説明

液状体の詰め替えパウチ

【課題】詰め替え時に手等で支える必要がなく、安定した状態で残りなく液状体の詰め替えを行うことを可能とした液状体の詰め替えパウチを提供する。
【解決手段】詰め替え用の液状体を空となったボトル状容器に入れるための袋状の詰め替えパウチであって、下側に伸長する注出口を有する略漏斗形状の漏斗状部が形成された袋状の収容部と、該収容部の下端外周を囲うようにして下側に伸長する略円筒状の保持部と、からなり、液状体の詰め替える際には、前記保持部をボトル状容器の胴部の外周に挿し嵌めることで、前記収容部をボトル状容器の上側に自立可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、詰め替え用の液状体を入れる袋状のパウチに係り、特に詰め替え時に、液状体を残りなく移動させることができる液状体の詰め替えパウチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から様々な製品において、環境に配慮した詰め替え用容器が開発されている。これら容器には液状体等が密封包装され、流通経路に乗せて販売されている。例えば、液体洗剤、シャンプー等の液状体が入ったプラスチック製のボトル状容器が空になったり、残存量が少なくポンプディスペンサーによって液状体を吸い上げることができなくなった場合には、袋状の簡易な包装からなる詰め替え用の袋(パウチ)内にある液状体をボトル状容器に移し替え、ボトル状容器を再利用している。パウチは詰め替えにより廃棄されるが、簡易な包装であるため、製造コストや流通コスト等を低く抑えることができ、低価格の商品を提供できると共に、ボトル状容器分の廃棄量を減らすことができる。
【0003】
液状体の詰め替えパウチについては、例えば、特許文献1の特開2001−114297号「詰め替え用パウチ」などが提案されている。
この「詰め替え用パウチ」は、底部にガセット部を有し、両側部を胴部シール部でヒートシールして上部が開口する形態で形成し、該ガセット部の前後のひだ状部のうち、一方(前側)のひだ状部の下端の中央部に、両面のフィルム、即ち、壁面フィルムとそれに対向する底面フィルムとを延長して、狭い幅の注出口部を下方向に突出させて設け、該ひだ状部の両側を、その上隅から注出口部の両側基部にかけて両側が窄まり、注出口部の両側のヒートシール部につながる前側ひだ状部シール部でヒートシールし、もう一方のひだ状部を、内側が鈍角のV字形の後ろ側ひだ状部シール部でヒートシールして構成したものである。
【0004】
ここで、この「詰め替え用パウチ」は、本体部と一体化した注出口部を設け、注出口を突出させることによって、別途注ぎ口たるプラスチック成形部を付設することなく、製造容易な容器により内容物の移し替えができるようにしたものである。すなわち、「詰め替え用パウチ」は、注水口を略漏斗形状とすることで、比較的粘性の高い内容物であっても、安全に移し替えることができる構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−114297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、粒状体と異なり、液状体を詰め替える際には、内容物をすべて移し替え終わるまでには、どうしてもある程度の時間が掛かってしまう。そのため従来のパウチでは、その間、詰め替えパウチの注出口部がボトル状容器の口部から外れないように、また、ボトル状容器が倒れないように、注意深く手等で支えている必要があり、使用者の負担となっていた。また近年、液状体の開発が進み、より濃縮された粘性が高い液状体が充填されるようになってきており、液状体の粘性が高い場合には、搾り出すようにしても液状体が詰め替えパウチ内に残存してしまうことも多かった。そして残存物は容器と共に廃棄されてしまうため、経済性を欠くという問題があった。
【0007】
本発明は、上述した問題点を解決するために提案されたものである。すなわち本発明の目的は、詰め替え時に手等で支える必要がなく、安定した状態で残りなく液状体の詰め替えを行うことを可能とした液状体の詰め替えパウチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための本発明の第1の液状体の詰め替えパウチは、詰め替え用の液状体を空となったボトル状容器に入れるための袋状の詰め替えパウチであって、下側に伸長する注出口を有する略漏斗形状の漏斗状部が形成された袋状の収容部と、該収容部の下端外周を囲うようにして下側に伸長する略円筒状の保持部と、からなり、液状体の詰め替える際には、前記保持部をボトル状容器の胴部の外周に挿し嵌めることで、前記収容部をボトル状容器の上側に自立可能とした、ことを特徴とする。
【0009】
上記の目的を達成するための本発明の第2の液状体の詰め替えパウチは、詰め替え用の液状体を空となったボトル状容器に入れるための袋状の詰め替えパウチであって、下側に伸長する注出口を有する略漏斗形状の漏斗状部が配設された袋状の収容部と、該収容部の下側に伸長する略円筒状の保持部と、からなり、液状体の詰め替える際には、前記保持部をボトル状容器の胴部の外周に挿し嵌めることで、前記収容部をボトル状容器の上側に自立可能とした、ことを特徴とする。
【0010】
