説明

液状石鹸類の供給容器

【課題】詰め替え用袋内の液状石鹸類を容易、かつ、確実に供給容器内に移すことができる液状石鹸類の供給容器を提供する。
【解決手段】容器本体1の上端1aを開口し、該容器本体の上端にはポンプ手段3を備えた外蓋5を該容器本体に対し分離自在に取り付け、該容器本体の上端には内蓋13を開閉自在に備えさせ、該内蓋には該内蓋を内外に貫通するスリット17を形成し、該容器本体から外蓋を分離させると共に内蓋を開いた状態で液状石鹸類を収納した詰め替え用袋19を容器本体内に入れて該詰め替え用袋の一端19aを開口させ、該詰め替え用袋の他端19bを内蓋のスリットに挿入させた状態で該内蓋を容器本体の上端に嵌め、該詰め替え用袋の他端を上方に引き上げることにより該詰め替え用袋内の液状石鹸類を該スリットにより該容器本体内に搾り出すようにした液状石鹸類の供給容器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状石鹸類の供給容器に関するものであり、特に詰め替え用袋内の液状石鹸類を供給容器内に容易に移すことができるようにした液状石鹸類の供給容器に係るものである。
【0002】
本出願における「液状石鹸類」には、シャンプー、リンス、トリートメント、コンディショナー、ボディシャンプー等が含まれる。
【背景技術】
【0003】
液状石鹸類は、例えば実公平7−25121号公報に示すように、一般にポンプ手段を備えた供給容器に収納されている。
【0004】
また、液状石鹸類を収納した詰め替え用袋も販売されている。この詰め替え用袋は、液状石鹸類の供給容器内の液状石鹸類を使い尽くしたときに、該供給容器を廃棄することなく、該詰め替え用袋内の液状石鹸類を該供給容器に補充するようにしたものである。
【特許文献1】実公平7−25121号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
詰め替え用袋内の液状石鹸類を供給容器内に移す際には、供給容器からポンプ手段を抜き取って供給容器の口部を露出させ、該詰め替え用袋の一部を切除して開口し、該詰め替え用袋の開口部を供給容器の口部に挿入した状態で該詰め替え用袋を手で絞って液状石鹸類を供給容器に注入するという手法が用いられている。
【0006】
しかるに、供給容器の口部は直径が小さいため、詰め替え用袋内の液状石鹸類を供給容器へ移す作業は困難であり、しばしば液状石鹸類が供給容器外へこぼれることがあり、さらに、詰め替え用袋内の液状石鹸類を十分に取り出すことができず、詰め替え用袋内に液状石鹸類が残存するという問題もある。
【0007】
本発明は、上述の如き問題を解決し、詰め替え用袋内の液状石鹸類を容易に、かつ、詰め替え用袋内に液状石鹸類を残存させることなく確実に、供給容器内に移すことができるようにした液状石鹸類の供給容器を提供しようとしてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は下記の液状石鹸類の供給容器を提供する。
【0009】
(1)容器本体の上端を開口し、該容器本体の上端にはポンプ手段を備えた外蓋を該容器本体に対し分離自在に取り付け、該容器本体の上端には内蓋を開閉自在に備えさせ、該内蓋には該内蓋を内外に貫通するスリットを形成し、
該容器本体から外蓋を分離させると共に内蓋を開いた状態で液状石鹸類を収納した詰め替え用袋を容器本体内に入れて該詰め替え用袋の一端を開口させ、該詰め替え用袋の他端を内蓋のスリットに挿入させた状態で該内蓋を容器本体の上端に嵌め、該詰め替え用袋の当該他端を上方に引き上げることにより該詰め替え用袋内の液状石鹸類を該スリットにより該容器本体内に搾り出すようにしたことを特徴とする液状石鹸類の供給容器(請求項1)。
【0010】
(2)前記内蓋の一端を前記容器本体の上端の一縁に開閉自在に枢着する(請求項2)。
【0011】
(3)前記内蓋の内側における前記スリットの両側部には詰め替え用袋の前記他端を該スリットに案内するガイドを備えさせる(請求項3)。
【発明の効果】
【0012】
[請求項1の発明]
請求項1の発明によれば、液状石鹸類を収納した詰め替え用袋を容器本体内に入れて該詰め替え用袋の一端を開口させ、該詰め替え用袋の他端を内蓋のスリットに挿入(挿通)させた状態で該内蓋を容器本体の上端に嵌め、該詰め替え用袋の当該他端を上方に引き上げることにより該詰め替え用袋内の液状石鹸類を該スリットにより該容器本体内に搾り出すようにしたため、詰め替え用袋内の液状石鹸類を容易に、かつ、詰め替え用袋内に液状石鹸類を残存させることなく確実に、供給容器内に移すことができる。このとき、液状石鹸類が供給容器外へこぼれることはない。
【0013】
[請求項2の発明]
請求項2の発明によれば、内蓋の一端を前記容器本体の上端の一縁に開閉自在に枢着したため、内蓋を閉めつつ詰め替え用袋の前記他端と内蓋のスリットとを目視しながら詰め替え用袋の前記他端を該スリットに容易に挿通させることができる。
【0014】
[請求項3の発明]
請求項3の発明によれば、内蓋の内側におけるスリットの両側部には詰め替え用袋の前記他端を該スリットに案内するガイドを備えさせているため、詰め替え用袋の前記他端は該ガイドにより該スリット内に案内される。したがって、詰め替え用袋の前記他端を該スリットに挿通させる作業は一層容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
