説明

液晶表示装置

【課題】IPS方式の液晶パネルに帯電する電位を効率よく放電する液晶表示装置を提供する。
【解決手段】それぞれが画素電極と対向電極とを有する対の電極を複数有する第一基板3と、第一基板3と対向し液晶層を第一基板3とで挟み込むようになっている第二基板2と、第二基板2上に配置されている偏光板1とを有するIPS型液晶パネル20と、接着層11によって偏光板1に接着されるタッチパネル7と、第一基板3と第二基板2とが対向している領域を除いた第一基板3の液晶層側表面の領域上に形成されたグランド電極と、第二基板2上に形成された導電フィルムとを互いに接続する導電テープ15とを有し、平面視において、タッチパネル7は第二基板2上に配置されている導電テープを覆っている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、携帯ゲーム機、ディジタルカメラ、PDA(Personal
Digital Assistant)などの携帯装置には、液晶パネル、タッチパネル、およびフロントウィンドウが積層された液晶表示装置を採用するものがある。この液晶表示装置は、液晶パネルとタッチパネルとが粘着材で貼り合わされ、さらにタッチパネルとフロントウィンドウとが粘着材で貼り合わされた構造(以下「3段重ねハイブリッド構造」という)を有する。
【0003】
ここで、図5〜12に基づき、3段重ねハイブリッド構造を有する従来の液晶表示装置の一例である携帯電話用液晶表示モジュールの構成を説明する。
【0004】
図5は、従来の携帯電話用液晶表示モジュールの偏光板1が露出した状態(タッチパネル7およびフロントウィンドウ9を貼り合わせる前の状態)を示す図である。図6は、図5に示す偏光板1の上にタッチパネル7を貼り合わせた状態(フロントウィンドウ9を貼り合わせる前の状態)を示す図である。図7は、図6に示すタッチパネル7の上にさらにフロントウィンドウ9を貼り合わせた3段重ねハイブリッド構造を有する携帯電話用液晶表示モジュールの上面図である。図8は、図6に示す携帯電話用液晶表示モジュールのVIII−VIII線での断面図である。図9は、図6に示す携帯電話用液晶表示モジュールのIX−IX線での断面図である。
【0005】
図5〜9に示すように、従来の携帯電話用液晶表示モジュールは、図示しない液晶層を挟持するガラス基板2,3とガラス基板2上に配置された偏光板1とを含む液晶パネル20、ガラス基板3上に搭載された半導体チップ4、半導体チップ4に電気的に接続された液晶パネル用FPC(Flexible Printed Circuit:フレキシブル配線基板)5、液晶パネル20を支持する樹脂モールド6、反射シート10、粘着層(紫外線硬化型粘着材)11を介して偏光板1に接着された、偏光板1よりサイズの大きい静電容量方式のタッチパネル7、タッチパネル用FPC8、および粘着層(紫外線硬化型粘着材)12を介してタッチパネル7に接着された、タッチパネル7よりさらにサイズの大きいフロントウィンドウ9を含んで構成されている。
【0006】
図10は、3段重ねハイブリッド構造を有する従来の他の携帯電話用液晶表示モジュールの上面図である。図11は、図10に示す携帯電話用液晶表示モジュールのXI−XI線での断面図である。図12は、図10に示す携帯電話用液晶表示モジュールのXII−XII線での断面図である。図10〜12に示す携帯電話用液晶表示モジュールは、偏光板1と同等のサイズを有するフロントウィンドウ13を含むことを除いて、図7〜9に示した携帯電話用液晶表示モジュールと同様の構成を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−251159号公報
【特許文献2】特開2008−83491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の液晶表示装置には次のような複数の課題がある。ここでは、図10〜12に示した携帯電話用液晶表示モジュールを例に従来の課題を説明する。
【0009】