上記の第1の液状体の詰め替えパウチ又は第2の液状体の詰め替えパウチにおいて、前記袋状の収容部は、該収容部の上側に空気孔を設ける手段を有してもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の液状体の詰め替えパウチは、液状体収容部の、注出口部が配設されている側に、略円筒状の保持部を有するため、この保持部にボトル状容器の胴部を挿着することにより、液状体の詰め替えパウチをボトル状容器の上側に自立させることができ、残らない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1の液状体の詰め替えパウチの概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のN−N部分の断面図である。
【図2】実施例2の液状体の詰め替えパウチの、液状体をボトル状容器に移し替える際の様子を示す概略斜視図である。
【図3】実施例2の液状体の詰め替えパウチの漏斗形成部の構成部材を示す説明図であり、(a)は成形した内側シートを立体形状とする前の平面図、(b)は成形した内側シートを立体形状とした際の斜視図、(c)は成形した内側シートを立体形状とした際の中央部分において、2つの内側シート側部シール部を含む面と垂直な鉛直面で切断した断面図、(d)は内側シートに取り付ける前の、注出口部及びキャップ部の斜視図である。
【図4】実施例2の液状体の詰め替えパウチの外側シート部の、漏斗形成部を内在させる前の状態を示す説明平面図である。
【図5】実施例2の液状体の詰め替えパウチの変形例を示す説明斜視図であり、注出口部の先端を開口する前の状態を示す。
【図6】実施例2の液状体の詰め替えパウチの他の変形例の、販売時の状態を示す説明斜視図である。
【図7】実施例3の液状体の詰め替えパウチの、液状体をボトル状容器に移す様子を示す概略斜視図である。
【図8】実施例3の液状体の詰め替えパウチの、液状体を充填する前の状態を示す説明平面図である。
【図9】実施例3の液状体の詰め替えパウチの漏斗形成部を示す説明図であり、(a)は下端シール部及び円筒形成シール部を熱溶着した状態を示す平面図、(b)は下端シール部及び円筒形成シール部を熱溶着した後に裏返し、さらに内側シート側部シール部を熱溶着した状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の液状体の詰め替えパウチの実施の形態を、図面に基づいて説明する。なお、描く図面において、同一または同一機能を果たす部分や部材には、同一の数字等を付し説明を省略する。
【実施例1】
【0014】
図1は、実施例1の液状体の詰め替えパウチ1の概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のN−N部分の断面図である。
図1に示すように、実施例1の液状体の詰め替えパウチ1は、液状体収容体2と液状体収容体2の下側を覆うように取り付けられる保持体3とから構成される。
液状体収容体2は、一対の対向するように設けられた略羽子板形状のシート状部材Gからなり、その周縁部は熱溶着され袋状に形成されている。液状体収容体2には、略矩形状の部分から下側に伸長するように、略二等辺三角形状のテーパー部2aと略矩形状の注出口部2bとからなる、漏斗を横から見たような形状の漏斗状部5xが形成されている。
保持体3は、略円筒状のシート状部材Hからなり、液状体収容体2の長手方向略中央部の下側の外周壁を囲うように取り付けられる。保持体3は、上端中央部分に、対向する略矩形状の係止部3a(図1(a)においては重なった状態となっている)を有し、係止部3aは液状体収容体2の外周壁に熱溶着されている。なお、シート状部材G及びシート状部材Hは、ポリエステルフィルムやポリオレフィン系フィルム等からなる積層フィルム等の、可撓性のある素材からなる。
【0015】
保持体3の周縁の長さは、液状体収容体2の周縁の長さと略同じか若干大きい。保持体3の中心軸方向の長さや、係止部3aの位置は、ボトル状容器の形状等によって異なるが、保持体3の下側をボトル状容器の胴部外周に、挿し嵌めることができるような長さ、位置となっている。また、保持部3の内周縁の長さは、ボトル状容器の胴部の外周壁に、嵌脱可能に、少し緩い程度で挿し嵌めることができる長さとなっている。
液状体収容体2は、その上端部を除いた周縁部2cが熱溶着され、上部に開口した部分を有する袋状に形成された後に、保持体3の係止部3aが取り付けられる。そして、液状体が充填された後に上端部が閉じられ、液状体収容体2に液状体が密封される。
【0016】
実施例1の詰め替えパウチ1では、注出口部2bの先端を切り取り開口した後に、ボトル状容器を傾け、注出口部2bをボトル状容器の口部に、保持体3にボトル状容器の胴部を差し込む。詰め替えパウチ1を取り付けたボトル状容器を台等の上に置けば、液状体収容体2の下側とボトル状容器の胴部の上側とを、円筒状の保持体3が取り囲んで連結したような状態となる。よって、液状体収容体2をボトル状容器の鉛直方向上側に自立させることができる。詰め替えパウチ1の使用者は、詰め替えパウチ1内の液状体の一部がボトル状容器に移動して、重心が下がり安定すれば、詰め替えパウチ1の液状体の移動が終わるまで、放置することができる。手等でずっと支えたり、搾り出したりする必要がないので、使用者の負担を軽くすることができる。
【0017】
