深夜料金計算システム
【課題】 注文した商品の料金に深夜料金が加算されるか否かにより発生する客と店とのトラブルを防止する。
【解決手段】 会計処理時が深夜料金を請求する深夜時間帯の場合に(ST25でYES)、深夜時間帯に会計処理を行っても深夜料金を加算する処理を行わないようにするための時間帯である遊びの時間帯であるか否かを判断する(ST26)。遊びの時間帯であると判断した場合は(ST26でYES)、深夜料金を請求するために深夜料金フラグを深夜対象フラグにする処理(ST27)を行わない。
【解決手段】 会計処理時が深夜料金を請求する深夜時間帯の場合に(ST25でYES)、深夜時間帯に会計処理を行っても深夜料金を加算する処理を行わないようにするための時間帯である遊びの時間帯であるか否かを判断する(ST26)。遊びの時間帯であると判断した場合は(ST26でYES)、深夜料金を請求するために深夜料金フラグを深夜対象フラグにする処理(ST27)を行わない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注文された商品に対する深夜料金を客に請求する居酒屋、レストラン等の飲食店における深夜料金計算システムに関する。
【背景技術】
【0002】
居酒屋、レストラン等の飲食店において客から注文をうける場合の注文システムとして次のようなものが知られている。店員は例えばハンディターミナルを用いて注文を受けた商品やテーブル番号を入力する。そして、入力された情報がハンディターミナルから情報処理装置で取得され記憶される。その記憶された情報に基づいて、印刷装置により店員から客に渡されるカスタマーチェックプリンタ(CCP)伝票や厨房用の伝票が発行される。CCP伝票は店員により商品を注文した客に渡される。客はCCP伝票に印字された商品名、合計金額等により、商品が注文されたこと、合計金額等を確認することができる。また、このような注文システムにおける会計処理は、客が持参したCCP伝票に印字されたテーブル番号に基づいて情報処理装置からその客が注文した商品の情報を呼び出して行っている。
【0003】
ところで、飲食店の中には商品の料金に加えて深夜サービスに対する料金として深夜料金が加算される店がある。上述のような注文システムにおいては、深夜料金が商品の料金に加算されるか否かは、商品の会計処理時が深夜時間帯であるか否かにより決定されている。
【0004】
なお、レストラン、居酒屋あるいはホテル等において、客から受けた注文を管理する注文管理システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−164081号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の注文システムによると、深夜料金が商品の料金に加算されるか否かが会計処理時に決定される。しかしながら、客が深夜料金を払うのを避けるために深夜料金加算の対象となる時間帯になる前に離席する場合がある。この場合に会計所が混んでいたために客の会計時間が遅くなり、会計処理時が深夜時間帯になってしまうという場合も考えられる。
【0006】
このような場合、深夜料金が加算されるか否かが会計処理時で判断されるため、会計処理装置により商品の料金に深夜料金が加算されて客に請求する合計金額が算出されることになる。
【0007】
客は深夜時間帯となる前に既に離席しているため深夜料金が請求されることに対し不快感を覚え、一方、店員は会計処理装置により算出された合計金額なので深夜料金が商品の料金に加算された合計金額を客に請求する。これでは、客と店との間で深夜料金が加算されるか否かについて口論などのトラブルが発生するという状況が発生することが考えられる。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、注文した商品の料金に深夜料金が加算されるか否かにより発生する客と店とのトラブルを防止する深夜料金計算システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、注文された商品に関する情報及びその商品を注文した客を特定する特定情報を含む注文情報を入力する携帯型注文情報入力装置と、この携帯型注文情報入力装置に入力された注文情報を取得して記憶する情報処理装置と、予め設定された深夜時間帯に注文した商品の会計処理が行われると情報処理装置に記憶された情報を取得して、深夜料金を商品の料金に加算する処理を行う会計処理装置とからなる深夜料金計算システムにおいて、会計処理装置は、会計処理のために情報処理装置に記憶された情報を取得する時間が深夜時間帯に深夜料金を加算する処理を行わない時間帯であると判断した場合は、取得した情報で示される商品の料金に深夜料金を加算する処理をしないものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、注文した商品の料金に深夜料金が加算されるか否かにより発生する客と店とのトラブルを防止する深夜料金計算システムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
明細書についての修正まだ。
【0012】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の深夜料金計算システムが適用されたネットワークシステムを概略的に示す図である。図1に、携帯型注文情報入力装置であるハンディターミナル10、無線親局20、情報処理装置であるステーション30、プリンタ40、会計処理装置であるPOS端末装置50が示されている。ハンディターミナル10と無線親局20とは無線通信可能となっており、無線親局20、ステーション30、プリンタ40、POS端末装置50はLAN1を介して通信可能に接続されている。このネットワークは、例えば居酒屋、レストラン等の飲食店に設けられる。
【0013】
先ず、ハンディターミナル10について説明する。図2は、ハンディターミナル10の要部構成を示すブロック図である。図2に示すように、ハンディターミナル10は、制御部本体を構成するCPU11に、プログラム等を格納したROM12、各種のデータを記憶するRAM13、ディスプレイコントローラ14、入力コントローラ15、無線通信コントローラ16等をバス接続してなる制御回路を内蔵している。そして、ディスプレイコントローラ14にディスプレイ14a、入力コントローラ15に入力部15a、無線通信コントローラ16にアンテナ16aを接続している。
【0014】
ディスプレイコントローラ14は表示データに対応した文字等をディスプレイ14aに表示させる。入力コントローラ15は、入力部15aから操作されたボタンに対応する信号を取り込みCPU11に知らせる。無線通信コントローラ16は無線通信を介して行う無線親局20とのデータ通信を制御する。入力部15aには例えば、飲食店内で販売する料理等の商品が割付けられたボタン、数値を置数するための0から9のボタン、入力したデータを無線親局20に送信するためのボタン等の各種ボタンが配設されている。すなわち、店員が客から受けた注文に対応する商品、注文数、テーブル番号(商品を注文した客を特定する特定情報)等を、入力部15aを用いて入力した後、送信ボタンを押すことにより、テーブル番号、商品、注文数を示す情報を含む注文情報が無線親局20へデータ送信される。
【0015】
