説明

液晶表示装置

【課題】より簡易に動画性能を向上することができる液晶表示装置を提供する。
【解決手段】光源1と、映像データに基づいて光源1が出力する光の透過率を変化させることにより映像を表示する液晶表示部2と、を備える液晶表示装置100に、光源1と液晶表示部2との間の所定位置に固定して備えられ、光の透過を遮蔽する遮蔽部材31により複数のスリットSが形成された第1シャッタ部3と、光源1と液晶表示部2との間に上下動可能に備えられ、光の透過を遮蔽する遮蔽部材41により複数のスリットSが形成された第2シャッタ部4と、第2シャッタ部4を上下に駆動する駆動部6と、映像データに含まれる垂直同期信号に同期して第2シャッタ部4を上下に駆動するように駆動部6を制御する制御部7と、を備え、スリットSを、第2シャッタ部4の上下動に伴って、光源1が出力する光の液晶表示部2への入射・非入射が交互に切り換えられるように配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶パネル等の液晶表示装置では、動画性能がよくないという問題点がある。そこで、バックライトを複数領域に分けて、各領域毎の点灯時期及び点灯時間を、映像データ変換後の液晶応答に基づく表示階調が全表示階調の平均値となるような値に制御したり、各領域毎の点灯時期及び点灯時間を、映像データ変換後の液晶応答に基づく表示階調が各領域において表示される表示階調の画素数に従って重みづけされた平均値となるような値に制御することで、動画表示における残像や平均化によるボケを低減する液晶表示装置が知られている(例えば、特許文献1)。
また、ユーザが動画表示におけるボケを知覚した場合に、黒表示信号を画素電極に供給するための期間である黒挿入期間が1フレーム期間内に占める割合を示す黒挿入率を指示することにより、動画表示におけるボケを低減させる液晶表示装置も知られている(例えば、特許文献2)。
また、偶数ラインの画素に画像信号を書き込む場合には、奇数ラインの画素に消去信号を書き込み、奇数ラインの画素に画像信号を書き込む場合には、偶数ラインの画素に消去信号を書き込むことにより、各画素の光学応答時間を前フレームの表示画像に依らず均一化することにより、動画表示におけるボケを低減させる液晶表示装置も知られている(特許文献3)。
【特許文献1】特開2005−122121号公報
【特許文献2】特開2003−295156号公報
【特許文献3】特開2001−311932号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の発明のように、バックライトの点灯時期及び点灯時間を制御したとしても、実際、液晶表示装置においてよく使われているCCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp)では、消灯制御されても、完全に消灯するまでに時間がかかるため、動画表示における残像やボケを十分に低減することができない。
また、特許文献2又は3に記載の発明のように、黒挿入を行う場合には、別途黒挿入回路を導入する必要があるが、当該黒挿入回路は設計に工数がかかるとともに、動作検証に多大な時間を要する。また、液晶そのものの応答性の問題により理想的な黒挿入を回路変更のみで行うことは困難である。
【0004】
本発明の課題は、より簡易に動画性能を向上させることができる液晶表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、光源と、映像データに基づいて前記光源が出力する光の透過率を変化させることにより映像を表示する液晶表示部と、を備える液晶表示装置において、
前記光源と前記液晶表示部との間の所定位置に固定して備えられ、光の透過を遮蔽する遮蔽部材により複数のスリットが形成された第1シャッタ部と、
前記光源と前記液晶表示部との間に上下動可能に備えられ、光の透過を遮蔽する遮蔽部材により複数のスリットが形成された第2シャッタ部と、
前記第2シャッタ部を上下に駆動する駆動部と、
映像データに含まれる垂直同期信号に同期して前記第2シャッタ部を上下に駆動するように前記駆動部を制御する駆動制御手段と、
前記液晶表示部と前記第1シャッタ部及び前記第2シャッタ部との間に、前記第1シャッタ部及び前記第2シャッタ部のスリットを通過した光を拡散させて前記液晶表示部に入射させる拡散部と、
前記光源と前記第1シャッタ部との間に、前記光源が出力する光を集光して前記第1シャッタ部のスリットに入射させる集光部と、
を備え、
前記第1シャッタ部及び前記第2シャッタ部に備えられるスリットが、前記第2シャッタ部の上下動に伴って、前記光源が出力する光の前記液晶表示部への入射・非入射が交互に切り換えられるように配置されることを特徴としている。
【0006】
