説明

液滴吐出装置

【課題】小型化・低背化が可能な液滴吐出装置を提供する。
【解決手段】描画媒体搬送経路30の上流側32上方に配置されたラインインクジェットヘッド20と、そのラインインクジェットヘッド20の下流側33の平面視で重ならない領域に配置された電子回路基板40、および、インクカートリッジ5a〜5fを有するインクカートリッジ収容部6と、各インクカートリッジ5a〜5fと第1のインク供給チューブ32a〜32fを介して連通され、描画時にインクを第2のインク供給チューブ38a〜38fを介してラインインクジェットヘッド20に供給するサブタンク17a〜17fと、を有し、サブタンク17a〜17fが、電子回路基板40およびインクカートリッジ収容部6よりも搬送方向34の下流側33であって、且つ、描画媒体搬送経路30と平面視で重ならない領域に配置されていることを特徴とするインクジェット液滴吐出装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、インクジェットヘッドのノズルから液状体の液滴を吐出させて描画を行うインクジェット液滴吐出装置が紹介されている(例えば特許文献1)。
特許文献1に記載のインクジェット液滴吐出装置(インクジェット記録装置)は、描画媒体を給紙トレイ(上流側)から排紙トレイ(下流側)に搬送する描画媒体搬送経路としての搬送ベルトと、液状体を貯留したインクカートリッジと、搬送ベルトの上方に配置され描画媒体に前記液状体を吐出するノズルを備えたインクジェットヘッドが装着されたキャリッジと、を有している。また、キャリッジには、インクジェットヘッドに各色のインクを供給するサブタンクが搭載されている。このサブタンクには、インク供給チューブを介して前記インクカートリッジからインクが補充供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−168027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のインクジェット液滴吐出装置では、搬送ベルトの上方に配置されたキャリッジに、インクジェットヘッドと、サブタンクとが、縦配置されているので、装置の低背化が図り難いという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]本適用例に係る液滴吐出装置は、液状体を貯留したインクカートリッジと、描画媒体に前記液状体を吐出するノズルを備えた液滴吐出ヘッドと、前記インクカートリッジと前記液滴吐出ヘッドとを連通し前記液状体の供給経路となるインク供給チューブと、前記描画媒体を、前記液滴吐出ヘッドの通過領域を間に含む上流側から下流側への搬送方向に送る描画媒体搬送経路と、前記液滴吐出ヘッドによる前記描画媒体への前記液状体の吐出、または、前記描画媒体搬送経路における前記描画媒体の搬送を制御する制御部を含む電子回路基板と、を有する液滴吐出装置であって、前記電子回路基板および前記インクカートリッジが、前記液滴吐出ヘッドよりも前記下流側であって、且つ、前記液滴吐出ヘッドと平面視で重ならない領域に配置されていることを特徴とする。
【0007】
本適用例によれば、インクカートリッジ、および、電子回路基板が、液滴吐出ヘッドと平面視で重ならない領域に配置されているので、装置の低背化を図ることができる。
【0008】
[適用例2]上記適用例に記載の液滴吐出装置において、前記電子回路基板が、前記インクカートリッジよりも前記上流側に配置されていることを特徴とする。
【0009】
本適用例によれば、液滴吐出ヘッドと電子回路基板とが平面視で近くの領域に配置されるので、液滴吐出ヘッドによる描画媒体への液状体の液滴の吐出を制御する電子回路基板の制御部と、液滴吐出ヘッドとの電気的な接続配線が短くて済むなど、装置設計がし易くなるという効果を奏する。
【0010】
[適用例3]上記適用例に記載の液滴吐出装置において、前記電子回路基板と前記インクカートリッジとが、前記搬送方向と交差する方向に並設されていることを特徴とする。
【0011】
本適用例によれば、液滴吐出装置の搬送方向の小型化を図ることが可能になる。
【0012】
[適用例4]上記適用例に記載の液滴吐出装置において、前記インクカートリッジが、前記搬送方向と交差する方向を長手方向にして配置されたことを特徴とする。
【0013】
本適用例によれば、液滴吐出装置の搬送方向の小型化を図ることが可能になる。
【0014】
