説明

液滴吐出制御装置及び液滴吐出装置

【課題】液滴吐出ヘッドの吐出を制御する複数のヘッド制御部に対する識別情報の設定を簡易な構成で容易に行う。
【解決手段】複数のヘッドコントロール(HC)基板24を、液滴を吐出する吐出部が複数配列された液滴吐出ヘッドの該複数配列された吐出部に対応して配置すると共に、同期信号線16によって互いにデイジーチェーン接続する。HC基板24の各々は、識別情報を記憶するための記憶手段を備え、前段から同期信号線16を介して受信した同期信号にに識別情報を示す識別信号が重畳されていた場合に、該識別信号が示す識別情報を記憶手段に記憶するように制御し、該受信された同期信号に重畳された識別信号を該識別信号が示す識別情報と異なる識別情報を示すように変更した識別信号が重畳された同期信号を後段に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴吐出制御装置及び液滴吐出装置に係り、特に、識別情報が設定されるヘッド制御部が設けられた液滴吐出制御装置及び液滴吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液滴を吐出するノズルを複数配列したヘッドが設けられ、記録媒体に液滴を吐出する液滴吐出装置が知られている。ヘッドの高密度化および大サイズ化にともない、ヘッドに配列された複数のノズルに対応して複数の制御基板を設け、該複数の制御基板によってヘッドを駆動する液滴吐出装置も開発されている。
【0003】
このような液滴吐出装置の場合には、複数の制御基板の各々を識別して、各々を制御する必要がある。各制御基板を識別する方法としては、基板上にディップスイッチを実装し、ディップスイッチによって手動で制御基板毎に識別情報を設定する方法がある。また、各制御基板のROMに固有の識別情報を予め記憶させる方法もある。
【0004】
例えば、下記特許文献1には、インクタンク識別用の基板に設けられたEEPROMに予め固有番号を書込み、該固有番号書き込み後の基板を搭載した記録装置が記載されている。また、下記特許文献2には、基板番号設定スイッチを搭載した制御基板を備えた記録ヘッドが記載されている。
【特許文献1】特開2007−1208号公報
【特許文献2】特開2008−12909号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
識別情報の設定は、液滴吐出装置の製造時だけでなく、基板交換の際にも行う必要がある。しかしながら、上述したように、制御基板を識別する識別情報を予めROM等に書込んだり、設定スイッチによって設定する作業は手間がかかる。また、設定ミスも発生しやすい。
【0006】
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、液滴吐出ヘッドの吐出を制御する複数のヘッド制御部に対する識別情報の設定を簡易な構成で容易に行うことができる液滴吐出制御装置及び液滴吐出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1の発明の液滴吐出制御装置は、液滴を吐出する吐出部が複数配列された液滴吐出ヘッドの前記複数配列された吐出部に対応して配置され、液滴の吐出タイミングを定めるための同期信号が入力される同期信号線によって互いにデイジーチェーン接続され、各々が、前段から前記同期信号線を介して受信した同期信号に応じた吐出タイミングで画像データに応じて前記吐出部から液滴が吐出されるように制御する吐出制御手段、識別情報を記憶するための記憶手段、前記受信した同期信号に前記識別情報を示す識別信号が重畳されていた場合に、該識別信号が示す識別情報を前記記憶手段に記憶するように制御する記憶制御手段、及び前記受信された同期信号に前記識別情報を示す識別信号が重畳されていた場合に、前記受信された同期信号に重畳された識別信号を該識別信号が示す識別情報と異なる識別情報を示すように変更し、該変更した識別信号が重畳された同期信号を後段に送信する送信手段、を有する複数のヘッド制御部と、前記デイジーチェーン接続された複数のヘッド制御部の先頭のヘッド制御部に前記同期信号線を介して接続され、前記複数のヘッド制御部の前記記憶手段に識別情報を記憶させる際に、同期信号に識別信号を重畳して前記同期信号線を介して前記先頭のヘッド制御部に送信する主制御部と、を備えて構成されている。
【0008】
この液滴吐出制御装置は、同期信号線を介してデイジーチェーン接続された各ヘッド制御部を備えている。各ヘッド制御部は前段から受信した同期信号に重畳された識別信号が示す識別情報を記憶手段に記憶する。また、受信した同期信号に重畳された識別信号を異なる識別情報を示すように変更し、該変更後の識別信号が重畳された同期信号を後段に送信する。
このような構成によれば、各液滴吐出ヘッドの吐出を制御する複数のヘッド制御部に対する識別情報の設定を簡易な構成で容易に行うことができる。
【0009】
