液滴の噴霧を生成するための方法および装置
シャワーヘッド、工業用噴霧ヘッドおよび農業用噴霧ヘッドの少なくとも1つにおいて使用するための噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物(1)が提供され、該噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物は、複数のノズル群(2)を備えており、各ノズル群(2)が、噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物(1)の表面から流体のジェットを噴出させるために適したノズルを少なくとも2つ有しており、該少なくとも2つのノズルは、少なくとも使用時において、加圧下で少なくとも2つの該ノズルから出た流体が、周囲の構造に事実上妨げられることなく衝突および相互作用し、液滴へと分解するような寸法および配向を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体の噴霧を生成するための噴霧ヘッドに関し、特にシャワーヘッドへの適用が可能である。
【背景技術】
【0002】
流体の噴霧を生成するため、様々な噴霧ヘッドが開発されている。噴霧ヘッドは、農業用および工業用の他、最も典型的には家庭用のシャワーであるが、家庭用としても使用されており、より楽しいシャワー体験を提供すべく様々なシャワーヘッドの設計が提案されている。
【0003】
既存のいくつかのシャワーヘッドには、変化する流体供給圧力に適切に協働することができないという問題がある。このため、異なるいくつかの圧力を有するシステムに取り付けられた同じシャワーヘッドが、大きく異なる噴霧特性をもたらすことがあり、それらのいくつかは満足できないものである。こうした問題が、特有の高圧用ヘッドおよび低圧用ヘッドを設計することにつながっている。しかしながら、幅広い範囲のシステム圧力にわたって満足できるシャワー体験をもたらすことができるシャワーヘッドがあれば、有用であり、少なくとも便利である。
【0004】
水の節約も、重要な検討事項である。低流量のシャワーヘッドによって、水の節約がもたらされる。しかしながら、ユーザーは、しばしば大流量のシャワーヘッドの感覚を好むものである。従って、供給する流量が少ないながらも大流量のシャワーの感覚をもたらすシャワーヘッドへのニーズが存在する。
【0005】
さらに、今までに存在するシャワーヘッドを超える優れたシャワー体験をもたらすシャワーヘッドへの需要も存在するであろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、現在の噴霧ヘッドにおける問題の1つ以上を克服または軽減する噴霧ヘッドを提供することにあり、および/または既存のシャワーヘッドに対する改善をもたらす噴霧ヘッドを提供することにあり、あるいは少なくとも公衆に有用な代替物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、シャワーヘッド、工業用噴霧ヘッドおよび農業用噴霧ヘッドの少なくとも1つにおいて使用するための噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物であって、複数のノズル群を備えており、各ノズル群が、噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物の表面から流体のジェットを噴出するために適したノズルを少なくとも2つ有しており、少なくとも2つの該ノズルが、少なくとも使用時において、加圧下で少なくとも2つの該ノズルから出た流体が、周囲の構造に事実上妨げられることなく衝突および相互作用し、液滴へと分解するような寸法および配向となっている噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物が提供される。
【0008】
好ましくは、前記少なくとも2つのノズルを、約40°〜140°の間の開先角度(included angle)で配向させることができる。さらに好ましくは、前記少なくとも2つのノズルを、約70°〜85°の間の開先角度で配向させることができる。
【0009】
好ましくは、前記複数のノズル群の少なくとも1つを、使用時に該選択されたノズル群における仮想の線であって噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物の表面に対する法線である線に沿った方向以外の方向に噴霧を供給するように、非対称とすることができる。
【0010】
好ましくは、前記複数のノズル群の少なくとも1つにおいて、前記少なくとも2つのノズルを、使用時に当該ノズル群における仮想の線であって噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物の表面に対する法線である線に沿った方向以外の方向に噴霧を供給するように、該仮想の線に対して異なる角度で配向させることができる。
【0011】
好ましくは、前記複数のノズル群の前記少なくとも1つが、断面積の相違するノズルを有している。
【0012】
好ましくは、噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物が、噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物の1つ以上の所定の領域に配置された対称であるノズル群、および噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物の1つ以上の他の所定の領域に配置された非対称であるノズル群を備えることができる。
【0013】
好ましくは、噴霧ヘッドの周辺付近に配置されたノズル群を、当該ノズル群を出る噴霧が当該ノズル群を出た後に噴霧ヘッドの中心から離れるように移動するよう構成することができる。
【0014】
一実施態様として、前記ノズル群は、非平面の基体に配置することができる。
【0015】
好ましくは、少なくとも選択されたノズル群を、加圧下で少なくとも選択された該ノズル群のノズルから出る流体が、100%未満の交差率で衝突するように構成することができる。一実施態様においては、噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物の全てのノズル群から出る流体が、加圧下で、100%未満の交差率で衝突する。前記交差の割合は、約20%〜80%の間であってよく、さらに好ましくは、約40%〜50%の間であってよい。
【0016】
好ましくは、各ノズル群のノズルの出口開口の直径が、約0.8〜1.0mmの間であるとよい。
【0017】
好ましくは、各ノズル群のノズルの出口開口の中心が、約1.5mm離れているとよい。
【0018】
一実施態様においては、噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物が、ノズル出口直径の寸法が相違する少なくとも2つの種類のノズル群を備えることができ、より大きいノズル出口直径を有するノズル群が、より小さい出口直径を有するノズル群よりも小さい交差率を有している。
【0019】
好ましくは、各ノズル群のノズルを、少なくとも部分的に、可撓性材料または弾性材料に形成された開口によって形成することができる。前記開口を形成している前記可撓性材料または弾性材料は、噴霧ヘッドの表面から突き出していてもよい。
【0020】
好ましくは、各ノズル群を2つのノズルから構成することができる。
【0021】
好ましくは、少なくとも選択されたノズル群のノズルの入口および出口を、お互いに対してずらすことができる。前記ノズルの入口および出口を、流体が前記少なくとも選択されたノズル群から、当該ノズル群における仮想の線であって噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物の表面に対する法線である線に対し約6〜8°の間の角度で噴出するようにずらすことができる。
【0022】
好ましくは、各ノズル群が、一体となって間に各ノズルのための流体流路を規定する1つ以上の開口および相補的な1つ以上の突起によって形成される。各ノズル群を、2つの開口および相補的な突起によって形成し、該突起が前記各開口の栓として機能して当該ノズル群のノズルから噴出するジェットの開先角度を増加させるようにできる。
【0023】
各開口は、事実上円錐形であってよい。噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物によって生成される噴霧の特性を制御できるよう、前記突起が前記開口に対して可動であってよい。
【0024】
好ましくは、複数のノズル群についての前記突起が全て、ただ1つの基体材料に形成されている。複数のノズル群についての前記開口を全て、ただ1つの基体材料に形成することができる。
【0025】
好ましくは、清掃のために、前記突起および前記開口の表面へのアクセスができるように、前記突起を、それらが対応している開口から取り除くことができる。
【0026】
好ましくは、各ノズル群のノズルを、前記開口および前記突起の一方または両方の通路または溝によって形成することができる。
【0027】
好ましくは、噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物を、使用時に各ノズルにおいて流体の乱流を生むような寸法および形状とすることができる。各ノズルは、前記流体の乱流を生むための少なくとも1つの邪魔板を備えることができる。
【0028】
本発明の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物は、シャワーヘッドを構成する噴霧ヘッドの一部を構成するとき、特に好都合である。
【0029】
本発明の第2の実施態様によれば、シャワー、工業用プロセス、または農業用プロセスの少なくとも1つにおいて、流体の液滴によって形成される流体噴霧を生成する方法であって、互いに近接して位置する複数のノズル群であって、それぞれが少なくとも2つのノズルを有しており、少なくとも2つの該ノズルが、各ノズル群のノズルを出た流体が、周囲の構造に事実上妨げられることなく衝突および相互作用して、その後に液滴へと分解するようにお互いに対して配置されているノズル群に流体を通過させることを含んでいる方法が提供される。
【0030】
好ましくは、前記方法は、前記ノズル群に約40°〜140°の間の開先角度を有するように配向したノズルを設けることを含むことができる。
【0031】
好ましくは、前記方法は、前記ノズル群に約70°〜85°の間の開先角度を有するように配向したノズルを設けることを含むことができる。
【0032】
好ましくは、前記方法は、選択されたノズル群から所定の角度で噴霧を提供するように、少なくとも選択された非対称であるノズル群に流体を通過させることを含むことができる。
【0033】
好ましくは、各ノズル群を2つのノズルから構成することができる。
【0034】
好ましくは、前記方法が、各ノズルを通って流体の乱流を通過させることを含むことができる。
【0035】
好ましくは、前記方法は、各ノズル群のノズルを出る流体を100%未満の交差率で衝突するように導くことを含むことができる。
【0036】
好ましくは、前記交差の割合を約20%〜80%の間とすることができる。
【0037】
好ましくは、前記交差の割合を約40%〜50%の間とすることができる。
【0038】
本発明の方法は、シャワーヘッドに好ましく適用することができる。
【0039】
本発明のさらなる態様は、添付の図面を参照しつつあくまで好ましい実施態様の一例として与えられる以下の説明から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
本発明は、シャワーヘッドに関し、特に家庭用シャワーのシャワーヘッドとしての使用に好適である。本発明によるシャワーヘッドは、ユーザーにとっての良質なシャワー体験、シャワーヘッドが実際に供給している流量よりも大流量の感覚、および/または幅広い範囲の供給圧力にわたっての良質なシャワー体験といった利点をもたらすことができる。
【0041】
添付図面の図1を参照すると、本発明の第1の実施態様による噴霧ヘッド用挿入物が示されており、全体が矢印100で示されている。噴霧ヘッド用挿入物100は、シャワーヘッドという特定の用途を有することができ、シャワーヘッドとしての使用に特に適しているという利点を有するが、本発明の用途がシャワーヘッドのみに限られるわけではない。例えば、本発明の噴霧ヘッドは、塗料や接着剤の塗布といった工業的処理の用途を有していてもよく、および/または除草剤や殺虫剤の散布といった農業用の用途を有していてもよい。本発明が、多数のジェットからなる噴霧ではなく、穏やかな噴霧が求められる用途を有していてもよいことは、予想できるであろう。噴霧ヘッド100は、事故発生直後のやけどの被災者の処置のための緊急シャワーとして使用することが可能である。
【0042】
図3は、基部10に設けられ、第1および第2のノズル24、25から出た2つの流体ジェットの集中によって得られる水のパターンを示している。水は、最初に火炎のような形状Fを形成し、次いで小さな液滴Rへと分解する。これらの液滴Rによって、優れたシャワー体験を提供することができ、および/または或る種の工業用途または農業用途に適した噴霧を供給することができる。さらに、本発明の噴霧ヘッドは、供給圧力の変動によって引き起こされる液滴噴霧の変化が、同じ供給圧力変動によって引き起こされるジェット水の変化に比べてより知覚されにくいため、供給圧力の変動を自己補填する能力を本質的に備えている。
