説明

深赤色蛍光体

【課題】 3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+の構成元素の組成比を変えることや、また他の元素を置換することにより、波長350〜500nmの近紫外から可視領域の光で励起して高効率に発光する、新規の深赤色蛍光体を提供する。
【解決手段】 一般式: (x-a)MgO・aMe1O・yMgF2・bMe2Hal2・(1-c)GeO2・cMtO2:zMn4+
(ただし1.5<x≦4、0<y≦2、0<z≦0.1、0<a<1.5、0<b≦2、0<c<0.5、Me1、Me2はCa、Sr、Ba、Znから選ばれた少なくとも1つ以上、HalはF、Clから選ばれた少なくとも1つ以上、MtはTi、Sn、Zrから選ばれた少なくとも1つ以上)で示されるもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近紫外から可視領域の光励起により、高効率な深赤色発光を示す新規蛍光体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
紫外から可視領域の光を吸収して高効率発光を示す蛍光体は、様々な照明・表示装置などで使用されている。
【0003】
一般照明として良く知られる蛍光灯には、水銀蒸気中における放電により発する波長254nmの紫外線を主な励起光源として高効率に発光する蛍光体が用いられている。青色蛍光体としてBaMgAl1017:Eu2+(BAM)、Sr10(PO4)6Cl2:Eu2+(SCA)、緑色蛍光体としてLaPO4:Ce3+,Tb3+(LAP)、CeMgAl1119:Tb3+(CAT)、赤色蛍光体としてY23:Eu3+などがある。
【0004】
また、演色性改善のため、青緑色蛍光体としてBaMgAl1017:Eu2+,Mn2+(BAM:Mn)、Sr2Si38・2SrCl2:Eu2+、橙色蛍光体として(Sr,Mg)3(PO4)2:Sn2+、深赤色蛍光体として3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+なども用いられている(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
一方、波長350〜500nmの近紫外から可視光を放出する発光ダイオードを励起光源にして高効率に発光する蛍光体が近年、非常に盛んに研究・開発されている。例えば、青色発光ダイオードにより励起される黄色蛍光体や赤色蛍光体のほか、近紫外発光ダイオードにより励起される青色蛍光体、緑色蛍光体、赤色蛍光体、ピンク色蛍光体など多くの蛍光体の報告が行なわれている。
【0006】
青色蛍光体として例えばBaMgAl1017:Eu2+(BAM)、Sr10(PO4)6Cl2:Eu2+(SCA)が代表的である。また、緑色蛍光体としてBaMgAl1017:Eu2+,Mn2+(BAM:Mn)が代表的である。更に、赤色蛍光体としては、例えばY22S:Eu3+が代表的である。また、黄色蛍光体としては、例えば、Y3Al512:Ce3+(YAG:Ce)が代表的である。その他、赤色蛍光体La22S:Eu3+,Sm3+やLiEuW28、またピンク色蛍光体としてY3Al512:Ce3+,Eu3+なども報告されている。
【0007】
近年、窒化物や酸窒化物蛍光体が盛んに開発されている。特に窒化物蛍光体CaAlSiN3:Eu2+は発光ピーク波長が約650nmであり、青色光励起下では非常に効率が高い赤色蛍光体としてよく知られている。ただし、窒化物の多くは例えば1600〜1800℃、10気圧の窒素雰囲気下で作製しなければならず、コスト面や製造技術面での課題が多くある。
【0008】
ところで先に記したように、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+は水銀ランプ深赤色蛍光体として以前からよく知られている。この蛍光体を発明する基になったのは、4MgO・GeO2:Mn4+という、MgO:GeO2=4:1の組成を持ったダブルオルソゲルマン酸塩蛍光体である。この4モルのMgOのうちの0.5モル分をMgF2に置換することにより、発光ピーク波長(約660nm)は変わらないが、水銀輝線254nm光励起下での発光強度が高く、かつ温度消光が少ない蛍光体になることが非特許文献1に書かれている。また作製は常圧大気下1200℃程度までの焼成ででき、窒化物などに比べて非常に簡便である。
【0009】
最近、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+中のMgF2を他のフッ化物であるAF2(AはCa、Sr、Ba、Zn、またはこれらの混合物)に置換した深赤色蛍光体((k-x)MgO・xAF2・GeO2:yMn4+)が提案されている(特許文献1参照)。即ち、発光効率が従来の3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+に比べ最大で150%の発光効率になり、一方、従来の3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+のMgO中のMgをCa、Sr、Ba、Znに置換しても発光効率がほとんど向上しないことも開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008-202044号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】『蛍光体ハンドブック』蛍光体同学会編、オーム社刊(1987)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
