説明

液晶表示装置

【課題】コストの上昇を抑えて画質の向上を図ることができる液晶表示装置を提供する。
【解決手段】LEDパネルの1つの発光領域304に対応してシャッタ領域203が少なくとも該発光領域304におけるLED303の数よりも多い数が配置されている。そして、カラー液晶パネルに表示される表示領域毎の画像の階調が分析結果に基づいて、分析された画像の階調に基づいてシャッタ領域203毎の階調が決定され、これに基づいてシャッタ領域203がそれぞれ駆動される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックライト装置を備えた液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置に用いられるバックライト装置の光源として、従来の冷陰極蛍光管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)に代わって、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)が用いられるようになっている。このようなバックライト装置を用いた液晶表示装置では、発熱量及び消費電力が抑制されるので、広く実用化されてきている。
【0003】
また、この種の液晶表示装置の中には、バックライト装置を複数の領域に分割し、各領域にそれぞれ複数のLEDを備えるとともに、液晶パネルをバックライト装置の各領域に対応して複数の領域に分割し、液晶パネルの領域毎に階調を検出し、検出結果に応じた発光輝度にて領域毎にLEDの発光制御を行うものがある(特許文献1)。
かかる液晶表示装置によれば、コントラスト比の高い、よりきめ細かな画質の画像を表示することができる。そして、このことは、LEDの数を多くし、分割する領域の数を多くするほど、その効果は高くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−304907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献に開示された液晶表示装置の構成によれば、高画質を追求するためには、LEDをそれだけ多く設けなければならず、限られた配置スペースでは、設けられるLEDの数にも限界がある。
【0006】
本発明の課題は、LEDなどの発光体の数を増やすことなく、画質の向上を図ることができる液晶表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルの背面側に設けられ、前記液晶表示パネルに光を照射する発光体が複数配置されたバックライト装置と、を備えた液晶表示装置において、
前記液晶表示パネルと前記バックライト装置との間に設けられ、前記バックライト装置における1又は複数の発光体により形成される発光領域に対応して少なくとも該発光領域における発光体の数よりも多い数のシャッタ領域を構成して前記バックライト装置からの光の透過及び遮断をシャッタ領域毎に独立して切り換え可能に構成された液晶シャッタ装置と、
前記液晶シャッタ装置の駆動制御を行うシャッタ制御手段と、
前記液晶シャッタ装置の各シャッタ領域に対応した前記液晶表示パネルにおける表示領域毎の画像の階調を分析する画像分析手段と、
前記画像分析手段による画像の階調分析結果に基づいて前記液晶シャッタ装置のシャッタ領域毎の階調を決定する階調決定手段と、を備え、
前記シャッタ制御手段は、前記階調決定手段によって決定した階調に従って、前記液晶シャッタ装置をシャッタ領域毎に駆動制御することを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の液晶表示装置であって、前記バックライト装置における発光体又は発光領域毎の輝度補正値を記憶する補正値記憶手段を備え、
前記階調決定手段は、前記補正値記憶手段に記憶された前記バックライト装置における発光体又は発光領域毎の補正値に基づき、決定した前記液晶シャッタのシャッタ領域毎の階調に対して補正を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、LEDなどの発光体の数を増やすことなく、画質の向上を図ることができる液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る液晶表示装置の要部構成の概略を表す概略図である。
【図2】本発明の実施形態に係る液晶表示装置の機能を表す機能ブロック図である。
【図3】カラー液晶パネル・液晶シャッタパネル・LEDパネルの各領域を説明する図である。
【図4】液晶シャッタパネルの領域とLEDパネルの領域との関係を説明する図である。
【図5】本発明の実施形態に係る表示コントローラで実行される画像分析処理を表すフローチャートを表す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る液晶表示装置における輝度の調整を説明する図である。