【0043】
好ましい実施態様は、各ノズル群にノズルを2つだけ有しているが、各ノズル群が3つ以上のノズルを任意に備えていてもよい。ノズル群中の選択されたノズルを順次部分的または完全に開放および閉鎖する回転可能円板を、スプレー・ヘッド100の背後に設けた場合、脈動効果を実現することができ、あるいは各ノズル群からの噴霧の方向を変化させることができる。
【0044】
以下でさらに詳細に説明するとおり、ノズル群のシャワーヘッド全体にわたっての特定の配置、各ノズル群におけるノズルの数および配置、ならびにノズルの寸法および向きは、噴霧ヘッドの特定の用途における要件に応じて変化させることができる。
【0045】
図1に示した噴霧ヘッド用挿入物100は、この実施態様では45群のノズルが配置されてなる基体1を有している。基体1の表面形状は、平面であってよく、あるいは所望の噴霧パターンの提供を助けるため凸状などの平面でない形状を任意に含んでいてもよい。基体1は、図1に示すとおり環状であってよく、あるいは、例えば矩形など何らかの他の形状を有していてもよく、プラスチック、ゴム、あるいは適切な金属または金属合金など、任意の適切な材料から構成することができる。
【0046】
この実施態様においては、ノズルの各群は、2つのノズルから構成されている。分かりやすくするため、図1においては、2つのノズル群のみに参照番号が付されており、すなわちノズル群2aおよび2bである。ノズル群は、噴霧ヘッド用挿入物100の全体に分布しており、破線で図示された4つの円弧で構成され、噴霧ヘッド用挿入物100の中心から等距離の位置にある5つのグループの交点に配置されている。図1に示すように、各ノズル群は、一方のノズルが当該ノズル群の他方のノズルのほぼ半径方向外側に位置するように配置することができる。各ノズルは、必ずしもその必要はないが、円形の断面を有することができる。本発明の一実施態様においては、基体1の単純な孔によってノズルを構成することができる。
【0047】
噴霧ヘッド用挿入物100の中心に、噴霧ヘッド100に水圧が加えられたときに脈動噴霧を生成するマッサージ・ユニット3を備えてもよい。マッサージ・ユニットは広く知られており、従ってマッサージ・ユニット3の動作や実装については、ここではこれ以上説明しない。あるいは、噴霧ヘッド用挿入物100の中央を固定してもよく、基体1と一体にしてもよい。噴霧ヘッド用挿入物の中央は、必ずしもノズル群無しである必要はない。
【0048】
使用時、噴霧ヘッド用挿入物100は、通常は、一体となって噴霧ヘッドを構成するハウジング(図示されていない)に取り付けられ、周囲において密封される。あるいは、噴霧ヘッド用挿入物100をハウジングと一体に形成してもよい。ハウジングは、流体供給源からハウジングへと流体が移動することができる流体通路を備えており、あるいはそのような流体通路に接続されている。流体通路は、噴霧ヘッド用挿入物100の背後に水溜めW(図3を参照)を形成するような形状とされている。
【0049】
噴霧ヘッド用挿入物100は、射出成型プロセスによって製作することができ、ノズルは、成型プロセス後に金型から抜き取られるピンによって形成することができる。
【0050】
ノズル群の幾何形状を変えることにより、ノズル群を出るときの噴霧の移動方向を制御することができる。例えば、或る直径Dの外側にあるノズル群2bなどのノズル群は、半径方向外向きの成分を有する噴霧をノズルから吐出することができ、一方、直径Dの内側にあるノズル群2aなどのノズルは、噴霧ヘッド用挿入物100にほぼ直交する軸に沿って噴霧を導くことができる。ノズルの特性を変えることによって実現できるこの噴霧方向の変化は、ノズルが配置される基体1の表面の形状を変える代わりとして、あるいはこれに加えて、使用することができる。
【0051】
図2Aを参照すると、ノズル群2aの概略の断面図が示されている。ノズル群2aは、間隔Sで隔てられた第1および第2のノズル20、21を備えている。Sはゼロであってもよいが、本願出願人は、Sがノズルの直径の少なくとも半分であると好都合であることを見出した。一般的に、ノズル群のノズル間の最大間隔は、シャワーヘッドにおいてノズル群が他のノズル群のノズルからの流れと衝突することなく占めることができる空間の大きさに制約される。さらに、ノズル間の間隔が大きくなるにつれ、ノズルによって生成されるジェットの方向のばらつきが許容されにくくなる。両方のノズル20、21は、シャワーヘッド用挿入物100に直交する軸に対して同じ角度ψ1を向いており、ノズル群2aおよび2bに中心を置く直交軸は、図2Aおよび2Bにおいて直線AAで示されている。角度ψ1は、25°であれば適当であり、従ってノズル20および21は、お互いに対して50°で配向している(すなわち、50°の開先角度を有している)。さらに好ましくは、角度ψ1は35°でよく、開先角度は70°になる。各ノズルは、自身の長手軸に沿って0.8mmの直径d1を有することができる。対称であるというノズル群2aの性質から、水はノズルから出て直交軸AAの周囲をW1で示されている方向に導かれる。
【0052】
図2Bは、ノズル群2bの断面の図を示している。ノズル群2bは、2つのノズル22および23を含んでいる。ノズル23の寸法および直交軸AAに対する向きは、ノズル群2Aのノズル21と同じであってよく、その場合、d3=d1=0.8mmであり、ψ3=ψ1=35°である。ノズル22は、例えば約0.9mmまたは1mmの直径など、より大きな直径d2を有してよく、および/または直交軸AAに対してより大きい角度ψ2で配向してよい。角度ψ2は、例えば40°でよい。従って、非対称であるというノズル群2bの性質から、ノズル群2bを出る水は、ほぼ矢印W2で示された方向に導かれる。必要であれば、選択されたいくつかのノズル群が、ノズル群を出る水が方向W1、W2に垂直な成分を有するように配向されていてもよい。例えば、図1のノズル群2aに関して、ノズル群2aからの水の移動方向は、方向W3の成分を有していてもよい。これは、ノズルを製作するときに複合角を使用することによって達成される。この場合、ノズルは、自身の入り口および出口をW3の方向に沿って異なる位置に有するであろう。組をなしている両方のノズルに同じ複合角が加えられているならば、ジェットが衝突して、この加えられた複合角を有する噴霧が生じるであろう。
【0053】
ノズル群のノズル間の相互の開先角度は、各ノズルからのジェットの液滴への微細化がそれでも達成できる最小角度と、噴霧ヘッドから離れる所望の噴霧速度を依然もたらすことができる最大角度との間で選択される。ノズル間の開先角度が約40°〜140°の間のどこかであれば、依然として前記要件間の適切なバランスをもたらすことができると考えられる。本発明の噴霧ヘッドは、例えば図1に示したノズルにおいて、例えば25〜1000kPaの間で、幅広い圧力範囲にわたって使用可能であると考えられるが、必要があれば、各ノズル群のノズル間の開先角度が異なっている高圧用または低圧用の噴霧ヘッドを製作することも可能である。噴霧ヘッドの各所に、ノズル群を収束の角度を異ならせつつ設けることにより、噴霧ヘッドから離れる速度が噴霧ヘッドの各所において異なっている噴霧を生成することができる。
【0054】
噴霧ヘッド用挿入物100に関し、2つの異なる形式のノズル群についてのみ説明および図示したが、ノズル群からの噴霧に求められる他の角度を達成するため、他のノズル群形式を使用でき、1つの噴霧ヘッドが2つ、3つ、またはそれ以上の異なる形式のノズル群を含んでもよいことは、当業者であれば予想できるであろう。ノズルの角度およびノズルの直径の一方または両者を、噴霧方向の変化を実現すべく変えることができる。
【0055】
ノズル群の分布のパターンを変えることによって、各ノズル群においてノズルの寸法および向きを、お互いに対してかつ噴霧ヘッドの法線の軸に対して変化させることによって、ノズル群間でノズルの向きを変えることによって、さらには、噴霧ヘッドの基体の表面形状を変えることによって、様々な噴霧パターンを実現することができる。さらに、噴霧ヘッドの中心に対するノズル群の向きを、変化させることができる。例えば、長方形の噴霧ヘッドにおいて、全てのノズル群を噴霧ヘッドの長手軸と平行に整列させることができる。
【0056】
これらの可変要素は全て、特定の噴霧パターンを示す必要がある噴霧ヘッドを設計する際に、使用を検討することができる。前記可変要素を使用して噴霧ヘッドからの噴霧パターンを決定することに加え、同じ可変要素を、噴霧パターンの各所における流体の集中度を制御するためにも使用できる。例えば、噴霧ヘッドを、噴霧パターンの各所において均一な水の集中度をもたらすように製造でき、あるいは、例えば噴霧パターンの中心に噴霧パターンの周辺に比べより集中した流体をもたらす、またはその反対など、或る領域において他の領域に比べ流体をより集中してもたらすように製造できる。
【0057】
液滴の寸法は、ノズルの出口直径、各ノズル群のノズルの開先角度、および交差率によって影響されうる。交差率とは、或る1つのノズル群のノズルからのジェットが互いに衝突する程度を指している。好ましく整列したノズルは、100%の交差率を有し、一方、互いに完全に一致しないジェットは、交差率が0%である。
【0058】
ノズルは、基体1の円柱形の開口によって簡単に形成することができるが、必ずしもそのようである必要はない。例えば、ノズルが、出口付近に絞りを有するような形状とされていてもよい。
【0059】
本発明の第2の実施態様においては、ノズルを別体の部品とすることができ、噴霧ヘッドの残りの部分と組み合わせることができる。また、ノズルが、基体1に組み合わされる個々のノズルで構成されてもよい。この実施態様の一例が、図4Aおよび4Bに示されている。図4Aおよび4Bには、2つのノズル26、27を備えるノズル群2cが示されている。ノズル群2cは、適切には成型ゴムからなる一体成型の部品であり、反転させられて、噴霧ヘッドの一部を構成する基体10の開口11へと挿入される(図4Bを参照)。中央の支持部28が、ノズル26、27間の間隔S1を設定する。ノズル26、27および支持部28は、基体10の内面に当接する台座29から延びており、ノズル26、27が開口11を通って押し出されることがないようにしている。複数のノズル群2cを、同じ台座29から延ばすことができ、噴霧ヘッドの全てのノズルを、噴霧ヘッド基体への挿入物を構成する1つの台座に設けることができる。
【0060】
図4Bに示した実施態様の利点は、噴霧ヘッドの製造を容易にできる点にある。また、ノズル26、27内に蓄積した破片や水垢を、硬い基体材料に孔を設けてなる形態のノズルに比べ、比較的容易に取り除くことができる。、破片や水垢がノズルを出る流体ジェットの方向を誤らせ、交差率を必要とされる交差率よりも低くしてしまいかねず、あるいは最も極端な場合には、ジェットをお互いに全く交差しないようにしてしまいかねないため、ノズルを清掃できるというこの特徴は本発明の噴霧ノズルにおける利点である。
【0061】
第3の別の実施態様は、図5に示されており、第1の挿入部材40および第2の挿入部材42からなる2つの挿入物を有する噴霧ヘッド101が示されている。第1および第2の挿入部材40、42は、ハウジング41内に設けられている。第1の挿入部材40は、複数の開口44を有し、これらがハウジング41に設けられた開口に対応している。第2の挿入部材42は、複数の突起46を有しており、使用時に、これら突起46のそれぞれが、第1の部材40の開口44内に位置する。
【0062】
組み立てられた状態の構成は、図6を参照してより容易に理解することができる。突起46は、おおむねくさび形を構成するよう先細りであり、一部または全体が円錐状であってよい。対応して先細りまたは円錐状とされた開口44に、ノズルを構成する2つの通路または溝48が備えられている。あるいは、開口が円柱形でもよく、さもなくば平行な壁面によって構成されていてもよく、少し異なるジェット特性を生み出すことができる。第1の挿入部材40を構成する材料は、突起46と開口44の側壁との間に適切な封止を実現できるよう、好ましくは、弾力性を有する材料、または柔軟性を有する材料、または伸縮性を有する材料、あるいは同様の材料である。
【0063】
突起46の中央部および開口44は、通路または溝48に必要とされる断面積を保ちつつ突起46を開口44内に適切に位置させる形状とすることができる。これは、特定の噴霧パターンおよび噴霧パターンの各所における特定の流体の集中度を確実に実現および維持するため、重要である。
【0064】
突起46の底部47は、開口44の出口45と整列していてよい。あるいは、底部47が開口44から突き出していてもよく、図6の例に示すとおり、開口44内に凹んでいてもよい。また、通路または溝48の出口は、ハウジング41と整列していてもよく、ハウジング41から突き出していてもよく、あるいはハウジング41内に凹んでいてもよい。底部47が凹んでいる場合、開口44およびハウジング41は、通路または溝48を出るジェットの衝突によって形成される噴霧パターンの形成を妨げてはいけない。妨げた場合、液滴の噴霧ではなく、炭酸水を生みかねない。同様に、底部47が凹んでいるか否かにかかわらず、通路または溝48の出口の外側の領域は、ジェットの衝突によって形成される噴霧パターンの形成を制約することがないよう、障害物がないように保たれなければならない。
