説明

混合チャンバーを備えたバイオリアクター

本発明は、概して混合チャンバー(3)の上に配置された反応チャンバー(2)から仕切り(44)によって分離させられた混合チャンバー(3)を有する反応器容器(41)を備えたバイオリアクター(1)に関し、混合チャンバー(3)は、流入液あるいは流入液および再利用原料の混合物のための導入システム(4)を有し、この導入システム(4)は、混合チャンバー(3)内に排出開口(60〜64)を有する。ある実施形態では、仕切り(44)は、混合チャンバー(3)と反応チャンバー(2)との間の接続部を形成する開口(66)を有し、導入システム(4)の排出開口(60〜64)は仕切りの開口に向けられている。ある実施形態では、混合チャンバー(3)は、この混合チャンバーを補強するための骨組みを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して混合チャンバー上に配置された反応チャンバーから仕切りによって分離させられた混合チャンバーを有する反応器容器を備えたバイオリアクターに関する。本発明はさらに、反応器容器内で流入液をかき混ぜるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1から、反応チャンバーおよび混合チャンバーを有するバイオリアクターが知られている。導入システムは流入液および/または再利用原料が、仕切り(この仕切りはスリットを有する)によって反応チャンバーから分離された混合チャンバーを経て反応器容器に入ることを可能とする。混合チャンバーは円錐形状を有し、かつ、その底付近で反応器容器の内部に溶接されたスチールプレートを備える。導入システムは混合チャンバー内で接線方向流れを実現する。
【0003】
流入液および/または再利用原料を混合チャンバー内で運ぶのに必要なエネルギーの多くは、特許文献1に基づく混合チャンバー内のサイクロン流によって消散される。やはり、仕切りを横切る圧力差は仕切り素材の強度的制約によって制限されるが、これは、混合チャンバー内での、そして結局は反応チャンバー内での流入液の不均一な分散を引き起こす。さらに、仕切りを横切る圧力差は、下流でバイオリアクターと接続されるガス抜きタンク内のレベルを増大させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第0 539 430号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
こうした問題の少なくとも一つを軽減するのが本発明の目的である。これは、概ね混合チャンバー上に配置された反応チャンバーから仕切りによって分離させられた混合チャンバーを有する反応器容器を備えたバイオリアクターを提供することによって達成される。ある実施形態では、混合チャンバーは、流入液および/または流入液と再利用原料との混合物のための導入システムを有し、この導入システムは混合チャンバーに排出開口を有する。ある実施形態では、仕切りは、混合チャンバーと反応チャンバーとの間の接続部を形成する開口を有し、導入システムの排出開口は仕切りの開口に向けられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これは、混合チャンバー内への流入液の流れを、開口において仕切りを経て反応チャンバー内へと誘導することを可能とする。流入エネルギーは、混合チャンバーから反応チャンバー内への流れを実現するために直接使用される。これはまた、混合チャンバー内の過剰圧力を低減することを可能とし、これは、混合チャンバーと反応チャンバーとの間の仕切りのために少量の素材を使用することによって低コストを可能とする。これは、原料の節約およびコストの低減を可能とする。
【0007】
ある実施形態では、排出開口は仕切りの開口と整列させられる。これは、導入システムから、混合チャンバーを経て、開口内へと、そして反応チャンバー内へと至る流れの抵抗をさらに低減する。
【0008】
好ましくは、流入液導入システムの排出開口は仕切りの開口に向けられかつ/またはそれと整列させられる。この構造は、より低い出力しか必要としない、より小型のポンプを有する導入システムを使用することを可能とする。
【0009】
ある実施形態では、導入システムの少なくとも四つの排出開口は、仕切りの少なくとも四つのそれぞれの開口に向けられるか、あるいはそれと整列させられる。複数の開口を設けることで、流動抵抗のさらなる低減が実現される。
【0010】
ある実施形態では、排出開口は、導入システムの表面積縮小を伴ったノズルを有する。導入システムは、混合チャンバー内へ流入液を供給するためのパイプを備える。流入液はノズルを経てパイプから吐き出されるが、このノズルは表面積縮小を実現し、これは流れの加速および圧力低減を可能とする。本発明によれば、加速された流れは仕切りを貫通する開口に向けられる。
【0011】
好ましくは、縮小は少なくとも25%である。これは十分な加速を保証する。さらに、加速された流れは、流れの周囲の流体に衝撃を与え、そして、続いて、この流体を加速させる。
【0012】
ある実施形態では、排出開口の表面積は仕切りの開口の表面積よりも少なくとも20%、好ましくは少なくとも40%小さなものであり、この開口に排出開口が向けられる。そうした関係において、排出開口から開口内へと向けられる流れは、仕切りの開口を経て混合チャンバーから流体を引き込む。流入エネルギーは、この様式ではまた、流入液を、混合チャンバー内に既に存在する流体と混合するために使用される。
【0013】
好ましくは、導入システムの排出開口と仕切りの開口との間の距離は、排出開口の断面の幅の8倍未満、好ましくは5倍未満である。導入システムの排出開口と仕切りの開口との間の流れの自由距離あるいは流動経路は、流動エネルギーの消散を抑えるために、そしてさらに過剰圧力を低減するために制限された長さを有する。依然として、この自由距離は、流れが仕切りの開口に向けられた状態で、混合チャンバーから流体を引き込むことを可能とする。
【0014】
さらなる実施形態では、排出開口と仕切りの開口との間の距離は可変である。ある実施形態では、開口および/または導入システムの排出開口はバイオリアクターに移動可能に設けられており、二つの開口間の流れの自由距離の変更が可能となっている。ある実施形態では、開口はアクチュエータを用いて移動させられる。ある実施形態では、アクチュエータは中央プロセッサーを用いて制御され、これは、混合チャンバー内での混合の程度を制御するためのパラメーターをユーザーが調整することを可能とする自由距離をユーザーが制御あるいは設定することを可能とする。
【0015】
ある実施形態では、仕切りの開口は、仕切りの一方側から、仕切りを貫通して、仕切りの他方側から外へと延在するチューブあるいはパイプを備える。このチューブは、仕切りの壁部分とチューブの開口との間の距離を提供する。チューブあるいはパイプの開口は、仕切り、好ましくはプレートから延在する結果として、開口の一部をたとえば詰まらせる可能性がある、たとえば仕切り上に集まるスラッジによって妨害されない。目詰まりスラッジは、開口の周囲でチューブを介して移送される。
【0016】
ある実施形態では、仕切りの開口は反応器容器の反応器底に近接して配置される。スラッジは、反応チャンバー内に集積され、そして反応器底の底部へと、より高い密度の結果として沈むので、流入液の流入および導入システムによって提供される流入のエネルギーは、集積されたスラッジを乱すために使用され、これは、良好な混合および流入液の改良されたクリーニングにつながる。