また、詰め替えパウチ1によれば、ボトル状容器の胴部に差し込まれることにより、保持体3が断面視略楕円形となるように広がる。そのため、液状体収容体2のシート状部材Gの、保持体3の係止部3aに熱溶着された部分それぞれが離れるような方向に引っ張られる。また、保持体3の係止部3aが引っ張られると同時に、液状体収容体2の側部の、保持体3が取り付けられている下側部分が、保持体3によって液状体収容体2の中心軸方向に押される。よって、詰め替えパウチ1内の液状体が少なくなった時でも、液状体収容体2の下側に形成された漏斗状部5xにおいて、2枚のシート状部材Gがくっついてしまうのを防ぐことができる。時間の経過に伴い、詰め替えパウチ1の液状体がスムーズに移動するので、詰め替えパウチ1内に残存する液状体を最小限にすることができ、経済的である。また、詰め替えパウチ1は簡単な構造であるので、容易に製作することができ、製作に掛かるコストを抑えることができる。
【0018】
液状体収容体2及び保持体3の形状、素材、構成等は、上述したものに限られず、液状体収容体2が保持体3によってボトル状容器の上側に自立できるものであればよい。例えば、保持体3の係止部3aは、略矩形状ではなく略T字状として、注出口部2bがより広がり易くなるようにしてもよい。また、係止部3aを保持体3の上端周縁全部に設けて、しっかり固定してもよい。さらに、係止部3aを設けなくてもよい。流通させる際には、保持体3を液状体収容体2の上側等に切り取り線等を介して設け、詰め替える際に使用者が取り外して液状体収容体2に嵌めて使用してもよい。
また、液状体収容体2のテーパー部2aの傾斜や注出口部2bの長さ等もボトル状容器の形状等に合わせて、変更可能である。後述する(実施例2)ように、保持体3に透明な部分を設けてもよい。
さらに、詰め替えパウチ1は熱溶着に限らず、シート状部材を貼り合わせることができれば、他の溶着によるものでもよく、素材の種類や形状により適宜変更可能である(以下の実施例においても同様)。
【実施例2】
【0019】
図2は、実施例2の液状体の詰め替えパウチ100の概略斜視図であり、液状体をボトル状容器500に移し替える際の様子を示す。図3は、実施例2の液状体の詰め替えパウチ100の漏斗形成部5の構成部材を示す説明図であり、(a)は成形したシート状部材Pを立体形状とする前の平面図、(b)は成形したシート状部材Pを立体形状とした際の斜視図、(c)は成形したシート状部材Pを立体形状とした際の中央部分において、2つの内側シート側部シール部30を含む面と垂直な鉛直面で切断した断面図、(d)はシート状部材Pに取り付ける前の、注出口部40及びキャップ部50の斜視図である。また、図4は、実施例2の液状体の詰め替えパウチ100の外側シート部6の、漏斗形成部5を内在させる前の状態を示す説明平面図である。
図2〜図4に示すように、実施例2の液状体の詰め替えパウチ100は、シート状部材Pを成形し立体形状とした内側シート部4、注出口部40、及びキャップ部50(図2には示されていない)によって構成される漏斗形成部5と、漏斗形成部5が内設される外側シート部6とから成る。内側シート部4には、テーパー部10と接着部20と内側シート側部シール部30とが形成されている。
【0020】
シート状部材Pは、ポリエステルフィルムやポリオレフィン系フィルム等を用いた、可塑性のある積層フィルムである。図3(a)に示すように、シート状部材Pは略矩形状の1枚のシートであり、その上側半分を持ち上げ、下側半分にちょうど重なるように二つ折りにされた後に、上辺である折り目部分の中央部分が、山状になるように内側から上方(矢印方向)に延伸されて、略五角形状に加工されている。また、シート状部材Pには、その山状部分Qの頂点を中心点として、山状部分Qの一部を略円弧状に切り欠いた切欠き孔11と、山状部分Qの両端を結ぶ、下側に膨らんだ略円弧形状の山折り線Aとが設けられている。山折り線Aは、二つに折り畳まれたシート状部材Pの各面に、外側方向に凸状となるよう形成されている。
このように成形されたシート状部材Pは、それぞれ対向する、2つのテーパー部10と、2つの接着部20と、2つの内側シート側部シール部30とからなる。この山折り線Aと切欠き孔11とに囲まれた、中心点側を円弧状に切り欠いた扇形のような形状の部分が、テーパー部10である。そして、各テーパー部10の山折り線Aの下側の、隅付き括弧の略円弧状部分を上側にしたような形状の部分が、接着部20であり、接着部20の左右の側辺の外側の、略矩形状の部分が、内側シート側部シール部30である。内側シート側部シール部30の、シート状部材Pの中心線側にある辺の上端点は、山状部分Qの両端点と重なっており、内側シート側部シール部30はシート状部材Pを略袋状とするために熱溶着される。
【0021】
図3(b)、(c)は、内側シート部4を示す図であり、シート状部材Pの内側シート側部シール部30を熱溶着した後に、山折り線Aにおいてテーパー部10を下側に押し込むように折り曲げ、立体形状としたものである。
前述のように成形されたシート状部材Pを立体形状とすると、図3(b)に示すように、管状部分を取り除いた漏斗を前後から押しつぶしたような形状のテーパー部10と、テーパー部10の外周縁から鉛直方向下側に延設された、筒状の接着部20と、テーパー部10の両端点を含む鉛直面と接着部20との交線部分から、接着部20の左右の外側方向に延設するように設けられた、略矩形状の内側シート側部シール部30とからなる内側シート部4が形成される。
テーパー部10は、図3(c)に示すように、その長手方向の中央部においても、切欠き孔11に向かって傾斜する斜面となっている。
