混合物の分離凝縮装置
【課題】少量の試料を気化させるのに適する試料気化部と少量の試料を収集するのに適する収集部を備え、少量の混合物を自動的に分離できるようにする混合物の分離凝縮装置を提供する。
【解決手段】本発明は混合物の分離凝縮装置に関し、基底部;試料気化部;前記基底部に設けられ、試料を収集するために一列に連続的に配列されるように形成された複数の収集器を備え、備えられた複数の収集器が順次的に前記試料気化部から気化される物質を通るようにする収集部;前記収集部を移動させる駆動部;及び前記試料気化部を制御して試料が気化されるようにし、前記駆動部を制御して前記収集部が移動されるように制御する制御装置を含む。
【解決手段】本発明は混合物の分離凝縮装置に関し、基底部;試料気化部;前記基底部に設けられ、試料を収集するために一列に連続的に配列されるように形成された複数の収集器を備え、備えられた複数の収集器が順次的に前記試料気化部から気化される物質を通るようにする収集部;前記収集部を移動させる駆動部;及び前記試料気化部を制御して試料が気化されるようにし、前記駆動部を制御して前記収集部が移動されるように制御する制御装置を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は混合物の分離凝縮装置に関する。
【背景技術】
【0002】
混合溶液の構成成分を見出すことは産業的や学術的に非常に重要なことである。現代において複雑な混合溶液の構成成分に対する精密分析には、クロマトグラフィー法に基づく分離・分析方法がもっとも広く用いられている。しかし、この方法を用いて分離・分析を遂行するためには、蓄積された経験と熟練された技術が要求される。
また他の混合溶液の分離方法は構成成分の沸点の差異を用いた分別蒸留法があり、これに係わる伝統的な分別蒸留装置は石油精製のような分離−精製に広く用いられる。
【0003】
しかし、このような伝統的な分別蒸留装置は、現代の化学器機分析装備と結合されて分離−分析に活用されるには運営が煩わしく、多量の物質の分離に適するように設計されて製作されるため、少量試料の分離−分析には適していないという問題点がある。
一方、物質の沸点と気化点の差異を用いて構成成分を分離−分析する従来の他の技術は、熱重量法と質量分析法及び赤外線分光法を結合させたTG−MS、TG−IRなどの融合分析技術で発見される。
【0004】
これら分析法では、試料の蒸発、気化、熱分解過程に伴う夫々の重量変化を測定すると同時に、各過程で放出される蒸気と気体を質量分析器及び赤外線分光器に誘導し、これらの気体成分を分析する。
このような分析法はオンライン分離−分析を可能にする長所を有するが、流れる気体を分析するため、分離されて出された試料(気体)を多様な分析方法を用いて多角度から分析するには適していないという問題点がある。
また、個別的に生産された熱重量分析器と質量分析器及び赤外線分光器を連結するためには、既存装備の大々的な変更が必要であるという問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上述のような問題点を解決するために導き出されたものであり、少量の試料を気化させるのに適する試料気化部と少量の試料を収集するのに適する収集部を備え、少量の混合物を自動的に分離できるようにする混合物の分離凝縮装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述のような目的を果たすための本発明は、基底部;前記基底部に設けられ、試料を貯蔵し、貯蔵された試料を気化させるための試料気化部;前記基底部に設けられ、試料を収集するために一列に連続的に配列されるように形成された複数の収集器を備え、備えられた複数の収集器が順次的に前記試料気化部から気化される物質を通るようにする収集部;前記収集部の収集器が前記試料気化部を順次的に通るように前記収集部を移動させる駆動部;及び前記試料気化部を制御して試料が気化されるようにし、前記駆動部を制御して前記収集部を移動させる制御装置を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は前記収集部を冷却させるための冷却部をさらに含むことを特徴とする。
また、本発明は前記収集部を乾燥した状態に維持するようにするためのパージ部をさらに含むことを特徴とする。
また、本発明は前記試料気化部の温度を測定する温度測定部をさらに含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の前記制御装置は前記試料気化部の温度変化量に比例するように前記収集部の移動速度を制御することを特徴とする。
また、本発明の前記試料気化部は、試料を貯蔵する試料セル;前記試料セルを加熱するための加熱器;及び基底部に設けられ、試料セルと加熱器を搭載するためのセルホルダーを含むことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の前記収集部は、試料を収集するために一列に連続的に配列されるように形成された複数の前記収集器を備え、備えられた複数の収集器が順次的に前記試料気化部から気化される物質を通るように移動する移動板;及び前記移動板を支持し、前記基底部から離隔されるようにする支持部材を含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は気化される物質が限定された収集器にのみ付着されることができるように制限する開口部が形成されている誘導器をさらに含むことを特徴とする。
また、本発明の前記誘導器の開口部の間隔は調整可能であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の前記収集器は板状であることを特徴とする。
また、本発明の前記収集器は0.1〜100μm間隔の微細パターンを有した固体板であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の前記収集器は毛細管が格子状に形成された毛細管アレイであることを特徴とする。
また、本発明の前記制御装置は、前記試料気化部の温度を設定昇温速度に比例するように増加させる温度制御器;前記駆動部を制御して、前記収集部の移動速度が前記試料気化部の温度変化量に比例して移動するようにする駆動制御器;及び前記試料気化部の温度変化量に収集部の移動速度が比例するように、前記駆動制御器を通じて駆動部を制御する中央制御器を含むことを特徴とする。