【0017】
ある実施形態では、混合チャンバーはさらに、流入液および再利用原料、たとえばダウナーの混合物のための排出開口に対して少なくとも部分的に接線方向に向けられた流入液導入システムの排出開口を備える。これは、混合チャンバー内での再利用原料の混合を可能とし、この混合は、流入液および再利用原料、たとえばダウナーの混合物のための排出開口周りの周方向の流れからなる。好ましくは、ダウナーは混合チャンバーのルーフ部分あるいは上端部分に接続され、かつ、ダウナーのチューブが収容される仕切りの開口を備える。ある実施形態では、混合物のための流出開口は混合チャンバーの上端セクションに配置され、一方、仕切りを貫通する開口は混合チャンバーの底部セクションの近傍に配置される。流入液および再利用原料の混合は、混合チャンバー内での十分な混合の後でのみ仕切りを貫通する開口に達する。
【0018】
ある実施形態では、仕切りは、側壁に開口を有する混合チャンバーの当該側壁を備え、この側壁は反応器容器の底に対して直角をなしておらず、すなわち傾斜している。好ましくは傾斜が45°以上の場合、傾斜した側壁はスラッジ沈着を阻止する。
【0019】
さらなる実施形態では、混合チャンバーは反応器容器の反応器底上に配置され、かつ、仕切りの開口は反応器底と概ね平行に向けられる。開口は混合チャンバーから外側に向けられる。流入エネルギーが混合チャンバーから外側に向けられ、かつ、反応器容器の底の上で消散され、底の上に堆積するであろうスラッジの「渦」をもたらす。
【0020】
さらなる実施形態では、混合チャンバーは、四つの相互に概ね直交する方向に混合チャンバーから外側に向けられた仕切りの少なくとも六つの開口を備える。これは、全ての四つのウインド方向に混合された流入液流れの外向き分配を可能とする。好ましくは、これは、反応器底の一部のみを覆う、制限されたサイズの混合チャンバーの使用を可能とし、より高いスラッジ濃縮は、反応チャンバー内に向けられた流入エネルギーによって攪拌される。
【0021】
さらなる態様によれば、バイオリアクターの反応器容器内で流入液を混合する方法が提供される。この方法のある実施形態では、混合チャンバーは、反応器容器内の反応チャンバーから仕切りによって分離させられた状態で設けられ、当該反応チャンバーは概ね混合チャンバー上に配置される。流入液が混合チャンバー内に供給される。流入液と再利用原料との、さらなる混合物は混合チャンバー内に投入される。再利用原料の流れはダウナーを用いて混合チャンバーへと供給できる。ある実施形態によれば、混合チャンバーから反応チャンバーへの仕切りの開口を経た流体の流れが実現される。好ましい実施形態によれば、流入液供給物は仕切りの開口に向けられる。これは、流入液導入システムから反応チャンバーへのその経路上での、供給される流入液の消散エネルギー量を低減する。
【0022】
本発明は、概ね混合チャンバー上に配置された反応チャンバーから仕切りによって分離された混合チャンバーを有する反応器容器を備えたバイオリアクターに関する。
【0023】
バイオリアクターは、反応器内へと再循環されることになる流入液あるいは排水を運ぶための、ある種の流入液導入システムを必要とする。たとえば、欧州特許第0539430号明細書から、反応器容器内の混合チャンバー内へと流入液を最初に運ぶことが有利であることが知られており、ここで、流入液は既に部分的に再利用された物質と混合される。続いて、流入液および再利用原料の混合物は反応チャンバー内へと完全に運ばれる。
【0024】
混合チャンバー、したがって、再利用される原料の混合物が反応チャンバー内に投入されるポイントは、反応器の底に配置できる。重いスラッジ粒子および固形異物は反応器の底に沈む傾向があり、一方、汚れていない流体は、反応器コラム内で、より高いところに見出され、この結果、流入液物質は、最初、底付近に投入され、続いて、処理されるときに浮き上がることが許容されるべきである。このために、バイオリアクター容器は、通常、長手方向軸線が重力の方向に向けられた状態で、シリンダーとして形成される。だが、その他の容器形状も可能である。
【0025】
より重い物質の沈降の結果、反応器容器の底に汚染スラッジが沈殿する。ある量のバイオマスがバイオリアクターの運転のために必要であるが、過剰な量は、たとえば、スラッジ放出システムによって除去する必要がある。
【0026】
バイオリアクター内のスラッジが混合チャンバーを反応チャンバーから分離する仕切りを押し下げることは問題である。この問題は、混合チャンバーを、スチールなどの硬質素材から構成することで解消可能であることが知られているが、欠点は増大するコストである。仕切りを形成するために、合成素材、たとえばプラスチックを使用するのが、よりコスト効率に優れるであろうが、公知の混合チャンバーの上面のスラッジの重量のために、その使用は実際的ではない。
【0027】
公知の混合チャンバーは、通常、反応器容器床面積の全て、あるいは、ほとんどを占有する。こうした混合チャンバーを組み立てることは、通常、反応器容器の側面に対する溶接接続を伴う。ところが、こうした接続は実施にコストがかかる。さらなる欠点は、反応器容器の設計は混合チャンバーの設計および製造の影響を受けることである。これは、バイオリアクター用途のための産業的に利用可能な標準容器の使用を困難なものとする。
【0028】
公知の混合チャンバーのさらなる問題は、混合チャンバーが反応器容器床面積の全てあるいはほとんどを占有する場合、反応器容器床上にあるいはその付近にスラッジ排出システムのための空間が存在しないか、あるいはそれが制限される、というものである。
【0029】
さらに、欧州特許第0539430号明細書による混合チャンバーは、混合チャンバーの底から上端まで延在するスリットである、混合チャンバーから反応チャンバー内へと原料を導くための排出システムを有する。この場合、原料は混合チャンバーの全高に沿って投入される。上述したように、理想的には、流入液あるいは流入液と再利用原料の混合物は、可能な限り反応器容器底の近くで、反応器容器内に投入される。混合チャンバーの全高にわたって排出口を有する公知の混合チャンバーは、したがって、最適ではない。
【0030】
本発明の目的は、これらの問題の一つ以上を克服することである。
【0031】
このために、本発明は、概して混合チャンバーの上に配置された反応チャンバーから仕切りによって分離させられた混合チャンバーを有する反応器容器を備えたバイオリアクターであって、混合チャンバーは、流入液あるいは流入液および再利用原料の混合物のための導入システムと、反応チャンバー内に原料を導入するための排出システムとを有し、仕切りは、骨組み要素から形成された骨組みによって支持されたプレートから形成され、骨組み要素は、本質的に仕切り側面に沿って存在するバイオリアクターを提供する。仕切りに沿って延在する骨組み要素を提供することによって、仕切りに沿ってコスト効率に優れたサポートを提供できる。
【0032】
本発明の一実施形態に基づく混合チャンバーはハウスを備える。それは、本質的に、床、壁を形成する側壁、および任意選択でルーフを有するボックスとして形成可能である。壁および任意選択のルーフは反応チャンバーと共に仕切りを形成する。
【0033】
ある実施形態では、上記ハウスは、反応器容器/反応チャンバーの床あるいは底の限定された面積を占有する。これは、スラッジをハウスに隣接して堆積させることを可能とし、混合チャンバーのハウス上に集積されるスラッジの重量を制限する。底表面積の限定された利用と組み合わされた骨組みの使用はコスト効率に優れる解決策である。