【0022】
注出口部40は、図3(d)に示すように、円筒状の円筒部42と、円筒部42の上端縁に設けられたフランジ44とからなる。円筒部42の外周壁の鉛直方向中央部分には、後述するキャップ50の上周端が係止される、平行な2つのリング状部分42aが、円筒部42の外周壁の鉛直方向下側部分にはキャップ部50と螺合するネジ山42bがそれぞれ凸状に設けられている。
また、キャップ部50は、底部を有する筒状体であり、内容物である液状体が漏れることのないように注出口部40に螺着されるものである。図示していないが、その内壁面には注出口部40に螺着するネジ山、底部内壁には凸状に設けられた液止めリング、外周壁には微細な歯車模様、上周端には開栓時に切断されるブリッジを介したリング部等が設けられている。なお、注出口部40及びキャップ部50はオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、メタクリル樹脂やポリカーボネイト等のプラスチック成形体等からなる。
【0023】
図2に示すように、注出口部40は、立体形状としたテーパー部10の切欠き孔11に、円筒部42が接着部20に内在するように挿入され、フランジ44は切欠き孔11の周縁部分に熱溶着される。これにより、内側シート部4のテーパー部10、注出口部40及びキャップ部50により、閉口した略漏斗形状の漏斗状部5yが形成される(キャップ部50は液状体が充填された後に取り付けられるので、図2には図示していない。)。また、漏斗形成部5は、内側シート部4全体と注出口部40とキャップ部50とにより構成され、後述するように、外部シート部6に内設される。
【0024】
図2、図4に示すように、外側シート部6は、ポリエステルフィルムやポリオレフィン系フィルム等からなる積層フィルム等の、可撓性のある略矩形状のシート状部材Rを成形したものである。外側シート部6は、1枚のシート状部材Rの長手方向の中央部の、短手方向に平行な折り線a(図4参照)を内側に折り込んでひだ状部51aを形成しつつ、半分に重ね合わせたものである。
外側シート部6の中央部分には、上側から順に、横幅が略同じ大きさである、液状体収容部51と、保持部53と、下側シール部54とを対向するように2つずつ有し、さらに各部(51,53,54)の左右の側辺の外側である外側シート6の側縁部には、略矩形状の外側シート側部シール部55を、対向するように2つずつ有している(図4においては、対向する各部は重なっている)。
液状体収容部51は、矩形の下辺中央部を下側に突出させた形状であり、上端側には矩形状のひだ状部分51aを有している。保持部53は、液状体収容部51の突出した部分に沿うように下側にへこんだ上辺を有する略矩形の形状であり、上端側には接着部20と同形状の内設部分53aを有している。下側シール部54は、縦幅の小さい矩形形状である。
【0025】
ひだ状部分51aの2枚のひだの上辺側には、熱溶着される上側シール部51bが設けられている。上側シール部51bは、四角形の下辺側中央部をなだらかな山状に切り取ったような形状であり、横方向中央部分においては幅が狭く、両端に向かって徐々に幅が広くなっている。また、上側シール部51bの下辺両端は、谷折り線aと外側シート側部シール部55の内側の辺との交点を通り、液状体を充填した後に逆さにすると、ひだ状部分51aが広がって、液状体の詰め替えパウチ100を立設させることができる。
なお、ひだ状部分51aの内側の、熱溶着されていない部分には、図2に示すように空気孔αが空けられ、つまみ部を有する空気孔用フィルムβが空気孔αを塞ぐために取り付けられている。
【0026】
図2に示すように、漏斗形成部5は、保持部53の内壁面の上側に位置する内設部53aに内側から接するように配設され、漏斗形成部5の接着部20と外側シート部6の内設部53aとが、また、内側シート側部シール部30を挟み込んだ、2枚の外側シート側部シール部55が、それぞれ熱溶着される。これにより、外側シート部6には、漏斗状部5yの上側部分と、漏斗状部5yの下側部分との、2つの略袋状部分が形成される。上側の袋状部分は液状体収容部51等から構成される液状体が充填される部分であり、下側の袋状部分は保持部53等から構成される詰め替え時にボトル状容器500の上部を差し込む部分である。図2に示すように、保持部53の下側の内壁面は、ボトル状容器500の胴体部分の外壁上側部分周囲に接するように取り付けられることによって、詰め替えパウチ100の液状体が収容されている部分を、容器本体500の上側に自立させることができる。
【0027】
接着部20の下側内周縁部と、保持部53の下側内周縁部には、図2に示すように、それぞれ、摩擦係数の大きいゴム等の弾性部材からなる、略紐状の肩先滑り止めXと開口部滑り止めYが設けられている。
図4に示すように、外側シート部6の下端部に設けられた下側シール部54は、最後に熱溶着される部分である。下側シール部54の左右側部の上方には、詰め替え時に下側シール部54を取り除いて、保持部53を開口するためのノッチOが設けられている。
【0028】
図5は、実施例2の液状体の詰め替えパウチ100の変形例である液状体の詰め替えパウチ110を示す説明斜視図であり、注出口部40iの先端を開口する前の状態を示す。
液状体の詰め替えパウチ110は、図5に示すように、実施例2の液状体の詰め替えパウチ100と、外側シート部6、注出口部40及びキャップ50の構成が異なる。また、液状体は注出口部40ではなく、後述する上部シール部51iから充填される。
