説明

液状投薬形態物におけるトピラメートの制御放出

本発明はトピラメートの制御放出送達のための新規調合物および方法;ならびに疾病を処置するためのこれらの調合物および方法の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トピラメート(topiramate)の制御放出送達のための新規調合物および方法;ならびに疾病を処置するためのこれらの調合物および方法の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
トピラメートは、てんかん、振顫、II型糖尿病、気分障害、例えば鬱病、躁病および双極性障害、肥満症、摂食障害、例えば過食(binge eating)、心的外傷後ストレス障害、片頭痛、群発性頭痛、大脳機能障害、喫煙中止(tobacco cessation)、および神経障害性疼痛を含む、多数の障害の処置において有用な周知の薬物である。特に、トピラメートは、発作および発作障害、例えばてんかんの処置のための抗痙攣薬として承認されている。
【0003】
トピラメートは、水酸化ナトリウムまたはリン酸ナトリウムを含有するアルカリ溶液、アセトン、ジメチルスルホキシドおよびエタノールに可溶であることが知られている白色結晶性粉末である。水中では、トピラメートは約9.8mg/mlの溶解度を有する。トピラメートは、現在、Ortho−McNeil Pharmaceutical,Inc.,Raritan,New Jerseyによって商品名TopamaxTMとして販売されている。トピラメートは、25,50,100,200,300および400mgの量における錠剤としての固形投薬形態物において利用することができる。
【0004】
慣用の経口投薬形態物、例えばTopamaxTMは、一般に、薬物の全用量が投与後非常に短期間、すなわち数分内に投薬形態物から放出されるので、「即時放出(immediate−release)」投薬形態物と記述することができる。この大量の放出された薬物が吸収されるので、血漿薬物濃度は、典型的には、最大もしくはピークの濃度まで急速に上昇し、その後、薬物が分布され、組織内に結合また局在化され、生物学的に変換され、そして/または排泄されるにしたがって下降する。この下降の期間は種々の薬物について異なり、そして多くの因子に依存するが、この期間は特定の薬物の特性を決定できる。一般に、薬物濃度が上昇し、ピークに達し、そして下降する期間のある部分の間に、薬物はその治療効果を提供する、すなわち、血漿薬物濃度は有効濃度を達成または超過する。さらにまた、この期間のある時点において、治療効果は消失する、すなわち、血漿薬物濃度が有効濃度以下になるレベルまで下降した場合に。さらに、ピーク濃度が達成される時間付近のこの時間の部分では、すなわち血漿薬物濃度がその最高範囲内にある場合には、望ましくない副作用が明らかになることがある。
【0005】
薬物療法を改善するための努力の1つの焦点は、主として、投薬形態物からの薬物の放出速度を変えることによって薬物の吸収に影響を与える非即時放出経口薬物投薬形態物を提供することに向けられた。特に浸透性投薬形態物は、注目すべきは、長時間にわたって薬物の一定放出を提供することに成功した。一般に、浸透性投薬形態物は浸透圧を利用して、薬物ではない流体または存在する場合は浸透剤の自由拡散を可能にする半透過性壁によって少なくとも一部分形成されるコンパートメント中に流体を吸い込むための推進力を生成する。実質的に一定速度の薬物放出は、比較的一定の浸透圧を与えるためのシステムを設計し、そして比較的一定の浸透圧の結果として吸い込まれる流体の速度に対応する速度において薬物調合物が放出されるのを可能にする、薬物調合物の適当な出口手段を有することによって達成できる。浸透性システムにとって有意な利点は、作動がpHに依存せず、したがって、投薬形態物が胃腸管を通過し、そして有意に異なるpH値を有する異なる微小環境に遭遇する時でさえ、長時間を通して浸透圧により決定される速度において継続することである。
【0006】
しかしながら、薬物および送達様式に独特であるであろう溶解度、代謝過程、吸収および他の物理的、化学的および生理学的パラメーターのために、すべての薬物がこれらの投薬形態物から適当に送達されるとは限らない。トピラメートは、例えば、高いトピラメート含量(例えば、薬物含量>15%)をもつ薬物層調合物に対するその遅い水和速度のために、浸透性制御放出固形投薬形態物に組み込まれるのが非常に困難であることが立証された。したがって、制御放出速度においてトピラメートを送達することが可能な改良された制御送達システムに対する要求が存在する。本発明はこの要求および他の要求に合致する。
【発明の開示】
【0007】
本発明は、なかんずく、トピラメートの制御放出送達のための投薬形態物および被験者に投薬形態物を投与する方法を提供する。投薬形態物は、トピラメート療法に応答する疾病を処置するために被験者に投与することができる。トピラメート療法に応答する疾病は、例えば、気分障害、例えば鬱病、躁病および双極性障害、肥満症、摂食障害、例えば過食、心的外傷後ストレス障害、片頭痛、群発性頭痛、大脳機能障害、喫煙中止、および神経障害性疼痛を含む。
【0008】
本発明の投薬形態物は、半透過性壁、薬物層および膨張性(expandable)層を含有する。半透過性壁は、外部の生物学的流体の通過に対して透過性であり、薬物調合物の通過には実質的に不透過性であり、そして複数の層を含有するコンパートメントを取り囲み、そして形成する。複数の層は、非水性液体担体に可溶化されたトピラメートを含有する少なくとも1つの薬物層および少なくとも1つの膨張性層を含有する。半透過性壁におけるオリフィスは、投薬形態物から環境へトピラメートを送達するために投薬形態物の外部とトピラメート調合物を連結している。ある実施態様では、複数の層は、例えば、バリヤー層のようなさらなる層を含有することができる。若干の実施態様では、バリヤー層は水に対して不透過性である。
【0009】
若干の実施態様では、本発明の投薬形態物は複数の薬物層を含有する。例えば、1つの態様では、投薬形態物は非水性液体担体に可溶化されたトピラメートを含有する第2の層を含有する。第2の層は、第1の層と同じ濃度のトピラメートまたは異なる濃度のトピラメートを含有してもよい。1つの態様では、第2の層は、第1の層を超える濃度のトピラメートを含有する。第1の層は投薬形態物のコアに近接して存在し、そして薬物は第2の層から、次に第1の層から連続的に放出される。
【0010】
投薬形態物は異なる方法で配置されてもよい。例えば、ある実施態様では、トピラメート層はカプセル中に内包され、そしてカプセルから外側に順に、バリヤー層、膨張性層および半透過性壁が存在する。若干の実施態様では、バリヤー層はカプセル上のコーティングとして形成される。若干の実施態様では、膨張性層はバリヤー層上にコートされた浸透性層として形成される。半透過性壁は浸透性層上のコーティングとして形成されてもよい。1つの態様では、カプセルは軟質カプセルである。カプセルはゼラチンまたは非ゼラチン親水性ポリマーを含んでもよい。
【0011】
他の実施態様では、トピラメート層、バリヤー層および膨張性層は、カプセル、例えば硬質カプセル中に内包され、バリヤー層は膨張性層からトピラメート層を分離し、そしてカプセルを取り囲んで半透過性壁が存在する。1つの態様では、膨張性層はバリヤー層上に圧縮された浸透性層として形成される。若干の実施態様では、膨張性層は浸透性層である。若干の実施態様では、膨張性層は流体により膨張可能なポリマーを含有する。ある実施態様では、膨張性層およびバリヤー層は経線方向に(longitudinally)圧縮される。
【0012】
本発明の投薬形態物は、非水性液体担体中に可溶化されたトピラメートを含有する。液体担体は、親油性担体、界面活性剤または親水性溶媒、またはそれらの組み合わせ物を含む。親水性溶媒は、例えばポリエチレングリコールのような液体ポリマーであってもよい。若干の実施態様では、トピラメートの液状調合物は溶液である。他の実施態様では、調合物は懸濁液である。他の実施態様では、液状調合物は自己乳化性調合物である。1つの態様では、自己乳化性調合物は液体をベースにしている。
【0013】
本発明の投薬形態物はトピラメートを含有する。1つの実施態様では、投薬形態物は、トピラメート約1mg〜約800mg、好ましくはトピラメート約1mg〜約600mg、トピラメート約1mg〜約300mg、トピラメート約10mg〜約750mg、トピラメート約10mg〜約400mg、またはトピラメート約25mg〜約400mg、およびすべての組み合わせ物ならびにそこに含まれる特定のmg数を含有する。本発明の1つの態様では、投薬形態物におけるトピラメートの用量は、例えば、投薬形態物の約0.1重量%〜約60重量%である。1つの実施態様では、液体担体は、例えば、投薬形態物の約30重量%〜約50重量%である。
【0014】
本発明の投薬形態物は、非水性液体担体中に可溶化されたトピラメートを含有する。ある実施態様では、薬物層は、トピラメート約10%〜約60%および液体担体約40%〜約90%、およびすべての組み合わせ物ならびにそこに含まれる特定のパーセントを含有する。1つの態様では、薬物層は、トピラメート約40%〜約60%および液体担体約60%〜約40%を含有する。若干の実施態様では、薬物層は、約40%トピラメート、界面活性剤約30%および親水性溶媒約30%を含有する。他の実施態様では、薬物層は、約60%トピラメート、界面活性剤約20%および親水性溶媒約20%を含有する。1つの態様では、界面活性剤は、Cremophor ELおよびソルトール(solutol)からなる群から選ばれ、そして親水性溶媒は親水性液体ポリマー、例えばPEG400である。
【0015】
また、本発明は、本発明の投薬形態物を被験者に経口的に投与することを含んでなる、トピラメートの制御放出のための方法を提供する。1つの態様では、投薬形態物からのトピラメートの放出速度はゼロ次である。その他の態様では、投薬形態物からのトピラメートの放出速度は上昇的(ascending)である。好適な実施態様では、放出速度が上昇的である場合、硬質キャップ(cap)形態物が使用される。
【発明の詳細な記述】
【0016】
固形投薬形態物におけるトピラメートの制御放出送達のための浸透性デバイスの使用は多くの欠点に苦しんでいる。薬物を送達するための浸透性デバイスは、典型的には、半透過性壁によって形成されるコンパートメント内に少なくとも2種の成分を含有する。1つの成分は、コンパートメント内に送達可能な薬物調合物を形成できる、場合によっては浸透的に(osmotically)活性な成分を含む、添加物との混合物において薬物を含有し、そして第2の成分の層は浸透的に活性な成分を含有するが薬物を含有しない。第2の成分層における浸透的に活性な成分は、典型的には、薬物調合物の出口手段をとおしてこれらの成分の放出が起きないように、比較的高分子量を有し、そして流体が吸い込まれるにつれて「膨潤性」を示すオスモポリマー(osmopolymer)を含有する。流体が吸い込まれるにつれて、オスモポリマーは膨潤し、そして第1の成分層の送達可能な薬物調合物を押し出して、実質的に一定速度での薬物調合物の放出を促進する。これらのシステムは、薬物がデバイスから効果的に押し出され、そして体液中に溶解されるように、薬物層が吸い込まれた流体によって十分に水和されることを必要とする。しかしながら、驚くべきことに、トピラメートは即時放出の経口投与錠剤をとおして固形投薬形態物において有効に投与されるけれども、浸透性デバイスを用いるトピラメートの固形投薬形
態物の送達は困難であることが見い出された。例えば、100mg未満の量におけるトピラメートの送達は、望ましいコアの水和速度および機能的に許容できる放出速度プロフィルを達成するために、薬物層に高レベルの界面活性剤を組み入れる(例えば、界面活性剤の約30〜50%が、薬物対界面活性剤比1:1.5および1:2において必要とされる)ことによってのみ達成可能であることが実証された。さらにまた、トピラメートの乏しい水和特性と、高レベルの界面活性剤およびトピラメートを含んでなる薬物層の熱特性のために、トピラメートの100mgを超える投薬物は製造が難しいことが分かった。長時間にわたって実質的に一定の薬物放出を提供できるトピラメートの持続放出経口投薬形態物は、トピラメート療法に応答する多くの疾病および症状を処置するために有利であろう。これに関して、驚くべきことに、浸透性デバイスと組み合わせて液状調合物におけるトピラメートの開発および使用が、トピラメートの制御放出送達に関連する困難を克服することが見い出された。液状調合物では、機能的に許容できる放出速度プロフィルにおいて、すなわち、ゼロ次または上昇次数の放出速度においてトピラメートの制御放出が可能である。
【0017】
本発明は、一部は、単一の慣用液状投薬形態物を利用する6,8,12または24時間にわたる治療効果を有する浸透性投薬形態物のための新規な薬物層組成物に対向される。薬物層は、液体担体中に可溶化された液状調合物におけるトピラメートを含有する。好ましくは、液体担体は非水性である。本発明における使用のために、「非水性液体担体」は、液体担体が顕著に非水性である限りある量の水性液体(例えば、約10または20%の水性液体)を含有してもよい。本発明の代表的な実施態様では、トピラメートは、液状調合物において約30mg/ml〜約400mg/ml、好ましくは約30mg/ml〜約200mg/mlの溶解度をもつことができる。
【0018】
本発明は、なかんずく、被験者に高投薬量のトピラメートを送達することが可能な投薬形態物を提供する。トピラメートは液体薬物担体における液状調合物として提供される。液状調合物は溶液、懸濁液または自己乳化性調合物であってもよい。液体担体は、親油性担体、界面活性剤または親水性溶媒、またはそれらの組み合わせ物であってもよい。1つの実施態様では、1種以上の界面活性剤と組み合わせ、そして場合によっては1種以上の親水性溶媒を含む親油性溶媒が、トピラメートを液状調合物に調合するために使用される。その他の実施態様では、1種以上の界面活性剤がトピラメートを液状調合物に調合するために使用される。なおその他の実施態様では、1種以上の親水性溶媒がトピラメートを液状調合物に調合するために使用される。したがって、多成分または単成分の液体担体が調製されて、薬物、トピラメートを、自己乳化性調合物を含む液状調合物に調合することができる。
【0019】
本発明はまた、なかんずく、ゼロ次の放出速度または上昇的放出速度においてトピラメートを放出するための投薬形態物を提供する。上昇的放出速度は、活性作用物の種々の放出速度を提供するために連続的に放出される種々の薬物濃度を有する多数の薬物層を含んでなる硬質キャップ浸透性デバイスの使用をとおして達成することができる。