請求項2の発明の液滴吐出制御装置は、液滴を吐出する吐出部が複数配列された液滴吐出ヘッドの前記複数配列された吐出部に対応して配置され、液滴の吐出タイミングを定めるための同期信号が入力される同期信号線によって互いにデイジーチェーン接続され、各々が、前段から前記同期信号線を介して受信した同期信号に応じた吐出タイミングで画像データに応じて前記吐出部から液滴が吐出されるように制御する吐出制御手段、識別情報を記憶するための記憶手段、前記受信された同期信号に前記識別情報を示す識別信号が重畳されていた場合に、前記受信された同期信号に重畳された識別信号を該識別信号が示す識別情報と異なる識別情報を示すように変更し、該変更した識別信号が重畳された同期信号を後段に送信する送信手段、及び前記変更された識別信号が示す識別情報を前記記憶手段に記憶するように制御する記憶制御手段、を有する複数のヘッド制御部と、前記デイジーチェーン接続された複数のヘッド制御部の先頭のヘッド制御部に前記同期信号線を介して接続され、前記複数のヘッド制御部の前記記憶手段に識別情報を記憶させる際に、同期信号に識別信号を重畳して前記同期信号線を介して前記先頭のヘッド制御部に送信する主制御部と、を備えて構成されている。
【0010】
この液滴吐出制御装置は、同期信号線を介してデイジーチェーン接続された各ヘッド制御部を備えている。各ヘッド制御部は前段から受信した同期信号に重畳された識別信号を異なる識別情報を示すように変更し、変更後の識別信号が重畳された同期信号を後段に送信する。また、該変更後の識別情報を記憶手段に記憶する。
このような構成によれば、各液滴吐出ヘッドの吐出を制御する複数のヘッド制御部に対する識別情報の設定を簡易な構成で容易に行うことができる。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2記載の液滴吐出制御装置において、前記主制御部を、更に、前記デイジーチェーン接続された複数のヘッド制御部の最後尾のヘッド制御部に前記同期信号線を介して接続したものである。
【0012】
このような構成によれば、主制御部は最後尾のヘッド制御部から受信した同期信号に基づいて、各ヘッド制御部に識別情報が記憶されたか否かや、送信途中でエラーが発生したか否か等を把握することができる。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の液滴吐出制御装置において、前記主制御部は、前記複数のヘッド制御部の記憶手段の各々に識別情報が記憶された後は、前記同期信号に対する前記識別信号の重畳を停止するものである。
【0014】
このような構成によれば、ノイズが発生して吐出タイミングがずれることを防止できる。
【0015】
請求項5の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の液滴吐出制御装置において、前記主制御部と前記複数のヘッド制御部の各々とを制御信号線又は通信ネットワークを介して接続し、前記主制御部は、前記複数のヘッド制御部の記憶手段の各々に識別情報が記憶された後に、前記吐出部から液滴を吐出するときの制御に関する制御情報を該制御情報に対応する識別情報を付加して前記制御信号線又は通信ネットワークを介して送信し、前記複数のヘッド制御部の吐出制御手段は、前記記憶手段に記憶された識別情報に相当する識別情報が付加された制御情報を受信した場合には、該受信した制御情報に従って前記吐出部の吐出を制御するものである。
【0016】
制御情報には、液滴吐出ヘッドの吐出部の配置位置に応じて異なるものもある。この場合には、制御情報は、デイジーチェーン接続されたヘッド制御部の位置(接続順)に応じた内容となる。識別情報は上記のように各ヘッド制御部の記憶手段に記憶されるため、識別情報に応じた制御情報に、該識別情報を付加して送信することによって、各ヘッド制御部は自分に対する制御情報に従って吐出部の吐出を制御することができ、吐出部に応じた制御が可能となる。
【0017】
請求項6の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の液滴吐出制御装置において、前記吐出制御手段は、前記同期信号に応じて定まる吐出タイミングを前記記憶手段に記憶した識別情報に応じて定められる補正値で遅延した吐出タイミングで前記画像データに応じて前記吐出部から液滴が吐出されるように制御するものである。
【0018】
各ヘッド制御部は、同期信号を受信して上述したように処理し、後段のヘッド制御部に送信するように構成されている。この処理により、同期信号の受信タイミングに遅延が発生する。そこで、同期信号に応じて画像データに基づいた吐出制御を行う際には、同期信号で定められる吐出タイミングを補正値で遅延させた吐出タイミングで吐出制御されるように構成することにより、遅延の問題を解消することができる。なお、遅延時間は、デイジーチェーン接続されたヘッド制御部の位置(接続順)に応じて定まる。識別情報は上記のように各ヘッド制御部の記憶手段に記憶されるため、識別情報に応じて定まる補正値で補正することで、遅延の問題を解消することができる。
【0019】