無線親局20は、ハンディターミナル10から注文情報を受信すると、受信した注文情報を、LAN1を介してステーション30に送信するようになっている。
【0016】
続いて、ステーション30について説明する。ステーション30は客から受けたテーブル番号、商品、注文数を示す情報を含む注文情報を無線親局20から取得し、その取得した注文情報を記憶するとともにその注文情報に基づく印字情報を生成しLAN1を介してプリンタ40へ送信するものである。また、ステーション30はPOS端末装置50からの所定の指示を受信すると記憶している情報をPOS端末装置50へ送信するとともに前記指示とは別の所定の指示を受信すると記憶している注文情報等の消去を行うようになっている。
【0017】
図3は、ステーション30の要部構成を示すブロック図である。ステーション30は、制御部本体を構成するCPU31に、プログラム等を格納したROM32、各種のデータを記憶するRAM33、ディスプレイコントローラ34、入力コントローラ35、現在の日時を計時する時計部36、ネットワークコントローラ37等をバス接続してなる制御回路を内蔵している。そして、ディスプレイコントローラ34にディスプレイ34a、入力コントローラ35に入力部35a、ネットワークコントローラ37にLAN1を接続している。
【0018】
ディスプレイコントローラ34は表示データに対応した文字等をディスプレイ34aに表示させる。入力コントローラ35は、入力部35aから操作されたボタンに対応する信号を取り込みCPU31に知らせる。ネットワークコントローラ37は、LAN1を通じて行なうデータ通信を制御する。
【0019】
ROM32には注文情報受信処理を実行するためのプログラムが記憶されている。また、RAM33にはテーブル番号毎の情報を記憶するテーブルが記憶されている。図4はこのテーブルTを例示するものである。テーブルTには、テーブル番号毎に、注文情報を受信した日時、商品名、注文数、料金、深夜料金フラグ、深夜料金を記憶するエリアが設けられている。図4においては、テーブル番号“1”の客から2005年12月12日21時30分に、500円の商品Aが1つ注文された状態を示している。
【0020】
深夜料金フラグのエリアには、注文を受けた日時が、深夜料金の対象外である通常の時間帯には、“深夜非対象フラグ”が、深夜時間帯である場合に“深夜対象フラグ”が記憶される。図5(a)は、RAM33の所定エリアに記憶される深夜時間帯の設定33aを示す図である。深夜時間帯の開始時間と終了時間が設定できるようになっている。図5(a)においては、深夜時間帯の設定時間は開始時間が22時、終了時間が翌日の5時と設定されている。したがって、テーブルTの21時30分に注文された商品Aと対応して“深夜非対象フラグ”が記憶されている。また、図5(b)に示すように、RAM33には、深夜サービスに対する深夜料金を設定する深夜料金設定エリア33bが設けられている。この実施の形態では深夜料金は、商品の料金に対して2.2%が深夜料金として算出されるように設定されている。なお、この深夜料金は、商品の料金から消費税分を引いた金額に対して計算される。また、RAM33には店内で販売する料理などの商品に関する料金、商品コード等の商品情報も記憶されている。さらにRAM33は図示しない電源のバックアップを受けてデータを保持できるようになっている。
【0021】
プリンタ40は、ステーション30から送信された印字情報に基づいて、注文された商品の商品名、料金、テーブル番号、及びテーブル番号を示すバーコード等が印字されたCCP伝票を発行する。このようにして発行されたCCP伝票は店員によりテーブル番号が示すテーブルの客に渡される。また、LAN1でプリンタ40のみ図示しているが、厨房にキッチン用のプリンタが1台設置されている。このキッチン用のプリンタは厨房用の注文伝票を発行するようになっている。
【0022】
続いてPOS端末装置50について説明する。図6は、POS端末装置50の要部構成を示すブロック図である。POS端末装置50は、制御部本体を構成するCPU51に、プログラム等を格納したROM52、各種のデータを記憶するRAM53、現在の日時を計時する時計部54、I/Oポート55、ネットワークコントローラ56、キーボードコントローラ57、タッチパネルコントローラ58、ディスプレイコントローラ59、プリンタコントローラ60、スキャナインタフェース(I/F)61等をバス接続してなる制御回路を内蔵している。
【0023】
そして、I/Oポート55にモードスイッチ55aとドロワ開放装置55bとを接続し、ネットワークコントローラ56にLAN1を接続し、キーボードコントローラ57にキーボード57aを接続し、タッチパネルコントローラ58にタッチパネル付きディスプレイのタッチパネルセンサ58aとディスプレイ部58bとを接続し、ディスプレイコントローラ59に客用のディスプレイ59aを接続し、プリンタコントローラ60にプリンタ60aを接続し、スキャナインタフェース61にスキャナ61aを接続している。
【0024】
ネットワークコントローラ56は、LAN1を通じて行なうデータ通信を制御する。キーボードコントローラ57は、キーボード57aから操作されたキーに対応するキー信号を取り込みCPU51に知らせる。タッチパネルコントローラ58は、CPU51からの指令によりディスプレイ部58bに各種の画面を選択的に表示させるとともに、タッチパネルセンサ58aの信号を取り込みタッチ位置座標を求めてCPU51に知らせる。ディスプレイコントローラ59は、客の支払う合計金額等の表示データに対応した文字等をディスプレイ59aに表示させる。プリンタコントローラ60は、プリンタ60aによるレシート印字及びジャーナル印字を制御する。スキャナインタフェース61は、スキャナ61aにてスキャニングされたバーコードデータを入力する。なお、キーボード57aは、数値データを置数入力するための置数キーの他、PLUキー,小計キー,預/現計キー,合計キー等の各種ファンクションキーを配設したものである。モードスイッチ55aは各種業務モードを選択するためのものである。
【0025】
図7は、RAM53に記憶されるデータを示す図である。RAM53には、深夜時間帯エリア531、時間帯設定手段である遊びの時間帯エリア532、深夜料金設定エリア533、取引バッファ534が設けられている。深夜時間帯エリア531は、図5(a)を参照して説明した深夜時間帯と同一の深夜時間帯が記憶される。すなわち、深夜サービスの対象となる深夜時間帯は、22時から翌日の5時までである。遊びの時間帯エリア532には、遊びの時間帯が記憶される。遊びの時間帯とは、深夜時間帯に会計処理を行っても深夜料金を加算する処理を行わないようにするための時間帯である。この実施の形態では、深夜時間帯の開始時間である22時から22時15分までが遊びの時間帯として設定されている。なお、遊びの時間帯の設定は店舗の大きさ等に応じて設定変更可能となっている。深夜料金設定エリア533は、図5(b)を参照して説明した深夜料金の設定と同一の深夜料金設定を記憶する。
【0026】