【0020】
薬物「放出速度」は、単位時間当たり投薬形態物から放出される薬物の量、例えば、1時間当たり放出される薬物のミリグラム(mg/hr)を指す。薬物放出速度は、当該技術分野において既知のイン・ビトロの投薬形態物溶解試験条件下で算出される。本明細書で使用されるように、「投与後」の特定の時間において得られる薬物放出速度は、適当な溶解試験の実施後特定の時間において得られたイン・ビトロの薬物放出速度を指す。溶解試験または放出速度アッセイを実施する方法は当該技術分野において知られている。そのような試験またはアッセイとは、USP TypeVII間隔放出装置を用いて試験された投薬形態物からの化合物の放出速度を定量する標準アッセイを意味する。同等級の試薬が一般的に受け入れられる手順にしたがうアッセイにおいて置換できることは理解される
。例えば、試験される薬物の一定分量がクロマトグラフィーシステム中に注入されて、試験期間の間に放出された薬物量を、例えば、恒温水浴中37℃において平衡化された脱イオン水約50ml中に浸漬されたUSP TypeVII bath indexerを用いて定量することができる。投薬形態物中の薬物の一定パーセントが放出された時間は、「T」値として言及されてもよく、この場合「x」は放出された薬物のパーセントである。経口投薬形態物からの薬物放出を評価するための通常使用される参照測定値は、投薬形態物中の薬物の70%または90%が放出された時間である。この測定値はその投薬形態物について「T70」または「T90」と呼ばれる。
【0021】
薬物の「即時放出(immediate−release)」用量は、約1時間以下、好ましくは約30分以下の時間内に実質的に完全に放出される用量を指す。現在、トピラメートは即時放出形態物において市販されている。本発明の形態物のような浸透性投薬形態物は、典型的には、薬物を放出し始めるために十分に水和されたようになる、投与後の短い時間を要する。初期の薬物放出におけるわずかな遅れも望ましくない態様では、即時放出オーバーコートが投薬形態物の半透過性膜の表面に適用されてもよい。投薬形態物の表面上のコーティングとして適用された薬物の即時放出用量は、投与に際して速やかに溶解して薬物の即時放出用量を与えるコーティング溶液を形成するために適当な製薬学的に許容できる担体において調製された薬物の用量を指す。当該技術分野において既知であるように、そのような即時放出薬物オーバーコートは、下側に配置している投薬形態物内に含有されるものと同じか異なる薬物を含有してもよい。
【0022】
「期間(periodic)放出速度」は、特定の期間間隔の最後に決定されるような特定の期間間隔の間に投薬形態物から放出された薬物の量を指す、すなわち定量が行われる各期間間隔において、放出された薬物の量は、その期間間隔中の期間放出速度を表す。例えば、t=1hにおいて決定されるような放出された薬物の量は、投与後最初の1時間の間の投薬形態物からの期間放出速度を表し、そしてt=2hにおいて決定されるような放出された薬物の量は、投与後第2の1時間の間の期間放出速度を表す。
【0023】
ゼロ次の放出速度は、一定の、直線的、連続的な持続および制御放出速度を指す。「上昇的(ascending)放出速度」は、期間間隔は同じである直前の期間放出速度以上に増大される期間放出速度を指す。例えば、投薬形態物から放出される薬物の量が毎時間間隔で測定され、そして投与後第5の1時間の間に放出された薬物量(t=5hに定量)が、投与後第4の1時間の間に投薬形態物から放出された薬物量(t=4hに定量)を超える場合、第4の1時間から第5の1時間までに上昇的放出速度が起きた。測定された最初の期間放出速度、すなわち t=1hにおける期間放出速度(0に等しくない限り)は、常に、先行期間、例えば、投薬形態物が投与される前の1時間、の間の放出速度を超えるであろうし、したがって、最初の期間放出速度は常に上昇的放出速度の発生を構成することが理解できる。本明細書に記述される上昇的放出速度は、薬物の持続放出を与えるように適合された投薬形態物からの放出速度を指し、そして投薬形態物に適用できるいかなる即時放出薬物コーティングからの薬物の放出も含まない。下側に配置している投薬形態物上にコーティングとして適用された即時放出用量の薬物をさらに含んでなる投薬形態物の態様では、t=1hに測定された薬物放出は、一般に、即時放出薬物コーティングから放出される薬物と下側に配置している投薬形態物から放出される何かの薬物との両方を反映できるが、しかしながら、薬物オーバーコートから放出される薬物量は、t−2hにおける薬物放出速度がt=1hにおける薬物放出を超えるか否かを決定することには無関係である。上記定義にしたがって、「長時間にわたる上昇的放出速度」は、その投薬形態物について、関連するT90の中間点を通過する、好ましくはそれを超える、投薬形態物の投与時間から得られる薬物の上昇的放出速度を指す。具体的に説明すれば、投薬形態物が約8時間のT90を有する状況を考慮する。この状況では、「長期間にわたる上昇放出速度」は、t−4hを通過する1時間毎の放出速度が、直前の1時間における放出速度を超える場合に達成される。好ましくは、放出速度はt−4hを超える時間期間の間上昇を継続する。
【0024】
「持続(sustained)放出投薬形態物」とは、長時間、実質的に連続して薬物を放出する投薬形態物を意味する。本発明による持続放出投薬形態物は、少なくとも約8〜20時間、好ましくは15〜18時間、より好ましくは約17時間以上のT90値を示す。投薬形態物は、少なくとも約8時間、好ましくは12時間以上、より好ましくは16〜20時間以上の持続期間、薬物を連続して放出する。本発明による投薬形態物は、持続放出期間内の長時間の間、治療作用物の制御放出速度を発揮する。
【0025】
「均一(uniform)放出速度」とは、累積放出が約25%〜約75%であるUSP TypeVII Interval Release Apparatusにおいて決定されたような先行または続行するいずれか平均の毎時間の放出速度から、約30%未満、好ましくは約25%未満、もっとも好ましくは約10%未満、正または負に変化する、コアからの平均毎時間の放出速度を意味する。
【0026】
「長時間(prolonged period of time)」とは、少なくとも約4時間、好ましくは6〜8時間以上、より好ましくは10時間以上の連続する時間を意味する。例えば、本明細書に記述される代表的浸透性投薬形態物は、一般に、投与後約2〜約6時間内に均一放出速度において治療作用物を放出始め、そして前記均一な放出速度は、薬物の約25%から少なくとも約75%、好ましくは少なくとも約85%までが投薬形態物から放出される長時間の間継続する。治療作用物の放出は、その後数時間以上継続するが、放出速度は一般に、均一放出速度から若干緩和される。
【0027】
「C」とは、被験者の血漿中の薬物濃度を意味し、一般に、単位体積当たりの質量、典型的には1ml当たりのナノグラム数として表される。便宜的に、この濃度は、ここでは「血漿薬物濃度」または「血漿濃度」と呼ばれてもよく、これは、いずれか適当な体液もしくは組織において測定された薬物濃度を含めることを意図する。薬物投与後いずれかの時間での血漿薬物濃度は、C9hもしくはC24hなどにおけるようにCtimeと言及される。
【0028】
「定常状態」とは、被験者の血漿中に存在する薬物量が長時間にわたって有意には変化しない状態を意味する。一定の投薬間隔における一定の用量および投薬形態物の連続投与後の薬物の蓄積パターンは、血漿濃度のピークと血漿濃度の谷が、各投薬区間内で本質的に同一である「定常状態」を最後には達成する。本明細書に使用されるように、定常状態の最大(ピーク)血漿薬物濃度はCmaxと言及され、最小(谷)血漿薬物濃度はCminと言及される。定常状態のピークの血漿および谷の薬物濃度が生じる薬物投与後の時間は、それぞれTmaxおよびTminと言われる。
【0029】
当業者は、個々の被験者において得られる血漿薬物濃度が、薬物の吸収、分布、代謝および排泄に影響を与える多くのパラメーターにおける患者間の可変性により変わりうることを評価する。この理由によって、改めて指示しない限り、被験者の群から得られる平均値が、血漿薬物濃度データの比較の目的のため、ならびにイン・ビトロの投薬形態物溶解速度とイン・ビボの血漿薬物濃度との間の関係を分析するために本明細書では使用される。
【0030】
「高投薬量(high dosage)」とは、トピラメート約100mg超を含有する投薬形態物内の治療作用物、トピラメートを負荷されている薬物を意味する。
【0031】
したがって、本発明は、なかんずく、長時間にわたってトピラメートの高用量の制御送達のための両投薬形態物および方法を提供する。好適な実施態様では、投薬形態物の投与は1日に1回である。これは、液状調合物を用いるトピラメートの可溶化により達成される。非水性液体担体中にトピラメートを可溶化することによって、予め可溶化され、そしてより容易に吸収される形態において、トピラメートが送達できる。さらにまた、その固
形投薬形態物とは異なり、液体担体中に予め可溶化されたトピラメートを用いて、それは水和されることさえなく放出することができ、それによって許容できる速度、例えば、滑らかな安定した放出速度において浸透性デバイスからのその制御放出を提供する。
【0032】
トピラメートの液状調合物は、種々の割合においてトピラメートと液体担体を含有する。液体担体の選択は、薬物−添加物適合性、および化合物の物理的および化学的安定性に基づく。本発明における使用のための特定の調合物は、既知の技術を用いて当業者によって確認することができる。本発明の代表的な液体担体は、親油性溶媒(例えば、油および脂質)、界面活性剤および親水性溶媒を含む。代表的な親油性溶媒は、例えば、限定されるものではないが、Capmul PG−8、Caprol MPGO、Capryol 90、Plurol Oleique CC497、Capmul MCM、Labrafac PG、n−デシルアルコール、Caprol 10G10O、オレイン酸、ビタミンE、Maisine 35−1、Gelucire 33/01、Gelucire 44/14、ラウリルアルコール、Captex 355EP、Captex 500、Capylic/Caplic Triglyceride、Peceol、Caprol ET、Labrafil M2125CS、Labrafac CC、Labrafil M1944CS、Captex 8277、Myvacet9−15、Isopropyl Nyristate、Caprol PGE860、オリーブ油、Plurol Oleique、ピーナッツ油、Captex 300LowC6、およびカプリン酸を含む。代表的な界面活性剤は、例えば、限定されるものではないが、ビタミンE TPGS、Cremophor EL−P、Labrasol、Tween 20、Cremophor RH40、Pluronic L−121、Acconon S−35、Pluronic L−31、Pluronic L−35、Pluronic L−44、Tween 80、Pluronic L−64、SolutolHS−15、Span20、CremophorEL、Span80、Pluronic L−43およびTween60を含む。代表的な親水性溶媒は、例えば、限定されるものではないが、イソソルビドジメチルエーテル、ポリエチレングリコール400(PEG−3000)、Trancutol HP、ポリエチレングリコール400(PEG−4000)、ポリエチレングリコール400(PEG−300)、ポリエチレングリコール400(PEG−6000)、ポリエチレングリコール400(PEG−400)、ポリエチレングリコール400(PEG−8000)、ポリエチレングリコール400(PEG−600)およびプロピレングリコール(PG)を含む。
【0033】
トピラメートの好適な液状調合物は、トピラメート約10%〜約60%および1種以上の液体担体約40%〜約90%を含有する。例えば、若干の実施態様では、液状調合物はトピラメートおよび親水性溶媒、例えばPEG400を含有できる。そのような実施態様では、液状調合物は、トピラメート約10%〜約60%および親水性溶媒約40%〜約90%を含有してもよい。他の実施態様では、液状調合物は約40%トピラメートおよび約60%液体担体を含有してもよい。1つのそのような好適な実施態様では、液体担体は、約50%界面活性剤、例えばCremophorEL、SolutolまたはTween80、および約50%親水性溶媒、例えばPEG400を含有してもよい。他の代表的な実施態様では、液状調合物は約60%トピラメートおよび約40%液体担体を含有してもよい。1つのそのような好適な実施態様では、液体担体は、約50%界面活性剤、例えばCremophorEL、またはSolutol、および約50%親水性溶媒、例えばPEG400を含有してもよい。熟達した従事者は、被験者への投与のため、そして浸透性デバイスにおける使用のために適当な液体担体中に可溶化されたトピラメートの十分な投薬量を含有するいかなる調合物も本発明において使用できることを理解するであろう。本発明の1つの代表的な実施態様では、液体担体は、PEG400、Solutol、CremophorELまたはそれらの組み合わせ物である。
【0034】
またトピラメートの液状調合物は、例えば、さらなる添加物、例えば抗酸化剤、浸透増進剤などを含有してもよい。抗酸化剤は、カプセル中に存在するすべての自動酸化される材料の速度を遅らせるか、または効果的に停止させるために提供されてもよい。代表的な抗酸化剤は、アスコルビン酸;α−トコフェロール;アスコルビルパルミテート;アスコルベート;イソアスコルベート;ブチル化ヒドロキシアニソール;ブチル化ヒドロキシトルエン;nordihydroguiaretic acid;没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、没食子酸デシル、没食子酸デシルからなる群から選ばれるメンバーを含んでなる少なくとも3個の炭素原子を含有する没食子酸のエステル;6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロ−ギノリン(guinoline);N−アセチル−2,6−ジ−t−ブチル−p−アミノフェノール;ブチルチロシン;3−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール;2−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール;4−クロロ−2,6−ジ−t−ブチルフェノール;2,6−ジ−t−ブチル−p−メトキシフェノール;2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール;重合抗酸化剤;アスコルビン酸、erythorbic acidおよび酢酸アスコルビルのトリヒドロキシブチロ−フェノン生理学的に許容できる塩;アスコルビン酸カルシウム;アスコルビン酸ナトリウム;重亜硫酸ナトリウムなど含む。本目的のために使用される抗酸化剤の量は、例えば、ルーメン(lumen)中に存在する組成物の総重量の約0.001%〜25%であってもよい。抗酸化剤は、米国特許第2,707,154号;同第3,573,936号;同第3,637,772号;同第4,038,434号;同第4,186,465号および同第4,559,237号の先行技術において既知であり、これらの各々はすべての目的のために完全に引用によって本明細書に組み入れられている。
