説明

液滴吐出装置および画像形成装置

【課題】液滴吐出面を上向き等の重力方向に逆らう向きに配置した記録ヘッドユニットを用いる場合に、該液滴吐出面から払拭されて所定箇所に貯留されたインクが不用意に垂れ落ちることによる部品の汚れを防止すると共に、払拭した液滴の貯留部の交換頻度を少なくして作業手順の簡略化が可能な構成を備えた液滴吐出装置を提供する。
【解決手段】キャリッジ3に搭載されている記録ヘッド7のノズル面105が重力方向と対向して上向きに配置されている構成を対象として、ノズル面105と同一面上に開口を有して重力方向に沿った深さを持つ空間で構成された貯留部101を備え該貯留部101には、ノズル面105を密封するキャッピング部材160と連動可能な吸引部材300が進入して貯留された液滴を吸引して廃液タンク220に向けて排出することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴吐出装置および画像形成装置に関し、さらに詳しくは、液滴吐出部を対象としたメンテナンス構造に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、プリンタ、ファクシミリ装置や複写装置あるいはプロッタさらにはこれら機能を併せ持つ複合機などの画像形成装置の一つに、インク液滴を吐出する記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式によるインクジェット記録装置がある。
【0003】
この液体吐出記録方式のインクジェット記録装置は、記録ヘッドからインク滴を、搬送される用紙などが用いられる記録媒体(以下、記録媒体を記録用紙と表現する場合もある)に対して吐出して、画像形成(記録、印字、印写、印刷も同義語で使用する)を行なうことができる。そして、型式として、記録ヘッドが主走査方向に移動しながら液滴を吐出して画像を形成するシリアル型と、記録ヘッドが移動しない状態で液滴を吐出して画像を形成するライン型ヘッドを用いるライン型がある。
【0004】
なお、本発明における液体吐出記録方式の画像形成装置としては、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体を対象として、インクを着弾させて画像形成を行う装置を意味している。
また、画像形成とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。
【0005】
さらに、本発明の説明に用いるインクとは、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、樹脂、薬品、液体などと称されるものなど、画像形成を行うことができるすべての液体の総称として用いられているものが含まれる。
【0006】
また、本発明で挙げる用紙とは、材質を紙に限定するものではなく、上述したOHPシート、布なども含み、インク滴が付着されるものの意味であり、被記録媒体、記録媒体、記録紙、記録用紙などと称されるものを含むものの総称として用いる。
【0007】
この液体吐出方式には、次の方式が知られている。
すなわち、インクを充填した液室の壁の一部を圧電アクチュエータ等により振動および変位させ、液室内の圧力を高めたうえでインクを吐出する方式である。
これ以外の方式としては、液室内に通電によって発熱する発熱体を設け、発熱体の発熱により生じる気泡によって液室内の圧力を高め、インクを吐出する方式が知られている。
【0008】
この種のインクジェット記録装置は、高速かつ低騒音であり、記録用紙を含む記録媒体の種類に制約が少なく、カラー化も容易であるなどの利点があることから、現在広く普及している。
【0009】
ここで前述したシリアル型およびライン型を今少し詳しく説明すると次の通りである。
シリアル型は、液滴吐出ヘッドを搭載したキャリッジを用い、このキャリッジを記録用紙の搬送方向と直角な方向にシリアルスキャンさせるとともに記録用紙を記録幅に応じて間欠的に搬送することで搬送と記録(すなわち液滴吐出)とを交互に繰り返すことができる。
【0010】
ライン型は、記録用紙の1辺の全域に対応して液滴吐出ノズルが配列されているラインヘッドを用いることができ、シリアル方式のような液滴吐出ヘッドを移動させることなく記録用紙のみを搬送するだけで済むのでシリアル方式に比べて高速化できる。
【0011】
一方、上述した液滴吐出ヘッドとして用いられる記録ヘッドユニットからのインク吐出動作を安定化させるために、記録ヘッドユニットの性能を維持回復させることが重要とされている。つまり、記録ヘッドユニットの液体吐出面、いわゆる、ノズル面に乾燥固化や粘着度合いによる残留インクが付着していない状態を維持して液体の吐出が妨げられないようにすることが望まれている。
【0012】
そこで、インク吐出機能を正常な状態に維持回復するためのノズル機能維持回復装置が提案されている。
ノズル機能維持回復装置に設定されている機能としては、インクの蒸発を抑えるために、ノズル面を高い密閉性を持たせる保湿用キャップで覆うキャップ機能や、ノズル孔内に発生した気泡などによる吐出不良を記録液の充填圧送により排出する排出回復機能と、ノズル面に付着して液滴の飛翔状態を変化させる原因となる残留インクを払拭するワイピング機能などがある。