【0013】
本発明の詳細な説明に先立ち、本明細書及び請求範囲に用いられた用語や単語は通常的かつ辞書的な意味に解釈されてはならず、発明者が自らの発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則にしたがって本発明の技術的思想にかなう意味と概念に解釈されなければならない。
【発明の効果】
【0014】
上述のような本発明によると、少量の試料を気化させるのに適する試料気化部と少量の試料を収集するのに適する収集部を備え、少量の混合物を自動的に分離することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の目的、特定の長所及び新規の特徴は添付図面に係わる以下の詳細な説明および好ましい実施例によってさらに明白になるであろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付け加えるに際し、同一の構成要素に限っては、たとえ異なる図面に示されても、できるだけ同一の番号を付けるようにしていることに留意しなければならない。また、本発明の説明において、係わる公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要にぼかす可能性があると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
【0016】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施例による混合物の分離凝縮装置の斜視図であり、図2は図1の断面図であり、図3は図1の移動板の平面図である、
【0017】
図面を参照すると、本発明の第1実施例による混合物の分離凝縮装置は、基底部1と、試料気化部2と、温度測定部3と、収集部4と、駆動部5と、そして冷却部6とを備えている。
ここで、基底部1は板状に形成されていて、試料気化部2と駆動部5などが設けられている。図面で基底部1は円形の板に形成されているが、これに限定されるのではない。
【0018】
そして、試料気化部2は試料を貯蔵し、貯蔵された試料を加熱して気化させるための装置であり、試料を入れる試料セル2−1と、試料セル2−1を加熱するための加熱器2−2と、試料セル2−1と加熱器2−2を搭載するためのセルホルダー2−3及びセルホルダー2−3を基底部1に固定させるための固定手段2−4を備えている。
【0019】
このような試料気化部2の試料セル2−1に貯蔵される試料は、多様な液体混合物や、液体−固体混合物や、固体混合物または表面と内部に異物を有した固体であることができる。
そして、試料気化部2の試料セル2−1は片面に開口が形成された円筒状で、試料を貯蔵するのに適する構造を有することが好ましく、加熱器2−2の熱を試料によく伝達する物質を用いることが好ましい。このような試料セル2−1はセルホルダー2−3で開口が形成された部分が一部突出されていることが好ましい。
【0020】
次に、前記試料気化部2の加熱器2−2は試料セル2−1を加熱させるためのものであり、試料セル2−1の周りをくるむように形成して、試料セル2−1が全体的に均一に加熱されるようにする熱電素子を用いることが好ましい。勿論、試料気化部2の加熱器2−2は全体を加熱することができるオーブンなどが用いられることもできる。
【0021】
前記試料気化部2のセルホルダー2−3は試料セル2−1と加熱器2−2を搭載するためのものであり、内部に前記試料セル2−1と加熱器2−2の収納に適するように形成された空洞を備えており、試料セル2−1と加熱器2−2を搭載することができる。
このようなセルホルダー2−3の形状は円筒状に図示されているが、これに限定されず、多様な形状が使用可能である、
【0022】
このようなセルホルダー2−3を基底部1に付着するために固定手段2−4が用いられて、前記固定手段2−4は好ましくは両面接着剤が用いられることができる。これと異なって、固定手段2−4として、基底部1の下から上に向けて突出されてセルホルダー2−3が基底部1に固定されるようにする締結ピンなどを用いることもできる。
【0023】
一方、このような試料気化部2の試料セル2−1の内部や周りには温度測定部3が備えられ、備えられた温度測定部3は試料セル2−1の内部温度や周りの温度を測定して伝送する。
この際、温度測定部3には、白金抵抗温度センサー、熱電対(thermocouple)、輻射温度計(pyrometer)、IC温度計など、多様な種類が制限されずに用いられることができる。
【0024】
次に、収集部4は、移動板4−1と、移動板4−1の一面に一列に連続的に配列され、気化される物質が付着されることができるように形成された多数の収集器4−2と、気化される物質が限定された収集器4−2にのみ付着されることができるように制限する開口部4−4が形成されている誘導器4−3、及び基底部1に設けられ、前記移動板4−1が基底部1から離隔されるように支持している支持部材4−6を備えている。
【0025】
このような収集部4の構成で前記移動板4−1は円板状に形成されていて、軸を中心に回転することが好ましい。勿論、移動板4−1を直四角形板に形成し、長い辺方向に直線運動するように形成することもできる。
【0026】
前記移動板4−1の材質は多様な金属または高分子物質であることができ、冷却部6によって冷却されやすい高い熱伝導を有する銅が好ましい。
このような移動板4−1には、平面図である図3に図示されたように、中心の周りにトラック形状に溝4−7が形成されていて、形成された溝4−7に多数の収集器4−2が一列に連続的に付着されている。
【0027】
このように移動板4−1に付着された収集器4−2は、一例として、図4に図示されたようにガラス板等の滑らかな固体板4−2Aが用いられたり、図5に図示されて図6にその断面図が図示されたように、毛細管現象を用いて収集効率を高めるために、0.1〜100μm間隔の微細パターン4−2BAを有した固体板4−2Bや、図7に図示されて図8にその断面図が図示されたように、短い毛細管4−2CAがぎっしりと格子状に形成された毛細管アレイ4−2Cなどが用いられることができる。
【0028】
このような収集器4−2の材料は金属、ガラス、半導体、セラミックであることができる。