【0035】
液状調合物は、使用の環境において活性作用物の吸収を促進する透過増進剤を含有してもよい。そのような増進剤は、例えば、胃腸管におけるいわゆる「密着結合(tight
junction)」を開くか、または細胞成分、例えばp−糖タンパク質などの効果を改変することができる。適当な増進剤は、サリチル酸のアルカリ金属塩、例えば、サリチル酸ナトリウム、カプリル酸/カプリン酸のアルカリ金属塩、例えばカプリル酸ナトリウムまたはカプリン酸ナトリウムなどを含んでもよい。増進剤は、例えば、胆汁塩、例えばデオキシコール酸ナトリウムを含んでもよい。種々のp−糖タンパク質モジュレーターが、米国特許第5,112,817号および同第5,643,909号に記述されており、これらの各々はすべての目的のために完全に引用によって本明細書に組み入れられている。種々の他の吸収増進性化合物および材料が、米国特許第5,824,638号に記述されており、これもまた、すべての目的のために完全に引用によって本明細書に組み入れられている。増進剤は、単独でも、または他の増進剤と組み合わせて混合物としてもいずれにおいて使用されてもよい。
【0036】
ある実施態様では、トピラメートは自己乳化性調合物として投与される。他の液体担体と同様に、凝集を防ぐ界面活性機能は、構成成分間の界面張力を低下させ、成分の自由流動を増進し、そして投薬形態物における成分滞留の発生を減じる。本発明の治療用乳濁液調合物は乳化を与える界面活性剤を含有する。また代表的な界面活性剤は、例えば、前記の界面活性剤に加えて、エチレンオキシド9モルを含有するポリオキシエチレンひまし油、エチレンオキシド15モルを含有するポリオキシエチレンひまし油、エチレンオキシド20モルを含有するポリオキシエチレンひまし油、エチレンオキシド25モルを含有するポリオキシエチレンひまし油、エチレンオキシド40モルを含有するポリオキシエチレンひまし油、エチレンオキシド52モルを含有するポリオキシエチレンひまし油、エチレンオキシド20モルを含有するモノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、エチレンオキシド20モルを含有するモノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、エチレンオキシド4モルを含有するモノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、エチレンオキシド20モルを含有するトリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、エチレンオキシド20モルを含有するモノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、エチレンオキシド20モルを含有するトリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、エチレンオキシド40モルを含有するポリオキシエチレンステアリン酸、エチレンオキシド50モルを含有するポリオキシエチレンステアリン酸、エチレンオキシド2モルを含有するポリオキシエチレンステアリルアルコール、およびエチレンオキシド2モルを含有するポリオキシエチレンオレイルアルコールからなる群から選ばれるメンバーを含んでもよい。界面活性剤はAtlas Chemical Industriesから市販されている。
【0037】
本発明の薬物乳化調合物は最初に油および非イオン性界面活性剤を含有してもよい。乳濁液の油相は、水と混和性であるすべての製薬学的に許容できる油を含有する。油は、食用の液体、例えば不飽和脂肪酸の非極性エステル、そのようなエステルの誘導体、またはそのようなエステルの混合物でってもよい。油は、植物性、鉱物性、動物性または海産性起源であってもよい。また非毒性の油の例は、例えば、上記界面活性剤に加えて、ピーナッツ油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油、アーモンド油、鉱油、ひまし油、やし油、パーム油、ココアバター、ベニバナ油、16〜18個の炭素原子、不飽和脂肪酸のモノ−およびジ−グリセリドの混合物、やし油から得られる分画されたトリグリセリド、短鎖の10〜15個の炭素原子の脂肪酸から得られる分画された液状トリグリセリド、アセチル化モノグリセリド、アセチル化ジグリセリド、アセチル化トリグリセリド、トリオレイン酸グリセラールとしてまた既知のオエイン、トリパルミチン酸グリセリルとして既知のパルミチン、トリステアリン酸グリセリルとしてまた既知のステアリン、ラウリン酸ヘキシルエステル、オレイン酸オレイルエステル、天然油の解糖された(glycolyzed)エトキシル化グリセリド、エチレンオキシドの13分子をもつ分枝脂肪酸、およびオレイン酸デシルエステルからなる群から選ばれるメンバーを含んでもよい。乳濁液調合物における油または油誘導体の濃度は、100wt%に等しい乳濁液調製物において全成分のwt%に対して、約1wt%〜約40wt%であってもよい。油類は、Pharmaceutical Sciences by Remington,17thEd.,pp.403−405,(1985)published by Mark Publishing Co.;Encyclopedia of Chemistry,by Van Nostrand Reinhold,4thEd.,pp.644−645,(1984)published by Van Nostrand Reinhold Co.;米国特許第4,259,323号において開示されており、これらの各々は完全に、そしてすべての目的のために引用によって本明細書に組み入れられている。
【0038】
本発明の投薬形態物に組み入れられるトピラメートの量は、一般に、治療指示および所望の投与期間、すなわち、6時間毎、12時間毎、24時間毎、48時間毎などに応じて、組成物の重量で約0.1%〜約60%である。投与が望まれる薬物の用量に応じて、1種以上の投薬形態物が投与されてもよい。
【0039】
トピラメートの実際の投薬量は、もちろん、被験者における疾病のタイプまたは重篤度および被験者の特定の状況(例えば、被験者の年齢、大きさ、健康、症候の程度)ならびに他の薬物または現在施されている処置のようなファクターにより異なるであろう。投薬療法は、最適治療応答を与えるように調節することができる。本明細書における「治療学的に有効な用量」とは、それが投与されるものに対して効果を生じる用量を意味する。より具体的には、本発明の化合物の治療学的に有効な用量は、好ましくは、症候、合併症、またはトピラメート療法に応答する疾病の生化学的標印(indicia)を緩和する。正確な用量は、既知の技術を用いて当業者によって確認することができる(参照、例えば、Lieberman,Pharmaceutical Dosage Forms(Vols.1−3,(1992);Lloyd,1999,The Art,Science,and Technology of Pharmaceutical Compounding;およびPickar,1999,Dosage Calculations)。また治療学的に有効な用量は、活性作用物の何か毒性または有害な副作用が、治療学的に有利な効果によって、臨床上価値があるとされる場合の用量である。さらに、各特定の被験者では、特別な投薬療法が、化合物の投与を施すかまたは管理する人物の個人的要求および専門的判断にしたがって時間をかけて評価され、調節されなければならないことを注意すべきである。本発明の投薬形態物は、例えば、トピラメートの約1mg〜約800mg、1mg〜約600mg、または1mg〜約400mg、そしてこの範囲のすべての組み合わせおよび半組み合わせ、ならびにそこに含まれる特定の数を含有してもよい。好ましくは、本発明の投薬形態物は、トピラメートの約10mg〜約300mg、より好ましくは、トピラメートの約25mg〜約200mgを含有することができる。
【0040】
本発明の方法によって処置される疾病または症状は、トピラメート療法に応答するいかなる疾病または症状をも含む。トピラメート療法に応答する疾病のリストは、限定されるものではないが、振顫または発作障害、例えばてんかん、II型糖尿病、気分障害または情動性障害、例えば鬱病、躁病および双極性障害、肥満症、摂食障害、例えば過食(binge eating)、心的外傷後ストレス障害、片頭痛、群発性頭痛、大脳機能障害、喫煙中止、および神経障害性疼痛を含む。特に、トピラメートは、発作および発作障害、例えばてんかんの処置のための抗痙攣薬として承認されている。
【0041】
本明細書で使用されるように用語「被験者」または「患者」は、本発明の化合物が投与できるすべての哺乳動物の患者または被験者を指す。本発明の代表的な実施態様では、本発明の方法による処置のための被験者患者の同定のために、承認されたスクリーニング法が用いられて、標的にされるかまたは疑われる疾病もしくは症状に関連する危険因子が決定されるか、あるいは被験者に存在する疾病または症状の状況が決定される。これらのスクリーニング方法は、例えば、標的にされるかまたは疑われる疾病もしくは症状に関連されてもよい危険因子を決定するための慣用の精密身体検査を含む。これらおよび他の日常的方法は、本発明の方法および調合物を用いる治療を必要とする患者を臨床医が選択することを可能にする。
【0042】
用語「処置する」または「処置」は、すべての客観的または主観的因子、例えば減退;寛解傾向;症候の減少させるかまたは傷害、病気または症状を患者にとってより寛容にさせること;変性もしくは衰退の速度を遅くすること;変性の最終点をより弱くさせること;または被験者の肉体的もしくは精神的幸福を改善することを含む、傷害、病気または症状の軽減における成功のすべての標印(indicia)を指す。症候の処置または軽減は、肉体的検査、神経学的検査および/または精神医学的評価の結果を含む、客観的または主観的パラメーターに基づいてもよい。「処置する」または「トピラメート療法に応答する疾病または症状の処置」は、トピラメート療法に応答する疾病または症状にかかりやすくなっているが、まだ障害の症候を経験していないかまたは表していない被験者における症候の到来を防ぐこと(予防的処置)、障害の症候を抑制すること(その発症を遅らせるか停止させること)、障害の症候または副作用からの救済を与えること(緩和処置を含む)、および/または障害の症候を取り除くこと(退化させること)を含む。したがって、用語「処置する」は、トピラメート療法に応答する疾病または症状に関連する症候または症状、例えばてんかんに関連する発作の発生を防ぐか、遅らせるため、軽減するため、または止めるか、抑制するための、被験者に対する本発明の浸透性投薬形態物の投与を含む。熟達した医学実務者は、患者がトピラメート療法に応答する疾病または症状を罹患しているか否かを決定する標準方法をいかに使用するかを知ることができる。
【0043】
用語「大脳機能障害」は、知的欠陥を伴う障害、例えば老人性認知症、アルツハイマー型認知症、記憶喪失、健忘症/健忘性症候群、意識の障害、昏睡、注意の低下、言語障害、パーキンソン病、自閉障害、自閉症、過運動性症候群および精神分裂病を含む。また、この用語の意味の中には、脳血管性疾患によって惹起される障害(限定されるものではないが、脳梗塞、脳出血、脳動脈硬化症、脳静脈血栓症、頭部傷害など)があり、この場合の症候は、意識の障害、老人性認知症、昏睡、注意の低下および言語障害を含む。
【0044】
本明細書で使用されるように、用語「発作(seizure)」は、限定されるものではないが、限定なしに単純部分発作、複雑部分発作および二次的に発生した発作を含む、部分発作;限定なしに欠神発作(「小発作」とも呼ばれる)、典型的な欠神発作、非定型欠神発作、ミオクローヌス発作、硬直発作、間代発作、全身性硬直・間代発作(「大発作」とも呼ばれる)およびアトニー発作を含む、全身性発作;ならびに若年性ミオクローヌスてんかんおよびLennox−Gastaut症候群に関連する発作を含む。
【0045】
本明細書で使用されるような用語「神経障害性疼痛」は、限定されるものではないが、神経痛、三叉神経痛、糖尿病性神経障害および他の形態の神経損傷、異痛、感覚異常、知覚過敏、幻想痛、幻想肢痛、痛覚過敏および耳鳴を含む。
【0046】
本明細書で使用されるように、用語「情動性障害]は、限定されるものではないが、躁病症状(例えば急性躁病)、躁病性ラビッド・サイクリング(rapid cycling)、双極性障害または症状(例えば、躁病性・鬱病性双極性障害)、気分安定化、心的外傷後ストレス障害、鬱病、不安障害、注意欠陥障害、多動性注意欠陥障害、強迫(compulsive)または強迫神経性(obsessive−compulsive)障害、睡眠発作、月経前期症候群、慢性疲労症候群、季節性情動障害、物質乱用、喫煙耽溺または渇望、および肥満症または体重増加を含む。
【0047】
本明細書で使用されるように、用語「注意欠陥障害」(ADD)、「多動性注意欠陥障害」(ADDH)および「注意欠陥/多動性障害」(AD/HD)は、当該技術分野において認められた意味にしたがって使用される。参照、例えば、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders,Fourth Ed.,American Psychiatric Association,1997(DSM−IVTM);およびDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders,3rd Ed.,American Psychiatric Association(1981)DSM−IIITM).
