説明

液晶表示装置

【課題】一定以上のセル厚(液晶層の厚み)を確保した液晶表示装置を提供することを目的の一とする。または、液晶表示装置の生産性を向上させることを目的の一とする。
【解決手段】第1の基板と、第2の基板と、第1の基板上に形成された第1のスペーサ層と、第2の基板上に形成された第2のスペーサ層と、第1の基板と第2の基板との間の、液晶を含む液晶層と、を有し、第1のスペーサ層と第2のスペーサ層とが接することで、液晶層の厚みが6μm以上となるように制御されており、白表示条件における液晶層の複屈折Δnが0.05以下の液晶表示装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示する発明の技術分野は、液晶表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、フラットパネルディスプレイが実用化され、従来のブラウン管を用いたディスプレイからの置き換えが進んでいる。フラットパネルディスプレイには、液晶表示素子を有する液晶表示装置をはじめ、エレクトロルミネッセンス素子(EL素子)を有するEL表示装置や、プラズマディスプレイなどが存在しており、市場においてはこれらが競合している。現在のところ、様々な技術による欠点の克服、生産コストの抑制などにより、液晶表示装置が市場において優位な立場にある。
【0003】
上述の液晶表示装置が、他のフラットパネルディスプレイと比較して劣っている点の一つに、素子の応答速度(表示の切り替え速度)がある。応答速度の欠点を克服すべく、これまでにも様々な技術が提案されてきた。従来の、いわゆるTN(Twisted Nematic)モードと呼ばれる液晶駆動方式を採用する液晶素子では、その応答速度が10ms程度であったが、OCB(Optical Compensated Birefringence)モードやFLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モードといった方式を用いることで、1ms程度までの応答速度の向上が実現されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このような液晶の駆動方式と並んで注目される技術として、ブルー相と呼ばれる状態を液晶表示素子に用いる技術がある(例えば、特許文献2参照)。ブルー相は、らせんピッチの比較的短いカイラルネマチック相と等方相との間に出現する液晶相で、極めて応答速度が高いという特徴を備えている。このブルー相を用いることで、液晶表示装置の応答時間を1ms以下とすることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−84254号公報
【特許文献2】国際公開第05/090520号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のブルー相液晶には、応答速度が高いという特徴以外にも、複屈折Δnが小さいという特徴がある。一般に、液晶表示装置の透過率は以下の式のように正弦関数で表現される。以下の式から、最大の透過率を与える素子の厚みは、複屈折Δnが小さくなるにつれて大きくなることが分かる。なお、以下の式において、λ(m)は光の波長、d(m)は素子の厚み、Δnは複屈折である。
【0007】
【数1】

【0008】
現状の液晶表示装置では、素子の厚み(いわゆるセル厚)は4μm程度である。一方で、ブルー相においては、白表示条件における複屈折Δnは1/10程度であるから、セル厚は10倍程度(40μm程度)が最適といえる。駆動方式などを考慮する場合であっても、少なくとも6μm以上(好ましくは10μm以上)のセル厚とすることが望ましい。ここで、白表示条件とは、対象とする液晶表示装置において、光の透過率が最大となる条件をいうものとする。なお、ブルー相を用いた液晶表示装置は、電圧が印加されることで白表示が実現されるいわゆるノーマリーブラック型である。
【0009】
ここで、液晶表示装置のセル厚は、薄膜トランジスタなどの素子が形成される素子基板と対向基板との間隔を保持するスペーサによって制御される。スペーサの種類としては、一般に、球状のスペーサや柱状のスペーサが知られている。
【0010】
球状のスペーサを用いて上述のようなセル厚を実現するためには、直径が6μm以上のものを用いることが求められる。このような大きなスペーサを基板上に散布して用いる場合には表示不良を誘発する可能性が高く、現実的ではない。
【0011】
また、柱状のスペーサを用いる場合であってもその厚みを6μm以上とすることは困難である。柱状のスペーサはスピンコートなどの方法によって形成した樹脂層を、選択的にエッチングすることで形成されるため、その原料の粘度を上げて樹脂層の厚みを増すことは難しいのである。
【0012】
上述の問題点に鑑み、本明細書等(少なくとも明細書、特許請求の範囲、および図面を含む)において開示する発明の一態様については、一定以上のセル厚(液晶層の厚み)を確保した液晶表示装置を提供することを目的の一とする。または、液晶表示装置の生産性を向上させることを目的の一とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
開示する発明の一態様では、液晶表示装置を構成する二つの基板のそれぞれに、柱状のスペーサを配置して、これらによって基板の間隔(つまり液晶層の厚み)を制御する。例えば、次のような態様とすることができる。
【0014】
開示する発明の一態様である液晶表示装置は、第1の基板と、第2の基板と、第1の基板上に形成された第1のスペーサ層と、第2の基板上に形成された第2のスペーサ層と、第1の基板と第2の基板との間の、液晶を含む液晶層と、を有し、第1のスペーサ層と第2のスペーサ層とが接することで、液晶層の厚みが6μm以上となるように制御されており、白表示条件における液晶層の複屈折Δnが0.05以下であることを特徴とする。
【0015】
開示する発明の別の一態様である液晶表示装置は、第1の基板と、第2の基板と、第1の基板上に形成された第1のスペーサ層と、第2の基板上に形成された第2のスペーサ層と、第1の基板と第2の基板との間の、液晶を含む液晶層と、を有し、第1のスペーサ層と第2のスペーサ層とが接することで、液晶層の厚みが6μm以上となるように制御されており、液晶層のカー係数が1×10−9mV−2以上であることを特徴とする。
【0016】
また、開示する発明の別の一態様である液晶表示装置は、第1の基板と、第2の基板と、第1の基板上に形成された第1のスペーサ層と、第2の基板上に形成された第2のスペーサ層と、第1の基板と第2の基板との間の、液晶を含む液晶層と、を有し、第1のスペーサ層と第2のスペーサ層とが接することで、液晶層の厚みが6μm以上となるように制御されており、所定の条件においては、液晶は3.0×10V/m以上の電界によって駆動されることを特徴とする。
【0017】
また、開示する発明の別の一態様である液晶表示装置は、第1の基板と、第2の基板と、第1の基板上に形成された第1のスペーサ層と、第2の基板上に形成された第2のスペーサ層と、第1の基板と第2の基板との間の、液晶を含む液晶層と、を有し、第1のスペーサ層と第2のスペーサ層とが接することで、液晶層の厚みが6μm以上となるように制御されており、白表示条件における液晶層の複屈折Δnが0.05以下であり、液晶層のカー係数が1×10−9mV−2以上であることを特徴とする。
【0018】
また、開示する発明の別の一態様である液晶表示装置は、第1の基板と、第2の基板と、第1の基板上に形成された第1のスペーサ層と、第2の基板上に形成された第2のスペーサ層と、第1の基板と第2の基板との間の、液晶を含む液晶層と、を有し、第1のスペーサ層と第2のスペーサ層とが接することで、液晶層の厚みが6μm以上となるように制御されており、白表示条件における液晶層の複屈折Δnが0.05以下であり、液晶層のカー係数が1×10−9mV−2以上であり、所定の条件においては、液晶は3.0×10V/m以上の電界によって駆動されることを特徴とする。
【0019】
上記において、第1のスペーサ層の、第2のスペーサ層と接する領域を含む面の面積は、第2のスペーサ層の、第1のスペーサ層と接する領域を含む面の面積より大きくしても良い。
【0020】
または、第1のスペーサ層は第1の基板の主表面と平行な面内において、長辺と短辺とを有し、第2のスペーサ層は第2の基板の主表面と平行な面内において、長辺と短辺とを有し、第1のスペーサ層と第2のスペーサ層は、互いの長辺が交差するように接しても良い。この場合、第1のスペーサ層および第2のスペーサ層の長辺方向の長さは、画素の短辺方向の長さより短くしても良い。
【0021】