【0013】
ワイピングのために用いられるワイパーブレードは、ノズル面に付着したインクを拭き取るために、ノズル面を横断する方向に移動し、この移動に伴いノズル面に付着したインクを払拭して除去することができる。
【0014】
ワイパーブレードにより払拭されたインクは、ブレードに集められて吸収体に吸収されたり、あるいは、集められた状態でブレードから掻き取られることにより一カ所に貯留・廃棄することが行われる。
【0015】
上述した一カ所への回収構造には、ワイパーブレードを備えたワイピングユニットの一部にワイパーブレードにより掻き取られたインクを集める貯留部を該ワイパーブレードの基部に隣接させて設け、貯留部内を負圧化することにより貯留部内のインクを吸引する構成が提案されている(例えば、特許文献1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
記録ヘッドユニットの構成としては、上記特許文献1にも開示されているように、ノズル面が記録媒体の上面、換言すれば、水平方向を基準として下向きとした構成があり、ワイパーブレードが下向きのノズル面に対向当接するようになっている。
従って、ノズル面から重力方向に向かってインクが吐出されるが、記録ヘッドユニット側のインク供給路内で気泡が溜まった場合や、例えば、インク供給用に設けられているサブタンク内に過剰のインクが供給された場合には、供給路内で吐出時以外は負圧化傾向とされている圧力状態が正圧傾向に変化することがある。
このため、ノズル面から吐出時期でないにも拘わらず不用意にインクが垂れ落ちる虞が生じる。インクが垂れ落ちると、搬送部や記録用紙の非印字部領域が汚されてしまうことになる。
【0017】
そこで、このような不具合を解決するには、ノズル面の向きを下向きではなく上向きにして不用意にインクが垂れ落ちないようにする方法がある。
ノズル面を上向きにした場合には、ワイパーブレードおよびこのブレードによりノズル面から払拭されたインクを貯留する貯留部あるいは吸収部材がノズル面と対向するように下向きに配置されることになる。特に、ワイパーブレードにより払拭されたインクの貯留部は、払拭されたインクの取り込み部となる開口が下向きとなる。
【0018】
貯留部の開口が下向きの場合には、貯留部に溜まったインクが重力によりノズル面側に流れる虞がある。
また、記録ヘッドユニットに用いられるキャリッジに付着したインクが高粘度となり堆積した場合には記録ヘッドのノズル面よりも堆積量が高くなる。この状態でキャリッジが移動する際には、堆積したインクが記録媒体に接触して記録媒体を汚してしまう虞もある。
【0019】
一方、ワイパーブレードにより払拭したインクを吸収する場合には、ノズル面の向きに拘わらずインクの回収が可能となるものの、記録ヘッドやワイパーブレード近傍に配置することが原因して設置スペースを大きく取ることができない。
このため、吸収部材の容積も小さくなり、吸収可能な貯留容量にも限界がでてくる。これにより、経時において交換が必要となるという手間がかかるばかりでなく、設置スペースなどの問題により交換時にユーザーが簡単に交換作業を行えないのが現状である。
【0020】
本発明の目的は、上記従来の液滴吐出装置における問題に鑑み、液滴吐出面を上向き等の重力方向に逆らう向きに配置した記録ヘッドユニットを用いる場合に、該液滴吐出面から払拭されて所定箇所に貯留されたインクが不用意に垂れ落ちることによる部品の汚れを防止すると共に、払拭した液滴の貯留部の交換頻度を少なくして作業手順の簡略化が可能な構成を備えた液滴吐出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
この目的を達成するため、本発明は、液滴を上方に向け液滴を吐出可能なノズル面を備えた記録ヘッドと、前記記録ヘッドを記録用紙等の記録媒体表面に沿って移動可能に支持する保持部材と、前記ノズル面に対向して該ノズル面を払拭する方向に移動可能な払拭部材および前記ノズル面と対向して該ノズル面を密閉可能なキャッピング部材を備えたノズル機能維持回復手段と、前記保持部材のノズル面に隣接する開口を有し、前記払拭部材により前記ノズル面から掻き取られた液滴を貯留する空間を有した貯留部と、前記払拭部材に設けられて前記貯留部内に対して進退可能な吸引部材とを備え、前記払拭部材は、前記ノズル面を通過して前記貯留部に到達する方向に前記払拭する方向が設定され、前記吸引部材は、前記貯留部内に進入して貯留されている液滴を吸引して貯留部から排出することを特徴とする液滴吐出装置にある。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、液滴を上方に向け吐出可能なノズル面に隣接させて払拭部材により掻き取られた液滴を貯留する貯留部が設けられているので、上向きのノズル面から掻き取られた液滴は重力方向に落下するのを利用して貯留部内に導入することができる。