(1)従来の携帯電話用液晶表示モジュールでは、図13(a)に示すように、剛性の液晶パネル20と剛性のタッチパネル7、および剛性のタッチパネル7と剛性のフロントウィンドウ13、が紫外線硬化型粘着材11,12でそれぞれ接着されている。しかしながら、紫外線照射前の紫外線硬化型粘着材11,12は、反りのある弾性層を矯正して剛体層に接着させるだけの粘着力を有していない。このため、図13(b)に示すように、反りやすいアクリルなどの弾性材料で構成されるフロントウィンドウ23と剛性のタッチパネル7とを貼り合わせる材料として紫外線硬化型粘着材11,12を用いると、フロントウィンドウ23がタッチパネル7に密着しないことがある。
【0010】
(2)半導体チップ4は、携帯電話の落下による衝撃などで割れや破損に至りやすい。このような割れや破損を防止するには、半導体チップ4をできるだけ厚くすればよい。しかしながら、逆に半導体チップ4を厚くしすぎると、タッチパネル7が半導体チップ4の上方まで張り出している場合に(図11参照)、図14に示すように、液晶パネル20に対して傾斜して接着されたタッチパネル7と半導体チップ4とが接触してしまうことがある。
【0011】
(3)また、タッチパネル7が半導体チップ4の上方まで張り出していると(図11参照)、フロントウィンドウ9端部への加圧またはフロントウィンドウ9の瞬間的なたわみなどに応じて、図15に示すように、タッチパネル7の一端(半導体チップ4側端)が半導体チップ4の上面に衝突し、半導体チップ4が破損してしまうことがある。
【0012】
(4)液晶パネル20がIPS(In Plane
Switching:横電界スイッチング)方式である場合、タッチパネル7側のガラス基板2の表面に帯電する電位を放電するため、ガラス基板2の上面に形成された導電膜(ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)膜)と、ガラス基板3の上面に形成された接地電極とを接続する銀粉が練り込まれたエポキシ樹脂などの導電樹脂14で直接接続する方法が一般的に用いられる。しかしながら、ガラス基板2上に導電樹脂14を薄く塗布するのは容易でなく、図16に示すように、導電樹脂14にタッチパネル7が接触してしまうことがある。また、導電樹脂14は、抵抗値のばらつきが大きく、DC抵抗成分が数MΩを超えることもあるため、特にタッチパネル7が静電容量方式のタッチパネルである場合に、ガラス基板2の表面に帯電する電位を効率よく放電できないことがある。
【0013】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、反りやすい弾性層を剛体層に密着させた液晶表示装置を提供することにある。
【0014】
第2の目的は、粘着層を介して液晶パネルに接着されたタッチパネルと、液晶パネル上に搭載された半導体素子と、が接触しない液晶表示装置を提供することにある。
【0015】
第3の目的は、粘着層を介して液晶パネルに接着されたタッチパネルの一端が外力に応じて液晶パネル上に搭載された半導体素子の上面に衝突することによる半導体素子の破損を防ぐ液晶表示装置を提供することにある。
【0016】
第4の目的は、IPS方式の液晶パネルに帯電する電位を効率よく放電する液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
(1)上記課題を解決するために、本発明に係る液晶表示装置は、弾性層と、剛性層と、前記弾性層を前記剛性層に接着する粘着シートと、を含むことを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、反りやすい弾性層を剛体層に密着させることができる。
【0019】
また、本発明の一態様では、前記弾性層は、弾性のフロントウィンドウであり、前記剛性層は、剛性のタッチパネルである。この態様によれば、弾性のフロントウィンドウを剛性のタッチパネルに密着させることができる。
【0020】
また、本発明の一態様では、前記弾性層は、弾性のタッチパネルであり、前記剛性層は、剛性の液晶パネルである。この態様によれば、弾性のタッチパネルを剛性の液晶パネルに密着させることができる。
【0021】
なお、この態様では、弾性のフロントウィンドウと、前記粘着シートを介して前記剛性の液晶パネルに接着された前記弾性のタッチパネルに、前記弾性のフロントウィンドウを接着する他の粘着シートと、をさらに含んでもよい。また、剛性のフロントウィンドウと、前記粘着シートを介して前記剛性の液晶パネルに接着された前記弾性のタッチパネルに、前記剛性のフロントウィンドウを接着する紫外線硬化型粘着材と、をさらに含んでもよい。
【0022】