【0034】
混合チャンバーの壁およびルーフのために使用される、あるコスト効率に優れた素材は十分な強度を持たない、という問題を解決するための一つの手法は、骨組みあるいは架構を用いて構造体を強化することである。だが、混合チャンバー内の流動パターンが、この骨組みの要素によって制限されないことが重要である。というのは、これは混合プロセスを妨害するからである。構造体を強化するための好ましい手法は、それゆえ、それに、構造体の壁およびルーフを形成するプレートを支持する十分な強度の素材からなる骨組みを付与することであり、ここで、骨組みを形成する、たとえばリブ、サポートバー、および梁状サポートなどの骨組み要素は、本質的に、壁およびルーフを形成するプレートと同一平面内に存在し、この結果、骨組み要素は、混合チャンバー内での物質の流動を妨害しない。
【0035】
ある実施形態では、骨組みは、仕切りを局所的に支持するための仕切りのプレート状部分に沿って配置された骨組み要素を備える。骨組み要素はバーからなっていてもよい。バーは、限定された様式でしか流れを妨害しない。
【0036】
床と平行なある方向において、ボックスは、別な、床と平行な、垂直方向よりも大きなものとなる。第1の方向はチャンバーの長さと呼ばれ、第2の方向は幅と呼ばれる。床と(ほとんど)一致する平面と、ルーフあるいは混合チャンバーの最上位ポイントとの間の距離は、高さと呼ばれる。好ましくは長さ軸線に沿って、たとえば規則正しく配置された要素の形態で上記骨組みを組み立てかつ配置することが有利であり、この場合、要素はたとえばサポートビーム、ピラー、アーチ、あるいは梁であり、これは、それに対してプレートを接合できる頑丈な架構を提供する。全てのプレートは、協同で、この場合、混合チャンバーと反応チャンバーとの間に仕切りを形成する。プレートは、骨組みの外側あるいは内側(ここで、内側は混合チャンバーに面することを意味する)で接続可能であり、あるいは骨組み部分間で接続可能である。本発明に基づく好ましい実施形態では、骨組み要素は、混合チャンバーの長さに沿って相互に距離をおいて配置された梁を備える。この梁は、仕切りを形成するプレートを取り付けることができるサポートを形成する。構造体の最も長い軸線に沿って通常の様式で梁を配置することは、骨組みに荷重を均等に分散させ、かつ、当該軸線に沿って固定されたプレートサイズの利用を可能にするという利点を有する。
【0037】
さらに好ましい実施形態では、骨組みは外部骨組みであり、これは、プレートが混合チャンバーに本質的に面する骨組み要素の底面に取り付けられることを意味する。これは、混合チャンバーに面する仕切りの内面を、本質的に平滑とすることができるという利点を有し、これは混合にとって有益である。さらに、システムはそれゆえ、周囲の反応チャンバーの圧力に比べて、混合チャンバー内の一時的な過剰圧力に関して、より頑丈である。これは、たとえば、ダウナーからの流入液内にあるいは流体内に高い濃度のガス状物質が存在する場合に生じ得る。
【0038】
本発明に基づく、さらに好ましい実施形態では、混合チャンバーの底から延在するプレートは、混合チャンバー最下面に対して、45ないし85度の、好ましくは55ないし75度の角度を有する。最下面に対して85未満で、好ましくは75度未満で壁を配置することによる、非垂直壁の利点は、そうすることで、混合チャンバーのルーフに比べて混合チャンバーのルーフの面積が低減されることである。ルーフの低減された面積は、そこに沈降するスラッジを少なくすることができる。だが、壁の傾きは過度に小さなものであってはならない。さもなければ、スラッジは壁の上に同様に沈降する。したがって、最下面に対する45度の、好ましくは55度の最小角度が有利である。
【0039】
本発明に基づく、さらに好ましい実施形態では、プレートは、混合チャンバーの最下面から距離dだけ離間した一つ以上の開口を有し、ここで、距離dは混合チャンバーの最下および最上面間の差の半分未満である。上述したように、可能な限り反応チャンバー床の近くで反応チャンバー内に流入液および再利用原料の混合物を投入することが有利である。
【0040】
上記混合物と反応チャンバー内のスラッジとの間の相互作用のための最適な条件を実現するために、本発明に基づく、さらに好ましい実施形態では、混合チャンバーは反応器容器の反応器底上に配置され、かつ、仕切りの開口は反応器底と概ね平行に向けられる。
【0041】
反応容器内の混合チャンバーあるいは混合チャンバーの集合体が反応器底の全面積を占有しない場合、ほとんどのスラッジが堆積する場所に、すなわち反応器の底に、スラッジ排出システムを配置するための場所が存在する。したがって、本発明の好ましい実施形態では、反応器容器はさらに、反応器容器の反応器底上に、あるいはその近傍に配置されたスラッジ排出システムを備える。
【0042】
スラッジ排出システムが、混合チャンバー仕切りの開口と、反応器容器床から本質的に同じ距離に配置される場合は特に有利である。
【0043】
本発明に基づく、ある実施形態では、反応器容器は、反応チャンバーの床上に少なくとも二つの混合チャンバーを備え、この場合、混合チャンバーによって占有される当該床の面積は、当該床の全面積の半分未満であり、スラッジ排出システムのための十分な空間が残る。さらに、混合チャンバーは、混合物質を反応チャンバー内へと導くための開口を有する。最適混合のために、これらの開口から送り込まれる混合物原料の流れに、ある方向を与えることが有益である。好ましい実施形態では、これは、プレートが、当該プレートの表面と主として直交する方向に向けられたパイプの部片によって形成された一つ以上の開口を有する場合に実現可能である。パイプの部片の方向を調整することによって、たとえば、それらが配置される混合チャンバー壁に対してチューブの向きを変化させることによって、あるいは反応器容器内での混合チャンバー全体の向きを調整することによって、流入する混合物の流れは、バイオリアクターの設計者によって決定でき、かつ、最適な反応器効率をもたらすために設定できる。
【0044】
本発明に基づく、ある実施形態では、混合チャンバーは、たとえばボルトを用いてベースプレートに対して混合チャンバーあるいは骨組みを固定することによって反応チャンバーの床に対して固定され、そして、このベースプレートは、今度は、反応チャンバー床に対して、溶接、ボルト結合、あるいはその他の方法で固定される。
【0045】
たとえば、反応チャンバー内へ原料を導入するための開口の詰まりに起因して、あるいは混合チャンバーの上端に集まる流入物質中の高いガス濃度に起因して、混合チャンバー内の圧力が望ましくないレベルまで上昇することがある。過剰圧力を解放するために、反応チャンバーの床と混合チャンバープレートの下側縁部との間にはギャップが存在してもよい。このギャップは、たとえば、混合チャンバー骨組みが固定されるベースプレートと同じ高さを有し得る。このギャップは混合チャンバー内外の液圧力を概ね等しく維持するのを助ける(典型的な圧力差は約0.5メートルの水圧(0.05バール)である)。ベースプレートは互いに距離をおいて設けることができる。
【0046】
好ましい実施形態では、混合チャンバー排出システムはさらに、反応チャンバーへと、流入液中の、あるいは流入液および再利用原料の混合物内のガス状物質を輸送するよう構成された付加的な排出手段を備える。上記排出手段は逆U字形であってもよく、この結果、ガス状混合物は反応チャンバー内に逃げることができるが、反応チャンバーからの液状あるいはスラッジ物質が混合チャンバー内へと吹き戻ることはない。これに代えて、排出口がバルブの形態で配置されてもよい。混合チャンバーの上端付近に排出口を配置するのが有利である。というのは、ここはガス状物質が溜まる場所であるからである。