【図7】本発明の実施形態に係る液晶表示装置における輝度の調整を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。
【0012】
図1に示すように、液晶表示装置1は、後面側から、LEDパネル300、偏光板401、シャッタ液晶パネル200、液晶表示パネルとしてのカラー液晶パネル100、偏光板402が奥行き方向に重合して配置されている。
【0013】
LEDパネル300は、白色点灯する発光体としてのLED303がマトリクス状に複数配置され、図示しないクロック信号線、データ信号線などの電極が形成されている。そして、このように構成されたLEDパネル300は、クロック信号線及びデータ信号線への電圧の印加により、LED303を発光し、カラー液晶パネル100の光源となって、背後から光を照射する。このLEDパネル300は、図2(a)に示すように、複数の発光領域304に分割され、各発光領域304には、LED303が1つずつ割り当てられている。なお、この発光領域304に複数のLED303を割り当てるようにしてもよい。
このように、LEDパネル300は、液晶表示パネルの背面側に設けられ、液晶表示パネルに光を照射する発光体が複数配置されたバックライト装置を構成する。
【0014】
シャッタ液晶パネル200は、図示しない2枚のガラス基板の間に液晶セルやゲートライン204、ソースライン205(図3参照)などの透明電極が形成されている。そして、このように構成されたシャッタ液晶パネル200は、ゲートライン204及びソースライン205への電圧の印加によって液晶セルを駆動し、背面からの光の全部または一部を遮蔽あるいは透過させるものである。このシャッタ液晶パネル200は、図2(b)に示すように、複数のシャッタ領域203に分割され、シャッタ領域203毎に液晶セルの駆動が可能となっている。また、後述するように、1つのLED303について9つのシャッタ領域203が対応して設けられている。
このように、シャッタ液晶パネル200は、液晶表示パネルとバックライト装置との間に設けられ、バックライト装置における1又は複数の発光体により形成される発光領域に対応して少なくとも該発光領域における発光体の数よりも多い数のシャッタ領域を構成してバックライト装置からの光の透過及び遮断をシャッタ領域毎に独立して切り替え可能に構成された液晶シャッタ装置を構成する。
【0015】
カラー液晶パネル100は、特に図示はしないが、2枚のガラス基板の間に液晶セルやゲートライン、ソースラインなどの透明電極が形成されている。そして、このように構成されたカラー液晶パネル100は、ゲートライン及びソースラインへの電圧の印加により、液晶セルを駆動する。このカラー液晶パネル100は、図2(c)に示すように、複数の表示領域103に分割され、シャッタ液晶パネル200のシャッタ領域203にそれぞれ対応するようになっている。
【0016】
偏光板401は、LEDパネル300から照射される光のうち、水平方向に偏光する光を通過させるものである。
偏光板402は、偏光板401を通過した光のうち、液晶シャッタパネル200及びカラー液晶パネル100によって垂直方向に偏光された光を通過させるものである。
【0017】
次に図2及び図3を参照して、カラー液晶パネル100、シャッタ液晶パネル200、LEDパネル300がそれぞれ構成する領域について説明する。
【0018】
カラー液晶パネル100が構成する表示領域103の背面側には、カラー液晶パネル100の表示領域103に相当する大きさのシャッタ液晶パネル200のシャッタ領域203が重合して配置される。また、その背面側には、カラー液晶パネル100の複数の表示領域(3×3)と略同一の大きさからなるLEDパネル300の発光領域304が重合して配置される。すなわち、1つのLED303に対して9つのシャッタ領域が割り当てられている。
【0019】
LEDパネル300の発光領域304の中央には、LED303が配置されており、図3において破線で示すように、この1つのLED303の光がLEDパネル300の1つの発光領域304のおよそ全体を照射するように構成されている。また、このLED303の発光輝度については、対応するカラー液晶パネル100の3×3の複数の表示領域103に表示される画像の階調に基づいて、バックライト制御部14にて決定される。また、LED303の発光輝度の調整については、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)制御などによって、LED303へ流れる電流のパルス幅を変調させることにより実現できる。
【0020】
シャッタ液晶パネル200は、図3に示すように、シャッタ領域203毎にそれぞれゲートライン204とソースライン205とが接続されており、シャッタ領域203毎に独立して液晶セルの駆動を行うことができるように構成されている。また、シャッタ液晶パネル200は、カラー液晶パネル100の表示領域103毎の画像の階調に基づいて、後述するシャッタ液晶制御部13がソースライン205の電圧を変化させるように制御することで、シャッタ領域203毎に透過度が調整される。
