説明

清掃用シート及び清掃用シート製造方法

【課題】複数種類の用途や汚れに対して1枚のシートで対応でき、使い勝手の良い清掃用シート及び清掃用シート製造方法を提供する。
【解決手段】掃除具の下面を覆い、当該掃除具に装着される清掃用シート1において、基材シート10と、基材シート10の少なくとも一方の面に接合され、清掃機能の異なる複数種類の刷毛部材21が集合してなる刷毛部材集合体20と、を備え、刷毛部材集合体20は、各清掃機能を有する刷毛部材が偏在又は混在してなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃用シート及び清掃用シート製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、把持棒が連結された掃除具に装着されて使用される清掃用シートとして、基材シートに、刷毛部材集合体が接合されてなるものが知られている。
【0003】
具体的には、例えば、凹凸箇所に対して繊維の追従性が高く、捕集性能に優れた清掃用シートとして、基材シートと、当該基材シートに接合された複数個の繊維集合体(刷毛部材集合体)と、を備え、最外方に位置する繊維集合体は、中央に位置する繊維集合体よりも低い捲縮高さで捲縮している繊維が集合してなる清掃用シートが知られている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、特許文献1記載の清掃用シートにおいて、繊維集合体を形成する繊維には、清掃用シートに付加的な機能を付与し得る薬剤が塗工されている場合がある。具体的には、例えば、清掃用シートをドライな乾式清掃の目的に用いる場合、ゴミの吸着を利用した捕集性を高め得る薬剤が塗工されている。また、例えば、清掃用シートをウェットな湿式清掃の目的に用いる場合、シミ汚れや固形物のこびりつき汚れを溶解させて洗浄性を高め得る薬剤を含む洗浄剤が塗工されている。
【0004】
また、例えば、髪の毛や綿埃などの絡みやすいゴミ及びパン屑やゴマなどの絡み絡めにくい粒状ゴミの何れに対しても効率的に捕集できる清掃用シートとして、基材シートと、当該基材シートに互いに離間して接合された複数個の繊維集合体(刷毛部材集合体)と、当該基材シートにおける当該離間した繊維集合体の間に設けられたゴミ粘着部と、を備える清掃用シートが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−6134号公報
【特許文献2】特開2008−272147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、汚れには、ゴミ等の固形状汚れ、水等の液状汚れ、シミ汚れ、こびりつき汚れなど様々あるが、特許文献1記載の清掃用シート(ドライな乾式清掃の目的に用いる場合)及び特許文献2記載の清掃用シートは、固形状汚れを取り去るための清掃用シートであるため、固形状汚れ以外の汚れには十分に対応できない。また、特許文献1記載の清掃用シート(ウェットな湿式清掃の目的に用いる場合)は、シミ汚れやこびりつき汚れを取り去るための清掃用シートであるため、シミ汚れやこびりつき汚れ以外の汚れには十分に対応できない。したがって、汚れの種類に応じて複数種類の清掃用シートが必要になる。
さらに、清掃には、汚れの取り去りだけでなく、ワックス掛け等も含まれるが、特許文献1及び2記載の清掃用シートは、汚れの取り去り以外の用途には使用できない。
このように、従来の清掃用シートは、1枚では単一の汚れ又は用途にしか使用できず、複数種類の用途や汚れに対応するためには、複数種類の清掃用シートがそれぞれ必要になり、経済的でないという問題がある。
【0007】
本発明の課題は、複数種類の用途や汚れに対して1枚のシートで対応でき、使い勝手の良い清掃用シート及び清掃用シート製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
掃除具の下面を覆い、当該掃除具に装着される清掃用シートにおいて、
基材シートと、
前記基材シートの少なくとも一方の面に接合され、清掃機能の異なる複数種類の刷毛部材が集合してなる刷毛部材集合体と、
を備え、
前記刷毛部材集合体は、各清掃機能を有する刷毛部材が偏在又は混在してなることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の清掃用シートにおいて、
前記刷毛部材集合体は、被清掃対象に塗布する所定の成分が塗工された第1刷毛部材と、当該被清掃対象に塗布する所定の成分を拭き取るための第2刷毛部材と、が偏在してなることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、
請求項1に記載の清掃用シートにおいて、
前記刷毛部材集合体は、撥水性を有する第1刷毛部材と、液吸収性を有する第2刷毛部材と、が偏在してなることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、
請求項1に記載の清掃用シートにおいて、
前記刷毛部材集合体は、磨耗しながら汚れを擦り取る第1刷毛部材と、当該磨耗に伴い発生する屑を捕集するための第2刷毛部材と、が混在してなることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、
請求項1に記載の清掃用シートにおいて、
前記刷毛部材集合体は、帯電してゴミを引き付ける第1刷毛部材と、当該第1刷毛部材に引き付けられたゴミを捕集するための第2刷毛部材と、が混在してなることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、
請求項1〜5の何れか一項に記載の清掃用シートを製造する清掃用シート製造方法において、
伸縮性の異なる刷毛部材に所定の引張力をかけた状態で、当該刷毛部材を前記基材シートに接合した後、所定の長さで切断することを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、
請求項1〜5の何れか一項に記載の清掃用シートを製造する清掃用シート製造方法において、
伸縮性が同一の刷毛部材に異なる引張力をかけた状態で、当該刷毛部材を前記基材シートに接合した後、所定の長さで切断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、掃除具の下面を覆い、当該掃除具に装着される清掃用シートにおいて、基材シートと、基材シートの少なくとも一方の面に接合され、清掃機能の異なる複数種類の刷毛部材が集合してなる刷毛部材集合体と、を備え、刷毛部材集合体は、各清掃機能を有する刷毛部材が偏在又は混在している。
したがって、清掃用シートは、所定の用途や汚れに適した清掃機能を複数有しているため、複数種類の用途や汚れに対して1枚のシートで対応することができることとなって、使い勝手が良い。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の清掃用シートの一例を示す下面側斜視図である。
【図2】図1に示す清掃用シートの下面図である。
【図3】図1に示す清掃用シートを掃除具に装着した状態の一例を示す側面図である。
【図4】刷毛部材の偏在の仕方の第1例を示す清掃用シートの下面図である。
【図5】図4の偏在の仕方で用いる刷毛部材の構成の一例を示す図である。
【図6】刷毛部材の偏在の仕方の第2例を示す清掃用シートの下面図である。
【図7】図6の偏在の仕方で用いる刷毛部材の構成の一例を示す図である。