[適用例5]本適用例に係る液滴吐出装置は、液状体を貯留したインクカートリッジと、描画媒体に前記液状体を吐出するノズルを備えた液滴吐出ヘッドと、前記インクカートリッジと第1のインク供給チューブを介して連通され、描画時に前記液状体を第2のインク供給チューブを介して前記液滴吐出ヘッドに供給するサブタンクと、前記描画媒体を、前記液滴吐出ヘッドの通過領域を間に含む上流側から下流側への搬送方向に送る描画媒体搬送経路と、前記液滴吐出ヘッドによる前記描画媒体への前記液状体の吐出、または、前記描画媒体搬送経路における前記描画媒体の搬送を制御する制御部を含む電子回路基板と、を有する液滴吐出装置であって、前記電子回路基板および前記インクカートリッジが、前記液滴吐出ヘッドよりも前記下流側であって、且つ、前記液滴吐出ヘッドと平面視で重ならない領域に配置され、前記サブタンクが、前記電子回路基板および前記インクカートリッジよりも前記搬送方向の前記下流側であって、且つ、前記描画媒体搬送経路と平面視で重ならない領域に配置されていることを特徴とする。
【0015】
本適用例によれば、サブタンクを有していることにより、大容量のインクカートリッジを搭載することができる。しかも、インクカートリッジ、サブタンク、および、電子回路基板が、液滴吐出ヘッドと平面視で重ならない領域に配置されているとともに、サブタンクが描画媒体搬送経路と平面視で重ならない領域に配置されているので、装置の低背化を図りながら、大容量のインクカートリッジを備えた液滴吐出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る液滴吐出装置の概略構成を模式的に説明するものであり、(a)は平面図、(b)は、(a)の矢印Sの方向からみた側面図。
【図2】液滴吐出装置の変形例1の概略構成を模式的に説明する平面図。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る液滴吐出装置の概略構成を模式的に説明するものであり、(a)は平面図、(b)は、(a)の矢印Sの方向からみた側面図。
【図4】液滴吐出装置の変形例2の概略構成を模式的に説明する平面図。
【図5】液滴吐出装置の変形例3の概略構成を模式的に説明する平面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に沿って説明する。
【0018】
(第1の実施形態)
まず、液滴吐出装置の第1の実施形態について説明する。図1は、液滴吐出装置の第1の実施形態としてのインクジェット液滴吐出装置の概略構成を模式的に説明するものであり、(a)は蓋体を外して上方からみた平面図、(b)は、側壁を取り除いた状態で矢印Sの方向からみた側面図である。
図1において、インクジェット液滴吐出装置1は、描画媒体に液状体としてのインクの液滴を吐出するノズルを備えた液滴吐出ヘッドとしてのラインインクジェットヘッド20と、各色のインクカートリッジ25a〜25fを備えたインクカートリッジ収容部26と、描画媒体を搬送方向34に送る描画媒体搬送経路30と、電子回路基板40と、を備えている。
【0019】
液滴吐出装置本体2内部の描画媒体搬送経路30は、描画媒体を上流側(給材側)32から下流側(排材側)33への水平な搬送方向34に搬送する経路となるものであり、例えば、描画媒体を載置して搬送する搬送ベルトである。
この他の描画媒体搬送経路30としては、例えば、ロール紙を描画媒体として用いた場合、描画媒体搬送経路30の上流側32に設けた繰出しローラーと下流側33に設けた巻出しローラーとの間に所定のテンションを有して引き渡されたロール紙自体が描画媒体搬送経路30を形成する。このとき、描画媒体搬送経路30としてのロール紙の描画領域に下側には紙送り駆動ローラーを有するプラテンが配置される。また、描画処理されたロール紙の一部は描画媒体搬送経路30の上流側32から下流側33に送られ、巻出しローラーを経て液滴吐出装置本体2の外側に引き出される。
【0020】
描画媒体搬送経路30の上流側32の描画領域(不図示)の上方には、両端を保持部21により保持されたラインインクジェットヘッド20が配置されている。ラインインクジェットヘッド20は、インクの液滴を吐出するノズルが設けられたノズル面(不図示)を下向き(描画媒体(搬送経路)と対面させる向き)となるように配置されている。
【0021】