【0021】
このような構成により、例えば、カラー液晶パネル100の、LEDパネル300の1つの発光領域304に対応する3×3の複数の表示領域103において、カラー液晶パネル100上の異なる表示領域103にそれぞれ同一階調による画像の表示を行い、シャッタ液晶パネル200の透過度をシャッタ領域203毎に異ならせることにより、カラー液晶パネル100の表示領域103毎に異なる色を表現することが可能となる。つまり本実施形態に係る液晶表示装置1では、LED303を増やさずに、カラー液晶パネル100においてより細かい色の表現ができるように制御することが可能となる。
【0022】
次に、図4を参照しながら、本実施形態の液晶表示装置1の要部構成について説明する。
【0023】
図4に示すように、液晶表示装置1は、カラー液晶パネル100とシャッタ液晶パネル200とLEDパネル300とこれらを駆動制御する表示コントローラ10とを備えている。
【0024】
表示コントローラ10は、入力した映像信号に基づき、カラー液晶パネル100に表示される表示領域103毎の画像の階調の分析を行う画像分析部11と、画像分析部11の分析結果に基づいて、色調の補正などを行う画像処理部12と、画像分析部11の分析結果に基づいて、シャッタ液晶パネル200のシャッタ領域203毎の透過度(階調)の決定などを行うシャッタ液晶制御部13と、画像分析部11の分析結果に基づいて、LEDパネル300の発光領域304毎の輝度の決定などを行うバックライト制御部14と、LEDパネル300に設けられたLED303毎に対応づけて設定された補正値などを記憶するメモリ15などを備えている。このメモリ15に記憶された補正値は、LEDパネル300に取り付けられたLED303を所定の輝度測定器を用いて計測した輝度に基づいて、予め記憶されたものである。
具体的には、補正値は、LEDパネル300に取り付けられたLED303の輝度のバラツキを補正する値であり、輝度のバラツキのある複数のLED303にそれぞれ同一のパルス幅の電流を供給し、複数のLED303それぞれから出力される光がシャッタ液晶パネル200を通過した後に、それぞれのLED303から出力された光の輝度が等しくなるような値に設定されている。
なお、1つの発光領域304について複数のLED303を設けた場合には、当該発光領域304全体の輝度に基づいた補正値をメモリ15に記憶するようにしてもよい。
このように画像分析部11は、液晶シャッタ装置の各シャッタ領域に対応した液晶表示パネルにおける表示領域毎の画像の階調を分析する画像分析手段を構成する。
また、シャッタ液晶制御部13は、液晶シャッタ装置の駆動制御を行うシャッタ制御手段を構成する。
また、シャッタ液晶制御部13は、画像分析手段による画像の階調分析結果に基づいて液晶シャッタ装置のシャッタ領域毎の階調を決定する階調決定手段を構成する。
また、メモリ15は、バックライト装置における発光体又は発光領域毎の輝度補正値を記憶する補正値記憶手段を構成する。
【0025】
カラー液晶パネル100には、画像処理部12からの信号に応じてカラー液晶パネル100の複数のゲートラインに個別に信号電圧を印加するゲートドライバ101及び複数のソースラインに個別に信号電圧を印加するソースドライバ102が接続されている。
【0026】
シャッタ液晶パネル200には、シャッタ液晶制御部13からの信号に応じてシャッタ液晶パネル200の複数のゲートライン204に個別に信号電圧を印加するゲートドライバ201及び複数のソースライン205に個別に信号電圧を印加するソースドライバ202が接続されている。
【0027】
LEDパネル300には、バックライト制御部14からの信号に応じてLEDパネル300の複数のクロック信号線に個別に信号電圧を印加するドライバ301及び複数のデータ信号線に個別に信号電圧を印加するドライバ302が接続されている。
【0028】
次に、表示コントローラ10において実行される画像分析処理について、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0029】
まず、表示コントローラ10は、画像分析部11が外部から1フレーム分の映像信号を入力したか否かを判定する(ステップS10)。
表示コントローラ10は、ステップS10において、映像信号を入力したと判定したとき(ステップS10;Y)は、ステップS11の処理を行い、映像信号を入力したと判定しなかったとき(ステップS10;N)は、再度ステップS10の処理を実行する。
【0030】
次に、表示コントローラ10は、入力した映像信号に基づいて、カラー液晶パネル100の表示領域103毎に階調の分析を画像分析部11にて行い、その分析結果を画像処理部12、シャッタ液晶制御部13及びバックライト制御部14に送る(ステップS11)。
【0031】