【0065】
この実施態様の利点は、ノズルの形状が製造時の工具によって定められるため、製造条件下において形状がより正確かつ信頼できるものとなり、最終製品において、ノズルからの流体流の衝突に関し、所望の結果がより高い信頼性で達成される点にある。もう1つの利点は、金型内のピンを取り外す必要がなくなる点にある。多数の流路の組をきわめて近接して有している、図1に示したような噴霧ヘッドを製作するために、取り外し式のピンを使用することは、困難である。第1および第2の挿入部材40、42は、分離する金型を使用して製作することが可能である。
【0066】
図7および8の両者は、本発明によるノズル構成の第4および第5の実施態様を示している。図8は分解図である。矢印200および300でそれぞれ概略的に示されているこのノズル構成は、前面板60A、60Bおよび挿入物61A、61Bから構成され、それぞれ通路62Aおよび62Bを形成している。図7および8の両者は、前面板および挿入物について、通路62Aおよび62Bの2つの出口穴の中心を通るように眺めた切断図である。
【0067】
ノズル構成200の前面板60Aは、剛体板600の後方に組み付けた(あるいは成型した)弾力性または柔軟性または伸縮性を有する材料から構成することができる。従って、通路62Aの出口は剛体板600から突き出すことができ、ユーザーは、通路の壁面の石灰の堆積など、通路62Aの堆積物を素早く清掃すべく、こすることができる。
【0068】
図8を参照すると、前面板60Bが、2つの円錐形の開口63Bおよび64Bを、中央の柱65Bで区画して備えている。挿入物61Bが、2つの円錐形の突起66B、67Bを備えており、それぞれ開口63Bおよび64Bの一部分を塞いでいる。円錐形の突起66Bおよび67Bの形状によって、円錐形の突起66Bおよび67Bが設けられていない場合よりも、大きな相対角度で互いに衝突するジェットがもたらされる。円錐形の突起66Bおよび67Bの先端は、頑丈さを増すため丸められていてもよい。さらに、丸められた先端は、適切に配置された場合、通路62Bから噴出するジェットの相対角度を増すことが可能である。図7は、同様の構成を有しているが、わずかに寸法が異なっている。前面板60Bも、柔軟性を有する材料から任意に製作することができ、次いで、図7の前面板60Aと同様のやり方で剛体板の背後に組み付けることができる。
【0069】
本発明の好ましい態様においては、流体通路62A、62Bの開先角度は70〜85°の間であり、出口穴は、1mmの直径および40%の交差率を有する。出口穴の中心から中心までの距離は、1.5mmとすることができ、円錐穴の垂直長さは、4mmとすることができる。この実施態様のいくつかの変形版は、流体が当該位置における出口表面と直角に流出するように製作できるが、ノズルの構成に複合角を加えることによって、流体が垂直ベクトルを外れた様々な角度で流出するように製作することもできる。本願出願人は、噴霧の寸法および均一性を最適化するため、前面板上のいくつかのノズル群に6〜8°の角度を使用すると好ましいことを見出している。
【0070】
図9は、前面板60Aの切断図を示しており、中央の柱65Aによって分離された2つの円錐形の開口63Aおよび64Aを有している。
【0071】
図10は、他の挿入物61Cの図を示しており、1つのノズル群のみが示されている。挿入物61Cは、2つの円錐形の突起66Aおよび67Aを備えている。これらは、4つのウェブ68〜71によって支持されている。5つ目のウェブ72が、2つの円錐状突起を接続している。ウェブ68〜71は、円錐形の突起66Aおよび67Aを支持するほか、流体流路の邪魔板としても機能する。従って、ウェブ68〜71が流れに乱流を作り出し、少なくともノズル構造のいくつかの構成について、これがジェット衝突後の液滴の形成を助けることを、本願出願人は見出している。本願出願人は、ジェット中の層流が、流れの中にフレームF(図3を参照)の再結合を生じさせる傾向にあり、一方、ジェット中の乱流が、フレームの液滴への分解を引き起こすものと考えている。従って、流体流路が、別なやり方で乱流を作り出すように設計される場合には、乱流を生むべくウェブまたは他の適切な手段を使用する必要はないかもしれない。図7に示した挿入物61Aおよび図8に示した挿入物61Bは、挿入物61Cと同様のやり方で機能するが、形状がいくらか相違している。
【0072】
図7〜10に示したノズル構成の利点は、やはり製造の容易さにある。開口63A、64A、63Bおよび64Bは、取り外し式ピンの周囲への成型に比べ、比較的容易に形成することができる。さらに、多数の衝突ジェット対を、比較的狭い空間で提供することができる。他の利点は、前面板と挿入物とを分離して、それぞれの表面に触れることができるようにすることができるため、清掃が簡単であるという点にある。図7および10に示したノズル構成は、挿入物が2つの円錐突起を接続するウェブから強度を得ることができ、より頑丈な挿入物が望まれる場合に好ましいかもしれず、さらに結果として得られる挿入物の製造および組み立てを容易にできる。
【0073】
前面板の開口は、必ずしも円錐形でなくてもよい。他の実施態様においては、開口が入り口において長方形であり、流体流路に必要な傾斜を生むべく位置する出口穴へと先細りになっていてもよい。挿入物は、長方形の開口について、円錐形の開口についてと同様のやり方で設けられる。
【0074】
図11Aおよび11Bは、挿入物80の2つの部分を詳細に示している。挿入物80は、挿入物基部83から延びた2つの突起81および82を有している。2つの開口84および85が、挿入物基部83を通る流体流路をもたらしている。突起81および82の両者は、それぞれ86および87で示されている通路を備えており、ジェットとして噴出させる前、流体がこれらの通路に沿って移動する。この構成によれば、突起81および82が、対応する前面板に設けられた開口の内面に当接でき、通路86および87が設けられない場合に比べ、各ノズルを通る流路の断面積により一貫性をもたらすことができる。
【0075】
各通路が、自身の占有面積を通過する中心線を中心として対称である場合、衝突するジェットからの噴霧は、挿入物基部83にほぼ直交して噴出するであろう。ノズルは、生じる噴霧の方向を変えるために加えられる複合角を有していてもよい。これは、通路86および87を、中心線CCおよびDD(図11Bを参照)を回転の中心として有する平面に一致させることによって実現され、これら平面は、ジェットがノズル出口に存在する交差率と同じ交差率で衝突するため平行でなければならない。複合角は、本願明細書に記載の他の実施態様にも適用することができる。ノズル出口から噴出するジェットは、これらの場合においては、ノズルの入口の穴の中心と出口の穴の中心との間の線と、平行であろう。従って、ジェットの衝突によって作り出される扇の角度を、出口穴に対する入口穴の位置を変えることによって制御することができる。
【0076】
図12は、上記の複合角を使用する他の挿入物90を示している。挿入物90は、挿入物基部93から斜めに延びる2つの突起91および92を有している。斜めの突起91および92を設けることによって、ノズルからの噴霧の発射方向を制御することが可能である。
【0077】
本願件出願人は、図11および12に示した実施態様では、ノズルを通る流体が乱流を生み、乱流を生成するための付加的なウェブが必要ないことを見出している。
【0078】
図11Aおよび11Bの両者は、挿入物80によって形成され、図11BにCCおよびDDで示される、ノズルの中心線が完全には一致しておらず、100%未満の交差率をもたらすことを示している。同様に、挿入物90によって形成されるノズル(図12を参照)も、完全には整列していない。本願出願人は、ノズルをほぼ100%の交差率をもたらすように整列させた場合、液滴に加え微細な噴霧を生成することができることを見出した。微細な噴霧は、液滴によって形成される噴霧領域の外側に存在するかもしれない。この微細な噴霧は、最適な噴霧につながらないかもしれず、シャワーを浴びる者の顔および/または眼を不快にさせるかもしれない。交差率が100%未満の場合、この微細な噴霧の発生は低減される。交差率は、約20%〜80%の範囲にあると好ましい。さらに、交差率を小さくすることによって、図7〜10に関して説明した実施態様に優れた噴霧特性をもたらすことができるかもしれない。
【0079】
最も好ましいノズルの実施態様は、図9および10に示した形態にある。生成される流体通路の開先角度は、約70〜85°の間である。出口穴の直径は約1mmであり、40%の交差率を有している。出口穴の中心から中心までの距離は、約1.5mmである。円錐穴の垂直長さは、約4mmである。この実施態様において、いくつかのノズルは、流体がひとたび衝突した後にシャワーヘッドの軸とほぼ平行に噴出するように製作できるが、好ましい実施態様のいくつかのノズルは、複合角を有することができる。現時点において好ましい複合角は、噴霧ヘッドの垂線から6〜8°の間の噴霧の発射角度を生成する。
【0080】
他の実施態様においては、交差率を変化させることができ、および/またはノズルの出口直径を変化させることができる。例えば、ノズル群の半分は、出口直径が0.8mmであって交差率が50%であるノズルであり、残りのノズルは、1mmの出口直径および40%の交差率を有することができる。1mmおよび0.8mmのノズルは、噴霧ヘッドの各所に均等に分布していてよい。この実施態様においては、本願出願人は、噴霧の中にいる者が感じる感覚に平均的な効果があると考えているが、生成された噴霧は種々の液滴寸法を含むことができる。
【0081】
図13は、挿入物61および前面板60の全体図を示している。挿入物61が、前面板60に組み込まれる。挿入物61は、図12においては単一のユニットとして示されているが、別態様として、複数の部品から作り上げてもよい。図14は、前面板60の平面図を示している。
【0082】
一実施態様においては、挿入物61は前面板60に対して可動であり、流路の流れの面積を変化させ、すなわちシステムにおける圧力低下を変化させることによって、ユーザーが噴霧の特性を調節することが可能である。さらに、ジェットの衝突角度および流体流中の乱流も変化させることができる。従って、ユーザーが、液滴寸法、集中度および速度、ならびに全噴霧面積などを含む噴霧の品質を調節することができる。
【0083】
図15は、ノズルの出口側から見た前面板60の平面図を示している、図15に示したノズル・パターンは、シャワーヘッドのために特定された最も好ましいパターンである。全部で30のノズル群からなるノズル群には3つの同心円が存在する。内側の円は、前面板の軸と直角に噴霧を行ない、中央の円は、直角から6°の角度で半径方向外向きの成分を有して噴霧を行なう。外側の円は、垂線から8°の角度で半径方向外向きの成分を有して噴霧を行なう。ノズルからなる円のそれぞれは、ピッチ角の半分だけ隣の円からずらされており、噴霧の相互の干渉を低減している。全ての穴は、直径1mmの出口を有しており、全てのノズル対は、40%の交差率を有している。
【0084】
以上の説明では、本発明の特定の構成部品または完成体について述べたが、それらは公知の均等物を有しており、そのような均等物は、個々にそれぞれ記載されたものとして本願明細書に組み込まれる。
【0085】
本発明を、具体例およびその可能な実施態様を参照しつつ説明したが、添付の特許請求の範囲に定める本発明の技術的範囲を離れることなく変更または改善が可能であることは、理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の第1の実施態様による噴霧ヘッド用挿入物を示す。
【図2A】内側のノズル群について、図1の噴霧ヘッド用挿入物のノズルの相対配向を示す。
【図2B】外側のノズル群について、図1の噴霧ヘッド用挿入物のノズルの相対配向を示す。
【図3】本発明によるノズル群によって生成される噴霧の概略図を示す。
【図4A】本発明の第2の実施態様による噴霧ヘッドのためのノズル用挿入物を示す。
【図4B】本発明の第2の実施態様による噴霧ヘッドのためのノズル用挿入物を示す。
【図5】本発明の第3の実施態様によるノズル用挿入物の構成について、ノズル・ハウジングとともに示した組立分解等角図を示す。
【図6】図5のノズル用挿入物の構成の一部の断面図を示す。
【図7】前面板および挿入物によって構成されてなる本発明の第4の実施態様によるノズル構成の切断図を示す。
【図8】前面板および挿入物によって構成されてなる本発明の第5の実施態様によるノズル構成の切断図を示す。
【図9】図7に示したノズル構成の挿入物の切断図を示す。
【図10】前面板と直交する噴霧を実現し、かつ100%未満の交差率(本明細書の以下を参照)をもたらすための実現性ある挿入物を示す。
【図11A】100%未満の交差率(本願明細書の以下を参照)となる、挿入物の実現性のある構成の斜視図を示す。
【図11B】100%未満の交差率(本願明細書の以下を参照)となる、挿入物の実現性のある構成の平面図を示す。
【図12】前面板に対して或る角度で噴霧を実現するために複合角を使用する挿入物について、実現性のある構成の斜視図を示す。
【図13】本発明の第6の実施態様による噴霧ヘッドのノズルの挿入物および前面板ならびに構成についての斜視図を示す。