これまでの3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+は、254nmの水銀輝線で効率よく励起することがわかっているが、この組成のままではさらに長波長の近紫外光あるいは青色光であまり効率よく発光しない。
【0013】
本発明は、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+の構成元素の組成比を変えることや、また他の元素を置換することにより、波長350〜500nmの近紫外から可視領域の光で励起して高効率に発光する、新規の深赤色蛍光体を提供することを目的とする。
【0014】
尚、先に記したように特許文献1では、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+中のMgF2を他のフッ化物であるAF2(AはCa、Sr、Ba、Zn、またはこれらの混合物)に置換することにより、発光効率が従来の3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+に比べ最大で150%の発光効率になること、従来の3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+のMgO中のMgをCa、Sr、Ba、Znに置換しても発光効率がほとんど向上しないことが明記されている。
【0015】
しかしながらMgF2の組成比を通常のもの(MgO:MgF2=3.5:0.5)より多くすることにより、特許文献1と同等以上の効果が得られること、さらにMgF2の組成比を多くした場合において、MgO中のMgをCa、Sr、Ba、Znに置換すると、発光強度が従来の3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+に比べ最大で約190%の発光効率になる。また、MgF2を他のフッ化物であるAF2(AはCa、Sr、Ba、Zn、またはこれらの混合物)に完全置換するのではなく、MgF2を一部残したままAF2やAClに置換することにより発光強度が従来の3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+に比べ最大で約200%を超えることなどを見いだした。また、Ge元素の一部をTiなどに置き換えても発光強度が増大することも見いだしている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1に記載された発明に係る深赤色蛍光体は、一般式: xMgO・yMgF2・GeO2:zMn4+
(ただし1.5<x≦4、0.5<y≦2、0<z≦0.1、y<x)で示される組成を有することを特徴とするものである。
【0017】
請求項2に記載された発明に係る深赤色蛍光体は、一般式: (x-a)MgO・aMe1O・yMgF2・GeO2:zMn4+
(ただし1.5<x≦4、0.5<y≦2、0<z≦0.1、0<a<1.5、Me1はCa、Sr、Ba、Znから選ばれた少なくとも1つ以上)で示される組成を有することを特徴とするものである。
【0018】
請求項3に記載された発明に係る深赤色蛍光体は、一般式: xMgO・yMgF2・bMe2Hal2・GeO2:zMn4+
(ただし1.5<x≦4、0<y≦2、0<z≦0.1、0<b≦2、Me2はCa、Sr、Ba、Znから選ばれた少なくとも1つ以上、HalはF、Clから選ばれた少なくとも1つ以上)で示される組成を有することを特徴とするものである。
【0019】
請求項4に記載された発明に係る深赤色蛍光体は、一般式: xMgO・yMgF2・(1-c)GeO2・cMtO2:zMn4+
(ただし1.5≦x≦4、0.5<y≦2、0<z≦0.1、0<c<0.5、MtはTi、Sn、Zrから選ばれた少なくとも1つ以上)で示される組成を有することを特徴とするものである。
【0020】
請求項5に記載された発明に係る深赤色蛍光体は、一般式: (x-a)MgO・aMe1O・yMgF2・bMe2Hal2・GeO2:zMn4+
(ただし1.5<x≦4、0<y≦2、0<z≦0.1、0<a<1.5、0<b≦2、Me1、Me2はCa、Sr、Ba、Znから選ばれた少なくとも1つ以上、HalはF、Clから選ばれた少なくとも1つ以上)で示される組成を有することを特徴とするものである。
【0021】
請求項6に記載された発明に係る深赤色蛍光体は、一般式: (x-a)MgO・aMe1O・yMgF2・(1-c)GeO2・cMtO2:zMn4+
(ただし1.5<x≦4、0.5<y≦2、0<z≦0.1、0<a<1.5、0<c<0.5、Me1はCa、Sr、Ba、Znから選ばれた少なくとも1つ以上、MtはTi、Sn、Zrから選ばれた少なくとも1つ以上)で示される組成を有することを特徴とするものである。
【0022】
請求項7に記載された発明に係る深赤色蛍光体は、一般式: xMgO・yMgF2・bMe2Hal2・(1-c)GeO2・cMtO2:zMn4+
(ただし1.5<x≦4、0<y≦2、0<z≦0.1、0<b≦2、0<c<0.5、Me2はCa、Sr、Ba、Znから選ばれた少なくとも1つ以上、HalはF、Clから選ばれた少なくとも1つ以上、MtはTi、Sn、Zrから選ばれた少なくとも1つ以上)で示される組成を有することを特徴とするものである。