次に、前記誘導器4−3は、このような収集器4−2に気化された物質が良好に付着されることができるように、気化された物質が損失なしに収集器4−2に向けるようにする開口部4−4を含んだ板状に形成されることができる。
【0029】
このような誘導器4−3において前記開口部4−4は、収集器4−2に向けて直径が小さくなる漏斗状に形成することができる。
また、誘導器4−3は収集器4−2との間に離隔部材4−5をさらに備えて、収集器4−2と離隔されるように形成することができて、離隔部材4−5の高さを調節し、離隔される距離が遠くなるようにしたり近接するようにすることができる。
【0030】
また、誘導器4−3の開口部4−4は必要によって間隔が増加するようにしたり小さくなるようにすることもできる。このように、誘導器4−3に形成された開口部4−4の大きさや、収集器4−2との離隔距離を調節することができるようにすると、気化される物質の量によって開口部4−4の大きさや収集器4−2との離隔距離を調節し、収集器4−2により多い量が付着されやすくすることができる。
【0031】
次に、支持部材4−6は移動板4−1を支持し、基底部1から離隔されるようにするためのものであり、内部が空いている円筒状に形成することができる。このような支持部材4−6の内部には駆動部5が実装されている。ここでは支持部材4−6を備えて移動板4−1を支持し、駆動部5を実装するようにしたが、支持部材を備えず駆動部5が移動板4−1を支持し、支持部材4−6の役割をするようにすることもできる。
【0032】
一方、駆動部5は移動板4−1を移動させるためのものであり、圧電モーターやステッピング電動機などが用いられることができる。前記移動板4−1が円板状で回転可能に構成される場合、前記駆動部5は移動板4−1を回転させる。
そして、冷却部6は収集器4−2に付着される物質が凝縮されるように収集器4−2を冷却させるためのものであり、冷媒循環装置に連結された熱交換器や、ペルティエ冷却器などが用いられることができる。
このように構成される本発明の第1実施例による混合物の自動分離凝縮装置は、制御装置によって駆動されて制御され、図9はこのような制御装置に対する詳細構成を示している。
【0033】
図9を参照すると、本発明に用いられる制御装置7は、加熱電源供給器7−1と、温度制御器7−2と、駆動電源供給器7−3と、駆動制御器7−4及び中央制御器7−5とを含んでいる。
前記加熱電源供給器7−1は加熱器2−2に電源を供給する装置である、そして、温度制御器7−2は加熱器2−2に供給される電源を適切に制御して、試料セル2−1の温度が求める温度を維持するようにする。
【0034】
そして、駆動電源供給器7−3は駆動部5に電源を供給して、駆動部5が移動板を移動させることができるようにする。
前記駆動制御器7−4は、駆動電源供給器7−3を制御して駆動部5に提供される電力を調節することにより、駆動部5によって移動する移動板の移動速度を制御する。
【0035】
次に、中央制御器7−5は、温度測定部3で測定された温度を参照して、駆動部5によって移動する移動板の移動速度が温度に比例するように制御する。
これを、温度による移動板の回転速度を示す図10を参照して説明すると、温度が増加されると(Aグラフ参照)、これによって移動板の移動速度を温度勾配に比例するようにし、温度変化がない区間では移動板の移動速度が0になったり(B−1グラフ参照)、点線で表現されるように(B−2グラフ参照)一定速度を維持するようにすることができる。
【0036】
このようになると、温度によって誘導器4−3の開口部4−4に露出されるように留まっている収集器番号を示す図11を参照すると分かるように、試料セルの温度変化がない区間ではそれに該当する収集器(収集器番号3)に多い量の物質が付着されて収集される。
このように構成される本発明の第1実施例による混合物の分離凝縮装置の動作を説明すると次の通りである、
【0037】
まず、試料を準備して、加熱器2−2が付着された試料セル2−1に入れた後、試料セル2−1をセルホルダー2−3に実装する。
そして、試料セル2−1の周りにある温度測定部3を用いて、試料セル2−1の内部と周りの温度を測定する。
【0038】
このように試料セル2−1の温度が把握されると、これによって中央制御器7−5に設定昇温速度(Vs)と最終温度(Tf)を入力する。ここで、設定昇温温度は単位時間あたりセルホルダーの温度変化量を意味する。最終温度は加熱が終了される最高温度を意味する。このような設定昇温速度と最終温度は温度制御器7−2に直接入力することもできる。
【0039】
また、中央制御器7−5に移動板の速度調節用比例定数(z)を入力する。勿論、中央制御器7−5を通じなく、駆動制御器7−4に移動板の速度調節用比例定数を直接入力することができる。
ここで、中央制御器7−5に比例定数を入力すると、中央制御器7−5は駆動制御器7−4を制御して、駆動部5が移動板を実測昇温速度(Vr)に対して比例定数に該当するだけ比例するように移動板を移動させるように制御することができる。
【0040】
即ち、中央制御器7−5は下記数学式1に表現される移動速度で移動板が移動されるように制御することができる。
[数1]
Vm=z*Vr
ここで、Vmは移動板の移動速度、zは比例定数、Vrは実測昇温速度である、
ここで、実測昇温速度とは、温度測定部3で測定された温度の単位時間あたり変化量を意味する。
【0041】
このように、中央制御器7−5や温度制御器7−2または駆動制御器7−4に設定昇温速度と最終速度及び移動板の速度調節用比例定数等が入力されると、中央制御器7−5または温度制御器7−2は加熱電源供給器7−1を制御して、加熱器2−2に電力が供給されて、設定された昇温速度に比例して試料セル2−1の温度が上昇するように、試料セル2−1が加熱されるようにする。
【0042】
そして、それと同時に、温度測定部3で試料セルの温度を測定して中央制御器7−5に伝送すると、中央制御器7−5は、試料セルの実測昇温速度に比例定数だけ比例する速度で移動板が回転するように駆動制御器7−4を制御して、駆動電源供給器7−3が駆動部5に適切な電源を供給するようにする。
【0043】
このような過程により、移動板は実測昇温速度に比例する速度で回転するようになり、試料セル2−1から気化されて出される物質を収集するようになる。
勿論、このような過程が進行される間、冷却部6は収集器4−2を常温より低い温度に維持されるように冷却させる。
【0044】