取引バッファ534は、後述する会計処理をする際に必要となる情報が記憶されるものである。取引バッファ534には、注文された商品に対する会計処理を行う際に必要となる会計情報を記憶する会計情報エリア535、会計処理を行う商品の合計金額を記憶する合計金額エリア536、深夜料金を算出するための対象となる深夜料金対象額を記憶する深夜料金対象額エリア537、算出した深夜料金を記憶する深夜料金エリア538、取引合計金額を記憶する取引合計金額エリア539が設けられている。なお、図示を省略するがRAM53には店内で販売する料理などの商品に関する料金、商品コード等の商品情報が記憶されている。これらのデータは、図示しない電源のバックアップを受け、保持されるようになっている。
【0027】
上述のように構成されたネットワークシステムにおいて、無線親局20がハンディターミナル10から客からテーブル番号、商品、注文数を示す情報を含む注文情報を無線通信により受信すると、その無線親局20が受信した注文情報はLAN1を介してステーション30に送信される。
【0028】
続いて、ステーション30が無線親局20から送信された注文情報を受信したときの注文情報受信処理について説明する。図8は、注文情報受信処理を示すフローチャートである。
【0029】
LAN1を介して無線親局20から注文情報が受信されると(ST11)、受信した注文情報に含まれるテーブル番号、商品名、注文数を示す情報に基づいて、テーブル番号に対応させて、商品名毎に、注文数をテーブルTに記憶するとともに注文情報を受信した日時を時計部36から取得してテーブルTに記憶する。この際、予め記憶されている商品情報から商品の料金が呼び出され、注文数に応じて乗算された後、その料金が同様にテーブルTの料金のエリアに記憶される(ST12)。
【0030】
そして、深夜時間帯であるか否かが判断される(ST13)。この判断は、テーブルの日時のエリアに記憶した日時がRAM33の設定33aに設定されている深夜時間帯に含まれる時間であるか否かによって判断される。
【0031】
深夜時間帯でないと判断されると(ST13でNO)、テーブルTの深夜料金フラグのエリアに“深夜非対象フラグ”が付加されて記憶される(ST14)。また、深夜時間帯であると判断されると(ST13でYES)、テーブルTの深夜料金フラグのエリアに“深夜対象フラグ”が付加されて記憶され(ST15)、深夜料金が計算される(ST16)。深夜料金は、商品の料金と深夜料金設定エリア33bの設定とに基づいて計算される。例えば、500円の商品Eが1つ深夜時間帯に注文された場合は、深夜料金設定エリア533の設定が2.2%と設定されているので、500円から消費税分を減算した金額と、2.2%という深夜料金の設定から「10円」が深夜料金として計算される。
【0032】
そして、テーブルに記憶された料金及び深夜料金を合計して、1つの注文に対する合計金額が算出される(ST17)。この合計金額はRAM33に一時的に記憶される。続いて、このようにしてテーブルに記憶された情報及びRAM33に一時的に記憶された合計金額に基づいて印字情報が生成される(ST18)。そして、生成された印字情報は、LAN1を介してプリンタ40へ送信される(ST19)。
【0033】
なお、プリンタ40は印字情報を受信すると、その印字情報に基づいてCCP伝票を印字発行する。そして、印字発行されたCCP伝票は店員によりテーブル番号と対応するテーブルの席の客に渡される。CCP伝票には、客のテーブル番号を示すバーコードや注文内容を示す情報が印字される。
【0034】
次に、客により会計がなされるときのPOS端末装置50の処理について説明する。図9は、POS端末装置50の会計処理を示すフローチャートである。
客によりCCP伝票が渡されると店員は、そのCCP伝票に印字されているテーブル番号を示すバーコードをスキャナ61aで読取ることで、バーコード入力が行われる(ST21)。このようにバーコード入力が行われると会計処理が開始される。そして、バーコードが示すテーブル番号の客の会計処理のために必要な会計情報を送信させる指示がステーション30にLAN1を介して送信される(ST22)。ステーション30はこの指示を受信すると、LAN1を介してPOS端末装置50へ指示されたテーブル番号に対応するテーブルに記憶された例えば、商品名、注文数、深夜料金フラグを示す情報である会計情報を出力する。このようにステーション30から出力された会計情報がPOS端末装置50で取得されると(ST23)、会計情報はRAM53の取引バッファ534の会計情報エリア535に格納される。(ST24)。
【0035】
そして、深夜時間帯か否かが判断される(ST25)。この判断は、時計部54で生成された日時情報から時間が取得され、その取得された時間がRAM53の深夜時間帯エリア531に設定されている深夜時間帯であるか否かによって判断される。深夜時間帯であると判断されると(ST25でYES)、遊びの時間帯であるか否かが判断される(ST26,判断手段)。この判断は、時計部54から取得された時間が、RAM53の遊びの時間帯エリア532に設定されている遊びの時間帯であるか否かによって判断される。遊びの時間帯でないと判断されると(ST26でNO)、会計情報エリア535に記憶された全ての商品の深夜料金フラグが、“深夜対象フラグ”に変換される(ST27)。すなわち、“深夜非対象フラグ”となっていた商品の深夜料金フラグが“深夜対象フラグ”に変換され、会計処理を行う全ての商品の深夜料金フラグが“深夜対象フラグ”となる。
【0036】
深夜時間帯でないと判断されたとき(ST25でNO)、遊びの時間帯であると判断されたとき(ST26でYES)又は会計情報エリア535に記憶された商品の深夜料金フラグが全て“深夜対象フラグ”に変換されたときは(ST27)、合計金額算出処理が行われる(ST28)。この合計金額算出処理については、図10のサブフローチャートを用いて説明する。
【0037】
先ず、商品の合計金額が算出される(ST41)。この合計金額は会計情報エリア535に記憶している商品の料金を合計することにより算出される。この算出された合計金額は合計金額エリア536に記憶される。続いて、深夜料金フラグが“深夜対象フラグ”か“深夜非対象フラグ”かが判断される(ST42)。会計情報エリア535に記憶されている商品の深夜料金フラグが“深夜非対象フラグ”であると判断された場合は(ST42で深夜非対象フラグと判断)、ステップST45の処理が行われる。
【0038】
一方、会計情報エリア535に記憶されている商品の深夜料金フラグが“深夜対象フラグ”であると判断された場合は(ST42で深夜対象フラグと判断)、ステップST41で算出した合計金額から消費税分が減算され、深夜料金対象額が算出される(ST43)。このように算出された深夜料金対象額は、深夜料金対象額エリア537に記憶される。続いて、深夜サービスの対価である深夜料金が計算される(ST44)。ステップST42で算出され深夜料金対象額エリア537に記憶された深夜料金対象額と深夜料金設定エリア533の設定から深夜料金が計算され、その計算された深夜料金が深夜料金エリア538に記憶される。
【0039】
このように深夜料金が計算された場合(ST44)、又はステップST42で深夜料金フラグが“深夜非対象フラグ”と判断された場合は、合計金額エリア536に記憶された合計金額と深夜料金エリア538に記憶された深夜料金とが加算されることにより、取引合計金額が算出される(ST45)。この取引合計金額は取引合計金額エリア539に記憶される。なお、ステップST42で深夜料金フラグが“深夜非対象フラグ”と判断された場合は深夜料金エリア538には深夜料金が記憶されないので、ステップST41で算出した合計金額が取引合計金額となる。