【図8】図1に示す清掃用シートの製造方法の一例を示す第1図である。
【図9】図1に示す清掃用シートの製造方法の一例を示す第2図である。
【図10】図1に示す清掃用シートの製造方法の一例を示す第3図である。
【図11】刷毛部材の混在の仕方の一例を示す清掃用シートの下面図である。
【図12】図11に示す清掃用シートの側面図である。
【図13】伸縮性の異なる刷毛部材を備える清掃用シートの一例を示す側面図である。
【図14】図13に示す清掃用シートの製造方法の一例を示す第1図である。
【図15】図13に示す清掃用シートの製造方法の一例を示す第2図である。
【図16】液吸収性の異なる刷毛部材を備える清掃用シートの一例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、図を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
本発明に係る清掃用シートは、掃除具に装着して用いる取り替え式の清掃用シートである。
なお、以下の説明では、清掃用シート1において、長手方向一端側を左側、他端側を右側とし、短手方向一端側を前側、他端側を後側とし、掃除具100に装着された際に掃除具100と接する側を上側、掃除具100と接する側の反対側を下側とする。
【0018】
[第1の実施の形態]
まず、第1の実施の形態の清掃用シート1について説明する。
【0019】
清掃用シート1は、例えば、図1及び図2に示すように、長方形状の基材シート10と、基材シート10の一方の面(下面)に接合され、刷毛部材21,…が一方向(前後方向)に配向して集合してなる刷毛部材集合体20と、を備えて構成される。
そして、清掃用シート1は、例えば、図3に示すように、略板状の掃除具100の下面を覆うように装着されて使用される。
【0020】
具体的には、清掃用シート1は、主に刷毛部材集合体20によって床面等の被清掃対象Fを清掃するためのシートである。この刷毛部材集合体20は、清掃機能の異なる複数種類の刷毛部材21(第1刷毛部材21a及び第2刷毛部材21b)が集合してなるものである。したがって、清掃用シート1は、第1刷毛部材21aが有する第1清掃機能と、第2刷毛部材21bが有する第2清掃機能と、の2種類の清掃機能を発揮しながら被清掃対象Fを清掃できるようになっている。
ここで、刷毛部材21の清掃機能とは、各種の汚れや用途に対して、有効な機能をいう。具体的には、汚れには、ゴミ等の固形状汚れ、水等の液状汚れ、シミ汚れ、こびりつき汚れ等があり、これらの汚れを除去するために有効な機能をいう。また、用途には、一般的な清掃用途の他、ワックス掛け、除菌等があり、これらの用途に有効な機能をいう。
【0021】
掃除具100には、当該掃除具100を操作するためにユーザが握る把持棒110が連結されており、掃除具100の上面には、清掃用シート1を装着するための係止部(図示省略)が設けられている。そして、掃除具100の下面は、その形状が長辺及び短辺を有する矩形状となっている。
【0022】
基材シート10は、例えば、図1〜図3に示すように、清掃用シート1が掃除具100に装着された際に掃除具100の下面側に配置される清掃部11と、清掃部11の短手方向(前後方向)両側に延在し、清掃用シート1が掃除具100に装着される際に上側に折り返されて自由端部が掃除具100の係止部に係止される被係止部12,12と、清掃部11と被係止部12,12との境界に、被係止部12,12を上側に折り返す際の目印となる折り目(図示省略)と、を備えている。
【0023】
基材シート10は、刷毛部材集合体20と接合して、掃除具100に装着されるシートである。
基材シート10としては、合成繊維や再生繊維、天然繊維などの所定の繊維からなる布(不織布や織布など)、合成樹脂からなるシート材(フィルム状シート材やネット状シート材、スポンジ状シート材など)、パルプからなる抄紙(パルプに所定の繊維等を混抄した抄紙も含む)等、或いはこれらの複合体を用いることができ、特に不織布が適する。不織布としては、所定の繊維を繊維素材として、スパンレース、エアスルー、エアレイド、ポイントボンド、スパンボンド、ニードルパンチ等の周知の技術により製造される不織布が挙げられる。
【0024】
刷毛部材集合体20は、刷毛部材集合体20の接合部22,22が所定の接合手段により清掃部11に接合されることによって、刷毛部材21,…が基材シート10の短手方向(前後方向)に配向して集合してなる状態を維持したまま、基材シート10に固定されている。
所定の接合手段としては、ホットメルト、ヒートシール、超音波シール等が挙げられる。これらは単独で、或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0025】
具体的には、刷毛部材集合体20は、例えば、図1及び図2に示すように、清掃用シート1を展開した状態において、基材シート10の長手方向(左右方向)全域に亘って、刷毛部材21,…が基材シート10の短手方向に配向するように配置されている。そして、刷毛部材集合体20の短手方向(前後方向)中央部に配置された接合部22,22が、基材シート10の清掃部11の短手方向中央部に接合されて、刷毛部材集合体20の短手方向両端部が、自由端部になっている。
ここで、刷毛部材集合体20は、清掃用シート1が掃除具100に装着された際に掃除具100の端部(主に短手方向両端部)からはみ出すように、清掃用シート1を展開した状態において、基材シート10の一方の被係止部12から他方の被係止部12に亘って配置されている。これにより、掃除具100が入り込めない隙間や部屋の隅、壁面、段差の側面などに刷毛部材集合体20がフィットして効率よく清掃できるようになっている。
【0026】
接合部22,22はそれぞれ、例えば、図2に示すように、刷毛部材21,…の配向方向と直交する方向(左右方向)に延びるジグザグ状の接合線L,Lに沿って、刷毛部材集合体20の長手方向(左右方向)全域に亘って配置されている。
接合線L,Lは、刷毛部材集合体20の短手方向中央を軸として線対称となっており、刷毛部材集合体20の長手方向両端で交差している。そして、接合部22,22はその交点で互いに連結している。
【0027】
刷毛部材集合体20は、第1清掃機能を有する第1刷毛部材21aと、第2清掃機能を有する第2刷毛部材21bと、が偏在している。すなわち、刷毛部材集合体20は、第1刷毛部材21aが集合してなる第1集合体領域R1と、第2刷毛部材21bが集合してなる第2集合体領域R2と、を有している。
【0028】
具体的には、例えば、図4に示すように、刷毛部材集合体20は、左右方向中央よりも左側が第1集合体領域R1、右側が第2集合体領域R2となっている。
すなわち、例えば、図5に示すように、1本の第1刷毛部材21aで1本の刷毛部材21を形成するとともに、1本の第2刷毛部材21bで1本の刷毛部材21を形成する。そして、第1刷毛部材21a,…を基材シート10の左右方向中央よりも左側全域に亘って配置するとともに、第2刷毛部材21b,…を基材シート10の左右方向中央よりも右側全域に亘って配置した状態で、接合部22,22において基材シート10に接合されることによって、刷毛部材集合体20は形成されている。
【0029】
或いは、例えば、図6に示すように、刷毛部材集合体20は、前後方向中央よりも前側が第1集合体領域R1、後側が第2集合体領域R2となっていても良い。