一方、中央制御器7−5に移動板の速度調節用比例定数でなく、固定値である移動速度(Vm)を入力することができる。この場合には、前記中央制御器7−5は、移動板の移動速度(Vm)によって、試料セル2−1の温度に関わらず一定の速度で移動板を移動(または回転)させるようになる。
【0045】
図12は本発明の第2実施例による混合物の分離凝縮装置の斜視図であり、図13は図12の断面図であり、図14は図12の移動板の平面図である、
前記本発明の第2実施例による混合物の分離凝縮装置が第1実施例による混合物の分離凝縮装置と相異なる点は、一つでなく二つの試料気化部2、2’が備えられているという点である(これにより、試料セルも図面符号2−1と2−1’で二つになり、加熱器も図面符号2−2と2−2’で二つになり、セルホルダーも図面符号2−3と2−3’で二つになり、固定手段も図面符号2−4と2−4’で二つになる)。
【0046】
勿論、温度測定部も図面符号3と3’で二つになる。そして、これにより収集部4は一つの収集器4−2の他に、また他の収集器4−2’列を備えている(これにより、誘導器も図面符号4−3と4−3’で二つになり、開口部も図面符号4−4と4−4’で二つになり、離隔部材も図面符号4−5と4−5'で二つになる)。
【0047】
このように、二つの試料気化部2、2’を備え、これにより二つの収集器4−2、4−2’列を備えるようになると、一度の駆動によって二つの収集器4−2、4−2’列を通じて収集することができるため、収集物質を2倍以上にすることができる。
そして、場合によって、試料気化部2、2’に他の混合物を貯蔵して気化されるようにすると、同時に相異なる混合物を分別蒸留することができる。
また、第2実施例では不所望な大気中の水分の凝縮を防ぐために、乾燥環境で動作がなされたり乾燥窒素気体を用いて移動板を持続的にパージすることができるパージ部8がさらに備えられて、移動板を乾燥した状態に維持するようにする。
【0048】
以上、本発明に対して説明したが、これは一実施例に過ぎず、本発明の技術的思想を外れない範囲内で多様な変化及び変形が可能であることは、本技術分野にて通常的に熟練された当業者には明らかであろう。しかし、このような変化及び変形が本発明の範囲内に属することは、添付の特許請求範囲を通じて確認されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1実施例による混合物の分離凝縮装置の斜視図である。
【図2】図1の混合物の分離凝縮装置の断面図である。
【図3】図1の移動板の平面図である。
【図4】収集器の多様な実施例である。
【図5】収集器の多様な実施例である。
【図6】収集器の多様な実施例である。
【図7】収集器の多様な実施例である。
【図8】収集器の多様な実施例である。
【図9】図1の制御装置の構成図である。
【図10】時間による温度と移動板の移動速度を示すグラフである。
【図11】時間による温度とそれによる収集器番号を示すグラフである。
【図12】本発明の第2実施例による混合物の分離凝縮装置の斜視図である。
【図13】図12の混合物の分離凝縮装置の断面図である。
【図14】図12の移動板の平面図である。
【符号の説明】
【0050】
1 基底部
2、2' 試料気化部
2−1、2−1' 試料セル
2−2、2−2' 加熱器
2−3、2−3' セルホルダー
2−4、2−4' 固定手段
3、3' 温度測定部
4 収集部
4−1 移動板
4−2、4−2' 収集器
4−3、4−3' 誘導器
4−4、4−4' 開口部
4−5、4−5' 離隔部材
4−6 支持部材
4−7 溝
5 駆動部
6 冷却部
7 制御装置
7−1 加熱電源供給器
7−2 温度制御器
7−3 駆動電源供給器
7−4 駆動制御器
7−5 中央制御器
8 パージ部
【技術分野】
【0001】
本発明は混合物の分離凝縮装置に関する。
【背景技術】
【0002】
混合溶液の構成成分を見出すことは産業的や学術的に非常に重要なことである。現代において複雑な混合溶液の構成成分に対する精密分析には、クロマトグラフィー法に基づく分離・分析方法がもっとも広く用いられている。しかし、この方法を用いて分離・分析を遂行するためには、蓄積された経験と熟練された技術が要求される。
また他の混合溶液の分離方法は構成成分の沸点の差異を用いた分別蒸留法があり、これに係わる伝統的な分別蒸留装置は石油精製のような分離−精製に広く用いられる。
【0003】
しかし、このような伝統的な分別蒸留装置は、現代の化学器機分析装備と結合されて分離−分析に活用されるには運営が煩わしく、多量の物質の分離に適するように設計されて製作されるため、少量試料の分離−分析には適していないという問題点がある。
一方、物質の沸点と気化点の差異を用いて構成成分を分離−分析する従来の他の技術は、熱重量法と質量分析法及び赤外線分光法を結合させたTG−MS、TG−IRなどの融合分析技術で発見される。
【0004】
これら分析法では、試料の蒸発、気化、熱分解過程に伴う夫々の重量変化を測定すると同時に、各過程で放出される蒸気と気体を質量分析器及び赤外線分光器に誘導し、これらの気体成分を分析する。
このような分析法はオンライン分離−分析を可能にする長所を有するが、流れる気体を分析するため、分離されて出された試料(気体)を多様な分析方法を用いて多角度から分析するには適していないという問題点がある。
また、個別的に生産された熱重量分析器と質量分析器及び赤外線分光器を連結するためには、既存装備の大々的な変更が必要であるという問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上述のような問題点を解決するために導き出されたものであり、少量の試料を気化させるのに適する試料気化部と少量の試料を収集するのに適する収集部を備え、少量の混合物を自動的に分離できるようにする混合物の分離凝縮装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述のような目的を果たすための本発明は、基底部;前記基底部に設けられ、試料を貯蔵し、貯蔵された試料を気化させるための試料気化部;前記基底部に設けられ、試料を収集するために一列に連続的に配列されるように形成された複数の収集器を備え、備えられた複数の収集器が順次的に前記試料気化部から気化される物質を通るようにする収集部;前記収集部の収集器が前記試料気化部を順次的に通るように前記収集部を移動させる駆動部;及び前記試料気化部を制御して試料が気化されるようにし、前記駆動部を制御して前記収集部を移動させる制御装置を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は前記収集部を冷却させるための冷却部をさらに含むことを特徴とする。