【0047】
本発明のある実施形態においては、かつ/またはその別な態様によれば、混合チャンバーは、より剛性のある素材からなる骨組みを伴わずに実現される。したがって、本発明のある実施形態は、概して混合チャンバーの上に配置された反応チャンバーから仕切りによって分離させられた混合チャンバーを有する反応器容器を備えたバイオリアクターであり、混合チャンバーは、流入液あるいは流入液および再利用原料の混合物のための導入システムと、反応チャンバー内に原料を導入するための排出システムとを有し、かつ、混合チャンバーは、反応器容器の床と、45度ないし85度の、好ましくは55度ないし75度の角度をなす壁を有し、かつ、混合チャンバーは、ダウナーチューブに接続されたルーフ部分を有する。上記バイオリアクターは、上述した有利な特徴と組み合わせることができる。この態様に基づく混合チャンバーの好ましい実施形態は、ハウスとして形成された混合チャンバーを備え、これは反応器容器の底の表面積の限定された領域を占有する。これは、スラッジが混合チャンバー付近に堆積することを可能とし、そして、ある実施形態においては、混合チャンバーによって占有されていない反応器容器の底に形成されかつ配置されたスラッジ除去システムを用いて、(定期的)間隔をおいてスラッジを除去することを可能とする。これは、混合チャンバー上のスラッジの圧力/重量を低減することを可能とし、少ない素材を用いた混合チャンバーの建造を可能とする。
【0048】
特定の実施形態を本明細書において説明したが、本発明はこの特定の実施形態に限定されないことは当業者にとっては自明である。暗示的な利点を有する特徴だけでなく明示的な利点と共に説明された特徴を含む、本明細書中で説明した特徴のいずれかは、この開示の中に含まれており、かつ、特許請求の範囲に記載した事項の、そして特に分割出願の一部となり得る。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】バイオリアクターの垂直断面図である。
【図2a】混合チャンバーの詳細断面図である。
【図2b】混合チャンバーの詳細断面図である。
【図2c】混合チャンバーの詳細断面図である。
【図2d】混合チャンバーの詳細断面図である。
【図3a】反応チャンバー内の混合チャンバーの平面図である。
【図3b】スラッジ排出システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
排水処理においては多くの手法が存在することが知られている。選択肢の一つは、排水中の有機物質の消化が準備される様式である。これは、たとえば、嫌気性消化(これは酸素の存在しない状況で実施される細菌性処理である)あるいは好気性消化(これは酸素が存在する状況下での細菌性処理である)によって実施できる。嫌気性状況下では、スラッジ細粒と低脂肪酸などの水溶性物質との接触の結果、反応チャンバー内で発酵が生じ、メタンが生成される。
【0051】
図1に示すバイオリアクター1は、嫌気性排水処理設備であって、反応器容器41を備え、その内部が反応チャンバー2である。言うまでもなく、広範な反応器サイズが可能である。反応器容器41の寸法は、高さ8〜30メートル、直径3〜15メートルである。嫌気性排水処理容器に関する典型的な寸法は、高さ20〜30メートル、直径5〜15メートルである。反応チャンバー2内では、汚染された流体はスラッジと相互作用し、特に嫌気性細菌処理がそこで行われる。反応チャンバー2の床10上には、少なくとも一つの混合チャンバー3が存在し、これは、入ってくる流入物質を、部分的に再循環される物質と混合する。混合チャンバー3は、処理のための反応チャンバー2内へと流動性混合物を導入するよう設計される。各混合チャンバー3は導入システム4を介して流入物質を受け取る。流入液は混合チャンバー3内へと外部からポンプ42で圧送され、パイプ43によって配分される。
【0052】
導入システム4はまた、混合チャンバー3に接続されたダウナー7を備える。ダウナー7は、バイオリアクター1の高い領域からの再利用物質を再び混合チャンバー3内へと戻す。それが流入物質と混合された後、新しくかつ部分的に再利用される物質の混合物は再び反応チャンバー2内へと戻される。通常、反応チャンバー2内には各混合チャンバー3のための一つのダウナー7が存在する。
【0053】
図示する実施形態における混合チャンバー3は、本質的に、混合チャンバー3と反応チャンバー2との間に仕切り44を備えた、ボックス形状である。仕切りすなわち膜44は、通常、たとえばポリプロピレンなどのプラスチックからなるプレート8によって形成される。混合チャンバー3のルーフ9および床は、本質的に、反応器容器床と平行である。だが、たとえば円錐あるいはピラミッド形状のルーフを持たない構造、および/または、たとえば逆ピラミッドあるいは漏斗形状のルーフを持たない構造を考えることもできる。
【0054】
図1から分かるように、反応器容器床10は本質的に反応チャンバー床と同じである。本明細書では、この二つの用語は交換可能に使用する。
【0055】
混合チャンバー3と反応チャンバー2との間の流体接続を形成する円形開口49がプレート8に設けられ、混合チャンバー3内への導入システム4の排出口を形成している。導入システム41の排出口は、この実施形態では、円形断面12を備えた仕切り44を経て延在する多数の小さなパイプ66(図1には示していない。図2c参照)からなる。導入システム4から、流入液は、導入システム4の排出口を経て吐出させることで、混合チャンバー内へと導かれる。混合チャンバーから、流体は開口49を経て反応チャンバー2に入ることができる。
【0056】
混合チャンバーから反応チャンバー内へと物質を導くための、さまざまなその他のタイプの開口49が実施可能であるが、パイプの利点は、流出物質が、概してパイプ66の長さに沿って誘導されることである。これは、バイオリアクターの設計者が、反応チャンバー内での反応のための最適な状況を得るための様式で、チューブのポジションおよび位置を設定することを可能とする。
【0057】
パイプ66は、混合チャンバー内へと内側にプレート8のある程度内部に延在し、かつ、反応チャンバー2内へとプレート8の外側から、ある程度延在している。スラッジは混合チャンバー3の上に堆積し得る場合、集められたスラッジはチューブ66の上を落下し/滑り、パイプ出口を詰まらせることはない。
【0058】
好ましい実施形態では、導入システム4の排出口はさらに一つ以上のガス解放システム13を備え、これは、混合チャンバー3からのガス状物質を反応チャンバー2内へと導く。解放システム13を混合チャンバー3のルーフ9の上に配置することは有利である。なぜなら、ガス状物質は混合チャンバー3の上端まで上昇するからである。図1に示すもの以外の圧力解放システム13、たとえばバルブは当業者にとって公知である。解放システム13は、好ましくは、反応チャンバーからのスラッジ物質が混合チャンバーに入ることを抑止するために、逆U字形状を有する。
【0059】
混合チャンバーの特徴を、図2および図3と関連付けて詳しく説明する。
【0060】
導入システム4の排出口は、仕切り44を経て反応チャンバー2内へと流入液および再利用物質の流動性混合物を移送する。反応チャンバー2内で嫌気的反応が生じる。流入物質が処理されているとき、軽い物質、たとえばガスおよび液体は、反応チャンバー2内で概して浮き上がる。
【0061】