また、本発明の一態様では、前記弾性層は、弾性のタッチパネルであり、前記剛性層は、剛性のフロントウィンドウである。この態様によれば、弾性のタッチパネルを剛性のフロントウィンドウに密着させることができる。
【0023】
なお、この態様では、剛性の液晶パネルと、前記粘着シートを介して前記剛性のフロントウィンドウに接着された前記弾性のタッチパネルに、前記剛性の液晶パネルを接着する紫外線硬化型粘着材と、をさらに含んでもよい。
【0024】
また、本発明の一態様では、前記粘着シートは、両面に透明な粘着材が塗布された透明なシート部材である。
【0025】
(2)本発明に係る液晶表示装置は、第1基板と、前記第1基板とともに液晶層を挟持するよう、前記第1基板に対向して配置された第2基板と、前記第1基板の液晶層側の面における前記第2基板に対向する領域を除く領域に搭載された半導体素子と、前記第2基板上に配置された偏光板と、第1粘着層を介して前記偏光板に接着され、その一端が前記半導体素子の搭載された領域の少なくとも一部に対向するタッチパネルと、第2粘着層を介して前記タッチパネルに接着されたフロントウィンドウと、を含み、前記半導体素子の厚さは、前記偏光板の厚さと前記第2基板の厚さとの和より小さい、ことを特徴とする。
【0026】
本発明によれば、液晶層を挟持する第1基板および第2基板と偏光板とを含む液晶パネルに粘着層を介して接着されたタッチパネルと、液晶パネル上に搭載された半導体素子と、の接触を防ぐことができる。なお、前記半導体素子の厚さは、前記偏光板の厚さの1/2と前記第2基板の厚さとの和より小さくてもよい。
【0027】
また、本発明の一態様では、前記半導体素子の厚さは、前記第2基板の厚さより大きい。この態様によれば、半導体素子の厚さ方向の強度(たとえば割れ耐性)を確保しつつ、タッチパネルと半導体素子との接触を防ぐことができる。
【0028】
(3)本発明に係る液晶表示装置は、第1基板と、前記第1基板とともに液晶層を挟持するよう、前記第1基板に対向して配置された第2基板と、前記第1基板の液晶層側の面における前記第2基板に対向する領域を除く領域に搭載された半導体素子と、前記第2基板上に配置された偏光板と、第1粘着層を介して前記偏光板に接着されたタッチパネルと、第2粘着層を介して前記タッチパネルに接着されたフロントウィンドウと、を含み、前記タッチパネルの一端が前記第1基板方向に変位したときに該一端が前記半導体素子の上面に接触しないよう、前記半導体素子に対向する領域を超えて前記タッチパネルの一端が突き出している、ことを特徴とする。
【0029】
本発明によれば、液晶層を挟持する第1基板および第2基板と偏光板とを含む液晶パネルに粘着層を介して接着されたタッチパネルの一端が外力に応じて液晶パネル上に搭載された半導体素子の上面に衝突することによる半導体素子の破損を防ぐことができる。
【0030】
(4)本発明に係る液晶表示装置は、画素電極および対向電極の対が複数形成された第1基板と、前記第1基板とともに液晶層を挟持するよう前記第1基板に対向して配置された第2基板と、前記第2基板上に配置された偏光板と、を含むIPS方式の液晶パネルと、粘着層を介して前記偏光板に接着されたタッチパネルと、前記第1基板の液晶層側の面における前記第2基板に対向する領域を除く領域に形成された接地電極と、前記第2基板上に形成された導電膜と、を電気的に接続する導電テープと、を含むことを特徴とする。
【0031】
本発明によれば、IPS方式の液晶パネルに帯電する電位を効率よく放電することができる。
【0032】
また、本発明の一態様では、前記導電テープの厚さは、前記偏光板の厚さより小さい。この態様によれば、液晶表示装置の厚さを低減することができる。
【0033】
また、本発明の一態様では、前記導電テープは、前記接地電極および前記導電膜にそれぞれ熱圧着されている。
【0034】
また、本発明の一態様では、前記タッチパネルは、静電容量方式のタッチパネルである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施形態1に係る携帯電話用液晶表示モジュールの代表例4つの概略断面図である。
【図2】本発明の実施形態2に係る携帯電話用液晶表示モジュールの部分断面図である。
【図3】本発明の実施形態3に係る携帯電話用液晶表示モジュールの部分断面図である。