【0029】
図5に示すように、液状体の詰め替えパウチ110の注出口部40iは、液状体の詰め替えパウチ100の注出口部40のようにキャップ50で密閉される構造にはなっておらず、フランジ44と、先端部分が斜めに切り欠かれた円筒部42iと、円筒部42iの先端開口部を覆うように密着されるシール部41iと、シール部41iの一部を切り欠いた、円筒部42iの先端を開口するためのノッチSとからなる。
また、液状体の詰め替えパウチ100の外側シート部6が1枚のシートから成形されるのと異なり、液状体の詰め替えパウチ110の外側シート部6iは、対向する2枚の同一の略四角形状のシート状部材R´からなり、ひだ状部分51a及び下側シール部54を有さない。
【0030】
そして、液状体収容部51の上端部には、製作段階では開口しており、液状体を充填した後に熱溶着される上部シール部51iが設けられている。さらに、上部シール部51iの右上端部には、詰め替え時に空気孔を開けるためのノッチTが設けられている。
このように、液状体の詰め替えパウチ110は、液状体の詰め替えパウチ100と異なり、ひだ状部分51aが設けられていないが、販売する際には保持部53の下端部によって立設される。
【0031】
図6は、実施例2の液状体の詰め替えパウチ110の、変形例である液状体の詰め替えパウチ120の、販売時の状態を示す説明斜視図である。
液状体の詰め替えパウチ120は、実施例2の液状体の詰め替えパウチ110と、外側シート部6iの保持部53の構造のみが異なるものである。液状体の詰め替えパウチ120の保持部53jは、対向する2つの内設部53aと、内設部53aの中央部分を伸長するように設けられた、対向する2つの回動部Uとからなる。回動部Uは、流通時には内設部53aの外周壁部に重なるように折りたたまれ、詰め替え時には羽根のように内設部53aの鉛直方向下側に広げられ、ボトル状容器500の胴部を取り囲むものである。
【0032】
具体的には、図6に示すように、回動部Uは、外側シートR″の下側に設けられた2枚の略矩形状の部分であり、内設部53aよりも横幅が狭く、回動部Uの左右の側部には、外側シート側部シール部55が設けられていない。対向する2枚の回動部Uは、内設部53aの下周縁部を谷折り線bとして、それぞれ液状体の詰め替えパウチ120の前面や背面と重なるように折り曲げられている。そして、折り曲げられた回動部Uの、上側左右の各端部は、それぞれ取り外し可能なシールVによって、液状体収容部51に止められている。
保持部53jの鉛直方向の長さ(内設部53aの鉛直方向の長さと回動部Uの鉛直方向の長さを合計したもの)は、ボトル状容器500の鉛直方向の高さと略同じであり、回動部Uの鉛直方向の長さは、ボトル状容器500の胴部の高さと略同じである。詰め替え時には、シールVを取り外し、回動部Uがボトル状容器500の略円柱状部分の周囲を囲うように開く。2つの回動部Uは、テーパー部10及び容器本体500によって、対向する略円弧形状の脚となり、詰め替えパウチ120を支えて容器本体500の上側に自立させる。
【0033】
実施例2の液状体の詰め替えパウチ100,110,120では、詰め替えパウチ100,110,120の注出口部40,40iを開口し、ボトル状容器500の口部に差し込む際に、詰め替えパウチ100,110,120の保持部53,53jに、ボトル状容器500の口部側を挿入する。よって、詰め替えパウチ100,110,120によれば、ボトル状容器の胴部の外周に、保持部53を挿し嵌め、又は保持部53j上部(53a)を挿し嵌めた後に保持部53jの下部(U)で把持することによって、ボトル状容器500の鉛直方向上側に詰め替えパウチ100,110,120を自立させることができる。
【0034】
詰め替えパウチ100,110,120の使用者は、詰め替えパウチ100,110,120をボトル状容器500にセットして、詰め替えパウチ内の液状体をある程度移動させたら、空気孔αや液状体収容部51を切り欠いて設ける空気孔(図5等参照)等を詰め替えパウチ100,110,120の上部に開け、残留している液状体の移動が終わるまで、放置しておけばよい。手等でずっと支えたり、搾り出したりする必要がなく、使用者の負担を軽くすることができる。液状体の流入する量は、空気孔α等の大きさによって調節することも可能である。なお、空気孔の形状、位置等は実施例2に示した構成に限られない。
【0035】
また、詰め替えパウチ100,110,120によれば、テーパー部10を、平面形状において山状部分Qを有する形状とすることによって、立体形状とした際に、テーパー部10の全上周縁部から中央の切欠き孔11に向かう傾斜面を作ることができる。時間の経過により、詰め替えパウチ100,110,120の液状体がスムーズに移動するので、詰め替えパウチ100,110,120に残存する液状体を最小限にすることができ、経済的である。
【0036】
保持部53,53jの鉛直方向の長さは、詰め替えパウチ100,110,120を保持することができれば、実施例2に示した長さに限らない。図示しないが、詰め替えパウチ100,110のように保持部53が円筒状であり、その長さが長い場合には、シート状部材Rの保持部53を2枚重ねて折り返した形状として、流通させてもよい。
