説明

液漏れ検知装置を設けた充填機

【課題】充填機で収納物が充填され密封された包装体のピンホールやシール不良等による包装体に収納されている液等の漏れを検知する液漏れ検知装置を設けた充填機に関する。
【解決手段】
包装体の液漏れの有無を検査する液漏れ検知装置を設けた充填機であって、前記搬送ベルトコンベアの上方方向に包装体加圧部と、前記搬送ベルトコンベアの先端部に搬送ベルトコンベア上に包装体より漏れた収納物の液を透明板に転移させ、その透明板上の液を検知する液漏れ検知部と、前記液漏れ検知部を通過した包装体を次工程搬送ベルトコンベアに載置し搬送する次工程搬送ベルトコンベアのいずれか一方の外側側面に液漏れが検知された包装体を次工程搬送ベルトコンベア上から排出するイジェクト装置を有する排出部とを具備していることを特徴とする液漏れ検知装置を設けた充填機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充填機で収納物が充填され密封された包装体のピンホールやシール不良等による包装体に収納されている液等の漏れを検知する液漏れ検知装置を設けた充填機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、充填機で収納物が充填され密封された包装体は、収納されている収納物あるいは包装体の保存方法、流通条件、あるいは包装体の外装包装または集積包装方法等によって包装体に対する検査方法等が適宜選択されている。
【0003】
例えば、収納物が充填され密封された包装体を真空チャンバー内に収納し、真空チャンバー内を減圧することにより包装体のピンホールやシール不良等を検査する方法等が古くから行われている。
【0004】
また、リンゲル液、輸液、食品等の導電性で、且つ、不定形の内容物を収容した袋状の包装体を検査する装置も知られている。このような検査装置は、例えば、特許文献1に開示されたように、上記包装体を搬送する搬送手段の上下に一対の電極を配置し、これら一対の電極間に高電圧を印加し、電極間に搬送されてきた包装体(被検査体)上に放電電流を生ぜしめ、この生じた放電電流を検出して合否を判定するようにしている。
【0005】
また、 輸液バッグ等の液体を収容した袋状の容器のピンホールやシール不良を、各部分に適応した電圧によって検査を行う容器の不良検査装置(例えば、特許文献2参照。)も知られている。
【0006】
前記容器の不良検査装置はバケット内に容器を収容して運続的に搬送する。そして、バケットの搬送経路には複数の検査ステーションが設けられている。また、各検査ステーションにはそれぞれ検査電極が設けられている。
【0007】
また、バケットには、第2の検査電極が設けられ、そのローラが案内レールに支持されて進行する。案内ステーションは、各検査ステーションに設けられた導電体と、その他の部分の非導電体とで構成されている。そして、各検査ステーションでは、バケットの第2電極と案内レールの導電体を介して電圧をとりだす。
【0008】
以下に先行技術文献を示す。
【特許文献1】特開昭62−38226号公報
【特許文献2】特開平5−310230号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、特許文献1の装置は、固定位置に設けられた一対の検査電極によって検査を行うものであるため、包装袋の各部分に適応した電圧を印加して検査を行うことはできなという問題がある。
【0010】
また、特許文献1の装置は、包装袋を電圧によって検査を行う検査方法であるため、包装袋に収納されている収納物によっては、包装袋の不良を検査することができないという
問題がある。
【0011】
また、特許文献2の装置は、特許文献1の装置の欠点を除くために提案された容器の不良検査装置である。このため、複数の検査ステーションを設け、各ステーション毎に、容器の検査される部分の厚みに応じた検査を行うことができるが、容器をバケット内に収納しなければならない。
【0012】
このため、容器の大きさがバケットの大きさよりも小さくなければならないという問題がある。また、容器の大きさがバケットの大きさよりも大きい場合は、複数のバケットを作製しなければならない。
【0013】
そして、複数のバケットを作製する手間と費用がかかるという問題がある。また、バケットを作製しない場合には、容器の大きさが限定される。
【0014】
また、特許文献2の装置は、複数の検査ステーションを設け、複数の検査電極を設けるなど装置と操作が煩雑である。そして、当然ながら故障要因が増加するという問題がある。さらに装置を製造するコストが高額となるという問題もある。