すなわち、例えば、図7に示すように、1本の第1刷毛部材21aと、1本の第2刷毛部材21bと、を連結して1本の刷毛部材21を形成する。そして、第1刷毛部材21a側が基材シート10の前後方向中央よりも前側、第2刷毛部材21b側が基材シート10の前後方向中央よりも後側となるように、刷毛部材21,…を基材シート10の左右方向全域に亘って配置した状態で、接合部22,22において基材シート10に接合されることによって、刷毛部材集合体20は形成されている。
【0030】
ここで、基材シート10には、第1集合体領域R1と第2集合体領域R2との位置を識別するためのマークMが、例えば、被係止部12の自由端部に印刷等されていることとする。
具体的には、例えば、図4に示すように、刷毛部材集合体20の左右方向中央よりも左側が第1集合体領域R1、右側が第2集合体領域R2となっている場合は、前側にある被係止部12と後側にある被係止部12との自由端部の左側端部に、第1集合体領域R1の位置を示すためのマークM,Mが印刷等されている。また、例えば、図6に示すように、刷毛部材集合体20の前後方向中央よりも前側が第1集合体領域R1、後側が第2集合体領域R2となっている場合は、前側にある被係止部12の自由端部の前側端部に、第1集合体領域R1の位置を示すためのマークM,Mが印刷等されている。
【0031】
清掃用シート1は、清掃部11と被係止部12,12との境界に設けられた折り目を目印として、掃除具100の下面に清掃用シート1の清掃部11上面をあてがって、掃除具100の側面(短手方向両側面)に沿って被係止部12,12を上側に折り返す。そして、被係止部12,12の自由端部を掃除具100の上面に設けられている係止部に挟み込む等して係止させることによって、例えば、図3に示すように、掃除具100に装着される。そして、ユーザは、清掃用シート1が装着された掃除具100の把持棒110を握り、清掃用シート1で被清掃対象Fを拭き掃除するようになっている。
清掃中、ユーザは清掃用シート1が装着された掃除具100の上面側を目にすることが多いが、掃除具100に装着された清掃用シート1における掃除具100の上面側に配置される部分(被係止部12の自由端部)にマークMを印刷等しておくことによって、清掃中に掃除具100をひっくり返して清掃用シート1の下面側を見たり、刷毛部材21を触ったりしなくても、どちら側が第1集合体領域R1であるか、第2集合体領域R2であるか、を識別できるため、使い勝手が良い。
なお、マークMの形状や位置、個数などは、第1集合体領域R1と第2集合体領域R2との位置を識別できるのであれば任意である。
【0032】
第1刷毛部材21aは、被清掃対象Fに塗布する所定の成分を被清掃対象Fに塗布する機能を有する刷毛部材であり、具体的には、例えば、被清掃対象Fに塗布する所定の成分が塗工された繊維束である。
繊維束は、所定の繊維が集合してなるトウであり、所定の繊維としては、合成繊維、再生繊維、天然繊維等が挙げられる。
被清掃対象Fに塗布する所定の成分としては、ワックス掛け用の油状成分(艶出し剤、コーティング剤等)等が挙げられる。
【0033】
第2刷毛部材21bは、被清掃対象Fに塗布された被清掃対象Fに塗布する所定の成分を拭き取る機能を有する刷毛部材であり、具体的には、例えば、疎水性繊維が集合してなる繊維束(トウ)である。
疎水性繊維としては、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリビニルアルコールなどのポリオレフィン系繊維、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル繊維、ナイロンなどのポリアミド系繊維等が挙げられる。これらは単独で、或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、第1刷毛部材21aを構成する繊維束を疎水性繊維で形成する場合、第1刷毛部材21aを構成する繊維束と、第2刷毛部材21bを構成する繊維束と、は同一の疎水性繊維が集合してなるものであっても良いし、異なる疎水性繊維が集合してなるものであっても良い。同一の疎水性繊維を用いる場合、第2刷毛部材21bに被清掃対象Fに塗布する所定の成分を塗工することによって、第1刷毛部材21aを形成することができる。
【0034】
なお、第1刷毛部材21aは、被清掃対象Fに塗布する所定の成分が塗工された刷毛部材であれば、繊維束、ゴム(糸ゴムや平ゴムなど)、短冊状に形成された布(不織布や織布など)、短冊状に形成された抄紙、短冊状や棒状に形成されたシート材(板状シート材やフィルム状シート材、ネット状シート材、スポンジ状シート材など)等、或いはこれらの複合体であっても良い。また、これらは、伸縮度の異なるものを貼り合わせたものであっても良い。
また、第2刷毛部材21bは、被清掃対象Fに塗布する所定の成分を拭き取る機能を有する刷毛部材であれば、繊維束、ゴム(糸ゴムや平ゴムなど)、短冊状に形成された布(不織布や織布など)、短冊状に形成された抄紙、短冊状や棒状に形成されたシート材(板状シート材やフィルム状シート材、ネット状シート材、スポンジ状シート材など)等、或いはこれらの複合体であっても良い。また、これらは、伸縮度の異なるものを貼り合わせたものであっても良い。
【0035】
(清掃用シートの製造方法)
次に、第1の実施の形態の清掃用シート1の製造方法について、図8〜図10を参照して説明する。
まず、基材シート10を、下面を上側に向けて、台E1に乗せる。
次いで、例えば、図8に示すように、基材シート10の短手方向両端部を、下側に折り曲げて、押え部材E2,E2を用いて押える。次に、基材シート10の下面上に刷毛部材21,…を乗せて、当該刷毛部材21,…を、引張部材E3,E3を用いて引っ張ることにより、当該刷毛部材21,…に所定の引張力をかける。
次いで、例えば、図9に示すように、当該刷毛部材21,…に当該引張力をかけた状態で、当該刷毛部材21,…を基材シート10に接合し、その後、当該刷毛部材21,…に当該引張力をかけた状態のまま、カッター部材E4,E4を用いて、当該刷毛部材21,…を所定の長さで切断する。これにより、例えば、図10に示すように、刷毛部材集合体20を形成し、その後、台E1及び押え部材E2,E2から取り外すことによって、清掃用シート1を製造する。
なお、上記の清掃用シート1の製造方法は、一例であって、これに限られるものではない。
【0036】
以上説明した第1の実施の形態の清掃用シート1によれば、基材シート10と、基材シート10の一方の面に接合され、清掃機能の異なる2種類の刷毛部材21が集合してなる刷毛部材集合体20と、を備え、刷毛部材集合体20は、被清掃対象Fに塗布する所定の成分が塗工された第1刷毛部材21aと、当該所定の成分を拭き取るための第2刷毛部材21bと、が偏在している。
したがって、清掃用シート1で、所定の成分の塗布と、当該所定の成分の拭き取りと、の両方を行うことができる。
ワックス成分等の所定の成分を用いて行う清掃の一般的な手順としては、所定の成分が付着した清掃用品で当該所定の成分を被清掃対象Fに塗布し、その後、乾いた清掃用品で被清掃対象Fに塗布された当該所定の成分を拭き取って、被清掃対象Fを磨き上げることが多い。これに対し、清掃用シート1では、第1刷毛部材21aで所定の成分を被清掃対象Fに塗布しながら、第2刷毛部材21bで当該所定の成分を拭き取ることができ、所定の成分の塗布と、当該所定の成分の拭き取りと、を1枚の清掃用シート1で行うことができるため、使い勝手が良い。
【0037】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態の清掃用シート1について説明する。