また、詰め替えパウチ120の保持部53jのように、回動部Uを有する場合には、詰め替え時に回動部Uの先端側(図6では、折り返されているので上端側になっている)がボトル状容器500の胴部の底面部分に届くような構成とすることが望ましい。回動部Uの先端側周縁がボトル状容器500の設置面に接し、より安定した状態で詰め替えパウチ120を自立させることができるからである。
【0037】
液状体を詰替える際には、ボトル状容器500内に液状体が残っている場合もある。このような場合には、残存液がこぼれ出すことのないよう、ボトル状容器500を傾け、その口部に詰め替えパウチ100,110,120の開口した注出口部40,40iを素早く、かつ注意深く挿入する。そのため保持部53が長い場合には、保持部53に透明な部分を設けて、ボトル状容器500の口部及び注出口部40,40iを確認できるようにするとよい。その点、詰め替えパウチ120の保持部53jでは、注出口部40iを口部に挿入した後に、保持部53jの回動部Uを下方に回動させる。よって、保持部53jの長さが長くても、内設部53aが長くなければ、斜め方向から確認できるので、透明部を設けなくてもよい。
【0038】
保持部53,53jの内周の長さは、ボトル状容器50の外壁周の長さよりも若干大きく、詰め替えパウチ100,110,120を、ボトル状容器500に容易に着脱できる大きさである。本実施例においては、保持部53,53jに熱溶着される接着部20の下側内周縁部には肩先滑り止めXを、保持部53,53jの開口部には滑り止めYを設けて、詰め替えパウチ100,110,120が安定して自立するのを助ける構成としているが、その形状、数、位置等はこれに限られない。
【0039】
接着部20の形状等も、上述したものに限られない。接着部20の鉛直方向の長さは、漏斗形成部5を外側シート部6,6i,6jに取り付けることができればよく、任意の長さとすることができる。本実施例のようにボトル状容器500の肩部に届くような長さとすれば、保持部53,53jの、漏斗状部5yとボトル状容器500の肩部の間の部分が2枚のシートで形成されることとなり、その部分を補強する役目も果たすことができる。
さらに、本実施例では、詰め替えパウチ100の上部、詰め替えパウチ110,120の下部に、販売時に詰め替えパウチ100,110,120を自立させるための部分を設け、その側面部に印刷された表示を見やすくする構造となっている。詰め替えパウチ110,120は、保持部53,53jの下端部が略輪状となることによって自立させることができる。詰め替えパウチ110においては、接着部20の下端部が、外側シート部6iの下端部よりも上方に位置するようになっているが、詰め替えパウチ120のように、同じ位置にくるようにすれば強度が増し、より安定して自立させることが可能である。
【0040】
詰め替えパウチ100,110,120の注出口部40,40iの形状、構成も上述したものに限られず、ボトル状容器500の口部に容易に挿入できる大きさであればよい。注出口部40,40iの外壁面が、ボトル状容器500の口部の内壁面と平行であり、詰め替えパウチ100,110,120の位置決めができる長さとすれば、詰め替えパウチ100,110,120を安定して自立させることができる。また、プラスチック成形体等で製作すれば、注ぎ部が形成されている洗濯用洗剤等のボトル状容器500の口部に等対応した形状とするが容易である。
注出口部40,40iの鉛直方向の長さは、ボトル状容器500に多少の残存物があった状態で詰め替えパウチ100,110,120の液状体を移動し終えたときの液面よりも若干短いことが望ましい。詰め替えパウチ100,110,120の液状体が注出口部40,40iの先端部に残らないようにするためである。
【0041】
また、図示しないが、注出口部40,40iのフランジ44の、注出口部40,40i先端側の面には、複数の凸状部分を放射状に設け、ボトル状容器500の口部との間に空間部ができるようにするとよい。こうすることによって、詰め替えパウチ100,110,120の液状体がボトル状容器500内に流れ込むにしたがって、容器本体部500内の空気は、注出口部40,40iの外壁面とボトル状容器500の口部の内壁面との空間を通り、前述したボトル状容器500の口部にできた空間部を通って、保持部53、53jの外側シート側部シール部30付近にできるボトル状容器500の胴部との隙間から外に抜けていく。よって、詰め替えパウチ100,110,120内の液状体の移動をスムーズにすることができる。
【0042】
外側シート部6,6i,6jの形状、構成も上述したものに限られず、液状体を密封できればよい。例えば、詰め替えパウチ100では、販売時には保持部53を上側にして自立させるので、異物が入ることのないように下側シール部54を設けてあるが、設けなくてもよい。
【実施例3】
【0043】
図7は、実施例3の液状体の詰め替えパウチ200の概略斜視図であり、液状体をボトル状容器500に移す様子を示す。図8は、実施例3の液状体の詰め替えパウチ200の、液状体を充填する前の状態を示す説明平面図である。また、図9は、実施例3の液状体の詰め替えパウチ200の漏斗形成部5´を示す説明図であり、(a)は下端シール部60及び円筒形成シール部61を熱溶着した状態を示す平面図、(b)は下端シール部60及び円筒形成シール部61を熱溶着した後に裏返し、さらに内側シート側部シール部30kを熱溶着した状態を示す平面図である。
【0044】