また、本発明は前記収集部を乾燥した状態に維持するようにするためのパージ部をさらに含むことを特徴とする。
また、本発明は前記試料気化部の温度を測定する温度測定部をさらに含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の前記制御装置は前記試料気化部の温度変化量に比例するように前記収集部の移動速度を制御することを特徴とする。
また、本発明の前記試料気化部は、試料を貯蔵する試料セル;前記試料セルを加熱するための加熱器;及び基底部に設けられ、試料セルと加熱器を搭載するためのセルホルダーを含むことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の前記収集部は、試料を収集するために一列に連続的に配列されるように形成された複数の前記収集器を備え、備えられた複数の収集器が順次的に前記試料気化部から気化される物質を通るように移動する移動板;及び前記移動板を支持し、前記基底部から離隔されるようにする支持部材を含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は気化される物質が限定された収集器にのみ付着されることができるように制限する開口部が形成されている誘導器をさらに含むことを特徴とする。
また、本発明の前記誘導器の開口部の間隔は調整可能であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の前記収集器は板状であることを特徴とする。
また、本発明の前記収集器は0.1〜100μm間隔の微細パターンを有した固体板であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の前記収集器は毛細管が格子状に形成された毛細管アレイであることを特徴とする。
また、本発明の前記制御装置は、前記試料気化部の温度を設定昇温速度に比例するように増加させる温度制御器;前記駆動部を制御して、前記収集部の移動速度が前記試料気化部の温度変化量に比例して移動するようにする駆動制御器;及び前記試料気化部の温度変化量に収集部の移動速度が比例するように、前記駆動制御器を通じて駆動部を制御する中央制御器を含むことを特徴とする。
【0013】
本発明の詳細な説明に先立ち、本明細書及び請求範囲に用いられた用語や単語は通常的かつ辞書的な意味に解釈されてはならず、発明者が自らの発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則にしたがって本発明の技術的思想にかなう意味と概念に解釈されなければならない。
【発明の効果】
【0014】
上述のような本発明によると、少量の試料を気化させるのに適する試料気化部と少量の試料を収集するのに適する収集部を備え、少量の混合物を自動的に分離することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の目的、特定の長所及び新規の特徴は添付図面に係わる以下の詳細な説明および好ましい実施例によってさらに明白になるであろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付け加えるに際し、同一の構成要素に限っては、たとえ異なる図面に示されても、できるだけ同一の番号を付けるようにしていることに留意しなければならない。また、本発明の説明において、係わる公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要にぼかす可能性があると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
【0016】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施例による混合物の分離凝縮装置の斜視図であり、図2は図1の断面図であり、図3は図1の移動板の平面図である、
【0017】
図面を参照すると、本発明の第1実施例による混合物の分離凝縮装置は、基底部1と、試料気化部2と、温度測定部3と、収集部4と、駆動部5と、そして冷却部6とを備えている。
ここで、基底部1は板状に形成されていて、試料気化部2と駆動部5などが設けられている。図面で基底部1は円形の板に形成されているが、これに限定されるのではない。
【0018】
そして、試料気化部2は試料を貯蔵し、貯蔵された試料を加熱して気化させるための装置であり、試料を入れる試料セル2−1と、試料セル2−1を加熱するための加熱器2−2と、試料セル2−1と加熱器2−2を搭載するためのセルホルダー2−3及びセルホルダー2−3を基底部1に固定させるための固定手段2−4を備えている。
【0019】
このような試料気化部2の試料セル2−1に貯蔵される試料は、多様な液体混合物や、液体−固体混合物や、固体混合物または表面と内部に異物を有した固体であることができる。
そして、試料気化部2の試料セル2−1は片面に開口が形成された円筒状で、試料を貯蔵するのに適する構造を有することが好ましく、加熱器2−2の熱を試料によく伝達する物質を用いることが好ましい。このような試料セル2−1はセルホルダー2−3で開口が形成された部分が一部突出されていることが好ましい。
【0020】
次に、前記試料気化部2の加熱器2−2は試料セル2−1を加熱させるためのものであり、試料セル2−1の周りをくるむように形成して、試料セル2−1が全体的に均一に加熱されるようにする熱電素子を用いることが好ましい。勿論、試料気化部2の加熱器2−2は全体を加熱することができるオーブンなどが用いられることもできる。
【0021】
前記試料気化部2のセルホルダー2−3は試料セル2−1と加熱器2−2を搭載するためのものであり、内部に前記試料セル2−1と加熱器2−2の収納に適するように形成された空洞を備えており、試料セル2−1と加熱器2−2を搭載することができる。
このようなセルホルダー2−3の形状は円筒状に図示されているが、これに限定されず、多様な形状が使用可能である、
【0022】