なお、第2の実施の形態の清掃用シート1は、第1刷毛部材21a及び第2刷毛部材21bの機能が第1の実施の形態の清掃用シート1と異なる。したがって、異なる箇所のみについて説明し、その他の共通する部分の説明については省略することとする。
【0038】
第1刷毛部材21aは、ゴミ(髪の毛や綿埃など)等の固形状汚れを絡め取る機能を有し、かつ、被清掃対象Fが濡れていても当該機能が低下し難い刷毛部材であり、具体的には、例えば、撥水性を有する繊維束である。
撥水性を有する繊維束としては、例えば、疎水性繊維が集合してなるトウ、撥水成分が塗工された所定の繊維が集合してなるトウ、所定の繊維が集合してなるトウに撥水成分を塗工したもの等が挙げられる。
【0039】
第2刷毛部材21bは、所定の液体(水や薬液など)を用いてふやけさせたシミ汚れやこびりつき汚れを擦り取って、当該汚れを当該所定の液体とともに取り去る機能を有する刷毛部材であり、具体的には、例えば、液吸収性を有する繊維束である。
液吸収性を有する繊維束は、例えば、親水性繊維が集合してなるトウであり、親水性繊維としては、レーヨンやリヨセル、テンセル、コットンなどのセルロース系繊維等が挙げられる。これらは単独で、或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0040】
ここで、第2刷毛部材21bには、薬液を予め含浸しておいても良い。薬液は、例えば、水(精製水)に所定の薬剤を添加したものであり、シミ汚れやこびりつき汚れをふやかすことができるものが好ましい。所定の薬剤としては、洗剤、除菌剤、防虫剤、防腐剤、芳香剤、消臭剤、香料等が挙げられる。これらは単独で、或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これにより、薬液を拭き取る手間だけでなく、被清掃対象Fに薬液を塗布する手間も省くことができるため、使い勝手が良い。
【0041】
なお、第1刷毛部材21aは、撥水性を有する刷毛部材であれば、繊維束、ゴム(糸ゴムや平ゴムなど)、短冊状に形成された布(不織布や織布など)、短冊状に形成された抄紙、短冊状や棒状に形成されたシート材(板状シート材やフィルム状シート材、ネット状シート材、スポンジ状シート材など)等、或いはこれらの複合体であっても良い。また、これらは、伸縮度の異なるものを貼り合わせたものであっても良い。
また、第2刷毛部材21bは、液吸収性を有する刷毛部材であれば、繊維束、ゴム(糸ゴムや平ゴムなど)、短冊状に形成された布(不織布や織布など)、短冊状に形成された抄紙、短冊状や棒状に形成されたシート材(板状シート材やフィルム状シート材、ネット状シート材、スポンジ状シート材など)等、或いはこれらの複合体であっても良い。また、これらは、伸縮度の異なるものを貼り合わせたものであっても良い。
【0042】
以上説明した第2の実施の形態の清掃用シート1によれば、刷毛部材集合体20は、撥水性を有する第1刷毛部材21aと、液吸収性を有する第2刷毛部材21bと、が偏在している。
したがって、清掃用シート1で、乾拭きと、濡拭きと、の両方を行うことができる。
すなわち、清掃用シート1では、第1刷毛部材21aで乾拭きを行いながら、第2刷毛部材21bで濡拭きを行うことができ、乾拭きと、濡拭きと、を1枚の清掃用シート1で行うことができるため、使い勝手が良い。
特に、第1刷毛部材21aは、撥水性を有するため、被清掃対象Fが濡れていても、第1刷毛部材21aは濡れない。そのため、被清掃対象Fが濡れていると、刷毛部材も濡れてしまって、固形状汚れを絡め取る機能が低下してしまう清掃用シートと比較して、その機能が低下し難く、好適である。
【0043】
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態の清掃用シート1について説明する。
なお、第3の実施の形態の清掃用シート1は、第1刷毛部材21a及び第2刷毛部材21bの機能が第1及び第2の実施の形態の清掃用シート1と異なる。したがって、異なる箇所のみについて説明し、その他の共通する部分の説明については省略することとする。
【0044】
第1刷毛部材21aは、被清掃対象Fに落ちている髪の毛や被清掃対象Fにこぼれたコーヒーなどの黒色汚れが刷毛部材集合体20に付着したことをユーザに視認させる機能を有する刷毛部材であり、具体的には、例えば、所定の繊維が集合してなる白色の繊維束である。
白色の繊維束としては、白色の繊維(白色に着色された繊維も含む)が集合してなるトウ、繊維が集合してなるトウを白色に着色したもの等が挙げられる。
【0045】
第2刷毛部材21bは、被清掃対象Fに落ちている綿埃や被清掃対象Fにこぼれた牛乳などの白色汚れが刷毛部材集合体20に付着したことをユーザに視認させる機能を有する刷毛部材であり、具体的には、例えば、所定の繊維が集合してなる黒色の繊維束である。
黒色の繊維束としては、黒色の繊維(黒色に着色された繊維も含む)が集合してなるトウ、繊維が集合してなるトウを黒色に着色したもの等が挙げられる。
【0046】
なお、第1刷毛部材21aは、黒色汚れが刷毛部材集合体20に付着したことをユーザに視認させる機能を有する刷毛部材であれば、繊維束、ゴム(糸ゴムや平ゴムなど)、短冊状に形成された布(不織布や織布など)、短冊状に形成された抄紙、短冊状や棒状に形成されたシート材(板状シート材やフィルム状シート材、ネット状シート材、スポンジ状シート材など)等、或いはこれらの複合体であっても良い。また、これらは、伸縮度の異なるものを貼り合わせたものであっても良い。
また、第2刷毛部材21bは、白色汚れが刷毛部材集合体20に付着したことをユーザに視認させる機能を有する刷毛部材であれば、繊維束、ゴム(糸ゴムや平ゴムなど)、短冊状に形成された布(不織布や織布など)、短冊状に形成された抄紙、短冊状や棒状に形成されたシート材(板状シート材やフィルム状シート材、ネット状シート材、スポンジ状シート材など)等、或いはこれらの複合体であっても良い。また、これらは、伸縮度の異なるものを貼り合わせたものであっても良い。
【0047】
また、第1刷毛部材21aと第2刷毛部材21bとで異なる色の汚れをユーザに視認させることができるのであれば、第1刷毛部材21aと第2刷毛部材21bの色の組み合わせは、白色と黒色の組み合わせに限ることはなく任意である。
【0048】
以上説明した第3の実施の形態の清掃用シート1によれば、黒色汚れが刷毛部材集合体20に付着したことをユーザに視認させるための第1刷毛部材21aと、白色汚れが刷毛部材集合体20に付着したことをユーザに視認させるための第2刷毛部材21bと、が偏在している。
したがって、清掃用シート1は、黒色汚れと、白色汚れと、の両方をユーザに視認させることができる。
すなわち、清掃用シート1は、刷毛部材集合体20が2色の刷毛部材からなるため、刷毛部材集合体が1色の刷毛部材からなる清掃用シートと比較して、汚れの付着度合いを正確にユーザに認識させることができる。そのため、清掃用シート1は、取り替えるタイミング等が分かり易く、使い勝手が良い。
【0049】
[第4の実施の形態]
次に、第4の実施の形態の清掃用シート1について説明する。
なお、第4の実施の形態の清掃用シート1は、第1刷毛部材21aと第2刷毛部材21bとが混在してなる刷毛部材集合体20を備えている点と、第1刷毛部材21a及び第2刷毛部材21bの機能と、が第1〜第3の実施の形態の清掃用シート1と異なる。したがって、異なる箇所のみについて説明し、その他の共通する部分の説明については省略することとする。
【0050】
刷毛部材集合体20は、第1清掃機能を有する第1刷毛部材21aと、第2清掃機能を有する第2刷毛部材21bと、が混在している。