また、上記において、液晶相として、ブルー相を用いても良い。また、第1の基板上に画素電極および共通電極を設けて、横方向(第1の基板の主表面に平行な方向)の電界によって液晶を駆動させる構成としても良い。
【発明の効果】
【0022】
開示する発明の一態様では、第1の基板上に形成された第1のスペーサ層と、第2の基板上に形成された第2のスペーサ層を用いることで、6μm以上のセル厚を確保した液晶表示装置を提供することができる。または、スペーサ層を適切な形状にすることで、液晶表示装置の生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】液晶表示装置について説明する図
【図2】透過スペクトルを示す図
【図3】液晶表示装置の製造工程について説明する断面図
【図4】液晶表示装置の製造工程について説明する断面図
【図5】液晶表示装置について説明する平面図
【図6】液晶表示装置について説明する図
【図7】液晶表示装置について説明する図
【図8】液晶表示装置の製造工程について説明する断面図
【図9】液晶表示装置について説明する平面図
【図10】液晶表示装置について説明する平面図
【図11】液晶表示装置について説明する図
【図12】液晶表示装置について説明する図
【図13】液晶表示装置について説明する図
【図14】液晶表示装置の電極について説明する図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定されず、本明細書等において開示する発明の趣旨から逸脱することなく形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者にとって自明である。また、異なる実施の形態に係る構成は、適宜組み合わせて実施することが可能である。なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を用い、その繰り返しの説明は省略する。
【0025】
(実施の形態1)
本実施の形態では、開示する発明の一態様である液晶表示装置について、図1を参照して説明する。なお、図1に示す構成は一例に過ぎず、他の構成を適用しても良い。
【0026】
図1(A)は、開示する発明の一態様である液晶表示装置の断面を示す模式図であり、図1(B)は、液晶表示装置の平面を示す模式図である。
【0027】
本実施の形態において示す液晶表示装置では、第1のスペーサ層100と第2のスペーサ層102とによって、第1の基板200と第2の基板250との間隔が保持されている(図1(A)参照)。より具体的には、第1のスペーサ層100の、第1の基板200の主表面と略平行な表面と、第2のスペーサ層102の、第2の基板250の主表面と略平行な表面とが接することで、第1の基板200と第2の基板250との間隔が保持されている。つまり、第1のスペーサ層100の高さと、第2のスペーサ層102の高さの合計が、液晶層260の厚さと同程度になっている。
【0028】
なお、第1のスペーサ層100と第2のスペーサ層102の高さについては、特に限定はないが、所望のセル厚(液晶層260の厚さ)を確保するという観点からは、第1のスペーサ層100および第2のスペーサ層102の高さは、要求されるセル厚を満たすものであることが望ましい。例えば、ブルー相を用いた液晶表示装置においては、6μm以上(好ましくは10μm以上)のセル厚が要求される。このため、第1のスペーサ層100と第2のスペーサ層102の高さはそれぞれ、4μm以上(好ましくは5μm以上)とするのがよい。一方で、セル厚は、第1のスペーサ層100と第2のスペーサ層102の組み合わせによって決定されるから、第1のスペーサ層100の高さと第2のスペーサ層102の高さは同じである必要はない。つまり、第1のスペーサ層100の高さと、第2のスペーサ層102の高さの合計が6μm以上(好ましくは10μm以上)であればよい。なお、上述の数値範囲は、ブルー相を用いる場合の一例であって、開示される発明の一態様がこれに限定して解釈されるものではない。
【0029】
第1の基板200には画素電極や半導体素子を含む層240が設けられており、第2の基板250には、共通電極(対向電極ともいう)を含む層290が設けられている。もちろん、各構成の位置関係はこれに限定されず、必要に応じて適宜変更することができる。例えば、第1の基板200側に共通電極を含む層290を形成し、第2の基板250側に画素電極や半導体素子を含む層240を形成しても良い。また、横電界を用いた液晶表示装置とする場合には、層240に、共通電極を含ませて、層290を設けない構成としても良い。このように、層240や、層290などの構成については、液晶表示装置を実現することができる構成であれば特に限定されない。
【0030】
また、層240や第1のスペーサ層100、層290や第2のスペーサ層102を覆うように絶縁層が形成されていても良い。この場合、前述の各構成と液晶層260とは、絶縁層によって隔てられていることになる。また、この絶縁層に、液晶を配向させる機能を持たせても良い。
【0031】
第1のスペーサ層100や第2のスペーサ層102は、絶縁層を選択的にエッチングすることで形成される。当該絶縁層の材料としては、アクリル、ポリイミド、ポリイミドアミド、エポキシなどを主成分とする有機樹脂材料、または、酸素、窒素、珪素などを含む無機材料(例えば、酸化珪素、窒化珪素、窒素を含む酸化珪素など)、などを用いることができる。なお、第1のスペーサ層100や第2のスペーサ層102の形成方法は上述のものに限定されない。例えば、スクリーン印刷法やインクジェット法など、選択的に絶縁層を形成できる方法を用いて第1のスペーサ層100や第2のスペーサ層102を形成しても良い。
【0032】
第1の基板200や第2の基板250としては、ガラス、金属(代表的にはステンレス)、セラミックス、プラスチック等の材料からなる基板を用いることができる。なお、開示する発明の一態様はこれに限定されない。液晶表示装置が実現可能な基板であれば、どのようなものを用いても良い。
【0033】
層240や、層290の構成についても特に限定されない。例えば、層240における半導体素子として、シリコンやゲルマニウムなどを主成分とする半導体材料を用いた薄膜トランジスタを形成して用いることができる。また、いわゆる酸化物半導体材料や、有機半導体材料を用いた半導体素子を設けても良い。画素電極や共通電極の構成についても特に限定されない。例えば、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物(以下、ITOと記す場合がある)、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの、透光性を有する導電性材料を用いて、画素電極や共通電極を形成することができる。横電界型の液晶表示装置とする場合や、反射型、半透過型の液晶表示装置とする場合など、画素電極や共通電極に透光性が要求されない場合には、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、マンガン(Mn)、ネオジム(Nd)、ニオブ(Nb)、クロム(Cr)、セリウム(Ce)などの電極材料を適宜用いることができる。
【0034】
液晶層260は、液晶材料を含む。液晶材料としては、例えば、応答速度に優れたブルー相を示す液晶材料を用いることが好適である。ブルー相を示す液晶材料は、液晶の他にカイラル剤を含むことが好ましい。例えば、5重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶材料を用いることで、ブルー相を発現させることが容易になる。なお、液晶材料は上述のものに限定されない。サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、強誘電液晶、反強誘電液晶等を含む液晶材料を適宜選択して用いることができる。また、用いる液晶相についても特に限定されず、コレステリック相、コレステリックブルー相、スメクチック相、スメクチックブルー相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を適宜用いることができる。
【0035】
本実施の形態において示す液晶表示装置では、第1の基板200の主表面に垂直な方向から見て、略正方形となるように第1のスペーサ層100を形成している(図1(B)参照)が、開示する発明の一態様はこれに限定して解釈されない。第2のスペーサ層102との組み合わせでセル厚を保持することができれば、第1のスペーサ層100の形状は特に限定する必要はないためである。これは、第2のスペーサ層102についても同様である。なお、図1(B)においては、開示する発明の一態様の理解を容易にするために、第2の基板250など、構成の一部を省略している。
【0036】
