説明

清掃体及び洗車機用洗浄ブラシのブラシ片及び洗車機用洗浄ブラシ及び洗車機

【課題】柔軟性があり、被洗浄面に均一に密着し、洗い残しの無い高い洗浄性を有すると共に、形状復元性、及び耐摩耗性に優れ、破れ、切れ、ほつれ等の発生が無い高い耐久性を有する清掃体、及びその清掃体を有する洗車機用洗浄ブラシのブラシ片、及びそのブラシ片を配した洗車機用洗浄ブラシ、及びその洗車機用洗浄ブラシを搭載した洗車機を提供する。
【解決手段】住居内や自動車、車両等の車内の床、壁等に堆積している塵埃等の汚れ、あるいは住居や自動車、車両等の外面に付着している砂塵等の汚れを除去する為の清掃体において、前記清掃体はポリトリメチレンテレフタレート繊維を有する平板形状の布帛にて形成されてあるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住居内や自動車、車両等の車内の床、壁等に堆積している塵埃等の汚れ、あるいは住居や自動車、車両等の外面に付着している砂塵等の汚れを除去する為の清掃体、及びその清掃体を有する洗車機用洗浄ブラシのブラシ片、及びそれを用いた洗車機用洗浄ブラシ、及びその洗車機用洗浄ブラシを搭載した洗車機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
住居内や自動車、車両等の車内の床、壁等に堆積している塵埃等の汚れ、あるいは住居や自動車、車両等の外面に付着している砂塵等の汚れを除去する為の清掃体、自動車あるいは車両の外面の被洗浄面に付着した汚れ等を洗浄する為の洗車機に使用する洗浄ブラシのブラシ片、及びそれを用いた洗車機用洗浄ブラシ、及びその洗車機用洗浄ブラシを搭載した洗車機に関しては、使用目的に応じて、さまざまな改良がなされ、例えば、剥離分割型複合繊維を含むカットパイル糸を地組織上に有し、前記カットパイル糸が存在する領域と、前記カットパイル糸が存在しない領域とが帯状に交互に形成された払拭用布帛であって、前記カットパイル糸を構成する剥離分割型複合繊維が3〜20本の単繊維に分割可能な繊維を剥離分割したものであり、前記剥離分割型複合繊維の分割後の単繊維繊度が0.01〜0.5デシテックス(dTex)であり、前記剥離分割型複合繊維の分割前のカットパイル密度が6.45平方センチメートルあたりに7000〜20000本存在し、但し、前記カットパイル密度は前記払拭面全体の面積に対する密度である、払拭用布帛が、特開2005−113347号公報に開示されてある。
【0003】
また、布帛の中心を貫通する形で回転軸が挿入された複数枚のブラシ用布帛が積層されてなる洗車用ブラシにおいて、該ブラシ用布帛が通水可能な貫通孔を複数個有することを特徴とする洗車用ブラシが、特開2004−123091号公報に開示されてある。
【0004】
【特許文献1】 特開2005−113347号公報
【特許文献2】 特開2004−123091号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の清掃体、及び洗車機用洗浄ブラシのブラシ片、及びそれを用いた洗車機用洗浄ブラシ、及びその洗車機用洗浄ブラシを搭載した洗車機は、例えば、上記の如くの特徴を有する技術が開示されてあるが、特開2005−113347号公報に開示されてある技術においては、剥離分割型複合繊維が、エチレンビニルアルコール共重合体からなる相とポリエステル樹脂からなる相から構成される複合繊維である為、形成された払拭用布帛は硬く、形状復元性に劣る。その為、前記払拭用布帛が被洗浄面と接触し、汚れを払拭すると、次第に前記払拭用布帛は摩耗し、摩耗した部分から破れ、切れ、ほつれ等が発生して、耐久性が劣るという課題を有していた。
【0006】
