位置との間の距離に設定する。即ち、前部座席とダッシュボードやインパネの中央付近或いはセンターコンソール部までの距離、及び、後部座席と前部座席間のコンソールボックス部や前部座席間の天井部までの距離は、50cmから100cmの範囲内であり、表示面11が形成する楕円の短軸半径D2を、この範囲内の所定の距離に設定する。この様な値に各々設定された焦点距離D1及び短軸半径D2を有する楕円の楕円弧13に沿った凹形状に、自動車内に搭載された液晶表示装置の表示面11を設定することによって、一般的な大きさの自動車に当該液晶表示装置を搭載する場合に、高い映り込み防止効果が得られる。
【0021】
続いて、所定の楕円弧に沿って湾曲した表示面を有する液晶表示装置の構成について、水平方向の横断面を示す図2を用いて説明する。本実施の形態に係る液晶表示装置30は、透明基板31、32と、両透明基板31、32に挟持された液晶33と、各透明基板31、32の外側の面にそれぞれ配置された偏光板34、35と、裏面側の偏光板35の後部に配置され且つ透明な材料から成る支持板36と、バックライト37とから構成される。2枚の透明基板31、32の内側(液晶側)面には、カラーフィルタ、配線、電極、配向膜層等(何れも図示せず。)が配置されている。透明基板31、32としては、柔軟性を有する薄いガラス基板或いはプラスチック基板が用いられる。表示面11は、表側の偏光板34の表面であり、この表面が所定の楕円弧に沿った形状に湾曲している。尚、液晶表示装置30を正面から見て上下方向の縦断面形状は湾曲していない。
【0022】
次に、本発明に係る液晶表示装置の製造方法について説明する。本実施の形態では、2枚の透明基板として平面のガラス基板を用い、液晶表示装置の製造工程に於いて、両ガラス基板を薄膜化した後、湾曲させることによって、所望の表示面を有する液晶表示装置を製造した。又、液晶表示装置の液晶表示モードとしては、捩れネマチック(TN:Twisted Nematic)モードを用いた。
【0023】
図3は、貼り合わせる前の2枚のガラス基板31、32を示す縦断面図である。本実施の形態では、一対のガラス基板31、32で、4つの液晶表示装置を製造する。ガラス基板31、32の厚さは、2枚とも0.5mmである。ガラス基板31上には、カラーフィルタ層及び透明電極(共に図示せず。)が、この順序で積層されている。透明電極上に、配向膜層41を形成し、所定の方向に配向処理が施される。配向膜としては、ポリイミド等の高分子材料が用いられる。配向処理は、配向膜41の表面をレーヨン布等で擦る(ラビングする)ことで行なわれる。配向処理の後、球状の樹脂製スペーサ材42を配向膜41の表面に散布する。スペーサ材42には、直径4.5μmの物を用いた。もう一方のガラス基板32上には、各種配線及び電極等(図示せず。)が形成され、画素がマトリクス状に配置されている。その上に、配向膜層41を形成し、所定の方向に配向処理が施される。配向膜層41の材料及び配向処理方法等は、ガラス基板31の場合と同じである。配向処理の後、マトリクス状に配置された画素から成る各表示領域を囲む様に、シール剤43が塗布される。更に、ガラス基板32の最外周の内側にも、ダミーシール剤44が塗布される。シール剤43及びダミーシール剤44には、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が用いられる。
【0024】
次に、2枚のガラス基板31、32を、それぞれの配向膜層41が対面する様に貼り合わせ、熱圧着してシール剤43及びダミーシール剤44を固める。ここで、図4は貼り合わせた状態の縦断面構造を示す図であり、図5はガラス基板31、32上のシール剤43及びダミーシール剤44の各形状を示す透視平面図である。各表示領域を囲む様に塗布されたシール剤43には、液晶注入のための開口部である注入口46が設けられている。
【0025】
次に、貼り合わされた2枚のガラス基板31、32を、弗化水素酸(HF)又はバッファード弗化水素酸(BHF:HF+NH4F)のエッチング溶液に浸漬することによりエッチングして、薄膜化する。エッチング溶液の濃度や浸漬時間を調整して、各ガラス基板31、32の厚さを0.2mm前後に薄くする。ガラス基板31、32の厚さは、0.1mmから0.3mmまでの範囲が望ましい。ガラス基板31、32がこの範囲よりも薄すぎると、ガラス基板31、32の薄膜化後の製造工程、例えば後述する液晶注入時や偏光板貼り付け時等の製造工程でガラス基板31、32が割れ易く成り、逆に上記範囲よりも厚すぎると、ガラス基板31、32が湾曲しにくいため、湾曲させる工程でガラス基板31、32が割れ易く成る。
【0026】
ガラス基板31、32を薄膜化した後、ガラススクライバ等を用いて、図5に示す切断位置45で、貼り合わされたガラス基板31、32等から成る構造体を切断し、液晶表示装置1台分の大きさに加工する。尚、外部の画像信号出力部と接続される配線端子が存在する辺では、接続端子が形成されたガラス基板32よりも内側でガラス基板31を切断する。
【0027】
次に、切断した後の貼り合わせ済みガラス基板31、32と液晶とを真空容器中に入れて真空容器内を真空にした後、図5の注入口46を液晶33に接触させる。その上で真空容器内を大気圧に戻すことにより、液晶33が注入口46から注入される。液晶33が注入された状態の縦断面構造を図6に示す。液晶33には、誘電率異方性が正のネマチック液晶が使用される。図6に示す通り、液晶33の注入後に、図5の注入口46を封止剤47で塞ぐ。封止剤47には、紫外線硬化型の接着剤が用いられる。
【0028】
次に、ガラス基板31、32の外側面にそれぞれ偏光板34、35を貼り付ける。偏光板34、35には、ヨウ素で染色されたPVA(ポリビニルアルコール)を延伸し、2枚のTAC(セルローストリアセテート)フィルムに挟んだ物が用いられる。偏光板34、35の貼り付けには、フィルム状の粘着剤が用いられる。偏光板34、35が貼り付けられた状態の縦断面構造を、図7に示す。偏光板34、35の貼り付け後、ガラス基板32上の配線端子と外部の画像信号出力端子(共に図示せず。)とを接続する。以上の様にして、液晶表示装置の内の液晶パネル部分を製造した。
【0029】