【0040】
このようにして、取引合計金額が算出され、取引合計金額エリア539に記憶されると合計金額算出処理が終了され、ステップST29の処理が行われる。すなわち、ディスプレイ部58b及びディスプレイ59aに合計金額として取引合計金額エリア539に記憶された金額が表示される(ST29)。そして、客から預かった金額が入力された後預/現計キーが入力されると(ST30でYES)、釣銭演算、表示が行われる(ST31)。そして、レシート印字情報が作成され、このレシート印字情報をプリンタ60aに出力して、レシート用紙及びジャーナル用紙にレシート印字情報を印字させ、レシート用紙を切断してレシート発行口からレシートが排出され(ST32)、ドロワ開放装置55bによりドロワが開放される(ST33)。このようにドロワが開放されるとステーション30のRAM33のテーブルに記憶されている、会計処理を行ったテーブル番号と対応する注文情報等を消去するためのデータ消去指示がステーション30に送信される(ST34)。なお、ステーション30はデータ消去指示をPOS端末装置50から受信すると、そのテーブル番号と対応するRAM33に記憶しているテーブル内の注文情報等を消去する。
【0041】
次に、上述のように構成されたネットワークシステムにおいて、通常の時間帯(深夜料金がかからない時間)に商品の注文を行い、深夜時間帯となる前に会計をするためにテーブルを離席した客が会計処理を行う場合における作用について説明する。
【0042】
先ず、テーブル番号1のテーブルに案内された客が通常の時間帯に例えば、店員に商品Aを1つ注文する。店員はハンディターミナル10の入力部15aを用いて、客を案内したテーブル番号及び注文された商品、注文数等を入力した後、送信ボタンを入力する。すると、入力されたテーブル番号「1」、注文された商品の商品名、注文数を示す情報を含む注文情報がハンディターミナル10から無線親局20を介してステーション30で取得される。そして、ステーション30において取得された注文情報、その日時及び“深夜非対象フラグ”が記憶されるとともにこれらの情報に基づいて印字情報が生成され、その生成された印字情報がプリンタ40に送信される。そして、プリンタ40により送信された印字情報に基づいてCCP伝票が印字発行される。
【0043】
図11は、このようにして印字発行されたCCP伝票71を示す図である。同図に示すように、CCP伝票71には、テーブル番号「テーブル番号1」、注文を受けた時間「2005年12月12日(月) 21:30」、注文された商品A、注文数、料金が印字されている。また、「テーブル番号1」を示すバーコード71aも印字されている。通常の時間帯では、深夜料金がかからないため深夜料金は「¥0」となっている。
【0044】
この後客は、深夜料金時間帯の開始時間である22時の少し前に、会計を行うためにCCP伝票71を持って離席し、POS端末装置50前まで移動する。この際、POS端末装置50の前に会計を行うための列ができていた場合は会計の順番を待つ必要がある。そして、この客が会計を行うときに、例えば22時を5分程過ぎてしまっていたとする。他の客の会計が終了し、会計の順番がくると客はCCP伝票71をPOS端末装置50のオペレータである店員に渡す。
【0045】
店員は会計処理を行うために客から渡されたCCP伝票71に印字されているバーコード71aをスキャナ61aで読取る。すると、ステーション30からバーコード72aから読取った「テーブル番号1」に対応する会計情報が取得される。この会計情報に含まれる商品Aの深夜料金フラグは、“深夜非対象フラグ”となっている。会計処理時が深夜時間帯であると深夜料金フラグを“深夜非対象フラグ”から“深夜対象フラグ”へ変換して深夜料金を計算する処理が行われるが、その前に、遊びの時間帯であるか否かが判断される。深夜時間帯である22時から翌日5時のうち、深夜時間帯開始時間である10時から10時15分までは遊びの時間として深夜料金を算出する処理を行わないようになっている。現在の会計処理時は、22時5分程であるため深夜料金フラグを変換する処理は行われず、深夜料金を商品Aの料金に加算する処理は行われない。このようにして会計処理が行われた後、合計金額がディスプレイ部58b及びディスプレイ59aに表示される。
【0046】
図12は、ディスプレイ59aに表示された合計金額を示す図である。図12には、客が支払う合計金額として、商品Aの料金「¥500」が合計金額として表示されている。すなわち、商品Aの料金に深夜料金は加算されていない。
【0047】
この実施の形態によると、POS端末装置50で深夜時間帯に会計処理を行うときに、遊び時間帯に設定された時間帯であると、深夜料金フラグを“深夜非対象フラグ”から“深夜対象フラグ”に変換する処理が行われず、深夜料金を商品の料金に加算する処理が行われない。
【0048】
したがって、会計処理時が深夜時間帯である場合でも、客が深夜時間帯となる前に離席している場合には、深夜料金を客に請求することがないため客が不快感を覚えるのを防止でき、客と店との間で深夜料金が加算されるか否かについて口論などのトラブルが発生するという状況が発生することを防止することができる。
【0049】
なお、本発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施の形態における深夜料金計算システムが適用されたネットワークシステムを概略的に示す図。
【図2】同実施の形態における携帯型注文情報入力装置の要部構成を示すブロック図。
【図3】同実施の形態における情報処理装置の要部構成を示すブロック図。
【図4】同実施の形態における注文情報を記憶したテーブルを示す図。
【図5】同実施の形態における情報処理装置のRAMに記憶される情報を示す図。
【図6】同実施の形態における会計処理装置の要部構成を示すブロック図。
【図7】同実施の形態における会計処理装置のRAMに記憶される情報を示す図。
【図8】同実施の形態における注文情報受信処理を示すフローチャート。
【図9】同実施の形態における会計処理を示すフローチャート。
【図10】同実施の形態における合計金額算出処理を示すフローチャート。
【図11】同実施の形態における伝票の印字例を示す図。
【図12】同実施の形態におけるディスプレイの表示例を示す図。
【符号の説明】
【0051】
1…LAN,10…ハンディターミナル,20…無線親局,30…ステーション,31…CPU,32…ROM,33…RAM,36…時計部,40…プリンタ,50…POS端末装置,59a…ディスプレイ,71…CCP伝票
【技術分野】
【0001】
本発明は、注文された商品に対する深夜料金を客に請求する居酒屋、レストラン等の飲食店における深夜料金計算システムに関する。
【背景技術】
【0002】
居酒屋、レストラン等の飲食店において客から注文をうける場合の注文システムとして次のようなものが知られている。店員は例えばハンディターミナルを用いて注文を受けた商品やテーブル番号を入力する。そして、入力された情報がハンディターミナルから情報処理装置で取得され記憶される。その記憶された情報に基づいて、印刷装置により店員から客に渡されるカスタマーチェックプリンタ(CCP)伝票や厨房用の伝票が発行される。CCP伝票は店員により商品を注文した客に渡される。客はCCP伝票に印字された商品名、合計金額等により、商品が注文されたこと、合計金額等を確認することができる。また、このような注文システムにおける会計処理は、客が持参したCCP伝票に印字されたテーブル番号に基づいて情報処理装置からその客が注文した商品の情報を呼び出して行っている。