請求項7の発明の液滴吐出装置は、液滴を吐出する吐出部が複数配列された液滴吐出ヘッドと、請求項1〜請求項6のいずれか1項記載の液滴吐出制御装置と、を備えて構成されている。
【0020】
このような構成によれば、各液滴吐出ヘッドの吐出を制御する複数のヘッド制御部に対する識別情報の設定を簡易な構成で容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように本発明は、液滴吐出ヘッドの吐出を制御する複数のヘッド制御部に対する識別情報の設定を簡易な構成で容易に行うことができる、という優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態に係る液滴吐出装置10の構成例を示す図である。
【0024】
液滴吐出装置10は、メインコントロール基板12、ヘッドモジュール14、及びメカ制御メインユニット30を備えている。
【0025】
メインコントロール基板12は、液滴吐出装置10全体を制御する、CPUや各種回路を備えた基板である。
【0026】
ヘッドモジュール14は、液滴吐出ヘッド28(以下、単にヘッド28と呼称)及びヘッド28の制御基板群をモジュール化したバーユニット20と、ヘッド28周辺部のメカを制御するメカ制御サブユニット40とを備えている。
【0027】
メカ制御メインユニット30は、ヘッド28によって液滴が吐出される記録媒体の搬送機構など、ヘッド28周辺以外の本体のメカを制御する基板を有するユニットである。
【0028】
以下、ヘッドモジュール14の各構成について更に詳細に説明する。
【0029】
ヘッドモジュール14のバーユニット20は、イメージドライバ基板22、複数のヘッドコントロール(HC)基板241〜n、複数のヘッドドライバ(HD)基板261〜n、及びヘッド28を備えている。
【0030】
ヘッド28は、液滴を吐出するノズルが複数配列された長尺状のヘッドである。本実施の形態では、吐出する液体が供給され収容される圧力室、圧力室に連通するノズル、及び圧力室の圧力を変化させる駆動素子からなる吐出機構を設け、画像データに応じて駆動素子に駆動信号を印加することによって圧力室の圧力を変化させ、記録媒体に対して各ノズルから液滴を吐出させるようにしている。本実施の形態のヘッド28は、記録媒体の幅分の長さを有しており、ヘッド28を固定したまま、ノズルの配列方向と交差する方向に記録媒体を搬送させながら液滴を吐出することで記録媒体に対する記録が行われる。
【0031】
ここで、記録媒体の搬送機構について説明する。記録媒体を搬送する搬送ベルトには駆動ローラが備えられている。モータの駆動力が駆動ローラに付与されると搬送ローラが回転駆動し、搬送ベルトが移動する。これにより、搬送ベルト上の記録媒体が搬送方向上流側からヘッド28の画像記録位置方向に搬送される。これらの動作は、メカ制御メインユニット30により制御される。
【0032】
なお、駆動ローラには、エンコーダが取り付けられている。エンコーダは、駆動ローラの回転に応じて、矩形波(エンコーダ信号)を生成して出力する。このエンコーダ信号は、メインコントロール基板12に入力される。メインコントロール基板12では、このエンコーダ信号に基づいて、記録媒体に対して画像の記録するときの基準信号となる同期信号を生成し、同期信号線16を介してHC基板241〜nに出力する。この同期信号により、ヘッド28の液滴吐出タイミングが規定される。
【0033】
HC基板241〜nは、ヘッド28を制御する制御基板であり、複数のノズルを上記ノズルの配列方向に沿ってn個(nは2以上の整数)のノズル群に分割したときの各ノズル群毎に設けられている。なお、複数のノズルが配列された複数のヘッドユニットをノズルの配列方向に並べて連結してヘッド28を構成してもよい。そして、ノズルユニットの各々に配列された複数のノズルを1まとまりのノズル群とし、ヘッドユニット毎にHC基板24を設けてもよい。
【0034】
また、各HC基板241〜nは、同期信号を入力する同期信号線16によって互いにデイジーチェーン接続されている(図3も参照。)。同期信号には、Psync及びLsyncの2種類の同期信号がある。Psyncは、画像データの1ページ単位の同期信号(垂直同期信号)であって、Lsyncは、画像データの1ライン単位の同期信号(水平同期信号)である(図4も参照。)。Lsyncは、Psyncがイネーブル(Lowレベル)期間中は、画像記録に有効な信号として扱われ、それ以外の期間は無効となる。なお、同期信号の送受信には、LVDS(Low Voltage Differential Signaling:低電圧差動通信)を適用してもよいし、光通信を適用してもよい。
【0035】
なお、各HC基板241〜nの構成は共通であるため、以下、各HC基板241〜nを区別せず説明する場合には、末尾の符号を省略して、HC基板24と呼称する。また、HD基板261〜nもその構成は共通であるため、HD基板261〜nを区別せず説明する場合には、末尾の符号を省略してHD基板26と呼称する。
【0036】