請求項2に記載の発明は、光源と、映像データに基づいて前記光源が出力する光の透過率を変化させることにより映像を表示する液晶表示部と、を備える液晶表示装置において、
前記光源と前記液晶表示部との間の所定位置に固定して備えられ、光の透過を遮蔽する遮蔽部材により複数のスリットが形成された第1シャッタ部と、
前記光源と前記液晶表示部との間に上下動可能に備えられ、光の透過を遮蔽する遮蔽部材により複数のスリットが形成された第2シャッタ部と、
前記第2シャッタ部を上下に駆動する駆動部と、
映像データに含まれる垂直同期信号に同期して前記第2シャッタ部を上下に駆動するように前記駆動部を制御する駆動制御手段と、
を備え、前記第1シャッタ部及び前記第2シャッタ部に備えられるスリットが、前記第2シャッタ部の上下動に伴って、前記光源が出力する光の前記液晶表示部への入射・非入射が交互に切り換えられるように配置されることを特徴としている。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の液晶表示装置において、
前記液晶表示部と前記第1シャッタ部及び前記第2シャッタ部との間に、前記第1シャッタ部及び前記第2シャッタ部のスリットを通過した光を拡散して前記液晶表示部に入射させる拡散部を備えることを特徴としている。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の液晶表示装置において、
前記光源と前記第1シャッタ部との間に、前記光源が出力する光を集光して前記第1シャッタ部のスリットに入射させる集光部を備えることを特徴としている。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4の何れか一項に記載の液晶表示装置において、
前記第1シャッタ部及び前記第2シャッタ部に備えられるスリットが、前記第2シャッタ部の上下動に伴って、前記光源が出力する光が前記液晶表示部の上半分と下半分とに交互に入射するように配置されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、光の透過を遮蔽する遮蔽部材により複数のスリットが形成された第1シャッタ部が、光源と液晶表示部との間の所定位置に固定して備えられ、光の透過を遮蔽する遮蔽部材により複数のスリットが形成された第2シャッタ部が、光源と液晶表示部との間に上下動可能に備えられ、駆動部により、第2シャッタ部が上下に駆動され、駆動制御手段により、映像データに含まれる垂直同期信号に同期して第2シャッタ部が上下に駆動されるように駆動部が制御され、第1シャッタ部及び第2シャッタ部に備えられるスリットが、第2シャッタ部の上下動に伴って、光源が出力する光の液晶表示部への入射・非入射が交互に切り換えられるように配置されるので、光源から出力される光が液晶表示部に入射されなくなって黒挿入を行うことができ、光源の消灯制御や黒挿入回路を設計する場合に比べて、容易に黒挿入することができることとなって、より簡易に動画性能を向上させることができる。
【0011】
また、液晶表示部と第1シャッタ部及び第2シャッタ部との間に備えられた拡散部により、第1シャッタ部及び第2シャッタ部のスリットを通過した光が拡散して液晶表示部に入射されるので、スリットを通過した光の輝度分布を均一にすることができる。
【0012】
また、光源と第1シャッタ部との間に備えられた集光部により、光源が出力する光が集光されて第1シャッタ部のスリットに入射されるので、光源から出力される光の光量が第1シャッタ部の遮蔽部材により減ってしまうのを防ぐことができる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、光の透過を遮蔽する遮蔽部材により複数のスリットが形成された第1シャッタ部が、光源と液晶表示部との間の所定位置に固定して備えられ、光の透過を遮蔽する遮蔽部材により複数のスリットが形成された第2シャッタ部が、光源と液晶表示部との間に上下動可能に備えられ、駆動部により、第2シャッタ部が上下に駆動され、駆動制御手段により、映像データに含まれる垂直同期信号に同期して第2シャッタ部が上下に駆動されるように駆動部が制御され、第1シャッタ部及び第2シャッタ部に備えられるスリットが、第2シャッタ部の上下動に伴って、光源が出力する光の液晶表示部への入射・非入射が交互に切り換えられるように配置されるので、光源から出力される光が液晶表示部に入射されなくなって黒挿入を行うことができ、光源の消灯制御や黒挿入回路を設計する場合に比べて、容易に黒挿入することができることとなって、より簡易に動画性能を向上することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、液晶表示部と第1シャッタ部及び第2シャッタ部との間に備えられた拡散部により、第1シャッタ部及び第2シャッタ部のスリットを通過した光が拡散して液晶表示部に入射されるので、スリットを通過した光の輝度分布を均一にすることができる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、請求項2又は3に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、光源と第1シャッタ部との間に備えられた集光部により、光源が出力する光が集光されて第1シャッタ部のスリットに入射されるので、光源から出力される光の光量が第1シャッタ部の遮蔽部材により減ってしまうのを防ぐことができる。