図1(B)では、層240(図1(A)参照)の構成要素として、走査線として機能する導電層202、信号線として機能する導電層216a、画素電極として機能する導電層224のみを代表的に示しているが、開示する発明の一態様はこれに限定されない。走査線として機能する導電層202、信号線として機能する導電層216a、画素電極として機能する導電層224の形状などについても特に限定されない。
【0037】
また、図1(B)では、走査線として機能する導電層202と信号線として機能する導電層216aが交差する領域に第1のスペーサ層100や第2のスペーサ層102を形成しているが、開示する発明の一態様はこれに限定されない。また、遮光機能を有するブラックマスク(ブラックマトリクス)を形成する場合には、当該ブラックマスクと重畳する領域に第1のスペーサ層100や第2のスペーサ層102を形成しても良い。
【0038】
本実施の形態において示したように、第1の基板上に形成された第1のスペーサ層と、第2の基板上に形成された第2のスペーサ層を用いることで、6μm以上(好ましくは10μm以上)のセル厚を確保した液晶表示装置を提供することができる。これにより、セル厚を大きくする必要がある液晶表示装置(例えば、白表示条件における複屈折Δnが0.05以下であるブルー相を用いた液晶表示装置、液晶層のカー係数が1×10−9mV−2以上である液晶表示装置など)においても、表示特性を向上させることができる。なお、本明細書等において、白表示条件とは、対象とする液晶表示装置における光の透過率が最大となる条件をいうものとする。また、カー係数K(mV−2)は、以下の式で定義される。式中、λは光の波長(m)、Eは電界(m−1V)、Δnは複屈折である。
【0039】
【数2】

【0040】
図2に、液晶表示装置の最適条件の一例として、白表示条件においてΔndを0.275μmとした場合(波長550nmにおいて最大透過率となる条件:Δnd=λ/2を満たす条件)の透過スペクトルを示す。図2中、横軸は光の波長(nm)を示しており、縦軸は透過率(%)を示している。この場合、例えば、複屈折Δnを0.04とすると、最適なセル厚は約6.9μmになることがわかる。逆に、セル厚を10μmにすることが可能であれば、複屈折Δnは約0.03でよい。このことから、複屈折Δnが0.05以下であるブルー相を用いた液晶表示装置の場合には、概ね6μm以上のセル厚とすると良いことが分かる。
【0041】
なお、ブルー相を用いる場合には、その性質上、高電界による駆動が求められる。例えば、所定の条件においては、3.0×10V/m以上もの電界によって駆動されることがある。このような高電界による駆動は、ブルー相を用いる液晶表示装置において特有のものである。なお、上記所定の条件としては、例えば、白表示条件がある。白表示条件では、他の階調を表現する場合と比較して、電極間にはより高い電界が生じるのである。
【0042】
本実施の形態において示した構成・方法等は、他の実施の形態で示した構成・方法等と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0043】
(実施の形態2)
本実施の形態では、開示する発明の一態様である液晶表示装置の製造方法について、図3〜図5を参照して説明する。ここで、図5のA−BおよびC−Dにおける断面が、図4(B)または図4(C)に相当する。なお、図5においては、一部の構成を省略している。また、図3〜図5に示す製造方法は一例に過ぎず、他の製造方法を適用しても良い。
【0044】
まず、第1の基板200上に、ゲート電極またはゲート配線(走査線とも呼ぶ)として機能する導電層202を選択的に形成し、該導電層202を覆うように、ゲート絶縁層204および半導体層206を形成する(図3(A)参照)。
【0045】
第1の基板200としては、ガラス、金属(代表的にはステンレス)、セラミックス、プラスチック等の材料からなる基板を用いることができる。ここでは、第1の基板200としてガラス材料からなる基板(ガラス基板)を用いる。なお、開示する発明の一態様はこれに限定されない。液晶表示装置が実現可能な基板であれば、どのようなものを用いても良い。
【0046】
図示しないが、第1の基板200上には下地層を設けるとよい。下地層は、第1の基板200からのアルカリ金属(Li、Cs、Na等)やアルカリ土類金属(Ca、Mg等)、その他の不純物の拡散を防止する機能を有する。つまり、下地層を設けることより、半導体装置の信頼性向上という課題を解決することができる。下地層は、窒化シリコン、酸化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウムなどから選ばれた一または複数の材料を用いて形成することができる。なお、下地層は単層構造としても良いし、積層構造としても良い。
【0047】
導電層202は、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、マンガン(Mn)、ネオジム(Nd)、ニオブ(Nb)、クロム(Cr)、セリウム(Ce)などの金属材料、またはこれらの金属材料を主成分とする合金材料、またはこれらの金属材料を成分とする窒化物を用いて、単層構造または積層構造の導電層を形成した後に、該導電層を選択的にエッチングすることで形成することができる。なお、上述の導電層の作製方法としては、真空蒸着法やスパッタリング法などが挙げられるが、これらに限定する必要はない。本実施の形態においては、導電層202をチタンとアルミニウムの積層構造とする。
【0048】
なお、導電層202は、後に形成されるゲート絶縁層204や半導体層206などの被覆性を向上し、段切れを防止するために、その端部がテーパー形状となるように形成すると良い。このように、導電層202をテーパー形状となるように形成することで、液晶表示装置の歩留まり向上といった課題を解決することができる。
【0049】
ゲート絶縁層204は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、酸化タンタルなどから選ばれた一または複数の材料を用いて、単層構造または積層構造で形成することができる。例えば、スパッタ法やCVD法などを用いて、20nm以上200nm以下の厚さで形成すればよい。ここでは、ゲート絶縁層204として、酸化シリコン膜を100nmの厚さで形成する。なお、開示する発明の一態様はこれに限定されない。
【0050】
半導体層206は、シリコンやガリウム、ガリウムヒ素などの各種無機半導体材料、カーボンナノチューブなどの有機半導体材料、In−Ga−Zn−O系の酸化物半導体材料をはじめとする各種酸化物半導体材料、これらの混合材料などを用いて形成することができる。また、これらの材料は、単結晶、多結晶、微結晶(マイクロクリスタル、ナノクリスタルを含む)、非晶質といった各種態様で用いることができる。なお、上述の半導体層の作製方法としては、CVD法やスパッタリング法などが挙げられるが、これらに限定する必要はない。
【0051】
本実施の形態では、In−Ga−Zn−O系の酸化物半導体材料を用いて半導体層206を形成する。なお、代表的な酸化物半導体材料としては、In−Ga−Zn−O系、In−Sn−Zn−O系、In−Al−Zn−O系、Sn−Ga−Zn−O系、Al−Ga−Zn−O系、Sn−Al−Zn−O系、In−Zn−O系、Sn−Zn−O系、Al−Zn−O系、Zn−O系などがある。
【0052】
例えば、In−Ga−Zn−O系の酸化物半導体材料による半導体層206は、In、Ga、Znを含む酸化物半導体ターゲット(In:Ga:ZnO=1:1:1など)を用いたスパッタ法で形成することができる。スパッタの条件は、例えば、基板200とターゲットとの距離を30mm〜500mm、圧力を0.1Pa〜2.0Pa、直流(DC)電源を0.25kW〜5.0kW(直径8インチのターゲット使用時)、雰囲気をアルゴン雰囲気、酸素雰囲気、またはアルゴンと酸素との混合雰囲気とすることができる。半導体層206の膜厚は、5nm〜200nm程度とすればよい。
【0053】
上記のスパッタ法としては、スパッタ用電源に高周波電源を用いるRFスパッタ法や、DCスパッタ法、パルス的に直流バイアスを加えるパルスDCスパッタ法などを用いることができる。なお、パルス直流(DC)電源を用いると、ごみが軽減でき、膜厚分布も均一となるため好ましい。この場合、半導体装置の歩留まり向上、信頼性向上といった課題を解決することができる
【0054】
なお、本実施の形態においては、半導体層206として酸化物半導体材料を用いる場合について説明しているが、開示する発明の一態様はこれに限定されない。上述の各種半導体材料を用いて半導体層206を形成することができる。一方で、半導体層206として酸化物半導体材料を用いる場合には、高速動作が可能なトランジスタを簡便なプロセスで形成することができるため、ブルー相液晶の高速性を十分に生かした液晶表示装置を、安価に提供することが可能である。