図2は、HC基板24の構成例を示す図である。HC基板24は、CPU(Central Processing Unit)50、フラッシュメモリ52、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)54、DA(Digital/Analog)コンバータ56、ヘッドIF(Interface)58、制御情報送受信部60、同期信号送信部62、同期信号受信部64、及び画像データ受信部66を備えている。
【0037】
CPU50は、フラッシュメモリ52、ASIC54、及び制御情報送受信部60に接続されている。CPU50は、フラッシュメモリ52に記憶されたプログラムを実行することにより、HC基板24全体を制御する。
【0038】
また、CPU50は、ASIC54で取得された画像データに基づいてヘッド28の各ノズルに対応する駆動素子に印加する駆動信号の基準となる電圧を示すデジタル信号を生成し、デジタル信号をASIC54を介してDAコンバータ56に出力する。
【0039】
また、制御情報送受信部60は、ネットワーク18に接続され、各種信号の送受信を行う。CPU50は、制御情報送受信部60で受信された制御情報に応じてヘッド28から液滴が吐出されるようにASIC54を制御する。制御情報は、メインコントロール基板12から送信される。また、CPU50は、現在のステータス等を示す情報等を制御情報送受信部60を介してメインコントロール基板12などの上位のシステムに送信する。
【0040】
フラッシュメモリ52には、CPU50が実行するプログラムが予め記憶されている。また、後述するように、ASIC54で識別情報が取得された場合には、該識別情報も記録される。識別情報は、HC基板24の各々を識別するための情報である。
【0041】
ASIC54は、CPU50から入力されたデジタル信号をDAコンバータ56に出力すると共に、画像データ受信部66で受信された画像データをCPU50やヘッドIF58に出力する。
【0042】
また、ASIC54は、同期信号受信部64で受信された同期信号に識別信号が重畳されていた場合には、該重畳された識別信号が示す識別情報をCPU50に入力する。CPU50は、該識別情報をフラッシュメモリ52に記憶する。また、予め定められた変更ルールに従って、重畳された識別信号を変更した同期信号を同期信号送信部62に入力する。
【0043】
DAコンバータ56は、ASIC54から入力されたデジタル信号をアナログ信号に変換して、HD基板26に出力する。また、ヘッドIF58は、ASIC54から入力された画像データをレベル変換してHD基板26に出力する。
【0044】
同期信号送信部62及び同期信号受信部64は、同期信号線16に接続されている。
【0045】
同期信号受信部64は、デイジーチェーン接続された前段のHC基板24から送信された同期信号を受信する。なお、HC基板24が、デイジーチェーン接続された先頭のHC基板24である場合には、メインコントロール基板12から送信された同期信号が受信される。同期信号受信部64で受信された同期信号はASIC54に入力される。
【0046】
同期信号送信部62は、ASIC54から入力された同期信号を後段のHC基板24に送信する。なお、HC基板24が、デイジーチェーン接続された最後尾のHC基板24である場合には、メインコントロール基板12に同期信号が送信される。
【0047】
画像データ受信部66は、イメージドライバ基板22から画像データを受信する。
【0048】
HC基板24の各々とHD基板26の各々とは互いに対応して設けられている。HD基板26は、上記各ノズルに対応して設けられた駆動素子に対して、駆動信号を印加するアナログのドライバ基板である。HD基板26は、対応するHC基板24から駆動信号の基準となるデジタル信号及び画像データが入力されると、該デジタル信号を増幅して駆動信号を生成し、入力された画像データに応じて各ノズルの駆動素子に該駆動信号を印加する。
【0049】
イメージドライバ基板22は、画像データ信号線15を介してメインコントロール基板12と接続されている。イメージドライバ基板22は、メインコントロール基板12から画像データ信号線15を介して受信した画像データを、HC基板24の各々に分配供給する。HC基板24は、前述したように、ノズルの配置位置に対応して設けられており、HC基板24に対しては、それぞれのノズルの配置位置に応じた画像データを転送する必要がある。したがって、HC基板24を各々識別する識別情報を各HC基板24に設定(フラッシュメモリ52に記憶)しておき、HC基板24に設定された識別情報にしたがって、画像データが分配供給されるようにしている。
【0050】
ヘッドモジュール14のメカ制御サブユニット40は、ヘッド28周辺部のメカを制御するユニットである。
【0051】