次に、表示コントローラ10は、バックライト制御部14に送られたカラー液晶パネル100の表示領域103毎の画像の階調の分析結果に基づいて、バックライト制御部14にてLEDパネル300の発光領域304毎の輝度を決定する(ステップ12)。バックライト制御部14は、例えば、対応する表示領域103における階調の最も高い画像に基づいて輝度を決定し、階調が高いほど、輝度が高くなるように決定される。
【0032】
次に、表示コントローラ10は、シャッタ液晶制御部13にてメモリ15からLEDパネル300のLED303毎の補正値を読み出す(ステップS13)。
そして、表示コントローラ10は、シャッタ液晶制御部13へ送られたカラー液晶パネル100の表示領域103毎の画像の階調の分析結果、及び、メモリ15より読みだされたLEDの補正値に基づいて、シャッタ液晶制御部13にてシャッタ液晶パネル200のシャッタ領域203毎の透過度を決定する(ステップS14)。シャッタ液晶制御部1は、例えば、対応する表示領域103における階調の平均に基づいてシャッタ領域203の透過度(階調)を決定し、表示領域103の階調の平均が高いほど、透過度が高くなるように決定される。
【0033】
次に、表示コントローラ10は、画像処理部12にて画像分析部11より送られたカラー液晶パネル100の表示領域103毎の画像の階調の分析結果に基づいて、所定の色調補正を行う(ステップS15)。
【0034】
そして、表示コントローラ10は、画像処理部12、シャッタ液晶制御部13及びバックライト制御部14にてそれぞれ決定した内容に基づいて、カラー液晶パネル100、シャッタ液晶パネル200及びLEDパネル300にそれぞれ信号の送信を行う(ステップS16)。すなわち、表示コントローラ10は、カラー液晶パネル100からソースドライバ101及びゲートドライバ102に信号の送信を行い、シャッタ液晶パネル200からソースドライバ201及びゲートドライバ202に信号の送信を行い、LEDパネル300からドライバ301及びドライバ302に信号の送信を行う。
以上のようにして、カラー液晶パネル100、シャッタ液晶パネル200、LEDパネル300の駆動制御が行われる。
【0035】
以上のような構成による液晶表示装置1における、具体的な領域毎の明暗制御について、図6及び図7を参照して説明する。
【0036】
図6(a)に示すように、カラー液晶表示パネル100における3×3の複数の表示領域103上には、山を模した画像が表示されている。この表示領域上に表示されている山の画像は濃い緑にて表示され、その階調は低いものである。一方、山の画像以外の画像は、黄色にて表示され、その階調は高いものである。そして、バックライト制御部13は、このカラー液晶表示パネル100の複数の表示領域103に対応するLEDパネル300の1つの発光領域304における発光輝度を、黄色で表示されている部分の階調に基づき、90に決定する。その結果、図6(b)に示すように、決定された輝度90の大きさでLED303が発光する。なお、ここでは、輝度の最大値を100としている。また、上記カラー液晶表示パネル100の複数の表示領域103に対応するシャッタ液晶パネル200の複数のシャッタ領域203のそれぞれにおいては、図6(c)に示すように、カラー液晶表示パネル100の表示領域103毎に表示される画像の階調の平均に基づいて透過度を決定し、決定した透過度に応じた電圧を対応するシャッタ領域203のソースライン205に印加することによってシャッタ領域203毎に透過度を変化させている。
その結果、図6(d)に示すように、カラー液晶パネル100の表示領域103毎に異なる輝度にて画像が表示されることになる。
【0037】
ここで、LED303は、その特性によりLED303毎に輝度のばらつきが生じることがある。そこで、本実施形態では、LED303毎に対応して予め補正値が記憶されたメモリ15を備え、この補正値に基づいて、シャッタ液晶パネル200における透過度の調整を行っている。
【0038】
図7(a)に示すように、カラー液晶表示パネル100における3×3の複数の表示領域103上には、図6(a)と同様、山を模した画像が表示されている。そして、このカラー液晶表示パネル100の複数の表示領域103に対応するLEDパネル300の1つの発光領域304では、図7(b)に示すように、図6(b)と同様、輝度90の大きさでLED303が発光している。ただし、このLED303は、図6(b)に示したものよりも輝度がわずかに弱いという特性を有している。
そこで、本実施形態では、上記カラー液晶表示パネル100の複数の表示領域103に対応するシャッタ液晶パネル200の複数のシャッタ領域203のそれぞれについて、図6(c)に示す透過度に、最大値を100として、各シャッタ領域の透過度を、例えば10ずつ高めるように補正し、図7(c)に示すように、最終的な透過度を決定するようにしている。
その結果、図7(d)に示すように、カラー液晶パネル100の複数の表示領域103に表れる輝度は、図6(d)に示すものよりも高くなる。
【0039】