【0048】
本明細書で使用されるような、そして別に指示されない限り、用語「鬱病」は、気分の変化、強い悲しみの感情、絶望、精神的緩慢(slowing)、集中力の欠如、悲観的苦悩、動揺および自己軽視を特徴とする疾病または症状を含む。本発明の方法によって低下または軽減することができる鬱病の肉体的症候は、限定されるものではないが、不眠症、食欲不良、体重損失、減少したエネルギーおよびリビド、および異常なホルモン日周期を含む。
【0049】
本明細書で使用されるような、そして別に指示されない限り、用語「群発性頭痛」は、限定されるものではないが、片頭痛様神経痛、慢性片頭痛様神経痛、顔面紅痛症、Raeder症候群、スペノパラチン(spenopalatine)神経痛、毛様体神経痛、ビジアン(vidian)神経痛、ヒスタミン頭痛、エピソード(episodic)群発性頭痛および慢性群発性頭痛を含む。
【0050】
若干の実施態様では、本発明の経口投薬形態物は、単一でも、または少なくとも1種の他の療法または治療作用物、例えば、抗けいれん薬、神経保護(neuroprotective)薬、抗精神病薬、抗うつ薬などと共存しても投与することができる。本発明の投薬形態物と既知薬物との「共存投与」は、両既知薬物と本投薬形態物が治療効果をもつことができるような時間に薬物と本投薬形態物との投与を意味する。
【0051】
トピラメートは広く利用されていて、米国特許第4,513,600号、同第4,513,006号および同第5.387,700号に記述されている方法を用いて調製することができ、これらの各々はすべての目的のために引用によって完全に本明細書に組み入れられている。トピラメートは、化学名2,3:4,5−ジ−O−イソプロピリデン−β−D−フルクトピラノーススルファメートを有するスルファメート置換された単糖である。分子式はC1221NOSである。本明細書で使用されるような用語「トピラメート」は、3:4,5−ジ−O−イソプロピリデン−β−D−フルクトピラノーススルファメートおよびその異性体および異性体の混合物を指す。本明細書で使用されるような、用語トピラメートはトピラメート弱酸を指す。
【0052】
本発明は、経口浸透性デバイスを用いて使用するための持続放出液状調合物を提供する。液状調合物を送達するための経口浸透性デバイスおよびそれらを使用する方法は、例えば、ALZA corporationによって所有される次の米国特許:同第6,419,952号;同第6,174,547号;同第6,551,613号;同第5,324,280号;同第4,111,201号および同第6,174,547号において記述され、特許請求されているように、当該技術分野において既知であり、これらの各々はすべての目的のために引用によって完全に本明細書に組み入れられている。上昇する放出速度において治療作用物を送達するための経口浸透性デバイスを使用する方法は、国際出願番号WO98/06380、WO98/23263およびWO99/62496において見い出すことができ、これらの各々はすべての目的のために引用によって完全に本明細書に組み入れられている。
【0053】
本発明の浸透性投薬形態物は、2種の異なる形態物、軟質カプセル形態物および硬質カプセル形態物をもつことができる。本発明によって使用されるような軟質カプセルは、好ましくはその最終形態において1つのピース(piece)を含有する。ワンピースカプセルは、その中に薬物調合物を内包している密閉構造をもつ。カプセルは、プレート工程、ロータリー成形型工程、往復(reciprocating)成形型工程、および連続工程を含む、種々の工程によって作成できる。プレート工程の例は次のとおりである。プレート工程は1セットの型を使用する。製造されるカプセル薄層(lamina)形成材料の暖かいシートが下側の型の上に置かれ、そして調合物がその上に注入される。薄層形成材料の第2のシートが調合物の上に、そして上部の型が配置される。型セットが圧縮機の下に置かれ、そして加熱してもしなくても圧が適用されて、単位のカプセルが形成される。カプセルは、カプセルの外側から余分の作用物調合物を除去するために溶剤で洗浄され、そして風乾されたカプセルは半透過性壁によって被包化される。ロータリー成形型工程は、カプセル薄層形成材料の2枚の連続フィルムを使用し、これが1対の回転する成形型とインジェクター・ウェッジ(wedge)との間の先細部分(convergence)中にもたらされる。工程は、2重の同時操作においてカプセルを充填し、そして密閉する。この工程では、カプセル薄層形成材料のシートがガイドロールの上に、次いで、ウェッジインジェクターと成形型ロールの間に供給される。内包される作用物調合物が正置換(positive displacement)ポンプ中に重力によって流動する。ポンプはウェッジインジェクターをとおして、そして成形型ロールの間のシート中に作用物調合物を定量移送する。ウェッジの底部は成形型ロールの成形型ポケットにより整列された小オリフィスを含有する。ポンプ移送される作用物調合物の圧力が成形型ポケット中にシートを押し込む場合、カプセルは、約半分密閉されており、この場合、カプセルは同時に充填され、成形され、気密に密閉され、そして薄層形成材料のシートから切断される。カプセルの密閉は、成形型ロール上の機械的圧力によって、そしてウェッジによる薄層形成材料のシートの加熱によって達成される。製造後、カプセルに充填された作用物調合物は、強制通気の存在下で乾燥され、そして半透過性薄層がそれを内包する。
【0054】
往復成形型工程は、カプセル薄層形成材料の2枚のフィルムを1セットの垂直成形型の
間に導入することによってカプセルを製造する。成形型は、それが閉じ、開きそして閉じにつれて、ポケットの列がフィルムを横断した後に連続する垂直プレートが列を形成するように働く。ポケットが作用物調合物で充填され、そしてポケットが成形型を通過するにつれて、それらが密閉され、成形され、そして移動するフィルムから切断されて、カプセルが作用物調合物で充填される。半透過性の被包化用薄層がその上にコートされてカプセルを生成する。連続工程は、工程が内包化する液体に加えて、乾燥粉末形態の活性作用物を軟質カプセル中に連続して充填することができるさらなる特徴を有する、ロータリー成形型をまた使用する製造装置である。連続工程の充填されたカプセルは、半透過性ポリマー材料により被包化されてカプセル剤を生成する。軟質カプセルを製造する手順は、米国特許第4,627,850号および同第6,419,952号に開示されており、これらの各々はすべての目的のために引用によって完全に本明細書に組み入れられている。
【0055】
本発明の投薬形態物はまた、射出成型技術によって射出成型可能な組成物から作成することができる。半透過性壁中に射出成型するために供給される射出成型可能な組成物は、熱可塑性ポリマーを含有するか、あるいは組成物は、熱可塑性ポリマーの混合物および場合によっては射出成型成分を含有する。本目的のために使用することができる熱可塑性ポリマーは、低い軟化点、例えば、200℃以下、好ましくは40℃〜180℃の範囲内を有するポリマーを含む。ポリマーは、好ましくは合成樹脂、付加重合樹脂、例えばポリアミド、ジエポキシドと第1級アルカノールアミンから得られる樹脂、グリセリンと無水フタル酸の樹脂、ポリメタン、ポリビニル樹脂、末端位遊離かまたはエステル化カルボキシルもしくはカルボキサミド基、例えばアクリル酸、アクリル酸アミドもしくはアクリル酸エステルを有するポリマー樹脂、ポリカプロラクトン、およびそのジラクチド、ジグリコリドおよびデカラクトンとのコポリマー、ポリカプロラクトンおよびポリアルキレンオキシドを含有する樹脂組成物、ならびにポリカプロラクトン、ポリアルキレンオキシド例えばポリエチレンオキシド、ポリ(セルロース)例えばポリ(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、ポリ(ヒドロキシエチルメチルセルロース)およびポリ(ヒドロキシプロピルセルロース)を含有する樹脂組成物である。膜形成組成物は、場合によっては、膜形成成分、例えばポリエチレングリコール、タルカム、ポリビニルアルコール、ラクトースまたはポリビニルピロリドンを含有してもよい。射出成形ポリマー組成物を形成するための組成物は、100%熱可塑性ポリマーを含有してもよい。その他の実施態様では、組成物は、総量100%において熱可塑性ポリマー10%〜99%および異なるポリマー1%〜90%を含有する。本発明はまた、総ポリマー100%において、第1の熱可塑性ポリマー1%〜98%、異なる第2のポリマー1%〜90%および異なる第3のポリマー1%〜90%を含有する熱可塑性ポリマー組成物を提供する。代表組成物は、熱可塑性ポリカプロラクトン20%〜90%およびポリ(アルキレンオキシド)10%〜80%を含有する;成分量100%においてポリカプロラクトン20%〜90%およびポリ(エチレンオキシド)10%〜60%を含有する組成物;全成分量100%においてポリカプロラクトン10%〜97%ポリ(アルキレンオキシド)10%〜97%およびポリ(エチレングリコール)1%〜97%を含有する組成物;全成分量100%においてポリカプロラクトン20%〜90%およびポリ(ヒドロキシプロピルセルロース)10%〜80%を含有する組成物;ならびに全成分量100%においてポリカプロラクトン1%〜90%、ポリ(エチレンオキシド)1%〜90%、ポリ(ヒドロキシプロピルセルロース)1%〜90%およびポリ(エチレングリコール)1%〜90%を含有する組成物。パーセントは重量パーセントwt%で表される。
【0056】
本発明のその他の実施態様では、膜を提供する射出成形のための組成物は、次の付加順序でミキサーに添加される成分、ポリカプロラクトン、ポリエチレンオキシドおよびポリエチレングリコールを用いて、65℃〜95℃において慣用の混合機、例えばMoriyamaTMミキサーにおいてポリカプロラクトン63wt%、ポリエチレンオキシド27wt%およびポリエチレングリコール10wt%を含有する組成物を混合することによって製造することができる。1つの例では、全成分が回転速度10〜20rpmにおいて1
35分間混合される。次に、混合物はBaker Perkins KneaderTM押し出し機にポンプ速度10rpmおよびスクリュー速度22rpmで供給され、次いで、均一温度に達するように10℃〜12℃に冷却される。次いで、冷却された押し出される組成物がAlbe Pelletizerに供給され、250℃において長さ5mmのペレットに変換される。ペレットは次に射出成形機、Arburug AllrounderTM中に200°F.〜350℃(93℃〜177℃)で供給され、融解したポリマー組成物まで加熱され、そして液体ポリマー組成物が成形型が満たされるまで高圧、高スピードで成形型空洞中に押し出され、そしてポリマーを含有する組成物が予め選ばれた形状に固化される。射出成形のパラメーターは、195°F.(91℃)〜375°F.(191℃)のバレルのゾーン1〜ゾーン5のバンド温度、1818barの射出成形圧、55cm/sのスピードおよび75℃の成形型温度からなる。射出成形組成物および射出成形手順は、すべての目的のために引用によって完全に本明細書に組み入れられている米国特許第5,614,578号に記述されている。
【0057】
あるいはまた、カプセルは、便利には、カプセルが膨張性層によって発揮される力の下で変形されるまでは、1つの部分(「キャップ」)が他の部分(「ボディー」)の上に滑って蓋をするような2つの部分において作成されてもよく、そしてボディーとキャップのめり込んでいる部分の間からの液状活性作用物調合物の漏出を防ぐために密封される。2つの部分は、有用な添加物を含有してもよい液状活性作用物調合物を含有する内側の内腔(lumen)を完全に取り囲み、被包化している。2つの部分は、ボディーが予め選ばれた調合物で満たされた後に一緒に適合することができる。組み立ては、ボディー部分の上にキャップ部分を滑り込ませるか、またはめり込ませ、キャップとボディーを密封することによって行われてもよく、それによって活性作用物の調合物を完全に取り囲み、被包化する。
【0058】
軟質カプセルは、典型的には、硬質カプセルの壁の厚さを超える壁の厚さを有する。例えば、軟質カプセルは、10〜40mil、典型的には約20milのオーダーの壁の厚さを有してもよく、一方、硬質カプセルは、例えば、2〜6mil、典型的には約4milのオーダーの壁の厚さを有する。
【0059】
投薬システムの1つの実施態様では、軟質カプセルは単一ユニットの構築物であってもよく、そして膨張性層としての非対称水・活性化層(hydro−activated)によって取り囲まれていてもよい。膨張性層は一般に非対称であり、出口オリフィスから遠くにより厚い部分を有する。水・活性化層は外部流体を吸い込み、そして/または吸収するにつれて、それは膨張し、そしてカプセルの壁および場合によってはバリヤー層に対して押し出し圧をかけ、そして出口オリフィスをとおして活性作用物調合物を押し出す。非対称層の存在は、通路から遠い層のより厚い部分が膨潤し、オリフィスの方向に移動するので、作用物の最大用量が投薬形態物から確実に送達されるために機能する。
【0060】