続いて、図8に示す様に、ローラー48で液晶パネルを支持板36に押さえ付けながら、シート状の粘着フィルムを用いて当該液晶パネルと支持板36とを貼り付けた。支持板36には、アクリル、ポリカーボネート等の透明樹脂を整形した物を用いる。表示面を楕円弧に沿って凹形に湾曲させる場合、表示面の曲率(曲がり具合)は場所によって一定ではなく、液晶表示装置の中央付近よりも左右周辺部の方が、曲率が大きい。本実施の形態では、図8に示す様に、楕円弧に沿って凹形に湾曲した支持板36に当該液晶パネルを貼り付けることによって、液晶表示装置の表示面11(図1及び図2)を所望の楕円弧に沿った凹形状に固定することが出来る。特に、上記構成により、表示面11を楕円弧に沿った凹形に湾曲させたまま、その横断面形状を長期間安定して維持することが出来る。尚、本実施の形態では、液晶表示装置の表示面11は、焦点距離が80cm、短軸半径が60cmの楕円弧に沿った形状とした。
【0030】
次に、支持板36によって作り出される所定の楕円弧に沿って湾曲した表示面11を有する液晶パネル及び支持板36をバックライト37上に積層して、図2に示す液晶表示装置を作製した。バックライト37は、通常の液晶表示装置のバックライトの積層構成であり、反射シート、導光板、拡散シート、ランプ等(何れも図示せず。)から構成されている。
【0031】
以上の様にして作製された液晶表示装置を、左右の後部座席の頭部部分の間の距離が80cmである普通乗用車の前部座席間の天井部に設置して、そこから60cm後方の左右の後部座席から観察したところ、外光等の映り込み現象が発生せず、見易い画像表示を実現することが出来た。
【0032】
尚、本実施の形態に於いては、楕円弧に沿って凹形に湾曲した支持板36に液晶パネルを貼り付けたが、貼り付ける順序が異なっていても良い。即ち、図2に示す液晶表示装置30の構成に於いて、支持板36に裏側の偏光板35を貼り付け、次に液晶注入済みの一対のガラス基板31〜33(図6の状態)を貼り付け、最後に表側の偏光板34を貼り付けることとしても良い。
【0033】
又、本実施の形態に於いては、楕円弧に沿って凹形に湾曲した透明な支持板36を液晶パネルの裏側に配置しているが、支持板36を液晶パネルの表側に配置しても良い。表側に支持板36を配置する場合には、表側の偏光板34と支持板36とを粘着フィルム等で貼り合わせる。この場合には、透明な支持板36の表面が液晶表示装置30の表示面11と成り、液晶パネルの裏面がバックライト37の上に搭載されることとなる。
【0034】
(実施の形態2)
実施の形態1では、所定の楕円弧に沿って凹形に湾曲した支持板に液晶パネルを貼り付けているが、本実施の形態では、粘着フィルムや接着剤等を用いること無く、所定の楕円弧に沿って凹形に湾曲した表示面を有する液晶表示装置を実現した。以下、図面を用いて、本実施の形態に係る液晶表示装置の構成を記載する。
【0035】
図9は、本実施の形態に係る液晶表示装置の構成を示す横断面図である。又、図10は、図9の液晶表示装置をその表示面11側から見た際の平面図である。図9に明示する通り、本実施の形態では、実施の形態1とは異なり、表示面11側に、それぞれ所定の楕円弧に沿って凹状に湾曲した表面及び裏面を備える上側部分38UPを有する固定枠38が配置されている。そして、固定枠38の上側部分38UPの表示面11の直上に該当する部分は開口されており、固定枠38の上下左右4辺と、液晶パネル裏側の、楕円弧に沿って凹形に湾曲した支持板36とで液晶パネルを挟み込む構造によって(支持板36の非湾曲状の突出部分36Pは、固定枠38の下側部分38LPの直上に嵌め込まれている。)、表示面11を含む液晶パネルの横断面形状は、楕円弧に沿って凹状に湾曲した形状に、長期間安定的に維持・固定される。しかも、本実施の形態では、液晶パネルの裏面側の偏光板35と支持板36との間、及び、液晶パネルの表面側の偏光板34と固定枠38の上側部分38UPとの間には、粘着フィルムや接着剤等は用いられない。
【0036】
又、実施の形態1では、液晶パネルの支持板36への貼り合せ時に於いて製造不良が合った場合、ガラス基板31、32が薄いために、液晶パネルの支持板36への貼り直しは困難である。しかし、本実施の形態では、共に楕円弧に沿って凹状に湾曲した形状を有する固定枠38の上側部分38UPと支持板36とで液晶パネルを挟み込む構成としているので、当該貼り合せ工程そのものが不要である。
【0037】
実施の形態1及び2に於いては、表側の偏光板34には、従来の液晶表示装置と同様に、その表面に反射防止層を設けた物を用いた。外光等が表示面11の楕円弧13の焦点に位置する観察者に当たり反射する場合、例えば観察者が装着した眼鏡等で外光等が反射する場合、その反射光が表示面11で再度反射して他の焦点に位置するもう1名の観察者の視界に入る。そこで、その表面が表示面11を成す偏光板34に反射防止層を設ける、或いは、粗面化処理を行なうことにより、こうした弱い映り込み現象を防止することが出来る。
【0038】
(実施の形態3)
実施の形態2では、表示面部分に開口部を設けた固定枠38を用いているが、本実施の形態では、その様な構造に代えて、表示領域が透明樹脂で構成された固定枠を用いている。
【0039】
図11は、本実施の形態に係る液晶表示装置30の横断面形状を示す横断面図である。以下、図11を参照して、本実施の形態に係る液晶表示装置30の構成上の特徴点を説明する。
【0040】
図11に示す様に、固定枠38内の表示領域が、楕円弧に沿って凹状に湾曲した透明窓39で構成されており、且つ、固定枠38の内側空間に位置する液晶パネルの偏光板34の楕円弧に沿って凹状に湾曲した表面の全面に、固定枠38の上側部分38UPの裏面一部全体と透明窓39の裏面全体とが、段差を発生させることなく、当接している。その結果、本液晶表示装置30の表示面11は、透明窓39の表面に該当する。表側の固定枠38の上側部分38UP及び透明窓39と裏側の支持板36とで、液晶パネルの表面及び裏面のほぼ全面を挟み込むことによって、液晶パネルの横断面形状を、実施の形態2の場合よりも強く、楕円弧に沿って凹状に湾曲した形状に固定することが出来る。従って、振動等による表示面11の横断面形状の変化を抑制することが出来、より信頼性の高い液晶表示装置30を提供することが出来る。
【0041】
本実施の形態に於いても、表示面11である透明窓39の表面上に、反射防止層を設けた。外光等が、表示面11が成す楕円弧の楕円の一方の焦点に居る観察者に当たり反射する場合に、その反射光が表示面11で再度反射して他方の焦点に居るもう1名の観察者の視界に入る様な、弱い映り込み現象を防止するためである。