また、特開2004−123091号公報に開示されてある技術においては、ブラシ用布帛は、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維及びアクリル系繊維から選ばれた少なくとも一種の合成繊維を含むものである為、ポリエステル系繊維が用いられている場合においては、ブラシ用布帛は硬く、被洗浄面である車体に密着し難く、洗浄性が劣る。また、ポリアミド系繊維が用いられている場合においては、ポリアミド系繊維は吸水率が高い為、ブラシ用布帛は吸水し易く、洗車中にブラシ用布帛同士が水で付着し、車体に均一に当接させることができないので、洗い残しが発生する。さらに、アクリル系繊維が用いられている場合においては、アクリル系繊維は弾力性が劣り、形状復元力が低い為、形成されたブラシ用布帛は、洗車の際、車体に押し込まれて屈曲変形して当接し、車体から離れても、ブラシ用布帛は元の形状に復元することができないので、屈曲変形した部分から破れ、切れ、ほつれ等が発生して、耐久性が劣るという課題を有していた。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決する為になされたもので、柔軟性があり、被洗浄面に均一に密着し、洗い残しの無い高い洗浄性を有すると共に、形状復元性、及び耐摩耗性に優れ、破れ、切れ、ほつれ等の発生が無い高い耐久性を有する清掃体、及びその清掃体を有する洗車機用洗浄ブラシのブラシ片、及びそのブラシ片を配した洗車機用洗浄ブラシ、及びその洗車機用洗浄ブラシを搭載した洗車機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決する為に、本発明の清掃体は、住居内や自動車、車両等の車内の床、壁等に堆積している塵埃等の汚れ、あるいは住居や自動車、車両等の外面に付着している砂塵等の汚れを除去する為の清掃体であって、ポリトリメチレンテレフタレート繊維を有する平板形状の布帛としたものである。ポリトリメチレンテレフタレート繊維は、分子鎖がバネ状に屈曲している為、布帛に形成し、清掃体として用いた場合、形状復元性、及び耐摩耗性に優れ、破れ、切れ、ほつれ等の発生が無く高い耐久性を有すると共に、柔軟性にも優れ、被洗浄面に均一に密着して、高い洗浄性を発揮する。また、ポリトリメチレンテレフタレート繊維は吸水率が低く、布帛に形成し、洗車機用洗浄ブラシのブラシ片として用いた場合、洗車中にブラシ片同士が洗浄水等により、付着することが無いので、毛腰を強く設定することが可能である。その為、本発明の清掃体を、洗車機用洗浄ブラシのブラシ片として単体で用いても、あるいは他の材質からなる清掃体と重ね合わせて用いても、被洗浄面にたいして洗い残しの無い高い洗浄性が付与される。
【0009】
また、本発明の洗車機用洗浄ブラシは、請求項2から4のいずれか1項に記載の洗車機用洗浄ブラシのブラシ片を配したもので、高い洗浄性と耐久性を兼ね備えた洗車機用洗浄ブラシの提供が可能である。
【0010】
また、本発明の洗車機は、駆動源と、被洗浄面に散布する洗浄剤及び水を噴出させるノズルと、洗浄後の被洗浄面を乾燥させる乾燥手段を備えると共に、請求項5記載の洗車機用洗浄ブラシを搭載したもので、前記洗車機用洗浄ブラシは、高い洗浄性を有する為、洗車機の駆動源により洗車機用洗浄ブラシの回転を高速に設定した場合、あるいは洗浄速度を高速に設定した場合においても、優れた洗浄性が被洗浄面にたいして付与される。また、洗車機用洗浄ブラシは高い耐久性を有する為、洗車機用洗浄ブラシの交換頻度が下がり、洗車機のメンテナンス費用の削減が可能である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の清掃体は、柔軟性、及び形状復元性に優れたポリトリメチレンテレフタレート繊維を有する布帛にて形成されてある為、高い洗浄性と耐久性を併せ持つ非常に優れた清掃体である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
第1の発明は、住居内や自動車、車両等の車内の床、壁等に堆積している塵埃等の汚れ、あるいは住居や自動車、車両等の外面に付着している砂塵等の汚れを除去する為の清掃体において、前記清掃体はポリトリメチレンテレフタレート繊維を有する平板形状の布帛にて形成したもので、ポリトリメチレンテレフタレート繊維は、分子鎖がバネ状に屈曲している為、布帛に形成し、清掃体として用いた場合、形状復元性、及び耐摩耗性に優れ、破れ、切れ、ほつれ等の発生が無く高い耐久性を有すると共に、柔軟性にも優れ、被洗浄面に均一に密着して、高い洗浄性を発揮することができる。なお、布帛とは、不織布、織布、編布のことである。