しかも、貯留部には、これに進入して貯留されている液滴を吸引可能な吸引部材が設けられているので、これにより、払拭部材により掻き取られた液滴はノズル面に再付着することが防止される。
この結果、ノズル面への再付着を防止するための構成として、吸収部材のような容量に限界がある部材を用いる場合と違って、部品交換などのメンテナンスを不要にしてノズル面やノズル面周辺部への不用意な液滴の再付着を防止してのずる面あるいはこれの周辺部での汚れ確実に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】画像形成装置の一実施例を説明するための図である。
【図2】図1に示した画像形成装置に用いられる液滴吐出装置を装置底部側から示した図である。
【図3】図1に示した画像形成装置に装備されている液滴吐出装置のノズル機能維持回復装置に用いられる払拭機構を説明するための図である。
【図4】図1に示した液滴吐出装置のノズル機能維持回復装置に用いられるキャッピング機構および液滴吸引機構を説明するための図である。
【図5】図4に示したキャッピング機構および液滴吸引機構に関する別実施例を説明するための図である。
【図6】図5に示したキャッピング機構および液滴吸引機構に関する変形例を説明するため図である。
【図7】図6に示した液滴吸引機構に関する別実施例を説明するための図である。
【図8】図3に示した払拭機構の別実施例を説明するための図である。
【図9】図5に示した液滴吸引機構に関する他の実施例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図示実施例により本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる画像形成装置の一つである、液滴吐出記録装置、いわゆる、記録媒体の一つである用紙Sに対して液滴を着弾させて印字を行うインクジェット記録装置を示している。
【0025】
同図においてインクジェット記録装置100は、次の装置を備えている。
つまり、ロッド90,91により摺動可能に支持されている保持手段としてのキャリッジ3に搭載されて画像形成手段として用いられる記録ヘッドユニット7と、記録媒体として用いられる記録用紙を搬送する搬送ベルト21と、記録用紙12を積載収容した給紙カセット11を有する給紙装置10と、印字後の記録用紙が排出される排紙トレイ54と、ノズル機能維持回復装置500(図2参照)とを備えている。
【0026】
キャリッジ3は、液滴吐出装置の主要部材であり、図2に示すように、主走査モータ4により駆動される駆動ローラ6aと従動ローラ6bとに掛け渡されたタイミングベルト5によって記録用紙12の搬送方向と直角な方向にシリアルスキャンしながらノズル面からのインク滴吐出による印字処理を行う。
キャリッジ3には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)などの複数の色の液滴、つまりインク滴を吐出するノズル面を備えた記録ヘッド7が主走査方向に沿って並べられている。
【0027】
記録ヘッド7のノズル面は、主走査方向と直交する方向に複数並べられており、本実施例では、ノズル面が上向きとされて重力方向に対向する向きに配置され、図1に示すように、記録用紙の下面に対向している。
【0028】
本実施例において使用する記録ヘッド7としては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどのインク(記録液)を吐出するためのエネルギー発生手段として備えたもの等を使用できる。
キャリッジ3には、記録ヘッド7に各色のインクを供給するための各色のサブタンク(図示しない)を搭載している。このサブタンクは、記録ヘッド7と一体的に構成され、図示しないメインタンク(インクカートリッジ)からインク供給チューブを介してインクがサブタンクに補充供給されるようになっている。
【0029】
一方、キャリッジ3に設けられているノズル面は、乾燥によるノズル詰まりを発生させやすいために、印字中のエラー等によるマシン停止中や電源オフ時等の非印字時を含むキャリッジ3が稼動していない際にキャップ160で密封されることで保湿されるようになっている。
このため、キャリッジ3は、印字時での記録用紙12を対象とした主走査方向での移動に加えて、搬送ベルト21の幅方向側方に配置されているノズル機能維持回復装置500に対向する位置に移動するようになっている。
【0030】
ノズル機能維持回復装置500は、図2に示すように、記録ヘッド7のノズル面に対応する数のキャッピング部材であるキャップ160を備えると共に、ノズル面を払拭する方向に移動可能な払拭部材であるワイパーブレード150を備えている。
ノズル機能維持回復装置500は、これに対向する位置(便宜上、待機位置と表現することもある)にキャリッジ3が移動するのに連動して、逗子市内スライダーなどを用いノズル面に向け移動し、キャップ160が各色のノズル面を密閉する。キャップ160の内部空間は負圧化されることによりノズル面内の気泡排出を行うことができるようになっている。
【0031】
一方、ワイパーブレード150は、ノズル面を払拭できる方向に移動可能な部材であり、ノズル面に付着したインク滴を払拭することによりノズル面でのメニスカスを形成する部材として用いられる。