このようなセルホルダー2−3を基底部1に付着するために固定手段2−4が用いられて、前記固定手段2−4は好ましくは両面接着剤が用いられることができる。これと異なって、固定手段2−4として、基底部1の下から上に向けて突出されてセルホルダー2−3が基底部1に固定されるようにする締結ピンなどを用いることもできる。
【0023】
一方、このような試料気化部2の試料セル2−1の内部や周りには温度測定部3が備えられ、備えられた温度測定部3は試料セル2−1の内部温度や周りの温度を測定して伝送する。
この際、温度測定部3には、白金抵抗温度センサー、熱電対(thermocouple)、輻射温度計(pyrometer)、IC温度計など、多様な種類が制限されずに用いられることができる。
【0024】
次に、収集部4は、移動板4−1と、移動板4−1の一面に一列に連続的に配列され、気化される物質が付着されることができるように形成された多数の収集器4−2と、気化される物質が限定された収集器4−2にのみ付着されることができるように制限する開口部4−4が形成されている誘導器4−3、及び基底部1に設けられ、前記移動板4−1が基底部1から離隔されるように支持している支持部材4−6を備えている。
【0025】
このような収集部4の構成で前記移動板4−1は円板状に形成されていて、軸を中心に回転することが好ましい。勿論、移動板4−1を直四角形板に形成し、長い辺方向に直線運動するように形成することもできる。
【0026】
前記移動板4−1の材質は多様な金属または高分子物質であることができ、冷却部6によって冷却されやすい高い熱伝導を有する銅が好ましい。
このような移動板4−1には、平面図である図3に図示されたように、中心の周りにトラック形状に溝4−7が形成されていて、形成された溝4−7に多数の収集器4−2が一列に連続的に付着されている。
【0027】
このように移動板4−1に付着された収集器4−2は、一例として、図4に図示されたようにガラス板等の滑らかな固体板4−2Aが用いられたり、図5に図示されて図6にその断面図が図示されたように、毛細管現象を用いて収集効率を高めるために、0.1〜100μm間隔の微細パターン4−2BAを有した固体板4−2Bや、図7に図示されて図8にその断面図が図示されたように、短い毛細管4−2CAがぎっしりと格子状に形成された毛細管アレイ4−2Cなどが用いられることができる。
【0028】
このような収集器4−2の材料は金属、ガラス、半導体、セラミックであることができる。
次に、前記誘導器4−3は、このような収集器4−2に気化された物質が良好に付着されることができるように、気化された物質が損失なしに収集器4−2に向けるようにする開口部4−4を含んだ板状に形成されることができる。
【0029】
このような誘導器4−3において前記開口部4−4は、収集器4−2に向けて直径が小さくなる漏斗状に形成することができる。
また、誘導器4−3は収集器4−2との間に離隔部材4−5をさらに備えて、収集器4−2と離隔されるように形成することができて、離隔部材4−5の高さを調節し、離隔される距離が遠くなるようにしたり近接するようにすることができる。
【0030】
また、誘導器4−3の開口部4−4は必要によって間隔が増加するようにしたり小さくなるようにすることもできる。このように、誘導器4−3に形成された開口部4−4の大きさや、収集器4−2との離隔距離を調節することができるようにすると、気化される物質の量によって開口部4−4の大きさや収集器4−2との離隔距離を調節し、収集器4−2により多い量が付着されやすくすることができる。
【0031】
次に、支持部材4−6は移動板4−1を支持し、基底部1から離隔されるようにするためのものであり、内部が空いている円筒状に形成することができる。このような支持部材4−6の内部には駆動部5が実装されている。ここでは支持部材4−6を備えて移動板4−1を支持し、駆動部5を実装するようにしたが、支持部材を備えず駆動部5が移動板4−1を支持し、支持部材4−6の役割をするようにすることもできる。
【0032】
一方、駆動部5は移動板4−1を移動させるためのものであり、圧電モーターやステッピング電動機などが用いられることができる。前記移動板4−1が円板状で回転可能に構成される場合、前記駆動部5は移動板4−1を回転させる。
そして、冷却部6は収集器4−2に付着される物質が凝縮されるように収集器4−2を冷却させるためのものであり、冷媒循環装置に連結された熱交換器や、ペルティエ冷却器などが用いられることができる。
このように構成される本発明の第1実施例による混合物の自動分離凝縮装置は、制御装置によって駆動されて制御され、図9はこのような制御装置に対する詳細構成を示している。
【0033】
図9を参照すると、本発明に用いられる制御装置7は、加熱電源供給器7−1と、温度制御器7−2と、駆動電源供給器7−3と、駆動制御器7−4及び中央制御器7−5とを含んでいる。
前記加熱電源供給器7−1は加熱器2−2に電源を供給する装置である、そして、温度制御器7−2は加熱器2−2に供給される電源を適切に制御して、試料セル2−1の温度が求める温度を維持するようにする。
【0034】
そして、駆動電源供給器7−3は駆動部5に電源を供給して、駆動部5が移動板を移動させることができるようにする。
前記駆動制御器7−4は、駆動電源供給器7−3を制御して駆動部5に提供される電力を調節することにより、駆動部5によって移動する移動板の移動速度を制御する。
【0035】
次に、中央制御器7−5は、温度測定部3で測定された温度を参照して、駆動部5によって移動する移動板の移動速度が温度に比例するように制御する。
これを、温度による移動板の回転速度を示す図10を参照して説明すると、温度が増加されると(Aグラフ参照)、これによって移動板の移動速度を温度勾配に比例するようにし、温度変化がない区間では移動板の移動速度が0になったり(B−1グラフ参照)、点線で表現されるように(B−2グラフ参照)一定速度を維持するようにすることができる。
【0036】
このようになると、温度によって誘導器4−3の開口部4−4に露出されるように留まっている収集器番号を示す図11を参照すると分かるように、試料セルの温度変化がない区間ではそれに該当する収集器(収集器番号3)に多い量の物質が付着されて収集される。
このように構成される本発明の第1実施例による混合物の分離凝縮装置の動作を説明すると次の通りである、
【0037】