図1に基づく実施形態において、バイオリアクター1は、第1段階収集システムすなわちセパレータ17を具備してなり、これは主としてガス状および液状物質を集めるよう構成されている。第2段階収集システムすなわちセパレータ18が同様に設けられる。両収集システム17および18は、第1段階の場合には相互接続ライザー19を介して、分離チャンバー20内へと物質を導く。この分離チャンバー20はガス状物質を物質の残部から分離させる。ガス状物質はバイオガス排出口21を経てチャンバーから排出できる。その他の物質はダウナー7内で収集され、そして再び混合チャンバー3内へと導入システム4を介して輸送される。こうして混合チャンバー3は流入物質および部分的に再循環される物質を混合する。ダウナー7および相互接続ライザー19は、線によって、大まかに示している。
【0062】
図1において、ダウナー7は混合チャンバー3のルーフ9に取り付けられている。混合チャンバー3がダウナー7を支持しても、あるいはダウナー7が混合チャンバー3を支持するのを助けてもよい。たとえば混合チャンバー3の内部の導入口を介するといった、ダウナー7を混合チャンバー3に接続するための、その他の手法も同様に実施可能である。本発明のある実施形態では、図1には示していないが、流入物質の一部または全部が、分離チャンバー20と混合チャンバー3との間のどこかで、ダウナー7内に投入され、かつ、そこから混合チャンバー3へと輸送される。
【0063】
反応チャンバー2はさらに、放出すなわち浄化された液状物質のための流出液排出システム22を備える。この流出液排出システム22は収集システムであり、反応チャンバー2からの放出流体を蓄積するが、これは、続いて、流出液放出部23を介してバイオリアクターの外に出ることができる。流出液排出システム22は大まかに示しているに過ぎない。
【0064】
図1に基づく実施形態においては、物質を反応チャンバー2の外に出すための三つの様式が存在する。第一に、浄化された流体は流出液排出システム22を経てシステムを出て行くことができる。第二に、ガスおよび流体の混合物は、収集システムステージ17あるいは18の一つに入ることができる。この場合、ガス状物質はバイオガス排出口21を経てバイオリアクターから出て行き、そして、その他の物質はダウナー7を経て混合チャンバーへと再び送り込まれる。第三に、流体および固形物質の混合物はスラッジ放出システムによって除去される(図1には示していない)。
【0065】
図2a〜2cは、混合チャンバーの三つの断面、すなわち正面視(2a)、側面視(2b)および平面視(2c)を示している。
【0066】
図2の混合チャンバー3は、バイオリアクター1の外側に配置されたポンプ42に接続された、流入液あるいは流入液および再利用原料4の混合物のための導入システムを備える。この導入システム4は、流入液が、バイオリアクター1に、特に混合チャンバー3に流入することを可能とする。
【0067】
ポンプ42から、図2dに示す実施形態によれば、三つのパイプ50,51,52が反応器容器41に入る。パイプ50〜52は混合チャンバー2に接続されかつそれに入り、仕切り44の開口を経て延在する。パイプ50〜52は分配パイプ53〜55に接続される(図2cに詳しく示す)。分配パイプ53〜55は反応器容器41の底10の上で、ほとんど水平面内で延在する。流入液導入システム4はパイプ50〜52および53〜55、ならびにダウナー7を備える。流入液導入システム4は、さまざまな数のパイプおよび/または図に示すのとは異なる配置状態のパイプを用いて構成できることは当業者にとって自明である。たとえば、流入物質は、ルーフ9を貫通して延在する一つのパイプ51を有するのに代えて、全てがチャンバー仕切りの側面を貫通して延在するパイプを経て、混合チャンバーに流入できる。
【0068】
分配パイプ53〜55はそれぞれ多数の排出口すなわち出口を有する。分配パイプは流入液のための五つの排出口を有する。排出口はノズル60〜64によって形成される。ノズル60は図2bの側面図に示されている。ノズル60〜64は仕切り44に向けられるが、これは(ここではパイプ66の形態)開口を備える。流入液は、混合チャンバー3内に既に存在する流体との混合を可能とするために混合チャンバー3に流入する。さらに、仕切り44におけるノズル60〜64の方向の結果として、混合チャンバーからの流体は、パイプ66内への流入液と共に反応チャンバー2内へと吸い込まれる。
【0069】
ある実施形態では、図2bに断面視で示すパイプ66は、混合チャンバーの内部から仕切り65を経て延在しており、かつ、仕切り44から反応チャンバー2内へと外側に延在している。
【0070】
流入液導入システム4は、さらに、仕切り44とは反対方向に仕切りに向かって反対方向に向けられた五つのノズルをやはり有する分配パイプ55を備える。
【0071】
分配パイプ54は、反対方向に向けられた四つのノズル70〜73を有し、これらはまた、混合チャンバー3からの液体が開口を経て反応チャンバー2内へと吐出するための開口を有する、別な仕切り壁に向けられている。
【0072】
ノズル端部67と、仕切りを貫通するパイプ66の近位端部68との間の、図2bに示す自由スペース69は、混合チャンバー3を貫通するノズル60からの流入液のための自由経路を形成している。
【0073】
流入液が混合チャンバー3内に供給されるとき、それはノズル60〜64によって加速され、当該ノズルは混合チャンバー内へと流体/流入液を吐出させるために表面積の縮小を伴う。ノズル80の実施形態の細部は図2dに示されており、これは、分配パイプの表面積に対する、ノズル80の吐出端部81における、少なくとも20%の、ここでは50%の表面積縮小を示している。直径83は、直径82よりも少なくとも10%小さい。
【0074】
自由通路69は、ある実施形態では、約20〜80mm、好ましくは30〜50mmである。ノズル81の直径83は、好ましくは、約70〜120mmである。ある実施形態では、パイプ66の直径は約120〜180mmである。
【0075】
ノズルの吐出端部81はパイプ66の開口68に向けられており、当該パイプは、ノズル端部69,81の表面積よりも大きな、好ましくは約30%、さらに好ましくは約50%大きな表面積を有する。
【0076】
ノズル端部67において流入液が混合チャンバー3内に供給されるとき、それは、その速度の結果として、混合チャンバーから流体を引き込み、すなわち汲み出す。混合チャンバー3からの流入液および流体の混合物はパイプ66の開放端部68内に流入する。混合チャンバー3からの流入液および流体の混合は、流入液の導入エネルギーを使用した結果である。さらに、導入エネルギーは反応チャンバー2内への混合物流のためのエネルギーとして直に供給される。
【0077】
パイプ66およびノズル60の中心線98は概ね整列している。
【0078】
さらなる分配パイプ54は、ダウナー7から混合チャンバー3に流入する再利用混合物、およびポンプ41から混合チャンバーに流入する流入液の一部の渦流を実現するために、ダウナー7に対して接線方向に向けられたノズル78,79を備える。
【0079】
図2aは、ダウナー7をルーフ9と連結するためのルーフ9上に配置されたフランジ90を示している。フランジ90の使用は、ルーフに対してダウナー7を素早く連結することを可能とし、コスト節約が図れる。
【0080】
混合チャンバーを、プラスチックなどの比較的安価な素材、特にポリプロピレンあるいはポリエチレンから形成するのが有利である。だが、主としてその上面に堆積するスラッジに起因した外圧に抗するために必要な強度をチャンバーが持つために、本発明に基づいて、さまざまな手段がとられる。