実施例3の液状体の詰め替えパウチ200は、ポリエステルフィルムやポリオレフィン系フィルム等からなる積層フィルム等からなる可撓性のある、2枚の対向するシート状部材Zと、実施例2の詰め替えパウチ100で示したシート状部材Rとからなる。図7〜図9に示すように、実施例3の液状体の詰め替えパウチ200は、シート状部材Zに漏斗状部5y´、接着部20k、及び各シール部(30k,60,61,62)を形成した漏斗形成部5´(シール部62は図7には図示されていない)と、漏斗形成部5´が内設される、下側シール部54を有さない、外側シート部6´とから成る。そして、漏斗形状の漏斗状部5y´は、テーパー部10k及び注出口部40kとからなる。また、漏斗形成部5´の注出口部40k先端には、図8に示すように、液状体が充填された後に熱溶着され、使用時には切り取られる、注出口シール部62及びノッチWが設けられる。
【0045】
実施例3の液状体の詰め替えパウチ200は、実施例2の液状体の詰め替えパウチ100,110,120と異なり、プラスチック成形体(注出口部40及びキャップ50)を使用せず、テーパー部10kと注出口部40kとを、2枚のシート状部材Zによって一体として形成した漏斗形成部5´を有する。シート状部材Z及びシート状部材Rによって製作されるため、図8に示すように、液状体を充填する前には詰め替えパウチ200は略平板形状である。
【0046】
次に実施例3の液状体の詰め替えパウチ200の漏斗形成部5´について、図9を参照して説明する。なお、詰め替えパウチ200の外側シート部6´については、図7、図8に示すように、前述した詰め替えパウチ100の外側シート部6と、内接部53aの下端縁部の形状、下側シール部54及びノッチOの有無が異なるだけで、略同様の形状及び機能を有するので説明を省略する。
【0047】
図9(a)に示すように、漏斗形成部5´は、羽子板の上端中央部をU字状に切り欠いたような形状の、2枚のシート状部材Zを対向するように重ねたものであり、羽根を受ける部分に相当する箇所にはテーパー部10k、接着部20k、及びその周縁シール部(60,30k)が、持ち手部分に該当する箇所には注出口部40k及びその周縁シール部(61,62)が形成されている。
【0048】
テーパー部10kは、扇子の地紙のような形状である。また、接着部20kは、テーパー部10kの天部から鉛直方向上側に延設され、その上側中央部がU字状に切り欠かれており、箸置きを横から見たような形状をしている。接着部20kの左右の側縁部には、対向するように2つの矩形状の内側シート側部シール部30kが設けられ、また、テーパー部10kの下端の、2つの左右直線部分には鉛直方向下方に、対向するように略矩形状の下端シール部60が延設されている。テーパー部10kの両端点は、内側シート側部シール部30kの内側の辺と、下端シール部60の上辺との交点と一致している。
【0049】
2枚のシート状部材Zの接着部20kの外面側、左右上端部にはそれぞれ、略矩形状の摩擦係数の大きいゴム等の弾性部材からなる肩先滑り止めXが設けられている。
また、図9(a)に示すようにテーパー部10kと接着部20kとの境には、谷折り線cが設けられており、テーパー部10kと下端シール部60との境には、谷折り線eが設けられている。さらに、テーパー部10kには、放射状に複数山折り線Bが受けられている。
【0050】
漏斗形成部5´の注出口部40kは略四角形状であり、詰め替え時には図7に示すように略円筒状となる。また、図8、図9に示すように注出口部40kの左右の側部には、2つの略矩形状の円筒形成シール部61が、注出口部40kの先端には、略矩形状の注出口シール部62及びノッチWが設けられている。ノッチWは、注出口部40kの、注出口シール部62の上方左右に位置する。
図9(a)に示すように、注出口部40kの基端部の、テーパー部10kの地部及び2つの下端シール部60の内側端部との境には、上側に膨らんだ円弧状の谷折り線dが設けられている。また、注出口部40kには長手方向に複数の山折り線Cが設けられている。
【0051】
図9(a)に示すように、2枚のシート状部材Zは、成形され、山折り線や谷折り線が設けられた後に、対面するように重ねられる。下端シール部60及び円筒形成シール部62が一体として熱溶着、2つの下端シール部60の外側端部及び内側端部には、それぞれ折り込み線D1,D2が設けられる。
さらに、これらの折り込み線D1,D2と谷折り線cとを利用して、一端側(下端シール部60及び円筒形成シール部61)が熱溶着されたシート状部材Zの、注出口部40k及びテーパー部10kを、図9(a)に示す矢印方向に押し込むと共に、前後の接着部20kをそれぞれ手前側と奥側に倒して、図9(b)に示すように、シート状部材Zを裏返す。そして、内側シート側部シール部30kを熱溶着して略袋状とした後に、実施例2の液状体の詰め替えパウチ100と同様に、外側シート部6´の内接部53a及び外側シート側部シール部55に、接着部20k及び内側シート側部シール部30kがそれぞれ重なるように、内在させ、熱溶着する。
【0052】
外側シート部6´に設けられた開口部滑り止めYは、略矩形状であり、保持部55の下端部中央に、長手方向が下辺と略平行になるように設けられている。また、図7では省略しているが、実施例2の液状体の詰め替えパウチ100と同様、空気孔α及び空気孔用フィルムβが、実施例3の液状体の詰め替えパウチ200にも設けられている。
【0053】