【図4】本発明の実施形態4に係る携帯電話用液晶表示モジュールの部分断面図である。
【図5】従来の携帯電話用液晶表示モジュールの偏光板が露出した状態(タッチパネルおよびフロントウィンドウを貼り合わせる前の状態)を示す図である。
【図6】図5に示す偏光板の上にタッチパネルを貼り合わせた状態(フロントウィンドウを貼り合わせる前の状態)を示す図である。
【図7】図6に示すタッチパネルの上にさらにフロントウィンドウを貼り合わせた3段重ねハイブリッド構造を有する携帯電話用液晶表示モジュールの上面図である。
【図8】図6に示す携帯電話用液晶表示モジュールのVIII−VIII線での断面図である。
【図9】図6に示す携帯電話用液晶表示モジュールのIX−IX線での断面図である。
【図10】3段重ねハイブリッド構造を有する従来の他の携帯電話用液晶表示モジュールの上面図である。
【図11】図10に示す携帯電話用液晶表示モジュールのXI−XI線での断面図である。
【図12】図10に示す携帯電話用液晶表示モジュールのXII−XII線での断面図である。
【図13】従来の携帯電話用液晶表示モジュールの課題を説明する図である。
【図14】従来の携帯電話用液晶表示モジュールの課題を説明する図である。
【図15】従来の携帯電話用液晶表示モジュールの課題を説明する図である。
【図16】従来の携帯電話用液晶表示モジュールの課題を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、同一の構成要素には同一の符号を付し、重複説明を省略する。
【0037】
[実施形態1]
図1は、本発明の実施形態1に係る携帯電話用液晶表示モジュールの代表例4つの概略断面図である。
【0038】
図1(a)に示す携帯電話用液晶表示モジュールは、液晶層を挟持する2枚のガラス基板を含む液晶パネル(剛性層)20と、たとえばガラス基板で構成される静電容量方式のタッチパネル(剛性層)7と、たとえばアクリル製のフロントウィンドウ(弾性層)23と、がこの順で積層された液晶表示装置である。
【0039】
ここで、剛性のタッチパネル7は、従来と同様、紫外線硬化型粘着材11を介して剛性の液晶パネル20に接着されている。一方、弾性のフロントウィンドウ23は、両面に透明な粘着材が塗布された透明なシート部材である粘着シート30を介して剛性のタッチパネル7に接着されている。
【0040】
粘着シート30は、紫外線照射前と紫外線照射前とで粘着力が変化する紫外線硬化型粘着材と異なり、反りのある弾性層を矯正して剛体層に接着させるだけの粘着力をはじめから有している。このため、反りやすい弾性のフロントウィンドウ23を剛性のタッチパネル7に密着させることができる。
【0041】
図1(b)に示す携帯電話用液晶表示モジュールは、液晶層を挟持する2枚のガラス基板を含む液晶パネル(剛性層)20と、たとえば樹脂系材料で形成されたタッチパネル(弾性層)17と、たとえばアクリル製のフロントウィンドウ(弾性層)23と、がこの順で積層された液晶表示装置である。
【0042】
ここで、弾性のタッチパネル17は、粘着シート30を介して剛性の液晶パネル20に接着され、さらに弾性のフロントウィンドウ23が、剛性の液晶パネル20に接着された弾性のタッチパネル17に粘着シート30を介して接着されている。
【0043】
これにより、反りやすい弾性のタッチパネル17を剛性の液晶パネル20に密着させるとともに、反りやすい弾性のフロントウィンドウ23を剛性の液晶パネル20に接着された弾性のタッチパネル17に密着させることができる。
【0044】
図1(c)および(d)に示す携帯電話用液晶表示モジュールは、液晶層を挟持する2枚のガラス基板を含む液晶パネル(剛性層)20と、たとえば樹脂系材料で形成されたタッチパネル(弾性層)17と、たとえば強化ガラスで形成されたフロントウィンドウ(剛性層)13と、がこの順で積層された液晶表示装置である。
【0045】
図1(c)に示す携帯電話用液晶表示モジュールでは、弾性のタッチパネル17が、粘着シート30を介して剛性の液晶パネル20に接着された後に、剛性のフロントウィンドウ13が、剛性の液晶パネル20に接着された弾性のタッチパネル17に紫外線硬化型粘着材12を介して接着されている。弾性のタッチパネル17は剛性の液晶パネル20に接着することで剛性層となるため、剛性層となったタッチパネル17と剛性のフロントウィンドウ13との接着に紫外線硬化型粘着材12を用いることが可能となる。