【0081】
図2aに基づく実施形態では、混合チャンバー3は仕切り44を、ここでは、混合チャンバーの壁およびルーフ9を形成するように一緒に配置されたプラスチックプレート8を備え、それに対して、支持構造体あるいは骨組み14、ここでは、梁すなわちリブ15の形態の外部骨組みが取り付けられる。この手段は、構造体を強化する効果を有し、したがって、それは、その上面上のスラッジからの圧力に、さらに十分に耐えることができる。ある実施形態では、金属梁15が使用される。別な実施形態では、梁はまたプラスチックから形成される。骨組みあるいは支持フレームとして梁/リブを使用することによって、混合チャンバー3を形成するための唯一の素材としてプラスチックを使用することが可能となる。
【0082】
別な実施形態では、混合チャンバー3のハウスは、それ自体、たとえば仕切りのための金属プレートを用いることによって自立可能である。
【0083】
図2aは、混合チャンバー3の長さに沿って割り当てられた7個の梁15の側面図である。図2bは、あるそうした梁15の断面を示している。したがって、ある好ましい実施形態では、側壁およびルーフ9を形成する直線部分は、壁およびルーフ9を形成するプレート8に沿って存在し、したがって混合チャンバー3の内部の流れを乱さない。梁部分15はプレート8の内側に、あるいは外側に取り付けられてもよい。プレート8の外側に梁15を取り付けるのは有益であり、これによって、混合チャンバー仕切りの内面は平坦かつ滑らかとなり、最適な混合を可能とする。これは外部骨組みを形成する。さらに、外部骨組みは、過剰圧力が生じる場合、混合チャンバーを強化する。
【0084】
ある実施形態は、混合チャンバー3のために二つの素材、支持構造体14のための、第1のより硬質な素材およびプレート8によって形成された仕切り44のための第2のよりフレキシブルな素材を利用する。別な実施形態は、自立形態で壁およびルーフの構造体全体を形成することであり、これは、支持構造体の必要性を排除するが、使用される素材の要求(およびおそらくはコスト)を増大させる。スチールプレートを、混合チャンバー2のハウスを製造するために使用できる。
【0085】
反応チャンバーからの押圧力に抗するための第2の手段として、ルーフ8および壁9はスラッジ堆積物に関して有利な形状とされる。ルーフ9は相対的に小さく形成され、すなわち、それは、上から見たときに相対的に小さな表面積を有する。図1および図2に基づく実施形態において、混合チャンバー3は、底10の表面領域の全表面積の30%未満を、好ましくはその20%未満を占有するルーフ9を有する。相対的に僅かな量のスラッジしか、このルーフ9の上には堆積しない。
【0086】
外部骨組みを用いることで、梁15はルーフ9の上に配置され、スラッジがルーフ9から離れるように案内されることを可能とする流動ガイドを形成する。
【0087】
依然として、ルーフは、概して、導入システムの、たとえばフランジなどの接続手段を支持するのに十分なほど大きく構成される(図2C参照)。壁8は、反応器容器41の床に対して角度アルファで配置され、その上には反応チャンバー2が配置される。有利な角度は、少なくとも45度、好ましくは55ないし75度である。90度に近いような大きな角度は不利である。というのは、これは、ルーフ面積が増大し、この結果、スラッジがそこに堆積し得ることを意味するからである。壁8のスロープはスラッジがそこに堆積するのを阻止するのに十分なほど急であるのが、より急ではなく、たとえば55ないし75度であるのが理想である。これによって、混合チャンバー3の上に堆積しようとするスラッジのほとんどが反応器容器床10へと滑り落ちることが保証される。これは、混合チャンバー10へのストレスの観点から、そしてバイオリアクター1の働きの観点から有益であるが、これは、床10付近の重い物質と上方の軽い物質との間に最大の高さ分離が存在する場合に、最も良好に機能する。
【0088】
混合チャンバー3は、チャンバーの底ストリップ15の孔を貫通するピンあるいはネジを用いて反応器容器41の床10に取り付けられる。容器床10に対して混合チャンバー3を取り付けるために、さまざまな手法が存在することは当業者には自明である。本発明に基づく、ある実施形態では、混合チャンバーは、たとえばボルトを用いてベースプレートに対して底ストリップ15を固定することによって反応チャンバーの床に対して取り付けられ、このベースプレートは、今度は、反応チャンバー床に対して、溶接されるか、ボルト結合されるか、あるいはそれ以外の方法で固定される。反応チャンバーの床と混合チャンバープレート8の下側縁部との間にはギャップが存在してもよい。このギャップは、たとえば、混合チャンバー骨組みが取り付けられるベースプレートと同じ高さを有していてもよい。
【0089】
本発明のある態様に基づいてハウスとして形成された混合チャンバー3への重量を加えるスラッジの作用を低減するための第3の手段が図3に示されているが、これは、円筒形容器11内の反応チャンバーの床上の四つの混合チャンバーの平面図である。ここでは、反応チャンバー2の床および反応器容器4の床10は同義であり、混合チャンバーが載置される表面を指している。図3から分かるように、全ての混合チャンバー3によって同時に占有される反応チャンバー床領域10全体は、通常、床領域10の半分未満であり、床10上の混合チャンバー3の位置は等しく割り当てられている。したがって、スラッジの大半は、直ちに床10の上に堆積し、一部は傾斜した壁を滑り落ちて床上に達し、僅かなスラッジのみが混合チャンバー3のルーフ9の上に留まる。たとえば反応器41の床全体にわたる欧州特許第0539430号の円錐構造などの、公知の混合チャンバー3に比べて、これは、混合チャンバー構造体3に加わる力が大きく低減されることを、したがって構造体は、より軽くかつよりコスト効率の良い素材を用いて形成できることを意味する。
【0090】
したがって、やはり全面積および反応チャンバー容積に対する混合チャンバー容積の比率に依存して、一つの大きなものよりも、一つ以上の小さな混合チャンバー3を有することは、より有益である。これは、スラッジの大半が堆積するのに利用可能な十分な床面積が存在することを保証し、かつ、排出システムチューブ12を方向付けるのに十分な利用可能な床面積が存在することを意味し、この結果、最適な反応条件が実現される。
【0091】
図3aは、床101を有すると共に約15メートルの直径を有する反応器容器100を有する、異なるバイオリアクターの断面図である。図3aに基づく、そうした構造においては、底101は、床面101上に割り当てられた四つの混合チャンバー102〜105を備える。混合チャンバー103および105は概ね同じサイズを有し、一方、チャンバー102および104は概ね同じサイズを有する。混合チャンバー102〜105は、図2a〜2cに基づく混合チャンバーのハウスと、ほとんど同じように構成される。
【0092】
混合チャンバー102〜105のハウス(ただし、混合チャンバー3も同様)は、好ましくは、約2〜3メートルの幅を有し、そして4〜9メートルの間で変化する長さを有することができる。梁は、好ましくは、混合チャンバーの長さに沿って相互に距離を置いて配置され、梁は、幅方向に延在すると共にハウスを支持する。
【0093】