【0015】
さらに、装置が煩雑であるだけでなく、装置が大型化する。そして、設置スペースが大きくなるという問題がある。
【0016】
また、複数の検査ステーションや複数の検査電極等の調整に時間がかかる。さらに、調整方法等によって検査結果がバラツクという問題がある。
【0017】
また、特許文献1の装置と同様に、容器を電圧によって検査を行う検査方法であるため、容器に収納されている収納物によっては、容器の不良を検査することができないという問題がある。
【0018】
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、煩雑な構造や機構を用いることなく、且つ、高価な機器を使用することなく安価で、正確に、安定して、充填機で収納物が充填密封されている包装体の液漏れが検査でき、液漏れがある包装体を排出できる液漏れ検知装置を設けた充填機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記問題点を解決するために、本発明の請求項1に係る発明は、
充填機で収納物を充填し密封された包装体を所定間隔で連続的に水平または垂直方向に載置し搬送する直線状の搬送ベルトコンベア上で、前記包装体を押圧して包装体より漏れた収納物の液を検知し、包装体の液漏れの有無を検査する液漏れ検知装置を設けた充填機であって、
前記搬送ベルトコンベアの上方方向に包装体加圧部と、
前記搬送ベルトコンベアの先端部に搬送ベルトコンベア上に包装体より漏れた収納物の液を透明板に転移させ、その透明板上の液を検知する液漏れ検知部と、
前記液漏れ検知部を通過した包装体を次工程搬送ベルトコンベアに載置し、搬送する次工程搬送ベルトコンベアのいずれか一方の外側側面に液漏れが検知された包装体を次工程搬送ベルトコンベア上から排出するイジェクト装置を有する排出部と
を具備していることを特徴とする液漏れ検知装置を設けた充填機である。
【発明の効果】
【0020】
本発明の液漏れ検知装置を設けた充填機は以上の構成からなるのでシンプルで、操作も簡単である。さらに、安価に液漏れ検知装置を作製することができる。
【0021】
また、煩雑な機構や構造でないため、故障や調整等を殆ど必要としない。そして、効率良く、円滑に包装体の液漏れ検査ができる。
【0022】
さらに、検査する包装体をバケットに供給したり、バケットから排出することがないため、包装体の損傷が少ない。また、搬送ベルトコンベアに載置するだけであるため、手間がかからない。
【0023】
また、バケットを用いて包装体を検査するための搬送にバケットを使用していないため、包装体の大きさがバケットの大きさに限定されることがない。そして、連続して包装体が検査できる。
【0024】
さらに、機構や構造が煩雑でないだけでなく、該装置の設置スペースが小さく、且つ、保守費や維持費も少ない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の液漏れ検知装置を設けた充填機を実施の形態に沿って以下に図面を参照にしながら詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明の液漏れ検知装置を設けた充填機の一実施例の概略を示す概略図である。また、図2は図1の平面の概略を示す概略図である。
【0027】
本実施例の液漏れ検知装置を設けた充填機は図1および図2に示すように、充填機で収納物が充填収納され密封された包装体20が載置され搬送する搬送ベルトコンベア6と、搬送用ベルト12上に載置された包装体20を加圧する包装体加圧部1と、加圧によってシール不良やピンホール等により液漏れが生じた包装体20の液を検知する液漏れ検知部2と、液漏れを生じた包装体20を排出するイジェクト装置を有する排出部3から形成されている。
【0028】
前記充填機で収納物が充填収納され密封された包装体20は、熱可塑性樹脂が積層されている二方シールまたは三方シール、四方シール、側面シールあるいは封筒貼りシール、合掌貼りシール、舟底シール等の平袋。
【0029】
あるいは、底部に底シール部と両側端面にサイドシール部等を有する三方シールまたは四方シールなどの包装袋の下部を前後に広げて、底部に矩形状の扁平な底面を形成した自立包装袋あるいは袋の表側面と裏側面の底部の内側にガセット部を有する自立包装袋(スタンディングパウチ)等の包装形態の袋に収納物が充填収納され密封されているものが挙げられる。
【0030】
さらに、熱可塑性樹脂が積層されている板紙を主体とする液体容器等の包装体20、例えば、屋根型の液体容器、カップ型の液体容器、円筒型の液体容器等に収納物が充填収納され密封されているものなどが挙げられる。