【図14】図13に示した前面板について、ノズルの入口側から見た平面図を示す。
【図15】図13に示した前面板について、ノズルの出口側から見た平面図を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体の噴霧を生成するための噴霧ヘッドに関し、特にシャワーヘッドへの適用が可能である。
【背景技術】
【0002】
流体の噴霧を生成するため、様々な噴霧ヘッドが開発されている。噴霧ヘッドは、農業用および工業用の他、最も典型的には家庭用のシャワーであるが、家庭用としても使用されており、より楽しいシャワー体験を提供すべく様々なシャワーヘッドの設計が提案されている。
【0003】
既存のいくつかのシャワーヘッドには、変化する流体供給圧力に適切に協働することができないという問題がある。このため、異なるいくつかの圧力を有するシステムに取り付けられた同じシャワーヘッドが、大きく異なる噴霧特性をもたらすことがあり、それらのいくつかは満足できないものである。こうした問題が、特有の高圧用ヘッドおよび低圧用ヘッドを設計することにつながっている。しかしながら、幅広い範囲のシステム圧力にわたって満足できるシャワー体験をもたらすことができるシャワーヘッドがあれば、有用であり、少なくとも便利である。
【0004】
水の節約も、重要な検討事項である。低流量のシャワーヘッドによって、水の節約がもたらされる。しかしながら、ユーザーは、しばしば大流量のシャワーヘッドの感覚を好むものである。従って、供給する流量が少ないながらも大流量のシャワーの感覚をもたらすシャワーヘッドへのニーズが存在する。
【0005】
さらに、今までに存在するシャワーヘッドを超える優れたシャワー体験をもたらすシャワーヘッドへの需要も存在するであろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、現在の噴霧ヘッドにおける問題の1つ以上を克服または軽減する噴霧ヘッドを提供することにあり、および/または既存のシャワーヘッドに対する改善をもたらす噴霧ヘッドを提供することにあり、あるいは少なくとも公衆に有用な代替物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、シャワーヘッド、工業用噴霧ヘッドおよび農業用噴霧ヘッドの少なくとも1つにおいて使用するための噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物であって、複数のノズル群を備えており、各ノズル群が、噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物の表面から流体のジェットを噴出するために適したノズルを少なくとも2つ有しており、少なくとも2つの該ノズルが、少なくとも使用時において、加圧下で少なくとも2つの該ノズルから出た流体が、周囲の構造に事実上妨げられることなく衝突および相互作用し、液滴へと分解するような寸法および配向となっている噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物が提供される。
【0008】
好ましくは、前記少なくとも2つのノズルを、約40°〜140°の間の開先角度(included angle)で配向させることができる。さらに好ましくは、前記少なくとも2つのノズルを、約70°〜85°の間の開先角度で配向させることができる。
【0009】
好ましくは、前記複数のノズル群の少なくとも1つを、使用時に該選択されたノズル群における仮想の線であって噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物の表面に対する法線である線に沿った方向以外の方向に噴霧を供給するように、非対称とすることができる。
【0010】
好ましくは、前記複数のノズル群の少なくとも1つにおいて、前記少なくとも2つのノズルを、使用時に当該ノズル群における仮想の線であって噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物の表面に対する法線である線に沿った方向以外の方向に噴霧を供給するように、該仮想の線に対して異なる角度で配向させることができる。
【0011】
好ましくは、前記複数のノズル群の前記少なくとも1つが、断面積の相違するノズルを有している。
【0012】
好ましくは、噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物が、噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物の1つ以上の所定の領域に配置された対称であるノズル群、および噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物の1つ以上の他の所定の領域に配置された非対称であるノズル群を備えることができる。
【0013】
好ましくは、噴霧ヘッドの周辺付近に配置されたノズル群を、当該ノズル群を出る噴霧が当該ノズル群を出た後に噴霧ヘッドの中心から離れるように移動するよう構成することができる。
【0014】
一実施態様として、前記ノズル群は、非平面の基体に配置することができる。
【0015】
好ましくは、少なくとも選択されたノズル群を、加圧下で少なくとも選択された該ノズル群のノズルから出る流体が、100%未満の交差率で衝突するように構成することができる。一実施態様においては、噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物の全てのノズル群から出る流体が、加圧下で、100%未満の交差率で衝突する。前記交差の割合は、約20%〜80%の間であってよく、さらに好ましくは、約40%〜50%の間であってよい。
【0016】
好ましくは、各ノズル群のノズルの出口開口の直径が、約0.8〜1.0mmの間であるとよい。
【0017】
好ましくは、各ノズル群のノズルの出口開口の中心が、約1.5mm離れているとよい。
【0018】
一実施態様においては、噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物が、ノズル出口直径の寸法が相違する少なくとも2つの種類のノズル群を備えることができ、より大きいノズル出口直径を有するノズル群が、より小さい出口直径を有するノズル群よりも小さい交差率を有している。
【0019】
好ましくは、各ノズル群のノズルを、少なくとも部分的に、可撓性材料または弾性材料に形成された開口によって形成することができる。前記開口を形成している前記可撓性材料または弾性材料は、噴霧ヘッドの表面から突き出していてもよい。
【0020】
好ましくは、各ノズル群を2つのノズルから構成することができる。
【0021】
好ましくは、少なくとも選択されたノズル群のノズルの入口および出口を、お互いに対してずらすことができる。前記ノズルの入口および出口を、流体が前記少なくとも選択されたノズル群から、当該ノズル群における仮想の線であって噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物の表面に対する法線である線に対し約6〜8°の間の角度で噴出するようにずらすことができる。
【0022】
好ましくは、各ノズル群が、一体となって間に各ノズルのための流体流路を規定する1つ以上の開口および相補的な1つ以上の突起によって形成される。各ノズル群を、2つの開口および相補的な突起によって形成し、該突起が前記各開口の栓として機能して当該ノズル群のノズルから噴出するジェットの開先角度を増加させるようにできる。
【0023】
各開口は、事実上円錐形であってよい。噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物によって生成される噴霧の特性を制御できるよう、前記突起が前記開口に対して可動であってよい。
【0024】
好ましくは、複数のノズル群についての前記突起が全て、ただ1つの基体材料に形成されている。複数のノズル群についての前記開口を全て、ただ1つの基体材料に形成することができる。
【0025】
好ましくは、清掃のために、前記突起および前記開口の表面へのアクセスができるように、前記突起を、それらが対応している開口から取り除くことができる。
【0026】
好ましくは、各ノズル群のノズルを、前記開口および前記突起の一方または両方の通路または溝によって形成することができる。
【0027】
好ましくは、噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物を、使用時に各ノズルにおいて流体の乱流を生むような寸法および形状とすることができる。各ノズルは、前記流体の乱流を生むための少なくとも1つの邪魔板を備えることができる。
【0028】
本発明の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物は、シャワーヘッドを構成する噴霧ヘッドの一部を構成するとき、特に好都合である。
【0029】
本発明の第2の実施態様によれば、シャワー、工業用プロセス、または農業用プロセスの少なくとも1つにおいて、流体の液滴によって形成される流体噴霧を生成する方法であって、互いに近接して位置する複数のノズル群であって、それぞれが少なくとも2つのノズルを有しており、少なくとも2つの該ノズルが、各ノズル群のノズルを出た流体が、周囲の構造に事実上妨げられることなく衝突および相互作用して、その後に液滴へと分解するようにお互いに対して配置されているノズル群に流体を通過させることを含んでいる方法が提供される。
【0030】
好ましくは、前記方法は、前記ノズル群に約40°〜140°の間の開先角度を有するように配向したノズルを設けることを含むことができる。
【0031】
好ましくは、前記方法は、前記ノズル群に約70°〜85°の間の開先角度を有するように配向したノズルを設けることを含むことができる。
【0032】
好ましくは、前記方法は、選択されたノズル群から所定の角度で噴霧を提供するように、少なくとも選択された非対称であるノズル群に流体を通過させることを含むことができる。
【0033】
好ましくは、各ノズル群を2つのノズルから構成することができる。
【0034】
好ましくは、前記方法が、各ノズルを通って流体の乱流を通過させることを含むことができる。
【0035】
好ましくは、前記方法は、各ノズル群のノズルを出る流体を100%未満の交差率で衝突するように導くことを含むことができる。
【0036】
好ましくは、前記交差の割合を約20%〜80%の間とすることができる。
【0037】
好ましくは、前記交差の割合を約40%〜50%の間とすることができる。
【0038】
本発明の方法は、シャワーヘッドに好ましく適用することができる。
【0039】
本発明のさらなる態様は、添付の図面を参照しつつあくまで好ましい実施態様の一例として与えられる以下の説明から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
本発明は、シャワーヘッドに関し、特に家庭用シャワーのシャワーヘッドとしての使用に好適である。本発明によるシャワーヘッドは、ユーザーにとっての良質なシャワー体験、シャワーヘッドが実際に供給している流量よりも大流量の感覚、および/または幅広い範囲の供給圧力にわたっての良質なシャワー体験といった利点をもたらすことができる。
【0041】
添付図面の図1を参照すると、本発明の第1の実施態様による噴霧ヘッド用挿入物が示されており、全体が矢印100で示されている。噴霧ヘッド用挿入物100は、シャワーヘッドという特定の用途を有することができ、シャワーヘッドとしての使用に特に適しているという利点を有するが、本発明の用途がシャワーヘッドのみに限られるわけではない。例えば、本発明の噴霧ヘッドは、塗料や接着剤の塗布といった工業的処理の用途を有していてもよく、および/または除草剤や殺虫剤の散布といった農業用の用途を有していてもよい。本発明が、多数のジェットからなる噴霧ではなく、穏やかな噴霧が求められる用途を有していてもよいことは、予想できるであろう。噴霧ヘッド100は、事故発生直後のやけどの被災者の処置のための緊急シャワーとして使用することが可能である。
【0042】
図3は、基部10に設けられ、第1および第2のノズル24、25から出た2つの流体ジェットの集中によって得られる水のパターンを示している。水は、最初に火炎のような形状Fを形成し、次いで小さな液滴Rへと分解する。これらの液滴Rによって、優れたシャワー体験を提供することができ、および/または或る種の工業用途または農業用途に適した噴霧を供給することができる。さらに、本発明の噴霧ヘッドは、供給圧力の変動によって引き起こされる液滴噴霧の変化が、同じ供給圧力変動によって引き起こされるジェット水の変化に比べてより知覚されにくいため、供給圧力の変動を自己補填する能力を本質的に備えている。
【0043】
好ましい実施態様は、各ノズル群にノズルを2つだけ有しているが、各ノズル群が3つ以上のノズルを任意に備えていてもよい。ノズル群中の選択されたノズルを順次部分的または完全に開放および閉鎖する回転可能円板を、スプレー・ヘッド100の背後に設けた場合、脈動効果を実現することができ、あるいは各ノズル群からの噴霧の方向を変化させることができる。
【0044】