【0046】
一方、図1(d)に示す携帯電話用液晶表示モジュールでは、弾性のタッチパネル17が、粘着シート30を介して剛性のフロントウィンドウ13に接着された後に、剛性の液晶パネル20が、剛性のフロントウィンドウ13に接着された弾性のタッチパネル17に紫外線硬化型粘着材11を介して接着されている。弾性のタッチパネル17は剛性のフロントウィンドウ13に接着することで剛性層となるため、剛性層となったタッチパネル17と剛性の液晶パネル20との接着に紫外線硬化型粘着材11を用いることが可能となる。
【0047】
これにより、反りやすい弾性のタッチパネル17を、剛性の液晶パネル20とフロントウィンドウ13とにそれぞれ密着させることができる。
【0048】
すなわち、実施形態1に係る携帯電話用液晶表示モジュールによれば、粘着シート30を用いることにより、反りやすい弾性層を剛体層に密着させることができる。
【0049】
なお、本発明は、図1(a)〜(d)に示した「3段重ねハイブリッド構造」を有する携帯電話用液晶表示モジュールに限らず、剛性層とその剛性層に接着される弾性層とを含む液晶表示装置全般に広く適用可能である。
【0050】
[実施形態2]
図2は、本発明の実施形態2に係る携帯電話用液晶表示モジュールの部分断面図である。
【0051】
同図に示すように、実施形態2に係る携帯電話用液晶表示モジュールは、図示しない液晶層を挟持するガラス基板2,3とガラス基板2上に配置された偏光板1(厚さ0.1〜0.14mm程度)とを含む液晶パネル20、ガラス基板3上に搭載された半導体チップ4、半導体チップ4に電気的に接続された液晶パネル用FPC5、液晶パネル20を支持する樹脂モールド6、反射シート10、粘着層(紫外線硬化型粘着材)11を介して偏光板1に接着された、偏光板1よりサイズの大きいタッチパネル7、図示しないタッチパネル用FPC8、および図示しない粘着層(紫外線硬化型粘着材)12を介してタッチパネル7に接着された図示しないフロントウィンドウ9を含む、「3段重ねハイブリッド構造」を有する液晶表示装置である。
【0052】
ガラス基板2は、ガラス基板3とともに液晶層を挟持するよう、ガラス基板3に対向して配置される。ガラス基板2またはガラス基板3の液晶層側の面には、液晶層に電界を印加するための画素電極が形成されており、その画素電極に対向する対向電極がガラス基板3の液晶層側の面に形成されている。
【0053】
半導体チップ4は、ガラス基板3の液晶層側の面におけるガラス基板2に対向する領域を除く領域に搭載されており、画素電極と対向電極とにそれぞれ印加される電位を制御することにより液晶パネル20を駆動する。
【0054】
タッチパネル7は、粘着層11を介して偏光板1に接着され、その一端(半導体チップ4側端)が半導体チップ4の搭載されたガラス基板3上の領域の少なくとも一部に対向している。
【0055】
本実施形態では、半導体チップ4の厚さが、偏光板1の厚さとガラス基板2の厚さとの和より小さい。特に、この半導体チップ4の厚さは、偏光板1の厚さの1/2とガラス基板2の厚さとの和より小さい方が望ましい。具体的には、たとえば、偏光板1の厚さが0.12mm、ガラス基板2の厚さが0.2mmであれば、半導体チップ4の厚さは0.26mm未満となる。また、偏光板1の厚さが0.12mm、ガラス基板2の厚さが0.25mmであれば、半導体チップ4の厚さは0.31mm未満となる。
【0056】
これにより、図2に示すように、粘着層11を介してタッチパネル7が液晶パネル20に対して傾斜して接着されても、タッチパネル7の一端と半導体チップ4の上面との間隔D1が0より大きくなり、タッチパネル7と半導体チップ4との接触を防ぐことができる。
【0057】
また、半導体チップ4の厚さは、ガラス基板2の厚さより大きくしてもよい。こうすれば、半導体チップ4の厚さ方向の強度(たとえば割れ耐性)を確保しつつ、タッチパネル7と半導体チップ4との接触を防ぐことができる。
【0058】
なお、半導体チップ4の厚さは、粘着層11と半導体チップ4との横方向の間隔D2(一般的には2.5mm程度)、タッチパネル7の長手方向の長さおよび弾性係数、粘着層11の厚さなどにさらに基づいて決定されてもよい。
【0059】