【0023】
請求項8に記載された発明に係る深赤色蛍光体は、一般式: (x-a)MgO・aMe1O・yMgF2・bMe2Hal2・(1-c)GeO2・cMtO2:zMn4+
(ただし1.5<x≦4、0<y≦2、0<z≦0.1、0<a<1.5、0<b≦2、0<c<0.5、Me1、Me2はCa、Sr、Ba、Znから選ばれた少なくとも1つ以上、HalはF、Clから選ばれた少なくとも1つ以上、MtはTi、Sn、Zrから選ばれた少なくとも1つ以上)で示される組成を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、紫外から可視領域の光励起により高効率発光を示す新規の深赤色蛍光体を得ることができるという効果がある。本発明の蛍光体は、例えば、発光ダイオードにおいて演色性の向上等が期待される。また、近紫外光で励起するランプや近紫外や可視光を放射する発光ダイオードと組み合わせて、高効率な深赤色発光・表示素子、または他の蛍光体などと組み合わせて白色を含むさまざまな色の発光・表示素子を得ることが期待される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】励起波長450nmにおける3.0MgO・0.5MgF2・0.5SrCl2・GeO2:0.02Mn4+(実験例39:MGF-SC105)蛍光体とYAG:Ce3+蛍光体(P46-Y3)との発光スペクトルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明においては、一般式: (x-a)MgO・aMe1O・yMgF2・bMe2Hal2・(1-c)GeO2・cMtO2:zMn4+
(ただし1.5<x≦4、0<y≦2、0<z≦0.1、0<a<1.5、0<b≦2、0<c<0.5、Me1、Me2はCa、Sr、Ba、Znから選ばれた少なくとも1つ以上、HalはF、Clから選ばれた少なくとも1つ以上、MtはTi、Sn、Zrから選ばれた少なくとも1つ以上)
で示されることを特徴とするものである。
【0027】
前述の通り、従来の3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+蛍光体では、あくまで紫外光である254nmの水銀ランプの輝線で効率よく発光するものであり、より長波長である近紫外光や青色光ではあまり効率よく発光しないものであった。
【0028】
一方、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+蛍光体中のMgOとMgF2の比を変化させたり、Mg原子の一部をCaやSr、Ba原子などで置換したり、Ge原子の一部をTiやSn、Zr原子で置換することにより、254nm紫外光励起での発光強度が下がる代わりに、近紫外光や青色光励起での発光強度が非常に増大することを本発明者は世界に先駆けて見出して本発明を成すに至った。
【0029】
この蛍光体は3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+蛍光体の構成元素の比を変えたり、Mgの一部をMgと同じアルカリ土類原子であるCaやSrやBa、Fの一部をFと同じハロゲン原子であるCl、あるいはGeと同じ四価の遷移金属であるTi、Sn、Zrなどで置換したものである。
【0030】
Mn4+の賦活割合はGe原子量を基準にすると、0%より多く、なおかつ、10%以下である。これは、Mnが賦活されなければ発光せず、10%を超えて賦活されると、濃度消光や複相の生成などにより近紫外から可視領域の光励起により高い発光輝度を示さなくなるからである。
【0031】
組成式のMgO中のMg原子に対し、Ca、Sr、Baなどのアルカリ土類原子の置換割合は50%以下である。50%を超えて置換すると発光効率が低くなる。組成式のMgF2に対し、Me2Hal2、即ち、CaF2、CaCl2、SrF2、SrCl2、BaF2、BaCl2、ZnF2、ZnCl2などを添加しても良い。尚、添加するMe2Hal2に応じて、MgF2の割合を減じる。好ましくは、添加するMe2Hal2が1種類であれば、Me2Hal2に応じた1:1の原子量を減じる。添加するMe2Hal2が1種類以上の場合には、添加するMe2Hal2よりも少ないMgF2の割合を減じる。組成式のGeO2中のGe原子に対し、Ti、Sn、Zrの置換割合は50%以下である。またそれぞれの構成元素の組成比を変えることにより、近紫外光や青色光励起での発光強度が増大する。
【実施例】
【0032】
実験例1〜11
原料としてMgCO3、MgF2、GeO2、MnCO3などを正確に秤量し、ボールミルで1〜2時間混合した。混合した原料は、非特許文献1に記載された3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+蛍光体と同様に、大気中において1000〜1200℃で数時間、2回焼成して、次の実験例1〜11に示した蛍光体を得た。
【0033】
・実験例1:上記合成で得られた3.0MgO・1.0MgF2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例1a:上記合成で得られた3.3MgO・0.5MgF2・0.2CaF2・GeO2: 0.02Mn4+蛍光体
・実験例1b:上記合成で得られた2.5MgO・1.0MgF2・0.5SrF2・GeO2: 0.02Mn4+蛍光体