【0042】
又、本実施の形態でも、実施の形態2と同様に、液晶パネルの裏側の偏光板35と支持板36との間、並びに、液晶パネルの表側の偏光板34と固定枠38の上側部分38UP及び透明窓39との間には、粘着フィルムや接着剤等は用いられない。とは言え、液晶パネルと固定枠38又は支持板36との位置ずれの発生を防ぐために、固定枠38又は支持板36に、液晶パネルと同等サイズ相当の掘り込み構造を設けることが望ましい。例えば、図10に示す、表示面11の実線と偏光板34の破線とで囲まれた固定枠38の上側部分38UPの領域内に、上記掘り込み構造を設ける(この場合、掘り込み分だけ、透明窓39の厚みが薄くなる。)。
【0043】
(実施の形態4)
本実施の形態に係る自動車用映像機器について、外観の斜視図12を用いて説明する。本実施の形態の自動車用映像機器50は、実施の形態1に記載した所定の楕円弧に沿って凹形に湾曲した表示面11を有する液晶表示装置30(上記楕円弧を成す楕円の両焦点C1、C2(図1)は、当該自動車用映像機器50が搭載される自動車内の左右の座席(前方又は後方の一方の座席)の頭部部分に位置する。)と、DVD再生制御部51と、液晶表示装置30とDVD再生制御部51とを接続する接続アーム52とから構成されている。しかも、接続アーム52は、液晶表示装置30の表示面11の傾斜角度53を調整できる様に、可動式に構成されている。DVD再生制御部51には、DVD映像の動作を制御する制御ボタン54及びDVDディスクを挿入するDVD出入口55等が、配置されている。
【0044】
本実施の形態の自動車用映像機器50を、自動車内の前部座席間の天井部に、図12の配置とでは天地を逆にして取り付け、液晶表示装置30の傾斜角度53を調整して、当該自動車内の左右の後部座席から液晶表示装置30の表示面11に映し出されるDVD映像を観察したところ、季節、時刻及び場所等の環境条件によらず、映り込み現象の無い見易い画像を得ることが出来た。即ち、自動車周囲の環境によらず、外光等の表示面への映り込み現象を有効に防止することが出来る。
【0045】
本発明の適用対象となる自動車用映像機器は、本実施の形態に係るDVD再生装置のみに限られない。地図や案内等の情報を表示するナビゲーションシステム、音楽情報等を表示するカーオーディオ、テレビ放送等を表示する自動車用テレビ等、車内に於いて左右の座席から観察する映像機器に本発明を適用することにより、映り込み現象の無い見易い表示画像を提供することが出来る。
【0046】
以上の実施の形態1〜3は、液晶表示装置30を自動車内の左右の座席の中央前方に配置する場合の液晶表示装置30に関するものであったが、左右何れか一方の前方に液晶表示装置30を配置する場合にも、同様に、液晶表示装置30の表示面11を所定の楕円弧13に沿って凹形に湾曲させれば良い。ここで、図13は、液晶表示装置を左側の座席の前方に配置する場合の、液晶表示装置の表示面11の横断面形状及び表示面11と観察者23、24との位置関係を示す図である。図1に示した様に表示面11の湾曲形状が左右対称でなくとも、表示面11の湾曲形状が図13に示す様な楕円弧13に沿った形状であれば、同様に映り込み現象を抑制することが出来る。
【0047】
(付記)
以上、本発明の実施の形態を詳細に開示し記述したが、以上の記述は本発明の適用可能な局面を例示したものであって、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、記述した局面に対する様々な修正や変形例を、この発明の範囲から逸脱することの無い範囲内で考えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の液晶表示装置に於ける映り込み現象防止のメカニズムを示す横断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置の構成を示す横断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置の製造工程を示す縦断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置の製造工程を示す縦断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置の製造工程を示す平面図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置の製造工程を示す縦断面図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置の製造工程を示す縦断面図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置の製造工程を示す縦断面図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る液晶表示装置の構成を示す横断面図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る液晶表示装置の構成を示す平面図である。
【図11】本発明の実施の形態3に係る液晶表示装置の構成を示す横断面図である。
【図12】本発明の実施の形態4に係る自動車用映像機器の構成を示す斜視図である。
【図13】本発明の変形例に係る液晶表示装置に於ける表示面の形状を示す横断面図である。
【図14】従来の液晶表示装置に於ける映り込み現象防止のメカニズムを示す横断面図である。
【図15】従来の液晶表示装置に於ける映り込み現象発生のメカニズムを示す横断面図である。
【符号の説明】
【0049】
11 表示面、12 円弧、13 楕円弧、21〜24 観察者、30 液晶表示装置、31 表側透明基板、32 裏側透明基板、33 液晶、34 表側偏光板、35 裏側偏光板、36 支持板、37 バックライト、38 固定枠、39 透明窓、41 配向膜層、42 スペーサ、43 シール剤、44 ダミーシール剤、45 切断位置、46 注入口、47 封止剤、48 ローラー、50 自動車用映像機器、51 DVD再生制御部、52 接続アーム、53 傾斜角度、54 制御ボタン、55 DVD出入口、C 円弧の中心、C1,C2 楕円焦点、L1〜L4 外光等、R1〜R3 反射位置。