【0032】
前述した給紙装置10では、給紙カセット11に積載された印刷用紙12が繰り出しローラ13およびこれと対向当接する高摩擦係数部材からなる分離パッド14との協働により一枚ずつ分離されて繰り出される。
【0033】
給紙カセット1から繰り出された記録用紙12は、用紙ガイド15を通過した後、先端が反射型の光学センサを用いた用紙有無検知センサ200を通過して搬送ベルト21に向けて搬送される。
【0034】
搬送ベルト21は、搬送ローラ27とテンションローラ28との間に掛け回された無端状ベルトであり、表面に当接する帯電ローラ26により表面を帯電されて記録用紙を静電吸着しながら搬送できるようになっている。
搬送ベルト21の回転駆動は、副走査モータ31からタイミングベルト32を介して搬送ローラ27に回転伝達されることで行われ、回転制御は、図1に示すように、テンションローラ28側に設けられたエンコーダ34および光学センサ35を用いた回転検知センサ36の検知信号に基づいて制御される。
【0035】
以上のような構成のインクジェット記録装置100を対象として本実施例の特徴について以下に説明する。
本実施例では、ノズル面が上向きに配置されている記録ヘッド7に隣接してノズル面と同じ側に開口を設けられ、ワイパーブレード150により払拭されたノズル面からのインク液滴を貯留できる空間を有した貯留部101が設けられ、さらに、この貯留部101内に貯留されているインク液滴を吸引して排出することを特徴としている。
【0036】
以下、この構成を説明する。
図3は、図1に示したキャリッジ3および記録ヘッド7の配置構成を示す図であり、同図において、記録ヘッド7における液吐出に相当するノズル面105は、重力方向と対向する上向きに配置されている。
【0037】
図3(A)に示すように、記録ヘッド7の側方で隣り合う位置でワイパーブレード150の払拭方向下流側に相当する位置には、ノズル面105と同じ向きに開口を有する断面形状が凹状の空間からなる貯留部101が設けられている。
貯留部101は、図3においてキャリッジ3の高さ方向での開口が記録ヘッド7のノズル面とほぼ同じ高さの位置に位置決めされている。これによりワイパーブレード150が移動する過程で段差を生じることがないので、段差部に払拭されたインク滴が溜まるのを防止してノズル面にインク滴が残るような事態を未然に防止できる。
【0038】
ワイパーブレード150は、ノズル面への密着性を高めるために可撓性を有する弾性体が用いられ、ノズル面の全域を覆うことができるサイズを持ち、図3(A)において矢印で示す方向に移動する過程でノズル面105に付着しているインク液滴110を払拭するようになっている。また、ワイパーブレード150は、上記矢印で示す方向の移動量として、貯留部101の開口を通り過ぎることができる移動量(図3(C)に示す状態が得られる移動量)に設定されている。
【0039】
図3(B)は、ワイパーブレード150がノズル面105を移動し終わった状態を示している。
ワイパーブレード150の払拭動作によりブレード先端部に集められたインク110は、キャリッジ3と一体的に設けられた貯留穴110に貯留される。このとき、貯留穴110の端は液滴吐出面105と略同一平面上に形成されており、インク110が貯留穴101内に容易に貯留することができる。
【0040】
図3(C)は、ワイパーブレード150が貯留穴101にインク110を落として、貯留穴100から離間する状態を示している。
ワイパーブレード150が液滴吐出面105を払拭した際に付着したインク110は、貯留穴101の開口から貯留部101内に落下して貯留され、更に、貯留穴101の開口においてワイパーブレード150の移動方向下流側の端縁により、ワイパーブレード150の表面に付着したインクが取り除かれる。これにより、撓んだ状態にあるワイパーブレード150に復元力が生じても、インクが記録装置内を飛散することはない。
なお、貯留穴101の形状は、例えば四角形や円形といったどの形状でもよいが、ノズル面105を払拭後のワイパーブレード150を効果的にクリーニングすることができるため、円形は避けることが望ましく、ワイパーブレード150移動方向と直角な方向に相当する幅方向と平行となる面が形成されていることが望ましい。
また、記録ヘッド7に対する貯留部101の設置位置としては、記録ヘッド7の副走査方向でノズル面と隣接する位置とするだけでなく、記録ヘッド7の主走査方向でノズル面と隣接する位置とすることも可能である。
【0041】
以上のような構成においては、ノズル面が上向きに配置されている構成を対象とした場合に、ワイパーブレード150による払拭されてノズル面から掻き取られたインク液滴がワイパーブレード150から貯留部101に転移するので、ワイパーブレード150に付着したままである場合に生じるインク滴の落下が生じない。
これにより、払拭されたインク滴の落下が原因するノズル面への再付着によるノズル面の汚れやノズル面周辺での汚れの発生が解消されることになる。
【0042】