・実験例1c:上記合成で得られた2.8MgO・0.5MgF2・0.7SrF2・0.1SrCl2・GeO2: 0.02Mn4+蛍光体
・実験例2:上記合成で得られた2.9MgO・1.1MgF2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例2a:上記合成で得られた3.1MgO・0.5MgF2・0.4CaF2・GeO2: 0.02Mn4+蛍光体
・実験例2b:上記合成で得られた2.8MgO・0.5MgF2・0.7SrF2・0.2SrCl2・GeO2: 0.02Mn4+蛍光体
・実験例3:上記合成で得られた2.8MgO・1.2MgF2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例3a:上記合成で得られた2.9MgO・0.5MgF2・0.6CaF2・GeO2: 0.02Mn4+蛍光体
・実験例3b:上記合成で得られた2.8MgO・0.5MgF2・0.7SrF2・0.3SrCl2・GeO2: 0.02Mn4+蛍光体
・実験例4:上記合成で得られた2.5MgO・1.5MgF2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例4a:上記合成で得られた2.7MgO・0.5MgF2・0.8CaF2・GeO2: 0.02Mn4+蛍光体
・実験例4b:上記合成で得られた 2.8MgO・0.5MgF2・0.7SrF2・0.4SrCl2・GeO2: 0.02Mn4+蛍光体
・実験例5:上記合成で得られた2.0MgO・2.0MgF2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例5a:上記合成で得られた2.5MgO・0.5MgF2・1.0CaF2・GeO2: 0.02Mn4+蛍光体
・実験例5b:上記合成で得られた2.8MgO・0.5MgF2・0.7SrF2・0.5SrCl2・GeO2: 0.02Mn4+蛍光体
・実験例6:上記合成で得られた3.0MgO・0.5MgF2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例6a:上記合成で得られた3.3MgO・0.5MgF2・0.2SrF2・GeO2: 0.02Mn4+蛍光体
・実験例6b:上記合成で得られた2.8MgO・0.5MgF2・0.7SrF2・0.6SrCl2・GeO2: 0.02Mn4+蛍光体
・実験例7:上記合成で得られた3.0MgO・0.75MgF2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例7a:上記合成で得られた3.1MgO・0.5MgF2・0.4SrF2・GeO2: 0.02Mn4+蛍光体
・実験例7b:上記合成で得られた2.8MgO・0.5MgF2・0.7SrF2・0.8SrCl2・GeO2: 0.02Mn4+蛍光体
・実験例8:上記合成で得られた2.5MgO・1.0MgF2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例8a:上記合成で得られた2.9MgO・0.5MgF2・0.6SrF2・GeO2: 0.02Mn4+蛍光体
・実験例8b:上記合成で得られた2.8MgO・0.5MgF2・0.7SrF2・1.0SrCl2・GeO2: 0.02Mn4+蛍光体
・実験例9:上記合成で得られた2.8MgO・1.0MgF2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例9a:上記合成で得られた2.7MgO・0.5MgF2・0.8SrF2・GeO2: 0.02Mn4+蛍光体
・実験例9b:上記合成で得られた2.8MgO・0.5MgF2・0.7SrF2・1.3SrCl2・GeO2: 0.02Mn4+蛍光体
・実験例10:上記合成で得られた2.9MgO・1.0MgF2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例10a:上記合成で得られた2.5MgO・0.5MgF2・1.0SrF2・GeO2: 0.02Mn4+蛍光体
・実験例11:上記合成で得られた3.1MgO・1.0MgF2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例11a:上記合成で得られた3.3MgO・0.5MgF2・0.2BaF2・GeO2: 0.02Mn4+蛍光体
【0034】
【表1】

【0035】
また非特許文献1に記載された水銀ランプ用蛍光体の組成である、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+(3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:0.02Mn4+)を同じ原料・焼成条件で作製し、これを比較例とした。
【0036】
水銀キセノンランプ(浜松ホトニクス製 L2483)からの光を10cm分光器(Jobin Yvon製 H-10)により所定の波長の光に分光してこれを励起光とした。上記合成で得られた実験例1〜11の蛍光体試料にこの励起光を照射し、各々の試料からの発光を光ファイバー経由で瞬間マルチ測光システム(大塚電子製 MCPD-2000)を用いて測定した。結果を表1に示す。
【0037】