【0003】
ところで、飲食店の中には商品の料金に加えて深夜サービスに対する料金として深夜料金が加算される店がある。上述のような注文システムにおいては、深夜料金が商品の料金に加算されるか否かは、商品の会計処理時が深夜時間帯であるか否かにより決定されている。
【0004】
なお、レストラン、居酒屋あるいはホテル等において、客から受けた注文を管理する注文管理システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−164081号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の注文システムによると、深夜料金が商品の料金に加算されるか否かが会計処理時に決定される。しかしながら、客が深夜料金を払うのを避けるために深夜料金加算の対象となる時間帯になる前に離席する場合がある。この場合に会計所が混んでいたために客の会計時間が遅くなり、会計処理時が深夜時間帯になってしまうという場合も考えられる。
【0006】
このような場合、深夜料金が加算されるか否かが会計処理時で判断されるため、会計処理装置により商品の料金に深夜料金が加算されて客に請求する合計金額が算出されることになる。
【0007】
客は深夜時間帯となる前に既に離席しているため深夜料金が請求されることに対し不快感を覚え、一方、店員は会計処理装置により算出された合計金額なので深夜料金が商品の料金に加算された合計金額を客に請求する。これでは、客と店との間で深夜料金が加算されるか否かについて口論などのトラブルが発生するという状況が発生することが考えられる。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、注文した商品の料金に深夜料金が加算されるか否かにより発生する客と店とのトラブルを防止する深夜料金計算システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、注文された商品に関する情報及びその商品を注文した客を特定する特定情報を含む注文情報を入力する携帯型注文情報入力装置と、この携帯型注文情報入力装置に入力された注文情報を取得して記憶する情報処理装置と、予め設定された深夜時間帯に注文した商品の会計処理が行われると情報処理装置に記憶された情報を取得して、深夜料金を商品の料金に加算する処理を行う会計処理装置とからなる深夜料金計算システムにおいて、会計処理装置は、会計処理のために情報処理装置に記憶された情報を取得する時間が深夜時間帯に深夜料金を加算する処理を行わない時間帯であると判断した場合は、取得した情報で示される商品の料金に深夜料金を加算する処理をしないものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、注文した商品の料金に深夜料金が加算されるか否かにより発生する客と店とのトラブルを防止する深夜料金計算システムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
明細書についての修正まだ。
【0012】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の深夜料金計算システムが適用されたネットワークシステムを概略的に示す図である。図1に、携帯型注文情報入力装置であるハンディターミナル10、無線親局20、情報処理装置であるステーション30、プリンタ40、会計処理装置であるPOS端末装置50が示されている。ハンディターミナル10と無線親局20とは無線通信可能となっており、無線親局20、ステーション30、プリンタ40、POS端末装置50はLAN1を介して通信可能に接続されている。このネットワークは、例えば居酒屋、レストラン等の飲食店に設けられる。
【0013】
先ず、ハンディターミナル10について説明する。図2は、ハンディターミナル10の要部構成を示すブロック図である。図2に示すように、ハンディターミナル10は、制御部本体を構成するCPU11に、プログラム等を格納したROM12、各種のデータを記憶するRAM13、ディスプレイコントローラ14、入力コントローラ15、無線通信コントローラ16等をバス接続してなる制御回路を内蔵している。そして、ディスプレイコントローラ14にディスプレイ14a、入力コントローラ15に入力部15a、無線通信コントローラ16にアンテナ16aを接続している。
【0014】
ディスプレイコントローラ14は表示データに対応した文字等をディスプレイ14aに表示させる。入力コントローラ15は、入力部15aから操作されたボタンに対応する信号を取り込みCPU11に知らせる。無線通信コントローラ16は無線通信を介して行う無線親局20とのデータ通信を制御する。入力部15aには例えば、飲食店内で販売する料理等の商品が割付けられたボタン、数値を置数するための0から9のボタン、入力したデータを無線親局20に送信するためのボタン等の各種ボタンが配設されている。すなわち、店員が客から受けた注文に対応する商品、注文数、テーブル番号(商品を注文した客を特定する特定情報)等を、入力部15aを用いて入力した後、送信ボタンを押すことにより、テーブル番号、商品、注文数を示す情報を含む注文情報が無線親局20へデータ送信される。
【0015】
無線親局20は、ハンディターミナル10から注文情報を受信すると、受信した注文情報を、LAN1を介してステーション30に送信するようになっている。
【0016】
続いて、ステーション30について説明する。ステーション30は客から受けたテーブル番号、商品、注文数を示す情報を含む注文情報を無線親局20から取得し、その取得した注文情報を記憶するとともにその注文情報に基づく印字情報を生成しLAN1を介してプリンタ40へ送信するものである。また、ステーション30はPOS端末装置50からの所定の指示を受信すると記憶している情報をPOS端末装置50へ送信するとともに前記指示とは別の所定の指示を受信すると記憶している注文情報等の消去を行うようになっている。
【0017】
図3は、ステーション30の要部構成を示すブロック図である。ステーション30は、制御部本体を構成するCPU31に、プログラム等を格納したROM32、各種のデータを記憶するRAM33、ディスプレイコントローラ34、入力コントローラ35、現在の日時を計時する時計部36、ネットワークコントローラ37等をバス接続してなる制御回路を内蔵している。そして、ディスプレイコントローラ34にディスプレイ34a、入力コントローラ35に入力部35a、ネットワークコントローラ37にLAN1を接続している。
【0018】
ディスプレイコントローラ34は表示データに対応した文字等をディスプレイ34aに表示させる。入力コントローラ35は、入力部35aから操作されたボタンに対応する信号を取り込みCPU31に知らせる。ネットワークコントローラ37は、LAN1を通じて行なうデータ通信を制御する。
【0019】