以下でさらに詳細に説明するとおり、ノズル群のシャワーヘッド全体にわたっての特定の配置、各ノズル群におけるノズルの数および配置、ならびにノズルの寸法および向きは、噴霧ヘッドの特定の用途における要件に応じて変化させることができる。
【0045】
図1に示した噴霧ヘッド用挿入物100は、この実施態様では45群のノズルが配置されてなる基体1を有している。基体1の表面形状は、平面であってよく、あるいは所望の噴霧パターンの提供を助けるため凸状などの平面でない形状を任意に含んでいてもよい。基体1は、図1に示すとおり環状であってよく、あるいは、例えば矩形など何らかの他の形状を有していてもよく、プラスチック、ゴム、あるいは適切な金属または金属合金など、任意の適切な材料から構成することができる。
【0046】
この実施態様においては、ノズルの各群は、2つのノズルから構成されている。分かりやすくするため、図1においては、2つのノズル群のみに参照番号が付されており、すなわちノズル群2aおよび2bである。ノズル群は、噴霧ヘッド用挿入物100の全体に分布しており、破線で図示された4つの円弧で構成され、噴霧ヘッド用挿入物100の中心から等距離の位置にある5つのグループの交点に配置されている。図1に示すように、各ノズル群は、一方のノズルが当該ノズル群の他方のノズルのほぼ半径方向外側に位置するように配置することができる。各ノズルは、必ずしもその必要はないが、円形の断面を有することができる。本発明の一実施態様においては、基体1の単純な孔によってノズルを構成することができる。
【0047】
噴霧ヘッド用挿入物100の中心に、噴霧ヘッド100に水圧が加えられたときに脈動噴霧を生成するマッサージ・ユニット3を備えてもよい。マッサージ・ユニットは広く知られており、従ってマッサージ・ユニット3の動作や実装については、ここではこれ以上説明しない。あるいは、噴霧ヘッド用挿入物100の中央を固定してもよく、基体1と一体にしてもよい。噴霧ヘッド用挿入物の中央は、必ずしもノズル群無しである必要はない。
【0048】
使用時、噴霧ヘッド用挿入物100は、通常は、一体となって噴霧ヘッドを構成するハウジング(図示されていない)に取り付けられ、周囲において密封される。あるいは、噴霧ヘッド用挿入物100をハウジングと一体に形成してもよい。ハウジングは、流体供給源からハウジングへと流体が移動することができる流体通路を備えており、あるいはそのような流体通路に接続されている。流体通路は、噴霧ヘッド用挿入物100の背後に水溜めW(図3を参照)を形成するような形状とされている。
【0049】
噴霧ヘッド用挿入物100は、射出成型プロセスによって製作することができ、ノズルは、成型プロセス後に金型から抜き取られるピンによって形成することができる。
【0050】
ノズル群の幾何形状を変えることにより、ノズル群を出るときの噴霧の移動方向を制御することができる。例えば、或る直径Dの外側にあるノズル群2bなどのノズル群は、半径方向外向きの成分を有する噴霧をノズルから吐出することができ、一方、直径Dの内側にあるノズル群2aなどのノズルは、噴霧ヘッド用挿入物100にほぼ直交する軸に沿って噴霧を導くことができる。ノズルの特性を変えることによって実現できるこの噴霧方向の変化は、ノズルが配置される基体1の表面の形状を変える代わりとして、あるいはこれに加えて、使用することができる。
【0051】
図2Aを参照すると、ノズル群2aの概略の断面図が示されている。ノズル群2aは、間隔Sで隔てられた第1および第2のノズル20、21を備えている。Sはゼロであってもよいが、本願出願人は、Sがノズルの直径の少なくとも半分であると好都合であることを見出した。一般的に、ノズル群のノズル間の最大間隔は、シャワーヘッドにおいてノズル群が他のノズル群のノズルからの流れと衝突することなく占めることができる空間の大きさに制約される。さらに、ノズル間の間隔が大きくなるにつれ、ノズルによって生成されるジェットの方向のばらつきが許容されにくくなる。両方のノズル20、21は、シャワーヘッド用挿入物100に直交する軸に対して同じ角度ψ1を向いており、ノズル群2aおよび2bに中心を置く直交軸は、図2Aおよび2Bにおいて直線AAで示されている。角度ψ1は、25°であれば適当であり、従ってノズル20および21は、お互いに対して50°で配向している(すなわち、50°の開先角度を有している)。さらに好ましくは、角度ψ1は35°でよく、開先角度は70°になる。各ノズルは、自身の長手軸に沿って0.8mmの直径d1を有することができる。対称であるというノズル群2aの性質から、水はノズルから出て直交軸AAの周囲をW1で示されている方向に導かれる。
【0052】
図2Bは、ノズル群2bの断面の図を示している。ノズル群2bは、2つのノズル22および23を含んでいる。ノズル23の寸法および直交軸AAに対する向きは、ノズル群2Aのノズル21と同じであってよく、その場合、d3=d1=0.8mmであり、ψ3=ψ1=35°である。ノズル22は、例えば約0.9mmまたは1mmの直径など、より大きな直径d2を有してよく、および/または直交軸AAに対してより大きい角度ψ2で配向してよい。角度ψ2は、例えば40°でよい。従って、非対称であるというノズル群2bの性質から、ノズル群2bを出る水は、ほぼ矢印W2で示された方向に導かれる。必要であれば、選択されたいくつかのノズル群が、ノズル群を出る水が方向W1、W2に垂直な成分を有するように配向されていてもよい。例えば、図1のノズル群2aに関して、ノズル群2aからの水の移動方向は、方向W3の成分を有していてもよい。これは、ノズルを製作するときに複合角を使用することによって達成される。この場合、ノズルは、自身の入り口および出口をW3の方向に沿って異なる位置に有するであろう。組をなしている両方のノズルに同じ複合角が加えられているならば、ジェットが衝突して、この加えられた複合角を有する噴霧が生じるであろう。
【0053】
ノズル群のノズル間の相互の開先角度は、各ノズルからのジェットの液滴への微細化がそれでも達成できる最小角度と、噴霧ヘッドから離れる所望の噴霧速度を依然もたらすことができる最大角度との間で選択される。ノズル間の開先角度が約40°〜140°の間のどこかであれば、依然として前記要件間の適切なバランスをもたらすことができると考えられる。本発明の噴霧ヘッドは、例えば図1に示したノズルにおいて、例えば25〜1000kPaの間で、幅広い圧力範囲にわたって使用可能であると考えられるが、必要があれば、各ノズル群のノズル間の開先角度が異なっている高圧用または低圧用の噴霧ヘッドを製作することも可能である。噴霧ヘッドの各所に、ノズル群を収束の角度を異ならせつつ設けることにより、噴霧ヘッドから離れる速度が噴霧ヘッドの各所において異なっている噴霧を生成することができる。
【0054】
噴霧ヘッド用挿入物100に関し、2つの異なる形式のノズル群についてのみ説明および図示したが、ノズル群からの噴霧に求められる他の角度を達成するため、他のノズル群形式を使用でき、1つの噴霧ヘッドが2つ、3つ、またはそれ以上の異なる形式のノズル群を含んでもよいことは、当業者であれば予想できるであろう。ノズルの角度およびノズルの直径の一方または両者を、噴霧方向の変化を実現すべく変えることができる。
【0055】
ノズル群の分布のパターンを変えることによって、各ノズル群においてノズルの寸法および向きを、お互いに対してかつ噴霧ヘッドの法線の軸に対して変化させることによって、ノズル群間でノズルの向きを変えることによって、さらには、噴霧ヘッドの基体の表面形状を変えることによって、様々な噴霧パターンを実現することができる。さらに、噴霧ヘッドの中心に対するノズル群の向きを、変化させることができる。例えば、長方形の噴霧ヘッドにおいて、全てのノズル群を噴霧ヘッドの長手軸と平行に整列させることができる。
【0056】
これらの可変要素は全て、特定の噴霧パターンを示す必要がある噴霧ヘッドを設計する際に、使用を検討することができる。前記可変要素を使用して噴霧ヘッドからの噴霧パターンを決定することに加え、同じ可変要素を、噴霧パターンの各所における流体の集中度を制御するためにも使用できる。例えば、噴霧ヘッドを、噴霧パターンの各所において均一な水の集中度をもたらすように製造でき、あるいは、例えば噴霧パターンの中心に噴霧パターンの周辺に比べより集中した流体をもたらす、またはその反対など、或る領域において他の領域に比べ流体をより集中してもたらすように製造できる。
【0057】
液滴の寸法は、ノズルの出口直径、各ノズル群のノズルの開先角度、および交差率によって影響されうる。交差率とは、或る1つのノズル群のノズルからのジェットが互いに衝突する程度を指している。好ましく整列したノズルは、100%の交差率を有し、一方、互いに完全に一致しないジェットは、交差率が0%である。
【0058】
ノズルは、基体1の円柱形の開口によって簡単に形成することができるが、必ずしもそのようである必要はない。例えば、ノズルが、出口付近に絞りを有するような形状とされていてもよい。
【0059】
本発明の第2の実施態様においては、ノズルを別体の部品とすることができ、噴霧ヘッドの残りの部分と組み合わせることができる。また、ノズルが、基体1に組み合わされる個々のノズルで構成されてもよい。この実施態様の一例が、図4Aおよび4Bに示されている。図4Aおよび4Bには、2つのノズル26、27を備えるノズル群2cが示されている。ノズル群2cは、適切には成型ゴムからなる一体成型の部品であり、反転させられて、噴霧ヘッドの一部を構成する基体10の開口11へと挿入される(図4Bを参照)。中央の支持部28が、ノズル26、27間の間隔S1を設定する。ノズル26、27および支持部28は、基体10の内面に当接する台座29から延びており、ノズル26、27が開口11を通って押し出されることがないようにしている。複数のノズル群2cを、同じ台座29から延ばすことができ、噴霧ヘッドの全てのノズルを、噴霧ヘッド基体への挿入物を構成する1つの台座に設けることができる。
【0060】
図4Bに示した実施態様の利点は、噴霧ヘッドの製造を容易にできる点にある。また、ノズル26、27内に蓄積した破片や水垢を、硬い基体材料に孔を設けてなる形態のノズルに比べ、比較的容易に取り除くことができる。、破片や水垢がノズルを出る流体ジェットの方向を誤らせ、交差率を必要とされる交差率よりも低くしてしまいかねず、あるいは最も極端な場合には、ジェットをお互いに全く交差しないようにしてしまいかねないため、ノズルを清掃できるというこの特徴は本発明の噴霧ノズルにおける利点である。
【0061】
第3の別の実施態様は、図5に示されており、第1の挿入部材40および第2の挿入部材42からなる2つの挿入物を有する噴霧ヘッド101が示されている。第1および第2の挿入部材40、42は、ハウジング41内に設けられている。第1の挿入部材40は、複数の開口44を有し、これらがハウジング41に設けられた開口に対応している。第2の挿入部材42は、複数の突起46を有しており、使用時に、これら突起46のそれぞれが、第1の部材40の開口44内に位置する。
【0062】
組み立てられた状態の構成は、図6を参照してより容易に理解することができる。突起46は、おおむねくさび形を構成するよう先細りであり、一部または全体が円錐状であってよい。対応して先細りまたは円錐状とされた開口44に、ノズルを構成する2つの通路または溝48が備えられている。あるいは、開口が円柱形でもよく、さもなくば平行な壁面によって構成されていてもよく、少し異なるジェット特性を生み出すことができる。第1の挿入部材40を構成する材料は、突起46と開口44の側壁との間に適切な封止を実現できるよう、好ましくは、弾力性を有する材料、または柔軟性を有する材料、または伸縮性を有する材料、あるいは同様の材料である。
【0063】
突起46の中央部および開口44は、通路または溝48に必要とされる断面積を保ちつつ突起46を開口44内に適切に位置させる形状とすることができる。これは、特定の噴霧パターンおよび噴霧パターンの各所における特定の流体の集中度を確実に実現および維持するため、重要である。
【0064】
突起46の底部47は、開口44の出口45と整列していてよい。あるいは、底部47が開口44から突き出していてもよく、図6の例に示すとおり、開口44内に凹んでいてもよい。また、通路または溝48の出口は、ハウジング41と整列していてもよく、ハウジング41から突き出していてもよく、あるいはハウジング41内に凹んでいてもよい。底部47が凹んでいる場合、開口44およびハウジング41は、通路または溝48を出るジェットの衝突によって形成される噴霧パターンの形成を妨げてはいけない。妨げた場合、液滴の噴霧ではなく、炭酸水を生みかねない。同様に、底部47が凹んでいるか否かにかかわらず、通路または溝48の出口の外側の領域は、ジェットの衝突によって形成される噴霧パターンの形成を制約することがないよう、障害物がないように保たれなければならない。
【0065】
この実施態様の利点は、ノズルの形状が製造時の工具によって定められるため、製造条件下において形状がより正確かつ信頼できるものとなり、最終製品において、ノズルからの流体流の衝突に関し、所望の結果がより高い信頼性で達成される点にある。もう1つの利点は、金型内のピンを取り外す必要がなくなる点にある。多数の流路の組をきわめて近接して有している、図1に示したような噴霧ヘッドを製作するために、取り外し式のピンを使用することは、困難である。第1および第2の挿入部材40、42は、分離する金型を使用して製作することが可能である。