なおその他の配置では、膨張性層は、場合によってはバリヤー層でコートされるカプセルを完全には包含しない分離した部分に形成されてもよい。膨張性層は、接触領域においてカプセルの形状に適合するように形成される単一の要素であってもよい。膨張性層は、便利には、バリヤーでコートされたカプセルの外面に相補的である凹面を形成するように打錠することによって製作されてもよい。慣用の打錠プレスにおける凸面パンチのような適当な道具が、膨張性層に必要な相補的形状を与えることができる。この場合には、膨張性層はコーティングとして形成されるよりもむしろ造粒され、そして圧縮される。打錠による膨張性層の形成方法は周知であり、例えば、米国特許第4,915,949号;同第5,126,142号;同第5,660,861号;同第5,633,011号;同第5,190,765号;同第5,252,338号;同第5,620,705号;同第4,931,285号;同第5,006,346号;同第5,024,842号および同第5,160,743号に記述されており、これらの各々は、すべての目的のために引用によって完全に本明細書に組み入れられている。
【0061】
若干の実施態様では、バリヤー層はカプセル上に最初にコートされてもよく、次いで打錠された膨張性層が、生物学的に適合する接着剤によりバリヤーコートされたカプセルに接着される。適当な接着剤は、例えば、澱粉ペースト、ゼラチン水溶液、ゼラチン/グリセリン水溶液、アクリレート−ビニルアセテートに基づく接着剤、例えばDuro−Tak接着剤(National Starch and Chemical Company)、水溶性親水性ポリマー、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどの水溶液を含む。次に、そのような中間投薬形態物は半透過性層でコートされてもよい。出口オリフィスは膨張性層部分と反対側のカプセルの側面または末端に形成される。膨張性層が流体を吸収するにつれてそれは膨潤するであろう。それはは半透過性層によって拘束されるので、それが膨張するにつれてバリヤーでコートされたカプセルを圧縮することで、活性作用物調合物をカプセルの内部から使用環境の中に絞り出す。
【0062】
硬質カプセルは、典型的には、2つの部分、キャップとボディーからなり、これらは、より大きいボディーが予め選ばれた適当な調合物で満たされた後に一緒に適合される。このことは、ボディー部分の上にキャップ部分を滑り込ませるかめり込ませることによって行われてもよく、それによって有用な作用物の調合物を完全に取り囲み、被包化する。硬質カプセルは、例えば、カプセルの薄層形成材料の溶液を含有する浴槽中にステンレススチールの成形型を浸漬して、その材料で成形型をコートすることによって行われてもよい。次いで、成形型が引き上げられ、冷却され、そして気流中で乾燥される。カプセルは成形型から剥がされ、整えられて、内側に内腔をもつ薄層メンバーを得る。調合物を受け入れるボディーをめり込ませるように蓋をするかみ合うキャップは同様の方式で作成される。次いで、閉じられ、充填されたカプセルは、半透過性薄層により被包化されてもよい。半透過性薄層は、別々になっていて、そして最終カプセルに連結される前または後のカプセル部分に適用されてもよい。その他の実施態様では、硬質カプセルは、重ね合わせるキャップと調合物を充填した後のボディーを一緒に連結し、固定させるそれらの開口末端の近くに適合した固定用リングを有する各部分を用いて作成されてもよい。この実施態様では、1対の適合した固定用リングは、キャップ部分とボディー部分に形成され、そしてこれらのリングは、カプセルを一緒に安全に維持する固定手段を提供する。カプセルは手動で調合物を充填されてもよく、またはそれらは機械的に調合物を充填されてもよい。最終的な製造では、硬質カプセルは、流体の通過に透過性であり、そして有用な作用物の通過に不透過性である半透過性薄層により被包化される。硬質キャップ投薬形態物を形成する方法は、米国特許第6,596,314号、同第6,419,952号および同第6,174,547号に記述されており、これらの各々は、すべての目的のために引用によって完全に本明細書に組み入れられている。
【0063】
硬質および軟質カプセルは、例えば、ゼラチン、15〜30ミリポアの粘度と150グラムまでのブルーム(bloom)強度を有するゼラチン;160〜250のブルーム値を有するゼラチン;ゼラチン、グリセリン、水および二酸化チタンを含んでなる組成物;ゼラチン、エリスロシン(erythrosin)、酸化鉄および二酸化チタンを含んでなる組成物;ゼラチン、グリセリン、ソルビトール、カリウムソルベートおよび二酸化チタンを含んでなる組成物;ゼラチン、アカシア(acacia)グリセリンおよび水を含んでなる組成物;などを含有してもよい。カプセル壁を形成するために有用な材料は、米国特許第4,627,850号および同第4,663,148号において既知であり、これらの各々は、すべての目的のために引用によって完全に本明細書に組み入れられている。あるいはまた、カプセルはゼラチン以外の材料から作成されてもよい(参照、例えば、BioProgres plcによる製品)。
【0064】
カプセルは、典型的には、例えば、約3〜22minim(1minimは0.0616mlに等しい)のサイズで、楕円形、長楕円形またはその他の形状において提供されてもよい。それらは、標準的形状および慣用的には(000)、(00)、(0)、(1)、(2)、(3)、(4)および(5)として表される種々の標準的サイズにおいて提供されてもよい。最大数は最小サイズに対応する。非標準的形状が同様に使用されてもよい。軟質カプセルまたは硬質カプセルのいずれの場合でも、特定の応用のために必要であれば、非慣用的形状およびサイズが提供されてもよい。
【0065】
本発明の浸透性デバイスは、外部の生物学的流体の通過に対して透過性であり、薬物調合物の通過には実質的に不透過性である半透過性壁を含有する。壁を形成するために使用される選択的透過性組成物は、本質的に侵食されず、かつそれらは浸透性システムの寿命の間生物学的流体に不溶である。半透過性壁は、宿主、薬物調合物、オスモポリマー(osmopolymer)、オスマゲント(osmagent)などに悪影響を与えない組成物を含有する。半透過性壁を形成するための代表的ポリマーは、半透過性ホモポリマー、半透過性コポリマーなどを含む。1つの現在好適な実施態様では、組成物は、セルロースエステル、セルロースエーテルおよびセルロースエステル・エーテルを含んでもよい。セルロース系ポリマーは、典型的には、0を超える3までの、それらのアンヒドログルコース単位における置換度、「D.S.」を有する。置換度とは、置換基によって置換されているか、またはその他の基に転化されている、アンヒドログルコース単位に最初に存在するヒドロキシル基の平均数を意味する。アンヒドログルコース単位は、アシル、アルカノイル、アルケノイル、アロイル、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、カルボアルキル、アルキルカルバメート、アルキルカーボネート、アルキルスルホネート、アルキルスルファメート、半透過性ポリマー形成基などのような基により部分的または完全に置換されていてもよい。半透過性組成物は、典型的には、セルロースアシレート、セルロースジアシレート、セルローストリアシレート、セルロースアセテート、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、モノ−、ジ−およびトリ−セルロースアルカニレート、モノ−、ジ−およびトリ−アルケニレート、モノ−、ジ−およびトリ−アロイレートなどからなる群から選ばれるメンバーを包含する。代表的なポリマーは、例えば、D.S.1.8〜2.3およびアセチル含有量32〜39.9%を有するセルロースアセテート、D.S.1〜2およびアセチル含有量21〜35%を有するセルロースジアセテート、D.S.2〜3およびアセチル含有量34〜44.8%を有するセルローストリアセテートなどを含んでもよい。より特定のセルロース系ポリマーは、D.S.1.8およびプロピオニル含有量38.5%を有するセルロースプロピオネート;アセチル含有量1.5〜7%およびアセチル含有量39〜42%を有するセルロースアセテートプロピオネート;アセチル含有量2.5〜3%、平均プロピオニル含有量39.2〜45%およびヒドロキシル含有量2.8〜5.4%を有するセルロースアセテートプロピオネート;D.S.1.8、アセチル含有量13〜15%およびブチリル含有量34〜39%を有するセルロースアセテートブチレート;アセチル含有量2〜29%、ブチリル含有量17〜53%およびヒドロキシル含有量0.5〜4.7%を有するセルロースアセテートブチレート;D.S.2.6〜3を有するセルローストリアシレート、例えばセルローストリバレレート、セルローストリラメート、セルローストリパルミテート、セルローストリオクタノエートおよびセルローストリプロピオネート;D.S.2.2〜2.6を有するセルロースジエステル、例えばセルロースジスクシネート、セルロースジパルミテート、セルロースジオクタノエート、セルロースジカプリレートなど;混合セルロースエステル、例えばセルロースアセテートバレレート、セルロースアセテートスクシネート、セルロースプロピオネートスクシネート、セルロースアセテートオクタノエート、セルロースバレレートパルミテート、セルロースアセテートヘプトネートなどを包んでもよい。半透過性ポリマーは、米国特許第4,077,407号において既知であり、それらは、Encyclopedia of Polymer Scince and Technology,Vol.3,pages325〜354,1964,published by Interscience Publishers,Inc.,New Yorkに記述される手順によって合成されてもよく、これらの各々は、すべての目的のために引用によって完全に本明細書に組み入れられている。半透過性壁を形成するためのさらなる半透過性ポリマーは、例えば、セルロースアセトアルデヒドジメチルアセテート;セルロースアセテートエチルカルバメート;セルロースアセテートメチルカルバメート;セルロースジメチルアミノアセテート;半透過性ポリアミド;半透過性ポリウレタン;半透過性スルホン化ポリスチレン;米国特許第3,173,876号、同3,276,586号、同3,541,005号、同3,541,006号および同3,546,142号に開示されているようにポリアニオンとポリカチオンの共沈によって形成される架橋された選択的半透過性ポリマーであって、これらの各々は、すべての目的のために引用によって完全に本明細書に組み入れられている;すべての目的のために引用によって完全に本明細書に組み入れられている米国特許第3,133,132号に開示されるような半透過性ポリマー;半透過性ポリスチレン誘導体;半透過性ポリ(スチレンスルホン酸ナトリウム);半透過性ポリ(ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド);半透過性壁を横切る水圧もしくは浸透圧差の気圧当たりで表される10−5〜10−2(cc・mil/cm・hr・atm)の流体透過性を示す半透過性ポリマーを含んでもよい。そのようなポリマーは米国特許第3,845,770号、同3,916,899号および同4,160,020号、およびHandbook of Common Polymers,by Scott,J.R.and Roff,W.J.,1971,published by CRC Press,Cleveland, Ohioにおいて当該技術分野において既知であり、これらの各々は、すべての目的のために引用によって完全に本明細書に組み入れられている。
【0066】