一方、図4は、前述した特徴の一つである、貯留部101に溜まったインク滴を吸引して排出するための構成を示す図である。
図4において、キャップ160は、キャップホルダ210に支持されており、これら両者間に配置された付勢バネ210の修正によりノズル面への密着性を高めた状態で支持されている。
【0043】
キャップホルダ210は、キャップ160をノズル面に向けてガイドするガイド部材212内に嵌め込まれて摺動できる部材であり、ガイド部材212の一部に形成されたガイド穴225には、キャップホルダ210と一体化された吸引部材ホルダ223が挿通されている。
【0044】
吸引部材ホルダ223は、ガイド部材212に形成されたガイド穴225から外側に張り出した部分に吸引口300が支持されており、吸引口300は、吸引部材ホルダ223がキャップホルダ221に連動するのに応じて貯留部101に対向させた先端を貯留部101内に進退させることができるようになっている。
【0045】
キャップホルダ210は、ノズル面を密封してキャッピングする際の駆動部機構として、楕円形のカム211とキャップホルダ210側に設けられているカムフォロワ230とが用いられる。
カム211の回転に応じてカムフォロワ230がキャップホルダ210をガイド部材212内で摺動させ、この摺動に連動してキャップ160をノズル面に対して接触あるいは離間させると共に、吸引部材ホルダ223も同じ方向に移動させる。
【0046】
これにより、キャップホルダ210がキャップ160をノズル面に密着させる方向に移動した場合には吸引部材ホルダ223も同じ方向に移動するので、吸引口300が貯留部101内に進入することができる。
なお、吸引口300を貯留部101内に進入させる移動ストロークとしては、吸引口300が貯留部101の底部に衝突するのを避けながら底部に最も接近できることができる移動ストロークが望ましく、このための移動量設定は、カム211のカムプロフィールによって設定される。この移動ストロークに応じて吸引口300の長さも上述した条件に基づき設定されている。これにより、貯留部101内に溜まっているインク滴を少しでも多く吸引することが可能となる。
【0047】
吸引口300には、貯留部101に貯留されているインク滴を吸引する流路を構成するパイプ215を介して吸引源となるポンプ222が連通しており、ポンプ222は、パイプ216を介して廃液タンク220に接続されている。
廃液タンク220の内部は、大容量の吸収体によって満たされている。これにより、インクジェット記録装置の長期的な使用による交換頻度を少なくし、かつ交換時には、インクジェット記録装置内での限定された空間とは別の位置で作業を行えるようにして交換作業性を向上させている。
【0048】
吸引源であるポンプ222は、チューブポンプのような、駆動した際にインクがなくても確実に負圧を生起させるポンプが用いられている。
【0049】
本実施例は以上のような構成であるから、インク110は、ワイパーブレードによって貯留部101に集められると、貯留部101に対向する位置に設けられた吸引口300によって廃液タンク220に移される。
つまり、図3(A)に示すように、カム211の短軸側にカムフォロワ230が位置していると、キャップホルダ210が上昇して記録ヘッド7からキャップ160を離した状態に維持される。この状態では、キャップホルダ210に連動して吸引部材ホルダ223も貯留部101から離脱した状態とされる。
【0050】
カム211の長軸側にカムフォロワ230が位置すると、図3(B)に示すように、キャップホルダ210が下降する。キャップホルダ210が下降すると、キャップ160が記録ヘッド7のノズル面に密着してノズル面を密閉すると共に、吸引部材ホルダ223も下降して吸引口300を貯留部101内に進入させる。このときポンプ222が駆動されることにより、貯留部1010内に溜まっているインク滴が吸引されて廃液タンク220に向け排出される。
【0051】
以上の構成においては、上向きに配置されている記録ヘッド7のノズル面に対して払拭部材であるワイパーブレード150の払拭によりノズル面から貯留部101に溜められたインク滴がワイパーブレード150の払拭に連続して貯留部101内に進入する吸引口300によって吸引されるので、吸収体のような使用限界のある部品を用いないでもノズル面からのインク滴の除去を長期的に行うことができる。これにより、部品交換といったメンテナンス作業を要しないようにすることができる。
【0052】
なお、吸引口300の構成には次の条件に基づくことが望ましい。
吸引口300の内径が小さすぎると、吸引口内をインクが流れた際の抵抗が大きくなるため、吸引ポンプが作ることが可能な負圧で廃液タンクにインクが運べるような内径を設定する必要がある。
また、キャップホルダ210と供給口ホルダ223が一体的に動作する構成であったが、キャップホルダ210と供給口ホルダ223が独立して動作する構成でも良い。さらに、吸引口300の先端の大きさが、貯留部101の穴の大きさに近すぎると、吸引口300が貯留部101に挿入する際に、貯留穴にある空気のリークパスが無くなり、貯留部101内の圧力が高まる。そのため、吸引口300が貯留部101に正常に挿入されない。これを防ぐために、吸引口300先端の大きさが貯留部101の穴の大きさよりも、十分に小さいことが望ましい。