具体的には、例えば、図11及び図12に示すように、第1刷毛部材21a,…を基材シート10の左右方向全域に亘って配置するとともに、第2刷毛部材21b,…を基材シート10の左右方向全域に亘って配置した状態で、接合部22,22において基材シート10に接合されることによって、刷毛部材集合体20は形成されている。
なお、第1刷毛部材21aと第2刷毛部材21bとの両方が基材シート10の左右方向全域に亘って配置されているのであれば、第1刷毛部材21aと第2刷毛部材21bとは、ランダムに配置されていても良いし、例えば、図11及び図12に示すように、規則的に(例えば、交互に)配置されていても良い。
【0051】
第1刷毛部材21aは、磨耗しながら汚れを擦り取る機能を有する刷毛部材であり、具体的には、例えば、短冊状や棒状に形成された消しゴムや、短冊状や棒状に形成されたメラミンフォーム(メラミンスポンジ)である。
【0052】
第2刷毛部材21bは、第1刷毛部材21aの磨耗に伴い発生する屑を捕集する(絡め取る)機能を有する刷毛部材であり、具体的には、例えば、所定の繊維が集合してなる繊維束(トウ)である。
ここで、第1刷毛部材21aを、例えばメラミンフォームで形成する場合、第1刷毛部材21aによる汚れの除去には水が必要である。したがって、第2刷毛部材21bとしては、被清掃対象Fが濡れていても屑を絡め取る機能が低下し難い刷毛部材が好ましく、具体的には、例えば、撥水性を有する繊維束(トウ)が好ましい。
【0053】
なお、第1刷毛部材21aは、磨耗しながら汚れを擦り取る刷毛部材であれば、繊維束、ゴム(糸ゴムや平ゴムなど)、短冊状に形成された布(不織布や織布など)、短冊状に形成された抄紙、短冊状や棒状に形成されたシート材(板状シート材やフィルム状シート材、ネット状シート材、スポンジ状シート材など)等、或いはこれらの複合体であっても良い。また、これらは、伸縮度の異なるものを貼り合わせたものであっても良い。
また、第2刷毛部材21bは、第1刷毛部材21aの磨耗に伴い発生する屑を捕集する機能を有する刷毛部材であれば、繊維束、ゴム(糸ゴムや平ゴムなど)、短冊状に形成された布(不織布や織布など)、短冊状に形成された抄紙、短冊状や棒状に形成されたシート材(板状シート材やフィルム状シート材、ネット状シート材、スポンジ状シート材など)等、或いはこれらの複合体であっても良い。また、これらは、伸縮度の異なるものを貼り合わせたものであっても良い。
【0054】
以上説明した第4の実施の形態の清掃用シート1によれば、刷毛部材集合体20は、磨耗しながら汚れを擦り取る第1刷毛部材21aと、当該磨耗に伴い発生する屑を捕集するための第2刷毛部材21bと、が混在している。
したがって、清掃用シート1で、こびりつき汚れ等の擦り取りと、固形状汚れの取り去りと、の両方を行うことができる。
すなわち、清掃用シート1では、第1刷毛部材21aでこびりつき汚れ等を擦り取り、第2刷毛部材21bで第1刷毛部材21aからの屑を捕集しながら、第2刷毛部材21bで当該屑以外の固形状汚れを絡め取ることができ、こびりつき汚れ等の擦り取りと、固形状汚れの取り去りと、を1枚の清掃用シート1で行うことができるため、使い勝手が良い。
【0055】
なお、第4の実施の形態の清掃用シート1によれば、第1刷毛部材21aを、例えばメラミンフォームで形成する場合、第1刷毛部材21aによる汚れの擦り取りには、洗剤等の洗浄成分は必要ないが、水は必要である。したがって、吸水性を有する刷毛部材を第3刷毛部材として加えて刷毛部材集合体20を構成すると、当該水を拭き取る手間を省くことができ、好適である。
この場合、当該第3刷毛部材に水を予め含浸しておくと、水を拭き取る手間だけでなく、被清掃対象Fに水を塗布する手間も省くことができるため、さらに使い勝手が良い。
【0056】
[第5の実施の形態]
次に、第5の実施の形態の清掃用シート1について説明する。
なお、第5の実施の形態の清掃用シート1は、第1刷毛部材21a及び第2刷毛部材21bの機能が第4の実施の形態の清掃用シート1と異なる。したがって、異なる箇所のみについて説明し、その他の共通する部分の説明については省略することとする。
【0057】
第1刷毛部材21aは、帯電してゴミ(固形状汚れ)を引き付ける機能を有し、かつ、剛性のある刷毛部材あり、具体的には、例えば、合成樹脂からなるシート材(板状シート材やフィルム状シート材、ネット状シート材、スポンジ状シート材など)を短冊状や棒状に形成したものが挙げられる。
【0058】
第2刷毛部材21bは、第1刷毛部材21aに引き付けられたゴミを捕集する(絡め取る)機能を有する刷毛部材であり、具体的には、例えば、所定の繊維が集合してなる繊維束(トウ)である。
【0059】
なお、第1刷毛部材21aは、帯電してゴミを引き付ける刷毛部材(好ましくは、帯電してゴミを引き付ける機能を有し、かつ、剛性のある刷毛部材)であれば、繊維束、ゴム(糸ゴムや平ゴムなど)、短冊状に形成された布(不織布や織布など)、短冊状に形成された抄紙、短冊状や棒状に形成されたシート材(板状シート材やフィルム状シート材、ネット状シート材、スポンジ状シート材など)等、或いはこれらの複合体であっても良い。また、これらは、伸縮度の異なるものを貼り合わせたものであっても良い。
また、第2刷毛部材21bは、第1刷毛部材21aに引き付けられたゴミを捕集する(絡め取る)機能を有する刷毛部材であれば、繊維束、ゴム(糸ゴムや平ゴムなど)、短冊状に形成された布(不織布や織布など)、短冊状に形成された抄紙、短冊状や棒状に形成されたシート材(板状シート材やフィルム状シート材、ネット状シート材、スポンジ状シート材など)等、或いはこれらの複合体であっても良い。また、これらは、伸縮度の異なるものを貼り合わせたものであっても良い。
【0060】
以上説明した第5の実施の形態の清掃用シート1によれば、刷毛部材集合体20は、帯電してゴミを引き付ける第1刷毛部材21aと、第1刷毛部材21aに引き付けられたゴミを捕集するための第2刷毛部材21bと、が混在している。
したがって、清掃用シート1で、刷毛部材21が十分に届かない場所にあるゴミの取り去りと、刷毛部材21が十分に届く場所にあるゴミの取り去りと、の両方を行うことができる。
すなわち、清掃用シート1では、第1刷毛部材21aで刷毛部材21が十分に届かない場所(隙間や部屋の隅、壁面、段差の側面など)にあるゴミを引き付けて、第2刷毛部材21bで当該ゴミを捕集しながら、第2刷毛部材21bで刷毛部材21が十分に届く場所にあるゴミを絡め取ることができ、刷毛部材21が十分に届かない場所にあるゴミの取り去りと、刷毛部材21が十分に届く場所にあるゴミの取り去りと、を1枚の清掃用シート1で行うことができるため、使い勝手が良い。
【0061】
また、以上説明した第5の実施の形態の清掃用シート1によれば、第1刷毛部材21aには剛性がある。
すなわち、第1刷毛部材21aは、第2刷毛部材21bよりも変形し難く、隙間や部屋の隅、壁面、段差の側面などに第2刷毛部材21bを誘導することができる。したがって、第2刷毛部材21bが隙間や部屋の隅、壁面、段差の側面などに届くようになり、また、第1刷毛部材21aが当該第1刷毛部材21aに引き付けられたゴミで覆われると、そのゴミを第2刷毛部材21bで拭うこともできるため、被清掃対象Fを効率よく清掃することができる。
【0062】
[第6の実施の形態]
次に、第6の実施の形態の清掃用シート1について説明する。