符号1に示すものは、液状石鹸類の供給容器における容器本体である。容器本体1は、箱状、円筒状その他如何なる形状を備えたものであっても差し支えない。
【0016】
容器本体1の上端1aを開口し、該容器本体1の上端1aにはポンプ手段(ポンプ装置)3を備えた外蓋5を容器本体1に対し分離自在(開閉自在)に取り付ける。
【0017】
外蓋5を容器本体1に対し分離自在に取り付けるとは、外蓋5を容器本体1の上端1aに例えば取り外し自在に嵌着若しくは螺合し、又は開閉自在に枢着することをいう。
【0018】
ポンプ手段3は、液状石鹸類の供給容器に従来より使用されているものでよい。符号7に示すものはシリンダ、符号9に示すものは押下ヘッド、符号11に示すものはノズルである。
【0019】
容器本体1の上端1aには内蓋13を開閉自在に備えさせる。
【0020】
図2、図3に示す事例においては、内蓋13の一端13aを容器本体1の上端1aの一縁1a’にヒンジ15を介して開閉自在に枢着している。なお、内蓋13は、容器本体1の上端1aに開閉自在に螺合又は嵌着させてもよい。
【0021】
内蓋13には該内蓋13を内外に貫通するスリット17を形成する。スリット17は、液状石鹸類を収納した詰め替え用袋19が該スリット17内を通過する時に該詰め替え用袋19内の液状石鹸類を搾り出すに適した間隔を備えたものとする。
【0022】
図5に示す内蓋13は、箱状の容器本体1に備えさせるものであって、略長方形状をなし、直線状のスリット17を有する。
【0023】
図6に示す内蓋13は、円筒状の容器本体1に備えさせるものであって、円形状をなし、略U字状のスリット17を有する。
【0024】
容器本体1から外蓋5を分離させると共に内蓋13を開いた状態で液状石鹸類を収納した詰め替え用袋19を容器本体1内に入れて該詰め替え用袋19の一端19aを切除等により開口させ、該詰め替え用袋19の他端19bを内蓋13のスリット17に挿入させた状態で該内蓋13を容器本体1の上端1aに嵌め、該詰め替え用袋19の他端19bを上方に引き上げることにより該詰め替え用袋19内の液状石鹸類を該スリット17により該容器本体1内に搾り出す。図1〜図3参照。なお、該詰め替え用袋19を該スリット17より上方に抜き取ることはいうまでもない。
【0025】
内蓋13の内側における前記スリット17の両側部には詰め替え用袋19の前記他端19bを該スリット17に案内するガイド21を備えさせることが望ましい。
【0026】
ガイド21は、詰め替え用袋19の前記他端19bをスリット17に案内し得るものであれば、形状、寸法、個数等を問わない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明による液状石鹸類の供給容器の使用状態を示す断面図である。
【図2】容器本体と内蓋と詰め替え用袋とを示す断面図である。
【図3】容器本体と内蓋と詰め替え用袋とを示す別の断面図である。
【図4】本発明による液状石鹸類の供給容器を示す断面図である。
【図5】スリットの一例を示す平面図である。
【図6】スリットの別の一例を示す平面図である。
【図7】本発明による液状石鹸類の供給容器を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0028】
1 容器本体
1a 上端
1a’ 一縁
3 ポンプ手段
5 外蓋
7 シリンダ
9 押下ヘッド
11 ノズル
13 内蓋
13a 一端
15 ヒンジ
17 スリット
19 詰め替え用袋
19a 一端
19b 他端
21 ガイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体の上端を開口し、該容器本体の上端にはポンプ手段を備えた外蓋を該容器本体に対し分離自在に取り付け、該容器本体の上端には内蓋を開閉自在に備えさせ、該内蓋には該内蓋を内外に貫通するスリットを形成し、
該容器本体から外蓋を分離させると共に内蓋を開いた状態で液状石鹸類を収納した詰め替え用袋を容器本体内に入れて該詰め替え用袋の一端を開口させ、該詰め替え用袋の他端を内蓋のスリットに挿入させた状態で該内蓋を容器本体の上端に嵌め、該詰め替え用袋の当該他端を上方に引き上げることにより該詰め替え用袋内の液状石鹸類を該スリットにより該容器本体内に搾り出すようにしたことを特徴とする液状石鹸類の供給容器。
【請求項2】
前記内蓋の一端を前記容器本体の上端の一縁に開閉自在に枢着したことを特徴とする請求項1に記載の液状石鹸類の供給容器。
【請求項3】
前記内蓋の内側における前記スリットの両側部には詰め替え用袋の前記他端を該スリットに案内するガイドを備えさせたことを特徴とする請求項1又は2に記載の液状石鹸類の供給容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−262967(P2009−262967A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−115515(P2008−115515)
【出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【出願人】(504428898)
【Fターム(参考)】