ラインインクジェットヘッド20より下流側33の描画媒体搬送経路30の上方には、電子回路基板40、および、各色のインクを貯留したインクカートリッジ25a〜25fを備えたインクカートリッジ収容部26が配置されている。本実施形態では、ラインインクジェットヘッド20の直ぐ下流側に電子回路基板40が配置され、その電子回路基板40の下流側にインクカートリッジ収容部26が配置されている。このように、ラインインクジェットヘッド20と、電子回路基板40およびインクカートリッジ収容部26(インクカートリッジ25a〜25f)とが平面視で重ならないように配置されていることにより、インクジェット液滴吐出装置1の低背化を図ることができる。
【0022】
電子回路基板40は、ラインインクジェットヘッド20による描画媒体へのインク液滴の吐出、および、描画媒体搬送経路30における描画媒体の搬送を制御する制御部を含む。なお、電子回路基板40が含む制御部は、描画媒体へのインク液滴の吐出、または、描画媒体搬送経路30における描画媒体の搬送を制御する構成であってもよい。
また、本実施形態のインクジェット液滴吐出装置1において、電子回路基板40は、描画媒体搬送経路30の搬送方向34と交差する方向を長手方向にして、且つ、電子回路が形成された主面をラインインクジェットヘッド20に対面させて配置されている。これにより、インクジェット液滴吐出装置1の搬送方向34の小型化に効果を奏している。
【0023】
本実施形態では、インクカートリッジ収容部6に、6色のインクカートリッジ25a〜25fが備えられている。なお、インクカートリッジの数は、適宜に変更することが可能である。また、本実施形態では、インクカートリッジ収容部26において、各インクカートリッジ25a〜25fの長手方向が搬送方向34に沿う向きに載置されるとともに、搬送方向34と交差する方向に並べられている。
【0024】
各インクカートリッジ25a〜25fのそれぞれは、インク供給チューブ22a〜22fによりラインインクジェットヘッド20と連通され、電子回路基板40の制御部の制御により図示しないポンプを駆動させることによって、必要な量のインクをインクカートリッジ25a〜25fからラインインクジェットヘッド20に供給することが可能になっている。
【0025】
上記実施形態のインクジェット液滴吐出装置1によれば、電子回路基板40、および、インクカートリッジ25a〜25fを有するインクカートリッジ収容部26が、ラインインクジェットヘッド20と平面視で重ならない領域に配置されているので、インクジェット液滴吐出装置1の低背化を図ることができる。
【0026】
上記第1の実施形態で説明したインクジェット液滴吐出装置1は、下記の変形例として実施することも可能である。
【0027】
(変形例1)
上記第1の実施形態では、ラインインクジェットヘッド20の下流側33の平面視で重ならない領域に、電子回路基板40と、インクカートリッジ25a〜25fを収容したインクカートリッジ収容部26とを、搬送方向に沿って下流側33に順次配置した。これに限らず、インクカートリッジの配置の仕方を適宜に変更して液滴吐出装置のさらなる小型化を図ることが可能である。
図2は、液滴吐出装置の変形例1の概略構成を模式的に説明する平面図である。なお、上記第1の実施形態と同じ構成については、同一符号を付して説明を省略する。
【0028】
図2において、変形例1のインクジェット液滴吐出装置31は、描画媒体搬送経路30の上流側32の上方に配置されたラインインクジェットヘッド20と、その下流側33のラインインクジェットヘッド20と平面視で重ならない領域に配置された電子回路基板42、および、各色のインクカートリッジ35a〜35fを備えたインクカートリッジ収容部36とを備えている。
【0029】
インクカートリッジ収容部36と、電子回路基板42とは、ラインインクジェットヘッド20の下流側33の平面視で重ならない領域において、搬送方向34と交差する方向に並べて配置されている。なお、図中、電子回路基板42は、電子回路が形成された主面を描画媒体搬送経路と水平に配置した態様を図示しているが、上記第1の実施形態と同様に、電子回路基板42の描画媒体搬送経路30の搬送方向34と交差する方向を長手方向にして、且つ、主面をラインインクジェットヘッド20に対面させて配置してもよい。
また、各色のインクカートリッジ35a〜35fは、その長手方向が搬送方向34に沿う向きで、搬送方向34と交差する方向に並べて配置されている。
【0030】
変形例1のインクジェット液滴吐出装置31の構成によれば、装置の搬送方向34の小型化に対して、さらに有利な設計が可能になる。
【0031】
(第2の実施形態)