なお、第6の実施の形態の清掃用シート1は、伸縮性の異なる刷毛部材が集合してなる刷毛部材集合体20を備えている点と、清掃用シート1の製造方法と、が第5の実施の形態の清掃用シート1と異なる。したがって、異なる箇所のみについて説明し、その他の共通する部分の説明については省略することとする。
【0063】
刷毛部材集合体20は、伸縮性の異なる刷毛部材が集合してなるものである。
具体的には、刷毛部材集合体20は、第1伸縮度の第1刷毛部材21aと、第1伸縮度よりも大きい第2伸縮度の第2刷毛部材21bと、第2伸縮度よりも大きい第3伸縮度の第1刷毛部材21aと、第3伸縮度よりも大きい第4伸縮度の第2刷毛部材21bと、が混在している。
そして、刷毛部材集合体20は、例えば、図13に示すように、基材シート10の下面上に第1伸縮度の第1刷毛部材21a,…を基材シート10の左右方向全域に亘って配置して第1伸縮度層を形成し、当該第1伸縮度層の下面上に第2伸縮度の第2刷毛部材21b,…を基材シート10の左右方向全域に亘って配置して第2伸縮度層を形成し、当該第2伸縮度層の下面上に第3伸縮度の第1刷毛部材21a,…を基材シート10の左右方向全域に亘って配置して第3伸縮度層を形成し、当該第3伸縮度層の下面上に第4伸縮度の第2刷毛部材21b,…を基材シート10の左右方向全域に亘って配置して第4伸縮度層を形成することによって、形成されている。そして、刷毛部材集合体20において、各刷毛部材21の長さは、第1伸縮度の第1刷毛部材21a>第2伸縮度の第2刷毛部材21b>第3伸縮度の第1刷毛部材21a>第4伸縮度の第2刷毛部材21bとなっている。
【0064】
(清掃用シートの製造方法)
次に、第6の実施の形態の清掃用シート1の製造方法について、図14及び図15を参照して説明する。
【0065】
まず、基材シート10を、下面を上側に向けて、台E1に乗せる。
次いで、例えば、図14に示すように、基材シート10の短手方向両端部を、下側に折り曲げて、押え部材E2,E2を用いて押える。次に、基材シート10の下面上に第1伸縮度の第1刷毛部材21a,…を乗せて、当該第1伸縮度の第1刷毛部材21a,…を、引張部材E3,E3を用いて引っ張ることにより、当該第1伸縮度の第1刷毛部材21a,…に所定の引張力をかける。
次に、当該第1伸縮度の第1刷毛部材21a,…に当該引張力をかけた状態で、当該第1伸縮度の第1刷毛部材21a,…を基材シート10に接合し、その後、当該第1伸縮度の第1刷毛部材21a,…に当該引張力をかけた状態のまま、カッター部材E4,E4を用いて、当該第1伸縮度の第1刷毛部材21a,…を所定の長さで切断することによって第1伸縮度層を形成する。
【0066】
次いで、例えば、図15に示すように、第1伸縮度層の下面上に第2伸縮度の第2刷毛部材21b,…を乗せて、当該第2伸縮度の第2刷毛部材21b,…を、引張部材E3,E3を用いて引っ張ることにより、当該第2伸縮度の第2刷毛部材21b,…に所定の引張力をかける。このときの引張力は、第1伸縮度の第1刷毛部材21a,…を引っ張った際の引張力と同一にする。
次に、当該第2伸縮度の第2刷毛部材21b,…に当該引張力をかけた状態で、当該第2伸縮度の第2刷毛部材21b,…を基材シート10に接合し、その後、当該第2伸縮度の第2刷毛部材21b,…に当該引張力をかけた状態のまま、カッター部材E4,E4を用いて、当該第2伸縮度の第2刷毛部材21b,…を所定の長さで切断することによって第2伸縮度層を形成する。このときのカッター部材E4,E4の位置は、第1伸縮度の第1刷毛部材21a,…を切断した際の位置と同一にする。
同一の引張力で引っ張ると、第2伸縮度の第2刷毛部材21bの方が、第1伸縮度の第1刷毛部材21aよりも伸びるため、第1伸縮度の第1刷毛部材21a,…を切断する際と、第2伸縮度の第2刷毛部材21b,…を切断する際と、でカッター部材E4,E4の位置を同一にすると、切断後の長さは、第2伸縮度の第2刷毛部材21bの方が、第1伸縮度の第1刷毛部材21aよりも短くなる。
【0067】
そして、上記した第2伸縮度層の形成工程と同一の工程を、第3伸縮度の第1刷毛部材21a,…と、第4伸縮度の第2刷毛部材21b,…と、を用いて行い、第2伸縮度層の下面上に第3伸縮度層を形成し、第3伸縮度層の下面上に第4伸縮度層を形成することによって、刷毛部材集合体20を形成し、その後、台E1及び押え部材E2,E2から取り外すことによって、清掃用シート1を製造する。
【0068】
なお、上記の清掃用シート1の製造方法は、一例であって、これに限られるものではない。
具体的には、例えば、第1伸縮度の第1刷毛部材21a,…を引張部材E3,E3(引張部材A)を用いて引っ張り、第2伸縮度の第2刷毛部材21b,…を引張部材Aとは異なる引張部材E3,E3(引張部材B)を用いて引っ張り、第3伸縮度の第1刷毛部材21a,…を引張部材A,Bとは異なる引張部材E3,E3(引張部材C)を用いて引っ張り、第4伸縮度の第2刷毛部材21bを引張部材A,B,Cとは異なる引張部材E3,E3(引張部材D)を用いて引っ張り、各刷毛部材21(第1伸縮度の第1刷毛部材21a、第2伸縮度の第2刷毛部材21b、第3伸縮度の第1刷毛部材21a及び第4伸縮度の第2刷毛部材21b)に同一の引張力をかける。そして、各刷毛部材21に当該引張力をかけた状態で、各刷毛部材21を一緒に基材シート10に接合し、その後、各刷毛部材21に当該引張力をかけた状態のまま、カッター部材E4,E4を用いて、各刷毛部材21を一緒に切断することによって第1〜第4伸縮度層を一度に形成することもできる。
【0069】
ここで、第6の実施の形態の清掃用シート1において、各刷毛部材21は、所定の引張力がかかって伸びた状態で基材シート10に接合され、切断されてその引張力がかからなくなると縮む。そのため、刷毛部材集合体20における一方の接合部22と他方の接合部22との間の部分も清掃用シート1の短手方向に縮む。この際、当該部分の縮み度合は、伸縮度の最も大きな刷毛部材21(第4伸縮度の第2刷毛部材21b)と略同一であるため、当該部分が縮んだ分だけ、当該部分における伸縮度の小さい刷毛部材21(第1伸縮度の第1刷毛部材21a、第2伸縮度の第2刷毛部材21b、第3伸縮度の第1刷毛部材21a)が余り、当該部分において、当該伸縮度の小さい刷毛部材21と、基材シート10と、の間にスペースSができる。このスペースSでも、ゴミを引き付けたり、ゴミを捕集したりできるが、スペースSに入り込んだゴミは、当該伸縮度の小さい刷毛部材21と基材シート10とに囲まれているため、清掃用シート1から特に落ち難く、好適である。
【0070】
以上説明した第6の実施の形態の清掃用シート1によれば、伸縮性の異なる刷毛部材21(第1伸縮度の第1刷毛部材21a、第2伸縮度の第2刷毛部材21b、第3伸縮度の第1刷毛部材21a、第4伸縮度の第2刷毛部材21b)に所定の引張力をかけた状態で、各刷毛部材21を基材シート10に接合した後、所定の長さで切断することによって製造され、基材シート10に接合された各刷毛部材21の長さは、第1伸縮度の第1刷毛部材21a>第2伸縮度の第2刷毛部材21b>第3伸縮度の第1刷毛部材21a>第4伸縮度の第2刷毛部材21bとなっている。
したがって、清掃用シート1は、水平面にあるゴミ(固形状汚れ)の取り去りと、垂直面にあるゴミの取り去りと、の両方を効率よく行うことができる。