半透過性壁はまた、流動調節剤(flux regulating agent)を含有してもよい。流動調節剤は、壁を通る流体の透過性または流動の調節を助けるために添加される化合物である。この流動調節剤は流動増進剤または流動低下剤であってもよい。この作用物は、液体の流動を増進するかまたは低下させるために予め選択することができる。水のような流体に対して透過性の顕著な増進を生じさせる作用剤は、しばしば本質的に親水性であるが、水のような流体に対して顕著な低下を生じさせるものは本質的に疎水性である。壁に組み込まれる場合、壁中の調節剤の量は、一般に約0.01〜20重量%またはそれ以上である。流動を増進する1つの態様における流動調節剤は、例えば、多価アルコール、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンジオール、アルキレングリコールのポリエステルなどを含む。典型的な流動増進剤は、ポリエチレングリコール300、400、600、1500、4000、6000、ポリ(エチレングリコール−コ−プロピレングリコール)など;低分子量のグリコール、例えばポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールおよびポリアミレングリコール;ポリアルキレンジオール、例えばポリ(1,3−プロパンジオール)、ポリ(1,4−ブタンジオール)、ポリ(1,6−ヘキサンジオール)など;脂肪族ジオール、例えば1,3−ブチレングリコール、1,4−ペンタメチレングリコール、1,4−ヘキサメチレングリコールなど;アルキレントリオール、例えばグリセリン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ヘキサントリオール、1,3,6−ヘキサントリオールなど;エステル、例えばエチレングリコールジプロピオネート、エチレングリコールブチレート、ブチレングリコールジプロピオネート、グリセロールアセテートエステルなどを含む。代表的な流動低下剤は、例えば、アルキルもしくはアルコキシによるかまたはアルキルとアルコキシ基の両方で置換されているフタレート、例えばジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、および[ジ(2−エチルヘキシル)フタレート]、アリールフタレート例えばトリフェニルフタレート、およびブチルベンジルフタレート;不溶性塩、例えば硫酸カルシウム、硫酸バリウム、燐酸カルシウムなど;不溶性酸化物、例えば酸化チタン;粉末、顆粒などの形態のポリマー、例えばポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホン;エステル、例えば長鎖アルキル基でエステル化されたクエン酸エステル;不活性で実質的に水を透過しない賦形剤;セルロースに基づく壁形成材料と適合する樹脂などを含む。壁に柔軟性と伸長性を添えて、壁を弱い非脆性(less−to−nonbrittle)にさせ、かつ引き裂き強度を与える目的で、半透過性壁を形成するために使用されてもよい他の材料は、例えば、フタレート可塑剤、例えばジベンジルフタレート、ジヘキシルフタレート、ブチルオクチルフタレート、6〜11個の炭素原子の直鎖フタレート、ジ−イソノニルフタレート、ジ−イソデシルフタレートなどを含む。可塑剤は、非フタレート、例えばトリアセチン、ジオクチルアゼレート、エポキシ化タレート、トリ−イソオクチルトリメリテート、トリ−イソノニルトリメリテート、スクロースアセテートイソブチレート、エポキシ化大豆油などを含む。壁に組み入れられる場合、壁における可塑剤の量は、約0.01重量%〜20重量%、またはそれ以上である。
【0067】
半透過性壁は複数の層を含有するコンパートメントを取り囲みそして形成するが、これらの1つの層は、ある実施態様においては浸透剤を含有してもよい膨張性層である。1つの実施態様では、膨張性層は、胃液に存在するように、水の存在下で膨潤する水で活性化される組成物を含有する。便利には、それは、使用環境に存在する外部の流体に対して半透過性層を横断する浸透圧勾配を表す浸透溶質を含んでなる浸透性組成物を含有してもよい。その他の実施態様では、水・活性化層は、外側の半透過性壁を通して層中に流体を吸い込み、そして/または吸収するヒドロゲルを含有する。半透過性壁は非毒性である。それは、作動中に物理的および化学的完全性を維持し、そしてそれは本質的に膨張性層と相互作用をもたない。
【0068】
1つの好適な実施態様における膨張性層は、オスモポリマーとしても知られる親水性ポリマーを含んでなる水活性化層を含有する。オスモポリマーは流体吸収性を現す。オスモポリマーは膨潤可能な親水性ポリマーであり、このオスモポリマーは水および流体と相互作用し、そして平衡状態まで膨潤または膨張する。オスモポリマーは水および生物流体において膨潤する能力を発揮し、そしてポリマー構造内に吸収された流体の有意な部分を保持する。オスモポリマーは非常に高程度まで膨潤または膨張して、通常2〜50倍の体積増加を発揮する。オスモポリマーは架橋されてなくても、また架橋されていてもよい。膨潤可能な親水性ポリマーは、1つの実施態様では、膨潤後に共有もしくはイオン結合または残留結晶領域によって形成される架橋のように軽く架橋されている。オスモポリマーは、植物、動物または合成起源であってもよい。
【0069】
オスモポリマーは親水性ポリマーである。本発明の目的のために適当な親水性ポリマーは、分子量30,000〜5,000,000を有するポリ−(ヒドロキシアルキルメタクリレート);分子量10,000〜360,000を有するポリ(ビニルピロリドン);アニオン性およびカチオン性ヒドロゲル;高分子電解質複合体;グリオキサール、ホルムアルデヒドまたはグルタルアルデヒドで架橋され、重合度200〜300,000を有する低い残留アセテートを有するポリ(ビニルアルコール);メチルセルロース、架橋された寒天およびカルボキシメチルセルロースの混合物;ヒドロキシプロピルメチルセルロースとナトリウムカルボキシメチルセルロースの混合物;ヒドロキシプロピルエチルセルロースとナトリウムカルボキシメチルセルロースの混合物;ナトリウムカルボキシメチルセルロースとメチルセルロースの混合物、ナトリウムカルボキシメチルセルロース;カリウムカルボキシメチルセルロース;コポリマー当たり無水マレイン酸1モルに対して飽和架橋剤の0.001〜約0.5モルにより架橋された、無水マレイン酸とスチレン、エチレン、プロピレン、ブチレンもしくはイソブチレンの微細コポリマーの分散液から形成された水に不溶で水で膨潤可能なコポリマー;N−ビニルラクタムの水膨潤性ポリマー;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンゲル;カロブガム(carob gum);ポリアクリル系ゲル(polyacrylic gel);ポリエステルゲル;ポリ尿素ゲル;ポリエーテルゲル;ポリアミドゲル;ポリセルロース系ゲル;ポリガムゲル(polygum gel);ガラス性ヒドロゲルに浸透し、そのガラス温度を低下させる水を吸い込み、そして吸収する、最初は乾燥しているヒドロゲルなどを含む。
【0070】
代表的な他のオスモポリマーは、CarbopolTM酸性カルボキシポリマー、カルボキシポリメチレンとしても既知のポリアリールスクロースにより架橋されたアクリル酸、および分子量250,000〜4,000,000を有するカルボキシビニルポリマーのポリマー;CyanamerTMポリアクリルアミド;架橋された水膨潤性インデン−無水マレイン酸ポリマー;Good−riteTM、分子量80,000〜200,000を有するポリアクリル酸;PolyoxTM、分子量100,000〜5,000,000およびそれ以上を有するポリエチレンオキシドポリマー;澱粉グラフトコポリマー;そしてAqua−KepsTM、縮合グルコース単位、例えばジエステルで架橋されたポリグルランから構成されているアクリレートポリマー多糖;などを含む。ヒドロゲルを形成する代表的ポリマーは、米国特許第3,865,108号;米国特許第4,002,173号;米国特許第4,207,893号;およびHandbook of Common Polymers、by Scott and Roff,published by the Chemical Rubber Co.,Cleveland,Ohioにおいて先行技術で既知であり、これらの各々は、すべての目的のために引用によって完全に本明細書に組み入れられている。水・活性化層を含んでなるオスモポリマーの量は約5%〜100%であってもよい。
【0071】
その他の製造における膨張性層は、外部の流体に対して半透過性壁を横断する浸透圧勾配を現す無機および有機化合物を含む浸透的に有効な(osmotically effective)化合物を含有してもよい。オスモポリマーと同様に、浸透的に有効な化合物は、浸透性システム中に流体を吸い込み、それによって内部の壁、すなわち、ある実施態様では、バリヤー層および/または投薬形態物から活性作用物を押し出すための軟質または硬質カプセルの壁、に対して有用な流体を押し出させる。浸透的に有効な化合物はまた、浸透的に有効な溶質としても、またオスマゲントとしても既知である。使用されてもよい浸透的に有効な化合物は、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、酸性燐酸カリウム、マンニトール、尿素、イノシトール、コハク酸マグネシウム、酒石酸、炭水化物、例えばラフィノース、スクロース、グルコース、ラクトース、ソルビトールおよびそれらの混合物を含む。オスマゲントの量は層の重量の約5%〜100%であってもよい。膨張性層は、場合によっては、100%に等しいオスモポリマーおよびオスマゲントの総量のオスモポリマーおよびオスマゲントを含有する。浸透的に有効な溶質は、すべての目的のために引用によって完全に本明細書に組み入れられている、米国特許第4,783,337号において記述されるように先行技術で既知である。
【0072】
ある実施態様では、投薬形態物は、さらにバリヤー層を含有してもよい。ある実施態様におけるバリヤー層は、膨張性層によって及ぼされる圧力下で変形可能であり、そして活性作用物の送達の間、膨張性層、液状活性作用物調合物中、かつ使用環境中に存在してもよい流体および材料に対して半透過性(または低い透過性)である。バリヤー層のある程度の透過性は、活性作用物調合物が有害な影響を与えなければ、許されてもよい。しかしながら、好適には、バリヤー層は、活性作用物の送達の間、投薬形態物および使用環境中の流体および材料を、それを通して完全に移送しない。バリヤー層は膨張性層によって適用される力の下で変形可能であるので、カプセルの圧縮が出口オリフィスから液状活性作用物調合物を押し出させる。若干の実施態様では、バリヤー層は、それが出口オリフィスが形成されている領域において膨張性層と半透過性層の間にシール(seal)を生じるような程度まで変形可能である。そのような方式では、出口オリフィスが例えば穴空けなどによって形成される場合または作動の初期段階においては、膨張性層と半透過性層の最初に露出された領域を密閉するために、バリヤー層は限られた程度まで変形または流動す
ることができる。密閉された場合、膨張性層中へ液体の浸透する唯一の手段は半透過性層を通してであり、出口オリフィスをとおして膨張性層への流体の逆流はない。
【0073】
バリヤー層の形成のための適当な材料は、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、ポリカプロラクトンおよびHytrelTMポリエステル・エラストマー(Du Pont)、セルロースアセテート、セルロースアセテート疑似ラテックス(例えば米国特許第5,024,842号に記述されているような)、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、エチルセルロース、エチルセルロース疑似ラテックス(例えば10 Colorcon,West Point,PA.により供給されるようなSureleaseTM、またはFMC Corporation,Philadelphia,Pa.により供給されるようなAquacoatTM)、ニトロセルロース、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリラクチドグリコリドコポリマー、コラーゲン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリエチレンビニルアセテート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブタジエンスチレン、ポリイソブチレン、ポリイソブチレンイソプレンコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン−塩化ビニルコポリマー、アクリル酸とメタクリル酸エステルのコポリマー、メチルメタクリレートとエチルアクリレートのコポリマー、アクリル酸エステルのラテックス(例えばRohmPharma,Darmstaat,Germanyにより供給されるようなEudragitTM)、ポリプロピレン、プロピレンオキシドとエチレンオキシドのコポリマー、プロピレンオキシドとエチレンオキシドのブロックコポリマー、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリスルホン、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリキシリレン、ポリアルコキシシラン、ポリジメチルシロキサン、ポリエチレングリコール−シリコンエラストマー、電磁照射で架橋されたアクリル樹脂、シリコンまたはポリエステル、熱で架橋されたアクリル樹脂、シリコン、またはポリエステル、ブタジエン−スチレンゴムおよび前記物質の混合物を含んでもよい。
【0074】
好適な材料は、セルロースアセテート、アクリル酸とメタクリル酸エステルのコポリマー、メチルメタクリレートとエチルアクリレートのコポリマー、およびアクリル酸エステルのラテックスを含んでもよい。好適なコポリマーは、商標EUDRAGIT Eの下で販売されているポリ(ブチルメタクリレート),(2−ジメチルアミノエチル)メタクリレート,メチルメタクリレート)1:2:1、150,000;商標EUDRAGIT NE 30 Dの下で販売されているポリ(エチルアクリレート,メチルメタクリレート)2:1、800,000;商標EUDRAGIT Lの下で販売されているポリ(メタクリレート,メチルメタクリレート)1:1、135,000;商標EUDRAGIT Lの下で販売されているポリ(メタアクリル酸,エチルアクリレート)1:1、250,000;商標EUDRAGIT Sの下で販売されているポリ(メタクリル酸,メチルメタクリレート)1:2、135,000;商標EUDRAGIT RLの下で販売されているポリ(エチルアクリレート,メチルアクリレート,塩化トリメチルアンモニオエチルメタクリレート)1:2:0.2、150,000;およびEUDRAGIT RSの下で販売されているポリ(エチルアクリレート,メチルメタクリレート,塩化トリメチルアンモニオエチルメタクリレート)1:2:0.1、150,000を含んでもよい。各場合とも、比率x:y:zはモノマー単位のモル比を示し、最後の数はポリマーの数平均分子量である。特に、クエン酸アセチルトリブチルのような可塑剤を含有するセルロースアセテート、およびエチルアクリレートとメチルメタクリレートのコポリマー、例えばEudragit NEが好適である。