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば自動車等に搭載され、地図や案内等の情報又は映画等の娯楽映像の表示を行なう液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、小型、軽量及び薄型の特徴を有することから、自動車等のナビゲーションシステムの画像表示装置として用いられている。又、近年では、自動車等の車内でビデオテープやDVD等の媒体に記録された娯楽映像を表示する用途にも、液晶表示装置が用いられている。
【0003】
一般に、液晶表示装置は、一対の平板状のガラス基板間に、流動性のある液晶が封入されて、両ガラス基板の各外側面に偏光板が配置されて成る液晶パネルと、バックライトとが積層されて構成されている。少なくとも一方のガラス基板の内側(液晶側)面には透明電極が形成され、液晶に印加される電圧波形により液晶の複屈折性が調整され、液晶パネルの透過率が制御される。液晶表示装置の詳細については、例えば非特許文献1に記載されている。
【0004】
自動車等に搭載される液晶表示装置に於いては、車内に入る太陽光等の外光や車内の照明が表示面で反射して観察者の視界に入り画像が見難くなると言う「映り込み現象」が発生する。この映り込み現象を抑制するために、表示面の表面を粗面化する、或いは、表面に誘電体薄膜等の反射防止層が設けられる。
【0005】
しかしながら、液晶表示装置が自動車等の乗物に搭載される場合、季節、時刻、場所等の環境条件によっては、上記の表面の粗面化や反射防止層の配設では外光等の映り込み現象を充分に防止することは出来なかった。
【0006】
そこで、柔軟なプラスチック基板と自己支持性のある液晶とを用いて作製され、円弧に沿って凹形に湾曲した表示面を有する液晶表示装置が提案されている(特許文献1)。本液晶表示装置は、観察者を中心とする円弧に沿った表示面を備えており、これにより、表示面で反射する外光等は全て観察者の視界から外れることとなるため、外光等の映り込み現象を防止することが出来る。即ち、1名の観察者が液晶表示装置の正面に位置する場合には、特許文献1に記載の液晶表示装置は、高い映り込み現象防止効果を奏する。
【0007】
【特許文献1】特開平6−3650号公報
【非特許文献1】「カラーTFT液晶ディスプレイ」、SEMIスタンダードFPDテクノロジー部会編、共立出版株式会社
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
円弧に沿って凹形に湾曲した表示面を有する液晶表示装置を自動車内の左右方向の中央付近に設置して左右の座席から当該液晶表示装置を観察する場合、例えば液晶表示装置をダッシュボードやインスツルメントパネル(インパネ)の中央付近、或いはセンターコンソール部に配置して左右の前部座席から当該液晶表示装置を観察する場合、又は、前部座席間のセンターコンソール部やコンソールボックス部、或いは前部座席間の天井部に配置して左右の後部座席から当該液晶表示装置を観察する場合に於いては、外光等の表示面での反射光が観察者の視界に入り、表示画像が見難くなるという問題点があった。
【0009】
以下では、従来の湾曲した表示面を有する液晶表示装置と観察者との位置関係を示す図14及び図15を用いて、映り込み現象が発生しない場合と発生する場合とのメカニズムを説明する。
【0010】
従来の液晶表示装置は、所定の円弧12に沿って凹形に湾曲した表示面11を有している。図14では、外光等の反射の様子を説明するために、液晶表示装置の表示面11のみを示しているが、表示面11の後方には、液晶表示装置の構成要素、即ち、偏光板、基板、液晶層、バックライト等が積層されている。図14に示す様に、観察者21が円の中心Cの位置から液晶表示装置を観察する場合には、観察者の左右から表示面に入射する外光L1(図14は観察者の左から入射する場合を示す。)は、表示面11の位置R1に於いて表示面11への入射角θiと同じ角度の反射角θr(=θi)で反射するので、位置R1の垂線(図14中の破線)の方向に位置する観察者の視界には入らない。従って、外光等の映り込み現象を防止することが出来る。特許文献1に記載の液晶表示装置は、湾曲した表示面11の円弧12の曲率を調整する機構を有しており、観察者が液晶表示装置に対して前後方向3に移動しても、上記曲率12の調整によって外光等の映り込みを防止することが出来る。
【0011】
しかしながら、図15に示す様に、液晶表示装置を自動車内の左右の座席から観察する場合(図15は右座席から観察する場合を示す。)には、観察者22は円の中心Cから外れた位置から液晶表示装置を観察することになり、図14と同じ方向から入射する外光L1の反射光は観察者22の視界に入ってしまう。又、外光L1とは異なる方向から入射する外光についても、例えば外光L2の様に、外光L1の反射位置R1とは異なる位置R2で反射して、観察者22の視界に入ってしまう。
【0012】
この発明は、上記の様な問題点を解決するために成されたものであり、液晶表示装置を自動車内の左右の座席から観察する場合に、液晶表示装置の表示面での外光や車内照明等の映り込み現象を防止する、見易い液晶表示装置を提供することを、その目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の主題に係る液晶表示装置は、その横断面形状が所定の楕円弧に沿って凹形に湾曲された表示面を備えることを特徴とする。
【0014】
以下、この発明の主題の様々な具体化を、添付図面を基に、その効果・利点と共に、詳述する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の主題によれば、液晶表示装置は所定の楕円弧に沿って凹形に湾曲した表示面を備えているので、自動車等の乗物に於いて観察者が左右の座席から液晶表示装置を観察する場合に、表示面に入射した外光等を観察者の視界の外に反射させることが出来、映り込み現象を効果的に防止することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(実施の形態1)
図1は、その横断面形状が所定の楕円弧に沿った凹形状に湾曲した表示面を有する液晶表示装置と観察者との位置関係を模式的に示す横断面図である。以下、図1を用いて、本発明の液晶表示装置の映り込み現象防止のメカニズムを説明する。
【0017】