【0031】
前記熱可塑性樹脂として、例えば、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、線状低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー樹脂、ポリブテンポリマー樹脂、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂等が例示できる。
【0032】
また、前記板紙は使用される用途、形態、保存・流通条件、収納する収納物等によって、例えば、アイボリー紙、ポストカード、両面カード紙、マニラボール紙、白ボールである白板紙等、通常の板紙を使用することができる。
【0033】
さらに、液体容器等の形状、形態、あるいは収納する収納物、流通・使用条件または使用場所、使用方法等によって、紙の中間層に古紙を使用した紙、あるいは黄ボール、チップボール、色ボール(両面クラフトボール、片面クラフトボール他)等の下級紙を用いることもできる。
【0034】
また、包装体20に収納される収納物としては、果樹汁;ミカン、りんご、グレープフルーツ、ぶどう、メロン等、アルコール飲料;酒、ワイン、焼酎、果樹酒等、化粧・洗顔剤;化粧水、保湿剤、洗顔剤、シャンプー、コンディンショナ等、洗剤関連;液体洗剤、漂白剤、液体石鹸、柔軟剤等、嗜好飲料;コーヒー、ココア、紅茶、コーラ−等、乳飲料;牛乳、ヨーグルト、生乳等が例示できる。
【0035】
前記充填機で収納物が充填収納され密封された包装体20が搬送用ベルト12上に載置され搬送する搬送ベルトコンベア6の搬送用ベルト12としては、ゴムベルト、樹脂製ベルト、織物ベルト、鋼ベルト、ステンレスベルト等がある。さらに、木綿または麻布にゴムをしみこませ、これを一枚のベルトとに折り重ねて圧縮加流して作った平ベルト等もある。
【0036】
そして、本実施例においては、特に限定するものではないが、耐水性、耐摩擦、耐薬品、耐熱性等が有るベルトが望ましい。例えば、シリコン樹脂ベルト、フッ素樹脂ベルト、ナイロン樹脂等の平ベルト等が挙げられる。
【0037】
また、前記平ベルトは、接合して環状に形成される。前記接合方法として、張り合わせ方法、ひもや針金等でとじる方法、接合金具を用いる方法等がある。本実施においては、特に限定するものではないが、前記方法の中でも張り合わせ方法が好ましいが、より好ましくは無端環状の平ベルトが望ましい。
【0038】
また、搬送ベルトコンベア6の搬送用ベルト12の走行は搬送ベルトコンベア6の、搬入方向のローラ41か、搬出方向のローラ42のいずれか一方のローラが図には示していない無段変速モーターあるいは通常のモーターと変速装置を介して回転駆動されている。
【0039】
また、図には示していないが、搬送ベルトコンベア6の搬入方向のローラ41か、搬出方向のローラ42かのいずれか一方のローラにベルトの張りと蛇行等を調整するために、ローラが前方方向または後方方向に移動調整できるアジャスト調整手段が具備されている。
【0040】
さらに、当然ながら搬送ベルトコンベア6の搬入方向のローラ41と搬出方向のローラ42の間の下方方向には、図には示していないがベルトの張りを調整するテンションローラ等が設けられている。
【0041】
また、搬送ベルトコンベア6の搬送用ベルト12の下側面には、図には示していないが複数の搬送ベルトコンベア用ガイドロールまたはベルトガイド板等が設けられている。
【0042】
次に、図3は本発明の液漏れ検知装置を設けた充填機の包装体加圧部の概略を説明する
概略図である。また、図4は図3の平面の概略を示す概略図である。
【0043】
図3あるいは図4に示すように包装体加圧部1は搬送ベルトコンベア6の搬送用ベルト12上に横転状態で載置され、走行してきた包装体20を搬送ベルトコンベア6の搬送用ベルト12と挟む。そして、加圧搬送ベルトコンベア5の加圧搬送用ベルト14が搬送ベルトコンベア6の搬送用ベルト12と同じ速度で、同じ方向に走行している。また、の搬送用ベルト12の上側面方向には、複数の加圧ユニット50が形成されている。
【0044】
前記加圧搬送ベルトコンベア5の加圧搬送用ベルト14に用いられる材質としては、搬送ベルトコンベア6の搬送用ベルト12と同様に、特に限定するものではないが、耐水性、耐摩擦、耐薬品、耐熱性等が有るベルトが望ましい。例えば、シリコン樹脂ベルト、フッ素樹脂ベルト、ナイロン樹脂等の平ベルト等が挙げられる。そして、加圧搬送用ベルト14の厚さは、加圧ユニット50の加圧ローラ51の加圧が搬送ベルトコンベア6の搬送用ベルト12上に載置されている包装体20に敏感に加えられるように厚さが薄い方が望ましい。