次に、本発明の液滴吐出装置の第2の実施形態について図面に沿って説明する。
図3は、液滴吐出装置の第2の実施形態の概略構成を模式的に説明するものであり、(a)は蓋体を外して上方からみた平面図、(b)は、側壁を取り除いた状態で矢印Sの方向からみた側面図である。なお、上記第1の実施形態と同じ構成については、同一符号を付して説明を省略する。
図3において、インクジェット液滴吐出装置41は、ラインインクジェットヘッド20と、各色のインクカートリッジ5a〜5fを備えたインクカートリッジ収容部6と、各インクカートリッジ5a〜5fと対応しラインインクジェットヘッド20にインクを供給するサブタンク17a〜17fと、描画媒体を搬送方向34に送る描画媒体搬送経路30と、電子回路基板40と、を備えている。
【0032】
描画媒体搬送経路30の上流側32の描画領域(不図示)の上方には、両端を保持部21により保持されたラインインクジェットヘッド20がノズル面(不図示)を下向きにして配置されている。
【0033】
ラインインクジェットヘッド20より下流側33の描画媒体搬送経路30の上方には、電子回路基板40、および、各色のインクを貯留したインクカートリッジ5a〜5fを備えたインクカートリッジ収容部6が、この順に配置されている。ラインインクジェットヘッド20と、電子回路基板40およびインクカートリッジ収容部6(インクカートリッジ5a〜5f)とは、平面視で重ならないように配置され、インクジェット液滴吐出装置41の低背化を図ることが可能になっている。
【0034】
本実施形態では、インクカートリッジ収容部6に、6色のインクカートリッジ5a〜5fが備えられている。なお、インクカートリッジの数は、適宜に変更することが可能である。また、本実施形態では、インクカートリッジ収容部6において、各インクカートリッジ5a〜5fの長手方向が搬送方向34に沿う向きで、搬送方向34と交差する方向に並べられている。
【0035】
インクカートリッジ収容部6よりも搬送方向34の下流側33であって、且つ、描画媒体搬送経路30と平面視で重ならない領域には、各インクカートリッジ5a〜5fと対応し、ラインインクジェットヘッド20にインクを供給するサブタンク17a〜17fが配置されている。本実施形態では、各サブタンクは描画媒体搬送経路30の両サイドに搬送方向34に沿って三つずつのサブタンク17a,17b,17c、および、サブタンク17d,17e,17fが搬送方向に沿ってバランスよく配置されているとともに、サブタンク17a〜17fは、その最上部が描画媒体搬送経路30よりも下方に配置されている。
【0036】
各サブタンク17a〜17fと、対応するインクカートリッジ5a〜5fとは、第1のインク供給チューブ32a〜32fによりそれぞれ連通され、図示しないポンプにより、インクカートリッジ5a〜5fから、対応するサブタンク17a〜17fにインクを供給可能となっている。
また、各サブタンク17a〜17fのそれぞれは、第2のインク供給チューブ38a〜38fによりラインインクジェットヘッド20と連通され、電子回路基板40の制御部の制御のもと図示しないポンプを駆動させることにより、必要な量のインクをサブタンク17a〜17fからラインインクジェットヘッド20に供給することが可能になっている。
【0037】
なお、本実施形態では、ラインインクジェットヘッド20から下流側33に向けて、電子回路基板40、インクカートリッジ5a〜5f(インクカートリッジ収容部6)、および、サブタンク17a〜17fの順で、平面視で重ならないように配置されている。このように、インクカートリッジ5a〜5fと、対応するサブタンク17a〜17fとが近くの領域に配置されるので、第1のインク供給チューブ32a〜32fによるインク供給経路が短くて済むなど、装置設計がし易くなるなどの効果を奏する。
【0038】
上記実施形態のインクジェット液滴吐出装置41によれば、インクカートリッジ5a〜5fとラインインクジェットヘッド20とを連通する第1のインク供給チューブ32a〜32f、および、第2のインク供給チューブ38a〜38fの間に、ラインインクジェットヘッド20へのインクの供給量を調整するサブタンク17a〜17fが備えられている。これにより、大容量のインクカートリッジ5a〜5fを搭載することができる。しかも、電子回路基板40、インクカートリッジ5a〜5fを有するインクカートリッジ収容部6、および、サブタンク17a〜17fが、ラインインクジェットヘッド20と平面視で重ならない領域に配置され、さらにサブタンク17a〜17fが、描画媒体搬送経路30と平面視で重ならない領域に配置しているので、装置の低背化を図りながら、大容量の各色インクカートリッジ5a〜5fを搭載したインクジェット液滴吐出装置41を提供することができる。