また、メインコントロール基板12、メカ制御メインユニット30、メカ制御サブユニット40、及びHC基板24は、イーサネット(登録商標)やCAN(Contoroller Area Network)といったネットワーク18に接続されている。これらは、ネットワーク18を介して、互いに、制御情報やステータス情報等を送受信する。なお、これらはバス接続されていてもよい。また、HC基板24に対するメインコントロール基板12からの制御情報は、メカ制御メインユニット30、及びメカ制御サブユニット40を介してHC基板24に送信されてもよい。
【0052】
次に、図3を参照しながら、本実施形態のHC基板24に対する識別情報の設定動作について説明する。なお、ここで、識別情報の設定とは、識別情報をHC基板24のフラッシュメモリ52に記憶することをいう。
【0053】
図3は、同期信号線16を介してデイジーチェーン接続された4枚のHC基板24(24、24、24、24)と、該4枚のHC基板24に対応するHD基板26(26、26、26、26)とが設けられている場合の、各基板の接続状態を示す図である。
【0054】
HC基板24〜24は、複数のノズルをノズルの配列方向に沿って4個の群に分割したときの各群毎に設けられている。また、4枚のHC基板24〜24は、HC基板24、24、24、24の順にデイジーチェーン接続され、各々ノズルの配列方向に沿って各ノズル群に対応して配置されている。
【0055】
図3に示されるように、先頭のHC基板24の同期信号送信部62がその後段のHC基板24の同期信号受信部64に同期信号線16を介して接続され、HC基板24の同期信号送信部62がその後段のHC基板24の同期信号受信部64に同期信号線16を介して接続され、HC基板24の同期信号送信部62が最後尾のHC基板24の同期信号受信部64に同期信号線16を介して接続されている。
【0056】
また、先頭のHC基板24の同期信号受信部64は、メインコントロール基板12に同期信号線16を介して接続され、最後尾のHC基板24の同期信号送信部62は、メインコントロール基板12に同期信号線16を介して接続されている。
【0057】
このような構成により、メインコントロール基板12から先頭のHC基板24に入力された同期信号は、後段のHC基板24へと順次入力され、最終的には全てのHC基板24に同期信号が入力される。
【0058】
HC基板24を交換した後の初期化フェーズ等においては、各HC基板24に識別情報を設定する処理が必要となるが、本実施の形態では、デイジーチェーン接続された先頭のHC基板24に対して送信する同期信号に識別情報を重畳させることで各HC基板24の識別情報が自動的に設定されるように構成されている。
【0059】
メインコントロール基板12は、図4(A)に示すように、同期信号Lsyncに、識別情報としてのマスタ情報(ここでは、一例として、「100」とする)を示す識別信号を重畳して先頭のHC基板24に送信する。図4(A)に示す例では、同期信号PsyncのHighレベル期間中に、識別信号を重畳した同期信号Lsyncを送信している。また、メインコントロール基板12は、識別信号を、該識別信号が重畳される前の同期信号Lsyncの周期と異なる(ここでは重畳前の同期信号Lsyncの周期より短い)周期となるように生成して重畳する。本実施の形態では、同期信号Lsyncの立ち下がりエッジをトリガとして吐出タイミングが規定される。従って、その後の空き部分に識別信号を入れている。
【0060】
図4(B)は、識別信号が重畳された同期信号Lsyncを一例を示す図である。同図に示すように、立ち下がりエッジが吐出タイミングを規定するトリガとなる比較的周期の長いスタートビットから始まり、その後に周期の短い識別信号が続き、その後に信号の終了を示すエンドビットが続く。
【0061】
先頭のHC基板24の同期信号受信部64で該識別信号が重畳された同期信号Lsyncが受信されると、該同期信号LsyncはHC基板24のASIC54に入力される。HC基板24のASIC54は、該受信された同期信号Lsyncから周期の短い信号を識別信号として抽出する。HC基板24のASIC54は、抽出した識別信号が示す識別情報100をCPU50に入力する。CPU50は、受け取った識別情報100をフラッシュメモリ52に記憶する。これにより、先頭のHC基板24に識別情報100が設定される。
【0062】
更に、HC基板24のASIC54は、同期信号Lsyncに重畳された識別信号を、予め定められた変更ルールに従って変更する。本実施の形態では、受信された同期信号Lsyncに重畳された識別信号が示す識別情報100に1を加算した識別情報101を示すように識別信号を変更する。そして、ASIC54は、該変更した識別信号が重畳された同期信号Lsyncを、同期信号送信部62を介して後段のHC基板24に送信する。
【0063】
2番目のHC基板24の同期信号受信部64で該識別信号が重畳された同期信号Lsyncが受信されると、該同期信号LsyncはHC基板24のASIC54に入力される。そして、HC基板24のASIC54も、上述したように識別信号を抽出する。HC基板24のASIC54は、抽出した識別信号が示す識別情報101をCPU50に入力する。CPU50は、受け取った識別情報101をフラッシュメモリ52に記憶する。