【0055】
次に、半導体層206上にレジストマスク208を形成し、当該レジストマスク208を用いて半導体層206を選択的にエッチングして、島状の半導体層210を形成する(図3(B)参照)。ここで、半導体層210はトランジスタの活性層となる。
【0056】
上述のレジストマスクはスピンコート法などの方法を用いて形成することができる。また、液滴吐出法やスクリーン印刷法などを用いて形成しても良い。この場合、レジストマスクを選択的に形成することができるため、生産性向上という課題を解決することが可能である。
【0057】
半導体層206のエッチングの方法としては、ウエットエッチングまたはドライエッチングを用いることができる。ここでは、酢酸と硝酸と燐酸との混合液を用いたウエットエッチングにより、半導体層206の不要な部分を除去して、半導体層210を形成する。なお、上記エッチングの後にはレジストマスク208は除去する。上記のウエットエッチングに用いることができるエッチャント(エッチング液)は半導体層206をエッチングできるものであればよく、上述したものに限られない。
【0058】
ドライエッチングを行う場合には、フッ素を含有するガスや塩素を含有するガスを用いると良い。また、ドライエッチングは、反応性イオンエッチング法(RIE法)を用いたエッチング装置や、ECR(Electron Cyclotron Resonance)やICP(Inductively Coupled Plasma)などの高密度プラズマ源を用いたドライエッチング装置を用いて行うことができる。また、ICPエッチング装置と比べて広い面積に渡って一様な放電が得られるECCP(Enhanced Capacitively Coupled Plasma)モードのエッチング装置を用いても良い。ECCPモードのエッチング装置であれば、基板として第10世代以降の基板を用いるような場合においても対応が容易である。
【0059】
本実施の形態においては、ウエットエッチングを用いて半導体層210を形成する。
【0060】
レジストマスク208を除去した後に、半導体層210を覆うように導電層212を形成する(図3(C)参照)。ここで、導電層212は、導電層202と同様の材料を用いて形成することができる。すなわち、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、マンガン(Mn)、ネオジム(Nd)、ニオブ(Nb)、クロム(Cr)、セリウム(Ce)などの金属材料、またはこれらの金属材料を主成分とする合金材料、またはこれらの金属材料を成分とする窒化物を用いて形成することができる。また、導電層212は単層構造であっても良いし積層構造としても良い。作製方法についても、同様に、真空蒸着法やスパッタリング法などの各種成膜法を用いることができる。なお、本実施の形態においては、導電層212をチタンとアルミニウムの積層構造とする。
【0061】
次に、導電層212上にレジストマスク214aおよびレジストマスク214bを形成し、当該レジストマスク214aおよびレジストマスク214bを用いて、導電層212を選択的にエッチングして、ソース電極またはソース配線(信号線とも呼ぶ)として機能する導電層216aおよびドレイン配線として機能する導電層216bを形成する(図3(D)参照)。なお、上記エッチングの後には、レジストマスク214aおよびレジストマスク214bは除去する。
【0062】
レジストマスク214aおよびレジストマスク214bは、レジストマスク208と同様にして形成することができる。また、導電層212のエッチングの方法としては、ウエットエッチングまたはドライエッチングのいずれを用いても良い。本実施の形態では、ドライエッチングを用いることとする。なお、ドライエッチングを行う場合は、例えば、塩素を含有するガス、または塩素を含有するガスに酸素が添加されたガスを用いると良い。塩素と酸素を含有するガスを用いることで、導電層212と、半導体層206とのエッチング選択比がとりやすくなるためである。
【0063】
上述のドライエッチングにより、導電層212が領域220で分断されて導電層216aおよび導電層216bが形成される。また、この際に、領域220における半導体層210が除去される。なお、半導体層210と導電層212の間に、エッチングの進行を停止させる機能を有する絶縁層を形成しても良い。当該絶縁層は、領域220に対応する領域に形成される。
【0064】
なお、本実施の形態においては、半導体層206のエッチングと、導電層212のエッチングを、異なるレジストマスクを用いて行っているが、開示する発明の一態様はこれに限定して解釈されない。半導体層206と導電層212を順に積層させた後、複数の厚みを有するレジストマスクを用いて、半導体層206と導電層212のエッチングを行っても良い。なお、この場合には、導電層の下には半導体層が残存することになる。また、複数の厚みを有するレジストマスクは、多階調マスクを用いて露光することで形成することができる。
【0065】
導電層216aおよび導電層216bを形成した後には、200℃〜600℃、代表的には300℃〜500℃の熱処理を行うと良い。ここでは、窒素雰囲気下で350℃、1時間の熱処理を行う。この熱処理により半導体層210の半導体特性を向上させることができる。なお、上記熱処理のタイミングは、半導体層210の形成後であれば特に限定されない。また、熱処理は、異なるタイミングで複数回行っても良い。
【0066】
レジストマスク214aおよびレジストマスク214bを除去した後に、ゲート絶縁層204、半導体層210、導電層216a、導電層216bなどを覆うように絶縁層222を形成する(図3(E)参照)。絶縁層222は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、酸化タンタルなどから選ばれた一または複数の材料、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の炭素を含む材料、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテン、アクリル等の有機材料、シロキサン樹脂等のシロキサン材料、などを用いて単層構造または積層構造で形成することができる。絶縁層222の形成方法としては、スパッタ法、CVD法、スピンコート法、スクリーン印刷法、インクジェット法などの各種方法がある。なお、絶縁層222の材料や形成方法などは、先の記載に限定されない。また、絶縁層222をあえて形成しない構成としても良い。本実施の形態では、絶縁層222として、スパッタ法による酸化シリコン膜を形成する。
【0067】
次に、絶縁層222を選択的にエッチングして導電層216bに達する開口を形成した後、画素電極として機能する導電層224を選択的に形成する(図4(A)参照)。導電層224は、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの、透光性を有する導電性材料を用いた導電層を選択的にエッチングすることで形成できる。横電界型の液晶表示装置とする場合や、反射型、半透過型の液晶表示装置とする場合など、画素電極や共通電極に透光性が要求されない場合には、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、マンガン(Mn)、ネオジム(Nd)、ニオブ(Nb)、クロム(Cr)、セリウム(Ce)などの電極材料を用いても良い。また、上記導電層の作製方法として、真空蒸着法やスパッタリング法などの各種成膜法を用いることができる。本実施の形態では、インジウム錫酸化物を用いて導電層224を形成する。
【0068】
次に、第1の基板200上に第1のスペーサ層100を形成する(図4(B)、図5参照)。第1のスペーサ層100は、第1の基板200上に設けられた絶縁層を選択的にエッチングすることで得られる。当該絶縁層の材料としては、アクリル、ポリイミド、ポリイミドアミド、エポキシなどを主成分とする有機樹脂材料、または、酸素、窒素、珪素などを含む無機材料(例えば、酸化珪素、窒化珪素、窒素を含む酸化珪素など)、などを用いることができる。なお、第1のスペーサ層の形成方法は上述のものに限定されない。例えば、スクリーン印刷法やインクジェット法など、選択的に絶縁層を形成できる方法を用いて第1のスペーサ層100を形成しても良い。
【0069】
なお、本実施の形態において、第1のスペーサ層100を導電層202と導電層216aとの交差部付近に設ける構成としているが、開示する発明の一態様はこれに限定して解釈されない。第1のスペーサ層100を用いて所定のセル厚を確保することができれば、どのような態様で第1のスペーサ層100を設けても良い。