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、請求項2〜4の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、第1シャッタ部及び第2シャッタ部に備えられるスリットが、第2シャッタ部の上下動に伴って、光源が出力する光が液晶表示部の上半分と下半分とに交互に入射するように配置されるので、液晶表示装置の画面の上下に交互に黒挿入をすることができ、より複雑な黒挿入制御を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図を参照して、本発明に係る液晶表示装置を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
【0018】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態に係る液晶表示装置100の構成について図1を参照しながら説明する。図1(a)に、本実施形態に係る液晶表示装置100の側面図を示し、図1(b)に、本実施形態に係る第1シャッタ部3(後述)の背面図を示し、図1(c)に、本実施形態に係る第2シャッタ部4(後述)の背面図を示す。なお、図1において、スリットSに相当する部分をハッチングにより示す。以下、図2〜5においても同様である。
【0019】
本実施形態に係る液晶表示装置100は、例えば、図1に示すように、光源1と、映像データに基づく映像を表示する液晶表示部2と、光源1と液晶表示部2との間の所定位置に固定して備えられ、光の透過を遮蔽する遮蔽部材31により複数のスリットSが形成された第1シャッタ部3と、第1シャッタ部3と液晶表示部2との間に上下動可能に備えられ、光の透過を遮蔽する遮蔽部材41により複数のスリットSが形成された第2シャッタ部4と、第2シャッタ部4と液晶表示部2との間に備えられる拡散部5と、第2シャッタ部4を上下に駆動する駆動部6と、当該駆動部6を制御する制御部7等を備えて構成されている。
【0020】
光源1は、例えば、CCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp)等であり、液晶表示部2の表示面に対して平行に、当該表示面の上から下にかけて所定本数備えられている。
【0021】
液晶表示部2は、例えば、2枚のガラス板(図示省略)の間に液晶封入された画素(図示省略)がマトリックス状に配置され、映像データに基づいて、各画素に対応した駆動回路(図示省略)を駆動させて光源1が出力する光の透過率を変化させることにより、映像を表示する。
【0022】
第1シャッタ部3は、例えば、液晶表示部2の表示面と略同一形状の板材であって、当該表示面の上から下にかけて、光の透過を遮蔽する遮蔽部材31により複数のスリットSが形成されている。より具体的には、例えば、図1(b)に示すように、第1シャッタ部3には、同一幅のスリットSが、当該スリットSの幅と同一の長さだけ離間して配置するように、形成されている。
また、第1シャッタ部3の下部には、略矩形形状の切欠部3Aが形成されている。
【0023】
第2シャッタ部4は、例えば、第1シャッタ部3と同様に、液晶表示部2の表示面と略同一形状の板材であって、当該表示面の上から下にかけて、光の透過を遮蔽する遮蔽部材41により複数のスリットSが形成されている。また、例えば、図1(c)に示すように、第2シャッタ部4には、第1シャッタ部3のスリットSと同一幅のスリットSが、当該スリットSの幅と同一の長さだけ離間して配置するように、設けられている。
また、第2シャッタ部4の下部の第1シャッタ部3の切欠部3Aに対応する位置には、略半球状に盛り上がるように形成された当接部4Aが形成されている。
当接部4Aをこのような形状にしたのは、当接部4Aとカム6とが滑らかに当接することができるようにするためである。
【0024】
拡散部5は、例えば、液晶表示部2の表示面と略同一形状の拡散板や拡散フィルム等を備え、第1シャッタ部3及び第2シャッタ部4のスリットSを通過した光を液晶表示部2に拡散させて入射させる。