【0064】
更に、HC基板24のASIC54は、上述したように、同期信号Lsyncに重畳された識別信号を、上記変更ルールに従って変更する。そして、HC基板24のASIC54は、識別情報101に1を加算した識別情報102を示すように変更した識別信号が重畳された同期信号Lsyncを、同期信号送信部62を介して後段のHC基板24に送信する。
【0065】
3番目のHC基板24も同様にして、受信した同期信号Lsyncから識別信号を抽出し、該識別信号が示す識別情報102をフラッシュメモリ52に記憶し、識別情報102に1を加算した識別情報103を示す識別信号を重畳した同期信号Lsyncを後段のHC基板24に送信する。
【0066】
最後尾のHC基板24も同様にして、受信した同期信号Lsyncから識別信号を抽出し、該識別信号が示す識別情報103をフラッシュメモリ52に記憶し、識別情報102に1を加算した識別情報104を示す識別信号を重畳した同期信号Lsyncをメインコントロール基板12に送信する。
【0067】
このように、HC基板24〜24には、100、101、102、103の順に、互いに異なる識別情報が設定される。
【0068】
メインコントロール基板12は、最後尾のHC基板24から送信された同期信号Lsyncに重畳された識別信号が示す識別情報を確認する。ここでは、HC基板24が4枚であること、及びHC基板24のASIC54における識別情報の変更ルールは、予めメインコントロール基板12で把握されている。メインコントロール基板12は、マスタ情報100をHC基板24の枚数(4枚)分だけ変更ルールを適用して変更した場合の識別情報104と、最後尾のHC基板24から受信した同期信号Lsyncに重畳された識別信号が示す識別情報とを比較する。双方の値が一致していれば、各HC基板24に正常に識別情報が設定されたと判断される。また、双方が不一致の場合には、HC基板24の接続ミスなど、異常状態としてエラー判定される。
【0069】
なお、メインコントロール基板12は、識別情報が各HC基板24に設定された(フラッシュメモリ52に記憶された)後は、ノイズの発生を回避するため同期信号Lsyncに対する識別信号の重畳を停止し、識別信号が重畳されない同期信号Lsyncを送信する。従って、メインコントロール基板12は、基板の初期化時など、必要なときに識別信号を重畳した同期信号Lsyncを送信し、画像データに基づいて液滴を吐出する際には、識別信号を重畳しない同期信号Lsyncを送信する。従って、識別信号が重畳された同期信号Lsyncは、通常は、画像データ描画時の吐出タイミングに用いられることはない。
【0070】
なお、本実施の形態では、ASIC54は、識別信号の重畳の有無に拘らず同期信号Lsyncを上記のように処理して後段のHC基板24に送信するよう構成されている。ただし、重畳なしの同期信号の場合には識別信号は抽出されないため、フラッシュメモリ52に記憶された識別情報は更新されない。
【0071】
以上説明したように、同期信号に識別信号を重畳して送信することで自動的に識別情報の設定ができるため、製造・出荷時だけでなく、故障した基板を交換した場合等、必要な場合に、上記処理により容易に識別情報を設定できる。また、上記同期信号処理が行われるように設計された各HC基板24を同期信号線16を介してデイジーチェーン接続するというだけの簡易な構成で、実現できる。
【0072】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で様々な設計上の変更を行うことができる。
【0073】
例えば、上記実施の形態では、同期信号Lsyncに識別信号を重畳する例について説明したが、同期信号Psyncに識別信号を重畳するようにしてもよい。同期信号Psyncに識別信号を重畳する場合も、上記実施の形態と同様に処理することで、上記と同様の効果が得られる。
【0074】
また、同期信号にノイズが入る場合もある。この場合には、識別情報の設定が正しく行われない可能性もある。従って、識別信号にエラー訂正ビットを入れるようにしてもよい。また、同期信号の周期を測定してエラー判定してもよい。
【0075】
また、各HC基板24は、同期信号をASIC54で受け、ASIC54で該同期信号を処理した後、後段の基板に渡すように構成されている。この処理により、遅延が発生する。そこで、同期信号に応じて画像データに基づいた吐出制御を行う際には、同期信号で定められる吐出タイミングに対して遅延分の補正値だけ遅延させた吐出タイミングで吐出制御されるようにASIC54を構成し、全HC基板24間でタイミング調整を行うように構成するようにしてもよい。
【0076】
たとえば、1枚のHC基板24で20クロック遅延が発生する場合には、先頭のHC基板24では、全基板枚数分の遅延時間(補正値)だけ吐出タイミングを遅延させるように調整し、その後、同期信号がHC基板24を通る毎に、各HC基板24のASIC54で20クロックずつ補正値を減らし、最終的に全HC基板24のタイミングを調整する。