まず、試料を準備して、加熱器2−2が付着された試料セル2−1に入れた後、試料セル2−1をセルホルダー2−3に実装する。
そして、試料セル2−1の周りにある温度測定部3を用いて、試料セル2−1の内部と周りの温度を測定する。
【0038】
このように試料セル2−1の温度が把握されると、これによって中央制御器7−5に設定昇温速度(Vs)と最終温度(Tf)を入力する。ここで、設定昇温温度は単位時間あたりセルホルダーの温度変化量を意味する。最終温度は加熱が終了される最高温度を意味する。このような設定昇温速度と最終温度は温度制御器7−2に直接入力することもできる。
【0039】
また、中央制御器7−5に移動板の速度調節用比例定数(z)を入力する。勿論、中央制御器7−5を通じなく、駆動制御器7−4に移動板の速度調節用比例定数を直接入力することができる。
ここで、中央制御器7−5に比例定数を入力すると、中央制御器7−5は駆動制御器7−4を制御して、駆動部5が移動板を実測昇温速度(Vr)に対して比例定数に該当するだけ比例するように移動板を移動させるように制御することができる。
【0040】
即ち、中央制御器7−5は下記数学式1に表現される移動速度で移動板が移動されるように制御することができる。
[数1]
Vm=z*Vr
ここで、Vmは移動板の移動速度、zは比例定数、Vrは実測昇温速度である、
ここで、実測昇温速度とは、温度測定部3で測定された温度の単位時間あたり変化量を意味する。
【0041】
このように、中央制御器7−5や温度制御器7−2または駆動制御器7−4に設定昇温速度と最終速度及び移動板の速度調節用比例定数等が入力されると、中央制御器7−5または温度制御器7−2は加熱電源供給器7−1を制御して、加熱器2−2に電力が供給されて、設定された昇温速度に比例して試料セル2−1の温度が上昇するように、試料セル2−1が加熱されるようにする。
【0042】
そして、それと同時に、温度測定部3で試料セルの温度を測定して中央制御器7−5に伝送すると、中央制御器7−5は、試料セルの実測昇温速度に比例定数だけ比例する速度で移動板が回転するように駆動制御器7−4を制御して、駆動電源供給器7−3が駆動部5に適切な電源を供給するようにする。
【0043】
このような過程により、移動板は実測昇温速度に比例する速度で回転するようになり、試料セル2−1から気化されて出される物質を収集するようになる。
勿論、このような過程が進行される間、冷却部6は収集器4−2を常温より低い温度に維持されるように冷却させる。
【0044】
一方、中央制御器7−5に移動板の速度調節用比例定数でなく、固定値である移動速度(Vm)を入力することができる。この場合には、前記中央制御器7−5は、移動板の移動速度(Vm)によって、試料セル2−1の温度に関わらず一定の速度で移動板を移動(または回転)させるようになる。
【0045】
図12は本発明の第2実施例による混合物の分離凝縮装置の斜視図であり、図13は図12の断面図であり、図14は図12の移動板の平面図である、
前記本発明の第2実施例による混合物の分離凝縮装置が第1実施例による混合物の分離凝縮装置と相異なる点は、一つでなく二つの試料気化部2、2’が備えられているという点である(これにより、試料セルも図面符号2−1と2−1’で二つになり、加熱器も図面符号2−2と2−2’で二つになり、セルホルダーも図面符号2−3と2−3’で二つになり、固定手段も図面符号2−4と2−4’で二つになる)。
【0046】
勿論、温度測定部も図面符号3と3’で二つになる。そして、これにより収集部4は一つの収集器4−2の他に、また他の収集器4−2’列を備えている(これにより、誘導器も図面符号4−3と4−3’で二つになり、開口部も図面符号4−4と4−4’で二つになり、離隔部材も図面符号4−5と4−5'で二つになる)。
【0047】
このように、二つの試料気化部2、2’を備え、これにより二つの収集器4−2、4−2’列を備えるようになると、一度の駆動によって二つの収集器4−2、4−2’列を通じて収集することができるため、収集物質を2倍以上にすることができる。
そして、場合によって、試料気化部2、2’に他の混合物を貯蔵して気化されるようにすると、同時に相異なる混合物を分別蒸留することができる。
また、第2実施例では不所望な大気中の水分の凝縮を防ぐために、乾燥環境で動作がなされたり乾燥窒素気体を用いて移動板を持続的にパージすることができるパージ部8がさらに備えられて、移動板を乾燥した状態に維持するようにする。
【0048】
以上、本発明に対して説明したが、これは一実施例に過ぎず、本発明の技術的思想を外れない範囲内で多様な変化及び変形が可能であることは、本技術分野にて通常的に熟練された当業者には明らかであろう。しかし、このような変化及び変形が本発明の範囲内に属することは、添付の特許請求範囲を通じて確認されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1実施例による混合物の分離凝縮装置の斜視図である。
【図2】図1の混合物の分離凝縮装置の断面図である。
【図3】図1の移動板の平面図である。
【図4】収集器の多様な実施例である。
【図5】収集器の多様な実施例である。
【図6】収集器の多様な実施例である。
【図7】収集器の多様な実施例である。
【図8】収集器の多様な実施例である。
【図9】図1の制御装置の構成図である。
【図10】時間による温度と移動板の移動速度を示すグラフである。
【図11】時間による温度とそれによる収集器番号を示すグラフである。
【図12】本発明の第2実施例による混合物の分離凝縮装置の斜視図である。
【図13】図12の混合物の分離凝縮装置の断面図である。
【図14】図12の移動板の平面図である。
【符号の説明】
【0050】
1 基底部
2、2' 試料気化部
2−1、2−1' 試料セル
2−2、2−2' 加熱器
2−3、2−3' セルホルダー
2−4、2−4' 固定手段
3、3' 温度測定部
4 収集部
4−1 移動板
4−2、4−2' 収集器
4−3、4−3' 誘導器
4−4、4−4' 開口部
4−5、4−5' 離隔部材
4−6 支持部材
4−7 溝
5 駆動部
6 冷却部
7 制御装置
7−1 加熱電源供給器
7−2 温度制御器
7−3 駆動電源供給器
7−4 駆動制御器
7−5 中央制御器
8 パージ部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基底部;