【0045】
さらに、加圧搬送ベルトコンベア5の加圧搬送用ベルト14は上述した、張り合わせ方法、ひもや針金等でとじる方法、接合金具を用いる方法等で環状のベルトを形成できるが、好ましくは搬送ベルトコンベア6の搬送用ベルト12と同様に、無端環状の平ベルトが望ましい。
【0046】
また、加圧搬送ベルトコンベア5には、図3に示すように複数の加圧搬送ベルト用ガイドローラ57が設けられている。そして、加圧搬送ベルトコンベア5の加圧搬送用ベルト14は、搬送ベルトコンベア6の搬送用ベルト12上の包装体20を介して搬送ベルトコンベア6の搬送用ベルト12に同調して走行する。
【0047】
また、加圧搬送ベルトコンベア5の加圧搬送用ベルト14をガイドする加圧搬送ベルト用ガイドローラ57の他に図には示していないが、加圧搬送用ベルト14の張り状態を調整する加圧搬送ベルト調整用ローラが設けられている。さらに、加圧搬送ベルトコンベア5の加圧搬送用ベルト14の材質や厚さ、あるいはベルト幅等によって加圧搬送用ベルト14の蛇行等を調整する蛇行調整用ロールが設けられる。
【0048】
前記加圧搬送ベルトコンベア5の加圧搬送用ベルト14をガイドする加圧搬送ベルト用ガイドローラ57の材質としては、構造用炭素鋼材や構造用圧延鋼材またはステンレス鋼あるいはアルミニウム合金、ニッケルクロム合金等の金属に特に限定されるものではない。例えば、ナイロン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリプロピレン樹脂等の樹脂を用いることができる。
【0049】
また、加圧搬送ベルト用ガイドローラ57の表面には、加圧搬送用ベルト14の材質や厚さあるいはベルト幅等によって図には示していないがローレット加工または山型状の溝加工が設けられる。
【0050】
前記加圧ユニット50は、加圧シリンダ52とブラケット53と加圧ローラ51から形成されている。そして、加圧ローラ51は加圧シリンダ52のからの加圧を、加圧搬送ベルトコンベア5の加圧搬送用ベルト14を介して包装体20を加圧する。
【0051】
前記ブラケット53は天面板54と右側面板55と左側面板56から形成されている。そして、天面板54は下方方向に設けられている加圧ローラ51の幅方向の両先端に右側面板55と左側面板56が垂下されている。そして、天面板54の上面の略中央位置に加圧シリンダ52を接合するシリンダ接合板37が設けられている。
【0052】
前記右側面板55と左側面板56には複数の加圧ローラ51の両端縁に設けられている軸を保持するベアリング軸受けが図には示していないが複数設けられている。そして、加圧ローラ51は2上に載置して搬送されてきた包装体20を加圧搬送ベルトコンベア5の加圧搬送用ベルト14と挟んで包装体加圧部2を走行する際に、加圧搬送ベルトコンベア5の加圧搬送用ベルト14の走行によって回転する。
【0053】
また、加圧ユニット50の加圧シリンダ52はエアシリンダ、油圧シリンダ等を用いることができるが、特に限定するものではない。例えば、カム、エキセントリック等の機械構造等により加圧搬送用ベルト14を介して包装体20を加圧しても良い。
【0054】
また、加圧シリンダ52を用いる場合には、図には示していないが当然ながら加圧等を調整するレギュレーター等を設けることが好ましい。
【0055】
また、包装体20の加圧は包装体20の形態または形状、大きさ、材質構成、あるいは包装体20に収納されている収納物、さらに、包装体20の保存方法・条件あるいは流通条件等によって加圧シリンダ52の加圧力が適宜選択される。
【0056】
例えば、収納物が300g収納されているガゼット袋の包装体20の場合には0.14MPaが加圧される。また、収納物が180g収納されているガゼット袋の包装体20には0.10MPaが加圧される。そして、規定異常の包装体20は破袋し、収納物の液が搬送ベルトコンベア6の搬送用ベルト12上に飛散する。
【0057】
次に、図5は本発明の液漏れ検知装置を設けた充填機の液漏れ検知部の概略を説明する概略図である。
【0058】
本実施例の液漏れ検知部2は図5に示すように搬出方向のローラ42の、搬送ベルトコンベア6の搬送用ベルト12の、外側方向の下部方向に設けられている。そして、液漏れ検知部2は透明板9と水分チェッカー8と透明板保持部材16と水分チェッカー保持部材15等から形成されている。
【0059】