【0077】
なお、補正値は、HC基板24に設定された識別情報に応じて定められるものとする。各HC基板24では、記憶されている識別情報から、先頭から何番目のHC基板24であるかは判断できる。従って、例えば、上記全基板枚数分の遅延時間、及び1枚のHC基板24毎の遅延時間の情報を予めフラッシュメモリ52に記憶しておけば、CPU50で、識別情報に応じた補正値を演算することができ、該演算した補正値で調整することができる。また、後述するように、該補正値を示す制御情報を、メインコントロール基板12からネットワーク18を介して各HC基板24に送信して記憶させるようにしてもよい。このような構成により、タイミングずれを防止できる。
【0078】
なお、液滴吐出装置では、製造ばらつきにより各ノズルの吐出特性(液滴を吐出するときの滴速や吐出方向)がばらつき、液滴の付着位置ずれが発生することがある。また、吐出により圧力室の温度が変動し、圧力室内の液体の粘性などが変化して滴速がばらつき、液滴の付着位置ずれが発生することがある。従って、液滴の付着位置ずれが発生しないよう、液滴を吐出する際のタイミングや駆動信号の波形を補正するようにしてもよい。
【0079】
こうした補正は、ノズル単位で行うこともあるが、前述したように複数のノズルを複数個のノズル群に分割したときの各ノズル群毎の補正値を用いて行うようにしてもよいし、前述したようにヘッド28がヘッドユニットを連結して構成した場合には、ヘッドユニット毎の補正値を用いて補正するようにしてもよい。
【0080】
補正値は、ノズル(或いはノズル群、ヘッドユニット)の配置位置に応じて異なる。また、前述したように、HC基板24の接続順に応じてHC基板24に識別情報が設定される。従って、補正値に関する制御情報は、識別情報毎に生成して、HC基板24に対する識別情報設定後に、各HC基板24に送信する。
【0081】
以下、より具体的に説明する。補正値は、予め液滴吐出試験等を行って求めておき、メインコントロール基板12にその情報を識別情報毎に記憶しておく。そして、識別情報設定後に、メインコントロール基板12から各HC基板24に対して、補正値を示す制御情報に識別情報を付加してネットワーク18に送信する。
【0082】
ネットワーク18に接続されている各HC基板24では、フラッシュメモリ52に記憶されている識別情報に相当する識別情報が付加された制御情報を受信すると、CPU50は、該制御情報をフラッシュメモリ52に記憶し、ヘッド28の駆動時に、該制御情報に従って吐出が行われるように制御する。
【0083】
なお、制御情報は上記補正値を示す情報に限定されず、ヘッド28の駆動制御に必要な様々な情報を制御情報としてHC基板24に供給することができる。
【0084】
また、同期信号に重畳された識別信号を変更するときの変更ルールは、上記実施の形態で例示したルールに限定されない。例えば、マスタの識別情報(先頭のHC基板24に送信される識別情報)に+2を加算するようにしてもよいし、1を減算するようにしてもよい。また、予め定められた数を乗算するようにしてもよい。
【0085】
また、上記実施の形態では、前段の基板から送信された同期信号に重畳された識別信号が示す識別情報を記憶する例について説明したが、変更ルールで変更した識別情報を記憶するようにしてもよい。例えば、上記実施の形態で示した例では、HC基板24に100,HC基板24に101、HC基板24に102、HC基板24に103の識別情報が設定されるが、変更後の識別情報を記憶する場合には、HC基板24に101,HC基板24に102、HC基板24に103、HC基板24に104の識別情報が設定される。後者の場合であっても、各HC基板24には異なる識別情報が設定されるため、上記と同様の効果が得られる。
【0086】
また、上記実施の形態では、同期信号に対する処理をASIC54が行う構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、ASIC54に代えてFPGA(Field Programmable Gate Array)で構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の一実施形態に係る液滴吐出装置の構成例を示す図である。
【図2】HC基板の構成例を示す図である。
【図3】同期信号線を介してデイジーチェーン接続された4枚のHC基板と、該4枚のHC基板に対応するHD基板とが設けられている場合の、各基板の接続状態を示す図である。
【図4】識別情報が重畳された同期信号の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0088】
10 液滴吐出装置
12 メインコントロール基板
14 ヘッドモジュール
15 画像データ信号線
16 同期信号線
18 ネットワーク
20 バーユニット
22 イメージドライバ基板
24 ヘッドコントロール基板
26 ヘッドドライバ基板
28 液滴吐出ヘッド
30 メカ制御メインユニット
40 メカ制御サブユニット
50 CPU