前記基底部に設けられ、試料を貯蔵し、貯蔵された試料を気化させるための試料気化部;
前記基底部に設けられ、試料を収集するために一列に連続的に配列されるように形成された複数の収集器を備え、備えられた複数の収集器が順次的に前記試料気化部から気化される物質を通るようにする収集部;
前記収集部の収集器が前記試料気化部を順次的に通るように前記収集部を移動させる駆動部;及び
前記試料気化部を制御して試料が気化されるようにし、前記駆動部を制御して前記収集部が移動されるように制御する制御装置を含む混合物の分離凝縮装置。
【請求項2】
前記収集部を冷却させるための冷却部をさらに含む請求項1に記載の混合物の分離凝縮装置。
【請求項3】
前記収集部を乾燥した状態に維持するようにするためのパージ部をさらに含む請求項1に記載の混合物の分離凝縮装置。
【請求項4】
前記試料気化部の温度を測定する温度測定部をさらに含む請求項1に記載の混合物の分離凝縮装置。
【請求項5】
前記制御装置は前記試料気化部の温度変化量に比例するように前記収集部の移動速度を制御することを特徴とする請求項1に記載の混合物の分離凝縮装置。
【請求項6】
前記試料気化部は、
試料を貯蔵する試料セル;
前記試料セルを加熱するための加熱器;及び
基底部に設けられ、試料セルと加熱器を搭載するためのセルホルダーを含む請求項1に記載の混合物の分離凝縮装置。
【請求項7】
前記収集部は、
試料を収集するために一列に連続的に配列されるように形成された複数の前記収集器を備え、備えられた複数の収集器が順次的に前記試料気化部から気化される物質を通るように移動する移動板;及び
前記移動板を支持し、前記基底部から離隔されるようにする支持部材を含む請求項1に記載の混合物の分離凝縮装置。
【請求項8】
気化される物質が限定された収集器にのみ付着されることができるように制限する開口部が形成されている誘導器をさらに含む請求項7に記載の混合物の分離凝縮装置。
【請求項9】
前記誘導器の開口部の間隔は調整可能であることを特徴とする請求項8に記載の混合物の分離凝縮装置。
【請求項10】
前記収集器は板状であることを特徴とする請求項1に記載の混合物の分離凝縮装置。
【請求項11】
前記収集器は0.1〜100μm間隔の微細パターンを有した固体板であることを特徴とする請求項1に記載の混合物の分離凝縮装置。
【請求項12】
前記収集器は毛細管が格子状に形成された毛細管アレイであることを特徴とする請求項1に記載の混合物の分離凝縮装置。
【請求項13】
前記制御装置は、
前記試料気化部の温度を設定昇温速度に比例するように増加させる温度制御器;
前記駆動部を制御して、前記収集部の移動速度が前記試料気化部の温度変化量に比例して移動するようにする駆動制御器;及び
前記試料気化部の温度変化量に収集部の移動速度が比例するように、前記駆動制御器を通じて駆動部を制御する中央制御器を含む請求項1に記載の混合物の分離凝縮装置。
【請求項1】
基底部;
前記基底部に設けられ、試料を貯蔵し、貯蔵された試料を気化させるための試料気化部;
前記基底部に設けられ、試料を収集するために一列に連続的に配列されるように形成された複数の収集器を備え、備えられた複数の収集器が順次的に前記試料気化部から気化される物質を通るようにする収集部;
前記収集部の収集器が前記試料気化部を順次的に通るように前記収集部を移動させる駆動部;及び
前記試料気化部を制御して試料が気化されるようにし、前記駆動部を制御して前記収集部が移動されるように制御する制御装置を含む混合物の分離凝縮装置。
【請求項2】
前記収集部を冷却させるための冷却部をさらに含む請求項1に記載の混合物の分離凝縮装置。
【請求項3】
前記収集部を乾燥した状態に維持するようにするためのパージ部をさらに含む請求項1に記載の混合物の分離凝縮装置。
【請求項4】
前記試料気化部の温度を測定する温度測定部をさらに含む請求項1に記載の混合物の分離凝縮装置。
【請求項5】
前記制御装置は前記試料気化部の温度変化量に比例するように前記収集部の移動速度を制御することを特徴とする請求項1に記載の混合物の分離凝縮装置。
【請求項6】
前記試料気化部は、
試料を貯蔵する試料セル;
前記試料セルを加熱するための加熱器;及び
基底部に設けられ、試料セルと加熱器を搭載するためのセルホルダーを含む請求項1に記載の混合物の分離凝縮装置。
【請求項7】
前記収集部は、
試料を収集するために一列に連続的に配列されるように形成された複数の前記収集器を備え、備えられた複数の収集器が順次的に前記試料気化部から気化される物質を通るように移動する移動板;及び
前記移動板を支持し、前記基底部から離隔されるようにする支持部材を含む請求項1に記載の混合物の分離凝縮装置。
【請求項8】
気化される物質が限定された収集器にのみ付着されることができるように制限する開口部が形成されている誘導器をさらに含む請求項7に記載の混合物の分離凝縮装置。
【請求項9】
前記誘導器の開口部の間隔は調整可能であることを特徴とする請求項8に記載の混合物の分離凝縮装置。
【請求項10】
前記収集器は板状であることを特徴とする請求項1に記載の混合物の分離凝縮装置。
【請求項11】
前記収集器は0.1〜100μm間隔の微細パターンを有した固体板であることを特徴とする請求項1に記載の混合物の分離凝縮装置。
【請求項12】
前記収集器は毛細管が格子状に形成された毛細管アレイであることを特徴とする請求項1に記載の混合物の分離凝縮装置。
【請求項13】
前記制御装置は、
前記試料気化部の温度を設定昇温速度に比例するように増加させる温度制御器;
前記駆動部を制御して、前記収集部の移動速度が前記試料気化部の温度変化量に比例して移動するようにする駆動制御器;及び
前記試料気化部の温度変化量に収集部の移動速度が比例するように、前記駆動制御器を通じて駆動部を制御する中央制御器を含む請求項1に記載の混合物の分離凝縮装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−63337(P2012−63337A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−3681(P2011−3681)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】
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