【0070】
第1のスペーサ層100を形成した後に、絶縁層222、導電層224、第1のスペーサ層100を覆うように、絶縁層226を形成する(図4(C)参照)。絶縁層226は、絶縁層222と同様の材料、方法を用いて形成することができる。なお、絶縁層226は必須の構成要素ではないから、不要な場合には設けなくとも良い。
【0071】
なお、配向膜が必要である場合には、絶縁層226に配向膜としての機能を持たせても良い。この場合、絶縁層226に対して、ラビング処理などを行えばよい。
【0072】
その後、上述の各種構成が設けられた第1の基板200と、共通電極(対向電極ともいう)を含む層290、第2のスペーサ層102、絶縁層292などが設けられた第2の基板250とを、シール材などを用いて貼り合わせる(図4(D)参照)。第2の基板250には、第1の基板と同様のものを用いればよい。もちろん、第1の基板200と第2の基板250とを異なるものとしても良い。層290の構成は特に限定されず、共通電極の他、カラーフィルタやブラックマスク、偏光板等を備えていても良い。また、横電界を用いた液晶表示装置などの場合には、層290は、共通電極を有しない構成であっても良い。第2のスペーサ層102は、第1のスペーサ層100と同様にして形成することができる。絶縁層292は、絶縁層226と同様にして形成することができる。
【0073】
その後、貼り合わせられた第1の基板200と第2の基板250の間に液晶材料を注入し、液晶層260を形成する。液晶材料を注入した後には、注入口を紫外線硬化樹脂などを用いて封止する。液晶材料を第1の基板200または第2の基板250のいずれかに滴下した後に、これらの基板を貼り合わせても良い。
【0074】
液晶材料としては、例えば、応答速度に優れたブルー相を示す液晶材料を用いることが好適である。ブルー相を示す液晶材料は、液晶の他にカイラル剤を含むことが好ましい。例えば、5重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶材料を用いることで、ブルー相を発現させることが容易になる。一般に、ブルー相において、白表示条件での複屈折Δnは0.05以下、カー係数が1×10−9mV−2以上であるから、要求されるセル厚は6μm以上(好ましくは10μm以上)となる。このため、ブルー相を用いた液晶表示装置において、開示する発明の一態様による効果は著しい。なお、液晶材料は上述のものに限定されない。サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、強誘電液晶、反強誘電液晶等を含む液晶材料を適宜選択して用いることができる。また、用いる液晶相についても特に限定されず、コレステリック相、コレステリックブルー相、スメクチック相、スメクチックブルー相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を適宜用いることができる。
【0075】
以上の工程により、液晶表示装置が完成する。
【0076】
本実施の形態において示したように、第1の基板上に形成された第1のスペーサ層と、第2の基板上に形成された第2のスペーサ層を用いることで、6μm以上(好ましくは10μm以上)のセル厚を確保した液晶表示装置を提供することができる。これにより、セル厚を大きくする必要がある液晶表示装置(例えば、白表示条件における複屈折Δnが0.05以下であるブルー相を用いた液晶表示装置、液晶層のカー係数が1×10−9mV−2以上である液晶表示装置など)においても、表示特性を向上させることができる。
【0077】
本実施の形態において示した構成・方法等は、他の実施の形態で示した構成・方法等と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0078】
(実施の形態3)
本実施の形態では、開示する発明の一態様である液晶表示装置について、図6および図7を参照して説明する。なお、図6および図7に示す構成はいずれも一例に過ぎず、他の構成を適用しても良い。
【0079】
図6(A)および図7(A)は、開示する発明の一態様である液晶表示装置の断面を示す模式図であり、図6(B)および図7(B)は、液晶表示装置の平面を示す模式図である。
【0080】
本実施の形態において示す液晶表示装置と、先の実施の形態において示した液晶表示装置(図1参照)との相違点は、第1のスペーサ層100の大きさや形状、第2のスペーサ層102の大きさや形状などである。なお、それ以外の構成の詳細については、先の実施の形態を参照することができるため、ここでは省略する。
【0081】
図6には、先の実施の形態と比較して大型化した第1のスペーサ層110を有する液晶表示装置を示す。第1のスペーサ層を大型化することにより、第1の基板200と第2の基板250を貼り合わせる際の位置合わせ精度に対する要求を緩和することができる。これにより、液晶表示装置の生産性を向上させることができる。なお、図6(B)では、発明の理解を助けるため、第2の基板250に形成される第2のスペーサ層112を破線で示している。ここで、第2のスペーサ層112は、図1における第2のスペーサ層102と同程度の大きさである。
【0082】
なお、スペーサ層の大きさなどについては先の記載に限定して解釈されない。生産性を向上させることができる態様で、スペーサ層の大きさなどを適宜変更しても良い。例えば、第2のスペーサ層112を大型化し、第1のスペーサ層110は、図1における第1のスペーサ層100と同程度の大きさとすることができる。もちろん、第1のスペーサ層110と第2のスペーサ層112を共に大型化しても良い。
【0083】
上記において、スペーサ層の大型化とは、第1のスペーサ層(または第2のスペーサ層)の、第2のスペーサ層(または第1のスペーサ層)と接する領域を含む面の面積を拡大することを意味し、それ以外の意味における大型化を必ずしも含むものではない。例えば、スペーサ層の高さについては特に限定されず、大きくなっても良いし、小さくなっても良い。
【0084】
生産性の向上は、第1のスペーサ層110と第2のスペーサ層112のいずれかが大型化されることで実現され得るから、第1のスペーサ層と第2のスペーサ層との関係を、「第1のスペーサ層(または第2のスペーサ層)の、第2のスペーサ層(または第1のスペーサ層)と接する領域を含む面の面積が、第2のスペーサ層(または第1のスペーサ層)の、第1のスペーサ層(または第2のスペーサ層)と接する領域を含む面の面積より大きい」ということもできる。
【0085】
図7には、先の実施の形態と比較して形状を変化させた第1のスペーサ層120および第2のスペーサ層122を有する液晶表示装置を示す。第1のスペーサ層や第2のスペーサ層の形状を変化させることにより、第1の基板200と第2の基板250を貼り合わせる際の位置合わせ精度に対する要求を緩和することができる。これにより、液晶表示装置の生産性を向上させることができる。なお、図7(B)では、発明の理解を助けるため、第2の基板250に形成される第2のスペーサ層122を破線で示している。ここで、第1のスペーサ層120(または第2のスペーサ層122)は、第1の基板200の主表面(または第2の基板250の主表面)に垂直な方向から見て、略長方形となるように形成されている。また、第1のスペーサ層120と第2のスペーサ層122は、互いの長辺(上述の長方形における長辺)が交差する態様で設けられている。
【0086】
なお、スペーサ層の形状などについては先の記載に限定して解釈されない。生産性を向上させることができる態様で、スペーサ層の形状などを適宜変更しても良い。例えば、第1のスペーサ層120を、図6における第1のスペーサ層110と同様の形状、大きさとすることができる。もちろん、第1のスペーサ層120と第2のスペーサ層122の形状は、略長方形であることに限定されず、三角形、四角形、五角形等の多角形や、円形、楕円形など、各種形状に変更することが可能である。
【0087】
なお、スペーサ層の大きさや形状については、できる限り液晶の流動性を低下させないものであることが好ましい。例えば、図7におけるスペーサ層120を長辺方向に延長して、隣接するスペーサ層120と接続するような構成とすることも可能であるが、このような構成を採用する場合には、スペーサ層が液晶の流動性を低下させることになるため、液晶の粘度によっては、液晶材料の注入に多大な時間を要する場合があり、生産性が低下するおそれが生じる。このような問題を発生させないためにも、スペーサ層の大きさや形状は、液晶の流動性を低下させないものであることが好ましい。
【0088】