52 フラッシュメモリ
54 ASIC
60 制御情報送受信部
62 同期信号送信部
64 同期信号受信部
66 画像データ受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液滴を吐出する吐出部が複数配列された液滴吐出ヘッドの前記複数配列された吐出部に対応して配置され、液滴の吐出タイミングを定めるための同期信号が入力される同期信号線によって互いにデイジーチェーン接続され、各々が、前段から前記同期信号線を介して受信した同期信号に応じた吐出タイミングで画像データに応じて前記吐出部から液滴が吐出されるように制御する吐出制御手段、識別情報を記憶するための記憶手段、前記受信した同期信号に前記識別情報を示す識別信号が重畳されていた場合に、該識別信号が示す識別情報を前記記憶手段に記憶するように制御する記憶制御手段、及び前記受信された同期信号に前記識別情報を示す識別信号が重畳されていた場合に、前記受信された同期信号に重畳された識別信号を該識別信号が示す識別情報と異なる識別情報を示すように変更し、該変更した識別信号が重畳された同期信号を後段に送信する送信手段、を有する複数のヘッド制御部と、
前記デイジーチェーン接続された複数のヘッド制御部の先頭のヘッド制御部に前記同期信号線を介して接続され、前記複数のヘッド制御部の前記記憶手段に識別情報を記憶させる際に、同期信号に識別信号を重畳して前記同期信号線を介して前記先頭のヘッド制御部に送信する主制御部と、
を備えた液滴吐出制御装置。
【請求項2】
液滴を吐出する吐出部が複数配列された液滴吐出ヘッドの前記複数配列された吐出部に対応して配置され、液滴の吐出タイミングを定めるための同期信号が入力される同期信号線によって互いにデイジーチェーン接続され、各々が、前段から前記同期信号線を介して受信した同期信号に応じた吐出タイミングで画像データに応じて前記吐出部から液滴が吐出されるように制御する吐出制御手段、識別情報を記憶するための記憶手段、前記受信された同期信号に前記識別情報を示す識別信号が重畳されていた場合に、前記受信された同期信号に重畳された識別信号を該識別信号が示す識別情報と異なる識別情報を示すように変更し、該変更した識別信号が重畳された同期信号を後段に送信する送信手段、及び前記変更された識別信号が示す識別情報を前記記憶手段に記憶するように制御する記憶制御手段、を有する複数のヘッド制御部と、
前記デイジーチェーン接続された複数のヘッド制御部の先頭のヘッド制御部に前記同期信号線を介して接続され、前記複数のヘッド制御部の前記記憶手段に識別情報を記憶させる際に、同期信号に識別信号を重畳して前記同期信号線を介して前記先頭のヘッド制御部に送信する主制御部と、
を備えた液滴吐出制御装置。
【請求項3】
前記主制御部を、更に、前記デイジーチェーン接続された複数のヘッド制御部の最後尾のヘッド制御部に前記同期信号線を介して接続した
請求項1または請求項2記載の液滴吐出制御装置。
【請求項4】
前記主制御部は、前記複数のヘッド制御部の記憶手段の各々に識別情報が記憶された後は、前記同期信号に対する前記識別信号の重畳を停止する
請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の液滴吐出制御装置。
【請求項5】
前記主制御部と前記複数のヘッド制御部の各々とを制御信号線又は通信ネットワークを介して接続し、
前記主制御部は、前記複数のヘッド制御部の記憶手段の各々に識別情報が記憶された後に、前記吐出部から液滴を吐出するときの制御に関する制御情報を該制御情報に対応する識別情報を付加して前記制御信号線又は通信ネットワークを介して送信し、
前記複数のヘッド制御部の吐出制御手段は、前記記憶手段に記憶された識別情報に相当する識別情報が付加された制御情報を受信した場合には、該受信した制御情報に従って前記吐出部の吐出を制御する
請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の液滴吐出制御装置。
【請求項6】
前記吐出制御手段は、前記同期信号に応じて定まる吐出タイミングを前記記憶手段に記憶した識別情報に応じて定められる補正値で遅延した吐出タイミングで前記画像データに応じて前記吐出部から液滴が吐出されるように制御する
請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の液滴吐出制御装置。
【請求項7】
液滴を吐出する吐出部が複数配列された液滴吐出ヘッドと、
請求項1〜請求項6のいずれか1項記載の液滴吐出制御装置と、
を備えた液滴吐出装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2010−76142(P2010−76142A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−244511(P2008−244511)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】