【0013】
第2の発明は、自動車あるいは車両の外面の被洗浄面に付着している汚れ等を洗浄する為の洗車機に使用する洗車機用洗浄ブラシのブラシ片において、前記ブラシ片は第1の発明の清掃体を有するもので、ポリトリメチレンテレフタレート繊維は吸水率が低く、布帛に形成し、洗車機用洗浄ブラシのブラシ片として用いた場合、洗車中にブラシ片同士が洗浄水等により、付着することが無いので、毛腰を強く設定することができ、高い洗浄性を発揮することができる。
【0014】
第3の発明は、特に、第2の発明のブラシ片において、前記ブラシ片は第1の発明の清掃体と、他の材質からなる清掃体が重ね合わされて形成されてあるもので、他の材質からなる清掃体の毛腰が弱い場合、他の材質からなる清掃体を、第1の発明の清掃体に重ね合わせ、他の材質からなる清掃体が被洗浄面である車体に当接するようにすると、ブラシ片は、第1の発明の清掃体により毛腰が強く設定される為、他の材質からなる清掃体は的確に車体に当接することができ、洗浄性が大幅に向上する。なお、他の材質からなる清掃体としては、人工皮革、合成皮革、合成樹脂発泡体、合成樹脂繊維、フィルム状樹脂組成物、ポリトリメチレンテレフタレート繊維以外の繊維を有する布帛等を挙げることができる。
【0015】
第4の発明は、特に、第2から第3の発明のブラシ片において、前記ブラシ片は第1の発明の清掃体の一方の端部と、他の材質からなる清掃体の一方の端部が重ね合わされ、接合されて形成されてあるもので、ブラシ片として構成するのに要する第1の発明の清掃体と、他の材質からなる清掃体の必要量を、第3の発明のブラシ片に比べて削減することができる為、ブラシ片の生産コストが安価である。なお、接合の方法としては、ネジ止め、リベット止め、縫製、接着、溶着、圧着、編み込み等を採用することができる。
【0016】
第5の発明は、第2から第4の発明のいずれか1項に記載の洗車機用洗浄ブラシのブラシ片を配した洗車機用洗浄ブラシとしたもので、高い洗浄性と耐久性を兼ね備えた洗車機用洗浄ブラシを提供することができる。
【0017】
第6の発明は、駆動源と、被洗浄面に散布する洗浄剤及び水を噴出させるノズルと、洗浄後の被洗浄面を乾燥させる乾燥手段を備えると共に、第5の発明の洗車機用洗浄ブラシを搭載した洗車機としたもので、前記洗車機用洗浄ブラシは、高い洗浄性を有する為、洗車機の駆動源により洗車機用洗浄ブラシの回転を高速に設定した場合、あるいは洗浄速度を高速に設定した場合においても、優れた洗浄性を、被洗浄面にたいして付与することができる。また、洗車機用洗浄ブラシは高い耐久性を有する為、洗車機用洗浄ブラシの交換頻度が下がり、洗車機のメンテナンス費用の削減を図ることができる。
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0019】
図1から図3にて実施例1を示す。図1は、本発明の清掃体を前面側から見た斜視図、図2(A)は、本発明の洗車機用洗浄ブラシを前面側から見た斜視図、図2(B)は、本発明の洗車機用洗浄ブラシのブラシ片を前面側から見た斜視図、図3(A)は、本発明の他の実施の形態における洗車機用洗浄ブラシを前面側から見た斜視図、図3(B)は、本発明の他の実施の形態における洗車機用洗浄ブラシのブラシ片を前面側から見た斜視図である。
【0020】
図1において、清掃体1は、ポリトリメチレンテレフタレート繊維3が不織布として形成されてある平板形状の布帛2からなる。
【0021】
ポリトリメチレンテレフタレート繊維3は、ジメチルテレフタレートと、1,3プロパンジオールの重縮合体であり、分子鎖がバネ状に屈曲している。その為、柔軟性を示す10%モジュラスが、ポリエステル繊維の1/3から1/4であり、非常に柔らかい。10%モジュラスとは、例えば、10mmの繊維を、11mmに伸長するのに必要な力のことであり、10%モジュラスの値が小さいほど、小さな力で伸長させることができるので、柔らかいことになる。