【0075】
バリヤー層として使用するための前記材料は、膨張性層によって及ぼされる力がバリヤー層によって形成されたコンパートメントをつぶして液状活性作用物調合物を分配できるように、可塑剤とともに調合されて、適当に変形可能なバリヤー層を形成することができる。典型的な可塑剤の例は、次のとおりである:多価アルコール、トリアセチン、ポリエチレングリコール、グリセロール、プロピレングリコール、酢酸エステル、グリセロールトリアセテート、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、グリセリド、アセチル化モノグリセリド、油、鉱油、ヒマシ油など。可塑剤は、材料の重量に対して10〜50重量%の量で材料中に混合される。
【0076】
バリヤー層、膨張性層および半透過性層を形成する種々の層は、すべての目的のために引用によって完全に本明細書に組み入れられている米国特許第5,324,2810号に記述されているような慣用のコーティング方法によって適用されてもよい。バリヤー層、膨張性層および半透過性壁は単一の層として便宜的に図示さえれ、かつ記述されているが、これらの層の各々は数層から構成されてもよい。例えば、特定の応用では、バリヤー層の透過性特性を有する第2の層のコーティングを容易にする材料の第1層によりカプセルをコートすることが望ましいであろう。この場合には、第1と第2の層はバリヤー層を含有する。類似の考慮が半透過性層および膨張性層にも適合するであろう。
【0077】
本明細書で使用されるように、用語「オリフィス」または「出口オリフィス」は、投薬形態物から活性作用物を放出するために適当な手段を含む。この表現は、孔(aperture)、ホール(hole)、ボア(bore)、ポアー(pore)、多孔質要素、多孔質オーバーレイ(overlay)、多孔質挿入断片、中空繊維、毛細管、微孔性挿入断片、微孔性オーバーレイなどを含む。出口オリフィスは、混成壁から前記通路を、機械的穴空け(drilling)、レーザー穴空け、被侵食要素の侵食、抽出、溶解、破裂または浸出することによって形成されてもよい。出口オリフィスは、すべての目的のために引用によって完全に本明細書に組み入れられている、米国特許第4,200,098号に開示されているような壁または層からソルビトール、ラクトースなどを浸出することによって形成される細孔であってもよい。この特許は、壁から材料を、例えばセルロースアセテートからソルビトールを、溶解、抽出または浸出することによって形成される制御されたサイズの多孔率をもつ細孔を開示している。レーザー穴空けの好適な形態はパルスレーザーの使用であり、これは混成壁から材料を所望の深さまで増大的に除去して、出口オリフィスを形成する。
【0078】
製薬学的組成物は、一般に、無菌の、実質的に等張性であるように、そしてthe U.S.Food and Drug Administrationの全Good Manufacturing Practice(GMP)規制に完全にしたがって調合される。 本発明の浸透性デバイスは、場合によっては1層以上の薬物層を含有してもよい。多層の薬物層を有する浸透性デバイスでは、層の間の薬物濃度勾配は、長時間にわたって上昇的な薬物放出速度の達成を助長する。例えば、本発明の1つの実施態様では、浸透性投薬形態物は、第1層および第2層を含有し、この場合、第1層内に含有される薬物の濃度は、第2層内に含有される薬物の濃度を超えていて、膨張性層は第3層内に含有される。投薬形態物のコアから外側に順に、第1薬物層、第2薬物層および膨張性層が存在する。投薬形態物構成成分の共同作用による作動において、トピラメートは、長時間にわたって上昇的な放出速度が達成されるように、第2のトピラメート層から、次いで第1のトピラメート層から持続かつ制御方式で連続して放出される。
【0079】
本発明からの放出は、例えば、24時間にわたって有効な治療を提供する。本発明の投薬形態物は、投薬形態物の組成に応じて、均一なゼロ次または均一な上昇的速度においてコアからトピラメートを放出することができる。
【0080】
本発明の投薬形態物は、薬物が本明細書で記述されたような標準的放出速度アッセイにおいて決定される均一な放出速度において放出される長時間を含む連続する時間にわたる薬物の持続放出を発揮する。この方法は、長時間にわたる治療指示に応じて種々の放出速度において化合物を放出するよう適応されている投薬形態物を用いて実行される。
【0081】
前記発明は、明快な理解のために例によって詳細に説明されたが、ある種の変更および修飾が開示によって包含され、そして制約のない具体的説明によって提示される付随する特許請求の範囲内で、過度の試験なしに実行できることは当業者に明白である。
【0082】
先に引用された全出版物および特許文献は、各々がそんなに個々には記述されないけれども同程度に、すべての目的のために引用によって完全に本明細書に組み入れられている。
【0083】
各列挙された範囲は、範囲のすべての組み合わせおよび準組み合わせ、ならびにそこに含有される特定の数字を含む。
実施例
【実施例1】
【0084】
硬質キャップ経口浸透性デバイスシステムは、GI管において有益なトピラメートを分配するために製造された。第1に、浸透性層の形成はGlatt流動床造粒機(FBG)により造粒された。1種の乾燥成分−NaClが、最大に設定された速度において21メッシュのスクリーンを備えたQuadro粉砕機を用いて分粒/篩別(sized/screened)された。次に示す乾燥成分を造粒機ボウルに添加した:58.75%NaCMC、30%分粒/篩別NaCl、5.0%HPMC E−5および1.0%赤色酸化鉄(III)。成分をボウル中で混合した。別の容器に、純水中に5.0%HPC EFを溶解することによって造粒溶液を製造した。溶液の全部を適用し、そして粉末が粒状になるまで造粒用溶液を流動粉末上に噴霧した。0.25%ステアリン酸Mgを顆粒と混合した。
【0085】
第2に、浸透性層顆粒およびKolloidoneSRを、打錠用プレスまたはCarver Pressを用いて二重層錠剤に圧縮した。浸透性層顆粒の250mgを0.70cmパンチ(下部パンチ:改変ボール(ball)、上部パンチ:改変)に添加し、つき固め、次いでKolloidoneSR80mgを添加して、約1メートルトンの力の下で最終的に浸透性/バリヤー2重層錠剤に圧縮した。
【0086】
第3に、40%トピラメートを機械撹拌機を用いて30%Cremophor ELおよび30%PEG400中に溶解した。
【0087】
次に、HMPC硬質カプセル(透明、サイズ0)を先ず2つの部分(ボディーとキャップ)に別けた。薬物層組成物(500mg)をカプセルボディー中に充填し、次いで浸透性/バリヤー錠剤を充填されたカプセルボディー中に配置した、
次に、80%セルロースアセテート398−10および20%PluronicF−68を含有する膜組成物を、アセトンに溶解して4%の固形分を有するコーティング溶液を作成した。この溶液を12”Freud Hi−Coaterにおいて予備コートする組み立て物上に噴霧した。組み立て物は、速度制御性膜の50〜100mgによりコートされた。
【0088】
膜コーティング後、このシステムをBlueオーブン中で30℃で一夜乾燥した。オリフィスの0.5mmを穴空け深さを制御しながら機械ドリルを用いて薬物層側に穴空けした。各システムはトピラメート200mgを含有した。膜重量を調節することによって、システムの放出期間が制御できる。
【実施例2】
【0089】
実施例1の手順がこの実施例において繰り返されて次に示すシステムを提供した。浸透性/バリヤー2重層錠剤の組成物および速度制御性膜は実施例1におけるものと同一である。しかし、薬物層組成物は重量%で、60%トピラメート、20%Cremophor
ELおよび20%PEG400を含有する。このシステムの用量は300mgであった。
【実施例3】
【0090】
本発明の経口投薬形態物のための次の投薬量範囲および薬物濃度は代表的でのみあり、溶解度研究の結果に基づいて提案される。
【0091】
【表1】

【0092】
【表2】

【0093】
【表3】

【0094】
【表4】

【0095】
【表5】

【0096】
【表6】

【実施例4】
【0097】
上昇的放出速度のためのトピラメート多重層硬質キャップ250mgシステムを製造するための予言的(prophetic)実施例。
【0098】
浸透性薬物送達デバイスとして適応され、設計され、そして形成された投薬形態物を、次のように製造する:薬物層1:Solutol HS−15(または例えば、Gelucire44/14)4500gおよびポリエチレングリコール400(PEG−400)1500gを40℃(Gelucire44/14では50℃)に予熱されているタンクをもつジャケット付混合タンクに添加し、次いで、タンク中の添加物を液化し、そして十分混合した後、トピラメート4000gを混合タンク中に添加する。タンク中の全成分が均質な混合物になるまで混合を継続する。冷却により、調合物は固化され、そして性質は半固体になる。
【0099】
次に薬物層2を次のように製造する:Solutol HS−15(または例えば、Gelucire44/14)3000gおよびポリエチレングリコール400(PEG−400)1000gを予め融解されているSolutolHS−15(またはGelucire44/14)とともに混合機に添加する。次いで、タンク中の添加物を液化し、そして十分混合した後にトピラメート6000gを混合タンク中に添加する。タンク中の全成分が均質な混合物になるまで混合を継続する。冷却により、調合物は固化され、そして性質は半固体になる。
【0100】
次に、2重層浸透性エンジンを次のように製造する:押し出し顆粒を製造し、続いて押し出し顆粒とバリヤー材料(50%コリドン(kollidone)および50%微細ワックス)を多重層Korschプレスにおいて2重層浸透性エンジン(押し出し顆粒300mgおよび150バリヤー材料)に圧縮する。2重層エンジンの直径は、2重層エンジンが0サイズHMPCまたはゼラチン硬質カプセル中にきっちり適合するように十分に定められなければならない。押し出し顆粒を次のように製造する:第1に、結合剤溶液を製造する。40,000の平均分子量を有するK29−32と同定されるポリビニルピロリドン15.6kgを水104.4kgに溶解する。次いで、塩化ナトリウム24kgおよび酸化鉄(III)1.2kgを21メッシュのスクリーンを備えたQuadro Comilを用いて分粒する。次いで、篩別した材料およびポリエンジンオキシド(約2,000,000分子量)88.44kgを流動床造粒機ボウルに添加する。乾燥材料を流動させ、そして結合剤溶液46.2kgを粉末上に3個のノズルから噴霧した。顆粒を許容できる水分レベルまで流動床室において乾燥する。コートされる顆粒を7メッシュのスクリーンを備えたFluid Air milを用いて分粒する。顆粒をトートタンブラーに移し、ブチル化ヒドロキシトルエン15gと混合し、そして294gのステアリン酸マグネシウムで滑沢化した。
【0101】
次に、2種の液状調合物層および2重層浸透性エンジンを硬質キャップ組み立て機において硬質キャップ送達システムに組み立てる。製造工程は次のように記述される:予め液化した調合物層1の250mgをハーフ・ボディーHPMCカプセル(0−サイズHPMCカプセルは充填工程を開始する前にキャップを外しておく)中に充填する。調合物層1を急速冷却工程において固化させる。次に、予め液化した調合物層2の250mgを層1の上側のカプセル中に充填する。調合物層2を急速冷却工程において固化させる。次に、2重層浸透性エンジンを調合物層2の上側のカプセル中に挿入する。
【0102】
多重層配置物を半透過性壁によりコートする。壁形成用組成物は、39.8%アセチル含量を有する99%セルロースアセテートおよび3.350粘度−平均分子量を有する1%ポリエチレングリコール含有する。壁形成用組成物をアセトン:水(95:5wt:wt)共溶媒に溶解して5%固形物溶液を作成する。壁形成組成物を、パンCoaterにおいて膜約39mgが各錠剤に適用されるまで多重層配置物の上および周囲に噴霧する。
【0103】
次に、1つの30mil(0.76mm)出口通路を半透過性壁をとおしてレーザーで穴空けして、薬物層を投薬形態物の外部と連結させる。残留溶媒を、40℃、周囲湿度において約48〜72時間乾燥して除去した。
【0104】
次に、穴空けし、乾燥したシステムに彩色オーバーコートを施した。彩色オーバーコートは水中Opadryの12%固形物懸濁液である。彩色オーバーコート懸濁液を、シス