【0066】
図7および8の両者は、本発明によるノズル構成の第4および第5の実施態様を示している。図8は分解図である。矢印200および300でそれぞれ概略的に示されているこのノズル構成は、前面板60A、60Bおよび挿入物61A、61Bから構成され、それぞれ通路62Aおよび62Bを形成している。図7および8の両者は、前面板および挿入物について、通路62Aおよび62Bの2つの出口穴の中心を通るように眺めた切断図である。
【0067】
ノズル構成200の前面板60Aは、剛体板600の後方に組み付けた(あるいは成型した)弾力性または柔軟性または伸縮性を有する材料から構成することができる。従って、通路62Aの出口は剛体板600から突き出すことができ、ユーザーは、通路の壁面の石灰の堆積など、通路62Aの堆積物を素早く清掃すべく、こすることができる。
【0068】
図8を参照すると、前面板60Bが、2つの円錐形の開口63Bおよび64Bを、中央の柱65Bで区画して備えている。挿入物61Bが、2つの円錐形の突起66B、67Bを備えており、それぞれ開口63Bおよび64Bの一部分を塞いでいる。円錐形の突起66Bおよび67Bの形状によって、円錐形の突起66Bおよび67Bが設けられていない場合よりも、大きな相対角度で互いに衝突するジェットがもたらされる。円錐形の突起66Bおよび67Bの先端は、頑丈さを増すため丸められていてもよい。さらに、丸められた先端は、適切に配置された場合、通路62Bから噴出するジェットの相対角度を増すことが可能である。図7は、同様の構成を有しているが、わずかに寸法が異なっている。前面板60Bも、柔軟性を有する材料から任意に製作することができ、次いで、図7の前面板60Aと同様のやり方で剛体板の背後に組み付けることができる。
【0069】
本発明の好ましい態様においては、流体通路62A、62Bの開先角度は70〜85°の間であり、出口穴は、1mmの直径および40%の交差率を有する。出口穴の中心から中心までの距離は、1.5mmとすることができ、円錐穴の垂直長さは、4mmとすることができる。この実施態様のいくつかの変形版は、流体が当該位置における出口表面と直角に流出するように製作できるが、ノズルの構成に複合角を加えることによって、流体が垂直ベクトルを外れた様々な角度で流出するように製作することもできる。本願出願人は、噴霧の寸法および均一性を最適化するため、前面板上のいくつかのノズル群に6〜8°の角度を使用すると好ましいことを見出している。
【0070】
図9は、前面板60Aの切断図を示しており、中央の柱65Aによって分離された2つの円錐形の開口63Aおよび64Aを有している。
【0071】
図10は、他の挿入物61Cの図を示しており、1つのノズル群のみが示されている。挿入物61Cは、2つの円錐形の突起66Aおよび67Aを備えている。これらは、4つのウェブ68〜71によって支持されている。5つ目のウェブ72が、2つの円錐状突起を接続している。ウェブ68〜71は、円錐形の突起66Aおよび67Aを支持するほか、流体流路の邪魔板としても機能する。従って、ウェブ68〜71が流れに乱流を作り出し、少なくともノズル構造のいくつかの構成について、これがジェット衝突後の液滴の形成を助けることを、本願出願人は見出している。本願出願人は、ジェット中の層流が、流れの中にフレームF(図3を参照)の再結合を生じさせる傾向にあり、一方、ジェット中の乱流が、フレームの液滴への分解を引き起こすものと考えている。従って、流体流路が、別なやり方で乱流を作り出すように設計される場合には、乱流を生むべくウェブまたは他の適切な手段を使用する必要はないかもしれない。図7に示した挿入物61Aおよび図8に示した挿入物61Bは、挿入物61Cと同様のやり方で機能するが、形状がいくらか相違している。
【0072】
図7〜10に示したノズル構成の利点は、やはり製造の容易さにある。開口63A、64A、63Bおよび64Bは、取り外し式ピンの周囲への成型に比べ、比較的容易に形成することができる。さらに、多数の衝突ジェット対を、比較的狭い空間で提供することができる。他の利点は、前面板と挿入物とを分離して、それぞれの表面に触れることができるようにすることができるため、清掃が簡単であるという点にある。図7および10に示したノズル構成は、挿入物が2つの円錐突起を接続するウェブから強度を得ることができ、より頑丈な挿入物が望まれる場合に好ましいかもしれず、さらに結果として得られる挿入物の製造および組み立てを容易にできる。
【0073】
前面板の開口は、必ずしも円錐形でなくてもよい。他の実施態様においては、開口が入り口において長方形であり、流体流路に必要な傾斜を生むべく位置する出口穴へと先細りになっていてもよい。挿入物は、長方形の開口について、円錐形の開口についてと同様のやり方で設けられる。
【0074】
図11Aおよび11Bは、挿入物80の2つの部分を詳細に示している。挿入物80は、挿入物基部83から延びた2つの突起81および82を有している。2つの開口84および85が、挿入物基部83を通る流体流路をもたらしている。突起81および82の両者は、それぞれ86および87で示されている通路を備えており、ジェットとして噴出させる前、流体がこれらの通路に沿って移動する。この構成によれば、突起81および82が、対応する前面板に設けられた開口の内面に当接でき、通路86および87が設けられない場合に比べ、各ノズルを通る流路の断面積により一貫性をもたらすことができる。
【0075】
各通路が、自身の占有面積を通過する中心線を中心として対称である場合、衝突するジェットからの噴霧は、挿入物基部83にほぼ直交して噴出するであろう。ノズルは、生じる噴霧の方向を変えるために加えられる複合角を有していてもよい。これは、通路86および87を、中心線CCおよびDD(図11Bを参照)を回転の中心として有する平面に一致させることによって実現され、これら平面は、ジェットがノズル出口に存在する交差率と同じ交差率で衝突するため平行でなければならない。複合角は、本願明細書に記載の他の実施態様にも適用することができる。ノズル出口から噴出するジェットは、これらの場合においては、ノズルの入口の穴の中心と出口の穴の中心との間の線と、平行であろう。従って、ジェットの衝突によって作り出される扇の角度を、出口穴に対する入口穴の位置を変えることによって制御することができる。
【0076】
図12は、上記の複合角を使用する他の挿入物90を示している。挿入物90は、挿入物基部93から斜めに延びる2つの突起91および92を有している。斜めの突起91および92を設けることによって、ノズルからの噴霧の発射方向を制御することが可能である。
【0077】
本願件出願人は、図11および12に示した実施態様では、ノズルを通る流体が乱流を生み、乱流を生成するための付加的なウェブが必要ないことを見出している。
【0078】
図11Aおよび11Bの両者は、挿入物80によって形成され、図11BにCCおよびDDで示される、ノズルの中心線が完全には一致しておらず、100%未満の交差率をもたらすことを示している。同様に、挿入物90によって形成されるノズル(図12を参照)も、完全には整列していない。本願出願人は、ノズルをほぼ100%の交差率をもたらすように整列させた場合、液滴に加え微細な噴霧を生成することができることを見出した。微細な噴霧は、液滴によって形成される噴霧領域の外側に存在するかもしれない。この微細な噴霧は、最適な噴霧につながらないかもしれず、シャワーを浴びる者の顔および/または眼を不快にさせるかもしれない。交差率が100%未満の場合、この微細な噴霧の発生は低減される。交差率は、約20%〜80%の範囲にあると好ましい。さらに、交差率を小さくすることによって、図7〜10に関して説明した実施態様に優れた噴霧特性をもたらすことができるかもしれない。
【0079】
最も好ましいノズルの実施態様は、図9および10に示した形態にある。生成される流体通路の開先角度は、約70〜85°の間である。出口穴の直径は約1mmであり、40%の交差率を有している。出口穴の中心から中心までの距離は、約1.5mmである。円錐穴の垂直長さは、約4mmである。この実施態様において、いくつかのノズルは、流体がひとたび衝突した後にシャワーヘッドの軸とほぼ平行に噴出するように製作できるが、好ましい実施態様のいくつかのノズルは、複合角を有することができる。現時点において好ましい複合角は、噴霧ヘッドの垂線から6〜8°の間の噴霧の発射角度を生成する。
【0080】
他の実施態様においては、交差率を変化させることができ、および/またはノズルの出口直径を変化させることができる。例えば、ノズル群の半分は、出口直径が0.8mmであって交差率が50%であるノズルであり、残りのノズルは、1mmの出口直径および40%の交差率を有することができる。1mmおよび0.8mmのノズルは、噴霧ヘッドの各所に均等に分布していてよい。この実施態様においては、本願出願人は、噴霧の中にいる者が感じる感覚に平均的な効果があると考えているが、生成された噴霧は種々の液滴寸法を含むことができる。
【0081】
図13は、挿入物61および前面板60の全体図を示している。挿入物61が、前面板60に組み込まれる。挿入物61は、図12においては単一のユニットとして示されているが、別態様として、複数の部品から作り上げてもよい。図14は、前面板60の平面図を示している。
【0082】
一実施態様においては、挿入物61は前面板60に対して可動であり、流路の流れの面積を変化させ、すなわちシステムにおける圧力低下を変化させることによって、ユーザーが噴霧の特性を調節することが可能である。さらに、ジェットの衝突角度および流体流中の乱流も変化させることができる。従って、ユーザーが、液滴寸法、集中度および速度、ならびに全噴霧面積などを含む噴霧の品質を調節することができる。
【0083】
図15は、ノズルの出口側から見た前面板60の平面図を示している、図15に示したノズル・パターンは、シャワーヘッドのために特定された最も好ましいパターンである。全部で30のノズル群からなるノズル群には3つの同心円が存在する。内側の円は、前面板の軸と直角に噴霧を行ない、中央の円は、直角から6°の角度で半径方向外向きの成分を有して噴霧を行なう。外側の円は、垂線から8°の角度で半径方向外向きの成分を有して噴霧を行なう。ノズルからなる円のそれぞれは、ピッチ角の半分だけ隣の円からずらされており、噴霧の相互の干渉を低減している。全ての穴は、直径1mmの出口を有しており、全てのノズル対は、40%の交差率を有している。
【0084】
以上の説明では、本発明の特定の構成部品または完成体について述べたが、それらは公知の均等物を有しており、そのような均等物は、個々にそれぞれ記載されたものとして本願明細書に組み込まれる。
【0085】
本発明を、具体例およびその可能な実施態様を参照しつつ説明したが、添付の特許請求の範囲に定める本発明の技術的範囲を離れることなく変更または改善が可能であることは、理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の第1の実施態様による噴霧ヘッド用挿入物を示す。
【図2A】内側のノズル群について、図1の噴霧ヘッド用挿入物のノズルの相対配向を示す。
【図2B】外側のノズル群について、図1の噴霧ヘッド用挿入物のノズルの相対配向を示す。
【図3】本発明によるノズル群によって生成される噴霧の概略図を示す。
【図4A】本発明の第2の実施態様による噴霧ヘッドのためのノズル用挿入物を示す。
【図4B】本発明の第2の実施態様による噴霧ヘッドのためのノズル用挿入物を示す。
【図5】本発明の第3の実施態様によるノズル用挿入物の構成について、ノズル・ハウジングとともに示した組立分解等角図を示す。
【図6】図5のノズル用挿入物の構成の一部の断面図を示す。
【図7】前面板および挿入物によって構成されてなる本発明の第4の実施態様によるノズル構成の切断図を示す。
【図8】前面板および挿入物によって構成されてなる本発明の第5の実施態様によるノズル構成の切断図を示す。
【図9】図7に示したノズル構成の挿入物の切断図を示す。
【図10】前面板と直交する噴霧を実現し、かつ100%未満の交差率(本明細書の以下を参照)をもたらすための実現性ある挿入物を示す。
【図11A】100%未満の交差率(本願明細書の以下を参照)となる、挿入物の実現性のある構成の斜視図を示す。
【図11B】100%未満の交差率(本願明細書の以下を参照)となる、挿入物の実現性のある構成の平面図を示す。
【図12】前面板に対して或る角度で噴霧を実現するために複合角を使用する挿入物について、実現性のある構成の斜視図を示す。
【図13】本発明の第6の実施態様による噴霧ヘッドのノズルの挿入物および前面板ならびに構成についての斜視図を示す。
【図14】図13に示した前面板について、ノズルの入口側から見た平面図を示す。
【図15】図13に示した前面板について、ノズルの出口側から見た平面図を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
噴霧ヘッド、または、シャワーヘッド、工業用噴霧ヘッドおよび農業用噴霧ヘッドの少なくとも1つにおいて使用するための噴霧ヘッド用挿入物であって、
複数のノズル群を備えており、