【0025】
駆動部6は、例えば、ステッピングモータ(図示省略),当該ステッピングモータにより回動する回転軸6A,当該回転軸6Aの回転により回転するカム6B等を備えて構成されている。そして、例えば、図2(b),(c)に示すように、カム6Bの回転により、第2シャッタ部4が上下に駆動されるようになっている。より具体的には、カム6Bは、側面視において略楕円状に形成されており、当該カム6Bが回転することにより、第2シャッタ部4の当接部4Aに当接しながら当該第2シャッタ部4を上に押し上げた後、当該カム6Bがさらに回転することにより、第2シャッタ部4が下降するようになっている。
なお、カム6Bが回転されても、第1シャッタ部3には切欠部3Aが形成されているため、当該カム6Bが第1シャッタ部3に当接しないようになっている。
【0026】
制御部7は、例えば、CPU(Central Processing Unit)(図示省略),RAM(Random Access Memory)(図示省略),記憶部(図示省略)等を備えて構成される。
そして、CPUが、例えば、記憶部に格納された処理プログラム等を読み出して、RAMに展開して実行することにより、制御部7全体の制御が行われるようになっている。
具体的には、制御部7は、映像データに含まれる垂直同期信号に同期して、第2シャッタ部4が上下に駆動するように駆動部6を制御し、駆動制御手段として機能する。
【0027】
上述のような構成の液晶表示装置100における第2シャッタ部4の上下動について、図1を参照しながら説明する。
まず、図2(a),(b)に示すように、カム6Bが第2シャッタ部4を押し上げていない状態では、第1シャッタ部3のスリットSと第2シャッタ部4のスリットSとの位置は対応する位置にあり、光源1から出力され、第1シャッタ部3のスリットSを通過した光は、当該第1シャッタ部3のスリットSと対応する位置にある第2シャッタ部4のスリットSを通過するようになっている。
【0028】
そして、図2(c)に示すように、カム6Bが回転することにより、当該第2シャッタ部4が押し上げられて、第2シャッタ部4のスリットSが第1シャッタ部3のスリットSとスリットSとの間に位置することとなると、光源1から出力され、第1シャッタ部3のスリットSを通過した光は、第2シャッタ部4のスリットSとスリットSとの間の遮蔽部材41により遮られるようになる。
【0029】
以上に説明した第1の実施形態に係る液晶表示装置100によれば、光の透過を遮蔽する遮蔽部材31により複数のスリットSが形成された第1シャッタ部3が、光源1と液晶表示部2との間の所定位置に固定して備えられ、光の透過を遮蔽する遮蔽部材41により複数のスリットSが形成された第2シャッタ部4が、光源1と液晶表示部2との間に上下動可能に備えられ、駆動部6により、第2シャッタ部4が上下に駆動され、制御部7により、映像データに含まれる垂直同期信号に同期して第2シャッタ部4が上下に駆動されるように駆動部6が制御され、第1シャッタ部及び第2シャッタ部に備えられるスリットが、第2シャッタ部の上下動に伴って、光源が出力する光の液晶表示部への入射・非入射が交互に切り換えられるように配置されるので、光源1から出力される光が液晶表示部2に入射されなくなって黒挿入を行うことができ、光源1の消灯制御や黒挿入回路を設計する場合に比べて、容易に黒挿入することができることとなって、より簡易に動画性能を向上させることができる。
【0030】
また、液晶表示部2と第1シャッタ部3及び第2シャッタ部4との間に備えられた拡散部5により、第1シャッタ部3及び第2シャッタ部4のスリットSを通過した光が拡散して液晶表示部2に入射されるので、スリットSを通過した光の輝度分布を均一にすることができる。
【0031】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る液晶表示装置200は、例えば、図3〜図5に示すように、第1シャッタ部30,第2シャッタ部40,駆動部600の構成のみが、第1の実施形態に係る液晶表示装置100と異なるので、同一の構成については、同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
また、図3(a),図4(a),図5(a)に、本実施形態に係る液晶表示装置200の側面図を示し、図3(b),図4(b),図5(b)に、本実施形態に係る第1シャッタ部30の背面図を示し、図3(c),図4(c),図5(c)に、本実施形態に係る第2シャッタ部40(後述)の背面図を示す。