例えば、ブルー相を呈する液晶材料では、その粘度が1Pa・sec〜10Pa・sec程度(代表的には25℃において3Pa・sec)であるから、液晶材料の注入時間を考慮すれば、スペーサ層の最大幅(例えば、長辺方向の長さ)は画素の短辺方向の長さ未満とすることが望ましい。つまり、スペーサ層を隣接する画素ごとに設ける場合であっても、隣接するスペーサ層同士が接触しない程度の長さとする。例えば、画素が100μm×30μm程度の大きさであれば、スペーサ層の最大幅が30μm未満程度となるようにすれば良い。このような構成とすることにより、液晶の注入時間の増大を抑制することができる。つまり、生産性の向上という課題を解決することができる。なお、スペーサ層の最小幅(例えば、短辺方向の長さ)をスペーサ層の高さ未満とすることは作成工程上困難であるから、スペーサ層の最小幅はスペーサ層の高さ以上とすることが望ましい。例えば、スペーサ層の高さが3μmであれば、スペーサ層の最小幅は3μm以上とすれば良い。
【0089】
本実施の形態において示したように、開示する発明の一態様では、第1の基板上に形成された第1のスペーサ層と、第2の基板上に形成された第2のスペーサ層を用いることで、6μm以上(好ましくは10μm以上)のセル厚を確保した液晶表示装置を提供することができる。これにより、セル厚を大きくする必要がある液晶表示装置(例えば、ブルー相を用いた液晶表示装置など)においても、表示特性を向上させることができる。
【0090】
また、本実施の形態において示したように、第1のスペーサ層と第2のスペーサ層の大きさや形状を工夫することにより、液晶表示装置の生産性を向上させることができる。この効果は、粘度の高い液晶材料(例えば、その粘度が1Pa・sec〜10Pa・sec程度であるブルー相を示す液晶材料)を用いる場合などにおいて、特に顕著である。
【0091】
本実施の形態において示した構成・方法等は、他の実施の形態で示した構成・方法等と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0092】
(実施の形態4)
本実施の形態では、開示する発明の一態様である液晶表示装置の製造方法について、図8〜図10を参照して説明する。ここで、図9および図10のA−BおよびC−Dにおける断面が、図8(B)または図8(C)に相当する。なお、図9および図10においては、一部の構成を省略している。また、図8〜図10に示す製造方法は一例に過ぎず、他の製造方法を適用しても良い。
【0093】
また、本実施の形態に示す製造方法は、先の実施の形態において示した製造方法と重複する部分が多い。このため、本実施の形態においては、重複する部分についての説明は省略する。
【0094】
まず、先の実施の形態において説明した方法などにより、図3(E)の状態とする。そして、絶縁層222を選択的にエッチングして導電層216bに達する開口を形成した後、画素電極として機能する導電層224を選択的に形成する(図8(A)参照)。導電層224の詳細については、先の実施の形態を参照することができる。
【0095】
次に、第1の基板200上に第1のスペーサ層110(または第1のスペーサ層120)を形成する(図8(B)、図9、図10参照)。第1のスペーサ層110の詳細については、先の実施の形態を参照することができる。ここでは、大きさまたは形状が異なる第1のスペーサ層110(または第1のスペーサ層120)を形成する。
【0096】
第1のスペーサ層110(または第1のスペーサ層120)を形成した後に、絶縁層222、導電層224、第1のスペーサ層110(または第1のスペーサ層120)を覆うように、絶縁層226を形成する(図8(C)参照)。絶縁層226の詳細については、先の実施の形態を参照することができる。
【0097】
その後、上述の各種構成が設けられた第1の基板200と、共通電極(対向電極ともいう)を含む層290、第2のスペーサ層112(または第2のスペーサ層122)、絶縁層292などが設けられた第2の基板250とを、シール材などを用いて貼り合わせる(図8(D)参照)。当該工程の詳細についても、先の実施の形態を参照することができる。
【0098】
その後、貼り合わせられた第1の基板200と第2の基板250の間に液晶材料を注入し、液晶層260を形成する。液晶材料を注入した後には、注入口を紫外線硬化樹脂などを用いて封止する。液晶材料を第1の基板200または第2の基板250のいずれかに滴下した後に、これらの基板を貼り合わせても良い。以上の工程により、液晶表示装置が完成する。
【0099】
本実施の形態において示したように、第1の基板上に形成された第1のスペーサ層と、第2の基板上に形成された第2のスペーサ層を用いることで、6μm以上(好ましくは10μm以上)のセル厚を確保した液晶表示装置を提供することができる。これにより、セル厚を大きくする必要がある液晶表示装置(例えば、ブルー相を用いた液晶表示装置など)においても、表示特性を向上させることができる。
【0100】
また、本実施の形態において示したように、第1のスペーサ層と第2のスペーサ層の大きさや形状を工夫することにより、液晶表示装置の生産性を向上させることができる。この効果は、粘度の高い液晶材料(例えば、その粘度が1Pa・sec〜10Pa・sec程度であるブルー相を示す液晶材料)を用いる場合などにおいて、特に顕著である。
【0101】
本実施の形態において示した構成・方法等は、他の実施の形態で示した構成・方法等と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0102】
(実施の形態5)
本実施の形態では、液晶表示装置の一例を示す。なお、本明細書等における液晶表示装置には、コネクター、例えばFPC(Flexible printed circuit)もしくはTAB(Tape Automated Bonding)テープもしくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または表示素子にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュール等が含まれる。
【0103】
まず、液晶表示パネルの外観および断面について、図11を用いて説明する。図11(A1)および図11(A2)は、第1の基板4001上に形成された薄膜トランジスタ4010、薄膜トランジスタ4011、および液晶素子4013を、第2の基板4006との間にシール材4005によって封止したパネルの平面図であり、図11(B)は、図11(A1)および図11(A2)のM−Nにおける断面図に相当する。
【0104】
第1の基板4001上のシール材4005によって囲まれる領域とは異なる領域には、別途用意された基板上に単結晶半導体や多結晶半導体で形成された信号線駆動回路4003が実装されている。なお、別途形成した駆動回路の接続方法は、特に限定されるものではなく、COG方法、ワイヤボンディング方法、TAB方法などを適宜用いることができる。図11(A1)は、COG方法により信号線駆動回路4003を実装する例であり、図11(A2)は、TAB方法により信号線駆動回路4003を実装する例である。
【0105】
第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、走査線駆動回路4004は、薄膜トランジスタを複数有している。なお、図11(B)では、画素部4002に含まれる薄膜トランジスタ4010と、走査線駆動回路4004に含まれる薄膜トランジスタ4011とを例示している。薄膜トランジスタ4010、薄膜トランジスタ4011上には絶縁層4020、絶縁層4021が設けられている。
【0106】
薄膜トランジスタ4010や薄膜トランジスタ4011としては、例えば、In−Ga−Zn−O系の半導体を用いた薄膜トランジスタを適用することができる。もちろん、開示する発明の一態様はこれに限定されない。シリコンやガリウムを含む半導体や、有機半導体などを用いて薄膜トランジスタを形成しても良い。なお、本実施の形態において、薄膜トランジスタ4010および薄膜トランジスタ4011はnチャネル型薄膜トランジスタである。
【0107】
また、液晶素子4013が有する画素電極層4030は、薄膜トランジスタ4010と電気的に接続されている。そして、液晶素子4013の対向電極層4031は第2の基板4006上に形成されている。画素電極層4030と対向電極層4031と液晶層4008とが重なる部分が、液晶素子4013に相当する。なお、画素電極層4030および対向電極層4031の表面には、それぞれ、絶縁層4032、絶縁層4033が設けられている。絶縁層4032および絶縁層4033は、配向膜としての機能を有していても良い。なお、開示する発明の一態様は上述の構成に限定されない。例えば、横方向電界を用いる液晶表示装置の場合には、画素電極層と対向電極層がいずれも第1の基板4001側に形成されても良い。
【0108】