表1において、450nmの青色光で励起したときの各試料の相対発光ピーク強度を示す。相対発光ピーク強度は、比較例である3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:0.02Mn4+深赤色蛍光体の450nm光励起下での発光ピーク強度を100%としたときの相対強度である。なお、発光ピーク波長はいずれのサンプルにおいても約660nmであった。
【0038】
表1に示す通り、MgOとMgF2の比を元々のランプ用蛍光体の組成モル比であるMgO:MgF2=3.5:0.5の場合よりMgF2のモル比を大きくすることにより、発光ピーク強度が比較例の3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:0.02Mn4+より高くなった。ただし、あまりにもMgF2のモル比が大きくなると、結果として発光強度は減少した。実験例5のようにMgOに対するMgF2のモル比が1以上、つまりMgO:MgF2=2:2の場合よりMgF2の比が大きくなると発光強度は極端に低くなった。このため、MgOのモル比はMgF2のモル比よりも大きくする。また、実験例6などのように、MgF2に対するMgOの比をMgO:MgF2=3.5:0.5の場合より低くすることでも発光強度が増大することがわかった。
【0039】
実験例12〜27
原料としてMgCO3、MgF2、GeO2、MnCO3、およびMgOに置換する元素の原料としてCaCO3、SrCO3、BaCO3、ZnOなどを正確に秤量し、ボールミルで1〜2時間混合した。混合した原料は、非特許文献1に記載された3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+蛍光体と同様に、大気中において1000〜1200℃で数時間、2回焼成して、次の実験例12〜27に示した蛍光体を得た。
【0040】
・実験例12:上記合成で得られた2.9MgO・0.1CaO・1.0MgF2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例12a:上記合成で得られた3.1MgO・0.5MgF2・0.4BaF2・GeO2: 0.02Mn4+蛍光体
・実験例13:上記合成で得られた2.8MgO・0.2CaO・1.0MgF2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例13a:上記合成で得られた2.9MgO・0.5MgF2・0.6BaF2・GeO2: 0.02Mn4+蛍光体
・実験例14:上記合成で得られた2.7MgO・0.3CaO・1.0MgF2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例14a:上記合成で得られた2.7MgO・0.5MgF2・0.8BaF2・GeO2: 0.02Mn4+蛍光体
・実験例15:上記合成で得られた2.5MgO・0.5CaO・1.0MgF2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例15a:上記合成で得られた2.5MgO・0.5MgF2・1.0BaF2・GeO2: 0.02Mn4+蛍光体
【0041】
・実験例16:上記合成で得られた2.0MgO・1.0CaO・1.0MgF2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例17:上記合成で得られた1.5MgO・1.5CaO・1.0MgF2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例18:上記合成で得られた2.9MgO・0.1SrO・1.0MgF2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例19:上記合成で得られた2.8MgO・0.2SrO・1.0MgF2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例20:上記合成で得られた2.5MgO・0.5SrO・1.0MgF2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例21:上記合成で得られた2.9MgO・0.1BaO・1.0MgF2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例22:上記合成で得られた2.8MgO・0.2BaO・1.0MgF2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例23:上記合成で得られた2.5MgO・0.5BaO・1.0MgF2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例24:上記合成で得られた2.94MgO・0.06ZnO・1.0MgF2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例25:上記合成で得られた2.85MgO・0.15ZnO・1.0MgF2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例26:上記合成で得られた2.7MgO・0.3ZnO・1.0MgF2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例27:上記合成で得られた2.4MgO・0.6ZnO・1.0MgF2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