また、図3は、カム60Bが第2シャッタ部40を途中まで押し上げたときの液晶表示部200,第1シャッタ部30,第2シャッタ部40を示し、図4は、カム60Bが第2シャッタ部40を押し上げているときの液晶表示部200,第1シャッタ部30,第2シャッタ部40を示し、図5は、カム60Bが第2シャッタ部40を押し上げていないときの液晶表示部200,第1シャッタ部30,第2シャッタ部40を示す。
【0032】
第1シャッタ部30は、例えば、液晶表示部2の表示面と略同一形状の板材であって、当該表示面の上から下にかけて、光の透過を遮蔽する遮蔽部材311により複数のスリットSが形成されている。より具体的には、例えば、図3(b)に示すように、第1シャッタ部30には、同一幅のスリットSが、当該スリットSの幅と2倍の長さだけ離間して配置するように形成されるとともに、当該第1シャッタ部30の中央には、他のスリットSの幅の2倍の幅のスリットSが形成され、当該中央のスリットSを挟んで上側と下側のスリットSの配置が上下対称となっている。
また、第1シャッタ部30の下部には、略矩形形状の切欠部30Aが形成されている。
【0033】
第2シャッタ部40は、例えば、液晶表示部2の表示面と略同一形状の板材であって、当該表示面の上から下にかけて、光の透過を遮蔽する遮蔽部材411により複数のスリットSが形成されている。また、例えば、図3(c)に示すように、第2シャッタ部40には、第1シャッタ部30のスリットSの幅の2倍の幅のスリットSが、第1シャッタ部30のスリットSの幅と同一の長さだけ離間して配置するように形成されている。さらに、第2シャッタ部40の中央のスリットSは、第1シャッタ部30の中央のスリットSと対応する位置に配置されており、第2シャッタ部40の当該中央のスリットSに対して上側のスリットSは、当該上側のスリットSの上端が第1シャッタ部30の中央のスリットSの上側のスリットSの上端に対応するように形成されており、第2シャッタ部40の当該中央のスリットSに対して下側のスリットSは、当該下側のスリットSの下端が第1シャッタ部30の中央のスリットSの下側のスリットSの下端に対応するように形成されている。
また、第2シャッタ部40の下部の第1シャッタ部30の切欠部30Aに対応する位置には、略半球状に盛り上がるように形成された当接部40Aが形成されている。
【0034】
駆動部600は、例えば、ステッピングモータ(図示省略),当該ステッピングモータにより回動する回転軸60A,当該回転軸60Aの回転により回転するカム60B等を備えて構成されている。そして、例えば、図3〜図5に示すように、カム60Bの回転により、第2シャッタ部40が上下に駆動されるようになっている。より具体的には、カム60Bは、側面視において、軸長が異なる楕円の半円が合わさった略ドーム形状に形成されており、当該カム60Bが反時計回りに回転することにより、第2シャッタ部40の当接部40Aに当接しながら当該第2シャッタ部40を上に押し上げた後、当該カム60Bがさらに回転することにより、第2シャッタ部40が下降するようになっている。
なお、カム60Bが回転されても、第1シャッタ部30には切欠部30Aが形成されているため、当該カム60Bが第1シャッタ部30に当接しないようになっている。
【0035】
上述のような構成の液晶表示装置200における第2シャッタ部40の上下動について、図3〜図5を参照しながら説明する。
まず、図3に示すように、カム60Bが第2シャッタ部40を途中まで押し上げている状態では、第1シャッタ部30のスリットSと第2シャッタ部40のスリットSは、液晶表示部2側から見て、互いに重なる位置にある。そして、この状態では、光源1から出力されて第1シャッタ部30及び第2シャッタ部40に入射する光は、第1シャッタ部30及び第2シャッタ部40のスリットSにより透過されて液晶表示部2に入射するようになっている。
【0036】
そして、図4に示すように、カム60Bが反時計回りに回転して第2シャッタ部40が押し上げられると、第2シャッタ部40の上側のスリットSの下半分が第1シャッタ部30の上側のスリットSと対応する位置となり、第2シャッタ部40の下側のスリットSと第1シャッタ部30の下側の遮蔽部材311とが対応する位置となり、第2シャッタ部40の中央のスリットSの下半分と第1シャッタ部30の中央のスリットSの上半分とが対応する位置となる。
そして、この状態では、光源1から出力されて第1シャッタ部30の下半分に入射して第1シャッタ部30の下半分のスリットSを通過した光は、第2シャッタ部40の下半分の遮蔽部材411により遮蔽されて液晶表示部2に入射しないようになっている。
また、光源1から出力されて第1シャッタ部30及び第2シャッタ部40の上半分に入射する光は、第1シャッタ部30及び第2シャッタ部40の上半分のスリットSにより透過されて液晶表示部2に入射するようになっている。
【0037】