テム当たり約25mgの平均湿潤コート重量が達成されるまでオーバーコートされる薬物システム上に噴霧する。
【0105】
この製造によって製造された投薬形態物は、上昇的送達パターンにおいてトピラメート250mgを送達するよう設計されている。
【実施例5】
【0106】
種々の担体における薬物溶解度。
【0107】
100%PEG400において45%トピラメートが完全に溶解されることが見い出されたが、このことは、0サイズのカプセルを用いて200〜250mg投薬量をもつ硬質キャップ投薬形態物の製造を可能にする。90/10,80/20または70/30のPEG400/Cremophor ELにおいては、20〜30%トピラメートが完全に溶解され、このことは、0サイズのカプセルを用いて100〜150mgトピラメートをもつ硬質キャップ投薬形態物の製造を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の硬質キャップ投薬形態物を図で示している。
【図2】本発明の軟質キャップ投薬形態物を図で示している。
【図3】本発明によって提供される投薬形態物からのトピラメートの放出パターンを図で示している。原型硬質キャップ投薬形態物(200mgトピラメート)は16時間までの間にDI水中に放出された。薬物濃度はRI検出器を有するHPLCによって分析された。
【図4】多数の薬物層を含んでなる投薬形態物について予期される上昇的放出速度を図で示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投薬形態物が、
a.外部の生物学的流体の通過に対して透過性であり、そして薬物調合物の通過には実質的に不透過性である半透過性壁であって、少なくとも1つの層は非水性液体担体中に可溶化されたトピラメートを含んでなる薬物層であり、少なくとも1つの他の層は膨張性である複数の層を含有するコンパートメントを取り囲み、そして形成する前記半透過性壁;および
b.投薬形態物から環境へトピラメートを送達するための、投薬形態物の外部とトピラメート調合物を連絡している半透過性壁におけるオリフィス:
を含んでなる、液状調合物におけるトピラメートの制御放出送達のための投薬形態物。
【請求項2】
液状調合物が、親油性溶媒、界面活性剤、親水性溶媒またはそれらの組み合わせ物を含有する、請求項1の投薬形態物。
【請求項3】
親水性溶媒が液状ポリマーである、請求項2の投薬形態物。
【請求項4】
膨張性層が浸透性層である、請求項1の投薬形態物。
【請求項5】
膨張性層が流体により膨張可能なポリマーを含有する、請求項1の投薬形態物。
【請求項6】
コンパートメントがさらにバリヤー層を含有する、請求項1の投薬形態物。
【請求項7】
バリヤー層が水に対して不透過性である、請求項6の投薬形態物。
【請求項8】
膨張性層が経線方向に(longitudinally)圧縮される、請求項6の投薬形態物。
【請求項9】
トピラメート層が軟質カプセル中に内包され、そしてカプセルから外側に順に、バリヤー層、膨張性層および半透過性壁が存在する、請求項7の投薬形態物。
【請求項10】
バリヤー層がカプセル上のコーティングとして形成される、請求項9の投薬形態物。
【請求項11】
膨張性層がバリヤー層上にコートされた浸透性層として形成される、請求項10の投薬形態物。
【請求項12】
半透過性壁はが透性層上のコーティングとして形成される、請求項11の投薬形態物。
【請求項13】
トピラメート層、バリヤー層および膨張性層が硬質カプセル中に内包され、バリヤー層は膨張性層からトピラメート層を分離し、そして硬質カプセルを取り囲んで半透過性壁が存在する、請求項1の投薬形態物。
【請求項14】
膨張性層がバリヤー層上に圧縮された浸透性層として形成される、請求項13の投薬形態物。
【請求項15】
液状調合物が親水性溶媒を含有する、請求項1の投薬形態物。
【請求項16】
親水性溶媒が液状ポリマーである、請求項15の投薬形態物。
【請求項17】
液状ポリマーがポリエチレングリコールである、請求項16の投薬形態物。
【請求項18】
液体担体に可溶化されたトピラメートを含有する第2の層をさらに含んでなる、請求項13の投薬形態物。
【請求項19】
第2の層が第1の層を超える濃度のトピラメートを含有する、請求項18の投薬形態物。
【請求項20】
液状調合物が溶液または懸濁液である、請求項1の投薬形態物。
【請求項21】
液状調合物が自己乳化性調合物である、請求項1の投薬形態物。
【請求項22】
自己乳化性調合物が液体をベースにしている、請求項21の投薬形態物。
【請求項23】
投薬形態物がトピラメート約100mg未満を含有する、請求項1の投薬形態物。
【請求項24】
投薬形態物がトピラメート約100mg〜約800mgを含有する、請求項1の投薬形態物。
【請求項25】
投薬形態物がトピラメート約1mg〜約600mgを含有する、請求項1の投薬形態物。
【請求項26】
投薬形態物がトピラメート約1mg〜約400mgを含有する、請求項1の投薬形態物。
【請求項27】
投薬形態物がトピラメート約1mg〜約300mgを含有する、請求項1の投薬形態物。
【請求項28】
投薬形態物がトピラメート約10mg〜約600mgを含有する、請求項1の投薬形態物。
【請求項29】
投薬形態物がトピラメート約25mg〜約400mgを含有する、請求項1の投薬形態物。
【請求項30】
トピラメートの用量が、投薬形態物の約0.1重量%〜約60重量%である、請求項1の投薬形態物。
【請求項31】
液体担体が、投薬形態物の約30重量%〜約50重量%である、請求項1の投薬形態物。
【請求項32】
薬物層が、トピラメート約10%〜約60%および液体担体約40%〜約90%を含有する、請求項1の投薬形態物。
【請求項33】
薬物層が、トピラメート40%〜約60%および親水性液体溶媒約60%〜約40%を含有する、請求項1の投薬形態物。
【請求項34】
親水性液体溶媒がPEG400である、請求項33の投薬形態物。
【請求項35】
薬物層が、約40%のトピラメート、界面活性剤約30%および親水性液体溶媒約30%を含有する、請求項1の投薬形態物。
【請求項36】
界面活性剤がCremophor ELまたはsolutolであり、そして親水性液体溶媒がPEG400である、請求項35の投薬形態物。
【請求項37】
薬物層が、約60%のトピラメート、界面活性剤約20%および親水性液体溶媒約20%を含有する、請求項1の投薬形態物。
【請求項38】
界面活性剤がCremophor ELまたはsolutolであり、そして親水性液体溶媒がPEG400である、請求項37の投薬形態物。
【請求項39】
液体担体が、界面活性剤および親水性溶媒を60%の界面活性剤対40%の親水性液体溶媒の比で含有する、請求項1の投薬形態物。
【請求項40】
界面活性剤がCremophor ELまたはsolutolであり、そして親水性溶媒がPEG400である、請求項39の投薬形態物。
【請求項41】
液状調合物におけるトピラメートの制御放出送達方法であって、被験者にトピラメートの持続放出液状調合物投薬形態物を投与することを含んでなり、投薬形態物が、
a.外部の生物学的流体の通過に対して透過性であり、そして薬物調合物の通過には実質的に不透過性である半透過性壁であって、少なくとも1つの層は液体担体中に可溶化されたトピラメートを含んでなる薬物層であり、少なくとも1つの他の層は膨張性である複数の層を含有するコンパートメントを取り囲み、そして形成する前記半透過性壁;および
b.デバイスから環境へトピラメートを送達するための、デバイスの外部とトピラメート調合物を連絡している半透過性壁におけるオリフィス:
を含んでなる、上記方法。
【請求項42】
液状調合物が、親油性溶媒、界面活性剤、親水性溶媒またはそれらの組み合わせ物を含有する、請求項41の投薬形態物。
【請求項43】
液体担体が親水性溶媒.液体ポリマーである、請求項41の投薬形態物。
【請求項44】
親水性溶媒が液体ポリマーである、請求項43の投薬形態物。
【請求項45】
膨張性層が浸透性層である、請求項41の方法。
【請求項46】
コンパートメントがさらにバリヤー層を含有する、請求項41の方法。
【請求項47】
トピラメート層が軟質カプセル中に内包され、そしてカプセルから外側に順に、バリヤー層、膨張性層および半透過性壁が存在する、請求項46の投薬形態物。
【請求項48】
トピラメート層、バリヤー層および膨張性層が硬質カプセル中に内包され、バリヤー層が膨張性層からトピラメート層を分離し、そして硬質カプセルを取り囲んで半透過性壁が存在する、請求項46の投薬形態物。
【請求項49】
トピラメートの放出速度がゼロ次である、請求項41の方法。
【請求項50】
トピラメートの放出速度が上昇的(ascending)である、請求項48の方法。
【請求項51】
非水性液体担体に可溶化されたトピラメートを含んでなる第2の層をさらに含有する、請求項48の方法。
【請求項52】
第2の層が第1の層を超える濃度のトピラメートを含有する、請求項51の方法。
【請求項53】
トピラメートが第2の層から、次いで第1の層から連続して放出される、請求項52の方法。
【請求項54】
投薬形態物がトピラメート約100mg未満を含有する、請求項41の方法。
【請求項55】
投薬形態物がトピラメート約100mg〜約600mgを含有する、請求項41の方法。
【請求項56】
投薬形態物がトピラメート約1mg〜約400mgを含有する、請求項41の方法。
【請求項57】
投薬形態物がトピラメート約1mg〜約300mgを含有する、請求項41の方法。
【請求項58】
投薬形態物がトピラメート約15mg〜約600mgを含有する、請求項41の方法。
【請求項59】
投薬形態物がトピラメート約25mg〜約400mgを含有する、請求項41の方法。
【請求項60】
トピラメートの用量が、投薬形態物の約0.1重量%〜約60重量%である、請求項41の方法。
【請求項61】
液体担体が、投薬形態物の約30重量%〜約50重量%である、請求項41の方法。
【請求項62】
薬物層が、トピラメート約10%〜約60%および液体担体約40%〜約60%を含有する、請求項41の方法。
【請求項63】
薬物層が、トピラメート約40%〜約60%および親水性液体溶媒約60%〜約40%を含有する、請求項41の方法。
【請求項64】
親水性液体溶媒がPEG400である、請求項63の方法。
【請求項65】
薬物層が、約40%のトピラメート、界面活性剤約30%および親水性液体溶媒約30%を含有する、請求項41の方法。
【請求項66】
界面活性剤がCremophor ELまたはsolutolであり、そして親水性溶媒がPEG400である、請求項65の方法。
【請求項67】
薬物層が、約60%のトピラメート、界面活性剤約20%および親水性液体溶媒約20%を含有する、請求項41の方法。
【請求項68】
界面活性剤がCremophor ELまたはsolutolであり、そして親水性液体溶媒がPEG400である、請求項67の方法。
【請求項69】
液体担体が、界面活性剤および親水性液体溶媒を60%の界面活性剤対40%の親水性液体溶媒の比で含有する、請求項41の方法。
【請求項70】
界面活性剤がCremophor ELまたはsolutolであり、そして親水性溶媒がPEG400である、請求項69の方法。
【請求項71】
被験者への液状形態物におけるトピラメートの投与方法であって、
a.外部の生物学的流体の通過に対して透過性であり、そして薬物調合物の通過には実質的に不透過性である半透過性壁であって、少なくとも1つの層は液体担体中に可溶化されたトピラメートを含んでなる薬物層であり、少なくとも1つの他の層は膨張性である複数の層を含有するコンパートメントを取り囲み、そして形成する前記半透過性壁;およびb.デバイスから被験者に対する環境へトピラメートを送達するための、デバイスの外部と
トピラメート調合物を連絡している半透過性壁におけるオリフィス:
を含んでなる投薬形態物を経口的に投与することを含んでなる、上記方法。

【請求項72】
被験者が発作を罹患している、請求項71の方法。
【請求項73】
被験者が気分障害を罹患している、請求項71の方法。
【請求項74】
被験者が肥満している、請求項71の方法。
【請求項75】
被験者が糖尿病を罹患している、請求項71の方法。
【請求項76】
被験者が摂食障害を有する、請求項71の方法。
【請求項77】
被験者が片頭痛を罹患している、請求項71の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−511519(P2007−511519A)
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−539847(P2006−539847)
【出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【国際出願番号】PCT/US2004/037616
【国際公開番号】WO2005/048981
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(503073787)アルザ・コーポレーシヨン (113)
【Fターム(参考)】