また、吸引部材ホルダ223は、キャップホルダ210と一体化されることに限らず、それぞれ独立して動作する構成としてもよい。
【0053】
次に、液滴吐出装置に関する別実施例について図5により説明する。
図5に示す実施例は、1つの吸引ポンプ222の駆動により、キャップ160と吸引口300のインク吸引動作を併用する構成を特徴としている。
図5(A)は、吸引ポンプ222に対して、キャップ160の内部空間に連通する流路を構成するチューブ215と、貯留部101に進入可能な吸引口300に連通する流路を構成するチューブ217とが接続された状態を示している。
この図では、それぞれのチューブ215、217に対して、片方の流路のみを連通させる切替機構299が接続されている。
【0054】
1つの吸引ポンプ222で、キャップ吸引と吸引口300からの吸引を併用する場合、どちらかが大気に連通していると、吸引ポンプ222による吸引動作で、大気からの空気を吸引し続けることになる。つまり、吸引の機能を果たすことができない。
そのために、切替機構299により、どちらか一方が吸引動作を実行するときは、もう一方の流路を閉塞し、大気から遮断させている。
【0055】
図5に示す切替機構299では、流路の一方を連通させ、もう一方を閉塞させる機構が用いられている。
図5(B)はこの場合の構成を示しており、同図において切替機構299には、各流路の開閉動作を行うための駆動源として電磁弁260を用いた場合が示されている。
【0056】
図4(B)においては、チューブ215側が開放状態であり、チューブ217が閉塞状態にある。チューブ215では、電磁弁260にある弁体255が変位部270から離間し、流路を開放している。それに対して、チューブ217では、弁体255が変位部270を押し込み、流路を遮断する。なお、図中、符号277は、バネなどの開放付勢部材を示しており、弁体255で押し付けられた際にはバネ線同士が密着してチューブ215を閉塞状態とし、弁体255が電磁弁260に吸引された際にバネ線同士の間隔を広げチューブ215を開放状態とする。
チューブ215を閉塞し、チューブ217を連通させる場合は、弁体255の動作を、チューブ215を開放する場合と逆にすれば良い。
【0057】
このような構成であれば、例えば、貯留部101内にインク110が集められ、そのインク110を吸引口300で吸引するときは、チューブ215にある電磁弁240を開放させ、チューブ217にある電磁弁241を閉塞させる。この状態で吸引ポンプ222を駆動させることで、インク110を廃液タンクに移すことができる。
チューブ215,218における変位部270,270’は可撓性を有し凹凸変形が可能な材質で構成されることが開閉状態の切替動作を円滑に行う上で望ましい。
【0058】
また、図5に示したキャリッジ3の状態は、図4に示した場合と同様に、記録ヘッド7のノズル面105が上向きに配置されて、重力方向と対向する状態の一例を示しており、水平方向にノズル面105が位置することに限らず、ノズル面105が上向きであれば、この状態を対象として、前述した貯留部101および吸引機構を用いることが可能である。
【0059】
次に、図5に示した流路の開閉状態を切り替える構成に関する別実施例を図6により説明する。
図6に示す構成は、吸引口300の先端をすることができる凸状の封止部320を設けて流路を構成するチューブ215,217同士での開閉状態を切り替えることを特徴としている。
図6(A)に示すように、キャリッジ3は、記録ヘッド7のノズル面105を上向きにした状態で設けられており、吸引口300に連通するチューブ215およびキャップ160の内部空間に連通するチューブ217は、それぞれ吸引ポンプ222に接続されている。
吸引口300が侵入する貯留部101の底部には、図6(B)に示すように、吸引口300との調心機能を持たせることができる断面三角形状の凸部からなる封止部320が設けられている。
封止部320の形状に対応するように吸引口300の先端開口は拡径されたコーン形状とされている。
【0060】
本実施例では、前述の図5(A)に示されている切替機構299が存在しないが、上述した構成の封止部320を設けることによりチューブ215,217での開閉状態を切り替えるようになっている。
図6(C)は、インク110が貯留部101内に貯留され、更に吸引口300が貯留部101に挿入された状態を示している。このときキャップ160は液滴吐出面105をキャップしている。この状態で吸引ポンプ222を駆動させると、キャップ160は液滴吐出面105によって閉塞されているため、貯留部101内のインクが吸引口300から廃液タンク220に運ばれる。
【0061】
その後、キャップ160を更に液滴吐出面105側に食い込ませると、その動作に伴って、図6(D)に示すように、吸引口300が貯留部101の底方向に移動する。このとき吸引口300の開口部は封止部320で封止される。そして、この状態で吸引ポンプ222を駆動させると、吸引口300の開口部は封止部320により閉塞されているため、液滴吐出面105を通過したインクがキャップ160から廃液タンク220に運ばれ、液滴吐出面105に配置されたノズルをクリーニングすることができる。