本発明の液晶表示装置は、所定の楕円弧13に沿って凹形に湾曲した表示面11を備えている。図1では、図14及び図15と同様に、液晶表示装置の表示面11のみを示しており、表示面11の後方の構成要素の記載を省略している。2名の観察者23、24が、表示面11が形成する楕円(楕円弧13)の2つの焦点C1、C2の位置から表示面11を観察する場合には、2名の観察者23、24の左右或いは観察者23、24の間から入射する外光の表示面11での反射光は、2名の観察者23、24の視界には入らない。図1は、外光L3が2名の観察者23、24の左から入射する場合を示すが、外光L3は表示面11の位置R3に於いて反射し、2名の観察者23、24の右側へ抜ける。同様に、2名の観察者23、24の右側から入射する場合の反射光は、2名の観察者23、24の左側へ抜ける。又、2名の観察者23、24の間から入射する場合の反射光は、2名の観察者23、24の間へ抜ける。従って、外光等の映り込み現象を防止することが出来る。
【0018】
外光等の表示面11での反射光が観察者23、24の一方の視界に入る場合、例えば図1に示す様に表示面11での反射光が焦点C2の位置の観察者24の視界に入る場合の外光とは、焦点C2とは別の焦点C1を通って表示面11に入射する外光L4のみである。しかしながら、焦点C1の位置にはもう1名の観察者23がいるので、観察者23によって外光L4は遮られ、表示面11に入射しない。外光L4とは異なる方向から焦点C1を通って表示面11に入射する場合も、同様に、当該外光は観察者23によって遮られる。又、観察者23が焦点C1の位置にいない場合であっても、自動車の両座席の頭部部分の位置が2つの焦点C1、C2の位置にある場合を考えるときには、焦点C1を通る外光は、座席のヘッドレスト部によって遮られるので、焦点C1を通る外光の表示面11への入射を確実に防止することが出来る。
【0019】
本発明は、一方の焦点から放出された光はもう一方の焦点に収束する楕円鏡の性質に着目して成されたものであり、所定の楕円弧13に沿って凹形に湾曲した表示面11を備えることによって、外光等の映り込み現象を効果的に抑制出来る液晶表示装置を提供する。
【0020】
一般的な大きさの自動車(普通乗用車、軽乗用車等)では、左右の座席の頭部部分の間の距離は50cmから100cmの範囲内である。従って、表示面11が形成する楕円の焦点距離(図1のD1)を、図1の液晶表示装置を搭載する自動車の座席間距離に合わせて、50cmから100cmの範囲内の所定の焦点距離に設定する。更に、表示面11が形成する楕円の短軸半径(図1のD2)を、図1の液晶表示装置を搭載する自動車の左右の座席の頭部部分を結ぶ線と当該液晶表示装置の設置位置との間の距離に設定する。即ち、前部座席とダッシュボードやインパネの中央付近或いはセンターコンソール部までの距離、及び、後部座席と前部座席間のコンソールボックス部や前部座席間の天井部までの距離は、50cmから100cmの範囲内であり、表示面11が形成する楕円の短軸半径D2を、この範囲内の所定の距離に設定する。この様な値に各々設定された焦点距離D1及び短軸半径D2を有する楕円の楕円弧13に沿った凹形状に、自動車内に搭載された液晶表示装置の表示面11を設定することによって、一般的な大きさの自動車に当該液晶表示装置を搭載する場合に、高い映り込み防止効果が得られる。
【0021】
続いて、所定の楕円弧に沿って湾曲した表示面を有する液晶表示装置の構成について、水平方向の横断面を示す図2を用いて説明する。本実施の形態に係る液晶表示装置30は、透明基板31、32と、両透明基板31、32に挟持された液晶33と、各透明基板31、32の外側の面にそれぞれ配置された偏光板34、35と、裏面側の偏光板35の後部に配置され且つ透明な材料から成る支持板36と、バックライト37とから構成される。2枚の透明基板31、32の内側(液晶側)面には、カラーフィルタ、配線、電極、配向膜層等(何れも図示せず。)が配置されている。透明基板31、32としては、柔軟性を有する薄いガラス基板或いはプラスチック基板が用いられる。表示面11は、表側の偏光板34の表面であり、この表面が所定の楕円弧に沿った形状に湾曲している。尚、液晶表示装置30を正面から見て上下方向の縦断面形状は湾曲していない。
【0022】
次に、本発明に係る液晶表示装置の製造方法について説明する。本実施の形態では、2枚の透明基板として平面のガラス基板を用い、液晶表示装置の製造工程に於いて、両ガラス基板を薄膜化した後、湾曲させることによって、所望の表示面を有する液晶表示装置を製造した。又、液晶表示装置の液晶表示モードとしては、捩れネマチック(TN:Twisted Nematic)モードを用いた。
【0023】
図3は、貼り合わせる前の2枚のガラス基板31、32を示す縦断面図である。本実施の形態では、一対のガラス基板31、32で、4つの液晶表示装置を製造する。ガラス基板31、32の厚さは、2枚とも0.5mmである。ガラス基板31上には、カラーフィルタ層及び透明電極(共に図示せず。)が、この順序で積層されている。透明電極上に、配向膜層41を形成し、所定の方向に配向処理が施される。配向膜としては、ポリイミド等の高分子材料が用いられる。配向処理は、配向膜41の表面をレーヨン布等で擦る(ラビングする)ことで行なわれる。配向処理の後、球状の樹脂製スペーサ材42を配向膜41の表面に散布する。スペーサ材42には、直径4.5μmの物を用いた。もう一方のガラス基板32上には、各種配線及び電極等(図示せず。)が形成され、画素がマトリクス状に配置されている。その上に、配向膜層41を形成し、所定の方向に配向処理が施される。配向膜層41の材料及び配向処理方法等は、ガラス基板31の場合と同じである。配向処理の後、マトリクス状に配置された画素から成る各表示領域を囲む様に、シール剤43が塗布される。更に、ガラス基板32の最外周の内側にも、ダミーシール剤44が塗布される。シール剤43及びダミーシール剤44には、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が用いられる。
【0024】
次に、2枚のガラス基板31、32を、それぞれの配向膜層41が対面する様に貼り合わせ、熱圧着してシール剤43及びダミーシール剤44を固める。ここで、図4は貼り合わせた状態の縦断面構造を示す図であり、図5はガラス基板31、32上のシール剤43及びダミーシール剤44の各形状を示す透視平面図である。各表示領域を囲む様に塗布されたシール剤43には、液晶注入のための開口部である注入口46が設けられている。