【0022】
また、前記の如く、ポリトリメチレンテレフタレート繊維3は、分子鎖がバネ状に屈曲しているので、高い伸長回復性を有しており、伸長回復率が、ポリエステル繊維の3倍あり、形状復元性に優れる。一般的に、伸長回復率とは、繊維に一定の外力を加えて変形させ、外力を除いた時に、元の状態にたいしての回復率を示す指標であり、伸長回復率の値が大きい程、形状復元性に優れていることになる。
【0023】
さらに、ポリトリメチレンテレフタレート繊維3は、吸水率が66ナイロン繊維の1/10から1/11であり、吸水率が低く、寸法安定性に優れており、型崩れし難い。
【0024】
前記の如くの特徴を有するポリトリメチレンテレフタレート繊維3を、平板形状の布帛2として形成し、清掃体1として用いた場合、形状復元性、及び耐摩耗性に優れ、破れ、切れ、ほつれ等の発生が無く高い耐久性を有すると共に、柔軟性にも優れ、被洗浄面に均一に密着して、高い洗浄性を発揮することができる。
【0025】
次に、布帛2の製造方法について、いくつか述べる。第1の方法は、ポリトリメチレンテレフタレート繊維3に、特殊な針を突き刺して、ポリトリメチレンテレフタレート繊維3を立体的に絡合させる。前記の如くの方法は、一般的にニードルパンチングと呼ばれており、得られた立体的絡合物はウエッブと呼ばれている。次に、前記ウエッブにたいして、架橋剤を配合したウレタン樹脂を含浸させ、加熱することにより、ポリトリメチレンテレフタレート繊維3を結合させて不織布とする。前記の如くの不織布の製造方法は、一般的にケミカルボンド法と呼ばれている。なお、ウレタン樹脂の他、スチレンゴム、二トリルゴム、アクリルゴム等を、ポリトリメチレンテレフタレート繊維3を結合させる為の結合剤として用いても何ら差し支えない。また、架橋剤は、結合剤であるウレタン樹脂の分子間に橋架け構造を形成し、弾力性を付与する目的で配合されるものであり、トリメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン等のメラミン樹脂、ブロックイソシアネート等のイソシアネート樹脂、脂肪族エポキシ等のエポキシ樹脂を用いることができる。ケミカルボンド法で製造された不織布は、優れた弾力性を有しているので、清掃体1として布帛2を用いた場合、耐久性の一層の向上につながる。
【0026】
第2の方法は、熱溶融したポリトリメチレンテレフタレート樹脂を連続繊維状で延伸しながら捕集ネット上に集積して、熱ロールで加圧し、ポリトリメチレンテレフタレート繊維3を結合させて不織布とする。前記の如くの不織布の製造方法は、一般的にスパンボンド法と呼ばれている。スパンボンド法で製造される不織布は、1ラインで一貫生産することができるので、布帛2の製造コストを抑えることができる。
【0027】
第3の方法は、ポリトリメチレンテレフタレート繊維3をニードルパンチングにより機械的に絡合させてウエッブを得る。次いで、得られたウエッブにたいして、高圧水流を当て、ポリトリメチレンテレフタレート繊維3を結合させて不織布とする。前記の如くの不織布の製造方法は、一般的に水流絡合法と呼ばれている。水流絡合法で製造された不織布は、高圧水流が当たる際、ポリトリメチレンテレフタレート繊維3が、楔状に細分割される。その為、楔状のポリトリメチレンテレフタレート繊維3が有する角部により、汚れの掻き出し性能が発揮されるので、清掃体1として布帛2を用いた場合、洗浄性の一層の向上につながる。
【0028】
また、布帛2は、前記の如くの不織布以外でも、ポリトリメチレンテレフタレート繊維3を平織、あるいは綾織した織布、ポリトリメチレンテレフタレート繊維3を編み込んだ編布として形成して、清掃体1として用いても良い。
【0029】
次に、図2を用いて、本発明の洗車機用洗浄ブラシのブラシ片、及び洗車機用洗浄ブラシについて説明する。
【0030】