【0039】
上記実施形態および変形例1で説明したインクジェット液滴吐出装置1,31,41は、下記の変形例2,3として実施することも可能である。
(変形例2)
上記実施形態および変形例1では、インクカートリッジ収容部6,26,36において、各インクカートリッジ5a〜5f,25a〜25f,35a〜35fの長手方向が搬送方向34に沿う向きで、搬送方向34と交差する方向に並べて配置した。これに限らず、インクカートリッジの配置の仕方を適宜に変更して液滴吐出装置のさらなる小型化を図ることが可能である。図4は、液滴吐出装置の変形例2の概略構成を模式的に説明する平面図である。なお、上記実施形態および変形例1と同じ構成については、同一符号を付して説明を省略する。
【0040】
図4において、変形例2のインクジェット液滴吐出装置51は、描画媒体搬送経路30の上流側32の上方に配置されたラインインクジェットヘッド20と、その下流側33のラインインクジェットヘッド20と平面視で重ならない領域に配置された電子回路基板40、および、その電子回路基板40のさら下流側に配置され、各色のインクカートリッジ15a〜15fを備えたインクカートリッジ収容部56と、さらにその下流側33の描画媒体搬送経路30と平面視で重ならない領域に配置されたサブタンク17a〜17fとを備えている。
【0041】
インクカートリッジ収容部56において、各色のインクカートリッジ15a〜15fは、描画媒体搬送経路30の搬送方向34と交差する方向に並べられたインクカートリッジ15b,15d,15e、および、インクカートリッジ15a,15c,15fの三つずつ2列が配置されている。
【0042】
変形例2のインクジェット液滴吐出装置の構成によれば、装置の搬送方向34の小型化に有利になる。
【0043】
(変形例3)
以下説明する変形例3では、上記変形例1と変形例2を組み合わせた態様の液滴吐出装置について説明する。図5は、液滴吐出装置の変形例3の概略構成を模式的に説明する平面図である。なお、上記実施形態および変形例1,2と同じ構成については、同一符号を付して説明を省略する。
【0044】
図5において、変形例3のインクジェット液滴吐出装置61は、描画媒体搬送経路30の上流側32の上方に配置されたラインインクジェットヘッド20と、その下流側33のラインインクジェットヘッド20と平面視で重ならない領域に配置された電子回路基板42および各色のインクカートリッジ65a〜65fを備えたインクカートリッジ収容部66と、その下流側33の描画媒体搬送経路30と平面視で重ならない領域に配置されたサブタンク17a〜17fとを備えている。
【0045】
インクカートリッジ収容部66と、電子回路基板42とは、ラインインクジェットヘッド20の下流側33の平面視で重ならない領域において、搬送方向34と交差する方向に並べて配置されている。なお、図中、電子回路基板42は、電子回路が形成された主面を描画媒体搬送経路と水平に配置した態様を図示しているが、上記実施形態および変形例1と同様に、電子回路基板42の描画媒体搬送経路30の搬送方向34と交差する方向を長手方向にして、且つ、主面をラインインクジェットヘッド20に対面させて配置してもよい。
また、本変形例において、各色のインクカートリッジ65a〜65fは、上記変形例2と同じく、描画媒体搬送経路30の搬送方向34と交差する方向を長手方向として並べたインクカートリッジ65b,65d,65e、および、インクカートリッジ65a,65c,65fの三つずつ2列を並べて配置されている。これに限らず、上記実施形態のインクジェット液滴吐出装置1と同様に、各インクカートリッジ65a〜65fの長手方向が搬送方向34に沿う向きで、搬送方向34と交差する方向に並べる構成としてもよい。
【0046】
変形例3のインクジェット液滴吐出装置の構成によれば、装置の搬送方向34の小型化に対して、さらに有利な設計が可能になる。
【0047】
以上、発明者によってなされた本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明は上記した実施の形態及びその変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。
【0048】