【0025】
次に、貼り合わされた2枚のガラス基板31、32を、弗化水素酸(HF)又はバッファード弗化水素酸(BHF:HF+NH4F)のエッチング溶液に浸漬することによりエッチングして、薄膜化する。エッチング溶液の濃度や浸漬時間を調整して、各ガラス基板31、32の厚さを0.2mm前後に薄くする。ガラス基板31、32の厚さは、0.1mmから0.3mmまでの範囲が望ましい。ガラス基板31、32がこの範囲よりも薄すぎると、ガラス基板31、32の薄膜化後の製造工程、例えば後述する液晶注入時や偏光板貼り付け時等の製造工程でガラス基板31、32が割れ易く成り、逆に上記範囲よりも厚すぎると、ガラス基板31、32が湾曲しにくいため、湾曲させる工程でガラス基板31、32が割れ易く成る。
【0026】
ガラス基板31、32を薄膜化した後、ガラススクライバ等を用いて、図5に示す切断位置45で、貼り合わされたガラス基板31、32等から成る構造体を切断し、液晶表示装置1台分の大きさに加工する。尚、外部の画像信号出力部と接続される配線端子が存在する辺では、接続端子が形成されたガラス基板32よりも内側でガラス基板31を切断する。
【0027】
次に、切断した後の貼り合わせ済みガラス基板31、32と液晶とを真空容器中に入れて真空容器内を真空にした後、図5の注入口46を液晶33に接触させる。その上で真空容器内を大気圧に戻すことにより、液晶33が注入口46から注入される。液晶33が注入された状態の縦断面構造を図6に示す。液晶33には、誘電率異方性が正のネマチック液晶が使用される。図6に示す通り、液晶33の注入後に、図5の注入口46を封止剤47で塞ぐ。封止剤47には、紫外線硬化型の接着剤が用いられる。
【0028】
次に、ガラス基板31、32の外側面にそれぞれ偏光板34、35を貼り付ける。偏光板34、35には、ヨウ素で染色されたPVA(ポリビニルアルコール)を延伸し、2枚のTAC(セルローストリアセテート)フィルムに挟んだ物が用いられる。偏光板34、35の貼り付けには、フィルム状の粘着剤が用いられる。偏光板34、35が貼り付けられた状態の縦断面構造を、図7に示す。偏光板34、35の貼り付け後、ガラス基板32上の配線端子と外部の画像信号出力端子(共に図示せず。)とを接続する。以上の様にして、液晶表示装置の内の液晶パネル部分を製造した。
【0029】
続いて、図8に示す様に、ローラー48で液晶パネルを支持板36に押さえ付けながら、シート状の粘着フィルムを用いて当該液晶パネルと支持板36とを貼り付けた。支持板36には、アクリル、ポリカーボネート等の透明樹脂を整形した物を用いる。表示面を楕円弧に沿って凹形に湾曲させる場合、表示面の曲率(曲がり具合)は場所によって一定ではなく、液晶表示装置の中央付近よりも左右周辺部の方が、曲率が大きい。本実施の形態では、図8に示す様に、楕円弧に沿って凹形に湾曲した支持板36に当該液晶パネルを貼り付けることによって、液晶表示装置の表示面11(図1及び図2)を所望の楕円弧に沿った凹形状に固定することが出来る。特に、上記構成により、表示面11を楕円弧に沿った凹形に湾曲させたまま、その横断面形状を長期間安定して維持することが出来る。尚、本実施の形態では、液晶表示装置の表示面11は、焦点距離が80cm、短軸半径が60cmの楕円弧に沿った形状とした。
【0030】
次に、支持板36によって作り出される所定の楕円弧に沿って湾曲した表示面11を有する液晶パネル及び支持板36をバックライト37上に積層して、図2に示す液晶表示装置を作製した。バックライト37は、通常の液晶表示装置のバックライトの積層構成であり、反射シート、導光板、拡散シート、ランプ等(何れも図示せず。)から構成されている。
【0031】
以上の様にして作製された液晶表示装置を、左右の後部座席の頭部部分の間の距離が80cmである普通乗用車の前部座席間の天井部に設置して、そこから60cm後方の左右の後部座席から観察したところ、外光等の映り込み現象が発生せず、見易い画像表示を実現することが出来た。
【0032】
尚、本実施の形態に於いては、楕円弧に沿って凹形に湾曲した支持板36に液晶パネルを貼り付けたが、貼り付ける順序が異なっていても良い。即ち、図2に示す液晶表示装置30の構成に於いて、支持板36に裏側の偏光板35を貼り付け、次に液晶注入済みの一対のガラス基板31〜33(図6の状態)を貼り付け、最後に表側の偏光板34を貼り付けることとしても良い。
【0033】
又、本実施の形態に於いては、楕円弧に沿って凹形に湾曲した透明な支持板36を液晶パネルの裏側に配置しているが、支持板36を液晶パネルの表側に配置しても良い。表側に支持板36を配置する場合には、表側の偏光板34と支持板36とを粘着フィルム等で貼り合わせる。この場合には、透明な支持板36の表面が液晶表示装置30の表示面11と成り、液晶パネルの裏面がバックライト37の上に搭載されることとなる。
【0034】
(実施の形態2)
実施の形態1では、所定の楕円弧に沿って凹形に湾曲した支持板に液晶パネルを貼り付けているが、本実施の形態では、粘着フィルムや接着剤等を用いること無く、所定の楕円弧に沿って凹形に湾曲した表示面を有する液晶表示装置を実現した。以下、図面を用いて、本実施の形態に係る液晶表示装置の構成を記載する。
【0035】
図9は、本実施の形態に係る液晶表示装置の構成を示す横断面図である。又、図10は、図9の液晶表示装置をその表示面11側から見た際の平面図である。図9に明示する通り、本実施の形態では、実施の形態1とは異なり、表示面11側に、それぞれ所定の楕円弧に沿って凹状に湾曲した表面及び裏面を備える上側部分38UPを有する固定枠38が配置されている。そして、固定枠38の上側部分38UPの表示面11の直上に該当する部分は開口されており、固定枠38の上下左右4辺と、液晶パネル裏側の、楕円弧に沿って凹形に湾曲した支持板36とで液晶パネルを挟み込む構造によって(支持板36の非湾曲状の突出部分36Pは、固定枠38の下側部分38LPの直上に嵌め込まれている。)、表示面11を含む液晶パネルの横断面形状は、楕円弧に沿って凹状に湾曲した形状に、長期間安定的に維持・固定される。しかも、本実施の形態では、液晶パネルの裏面側の偏光板35と支持板36との間、及び、液晶パネルの表面側の偏光板34と固定枠38の上側部分38UPとの間には、粘着フィルムや接着剤等は用いられない。