すなわち、実施形態2に係る携帯電話用液晶表示モジュールによれば、粘着層11を介して液晶パネル20に接着されたタッチパネル7と、液晶パネル20のガラス基板3上に搭載された半導体チップ4と、の接触を防ぐことができる。
【0060】
[実施形態3]
図3は、本発明の実施形態3に係る携帯電話用液晶表示モジュールの部分断面図である。
【0061】
同図に示すように、実施形態3に係る携帯電話用液晶表示モジュールは、図示しない液晶層を挟持するガラス基板2,3とガラス基板2上に配置された偏光板1とを含む液晶パネル20、ガラス基板3上に搭載された半導体チップ4、半導体チップ4に電気的に接続された液晶パネル用FPC5、液晶パネル20を支持する樹脂モールド6、反射シート10、粘着層(紫外線硬化型粘着材)11を介して偏光板1に接着された、偏光板1よりサイズの大きいタッチパネル7、図示しないタッチパネル用FPC8、および粘着層(紫外線硬化型粘着材)12を介してタッチパネル7に接着された、タッチパネル7よりサイズの大きいフロントウィンドウ9を含む、「3段重ねハイブリッド構造」を有する液晶表示装置である。
【0062】
ガラス基板2は、ガラス基板3とともに液晶層を挟持するよう、ガラス基板3に対向して配置される。ガラス基板2またはガラス基板3の液晶層側の面には、液晶層に電界を印加するための画素電極が形成されており、その画素電極に対向する対向電極がガラス基板3の液晶層側の面に形成されている。
【0063】
半導体チップ4は、ガラス基板3の液晶層側の面におけるガラス基板2に対向する領域を除く領域に搭載されており、画素電極と対向電極とにそれぞれ印加される電位を制御することにより液晶パネル20を駆動する。半導体チップ4の厚さは、偏光板1の厚さとガラス基板2の厚さとの和より小さいものとする。
【0064】
タッチパネル7は、粘着層11を介して偏光板1に接着されている。
【0065】
本実施形態では、タッチパネル7の一端(半導体チップ4側端)がガラス基板3方向に変位したときに該一端が半導体チップ4の上面に接触しないよう、半導体チップ4に対向する領域を長さD3(D3>0)だけ超えてタッチパネル7の一端が突き出している。
【0066】
これにより、フロントウィンドウ9端部への加圧またはフロントウィンドウ9の瞬間的なたわみなどに応じてタッチパネル7の一端がガラス基板3方向に大きく変位したとしても、タッチパネル7が半導体チップ4の上面に面接触するようになる。
【0067】
すなわち、実施形態3に係る携帯電話用液晶表示モジュールによれば、粘着層11を介して液晶パネル20に接着されたタッチパネル7の一端が外力に応じて液晶パネル20のガラス基板3上に搭載された半導体チップ4の上面に衝突することによる半導体チップ4の破損を防ぐことができる。
【0068】
[実施形態4]
図4は、本発明の実施形態4に係る携帯電話用液晶表示モジュールの部分断面図である。
【0069】
同図に示すように、実施形態4に係る携帯電話用液晶表示モジュールは、図示しない液晶層を挟持するガラス基板2,3とガラス基板2上に配置された偏光板1とを含むIPS方式の液晶パネル20、ガラス基板3上に搭載された半導体チップ4、半導体チップ4に電気的に接続された液晶パネル用FPC5、液晶パネル20を支持する樹脂モールド6、反射シート10、粘着層(紫外線硬化型粘着材)11を介して偏光板1に接着された静電容量方式のタッチパネル7、図示しないタッチパネル用FPC8、粘着層(紫外線硬化型粘着材)12を介してタッチパネル7に接着されたフロントウィンドウ13、および両端がガラス基板2,3にそれぞれ接続された熱圧着タイプの導電テープ15(たとえば、厚さ80μm以下)を含む、「3段重ねハイブリッド構造」を有する液晶表示装置である。
【0070】
ガラス基板2は、ガラス基板3とともに液晶層を挟持するよう、ガラス基板3に対向して配置される。ガラス基板2の上面には接地電位に接続されるITO膜が形成されている。
【0071】
ガラス基板3の液晶層側の面には、画素電極と対向電極との対を複数含む透明導電膜が形成されており、この透明導電膜によってガラス基板3に対し横方向の電界が液晶層に印加されるようになっている。また、ガラス基板3の液晶層側の面におけるガラス基板2に対向する領域を除く領域には、液晶パネル用FPC5の接地配線に接続されたパッド状の接地電極が形成されている。
【0072】