すなわち、例えば、第1〜第5の実施の形態のように、刷毛部材21の長さが略一様である場合、清掃中、刷毛部材21は略水平になるため、刷毛部材21の先端は垂直面(壁面や段差の側面など)には接し易いが、水平面(床面等)には接し難い。したがって、垂直面にあるゴミを容易にかき出すことはできるものの、水平面にあるゴミをかき出すのは困難である。また、刷毛部材21は、配置位置が基材シート10に近いもの(上側にあるもの)ほど、下側にある刷毛部材21に邪魔されて、水平面と接しにくい。これに対し、第6の実施の形態の清掃用シート1によれば、刷毛部材21の長さが様々であるため、短い刷毛部材21の先端は水平面に接し易く、短い刷毛部材21で水平面にあるゴミを容易にかき出すことができるとともに、長い刷毛部材21の先端は垂直面に接し易く、長い刷毛部材21で垂直面にあるゴミを容易にかき出すことができる。また、刷毛部材21の先端の位置が様々であるため、刷毛部材21は、上側にあっても、下側にある刷毛部材21に邪魔され難く、被清掃対象Fと接し易い。そのため、刷毛部材21の長さが略一様の場合と比較して、清掃効率が向上し、好適である。
【0071】
なお、刷毛部材21の長さが略一様にならないのであれば、第6の実施の形態の清掃用シート1は、例えば、伸縮性が同一の刷毛部材21に異なる引張力をかけた状態で、当該刷毛部材21を基材シート10に接合した後、所定の長さで切断することによって製造されたものであっても良い。
【0072】
[第7の実施の形態]
次に、第7の実施の形態の清掃用シート1について説明する。
なお、第7の実施の形態の清掃用シート1は、第1刷毛部材21a及び第2刷毛部材21bの機能が第4及び第5の実施の形態の清掃用シート1と異なる。したがって、異なる箇所のみについて説明し、その他の共通する部分の説明については省略することとする。
【0073】
第1刷毛部材21aは、第1成分を内包するマイクロカプセルが混入された刷毛部材であり、具体的には、例えば、所定の繊維が集合してなる繊維束(トウ)に第1成分を内包するマイクロカプセルを混入したものである。
【0074】
第2刷毛部材21bは、第2成分を内包するマイクロカプセルが混入された刷毛部材であり、具体的には、例えば、所定の繊維が集合してなる繊維束(トウ)に第2成分を内包するマイクロカプセルを混入したものである。
【0075】
第1成分と第2成分との組み合わせとしては、例えば、指示薬と、当該指示薬と反応して変色に至らしめる成分と、の組み合わせが挙げられる。具体的には、フェノールフタレインと、炭酸ナトリウムと、の組み合わせ等である。これにより、清掃用シート1を使用してマイクロカプセルが破裂すると、第1成分と第2成分とが反応して変色するため、清掃用シート1が使用済みであるか否かを確認することができる。
また、第1成分と第2成分との組み合わせとしては、例えば、過炭酸塩と、水で希釈した界面活性剤と、の組み合わせが挙げられる。これにより、清掃用シート1を使用してマイクロカプセルが破裂すると、第1成分と第2成分とが反応するため、水和による発泡反応の効果を清掃に利用することができる。
【0076】
なお、第1刷毛部材21aは、第1成分を内包するマイクロカプセルが混入された刷毛部材であれば、繊維束、ゴム(糸ゴムや平ゴムなど)、短冊状に形成された布(不織布や織布など)、短冊状に形成された抄紙、短冊状や棒状に形成されたシート材(板状シート材やフィルム状シート材、ネット状シート材、スポンジ状シート材など)等、或いはこれらの複合体であっても良い。また、これらは、伸縮度の異なるものを貼り合わせたものであっても良い。
また、第2刷毛部材21bは、第2成分を内包するマイクロカプセルが混入された刷毛部材であれば、繊維束、ゴム(糸ゴムや平ゴムなど)、短冊状に形成された布(不織布や織布など)、短冊状に形成された抄紙、短冊状や棒状に形成されたシート材(板状シート材やフィルム状シート材、ネット状シート材、スポンジ状シート材など)等、或いはこれらの複合体であっても良い。また、これらは、伸縮度の異なるものを貼り合わせたものであっても良い。
【0077】
以上説明した第7の実施の形態の清掃用シート1によれば、刷毛部材集合体20は、第1成分を内包するマイクロカプセルが混入された第1刷毛部材21aと、第2成分を内包するマイクロカプセルが混入された第2刷毛部材21bと、が混在している。
したがって、第1成分と第2成分との組み合わせが、例えば、指示薬と、当該指示薬と反応して変色に至らしめる成分と、の組み合わせであれば、清掃用シート1を使用してマイクロカプセルが破裂すると、第1成分と第2成分とが反応して変色するため、清掃用シート1が使用済みであるか否かを確認することができ、使い勝手が良い。
また、第1成分と第2成分との組み合わせが、例えば、過炭酸塩と、水で希釈した界面活性剤と、の組み合わせであれば、清掃用シート1を使用してマイクロカプセルが破裂すると、第1成分と第2成分とが反応するため、水和による発泡反応の効果を清掃に利用することができ、効率よく清掃することができる。
【0078】
[第8の実施の形態]
次に、第8の実施の形態の清掃用シート1について説明する。
なお、第8の実施の形態の清掃用シート1は、刷毛部材21の機能が第4、第5及び第7の実施の形態の清掃用シート1と異なる。したがって、異なる箇所のみについて説明し、その他の共通する部分の説明については省略することとする。
【0079】
刷毛部材集合体20は、液吸収性のレベルが第1レベルの第1レベル刷毛部材21wと、液吸収性のレベルが第1レベルよりも低い第2レベルの第2レベル刷毛部材21xと、液吸収性のレベルが第2レベルよりも低い第3レベルの第3レベル刷毛部材21yと、液吸収性のレベルが第3レベルよりも低い第4レベルの第4レベル刷毛部材21zと、が混在している。
そして、刷毛部材集合体20は、例えば、図16に示すように、基材シート10の下面上に第1レベル刷毛部材21w,…を基材シート10の左右方向全域に亘って配置して第1レベル層を形成し、当該第1レベル層の下面上に第2レベル刷毛部材21x,…を基材シート10の左右方向全域に亘って配置して第2レベル層を形成し、当該第2レベル層の下面上に第3レベル刷毛部材21y,…を基材シート10の左右方向全域に亘って配置して第3レベル層を形成し、当該第3レベル層の下面上に第4レベル刷毛部材21z,…を基材シート10の左右方向全域に亘って配置して第4レベル層を形成することによって、形成されている。
【0080】
具体的には、第1レベル刷毛部材21w〜第4レベル刷毛部材21zは、親水性度が異なるとともに、繊維密度が異なる繊維束(トウ)である。
第1レベル刷毛部材21wは、親水性度及び繊維密度が最も高い繊維束である。
第2レベル刷毛部材21xは、第1レベル刷毛部材21wよりも親水性度及び繊維密度が低い繊維束である。
第3レベル刷毛部材21yは、第2レベル刷毛部材21xよりも親水性度及び繊維密度が低い繊維束である。
第4レベル刷毛部材21zは、第3レベル刷毛部材21yよりも親水性度及び繊維密度が低い繊維束、すなわち、親水性度及び繊維密度が最も低い繊維束である。
【0081】
すなわち、配置位置が基材シート10に近い刷毛部材21ほど、親水性度が高くなっている。これにより、例えば、清掃用シート1で、被清掃対象Fにこぼれた水等の液状汚れを拭き取る際、拭き取られた液状汚れは、第4レベル刷毛部材21z→第3レベル刷毛部材21y→第2レベル刷毛部材21x→第1レベル刷毛部材21wへと移行する。したがって、液状汚れが、第4レベル刷毛部材21zから第1レベル刷毛部材21wへと吸い上げられ、被清掃対象Fと接する第4レベル刷毛部材21zに液状汚れが残り難いため、効率よく液状汚れを拭き取ることができる。
また、配置位置が基材シート10に近い刷毛部材21ほど、繊維密度が高くなっている。これにより、毛細管現象が作用して、第4レベル刷毛部材21zから第1レベル刷毛部材21wへの液状汚れの吸い上げ効率が向上するため、好適である。
【0082】