【0042】
また、非特許文献1にある水銀ランプ用蛍光体の組成である、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+(3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:0.02Mn4+)を比較例とした。
【0043】
水銀キセノンランプ(浜松ホトニクス製 L2483)からの光を10cm分光器(Jobin Yvon製 H-10)により所定の波長の光に分光してこれを励起光とした。上記合成で得られた実験例12〜27の蛍光体試料にこの励起光を照射し、各々の試料からの発光を光ファイバー経由で瞬間マルチ測光システム(大塚電子製 MCPD-2000)を用いて測定した。結果を表2に示す。
【0044】
表2において、450nmの青色光で励起したときの各試料の相対発光ピーク強度を示す。相対発光ピーク強度は、比較例である3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:0.02Mn4+深赤色蛍光体の450nm光励起下での発光ピーク強度を100%としたときの相対強度である。なお発光ピーク波長はいずれのサンプルにおいても約660nmであった。
【0045】
表2に示す通り、組成式にあるMgO中のMgの一部をCa、Sr、Ba、Znに置換すると発光強度は大きく増大する。ただし、Caなどの置換量があまりに多くなると発光強度は減少する。実験例17のように、MgO内のMgに対しCaなどの置換量が50%より多くなると発光強度は大きく減少する。従って、MgOのモル比は、CaO等のモル比よりも大きくする。
【0046】

【表2】

【0047】
実験例28〜40
原料としてMgCO3、MgF2、GeO2、MnCO3、およびMgF2に置換する元素の原料としてCaF2、SrF2、BaF2、ZnF2などを正確に秤量し、ボールミルで1〜2時間混合した。混合した原料は、非特許文献1に記載された3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+蛍光体と同様に、大気中において1000〜1200℃で数時間、2回焼成して、次の実験例28〜40に示した蛍光体を得た。
【0048】
・実験例28:上記合成で得られた3.0MgO・0.8MgF2・0.2CaF2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例29:上記合成で得られた3.0MgO・0.5MgF2・0.5CaF2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例30:上記合成で得られた3.0MgO・0.2MgF2・0.8CaF2・GeO2:0.02Mn4+ 2蛍光体
・実験例31:上記合成で得られた3.0MgO・0.8MgF2・0.2SrF2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例32:上記合成で得られた3.0MgO・0.5MgF2・0.5SrF2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例33:上記合成で得られた3.0MgO・0.2MgF2・0.8CaF2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
【0049】
・実験例34:上記合成で得られた3.0MgO・0.95MgF2・0.05ZnF2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例35:上記合成で得られた3.0MgO・0.9MgF2・0.1ZnF2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例36:上記合成で得られた3.0MgO・0.8MgF2・0.2ZnF2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例37:上記合成で得られた3.0MgO・0.5MgF2・0.5ZnF2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例38:上記合成で得られた3.0MgO・0.5MgF2・0.5CaCl2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例39:上記合成で得られた3.0MgO・0.5MgF2・0.5SrCl2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例40:上記合成で得られた3.0MgO・0.5MgF2・0.5BaCl2・GeO2:0.02Mn4+蛍光体
【0050】
また、非特許文献1にある水銀ランプ用蛍光体の組成である、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+(3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:0.02Mn4+)を比較例とした。
【0051】
【表3】

【0052】
水銀キセノンランプ(浜松ホトニクス製 L2483)からの光を10cm分光器(Jobin Yvon製 H-10)により所定の波長の光に分光してこれを励起光とした。上記合成で得られた実験例28〜40の蛍光体試料にこの励起光を照射し、各々の試料からの発光を光ファイバー経由で瞬間マルチ測光システム(大塚電子製 MCPD-2000)を用いて測定した。結果を表3に示す。