【0036】
又、実施の形態1では、液晶パネルの支持板36への貼り合せ時に於いて製造不良が合った場合、ガラス基板31、32が薄いために、液晶パネルの支持板36への貼り直しは困難である。しかし、本実施の形態では、共に楕円弧に沿って凹状に湾曲した形状を有する固定枠38の上側部分38UPと支持板36とで液晶パネルを挟み込む構成としているので、当該貼り合せ工程そのものが不要である。
【0037】
実施の形態1及び2に於いては、表側の偏光板34には、従来の液晶表示装置と同様に、その表面に反射防止層を設けた物を用いた。外光等が表示面11の楕円弧13の焦点に位置する観察者に当たり反射する場合、例えば観察者が装着した眼鏡等で外光等が反射する場合、その反射光が表示面11で再度反射して他の焦点に位置するもう1名の観察者の視界に入る。そこで、その表面が表示面11を成す偏光板34に反射防止層を設ける、或いは、粗面化処理を行なうことにより、こうした弱い映り込み現象を防止することが出来る。
【0038】
(実施の形態3)
実施の形態2では、表示面部分に開口部を設けた固定枠38を用いているが、本実施の形態では、その様な構造に代えて、表示領域が透明樹脂で構成された固定枠を用いている。
【0039】
図11は、本実施の形態に係る液晶表示装置30の横断面形状を示す横断面図である。以下、図11を参照して、本実施の形態に係る液晶表示装置30の構成上の特徴点を説明する。
【0040】
図11に示す様に、固定枠38内の表示領域が、楕円弧に沿って凹状に湾曲した透明窓39で構成されており、且つ、固定枠38の内側空間に位置する液晶パネルの偏光板34の楕円弧に沿って凹状に湾曲した表面の全面に、固定枠38の上側部分38UPの裏面一部全体と透明窓39の裏面全体とが、段差を発生させることなく、当接している。その結果、本液晶表示装置30の表示面11は、透明窓39の表面に該当する。表側の固定枠38の上側部分38UP及び透明窓39と裏側の支持板36とで、液晶パネルの表面及び裏面のほぼ全面を挟み込むことによって、液晶パネルの横断面形状を、実施の形態2の場合よりも強く、楕円弧に沿って凹状に湾曲した形状に固定することが出来る。従って、振動等による表示面11の横断面形状の変化を抑制することが出来、より信頼性の高い液晶表示装置30を提供することが出来る。
【0041】
本実施の形態に於いても、表示面11である透明窓39の表面上に、反射防止層を設けた。外光等が、表示面11が成す楕円弧の楕円の一方の焦点に居る観察者に当たり反射する場合に、その反射光が表示面11で再度反射して他方の焦点に居るもう1名の観察者の視界に入る様な、弱い映り込み現象を防止するためである。
【0042】
又、本実施の形態でも、実施の形態2と同様に、液晶パネルの裏側の偏光板35と支持板36との間、並びに、液晶パネルの表側の偏光板34と固定枠38の上側部分38UP及び透明窓39との間には、粘着フィルムや接着剤等は用いられない。とは言え、液晶パネルと固定枠38又は支持板36との位置ずれの発生を防ぐために、固定枠38又は支持板36に、液晶パネルと同等サイズ相当の掘り込み構造を設けることが望ましい。例えば、図10に示す、表示面11の実線と偏光板34の破線とで囲まれた固定枠38の上側部分38UPの領域内に、上記掘り込み構造を設ける(この場合、掘り込み分だけ、透明窓39の厚みが薄くなる。)。
【0043】
(実施の形態4)
本実施の形態に係る自動車用映像機器について、外観の斜視図12を用いて説明する。本実施の形態の自動車用映像機器50は、実施の形態1に記載した所定の楕円弧に沿って凹形に湾曲した表示面11を有する液晶表示装置30(上記楕円弧を成す楕円の両焦点C1、C2(図1)は、当該自動車用映像機器50が搭載される自動車内の左右の座席(前方又は後方の一方の座席)の頭部部分に位置する。)と、DVD再生制御部51と、液晶表示装置30とDVD再生制御部51とを接続する接続アーム52とから構成されている。しかも、接続アーム52は、液晶表示装置30の表示面11の傾斜角度53を調整できる様に、可動式に構成されている。DVD再生制御部51には、DVD映像の動作を制御する制御ボタン54及びDVDディスクを挿入するDVD出入口55等が、配置されている。
【0044】
本実施の形態の自動車用映像機器50を、自動車内の前部座席間の天井部に、図12の配置とでは天地を逆にして取り付け、液晶表示装置30の傾斜角度53を調整して、当該自動車内の左右の後部座席から液晶表示装置30の表示面11に映し出されるDVD映像を観察したところ、季節、時刻及び場所等の環境条件によらず、映り込み現象の無い見易い画像を得ることが出来た。即ち、自動車周囲の環境によらず、外光等の表示面への映り込み現象を有効に防止することが出来る。
【0045】
本発明の適用対象となる自動車用映像機器は、本実施の形態に係るDVD再生装置のみに限られない。地図や案内等の情報を表示するナビゲーションシステム、音楽情報等を表示するカーオーディオ、テレビ放送等を表示する自動車用テレビ等、車内に於いて左右の座席から観察する映像機器に本発明を適用することにより、映り込み現象の無い見易い表示画像を提供することが出来る。
【0046】
以上の実施の形態1〜3は、液晶表示装置30を自動車内の左右の座席の中央前方に配置する場合の液晶表示装置30に関するものであったが、左右何れか一方の前方に液晶表示装置30を配置する場合にも、同様に、液晶表示装置30の表示面11を所定の楕円弧13に沿って凹形に湾曲させれば良い。ここで、図13は、液晶表示装置を左側の座席の前方に配置する場合の、液晶表示装置の表示面11の横断面形状及び表示面11と観察者23、24との位置関係を示す図である。図1に示した様に表示面11の湾曲形状が左右対称でなくとも、表示面11の湾曲形状が図13に示す様な楕円弧13に沿った形状であれば、同様に映り込み現象を抑制することが出来る。
【0047】
(付記)