さらに、図5に示すように、カム60Bが反時計回りに回転して第2シャッタ部40が押し上げらていない状態となると、第2シャッタ部40の上側のスリットSと第1シャッタ部30の上側の遮蔽部材311とが対応する位置となり、第2シャッタ部40の下側のスリットSの上半分が第1シャッタ部30の下側のスリットSと対応する位置となり、第2シャッタ部40の中央のスリットSの上半分と第1シャッタ部30の中央のスリットSの下半分とが対応する位置となる。
そして、この状態では、光源1から出力されて第1シャッタ部30の上半分に入射して第1シャッタ部30の上半分のスリットSを通過した光は、第2シャッタ部40の上半分の遮蔽部材411により遮蔽されて液晶表示部2に入射しないようになっている。
また、光源1から出力されて第1シャッタ部30及び第2シャッタ部40の下半分に入射する光は、第1シャッタ部30及び第2シャッタ部40の下半分のスリットSにより透過されて液晶表示部2に入射するようになっている。
【0038】
以上に説明した第2の実施形態に係る液晶表示装置200によれば、第1の実施形態に係る液晶表示装置100と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、第1シャッタ部30及び第2シャッタ部40に備えられるスリットSが、第2シャッタ部40の上下動に伴って、光源1が出力する光が液晶表示部2の上半分と下半分とに交互に入射するように配置されるので、液晶表示装置200の画面の上下に交互に黒挿入をすることができ、より複雑な黒挿入制御を行うことができる。
【0039】
(第3の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る液晶表示装置300は、例えば、図6に示すように、集光部8を備える構成のみが、第1の実施形態に係る液晶表示装置100と異なるので、同一の構成については、同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0040】
集光部8は、例えば、液晶表示部2の表示面と略同一形状の集光板や集光フィルム等を備え、光源1と第1シャッタ部3との間に備えられ、光源1から出力された光を集光して第1シャッタ部3のスリットSに入射させる。
【0041】
以上に説明した第3の実施形態に係る液晶表示装置300によれば、第1の実施形態に係る液晶表示装置100と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、光源1と第1シャッタ部3との間に備えられた集光部8により、光源1が出力する光が集光されて第1シャッタ部3のスリットSに入射されるので、光源1から出力される光の光量が第1シャッタ部3の遮蔽部材31により減ってしまうのを防ぐことができる。
【0042】
なお、第1シャッタ部3(30)及び第2シャッタ部4(40)に形成されるスリットSの配置は、上記実施例に限られるものではない。
また、第1シャッタ部3(30)及び第2シャッタ部4(40)は、それぞれ、スリットSの配置の異なる第1シャッタ部3(30)及び第2シャッタ部4(40)に交換可能に、備えられてもよい。
また、第2シャッタ部4(40)は、例えば、上半分と下半分とに分割されていてもよく、第2シャッタ部4(40)の上半分と下半分とに別々に駆動部6が備えられて、第2シャッタ部4(40)の上半分及び下半分の上下動が別々に制御されることとしてもよい。
また、カム6Bの形状は、実施例に限られるものではなく、黒挿入率に合わせて形状を変更してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る液晶表示装置の一例を示す側面図(図1(a))、本発明の第1の実施形態に係る第1シャッタ部の一例を示す背面図(図1(b))、本発明の第1の実施形態に係る第2シャッタ部の一例を示す背面図(図1(c))である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る第1シャッタ部の一例を示す背面図(図2(a))、本発明の第1の実施形態に係るカムにより押し上げられていない状態の第2シャッタ部の一例を示す背面図(図2(b))、本発明の第1の実施形態に係るカムにより押し上げられた状態の第2シャッタ部の一例を示す背面図(図2(c))である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係るカムにより第2シャッタ部が途中まで押し上げられたときの液晶表示部の側面図(図3(a))、第1シャッタ部の背面図(図3(b))、第2シャッタ部の背面図(図3(c))である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係るカムにより第2シャッタ部が押し上げられているときの液晶表示部の側面図(図4(a))、第1シャッタ部の背面図(図4(b))、第2シャッタ部の背面図(図4(c))である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るカムにより第2シャッタ部が押し上げられていないときの液晶表示部の側面図(図5(a))、第1シャッタ部の背面図(図5(b))、第2シャッタ部の背面図(図5(c))である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る液晶表示装置の一例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0044】