図2(B)において、ブラシ片11は、平板形状の布帛2と、平板形状の人工皮革12が重ね合わされて形成されてある。人工皮革12の厚みは、布帛2よりも薄く、表面積は布帛2の表面積よりも広く、人工皮革12の上面に、布帛2の下面全体が重ね合わされている。
【0031】
人工皮革12は、ポリエステル繊維、ナイロン繊維等の極細繊維からなる不織布及び極微細な気泡を有する多孔質化されたポリウレタンよりなる二重構造体である。人工皮革12は、洗車機用洗浄ブラシのブラシ片として単体で用いた場合、高い弾力性を持つポリウレタンを有するので耐久性に優れ、極細繊維から形成されているので洗浄性にも優れているが、極細繊維は洗車中に洗浄水等を吸水し易く、次第に毛腰が弱くなる。
【0032】
一方、布帛2は、吸水率の低いポリトリメチレンテレフタレート繊維3により不織布として形成されているので、洗車中も洗浄水等を吸水し難く、毛腰を強く設定することができる。
【0033】
また、図2(A)において、洗車機用洗浄ブラシ10は、ブラシ片11の長手方向の中央部を芯線(図示せず)、及び概U字断面を有する帯状体(図示せず)にて挟み付けて折り込んだ後、チャンネルブラシ14を形成し、アルミニウム等の金属材料からなる略円筒形状の台座13の外周に捩りを加えて螺旋状に巻き付け、止め金具15にて固定し、形成されてある。
【0034】
ブラシ片11は、布帛2が人工皮革12の裏面に重ね合わされて、人工皮革12の表面が被洗浄面である車体に当接するように設定され、洗車機用洗浄ブラシ10に取り付けられてある。その為、人工皮革12が、洗車中に洗浄水等を吸水しても、人工皮革12の裏面に重ね合わされてある布帛2は吸水し難いので、ブラシ片11は、布帛2により毛腰を強く設定でき、人工皮革12の毛腰を保持することができる。従って、洗車機用洗浄ブラシ10は、ブラシ片11を的確に車体に当接させることができるので、洗浄性が大幅に向上する。また、洗車機用洗浄ブラシ10は、布帛2と人工皮革12が優れた耐久性を有するので、高い耐久性を具備することができる。
【0035】
次に、図3を用いて、本発明の他の実施の形態における洗車機用洗浄ブラシのブラシ片、及び洗車機用洗浄ブラシについて説明する。
【0036】
図3(B)において、ブラシ片21は、布帛2の端部と、人工皮革22の一方の端部が重ね合わされ、縫製による接合部27を介して形成されてある。接合部27の形成方法は、縫製の他、ネジ止め、接着、超音波溶着、熱溶着、レーザー波溶着等の方法を用いても構わない。
【0037】
ブラシ片21は、ブラシ片21として構成するのに要する布帛2と、人工皮革22の必要量を、前記ブラシ片11に比べて削減することができる為、ブラシ片21の生産コストを抑えることができる。
【0038】
また、図3(A)において、洗車機用洗浄ブラシ20は、ブラシ片21を長手方向の中央部にて概U字断面を有するよう二つ折りし、アルミニウム等の金属材料からなる略円筒形状の台座23の外周面に等分4箇所設けられた溝部26に勘合挿入すると共に、止め金具25にて固定し、形成されてある。なお、溝部26は台座23の外周面に等分6箇所、8箇所、12箇所等、使用目的に応じて、適時、設定することができる。
【0039】
ブラシ片21は、人工皮革22が自由端側に位置し、布帛2が台座23に取り付けられてある。その為、洗車機用洗浄ブラシ20は、洗車の際、布帛2にて強い毛腰が被洗浄面にたいして設定され、人工皮革22が被洗浄面である車体に当接するので、車体に付着、堆積している汚れを効率良く、確実に除去することができる。
【0040】
また、洗車機用洗浄ブラシ20は、ブラシ片21の使用枚数、及び台座23の外周面に形成されてある溝部26の間隔等を調整することにより、ブラシ片21を車体に連続的に当てることができるので、洗車時におけるブラシ片21の車体に当接する際の音を低減させることがきる。
【実施例2】
【0041】
図4にて、実施例2を示す。図4は、本発明の洗車機用洗浄ブラシのブラシ片を配した洗車機用洗浄ブラシ51を搭載した洗車機の正面図である。
【0042】