本発明に基づく混合チャンバーは、ボート形状ハウスを備える。そうしたハウスは製造ステップにおいて事前に建造できる。これは、バイオリアクターのモジュール式発展を可能とする。さらに、ボート形状混合チャンバーを建造することで、従来技術に比べて、組み立て時間が大幅に節約され、コスト節約が可能となる。さらに、ボート状構造体は、それに対してダウナーを接続できるルーフを形成することを可能とする。
【0094】
図3aによる平面図から分かるように、それぞれの混合チャンバー102〜105の仕切りを貫通するパイプ106は、概ね全ての四つの方向に混合チャンバー102〜105から離れるように向けられている。これは、底面101と概ね平行に反応チャンバー内へと混合チャンバー102〜105から流体を供給することを可能とし、反応チャンバー内での,ある程度の混合を可能とする。底101の上に堆積する,さらなるスラッジが乱され、パイプ106から吐出する流れの結果として再利用および再循環され、反応チャンバー内で再利用される。
【0095】
流入液導入システム115が図3aに示されており、これは、混合チャンバー102〜105内の分配パイプに接続された12本のパイプを有する。流入液の配分は、概して、図2a〜2cに基づく分配と類似している。パイプは、好ましくは、プラスチックなどの人工素材から形成される。
【0096】
ダウナー110〜113は、底101の表面領域に対して非常に制限された面積を有するルーフ表面に接続され、当該ダウナー110〜113はバイオリアクターの上端からの再利用物質の分配を可能とする。ここで、ルーフ表面積は床表面積全体の10%未満である。
【0097】
図3aには示していないが、図3bの実施形態と同様に、スラッジ除去システムを、床101に存在するスラッジを除去するために底101付近にあるいはその上に配置できる。
【0098】
混合チャンバー102〜105の仕切り壁が相対的に急な角度で配置されるので、スラッジは仕切りの上には集積せず、床101に集積され、そしてスラッジ除去システムは、スラッジを、より素早く除去することができる。
【0099】
図3bはスラッジ排出システム30を示しており、これは、導入開口32を備えた反応器内のチューブと、反応器容器外部の排出出口31とを備える。相対的に小さなチャンバー3が反応器容器41の底10の上にスラッジ排出システムを配置するのに十分な空間を残すことが本発明の利点である。このスラッジ排出システムを低い高さに位置させることが有益である。なぜなら、スラッジは底に沈むからである。さらに、スラッジ排出システム30と本質的に同じ高さで配置された混合チャンバー排出開口12を有することが有利である。
【0100】
スラッジ排出システム30は、容器41の外部に配置されたポンプに接続可能である。ある実施形態では、スラッジ排出システムは、反応器容器41の床の上で延在するスラッジ排出システムのパイプの長さにわたって割り当てられた開口を備える。
【0101】
混合チャンバーは、当業者には公知の簡単な取り付け手段によって、円筒形容器、あるいは、もちろん、局所的に平坦な床を備えた何らかの形状の容器の床上に配置でき、しかも、たとえば円筒形容器の側面に溶接される欧州特許第0539430号の円錐構造体を備えた場合のように、周囲の容器と別の方法で構造的に一体化されないことが本発明のさらなる利点である。本発明に基づいてバイオリアクターを製造する際、これは、オーダーメードのバイオリアクター容器ではなく、市販されている容器を使用を可能とし、これはコストの点で著しく有利である。
【0102】
さらなる態様によれば、本発明は以下の条項に関する。
【0103】
条項1:概して混合チャンバーの上に配置された反応チャンバーから仕切りによって分離させられた混合チャンバーを有する反応器容器を備えたバイオリアクターであって、混合チャンバーは、流入液あるいは流入液および再利用原料の混合物のための導入システムと、反応チャンバー内に原料を導入するための排出システムとを有し、仕切りは、骨組み要素から形成された骨組みによって支持されたプレートから形成され、骨組み要素は本質的に仕切り側面に沿って存在するバイオリアクター。
【0104】
条項2:骨組み要素は、混合チャンバーの長さに沿って相互に距離を置いて配置された梁を備える、条項1に基づくバイオリアクター。
【0105】
条項3:骨組みは外部骨組みであって、プレートは、本質的に混合チャンバーに面する骨組み要素の側面に取り付けられる、条項1または2に基づくバイオリアクター。
【0106】
条項4:混合チャンバーは反応器容器の床上に配置された、床の70%未満の、好ましくは50%未満の限定された表面積を占有するハウスである、条項1ないし3のいずれかに基づくバイオリアクター。
【0107】
条項5:混合チャンバーの底から延在するプレートは、45ないし85度の、好ましくは55ないし75度の、混合チャンバー最下面に対する角度を有する、条項1ないし4のいずれかに基づくバイオリアクター。
【0108】
条項6:プレートは、混合チャンバーの最下面から距離dにある一つ以上の開口を有し、距離dは、混合チャンバーの最下および最上面間の差の半分よりも小さなものである、条項1ないし5のいずれかに基づくバイオリアクター。
【0109】
条項7:混合チャンバーは反応器容器の反応器底上に配置され、かつ、仕切りの開口は反応器底と概ね平行に向けられている、条項1ないし6のいずれかに基づくバイオリアクター。
【0110】
条項8:反応器容器は、さらに、この反応器容器の反応器底上にあるいはその近傍に配置されたスラッジ排出システムを備える、条項1ないし7のいずれかに基づくバイオリアクター。
【0111】
条項9:スラッジ排出システムは、反応器容器床から、混合チャンバー仕切りの開口と本質的に同じ距離に配置される、条項8に基づくバイオリアクター。
【0112】
条項10:反応器容器は反応チャンバーの床上に少なくとも二つの混合チャンバーを備え、混合チャンバーによって占有される、この床の面積は当該床の全面積の半分よりも小さなものである、条項1ないし9のいずれかに基づくバイオリアクター。
【0113】
条項11:プレートは、このプレートの表面と主として直交する方向に向けられたパイプの部片によって形成された一つ以上の開口を有する、条項1ないし10のいずれかに基づくバイオリアクター。
【0114】
条項12:混合チャンバー排出システムは、さらに、反応チャンバーへと流入液中のあるいは流入液および再利用原料の混合物中のガス状物質を輸送するよう構成された排出手段を備える、条項1ないし11のいずれかに基づくバイオリアクター。
【0115】
条項13:概して混合チャンバーの上に配置された反応チャンバーから仕切りによって分離させられた混合チャンバーを有する反応器容器を備えたバイオリアクターであって、混合チャンバーは、流入液あるいは流入液および再利用原料の混合物のための導入システムと、反応チャンバー内に原料を導入するための排出システムとを有し、かつ、混合チャンバーは、反応器容器の床と、45度ないし85度の、好ましくは55度ないし75度の角度をなす壁を有し、かつ、混合チャンバーはダウナーチューブに接続されたルーフ部分を有するバイオリアクター。
【0116】
条項14:条項2ないし12の特徴のいずれかと組み合わされた条項13に基づくバイオリアクター。
【0117】
条項15:概して混合チャンバーの上に配置された反応チャンバーから仕切りによって分離させられた混合チャンバーを有する反応器容器を備えたバイオリアクターであって、混合チャンバーは、流入液あるいは流入液および再利用原料の混合物のための導入システムと、反応チャンバー内に原料を導入するための排出システムとを有し、かつ、混合チャンバーは、反応器容器の床上に配置されており、混合チャンバーは、反応器の床の全表面積の、50%未満の、小さな表面積を占有し、かつ、スラッジ除去システムが、混合チャンバーと反応器容器の内壁との間で、床上にあるいはそれに近接して配置されているバイオリアクター。