前記透明板9は搬出方向のローラ42上の、搬送ベルトコンベア6のの搬送用ベルト12表面と接触している。このため、包装体加圧部1で搬送ベルトコンベア6の搬送用ベルト12上に飛散した液が透明板9に転移する。そして、透明板9に転移した液は水分チェッカー8で検知される。
【0060】
前記透明板9の樹脂は透明性がよい樹脂、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アクリル樹脂等が用いられる。また、透明板9は水分チェッカー8によって必ずしも透明でなくても良い。この場合には、透明板9の樹脂として、例えば、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、線状低密度ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー樹脂、ポリブテンポリマー樹脂、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。
【0061】
また、水分チェッカー8は透明板9に転移した液を検知でき、その検知した情報を発信
できれば良い。例えば、CCDカメラ、液体センサー、マイクロスイッチ等を用いることができる。
【0062】
そして、液漏れ検知部2の水分チェッカー8で液を検知すると同時に包装体20は次工程搬送ベルトコンベア30の次工程搬送用ベルト13上に載置されて搬送される。そして、次工程搬送ベルトコンベア30には、イジェクト装置を有する排出部3が形成されている。
【0063】
次に、図6は本発明の液漏れ検知装置を設けた充填機のイジェクト装置を有する排出部3の概略を説明する概略図である。また、図7は図6の平面の概略を示す概略図である。また、図8は図6の平面の概略を示す他の概略図である。
【0064】
本実施例のイジェクト装置を有する排出部3は図6〜図8に示すようにイジェクトバー11とイジェクトバー固定軸受け36と固定軸35とアーム38と接合ジョイント17とイジェクトバー駆動用シリンダ33とステー板31とシリンダ受軸32等から形成されている。
【0065】
イジェクトバー駆動用シリンダ33は次工程搬送ベルトコンベア30の左コンベアフレーム40と右コンベアフレーム39の下部を接続するL字状ステー板31の略中央の右コンベアフレーム39よりに設けられている。
【0066】
そして、イジェクトバー駆動用シリンダ33の一方の先端がL字状ステー板31の略中央の右コンベアフレーム39よりに設けられているシリンダ受軸32に係合されている。また、他方はイジェクトバー駆動用シリンダ33のロット軸34の先端に設けられている接合ジョイント17を介してアーム38に係合されている。
【0067】
前記L字状ステー板31は左コンベアフレーム40と右コンベアフレーム39の下部面と接合する部分は逆コの字状に形成され、左右コンベアフレーム39、40の下部面で接合されている。
【0068】
また、右コンベアフレーム40の外側側面の、適宜の箇所にインジェクトバー固定軸受け36が設けられている。さらに、イジェクトバー固定軸受け36には、固定軸35が設けられ、その固定軸35にはアーム38とイジェクトバー11が係合されている。
【0069】
また、イジェクトバー11は次工程搬送ベルトコンベア30の次工程搬送用ベルト13の上面に僅かな隙間を設けて適宜の角度作動する。前記作動はイジェクトバー駆動用シリンダ33とアーム39等によって成される。
【0070】
また、イジェクトバー11の材質は、構造用炭素鋼材や構造用圧延鋼材またはステンレス鋼あるいはアルミニウム合金、ニッケルクロム合金等の金属またはナイロン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリプロピレン樹脂等、特に限定するものではない。好ましくは、次工程搬送ベルトコンベア30の次工程搬送用ベルト13に載置され走行してくる包装体20がイジェクトバー11と接触した際に、滑り易く、且つ、耐磨耗性があるもの、例えば、フッ素樹脂、ナイロン樹脂等望ましい。
【0071】
また、イジェクトバー11に構造用炭素鋼材や構造用圧延鋼材またはステンレス鋼あるいはアルミニウム合金、ニッケルクロム合金等の金属を用いた際には、走行してくる包装体20と接触するイジェクトバー11の側面にフッ素樹脂、ナイロン樹脂等の粘着テープ等を貼るか、または、フッ素樹脂等を焼き付けるなどの表面加工が施される。
【0072】
また、イジェクトバー駆動用シリンダ33は上述した加圧シリンダ52と同様に、エアシリンダ、油圧シリンダ等を用いることができるが、特に限定するものではない。例えば、カム、エキセントリック等の機械構造等によりイジェクトバー11を駆動させることもできる。そして、図には示していないがエアシリンダや油圧シリンダ等を用いる際には、当然ながらアキュムレーターが用いられる。