ROM32には注文情報受信処理を実行するためのプログラムが記憶されている。また、RAM33にはテーブル番号毎の情報を記憶するテーブルが記憶されている。図4はこのテーブルTを例示するものである。テーブルTには、テーブル番号毎に、注文情報を受信した日時、商品名、注文数、料金、深夜料金フラグ、深夜料金を記憶するエリアが設けられている。図4においては、テーブル番号“1”の客から2005年12月12日21時30分に、500円の商品Aが1つ注文された状態を示している。
【0020】
深夜料金フラグのエリアには、注文を受けた日時が、深夜料金の対象外である通常の時間帯には、“深夜非対象フラグ”が、深夜時間帯である場合に“深夜対象フラグ”が記憶される。図5(a)は、RAM33の所定エリアに記憶される深夜時間帯の設定33aを示す図である。深夜時間帯の開始時間と終了時間が設定できるようになっている。図5(a)においては、深夜時間帯の設定時間は開始時間が22時、終了時間が翌日の5時と設定されている。したがって、テーブルTの21時30分に注文された商品Aと対応して“深夜非対象フラグ”が記憶されている。また、図5(b)に示すように、RAM33には、深夜サービスに対する深夜料金を設定する深夜料金設定エリア33bが設けられている。この実施の形態では深夜料金は、商品の料金に対して2.2%が深夜料金として算出されるように設定されている。なお、この深夜料金は、商品の料金から消費税分を引いた金額に対して計算される。また、RAM33には店内で販売する料理などの商品に関する料金、商品コード等の商品情報も記憶されている。さらにRAM33は図示しない電源のバックアップを受けてデータを保持できるようになっている。
【0021】
プリンタ40は、ステーション30から送信された印字情報に基づいて、注文された商品の商品名、料金、テーブル番号、及びテーブル番号を示すバーコード等が印字されたCCP伝票を発行する。このようにして発行されたCCP伝票は店員によりテーブル番号が示すテーブルの客に渡される。また、LAN1でプリンタ40のみ図示しているが、厨房にキッチン用のプリンタが1台設置されている。このキッチン用のプリンタは厨房用の注文伝票を発行するようになっている。
【0022】
続いてPOS端末装置50について説明する。図6は、POS端末装置50の要部構成を示すブロック図である。POS端末装置50は、制御部本体を構成するCPU51に、プログラム等を格納したROM52、各種のデータを記憶するRAM53、現在の日時を計時する時計部54、I/Oポート55、ネットワークコントローラ56、キーボードコントローラ57、タッチパネルコントローラ58、ディスプレイコントローラ59、プリンタコントローラ60、スキャナインタフェース(I/F)61等をバス接続してなる制御回路を内蔵している。
【0023】
そして、I/Oポート55にモードスイッチ55aとドロワ開放装置55bとを接続し、ネットワークコントローラ56にLAN1を接続し、キーボードコントローラ57にキーボード57aを接続し、タッチパネルコントローラ58にタッチパネル付きディスプレイのタッチパネルセンサ58aとディスプレイ部58bとを接続し、ディスプレイコントローラ59に客用のディスプレイ59aを接続し、プリンタコントローラ60にプリンタ60aを接続し、スキャナインタフェース61にスキャナ61aを接続している。
【0024】
ネットワークコントローラ56は、LAN1を通じて行なうデータ通信を制御する。キーボードコントローラ57は、キーボード57aから操作されたキーに対応するキー信号を取り込みCPU51に知らせる。タッチパネルコントローラ58は、CPU51からの指令によりディスプレイ部58bに各種の画面を選択的に表示させるとともに、タッチパネルセンサ58aの信号を取り込みタッチ位置座標を求めてCPU51に知らせる。ディスプレイコントローラ59は、客の支払う合計金額等の表示データに対応した文字等をディスプレイ59aに表示させる。プリンタコントローラ60は、プリンタ60aによるレシート印字及びジャーナル印字を制御する。スキャナインタフェース61は、スキャナ61aにてスキャニングされたバーコードデータを入力する。なお、キーボード57aは、数値データを置数入力するための置数キーの他、PLUキー,小計キー,預/現計キー,合計キー等の各種ファンクションキーを配設したものである。モードスイッチ55aは各種業務モードを選択するためのものである。
【0025】
図7は、RAM53に記憶されるデータを示す図である。RAM53には、深夜時間帯エリア531、時間帯設定手段である遊びの時間帯エリア532、深夜料金設定エリア533、取引バッファ534が設けられている。深夜時間帯エリア531は、図5(a)を参照して説明した深夜時間帯と同一の深夜時間帯が記憶される。すなわち、深夜サービスの対象となる深夜時間帯は、22時から翌日の5時までである。遊びの時間帯エリア532には、遊びの時間帯が記憶される。遊びの時間帯とは、深夜時間帯に会計処理を行っても深夜料金を加算する処理を行わないようにするための時間帯である。この実施の形態では、深夜時間帯の開始時間である22時から22時15分までが遊びの時間帯として設定されている。なお、遊びの時間帯の設定は店舗の大きさ等に応じて設定変更可能となっている。深夜料金設定エリア533は、図5(b)を参照して説明した深夜料金の設定と同一の深夜料金設定を記憶する。
【0026】
取引バッファ534は、後述する会計処理をする際に必要となる情報が記憶されるものである。取引バッファ534には、注文された商品に対する会計処理を行う際に必要となる会計情報を記憶する会計情報エリア535、会計処理を行う商品の合計金額を記憶する合計金額エリア536、深夜料金を算出するための対象となる深夜料金対象額を記憶する深夜料金対象額エリア537、算出した深夜料金を記憶する深夜料金エリア538、取引合計金額を記憶する取引合計金額エリア539が設けられている。なお、図示を省略するがRAM53には店内で販売する料理などの商品に関する料金、商品コード等の商品情報が記憶されている。これらのデータは、図示しない電源のバックアップを受け、保持されるようになっている。
【0027】
上述のように構成されたネットワークシステムにおいて、無線親局20がハンディターミナル10から客からテーブル番号、商品、注文数を示す情報を含む注文情報を無線通信により受信すると、その無線親局20が受信した注文情報はLAN1を介してステーション30に送信される。
【0028】
続いて、ステーション30が無線親局20から送信された注文情報を受信したときの注文情報受信処理について説明する。図8は、注文情報受信処理を示すフローチャートである。
【0029】
LAN1を介して無線親局20から注文情報が受信されると(ST11)、受信した注文情報に含まれるテーブル番号、商品名、注文数を示す情報に基づいて、テーブル番号に対応させて、商品名毎に、注文数をテーブルTに記憶するとともに注文情報を受信した日時を時計部36から取得してテーブルTに記憶する。この際、予め記憶されている商品情報から商品の料金が呼び出され、注文数に応じて乗算された後、その料金が同様にテーブルTの料金のエリアに記憶される(ST12)。
【0030】
そして、深夜時間帯であるか否かが判断される(ST13)。この判断は、テーブルの日時のエリアに記憶した日時がRAM33の設定33aに設定されている深夜時間帯に含まれる時間であるか否かによって判断される。
【0031】