【0118】
上記条項のいずれかは、添付された条項セットにおいて特定された特徴のいずれかと共に組み合わせて使用することができる。
【符号の説明】
【0119】
1 バイオリアクター
2 反応チャンバー
3 混合チャンバー
4 導入システム
7 ダウナー
8 プレート
9 ルーフ
10 床
12 円形断面
13 ガス解放システム
14 骨組み
15 梁
17,18 セパレータ
19 相互接続ライザー
20 分離チャンバー
21 バイオガス排出口
22 流出液排出システム
23 流出液放出部
30 スラッジ排出システム
31 排出開口
32 導入開口
41 反応器容器
42 ポンプ
43 パイプ
44 仕切り
49 開口
50〜55 パイプ
60〜64 ノズル
65 仕切り
66 パイプ
67 ノズル端部
69 自由スペース
70〜73 ノズル
78〜80 ノズル
81 吐出端部
90 フランジ
100 反応器容器
101 床
102〜105 混合チャンバー
110〜113 ダウナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
概して混合チャンバー(3)の上に配置された反応チャンバー(2)から仕切り(44)によって分離させられた混合チャンバー(3)を有する反応器容器(41)を備えたバイオリアクター(1)であって、前記混合チャンバー(3)は、流入液あるいは流入液および再利用原料の混合物のための導入システム(4)を有し、前記導入システム(4)は、前記混合チャンバー(3)内に排出開口(60〜64)を有し、前記仕切り(44)は、前記混合チャンバー(3)と前記反応チャンバー(2)との間の接続部を形成する開口(66)を有し、前記導入システム(4)の前記排出開口(60〜64)は前記仕切りの前記開口(66)に向けられていることを特徴とするバイオリアクター(1)。
【請求項2】
前記排出開口(60〜64)は、前記仕切りの前記開口(66)と整列させられている(98)ことを特徴とする請求項1に記載のバイオリアクター。
【請求項3】
前記導入システム(4)の、好ましくは流入液(115)用の前記導入システムの少なくとも四つの排出開口(60〜64)が、前記仕切り(44)の四つの個々の開口(66)に向けられるか、あるいはそれと整列させられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバイオリアクター。
【請求項4】
前記排出開口(60〜64)は、表面積縮小を伴ったノズル(80)を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のバイオリアクター。
【請求項5】
前記縮小は少なくとも25%であることを特徴とする請求項4に記載のバイオリアクター。
【請求項6】
前記排出開口(60〜64)の表面積は、前記仕切りの前記開口(66)の表面積よりも、少なくとも20%、好ましくは少なくとも40%小さいことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のバイオリアクター。
【請求項7】
前記導入システムの前記排出開口(60〜64)と仕切りの前記開口(66)との間の距離は、前記排出開口の断面の幅の8倍未満、好ましくは5倍未満であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のバイオリアクター。
【請求項8】
前記排出開口および/または前記仕切りの前記開口は、前記導入システムの前記排出開口と仕切りの前記開口との間の距離を変更するために、前記混合チャンバー内に移動可能に設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のバイオリアクター。
【請求項9】
前記仕切り(44)の前記開口(66)は、前記仕切りの一方側から、前記仕切りを貫通して、前記仕切りの他方側から外へと延在するチューブを備えることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のバイオリアクター。
【請求項10】
前記仕切りの前記開口は、前記反応器容器(41)の反応器底(10)に、20センチメートル内で、近接して配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載のバイオリアクター。
【請求項11】
前記混合チャンバーは、さらに、流入液およびダウナー(7)などの再利用原料の混合物のための流出開口に対して少なくとも部分的に接線方向に配置された前記流入液導入システム(4)の流出開口(78,79)を具備してなることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載のバイオリアクター。
【請求項12】
前記仕切り(44)は前記混合チャンバー(3)の側壁(8)を備え、かつ、前記開口(66)は前記側壁内に配置されており、かつ、前記側壁は前記反応器容器(41)の底(10)に対して傾けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載のバイオリアクター。
【請求項13】
前記混合チャンバー(3)は前記反応器容器(41)の反応器底(10)上に配置されており、かつ、前記仕切りの前記開口(66)は前記反応器底(10)と略平行に向けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれか1項に記載のバイオリアクター。
【請求項14】
前記混合チャンバーは、四つの相互に概ね垂直する方向に前記混合チャンバー(4)から外側に向けられた前記仕切り(44)の少なくとも六つの開口(66)を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項13のいずれか1項に記載のバイオリアクター。
【請求項15】
バイオリアクターの反応器容器内で流入液を混合するための方法であって、前記反応器容器内に反応チャンバーから仕切りによって分離させられた混合チャンバーを提供することと、前記混合チャンバー内に流入液を供給することと、前記仕切りの開口を経て前記混合チャンバーから前記反応チャンバーへ至る流れを実現することと、を具備し、前記反応チャンバーは概して前記混合チャンバーの上方に配置されており、前記流入液供給は、前記仕切りの前記開口に向かって方向付けられることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図3a】
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【図3b】
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【公表番号】特表2012−525967(P2012−525967A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−509747(P2012−509747)
【出願日】平成22年5月3日(2010.5.3)
【国際出願番号】PCT/NL2010/050254
【国際公開番号】WO2010/128850
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(512163875)
【Fターム(参考)】