実施例3の液状体の詰め替えパウチ200は、図8に示すように、液状体を充填する前には略平板形状であるが、液状体を充填することによって、テーパー部10kが押され、図7に示すように外側に突出して、略漏斗形状の漏斗状部5y´が形成される。また、保持部55をボトル状容器500に取り付けることによっても、詰め替えパウチ200の、各テーパー部10kの上周縁中央部分に、前後に広げるような力が加わるので、漏斗形状を確実に維持することができる。
【0054】
液状体の詰め替えパウチ200は、シート状部材によってテーパー部10kと注出口部40kとを一体とした漏斗状部5y´を形成する構成であれば、上述したものに限られない。また、実施例2の形状、構成と同じ部分については、実施例2と同様の効果を有し、適宜変更可能である。
液状体の詰め替えパウチ200によれば、注出口部40kにプラスチック成形体を用いず、シート状部材Zに、注出口部40kをテーパー部10k等と一体として設けるので、容易に製作することができる。また、接着部20kのテーパー部10kと反対側の部分に、他の漏斗形成部5´の注出口部40kの一部となる、U字形状の切欠き部を設けることによって、漏斗形成部5´を一枚のフィルムから切断加工する際のロスを少なくすることができる。さらに、液状体を充填する前には、液状体の詰め替えパウチ200は、平面形状である(図8参照)ので、運搬するコストを低く抑えることができ経済的である。
【0055】
下側シート部60や円筒形成シール部61には、折り込み線D1,D2が設けられているので、テーパー部10kを弓状ではなく、略扇形形状としても、容易に裏返すことができる。また、略扇形形状とすることで、テーパー部10kを立体形状とした際に、実施例2同様、放射状に傾斜面をつけることができる。さらに、テーパー部10kや及び注出口部40kに、山折り線B,Cや谷折り線c,dを設けることによって、立体形状とした際に漏斗形状となる漏斗状部5y´の保形性がよく、容易に液状体を移し替えることができる。
また、図示しないが、各下側シール部60に、ボトル状容器500の口部の周縁が係止される、略U字形状の切欠き部分を設けてもよい。より安定して、詰め替えパウチ200を自立させることができる。
【0056】
なお、本発明は上述した発明の実施の形態に限定されず、ボトル状容器の胴部周壁部を保持する部分を有し、漏斗状部を有する、詰め替えパウチの液状体の収容部をボトル状容器の上側に自立させることができれば、図示したような構成に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。シート状部材の成形方法も上述した方法に限られない。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の液状体の詰め替えパウチは、内容物が液状体に限らず、様々な詰め替える容器に利用する事ができる。
【符号の説明】
【0058】
1,100,110,120,200 詰め替えパウチ
2 液状体収容体
2a テーパー部(詰め替えパウチ1)
2b 注出口部(詰め替えパウチ1)
3 保持体
3a 係止部
4 内側シート部
5 漏斗形成部
5x,5y 漏斗状部
6,6i,6j 外側シート部
10,10k テーパー部(詰め替えパウチ100等)
20,20k 接着部
30,30k 内側シート側部シール部
40,40i,40k 注出口部(詰め替えパウチ100等)
50,50k キャップ
51 液状体収容部
51a ひだ状部分
53,53j 保持部
53a 内接部
54 下側シール部
55 外側シート側部シール部
500 ボトル状容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
詰め替え用の液状体を空となったボトル状容器に入れるための袋状の詰め替えパウチであって、
下側に伸長する注出口を有する略漏斗形状の漏斗状部が形成された袋状の収容部と、
該収容部の下端外周を囲うようにして下側に伸長する略円筒状の保持部と、からなり、
液状体の詰め替える際には、前記保持部をボトル状容器の胴部の外周に挿し嵌めることで、前記収容部をボトル状容器の上側に自立可能とした、ことを特徴とする液状体の詰め替えパウチ。
【請求項2】
詰め替え用の液状体を空となったボトル状容器に入れるための袋状の詰め替えパウチであって、
下側に伸長する注出口を有する略漏斗形状の漏斗状部が配設された袋状の収容部と、
該収容部の下側に伸長する略円筒状の保持部と、からなり、
液状体の詰め替える際には、前記保持部をボトル状容器の胴部の外周に挿し嵌めることで、前記収容部をボトル状容器の上側に自立可能とした、ことを特徴とする液状体の詰め替えパウチ。
【請求項3】
前記袋状の収容部は、該収容部の上側に空気孔を設ける手段を有する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の液状体の詰め替えパウチ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−178470(P2011−178470A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2011−103498(P2011−103498)
【出願日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【出願人】(511110739)
【Fターム(参考)】