各ノズル群が、噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物の表面から流体のジェットを噴出させるために適したノズルを少なくとも2つ有しており、該少なくとも2つのノズルが、少なくとも使用時において、圧力の下で該少なくとも2つのノズルから出た流体が、周囲の構造に事実上妨げられることなく衝突および相互作用し、液滴へと分解するような寸法および配向になっていることを特徴とする噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項2】
前記少なくとも2つのノズルが、約40°〜140°の間の開先角度で配向していることを特徴とする請求項1に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項3】
前記少なくとも2つのノズルが、約70°〜85°の間の開先角度で配向していることを特徴とする請求項1に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項4】
前記複数のノズル群の少なくとも1つが、使用時に該選択されたノズル群における仮想の線であって噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物の表面に対する法線である線に沿った方向以外の方向に噴霧を供給するために、非対称であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項5】
前記複数のノズル群の少なくとも1つにおいて、前記少なくとも2つのノズルが、使用時に当該ノズル群における仮想の線であって、噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物の表面に対する法線である線に沿った方向以外の方向に噴霧を供給するために、該仮想の線に対して異なる角度で配向していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項6】
前記複数のノズル群の前記少なくとも1つが、断面積の相違するノズルを有していることを特徴とする請求項4または5に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項7】
噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物の1つ以上の所定の領域に配置された対称であるノズル群、および、噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物の1つ以上の他の所定の領域に配置された非対称であるノズル群、を含んでいることを特徴とする請求項4に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項8】
噴霧ヘッドの周辺付近に配置されたノズル群が、当該ノズル群を出る噴霧が当該ノズル群を出た後に噴霧ヘッドの中心から離れるように移動するよう構成されていることを特徴とする請求項7に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項9】
前記ノズル群が、非平面の基体に配置されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項10】
少なくとも選択されたノズル群が、圧力の下で該少なくとも選択されたノズル群のノズルから出た流体が、100%未満の交差で衝突するよう構成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項11】
噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物の全てのノズル群から出た流体が、圧力の下で、100%未満の交差で衝突することを特徴とする請求項10に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項12】
前記交差の割合が、約20%〜80%の間であることを特徴とする請求項10または11に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項13】
前記交差の割合が、約40%〜50%の間であることを特徴とする請求項10または11に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項14】
各ノズル群のノズルの出口開口の直径が、約0.8〜1.0mmの間であることを特徴とする請求項13に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項15】
各ノズル群のノズルの出口開口の中心が、約1.5mm離されていることを特徴とする請求項14に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項16】
ノズル出口直径の寸法が相違する少なくとも2つの種類のノズル群を含んでおり、より大きいノズル出口直径を有するノズル群が、より小さい出口直径を有するノズル群よりも小さい交差率を有していることを特徴とする請求項10〜15のいずれか一項に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項17】
各ノズル群のノズルが、少なくとも部分的に、可撓性材料または弾性材料に形成された開口によって形成されていることを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項18】
前記開口を形成している前記可撓性材料または弾性材料が、噴霧ヘッドの表面から突き出ていることを特徴とする請求項17に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項19】
各ノズル群が2つのノズルで構成されていることを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項20】
少なくとも選択されたノズル群のノズルの入口および出口が、お互いに対してずらされていることを特徴とする請求項19に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項21】
前記ノズルの入口および出口が、流体が前記少なくとも選択されたノズル群から、当該ノズル群における仮想の線であって噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物の表面に対する法線である線に対し約6〜8°の間の角度で噴出するようにずらされていることを特徴とする請求項20に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項22】
各ノズル群が、一体となって間に各ノズルのための流体流路を規定する1つ以上の開口および相補的な1つ以上の突起によって形成されていることを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項23】
各ノズル群が、2つの開口および相補的な突起によって形成され、該突起が前記各開口の盲板(blank)として機能して当該ノズル群のノズルから噴出するジェットの開先角度を増加させることを特徴とする請求項22に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項24】
各開口が、事実上円錐形であることを特徴とする請求項22または23に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項25】
噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物によって生成される噴霧の特性を制御できるよう、前記突起が前記開口に対して可動であることを特徴とする請求項22〜24のいずれか一項に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項26】
複数のノズル群についての前記突起が全て、ただ1つの基体材料に形成されていることを特徴とする請求項22〜25のいずれか一項に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項27】
複数のノズル群についての前記開口が全て、ただ1つの基体材料に形成されていることを特徴とする請求項25に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項28】
清掃のため、前記突起および前記開口の表面へのアクセスができるように、前記突起を、それらが対応している開口から取り除くことができることを特徴とする請求項22〜27のいずれか一項に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項29】
各ノズル群のノズルが、前記開口および前記突起の一方または両者の通路または溝によって形成されていることを特徴とする請求項22〜28のいずれか一項に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項30】
使用時に各ノズルにおいて乱流流体流を生むような寸法および形状とされていることを特徴とする請求項1〜29のいずれか一項に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項31】
各ノズルが、前記乱流を生むための少なくとも1つの邪魔板を備えていることを特徴とする請求項30に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項32】
シャワーヘッドを構成する噴霧ヘッドの一部を構成することを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項33】
シャワー、工業用プロセスまたは農業用プロセスの少なくとも1つにおいて、流体の液滴によって形成される流体噴霧を生成する方法であって、
互いに近接して位置する複数のノズル群であって、それぞれが少なくとも2つのノズルを有しており、少なくとも2つの該ノズルが、各ノズル群のノズルを出た流体が、周囲の構造に事実上妨げられることなく衝突および相互作用して、その後に液滴へと分解するようにお互いに対して配置されているノズル群に、流体を通過させることを含んでいることを特徴とする方法。
【請求項34】
前記ノズル群に、約40°〜140°の間の開先角度を有するように配向したノズルを設けることを含んでいることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記ノズル群に、約70°〜85°の間の開先角度を有するように配向したノズルを設けることを含んでいることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項36】
選択されたノズル群から所定の角度で噴霧を供給するために、少なくとも選択された非対称であるノズル群に流体を通過させることを含んでいることを特徴とする請求項33〜35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
各ノズル群が、2つのノズルから構成されていることを特徴とする請求項33〜36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
各ノズルを通って流体の乱流を通過させることを含んでいることを特徴とする請求項33〜37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
各ノズル群のノズルを出る流体を、100%未満の交差で衝突するように導くことを含んでいることを特徴とする請求項33〜38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記交差の割合が、約20%〜80%の間であることを特徴とする請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記交差の割合が、約40%〜50%の間であることを特徴とする請求項39に記載の方法。
【請求項42】
シャワーヘッドに適用されることを特徴とする請求項33〜41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
添付の図面を参照して本願明細書にて事実上説明した実施態様のいずれか1つによることを特徴とする噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項44】
請求項33に記載され、本願明細書にて事実上説明されていることを特徴とする流体噴霧の生成方法。
【請求項1】
噴霧ヘッド、または、シャワーヘッド、工業用噴霧ヘッドおよび農業用噴霧ヘッドの少なくとも1つにおいて使用するための噴霧ヘッド用挿入物であって、
複数のノズル群を備えており、
各ノズル群が、噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物の表面から流体のジェットを噴出させるために適したノズルを少なくとも2つ有しており、該少なくとも2つのノズルが、少なくとも使用時において、圧力の下で該少なくとも2つのノズルから出た流体が、周囲の構造に事実上妨げられることなく衝突および相互作用し、液滴へと分解するような寸法および配向になっていることを特徴とする噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項2】