図4において、洗車機50は、本発明の洗車機用洗浄ブラシ51が駆動源52により回転駆動され、ノズル53から被洗浄面である車体にたいして、洗浄剤、及び洗浄水が散布され、洗車機用洗浄ブラシ51により、洗浄され、洗浄後は洗車機50の乾燥手段である乾燥機54により車体が乾燥される。
【0043】
洗車機50は、搭載されてある洗車機用洗浄ブラシ51が高い洗浄性を有する為、洗車機50の駆動源52により洗車機用洗浄ブラシ51の回転を高速に設定した場合、あるいは洗浄速度を高速に設定した場合においても、優れた洗浄性を、被洗浄面である車体にたいして付与することができる。また、洗車機用洗浄ブラシ51は高い耐久性を有する為、洗車機用洗浄ブラシ51の交換頻度が下がり、洗車機50のメンテナンス費用の削減を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明の清掃体は、主に住居内や自動車、車両等の車内の床、壁等に堆積している塵埃等の汚れ、あるいは住居や自動車、車両等の外面に付着している砂塵等の汚れを除去する為の清掃体として使用する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】 本発明の清掃体を前面側から見た斜視図
【図2】 (A)本発明の洗車機用洗浄ブラシを前面側から見た斜視図、(B)本発明の洗車機用洗浄ブラシのブラシ片を前面側から見た斜視図
【図3】 (A)本発明の他の実施の形態における洗車機用洗浄ブラシを前面側から見た斜視図、(B)本発明の他の実施の形態における洗車機用洗浄ブラシのブラシ片を前面側から見た斜視図
【図4】 本発明の洗車機用洗浄ブラシのブラシ片を配した洗車機用洗浄ブラシを搭載した洗車機の正面図
【符号の説明】
【0046】
1 清掃体
2 布帛
3 ポリトリメチレンテレフタレート繊維
10、20、51 洗車機用洗浄ブラシ
11、21 ブラシ片
12、22 人工皮革
13、23 台座
14 チャンネルブラシ
15、25 止め金具
26 溝部
27 接合部
50 洗車機
52 駆動源
53 ノズル
54 乾燥機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
住居内や自動車、車両等の車内の床、壁等に堆積している塵埃等の汚れ、あるいは住居や自動車、車両等の外面に付着している砂塵等の汚れを除去する為の清掃体において、前記清掃体はポリトリメチレンテレフタレート繊維を有する平板形状の布帛にて形成されてあることを特徴とする清掃体。
【請求項2】
自動車あるいは車両の外面の被洗浄面に付着している汚れ等を洗浄する為の洗車機に使用する洗車機用洗浄ブラシのブラシ片において、前記ブラシ片は請求項1記載の清掃体を有することを特徴とする洗車機用洗浄ブラシのブラシ片。
【請求項3】
請求項2記載の構成よりなる洗車機用洗浄ブラシのブラシ片において、前記ブラシ片は請求項1記載の清掃体と、他の材質からなる清掃体が重ね合わされて形成されてあることを特徴とする洗車機用洗浄ブラシのブラシ片。
【請求項4】
請求項2から3記載の構成よりなる洗車機用洗浄ブラシのブラシ片において、前記ブラシ片は請求項1記載の清掃体の一方の端部と、他の材質からなる清掃体の一方の端部が重ね合わされ、接合されて形成されてあることを特徴とする洗車機用洗浄ブラシのブラシ片。
【請求項5】
請求項2から4のいずれか1項に記載の洗車機用洗浄ブラシのブラシ片を配した洗車機用洗浄ブラシ。
【請求項6】
駆動源と、被洗浄面に散布する洗浄剤及び水を噴出させるノズルと、洗浄後の被洗浄面を乾燥させる乾燥手段を備えると共に、請求項5記載の洗車機用洗浄ブラシを搭載した洗車機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2007−283058(P2007−283058A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−137019(P2006−137019)
【出願日】平成18年4月14日(2006.4.14)
【出願人】(391044797)株式会社コーワ (283)
【Fターム(参考)】