以上、本発明の実施の形態を詳細に開示し記述したが、以上の記述は本発明の適用可能な局面を例示したものであって、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、記述した局面に対する様々な修正や変形例を、この発明の範囲から逸脱することの無い範囲内で考えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の液晶表示装置に於ける映り込み現象防止のメカニズムを示す横断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置の構成を示す横断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置の製造工程を示す縦断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置の製造工程を示す縦断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置の製造工程を示す平面図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置の製造工程を示す縦断面図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置の製造工程を示す縦断面図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置の製造工程を示す縦断面図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る液晶表示装置の構成を示す横断面図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る液晶表示装置の構成を示す平面図である。
【図11】本発明の実施の形態3に係る液晶表示装置の構成を示す横断面図である。
【図12】本発明の実施の形態4に係る自動車用映像機器の構成を示す斜視図である。
【図13】本発明の変形例に係る液晶表示装置に於ける表示面の形状を示す横断面図である。
【図14】従来の液晶表示装置に於ける映り込み現象防止のメカニズムを示す横断面図である。
【図15】従来の液晶表示装置に於ける映り込み現象発生のメカニズムを示す横断面図である。
【符号の説明】
【0049】
11 表示面、12 円弧、13 楕円弧、21〜24 観察者、30 液晶表示装置、31 表側透明基板、32 裏側透明基板、33 液晶、34 表側偏光板、35 裏側偏光板、36 支持板、37 バックライト、38 固定枠、39 透明窓、41 配向膜層、42 スペーサ、43 シール剤、44 ダミーシール剤、45 切断位置、46 注入口、47 封止剤、48 ローラー、50 自動車用映像機器、51 DVD再生制御部、52 接続アーム、53 傾斜角度、54 制御ボタン、55 DVD出入口、C 円弧の中心、C1,C2 楕円焦点、L1〜L4 外光等、R1〜R3 反射位置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の透明基板と、両透明基板間に挟持された液晶と、前記両透明基板の各々の外側の面に配置された偏光板とから構成される液晶パネルと、バックライトとから構成される液晶表示装置において、
所定の楕円弧に沿って凹形に湾曲した表示面を備えていることを特徴とする、
液晶表示装置。
【請求項2】
請求項1記載の液晶表示装置において、
前記所定の楕円弧を成す楕円の焦点距離が50cmから100cmの範囲内にあり、且つ、前記楕円の短軸半径が50cmから100cmの範囲内にあることを特徴とする、
液晶表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の液晶表示装置において、
前記液晶パネルが、前記所定の楕円弧と相似な楕円弧に沿って凹形に湾曲した支持板に貼り付けられていることを特徴とする、
液晶表示装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の液晶表示装置において、
前記液晶パネルが、共に前記所定の楕円弧と相似な楕円弧に沿って凹形に湾曲した形状を有する支持板と固定枠とに挟み込まれていることを特徴とする、
液晶表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかに記載の前記液晶表示装置を用いた自動車用映像機器であって、
前記表示面を規定する前記所定の楕円弧を成す楕円の両焦点がそれぞれ自動車内の左右の座席の頭部部分に位置することを特徴とする、
自動車用映像機器。
【請求項1】
一対の透明基板と、両透明基板間に挟持された液晶と、前記両透明基板の各々の外側の面に配置された偏光板とから構成される液晶パネルと、バックライトとから構成される液晶表示装置において、
所定の楕円弧に沿って凹形に湾曲した表示面を備えていることを特徴とする、
液晶表示装置。
【請求項2】
請求項1記載の液晶表示装置において、
前記所定の楕円弧を成す楕円の焦点距離が50cmから100cmの範囲内にあり、且つ、前記楕円の短軸半径が50cmから100cmの範囲内にあることを特徴とする、
液晶表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の液晶表示装置において、
前記液晶パネルが、前記所定の楕円弧と相似な楕円弧に沿って凹形に湾曲した支持板に貼り付けられていることを特徴とする、
液晶表示装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の液晶表示装置において、
前記液晶パネルが、共に前記所定の楕円弧と相似な楕円弧に沿って凹形に湾曲した形状を有する支持板と固定枠とに挟み込まれていることを特徴とする、
液晶表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかに記載の前記液晶表示装置を用いた自動車用映像機器であって、
前記表示面を規定する前記所定の楕円弧を成す楕円の両焦点がそれぞれ自動車内の左右の座席の頭部部分に位置することを特徴とする、
自動車用映像機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−309813(P2008−309813A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−154623(P2007−154623)
【出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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