深夜時間帯でないと判断されると(ST13でNO)、テーブルTの深夜料金フラグのエリアに“深夜非対象フラグ”が付加されて記憶される(ST14)。また、深夜時間帯であると判断されると(ST13でYES)、テーブルTの深夜料金フラグのエリアに“深夜対象フラグ”が付加されて記憶され(ST15)、深夜料金が計算される(ST16)。深夜料金は、商品の料金と深夜料金設定エリア33bの設定とに基づいて計算される。例えば、500円の商品Eが1つ深夜時間帯に注文された場合は、深夜料金設定エリア533の設定が2.2%と設定されているので、500円から消費税分を減算した金額と、2.2%という深夜料金の設定から「10円」が深夜料金として計算される。
【0032】
そして、テーブルに記憶された料金及び深夜料金を合計して、1つの注文に対する合計金額が算出される(ST17)。この合計金額はRAM33に一時的に記憶される。続いて、このようにしてテーブルに記憶された情報及びRAM33に一時的に記憶された合計金額に基づいて印字情報が生成される(ST18)。そして、生成された印字情報は、LAN1を介してプリンタ40へ送信される(ST19)。
【0033】
なお、プリンタ40は印字情報を受信すると、その印字情報に基づいてCCP伝票を印字発行する。そして、印字発行されたCCP伝票は店員によりテーブル番号と対応するテーブルの席の客に渡される。CCP伝票には、客のテーブル番号を示すバーコードや注文内容を示す情報が印字される。
【0034】
次に、客により会計がなされるときのPOS端末装置50の処理について説明する。図9は、POS端末装置50の会計処理を示すフローチャートである。
客によりCCP伝票が渡されると店員は、そのCCP伝票に印字されているテーブル番号を示すバーコードをスキャナ61aで読取ることで、バーコード入力が行われる(ST21)。このようにバーコード入力が行われると会計処理が開始される。そして、バーコードが示すテーブル番号の客の会計処理のために必要な会計情報を送信させる指示がステーション30にLAN1を介して送信される(ST22)。ステーション30はこの指示を受信すると、LAN1を介してPOS端末装置50へ指示されたテーブル番号に対応するテーブルに記憶された例えば、商品名、注文数、深夜料金フラグを示す情報である会計情報を出力する。このようにステーション30から出力された会計情報がPOS端末装置50で取得されると(ST23)、会計情報はRAM53の取引バッファ534の会計情報エリア535に格納される。(ST24)。
【0035】
そして、深夜時間帯か否かが判断される(ST25)。この判断は、時計部54で生成された日時情報から時間が取得され、その取得された時間がRAM53の深夜時間帯エリア531に設定されている深夜時間帯であるか否かによって判断される。深夜時間帯であると判断されると(ST25でYES)、遊びの時間帯であるか否かが判断される(ST26,判断手段)。この判断は、時計部54から取得された時間が、RAM53の遊びの時間帯エリア532に設定されている遊びの時間帯であるか否かによって判断される。遊びの時間帯でないと判断されると(ST26でNO)、会計情報エリア535に記憶された全ての商品の深夜料金フラグが、“深夜対象フラグ”に変換される(ST27)。すなわち、“深夜非対象フラグ”となっていた商品の深夜料金フラグが“深夜対象フラグ”に変換され、会計処理を行う全ての商品の深夜料金フラグが“深夜対象フラグ”となる。
【0036】
深夜時間帯でないと判断されたとき(ST25でNO)、遊びの時間帯であると判断されたとき(ST26でYES)又は会計情報エリア535に記憶された商品の深夜料金フラグが全て“深夜対象フラグ”に変換されたときは(ST27)、合計金額算出処理が行われる(ST28)。この合計金額算出処理については、図10のサブフローチャートを用いて説明する。
【0037】
先ず、商品の合計金額が算出される(ST41)。この合計金額は会計情報エリア535に記憶している商品の料金を合計することにより算出される。この算出された合計金額は合計金額エリア536に記憶される。続いて、深夜料金フラグが“深夜対象フラグ”か“深夜非対象フラグ”かが判断される(ST42)。会計情報エリア535に記憶されている商品の深夜料金フラグが“深夜非対象フラグ”であると判断された場合は(ST42で深夜非対象フラグと判断)、ステップST45の処理が行われる。
【0038】
一方、会計情報エリア535に記憶されている商品の深夜料金フラグが“深夜対象フラグ”であると判断された場合は(ST42で深夜対象フラグと判断)、ステップST41で算出した合計金額から消費税分が減算され、深夜料金対象額が算出される(ST43)。このように算出された深夜料金対象額は、深夜料金対象額エリア537に記憶される。続いて、深夜サービスの対価である深夜料金が計算される(ST44)。ステップST42で算出され深夜料金対象額エリア537に記憶された深夜料金対象額と深夜料金設定エリア533の設定から深夜料金が計算され、その計算された深夜料金が深夜料金エリア538に記憶される。
【0039】
このように深夜料金が計算された場合(ST44)、又はステップST42で深夜料金フラグが“深夜非対象フラグ”と判断された場合は、合計金額エリア536に記憶された合計金額と深夜料金エリア538に記憶された深夜料金とが加算されることにより、取引合計金額が算出される(ST45)。この取引合計金額は取引合計金額エリア539に記憶される。なお、ステップST42で深夜料金フラグが“深夜非対象フラグ”と判断された場合は深夜料金エリア538には深夜料金が記憶されないので、ステップST41で算出した合計金額が取引合計金額となる。
【0040】
このようにして、取引合計金額が算出され、取引合計金額エリア539に記憶されると合計金額算出処理が終了され、ステップST29の処理が行われる。すなわち、ディスプレイ部58b及びディスプレイ59aに合計金額として取引合計金額エリア539に記憶された金額が表示される(ST29)。そして、客から預かった金額が入力された後預/現計キーが入力されると(ST30でYES)、釣銭演算、表示が行われる(ST31)。そして、レシート印字情報が作成され、このレシート印字情報をプリンタ60aに出力して、レシート用紙及びジャーナル用紙にレシート印字情報を印字させ、レシート用紙を切断してレシート発行口からレシートが排出され(ST32)、ドロワ開放装置55bによりドロワが開放される(ST33)。このようにドロワが開放されるとステーション30のRAM33のテーブルに記憶されている、会計処理を行ったテーブル番号と対応する注文情報等を消去するためのデータ消去指示がステーション30に送信される(ST34)。なお、ステーション30はデータ消去指示をPOS端末装置50から受信すると、そのテーブル番号と対応するRAM33に記憶しているテーブル内の注文情報等を消去する。
【0041】
次に、上述のように構成されたネットワークシステムにおいて、通常の時間帯(深夜料金がかからない時間)に商品の注文を行い、深夜時間帯となる前に会計をするためにテーブルを離席した客が会計処理を行う場合における作用について説明する。
【0042】