【0062】
以上のように、封止部320を貯留部101の底部に配置し、その封止部320によって吸引口を閉塞させることで、切替機構を用いなくても貯留部101からのインクの排出、およびキャップ160からのインクの排出を選択的に行うことができる。
なお、本実施例では、キャップ160と吸引口300が一体となって動作するが、それぞれが独立して動作する構成でも適用できる。その場合、キャップ160が液滴吐出面105をキャッピングした状態で、更にキャップ160を液滴吐出面105側に食い込ませる必要は無く、キャッピング動作を保ったまま、吸引口300のみを封止部320方向へ移動させ、開口部を封止させれば良い。
【0063】
次に、貯留部に関する別実施例を図7および図8により説明する。
図7,8に示す貯留部(便宜上、符号101’で示す)は、開口から空間底部に至る内壁面の形状に特徴がある。
つまり、図3乃至6に示した実施例においては、貯留部101の底部の面積が比較的大きいため、集められたインク110の液面高さが低い。
そのため、吸引口300が貯留部101’内のインク110を吸い出すためには、ワイピング動作を繰り返し行い、インク110が貯留部101’内にある程度溜める必要がある。しかしながら、1回あたりのワイピングで貯留部101’に蓄えられるインク量は少量であるため、貯留部101内にあるインク110を吸引可能な液面高さになるには、時間を必要とし、その時間が経過する間にインクが増粘する虞がある。しかも、インクが増粘すると、吸引ポンプ222を駆動させ吸引口300からインク110を排出しようとしても、流体抵抗が高いため、吸引できない虞がある。
【0064】
そこで、本実施例では、貯留部101’での開口から重力方向に沿った深さを有する空間において、吸引口300と対向する側の開口から空間底部に至る内壁面間の断面積が小さくなるように、図6に示すように、深さ方向での断面形状が重力方向に沿って底部側が狭くなるようにして窪ませた空間を構成し、インク液滴110が貯留する面積を小さくする構成とした。
このような構成にすることで、ワイピング回数が少なくても、ノズル面105を払拭したインク110の液面を高くすることができる。従って、ワイピング後に時間が経っていない状態で貯留部101’からインク110を排出することができる。なお。貯留部101’の底部に設けられた封止部320の形状は、吸引口300の開口部に嵌り易い形状が望ましく、例えば図のように半球形状であっても良い。
【0065】
一方、図8に示す実施例では、図7に示した場合と同様に貯留部101’の底部での面積を小さくするために、開口から空間底部に至る内側面(図中、γで示す面)を空間底部が狭くなるように重力方向に沿って傾斜させてワイパーブレード150の移動方向と直角な方向からみた場合にテーパ状に形成してある。
【0066】
このような構成において、ワイパーブレード150によるノズル面105の払拭が行われると、ノズル面105に付着しているインク滴110が貯留部101’に向けて掻き取られる(図8(A)参照)。
ノズル面105の払拭が終了し、ワイパーブレード150が貯留部101’に達すると、ワイパーブレード150により払拭されたインク滴110が貯留部101’の内側面に沿って空間底部に向けて流れる。
【0067】
貯留部101’において払拭されたインク滴が流れ落ちる内壁面あるいは内側面に対して撥水処理(図8(C)において符号400で示す)が施されていると、ワイパーブレード150が払拭したインク滴110が傾斜面400にて滞ることなく、貯留部101’の底部に移動する。これにより、貯留部101’の内側にインク110が増粘して固着し、吸引口による穴底からのインク110の排出を妨げないようにできる。なお、傾斜面400の傾斜角は、インク110を貯留部101の空間底部の中心に移動させることができる角度であることが望ましい。
【0068】
一方、本実施例では、吸引口300にインク滴が付着したままとなるのを防ぐ工夫も採用されており、その構成およびこの構成とする理由を図9により説明する。
つまり、吸引口300の内側に吸引したインクが付着したままであると、インクが増粘することで流体抵抗が急激に上昇してしまう。
そのままの状態で、インクジェット記録装置を使用し続けると、やがて吸引口300の内側でインクが詰まり、吸引動作ができなくなる虞がある。
【0069】
これを防ぐためには、吸引口300の内径を大きくすることで対処できるが、吸引口300を大径にすると、それに伴って、貯留部101の穴も大きくなってしまう。
貯留部101が大きくなると、キャリッジ3が大型化し、印字中に走査する際に駆動モータに対する負荷が大きくなってしまう。
【0070】
このような技術的問題点に鑑み、本実施例では、吸引口300の内径を大きくせず、インクが増粘する前に吸引口300内のインクを取り除くようにしている。
以下、この構成について説明する。