例えば、上記実施形態及び変形例の液滴吐出装置としてのインクジェット液滴吐出装置1,31,41,51,61では、描画媒体に液状体(インク)の液滴を吐出する液滴吐出ヘッドとしてラインインクジェットヘッド20を備えた構成を説明した。
これに限らず、液滴吐出ヘッドは、描画媒体搬送経路30の搬送方向34と交差する方向に走査自在に設けられたヘッドキャリッジに装着した構成としてもよい。この場合、インクカートリッジおよび電子回路基板を、液滴吐出ヘッドの可動領域と平面視で重ならない領域に配置する構成とすればよい。
【符号の説明】
【0049】
1,31,41,51,61…液滴吐出装置としてのインクジェット液滴吐出装置、2…液滴吐出装置本体、5a〜5f,15a〜15f,25a〜25f,35a〜35f,65a〜65f…インクカートリッジ、6,26,36,56,66…インクカートリッジ収容部、17a〜17f…サブタンク、20…液滴吐出ヘッドとしてのラインインクジェットヘッド、21…保持部、30…描画媒体搬送経路、32…(描画媒体搬送経路の)上流側、22a〜22f…インク供給チューブ、32a〜32f…第1のインク供給チューブ、33…(描画媒体搬送経路の)下流側、34…搬送方向、38a〜38f…第2のインク供給チューブ、40…電子回路基板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状体を貯留したインクカートリッジと、
描画媒体に前記液状体を吐出するノズルを備えた液滴吐出ヘッドと、
前記インクカートリッジと前記液滴吐出ヘッドとを連通し前記液状体の供給経路となるインク供給チューブと、
前記描画媒体を、前記液滴吐出ヘッドの通過領域を間に含む上流側から下流側への搬送方向に送る描画媒体搬送経路と、
前記液滴吐出ヘッドによる前記描画媒体への前記液状体の吐出、または、前記描画媒体搬送経路における前記描画媒体の搬送を制御する制御部を含む電子回路基板と、を有する液滴吐出装置であって、
前記電子回路基板および前記インクカートリッジが、前記液滴吐出ヘッドよりも前記下流側であって、且つ、前記液滴吐出ヘッドと平面視で重ならない領域に配置されていることを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液滴吐出装置において、
前記電子回路基板が、前記インクカートリッジよりも前記上流側に配置されていることを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項3】
請求項1に記載の液滴吐出装置において、
前記電子回路基板と前記インクカートリッジとが、前記搬送方向と交差する方向に並設されていることを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の液滴吐出装置において、
前記インクカートリッジが、前記搬送方向と交差する方向を長手方向にして配置されたことを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項5】
液状体を貯留したインクカートリッジと、
描画媒体に前記液状体を吐出するノズルを備えた液滴吐出ヘッドと、
前記インクカートリッジと第1のインク供給チューブを介して連通され、描画時に前記液状体を第2のインク供給チューブを介して前記液滴吐出ヘッドに供給するサブタンクと、
前記描画媒体を、前記液滴吐出ヘッドの通過領域を間に含む上流側から下流側への搬送方向に送る描画媒体搬送経路と、
前記液滴吐出ヘッドによる前記描画媒体への前記液状体の吐出、または、前記描画媒体搬送経路における前記描画媒体の搬送を制御する制御部を含む電子回路基板と、を有する液滴吐出装置であって、
前記電子回路基板および前記インクカートリッジが、前記液滴吐出ヘッドよりも前記下流側であって、且つ、前記液滴吐出ヘッドと平面視で重ならない領域に配置され、
前記サブタンクが、前記電子回路基板および前記インクカートリッジよりも前記搬送方向の前記下流側であって、且つ、前記描画媒体搬送経路と平面視で重ならない領域に配置されていることを特徴とする液滴吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−63546(P2013−63546A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202807(P2011−202807)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】