【0053】
表3において、450nmの青色光で励起したときの各試料の相対発光ピーク強度を示す。相対発光ピーク強度は、比較例である3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:0.02Mn4+深赤色蛍光体の450nm光励起下での発光ピーク強度を100%としたときの相対強度である。なお発光ピーク波長はいずれのサンプルにおいても約660nmであった。
【0054】
表3に示す通り、MgF2を単体で用いるのではなく、CaF2やSrCl2などとともに使用しても発光強度が増大する。
【0055】
実験例41〜55
原料としてCaCO3、MgCO3、MgF2、GeO2、MnCO3、およびGeO2に置換する元素の原料としてTiO2、SnO2、ZrO2などを正確に秤量し、ボールミルで1〜2時間混合した。混合した原料は、非特許文献1に記載された3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+蛍光体と同様に、大気中において1000〜1200℃で数時間、2回焼成して、次の実験例41〜61に示した蛍光体を得た。
【0056】
・実験例41:上記合成で得られた2.5MgO・0.5CaO・1.0MgF2・0.98GeO2・0.02TiO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例42:上記合成で得られた2.5MgO・0.5CaO・1.0MgF2・0.95GeO2・0.05TiO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例43:上記合成で得られた2.5MgO・0.5CaO・1.0MgF2・0.90GeO2・0.10TiO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例44:上記合成で得られた2.5MgO・0.5CaO・1.0MgF2・0.80GeO2・0.20TiO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例45:上記合成で得られた2.5MgO・0.5CaO・1.0MgF2・0.50GeO2・0.50TiO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例46:上記合成で得られた2.5MgO・0.5CaO・1.0MgF2・0.98GeO2・0.02SnO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例47:上記合成で得られた2.5MgO・0.5CaO・1.0MgF2・0.95GeO2・0.05SnO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例48:上記合成で得られた2.5MgO・0.5CaO・1.0MgF2・0.90GeO2・0.10SnO2:0.02Mn4+蛍光体
【0057】
・実験例49:上記合成で得られた2.5MgO・0.5CaO・1.0MgF2・0.80GeO2・0.20SnO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例50:上記合成で得られた2.5MgO・0.5CaO・1.0MgF2・0.50GeO2・0.50SnO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例51:上記合成で得られた2.5MgO・0.5CaO・1.0MgF2・0.98GeO2・0.02ZrO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例52:上記合成で得られた2.5MgO・0.5CaO・1.0MgF2・0.95GeO2・0.05ZrO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例53:上記合成で得られた2.5MgO・0.5CaO・1.0MgF2・0.90GeO2・0.10ZrO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例54:上記合成で得られた2.5MgO・0.5CaO・1.0MgF2・0.80GeO2・0.20ZrO2:0.02Mn4+蛍光体
・実験例55:上記合成で得られた2.5MgO・0.5CaO・1.0MgF2・0.70GeO2・0.30ZrO2:0.02Mn4+蛍光体
【0058】
また、非特許文献1にある水銀ランプ用蛍光体の組成である、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+(3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:0.02Mn4+)を比較例とした。
【0059】
【表4】

【0060】
水銀キセノンランプ(浜松ホトニクス製 L2483)からの光を10cm分光器(Jobin Yvon製 H-10)により所定の波長の光に分光してこれを励起光とした。上記合成で得られた実験例41〜61の蛍光体試料にこの励起光を照射し、各々の試料からの発光を光ファイバー経由で瞬間マルチ測光システム(大塚電子製 MCPD-2000)を用いて測定した。結果を表4に示す。
【0061】