【0073】
また、イジェクトバー駆動用シリンダ33の駆動は液漏れ検知部2の水分チェッカー8で液を検知し、検知された包装体20が次工程搬送ベルトコンベア30の次工程搬送用ベルト13上に載置されて走行する適宜のタイミングに合わせて駆動する。
【0074】
そして、図8に示すようにイジェクトバー11は次工程搬送ベルトコンベア30の次工程搬送用ベルト13上で搬送されてきた包装体20を停止させるかのように次工程搬送ベルトコンベア30の次工程搬送用ベルト13上を斜めにふさぐかのように形成される。
【0075】
そして、次工程搬送用ベルト13上に載置され、走行している包装体20は図8に示すようにイジェクトバー11に沿って液漏れ検知部2で液漏れが検知された包装体20が次工程搬送用ベルト13の外に排出される。
【0076】
上述したように次工程搬送ベルトコンベア30の次工程搬送用ベルト13上の包装体20が排出される際には、次工程搬送ベルトコンベア30の次工程搬送用ベルト13と包装体20の摩擦力でイジェクトバー11に沿って包装体20が次工程搬送ベルトコンベア30の次工程搬送用ベルト1の外側に排出される。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明の液漏れ検知装置を設けた充填機は充填機で収納物を充填収納し密封された包装体の液漏れ等を検査する液漏れ検知装置を設けた充填機として優れていることはもとより、集積包装等の生産ラインの前工程等にも使用できる素晴らしい発明である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の液漏れ検知装置を設けた充填機の一実施例の概略を示す概略図である。
【図2】図1の平面の概略を示す概略図である。
【図3】本発明の液漏れ検知装置を設けた充填機の包装体加圧部の概略を説明する概略図である。
【図4】図3の平面の概略を示す概略図である。
【図5】本発明の液漏れ検知装置を設けた充填機の液漏れ検知部の概略を説明する概略図である。
【図6】本発明の液漏れ検知装置を設けた充填機のイジェクト装置を有する排出部3の概略を説明する概略図である。
【図7】図6の平面の概略を示す概略図である。
【図8】図6の平面の概略を示す他の概略図である。
【符号の説明】
【0079】
1…包装体加圧部
2…液漏れ検知部
3…イジェクト装置を有する排出部3
5…加圧搬送ベルトコンベア
6…搬送ベルトコンベア
7…包装体加圧部
8…水分チェッカー
9…透明板
10…液漏れ検知装置を設けた充填機
11…イジェクトバー
12…搬送ベルト
13…次工程搬送用ベルト
14…加圧搬送用ベルト
15…水分チェッカー保持部材
16…透明板保持部材
17…接合ジョイント
20…包装体
30…次工程搬送ベルトコンベア
31…ステー板
32…シリンダ受軸
33…イジェクトバー駆動用シリンダ
34…ロット軸
35…固定軸
36…イジェクトバー固定軸受け
37…シリンダ接合板
38…アーム
39…右コンベアフレーム
40…左コンベアフレーム
41…搬入方向のローラ
42…搬出方向のローラ
50…加圧ユニット
51…加圧ローラ
52…加圧シリンダ
53…ブラケット
54…天面板
55…右側面板
56…左側面板
57…加圧搬送ベルト用ガイドローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填機で収納物を充填し密封された包装体を所定間隔で連続的に水平または垂直方向に載置し搬送する直線状の搬送ベルトコンベア上で、前記包装体を押圧して包装体より漏れた収納物の液を検知し、包装体の液漏れの有無を検査する液漏れ検知装置を設けた充填機であって、
前記搬送ベルトコンベアの上方方向に包装体加圧部と、
前記搬送ベルトコンベアの先端部に搬送ベルトコンベア上に包装体より漏れた収納物の液を透明板に転移させ、その透明板上の液を検知する液漏れ検知部と、
前記液漏れ検知部を通過した包装体を次工程搬送ベルトコンベアに載置し、搬送する次工程搬送ベルトコンベアのいずれか一方の外側側面に液漏れが検知された包装体を次工程搬送ベルトコンベア上から排出するイジェクト装置を有する排出部と
を具備していることを特徴とする液漏れ検知装置を設けた充填機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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