ここで、基材シート10は、第1レベル刷毛部材21wよりも親水性度及び繊維密度が高い布(不織布や織布など)であるのが好ましい。これにより、第4レベル刷毛部材21zから第1レベル刷毛部材21wへの吸い上げられた液状汚れは、基材シート10に吸収されるため、より効率よく、液状汚れを拭き取ることができる。
【0083】
なお、第1レベル刷毛部材21w〜第4レベル刷毛部材21zは、互いに液吸収性のレベルが異なる刷毛部材であれば、繊維束、ゴム(糸ゴムや平ゴムなど)、短冊状に形成された布(不織布や織布など)、短冊状に形成された抄紙、短冊状や棒状に形成されたシート材(板状シート材やフィルム状シート材、ネット状シート材、スポンジ状シート材など)等、或いはこれらの複合体であっても良い。また、これらは、伸縮度の異なるものを貼り合わせたものであっても良い。
【0084】
以上説明した第8の実施の形態の清掃用シート1によれば、刷毛部材集合体20は、液吸収性のレベルの異なる刷毛部材が混在している。
したがって、清掃用シート1で液状汚れを拭き取る際、当該液状汚れは、液吸収性が低い刷毛部材から液吸収性が高い刷毛部材へと移行するため、液吸収性が低い刷毛部材に液状汚れが残り難く、効率よく液状汚れを拭き取ることができる。
【0085】
なお、本発明は、上記した実施の形態のものに限るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0086】
接合線Lの形状は、当該接合線Lが刷毛部材21,…の配向方向と直交する方向に伸びているのであれば、ジグザグ状に限ることはなく任意であり、例えば、直線状、波線状、曲線状のうちの何れかであっても良い。
また、接合線L,Lは、刷毛部材集合体20の長手方向両端で交差するものに限ることはなく、交差しないものであっても良いし、その他の箇所で交差するものであっても良い。
また、接合線Lの本数は、2本に限ることはなく任意である。接合線Lの本数に応じて、接合部22の個数は適宜に変更可能である。
また、接合部22の位置は、刷毛部材集合体20の前後方向中央部に限ることはなく、任意である。
【0087】
接合部22を基材シート10に接合するための接合手段は、ホットメルト、ヒートシール、超音波シールに限ることはなく任意であり、その他の接着剤、縫製、ステープラ、植毛等であっても良い。
【0088】
刷毛部材集合体20の個数は、1個に限ることはなく、複数であっても良い。
また、刷毛部材集合体20は、基材シート10の片面(下面)だけでなく、両面(上面及び下面)に接合されていても良い。
また、刷毛部材集合体20を構成する刷毛部材21,…は、一方向の配向したものに限ることはなく、配向方向はランダムであっても良い。
また、刷毛部材21は、糸状、短冊状、棒状のものに限ることはなく、ループ状のものであっても良いし、これらの混合であっても良い。
【0089】
第1〜第3の実施の形態において、刷毛部材21の偏在の仕方は、上記のものに限ることはなく、第1刷毛部材21aが配置された領域と、第2刷毛部材21bが配置された領域と、が区別できるのであれば任意である。
また、第4〜第7の実施の形態において、刷毛部材21の混在の仕方は、上記のものに限ることはなく、第1刷毛部材21aと第2刷毛部材21bとが基材シート10の左右方向全域に亘って配置されているのであれば任意である。
【0090】
第1〜第7の実施の形態において、刷毛部材集合体20は、2種類の清掃機能を有する刷毛部材21(第1刷毛部材21a及び第2刷毛部材21b)が偏在又は混在してなるものに限ることはなく、複数種類の清掃機能を有する刷毛部材21が偏在又は混在してなるものであれば任意である。
【0091】
第6の実施の形態においては、第5の実施の形態の清掃用シート1について、刷毛部材集合体20を伸縮性の異なる刷毛部材が集合してなるものに代えて、第6の実施の形態に示すように製造したが、第1〜第4、第7及び第8の実施の形態の清掃用シート1についても、刷毛部材集合体20を伸縮性の異なる刷毛部材が集合してなるものに代えても良いし、第6の実施の形態に示すように製造しても良い。
【0092】
第8の実施の形態において、第1レベル刷毛部材21w〜第4レベル刷毛部材21zは、親水性度が異なるとともに、繊維密度が異なるものに限ることはなく、液吸収性のレベルが異なるのであれば任意であり、親水性度及び繊維密度の何れか一方のみが異なるものであっても良い。
また、第8の実施の形態において、刷毛部材集合体20は、液吸収性レベルが異なる刷毛部材21が混在したものに限るものではなく、液吸収性レベルが異なる刷毛部材21が偏在したものであっても良い。
また、第8の実施の形態において、刷毛部材集合体20は、液吸収性レベルが異なる刷毛部材21が偏在又は混在したものに限るものではなく、所定の清掃機能のレベルが異なる刷毛部材21が偏在又は混在したものであっても良い。
【符号の説明】
【0093】
1 清掃用シート
10 基材シート
20 刷毛部材集合体
21 刷毛部材
21a 第1刷毛部材
21b 第2刷毛部材
22 接合部
100 掃除具
F 被清掃対象

【特許請求の範囲】
【請求項1】
掃除具の下面を覆い、当該掃除具に装着される清掃用シートにおいて、
基材シートと、
前記基材シートの少なくとも一方の面に接合され、清掃機能の異なる複数種類の刷毛部材が集合してなる刷毛部材集合体と、
を備え、
前記刷毛部材集合体は、各清掃機能を有する刷毛部材が偏在又は混在してなることを特徴とする清掃用シート。
【請求項2】
請求項1に記載の清掃用シートにおいて、
前記刷毛部材集合体は、被清掃対象に塗布する所定の成分が塗工された第1刷毛部材と、当該被清掃対象に塗布する所定の成分を拭き取るための第2刷毛部材と、が偏在してなることを特徴とする清掃用シート。
【請求項3】
請求項1に記載の清掃用シートにおいて、
前記刷毛部材集合体は、撥水性を有する第1刷毛部材と、液吸収性を有する第2刷毛部材と、が偏在してなることを特徴とする清掃用シート。
【請求項4】
請求項1に記載の清掃用シートにおいて、
前記刷毛部材集合体は、磨耗しながら汚れを擦り取る第1刷毛部材と、当該磨耗に伴い発生する屑を捕集するための第2刷毛部材と、が混在してなることを特徴とする清掃用シート。
【請求項5】
請求項1に記載の清掃用シートにおいて、
前記刷毛部材集合体は、帯電してゴミを引き付ける第1刷毛部材と、当該第1刷毛部材に引き付けられたゴミを捕集するための第2刷毛部材と、が混在してなることを特徴とする清掃用シート。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項に記載の清掃用シートを製造する清掃用シート製造方法において、
伸縮性の異なる刷毛部材に所定の引張力をかけた状態で、当該刷毛部材を前記基材シートに接合した後、所定の長さで切断することを特徴とする清掃用シート製造方法。
【請求項7】
請求項1〜5の何れか一項に記載の清掃用シートを製造する清掃用シート製造方法において、
伸縮性が同一の刷毛部材に異なる引張力をかけた状態で、当該刷毛部材を前記基材シートに接合した後、所定の長さで切断することを特徴とする清掃用シート製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−227504(P2010−227504A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−81466(P2009−81466)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】