なお、第1の基板4001や第2の基板4006としては、ガラス、金属(代表的にはステンレス)、セラミックス、プラスチック等の材料からなる基板を用いることができる。プラスチックとしては、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)板、PVF(ポリビニルフルオライド)フィルム、ポリエステルフィルム、アクリル樹脂フィルムなどを用いることができる。アルミニウムホイルをPVFフィルムやポリエステルフィルムで挟んだ構造のシートなどを用いても良い。
【0109】
第1の基板4001および第2の基板4006にはそれぞれ、絶縁膜を選択的にエッチングすることで得られる柱状のスペーサ層4035およびスペーサ層4036が設けられている。これらは、画素電極層4030と対向電極層4031との間の距離(セル厚)を制御する機能を有する。開示する発明の一態様においては、このような二つのスペーサ層を用いているため、所望のセル厚を確保することが容易になる。
【0110】
対向電極層4031は、薄膜トランジスタ4010と同一基板上に設けられる共通電位線と電気的に接続される。共通接続部を用いて、一対の基板間に配置される導電性粒子を介して対向電極層4031と共通電位線とを電気的に接続することができる。なお、導電性粒子はシール材4005に含有させると良い。
【0111】
液晶層4008には、例えば、ブルー相を示す液晶を用いると良い。ブルー相は、液晶相の一つであり、極めて応答速度が高いという特徴を備えている。なお、ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、温度範囲を改善するために、5重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を用いて液晶層4008に用いると良い。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答時間が10μs〜100μsと短く(応答速度が極めて高く)、光学的等方性を有しているため配向処理が不要であり、視野角依存性が小さい。なお、開示する発明の一態様はこれに限定されない。ブルー相以外の液晶相を用いても良い。
【0112】
本実施の形態で示す液晶表示装置は透過型の液晶表示装置であるが、反射型の液晶表示装置としても良いし、透過型と反射型とを組み合わせた半透過型の液晶表示装置としても良い。また、偏光板は基板の外側(視認側)に設けても良いし、内側に設けても良い。着色層についても同様である。また、遮光機能を有するブラックマスク(ブラックマトリクス)を設けてもよい。
【0113】
なお、本実施の形態では、画素電極層4030が形成される表面の凹凸を低減して表示特性を向上させ、また、薄膜トランジスタの信頼性を向上させるために、薄膜トランジスタを、絶縁層4020や絶縁層4021で覆う構成としているが、開示する発明の一態様はこれに限定されない。ここで、絶縁層4020は、外部からの汚染不純物の侵入を防止する機能を有し、絶縁層4021は、画素電極層4030が形成される表面を平坦化する機能を有することが好ましい。
【0114】
より具体的には、絶縁層4020は、緻密な膜とすることが好ましい。例えば、スパッタ法やCVD法により、酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜、酸化アルミニウム膜、窒化アルミニウム膜、酸化窒化アルミニウム膜、窒化酸化アルミニウム膜等を、単層構造、または積層構造で形成すればよい。なお、絶縁層4020の構成は、上記の構成に特に限定されない。
【0115】
また、絶縁層4021は、ポリイミド、アクリル、ベンゾシクロブテン、ポリアミド、エポキシ等の、耐熱性を有する有機材料を用いて形成することができる。上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)、シロキサン系樹脂、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)等を用いても良い。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、絶縁層4021を形成してもよい。
【0116】
画素電極層4030、対向電極層4031は、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの、透光性を有する導電性材料を用いて形成することができる。
【0117】
また、画素電極層4030、対向電極層4031を、導電性高分子(導電性ポリマーともいう)を含む導電性組成物を用いて形成しても良い。導電性組成物を用いて形成した画素電極層や対向電極層は、シート抵抗が1.0×10Ω/sq.以下、波長550nmにおける透光率が70%以上であることが好ましい。また、導電性組成物に含まれる導電性高分子の抵抗率が0.1Ω・cm以下であることが好ましい。
【0118】
導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子が用いることができる。例えば、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリピロールもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、またはこれらの2種以上の共重合体などを用いれば良い。
【0119】
別途形成された信号線駆動回路4003や、走査線駆動回路4004、画素部4002などに与えられる各種信号は、FPC4018から供給されている。FPC4018が有する端子は、異方性導電膜4019を介して、接続端子電極4015と電気的に接続されている。なお、本実施の形態では、接続端子電極4015は、液晶素子4013が有する画素電極層4030と同じ導電膜から形成され、端子電極4016は、薄膜トランジスタ4010や薄膜トランジスタ4011のソース電極層やドレイン電極層と同じ導電膜で形成されている。
【0120】
図11においては、信号線駆動回路4003を別途形成し、第1の基板4001に実装する例を示しているが、開示する発明の一態様はこれに限定されない。走査線駆動回路を別途形成して実装しても良いし、信号線駆動回路の一部または走査線駆動回路の一部のみを別途形成して実装しても良い。
【0121】
図12は、上述のような液晶表示パネルを用いて液晶表示モジュールを構成する一例を示している。
【0122】
液晶表示モジュールは、第1の基板2600と第2の基板2601がシール材により固着され、その間に薄膜トランジスタ等を含む素子部2603、液晶を含む液晶層2604、着色層2605等を備えている。また、第1の基板2600及び第2の基板2601は偏光板2606、偏光板2607を備えている。着色層2605はカラー表示を行う場合に必要であり、RGB方式の場合は、赤、緑、青の各色に対応した着色層が各画素に対応して設けられる。第1の基板2600の外側には、偏光板2607の他、拡散板2613などが設けられている。光源は冷陰極管2610と反射板2611により構成され、回路基板2612には、コントロール回路や電源回路などが組み込まれており、フレキシブル配線基板2609により第1の基板2600の配線回路部2608と接続されている。偏光板と、液晶層との間には、位相差板を設けても良い。
【0123】
また、液晶の駆動方式として、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、MVA(Multi−domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optical Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モード、コレステリック液晶(Cholesteric Liquid Crystal)モード、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)モード、PNLC(Polymer Network Liquid Crystal)モードなどを用いても良い。
【0124】
以上、開示する発明の一態様では、所望のセル厚(液晶層の厚み)を確保することが可能であるため、優れた表示特性を有する液晶表示装置を提供することができる。
【0125】
本実施の形態において示した構成・方法等は、他の実施の形態で示した構成・方法等と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0126】
(実施の形態6)
本実施の形態では、開示する発明の一態様である液晶表示装置について、図13および図14を参照して説明する。ここで、図13(A)のA−BおよびC−Dにおける断面が、図13(B)に相当する。なお、図13(A)においては、一部の構成を省略している。