前記少なくとも2つのノズルが、約40°〜140°の間の開先角度で配向していることを特徴とする請求項1に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項3】
前記少なくとも2つのノズルが、約70°〜85°の間の開先角度で配向していることを特徴とする請求項1に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項4】
前記複数のノズル群の少なくとも1つが、使用時に該選択されたノズル群における仮想の線であって噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物の表面に対する法線である線に沿った方向以外の方向に噴霧を供給するために、非対称であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項5】
前記複数のノズル群の少なくとも1つにおいて、前記少なくとも2つのノズルが、使用時に当該ノズル群における仮想の線であって、噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物の表面に対する法線である線に沿った方向以外の方向に噴霧を供給するために、該仮想の線に対して異なる角度で配向していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項6】
前記複数のノズル群の前記少なくとも1つが、断面積の相違するノズルを有していることを特徴とする請求項4または5に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項7】
噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物の1つ以上の所定の領域に配置された対称であるノズル群、および、噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物の1つ以上の他の所定の領域に配置された非対称であるノズル群、を含んでいることを特徴とする請求項4に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項8】
噴霧ヘッドの周辺付近に配置されたノズル群が、当該ノズル群を出る噴霧が当該ノズル群を出た後に噴霧ヘッドの中心から離れるように移動するよう構成されていることを特徴とする請求項7に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項9】
前記ノズル群が、非平面の基体に配置されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項10】
少なくとも選択されたノズル群が、圧力の下で該少なくとも選択されたノズル群のノズルから出た流体が、100%未満の交差で衝突するよう構成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項11】
噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物の全てのノズル群から出た流体が、圧力の下で、100%未満の交差で衝突することを特徴とする請求項10に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項12】
前記交差の割合が、約20%〜80%の間であることを特徴とする請求項10または11に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項13】
前記交差の割合が、約40%〜50%の間であることを特徴とする請求項10または11に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項14】
各ノズル群のノズルの出口開口の直径が、約0.8〜1.0mmの間であることを特徴とする請求項13に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項15】
各ノズル群のノズルの出口開口の中心が、約1.5mm離されていることを特徴とする請求項14に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項16】
ノズル出口直径の寸法が相違する少なくとも2つの種類のノズル群を含んでおり、より大きいノズル出口直径を有するノズル群が、より小さい出口直径を有するノズル群よりも小さい交差率を有していることを特徴とする請求項10〜15のいずれか一項に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項17】
各ノズル群のノズルが、少なくとも部分的に、可撓性材料または弾性材料に形成された開口によって形成されていることを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項18】
前記開口を形成している前記可撓性材料または弾性材料が、噴霧ヘッドの表面から突き出ていることを特徴とする請求項17に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項19】
各ノズル群が2つのノズルで構成されていることを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項20】
少なくとも選択されたノズル群のノズルの入口および出口が、お互いに対してずらされていることを特徴とする請求項19に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項21】
前記ノズルの入口および出口が、流体が前記少なくとも選択されたノズル群から、当該ノズル群における仮想の線であって噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物の表面に対する法線である線に対し約6〜8°の間の角度で噴出するようにずらされていることを特徴とする請求項20に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項22】
各ノズル群が、一体となって間に各ノズルのための流体流路を規定する1つ以上の開口および相補的な1つ以上の突起によって形成されていることを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項23】
各ノズル群が、2つの開口および相補的な突起によって形成され、該突起が前記各開口の盲板(blank)として機能して当該ノズル群のノズルから噴出するジェットの開先角度を増加させることを特徴とする請求項22に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項24】
各開口が、事実上円錐形であることを特徴とする請求項22または23に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項25】
噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物によって生成される噴霧の特性を制御できるよう、前記突起が前記開口に対して可動であることを特徴とする請求項22〜24のいずれか一項に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項26】
複数のノズル群についての前記突起が全て、ただ1つの基体材料に形成されていることを特徴とする請求項22〜25のいずれか一項に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項27】
複数のノズル群についての前記開口が全て、ただ1つの基体材料に形成されていることを特徴とする請求項25に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項28】
清掃のため、前記突起および前記開口の表面へのアクセスができるように、前記突起を、それらが対応している開口から取り除くことができることを特徴とする請求項22〜27のいずれか一項に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項29】
各ノズル群のノズルが、前記開口および前記突起の一方または両者の通路または溝によって形成されていることを特徴とする請求項22〜28のいずれか一項に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項30】
使用時に各ノズルにおいて乱流流体流を生むような寸法および形状とされていることを特徴とする請求項1〜29のいずれか一項に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項31】
各ノズルが、前記乱流を生むための少なくとも1つの邪魔板を備えていることを特徴とする請求項30に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項32】
シャワーヘッドを構成する噴霧ヘッドの一部を構成することを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項33】
シャワー、工業用プロセスまたは農業用プロセスの少なくとも1つにおいて、流体の液滴によって形成される流体噴霧を生成する方法であって、
互いに近接して位置する複数のノズル群であって、それぞれが少なくとも2つのノズルを有しており、少なくとも2つの該ノズルが、各ノズル群のノズルを出た流体が、周囲の構造に事実上妨げられることなく衝突および相互作用して、その後に液滴へと分解するようにお互いに対して配置されているノズル群に、流体を通過させることを含んでいることを特徴とする方法。
【請求項34】
前記ノズル群に、約40°〜140°の間の開先角度を有するように配向したノズルを設けることを含んでいることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記ノズル群に、約70°〜85°の間の開先角度を有するように配向したノズルを設けることを含んでいることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項36】
選択されたノズル群から所定の角度で噴霧を供給するために、少なくとも選択された非対称であるノズル群に流体を通過させることを含んでいることを特徴とする請求項33〜35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
各ノズル群が、2つのノズルから構成されていることを特徴とする請求項33〜36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
各ノズルを通って流体の乱流を通過させることを含んでいることを特徴とする請求項33〜37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
各ノズル群のノズルを出る流体を、100%未満の交差で衝突するように導くことを含んでいることを特徴とする請求項33〜38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記交差の割合が、約20%〜80%の間であることを特徴とする請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記交差の割合が、約40%〜50%の間であることを特徴とする請求項39に記載の方法。
【請求項42】
シャワーヘッドに適用されることを特徴とする請求項33〜41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
添付の図面を参照して本願明細書にて事実上説明した実施態様のいずれか1つによることを特徴とする噴霧ヘッドまたは噴霧ヘッド用挿入物。
【請求項44】
請求項33に記載され、本願明細書にて事実上説明されていることを特徴とする流体噴霧の生成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2007−500595(P2007−500595A)
【公表日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532156(P2006−532156)
【出願日】平成16年5月14日(2004.5.14)
【国際出願番号】PCT/NZ2004/000088
【国際公開番号】WO2004/101163
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(505071491)メスベン リミテッド (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年5月14日(2004.5.14)
【国際出願番号】PCT/NZ2004/000088
【国際公開番号】WO2004/101163
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(505071491)メスベン リミテッド (2)
【Fターム(参考)】
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