1 光源
2 液晶表示部
3,30 第1シャッタ部
31,311 遮蔽部材
4,40 第2シャッタ部
41,411 遮蔽部材
5 拡散部
6,60 駆動部
7 制御部(駆動制御手段)
8 集光部
100,200,300 液晶表示装置
S スリット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、映像データに基づいて前記光源が出力する光の透過率を変化させることにより映像を表示する液晶表示部と、を備える液晶表示装置において、
前記光源と前記液晶表示部との間の所定位置に固定して備えられ、光の透過を遮蔽する遮蔽部材により複数のスリットが形成された第1シャッタ部と、
前記光源と前記液晶表示部との間に上下動可能に備えられ、光の透過を遮蔽する遮蔽部材により複数のスリットが形成された第2シャッタ部と、
前記第2シャッタ部を上下に駆動する駆動部と、
映像データに含まれる垂直同期信号に同期して前記第2シャッタ部を上下に駆動するように前記駆動部を制御する駆動制御手段と、
前記液晶表示部と前記第1シャッタ部及び前記第2シャッタ部との間に、前記第1シャッタ部及び前記第2シャッタ部のスリットを通過した光を拡散させて前記液晶表示部に入射させる拡散部と、
前記光源と前記第1シャッタ部との間に、前記光源が出力する光を集光して前記第1シャッタ部のスリットに入射させる集光部と、
を備え、
前記第1シャッタ部及び前記第2シャッタ部に備えられるスリットが、前記第2シャッタ部の上下動に伴って、前記光源が出力する光の前記液晶表示部への入射・非入射が交互に切り換えられるように配置されることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
光源と、映像データに基づいて前記光源が出力する光の透過率を変化させることにより映像を表示する液晶表示部と、を備える液晶表示装置において、
前記光源と前記液晶表示部との間の所定位置に固定して備えられ、光の透過を遮蔽する遮蔽部材により複数のスリットが形成された第1シャッタ部と、
前記光源と前記液晶表示部との間に上下動可能に備えられ、光の透過を遮蔽する遮蔽部材により複数のスリットが形成された第2シャッタ部と、
前記第2シャッタ部を上下に駆動する駆動部と、
映像データに含まれる垂直同期信号に同期して前記第2シャッタ部を上下に駆動するように前記駆動部を制御する駆動制御手段と、
を備え、
前記第1シャッタ部及び前記第2シャッタ部に備えられるスリットが、前記第2シャッタ部の上下動に伴って、前記光源が出力する光の前記液晶表示部への入射・非入射が交互に切り換えられるように配置されることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項3】
前記液晶表示部と前記第1シャッタ部及び前記第2シャッタ部との間に、前記第1シャッタ部及び前記第2シャッタ部のスリットを通過した光を拡散させて前記液晶表示部に入射させる拡散部を備えることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記光源と前記第1シャッタ部との間に、前記光源が出力する光を集光して前記第1シャッタ部のスリットに入射させる集光部を備えることを特徴とする2又は3に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記第1シャッタ部及び前記第2シャッタ部に備えられるスリットが、前記第2シャッタ部の上下動に伴って、前記光源が出力する光が前記液晶表示部の上半分と下半分とに交互に入射するように配置されることを特徴とする請求項2〜4の何れか一項に記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−83393(P2008−83393A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−263338(P2006−263338)
【出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】