【0127】
基本的な構成や製造工程については、先の実施の形態において説明したものと同様であるため省略する。本実施の形態において示す液晶表示装置は、共通電極として機能する導電層228が第1の基板200側に設けられており、画素電極として機能する導電層224と導電層228との間に横方向(第1の基板200の主表面と略平行な方向)の電界が発生する点で、先の実施の形態において示した液晶表示装置とは異なっている。
【0128】
導電層228は、導電層224を形成する際に併せて形成することができる。または、導電層228は、導電層202を形成する際に、併せて形成しても良い。同様に、導電層216aや導電層216bを形成する際に形成することもできる。本実施の形態においては導電層228を導電層224と同様に形成する場合について示しているが、開示する発明の一態様はこれに限定されない。詳細については、各導電層の形成工程に関する説明を参照することができる。なお、本実施の形態において示すような横電界を用いる液晶表示装置においては、第2の基板250側に共通電極を形成する必要がない。このため、本実施の形態においては、層290に共通電極は含まれていない。
【0129】
本実施の形態においては、導電層224と導電層228が互いに噛み合うような形状を取っているが、開示する発明の一態様はこれに限定して解釈されない。図14には、横電界を用いる液晶表示装置に適用が可能な電極形状の例を示している。なお、図14に示す導電層224と導電層228の関係は入れ替えても構わない。また、用いることができる電極の形状はこれに限定されない。ここで、図14(A)、図14(B)、図14(C)のような電極形状とする場合には、導電層224と導電層228とが一部において重畳する。このため、導電層224と導電層228とは異なる層で形成することが望ましい。
【0130】
本実施の形態において示したように、第1の基板上に形成された第1のスペーサ層と、第2の基板上に形成された第2のスペーサ層を用いることで、6μm以上(好ましくは10μm以上)のセル厚を確保した液晶表示装置を提供することができる。これにより、セル厚を大きくする必要がある液晶表示装置(例えば、ブルー相を用いた液晶表示装置など)においても、表示特性を向上させることができる。特に、横電界を用いた駆動方式を採用することで、表示特性のより一層の向上が可能である。
【0131】
また、本実施の形態において示したように、第1のスペーサ層と第2のスペーサ層の大きさや形状を工夫することにより、液晶表示装置の生産性を向上させることができる。この効果は、粘度の高い液晶材料(例えば、ブルー相を示す液晶材料)を用いる場合などで、特に顕著である。
【0132】
本実施の形態において示した構成・方法等は、他の実施の形態で示した構成・方法等と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0133】
100 スペーサ層
102 スペーサ層
110 スペーサ層
112 スペーサ層
120 スペーサ層
122 スペーサ層
200 基板
202 導電層
204 ゲート絶縁層
206 半導体層
208 レジストマスク
210 半導体層
212 導電層
214a レジストマスク
214b レジストマスク
216a 導電層
216b 導電層
220 領域
222 絶縁層
224 導電層
226 絶縁層
228 導電層
240 層
250 基板
260 液晶層
290 層
292 絶縁層
2600 基板
2601 基板
2603 素子部
2604 液晶層
2605 着色層
2606 偏光板
2607 偏光板
2608 配線回路部
2609 フレキシブル配線基板
2610 冷陰極管
2611 反射板
2612 回路基板
2613 拡散板
4001 基板
4002 画素部
4003 信号線駆動回路
4004 走査線駆動回路
4005 シール材
4006 基板
4008 液晶層
4010 薄膜トランジスタ
4011 薄膜トランジスタ
4013 液晶素子
4015 接続端子電極
4016 端子電極
4018 FPC
4019 異方性導電膜
4020 絶縁層
4021 絶縁層
4030 画素電極層
4031 対向電極層
4032 絶縁層
4033 絶縁層
4035 スペーサ層
4036 スペーサ層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板と、
第2の基板と、
前記第1の基板上に形成された第1のスペーサ層と、
前記第2の基板上に形成された第2のスペーサ層と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間の、液晶を含む液晶層と、を有し、
前記第1のスペーサ層と前記第2のスペーサ層とが接することで、前記液晶層の厚みが6μm以上となるように制御されており、
白表示条件における前記液晶層の複屈折Δnが0.05以下であることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
第1の基板と、
第2の基板と、
前記第1の基板上に形成された第1のスペーサ層と、
前記第2の基板上に形成された第2のスペーサ層と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間の、液晶を含む液晶層と、を有し、
前記第1のスペーサ層と前記第2のスペーサ層とが接することで、前記液晶層の厚みが6μm以上となるように制御されており、
前記液晶層のカー係数が1×10−9mV−2以上であることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項3】
第1の基板と、
第2の基板と、
前記第1の基板上に形成された第1のスペーサ層と、
前記第2の基板上に形成された第2のスペーサ層と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間の、液晶を含む液晶層と、を有し、
前記第1のスペーサ層と前記第2のスペーサ層とが接することで、前記液晶層の厚みが6μm以上となるように制御されており、
所定の条件においては、3.0×10V/m以上の電界によって駆動されることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項4】
第1の基板と、
第2の基板と、
前記第1の基板上に形成された第1のスペーサ層と、
前記第2の基板上に形成された第2のスペーサ層と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間の、液晶を含む液晶層と、を有し、
前記第1のスペーサ層と前記第2のスペーサ層とが接することで、前記液晶層の厚みが6μm以上となるように制御されており、
白表示条件における前記液晶層の複屈折Δnが0.05以下であり、
前記液晶層のカー係数が1×10−9mV−2以上であり、
所定の条件においては、3.0×10V/m以上の電界によって駆動されることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
前記第1のスペーサ層の、前記第2のスペーサ層と接する領域を含む面の面積は、前記第2のスペーサ層の、前記第1のスペーサ層と接する領域を含む面の面積より大きいことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
前記第1のスペーサ層は前記第1の基板の主表面と平行な面内において、長辺と短辺とを有し、
前記第2のスペーサ層は前記第2の基板の主表面と平行な面内において、長辺と短辺とを有し、
前記第1のスペーサ層と前記第2のスペーサ層は、互いの長辺が交差するように接することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記第1のスペーサ層および前記第2のスペーサ層の長辺方向の長さは、画素の短辺方向の長さより短いことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一において、
前記液晶層の液晶相として、ブルー相を用いたことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか一において、
前記第1の基板上に画素電極および共通電極を設けたことを特徴とする液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−237660(P2010−237660A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−48750(P2010−48750)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】