以上説明したように、本実施形態によれば、カラー液晶パネル100とLEDパネル300との間に、シャッタ領域203毎に光の透過及び遮断を切り替え可能なシャッタ液晶パネル200が設けられている。そして、LEDパネル300の1つの発光領域304に対応してシャッタ領域203が少なくとも該発光領域304におけるLED303の数よりも多い数が配置されている。そして、表示コントローラ10の画像分析部11においてカラー液晶パネル100に表示される表示領域103毎の画像の階調が分析される。そして、シャッタ液晶制御部13により、分析された画像の階調に基づいてシャッタ液晶パネル200におけるシャッタ領域203毎の階調が決定され、これに基づいてシャッタ液晶パネル200がシャッタ領域203毎に駆動制御される。その結果、LED303を増加させなくても、より細かな輝度調整が可能となるので、よりきめ細かな画質の画像を表示することができる。よって、発光体の数を増やさないで画質の向上を図ることができる。
【0040】
また、本実施形態によれば、LEDパネル300のLED303又は発光領域304毎の補正値がメモリ15に記憶されているので、LED303の特性に基づいて補正を行うことが可能となり、カラー液晶パネル100に表示される画像の輝度の均一化が図れるようになる。
【0041】
なお、本実施形態では、発光体として白色発光するLED303を用いたが、RGBの各色について輝度の調整が可能なフルカラーLEDを用いてもよい。
【0042】
また、本実施形態では、補正値を予めメモリ15に記憶し、これに基づいてシャッタ液晶パネル200における階調の補正を行うようにしたが、例えば、フォトダイオード等の輝度検出器をLEDパネル300に設け、これによって輝度の検出を行い、検出結果に基づいてシャッタ液晶パネル200における階調の補正を行うようにしてもよい。
【0043】
また、本実施形態では、カラー液晶パネル100及びシャッタ液晶パネル200について、それぞれ液晶及び透明電極を2枚のガラス基板にて圧着する構造としたが、2枚のガラス基板にてカラー液晶パネル100の液晶及び透明電極とシャッタ液晶パネル200の液晶及び透明電極とを圧着し、一体の液晶パネルとして構成するようにしてもよい。また、この場合、各液晶の保護のため、カラー液晶パネル100の液晶及び透明電極とシャッタ液晶パネル200の液晶及び透明電極との間にガラス板を1枚挟着させて一体にしてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 液晶表示装置
10 表示コントローラ
11 画像分析部(画像分析手段、階調決定手段)
12 画像処理部
13 シャッタ液晶制御部
14 バックライト制御部
15 メモリ(補正値記憶手段)
100 カラー液晶パネル(液晶表示パネル)
103 表示領域
200 シャッタ液晶パネル(液晶シャッタ装置)
203 シャッタ領域
300 LEDパネル(バックライト装置)
303 LED(発光体)
304 発光領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルの背面側に設けられ、前記液晶表示パネルに光を照射する発光体が複数配置されたバックライト装置と、を備えた液晶表示装置において、
前記液晶表示パネルと前記バックライト装置との間に設けられ、前記バックライト装置における1又は複数の発光体により形成される発光領域に対応して少なくとも該発光領域における発光体の数よりも多い数のシャッタ領域を構成して前記バックライト装置からの光の透過及び遮断をシャッタ領域毎に独立して切り換え可能に構成された液晶シャッタ装置と、
前記液晶シャッタ装置の駆動制御を行うシャッタ制御手段と、
前記液晶シャッタ装置の各シャッタ領域に対応した前記液晶表示パネルにおける表示領域毎の画像の階調を分析する画像分析手段と、
前記画像分析手段による画像の階調分析結果に基づいて前記液晶シャッタ装置のシャッタ領域毎の階調を決定する階調決定手段と、を備え、
前記シャッタ制御手段は、前記階調決定手段によって決定した階調に従って、前記液晶シャッタ装置をシャッタ領域毎に駆動制御することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記バックライト装置における発光体又は発光領域毎の輝度補正値を記憶する補正値記憶手段を備え、
前記階調決定手段は、前記補正値記憶手段に記憶された前記バックライト装置における発光体又は発光領域毎の補正値に基づき、決定した前記液晶シャッタのシャッタ領域毎の階調に対して補正を行うことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−22360(P2011−22360A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−167323(P2009−167323)
【出願日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】