図8において、吸引ポンプ222は、内蔵されているローラが正逆回転(図中、符号R1,R2で示す状態)できる構成とされ、その回転方向に応じてチューブ215内を負圧化あるいは正圧化することができるようになっている。
【0071】
以上の構成において、吸引ポンプ222をR2方向に駆動して廃液タンク220方向に吸引動作を実行した後、R1方向に逆回転することで、吸引口300内のインクを排出する(図中矢印で示す状態)動作を行うようにしている。
この動作により、吸引口300の内側にインクを残すことが無く、長期的に吸引口300からのインク排出動作を実現することができる。
なお、逆回転を行う際は、吸引口300から噴出したインクが記録ヘッド7のノズル面105に付着しないようにするため、ノズル面側から吸引口300の開口部を退避させておくことが望ましい。
【符号の説明】
【0072】
3 キャリッジ
7 記録ヘッド
100 インクジェット記録装置
105 ノズル面
101,101’ 貯留部
110 インク液滴
150 ワイパーブレード
160 キャップ
215,217 チューブ
222 廃液タンク
222 吸引ポンプ
255 弁体
260 電磁弁
270,270’ チューブの変位部
299 切替機構
400 撥水処理部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0073】
【特許文献1】特開2009−172952号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液滴を上方に向け液滴を吐出可能なノズル面を備えた記録ヘッドと、
前記記録ヘッドを記録用紙等の記録媒体表面に沿って移動可能に支持する保持部材と、
前記ノズル面に対向して該ノズル面を払拭する方向に移動可能な払拭部材および前記ノズル面と対向して該ノズル面を密閉可能なキャッピング部材を備えたノズル機能維持回復手段と、
前記保持部材のノズル面に隣接する開口を有し、前記払拭部材により前記ノズル面から掻き取られた液滴を貯留する空間を有した貯留部と、
前記払拭部材に設けられて前記貯留部内に対して進退可能な吸引部材とを備え、
前記払拭部材は、前記ノズル面を通過して前記貯留部に到達する方向に前記払拭する方向が設定され、
前記吸引部材は、吸引源に接続されて前記貯留部内に進入した際に、貯留されている液滴を吸引して貯留部から排出することを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項2】
前記吸引部材には、前記貯留部に進入可能な流路に加えて前記キャッピング部材の内部空間に連通可能な流路とが設けられ、これら各流路は、吸引源との連通状態を切替可能な流路切替機構に接続されていることを特徴とする請求項1記載の液滴吐出装置。
【請求項3】
前記吸引部材には、前記貯留部に進入可能な流路に加えて前記キャッピング部材の内部空間に連通可能な流路とが設けられ、これら各流路は、吸引源にそれぞれ接続され、該流路のうちで、前記貯留部に進入可能な流路には、該貯留部への進入量が増加するに従って該流路を閉塞可能な閉塞部が設けられ、該閉塞部により貯留部に進入可能な流路が閉塞されると前記キャッピング部材の内部に連通する流路のみが前記吸引源との連通状態を維持させることを特徴とする請求項1記載の液滴吐出装置。
【請求項4】
前記貯留部は、前記ノズル面側の重力方向に沿った深さを有する空間で構成され、該空間において開口部から空間底部に至るに従い内側面間の断面積が小さくされていることを特徴とする請求項1乃至3のうちの一つに記載の液滴吐出装置。
【請求項5】
前記貯留部は、前記空間において開口部から空間底部に至る内壁面の断面積が小さくなるように該内側面同士が重力方向に沿って傾けられていることを特徴とする請求項4記載の液滴吐出装置。
【請求項6】
前記貯留部における空間内壁面には撥水加工が施されていることを特徴とする請求項5又は6記載の液滴吐出装置。
【請求項7】
前記吸引源は、正・負圧を生起できる駆動制御が可能であることを特徴とする請求項1乃至3のうちの一つに記載の液滴吐出装置。
【請求項8】
前記キャッピング部材と前記吸引部材とは一体化され、該キャッピング部材が前記のずる面を密封するのに連動して前記吸引部材が前記貯留部に進入することを特徴とする請求項1記載の液滴吐出装置。
【請求項9】
前記貯留部の開口と前記ノズル面とは同一平面上に配置されていることを特徴とする請求項1記載の液滴吐出装置。
【請求項10】
複数入りのノズル面を有した記録ヘッドを有し、該記録ヘッドが記録媒体の搬送方向と直角な方向に移動しながら前記ノズル面から液滴を吐出する印字作業を行う液滴吐出装置を備えた画像形成装置であって、該液滴吐出装置として、請求項1乃至9のうちの一つに記載の液滴吐出装置を用いることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−56518(P2013−56518A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−197664(P2011−197664)
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】