表4において、450nmの青色光で励起したときの各試料の相対発光ピーク強度を示す。相対発光ピーク強度は、比較例である3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:0.02Mn4+深赤色蛍光体の450nm光励起下での発光ピーク強度を100%としたときの相対強度である。なお発光ピーク波長はいずれのサンプルにおいても約660nmであった。
【0062】
表4に示す通り、GeO2中のGeの一部をTiやSn、Zrに置換すると発光強度がさらに上がる。ただし置換量があまりに多くなると、発光強度は減少する。実験例45や50のように、TiやSnなどの置換量がGeに対し50%以上になると発光強度が極端に減少する。従って、GeO2のモル比は、TiO2等のモル比よりも大きくする。
【0063】
このようにして得られた新規の深赤色蛍光体の一例(実験例39)と市販のYAG:Ce3+蛍光体(化成オプトニクス社製P46−Y3)を、同じ励起波長450nm、同じ励起強度で光励起した発光スペクトルを比較したものが図1である。今回得られた蛍光体の発光ピーク強度は、P46−Y3の約3倍と非常に高いものになった。
【0064】
以上の実験例では、粉末原料を用いた固相反応による深赤色蛍光体の作製を例として挙げたが、母体結晶が同様に構成できる方法であれば他の作製法を用いても良い。具体的にはゾルゲル法や水熱合成法などの方法を用いても良い。またそれぞれの構成元素組成を多少ずらしても、焼成による原料元素の揮発等により、蛍光体を作製することは可能であり、そのようにしても良い。またここでは取り上げていない他の元素置換、例えばGeの一部をSiなどに、Fの一部をBrなどに置換しても、その置換量がごくわずかな場合は発光特性にはほとんど影響がないので、そのようにしても良い。もちろん、BやNH4Fなどをフラックスとして用いて作製しても良い。
【0065】
以上説明したとおり、本発明により、近紫外から可視領域の光励起により高効率発光を示す深赤色蛍光体を提供できる。特に紫外光で励起するランプや近紫外や可視光を放射する発光ダイオードと組み合わせて、高効率な深赤色発光・表示素子、または他の蛍光体などと組み合わせて白色を含むさまざまな色の発光・表示素子などを提供できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式: xMgO・yMgF2・GeO2:zMn4+
(ただし1.5<x≦4、0.5<y≦2、0<z≦0.1、y<x)で示される組成を有することを特徴とする深赤色蛍光体。
【請求項2】
一般式: (x-a)MgO・aMe1O・yMgF2・GeO2:zMn4+
(ただし1.5<x≦4、0.5<y≦2、0<z≦0.1、0<a<1.5、Me1はCa、Sr、Ba、Znから選ばれた少なくとも1つ以上)で示される組成を有することを特徴とする深赤色蛍光体。
【請求項3】
一般式: xMgO・yMgF2・bMe2Hal2・GeO2:zMn4+
(ただし1.5<x≦4、0<y≦2、0<z≦0.1、0<b≦2、Me2はCa、Sr、Ba、Znから選ばれた少なくとも1つ以上、HalはF、Clから選ばれた少なくとも1つ以上)で示される組成を有することを特徴とする深赤色蛍光体。
【請求項4】
一般式: xMgO・yMgF2・(1-c)GeO2・cMtO2:zMn4+
(ただし1.5≦x≦4、0.5<y≦2、0<z≦0.1、0<c<0.5、MtはTi、Sn、Zrから選ばれた少なくとも1つ以上)で示される組成を有することを特徴とする深赤色蛍光体。
【請求項5】
一般式: (x-a)MgO・aMe1O・yMgF2・bMe2Hal2・GeO2:zMn4+
(ただし1.5<x≦4、0<y≦2、0<z≦0.1、0<a<1.5、0<b≦2、Me1、Me2はCa、Sr、Ba、Znから選ばれた少なくとも1つ以上、HalはF、Clから選ばれた少なくとも1つ以上)で示される組成を有することを特徴とする深赤色蛍光体。
【請求項6】
一般式: (x-a)MgO・aMe1O・yMgF2・(1-c)GeO2・cMtO2:zMn4+
(ただし1.5<x≦4、0.5<y≦2、0<z≦0.1、0<a<1.5、0<c<0.5、Me1はCa、Sr、Ba、Znから選ばれた少なくとも1つ以上、MtはTi、Sn、Zrから選ばれた少なくとも1つ以上)で示される組成を有することを特徴とする深赤色蛍光体。
【請求項7】
一般式: xMgO・yMgF2・bMe2Hal2・(1-c)GeO2・cMtO2:zMn4+
(ただし1.5<x≦4、0<y≦2、0<z≦0.1、0<b≦2、0<c<0.5、Me2はCa、Sr、Ba、Znから選ばれた少なくとも1つ以上、HalはF、Clから選ばれた少なくとも1つ以上、MtはTi、Sn、Zrから選ばれた少なくとも1つ以上)で示される組成を有することを特徴とする深赤色蛍光体。
【請求項8】
一般式: (x-a)MgO・aMe1O・yMgF2・bMe2Hal2・(1-c)GeO2・cMtO2:zMn4+
(ただし1.5<x≦4、0<y≦2、0<z≦0.1、0<a<1.5、0<b≦2、0<c<0.5、Me1、Me2はCa、Sr、Ba、Znから選ばれた少なくとも1つ以上、HalはF、Clから選ばれた少なくとも1つ以上、MtはTi、Sn、Zrから選ばれた少なくとも1つ以上)で示される組成を有する組成を有することを特徴とする深赤色蛍光体。

【図1】
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