先ず、テーブル番号1のテーブルに案内された客が通常の時間帯に例えば、店員に商品Aを1つ注文する。店員はハンディターミナル10の入力部15aを用いて、客を案内したテーブル番号及び注文された商品、注文数等を入力した後、送信ボタンを入力する。すると、入力されたテーブル番号「1」、注文された商品の商品名、注文数を示す情報を含む注文情報がハンディターミナル10から無線親局20を介してステーション30で取得される。そして、ステーション30において取得された注文情報、その日時及び“深夜非対象フラグ”が記憶されるとともにこれらの情報に基づいて印字情報が生成され、その生成された印字情報がプリンタ40に送信される。そして、プリンタ40により送信された印字情報に基づいてCCP伝票が印字発行される。
【0043】
図11は、このようにして印字発行されたCCP伝票71を示す図である。同図に示すように、CCP伝票71には、テーブル番号「テーブル番号1」、注文を受けた時間「2005年12月12日(月) 21:30」、注文された商品A、注文数、料金が印字されている。また、「テーブル番号1」を示すバーコード71aも印字されている。通常の時間帯では、深夜料金がかからないため深夜料金は「¥0」となっている。
【0044】
この後客は、深夜料金時間帯の開始時間である22時の少し前に、会計を行うためにCCP伝票71を持って離席し、POS端末装置50前まで移動する。この際、POS端末装置50の前に会計を行うための列ができていた場合は会計の順番を待つ必要がある。そして、この客が会計を行うときに、例えば22時を5分程過ぎてしまっていたとする。他の客の会計が終了し、会計の順番がくると客はCCP伝票71をPOS端末装置50のオペレータである店員に渡す。
【0045】
店員は会計処理を行うために客から渡されたCCP伝票71に印字されているバーコード71aをスキャナ61aで読取る。すると、ステーション30からバーコード72aから読取った「テーブル番号1」に対応する会計情報が取得される。この会計情報に含まれる商品Aの深夜料金フラグは、“深夜非対象フラグ”となっている。会計処理時が深夜時間帯であると深夜料金フラグを“深夜非対象フラグ”から“深夜対象フラグ”へ変換して深夜料金を計算する処理が行われるが、その前に、遊びの時間帯であるか否かが判断される。深夜時間帯である22時から翌日5時のうち、深夜時間帯開始時間である10時から10時15分までは遊びの時間として深夜料金を算出する処理を行わないようになっている。現在の会計処理時は、22時5分程であるため深夜料金フラグを変換する処理は行われず、深夜料金を商品Aの料金に加算する処理は行われない。このようにして会計処理が行われた後、合計金額がディスプレイ部58b及びディスプレイ59aに表示される。
【0046】
図12は、ディスプレイ59aに表示された合計金額を示す図である。図12には、客が支払う合計金額として、商品Aの料金「¥500」が合計金額として表示されている。すなわち、商品Aの料金に深夜料金は加算されていない。
【0047】
この実施の形態によると、POS端末装置50で深夜時間帯に会計処理を行うときに、遊び時間帯に設定された時間帯であると、深夜料金フラグを“深夜非対象フラグ”から“深夜対象フラグ”に変換する処理が行われず、深夜料金を商品の料金に加算する処理が行われない。
【0048】
したがって、会計処理時が深夜時間帯である場合でも、客が深夜時間帯となる前に離席している場合には、深夜料金を客に請求することがないため客が不快感を覚えるのを防止でき、客と店との間で深夜料金が加算されるか否かについて口論などのトラブルが発生するという状況が発生することを防止することができる。
【0049】
なお、本発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施の形態における深夜料金計算システムが適用されたネットワークシステムを概略的に示す図。
【図2】同実施の形態における携帯型注文情報入力装置の要部構成を示すブロック図。
【図3】同実施の形態における情報処理装置の要部構成を示すブロック図。
【図4】同実施の形態における注文情報を記憶したテーブルを示す図。
【図5】同実施の形態における情報処理装置のRAMに記憶される情報を示す図。
【図6】同実施の形態における会計処理装置の要部構成を示すブロック図。
【図7】同実施の形態における会計処理装置のRAMに記憶される情報を示す図。
【図8】同実施の形態における注文情報受信処理を示すフローチャート。
【図9】同実施の形態における会計処理を示すフローチャート。
【図10】同実施の形態における合計金額算出処理を示すフローチャート。
【図11】同実施の形態における伝票の印字例を示す図。
【図12】同実施の形態におけるディスプレイの表示例を示す図。
【符号の説明】
【0051】
1…LAN,10…ハンディターミナル,20…無線親局,30…ステーション,31…CPU,32…ROM,33…RAM,36…時計部,40…プリンタ,50…POS端末装置,59a…ディスプレイ,71…CCP伝票
【特許請求の範囲】
【請求項1】
注文された商品に関する情報及びその商品を注文した客を特定する特定情報を含む注文情報を入力する携帯型注文情報入力装置と、この携帯型注文情報入力装置に入力された前記注文情報を取得して記憶する情報処理装置と、予め設定された深夜時間帯に前記注文した商品の会計処理が行われると前記情報処理装置に記憶された情報を取得して、深夜料金を前記商品の料金に加算する処理を行う会計処理装置とからなる深夜料金計算システムにおいて、
前記会計処理装置は、
前記深夜時間帯に深夜料金を加算する処理を行わない時間帯を設定する時間帯設定手段と、
前記会計処理が行われるときに前記情報処理装置に記憶された情報を取得する時間が前記時間帯設定手段で設定された時間帯であるか否かを判断する判断手段とを具備し、
前記判断手段で前記設定された時間帯であると判断した場合は、前記取得した情報で示される商品の料金に深夜料金を加算する処理をしないことを特徴とする深夜料金計算システム。
【請求項1】
注文された商品に関する情報及びその商品を注文した客を特定する特定情報を含む注文情報を入力する携帯型注文情報入力装置と、この携帯型注文情報入力装置に入力された前記注文情報を取得して記憶する情報処理装置と、予め設定された深夜時間帯に前記注文した商品の会計処理が行われると前記情報処理装置に記憶された情報を取得して、深夜料金を前記商品の料金に加算する処理を行う会計処理装置とからなる深夜料金計算システムにおいて、
前記会計処理装置は、
前記深夜時間帯に深夜料金を加算する処理を行わない時間帯を設定する時間帯設定手段と、
前記会計処理が行われるときに前記情報処理装置に記憶された情報を取得する時間が前記時間帯設定手段で設定された時間帯であるか否かを判断する判断手段とを具備し、
前記判断手段で前記設定された時間帯であると判断した場合は、前記取得した情報で示される商品の料金に深夜料金を加算する処理をしないことを特徴とする深夜料金計算システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−157053(P2007−157053A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−354851(P2005−354851)
【出願日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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