半導体チップ4は、ガラス基板3の液晶層側の面におけるガラス基板2に対向する領域を除く領域に搭載されており、ガラス基板3に形成された画素電極と対向電極とにそれぞれ印加される電位を制御することにより液晶パネル20を駆動する。
【0073】
タッチパネル7は、粘着層11を介して偏光板1に接着されている。
【0074】
本実施形態では、導電テープ15の一端がガラス基板3上に形成された接地電極に熱圧着され、その他端がガラス基板2の上面に形成されたITO膜に熱圧着されている。導電テープ15は、放電経路として従来用いられていた導電樹脂より薄いため、タッチパネル7がこの導電テープ15に接触することはない。なお、導電テープ15の厚さは、偏光板1の厚さより小さくしてもよい。こうすれば、携帯電話用液晶表示モジュール全体の厚さを低減できる。
【0075】
熱圧着タイプの導電テープ15は、抵抗値のばらつきが少なく、DC抵抗成分は数kΩ程度である。このため、放電経路として従来用いられていた導電樹脂に比べて、ガラス基板2の表面に帯電する電位の放電効率が向上する。
【0076】
すなわち、実施形態4に係る携帯電話用液晶表示モジュールによれば、IPS方式の液晶パネル20に帯電する電位を効率よく放電するとともに、モジュール全体の厚さを低減することができる。
【0077】
以上説明した実施形態1〜4によれば、従来の携帯電話用液晶表示モジュールが有する複数の課題を解決することができる。
【0078】
なお、本発明は、上記実施形態1〜4に限定されるものでない。たとえば、本発明は、携帯電話用液晶表示モジュールに限らず、携帯ゲーム機、ディジタルカメラ、PDAなどに搭載される液晶表示装置に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0079】
1 偏光板、2,3 ガラス基板、4 半導体チップ、5 液晶パネル用FPC、6 樹脂モールド、7 タッチパネル(剛性層)、8 タッチパネル用FPC、9,13 フロントウィンドウ(剛性層)、10 反射シート、11,12 粘着層(紫外線硬化型粘着材)、14 導電樹脂、15 導電テープ、17 タッチパネル(弾性層)、20 液晶パネル(剛性層)、23 フロントウィンドウ(弾性層)、30 粘着シート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが画素電極と対向電極とを有する対の電極を複数有する第一基板と、前記第一基板と対向し液晶層を前記第一基板とで挟み込むようになっている第二基板と、前記第二基板上に配置されている偏光板とを有するIPS型液晶パネルと、
接着層によって前記偏光板に接着されるタッチパネルと、
前記第一基板と前記第二基板とが対向している領域を除いた前記第一基板の前記液晶層側表面の領域上に形成されたグランド電極と、前記第二基板上に形成された導電フィルムとを互いに接続する導電テープとを有し、
平面視において、前記タッチパネルは前記第二基板上に配置されている前記導電テープを覆っていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記導電テープの厚みは前記偏光板の厚みよりも薄いことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記導電テープは、前記グランド電極と前記導電フィルムとそれぞれ熱圧着によって接着されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記タッチパネルは静電容量型のタッチパネルであることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−50743(P2013−50743A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−271345(P2012−271345)
【出願日】平成24年12月12日(2012.12.12)
【分割の表示】特願2008−197213(P2008−197213)の分割
【原出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(502356528)株式会社ジャパンディスプレイイースト (2,552)
【出願人】(506087819)パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 (443)
【Fターム(参考)】