説明

減音収納具

【課題】ファンや駆動機構を設けることなくコンプレッサの駆動に伴う発熱を十分に放熱させることができ、さらに、十分な減音性能を確保すること。
【解決手段】減音収納具1は、コンプレッサ2を収納するための収納空間が形成される筐体部3と、筐体部3の内壁とコンプレッサ2の筐体外部とに当接配置されることにより、収納空間を、コンプレッサ2に設けられた内部ファンの吸気口が配置される吸気側空間29と、内部ファンの排気口が配置される排気側空間28とに区分けする仕切部材17,22,23,27とを有し、筐体部3には、吸気側空間29を介して吸気口に外気を導入するための吸気用開口部15,25と、排気側空間28を介して排気口より排気された空気を外部へ排出するための排気用開口部14,26とが形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、減音収納具に関し、より詳細には、駆動工具を駆動させるためのコンプレッサを収納することによりコンプレッサの駆動音の減音を行うための減音収納具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、建築現場等において内装作業などを行う場合には、コンプレッサを作業現場に持ち込み、コンプレッサにより供給される高圧ガスを利用して、釘打ち機などの駆動工具を使用することが多い。
【0003】
コンプレッサを使用する場合には、モータの回転などに伴う駆動音が発生する。特に、今日では、新興住宅地における大規模な新居建築の現場のような人がまだ住んでいない環境で作業を行うだけでなく、既に近隣に住人が住んでいる環境や、既設住居の増改築(いわゆるリフォーム作業)などのように住人が建物に住居している環境において作業を行うことも多くなっている。このため、今日では作業現場の周囲環境などを配慮して、駆動音の低減に対する要望が高くなっている。
【0004】
コンプレッサの駆動音の低減を図るために、コンプレッサを収納具(以下、減音箱という)に収納した状態でコンプレッサを駆動させて作業を行うことにより、駆動音が周囲に漏れてしまうことを防止する方法が採用されている。この減音箱には、コンプレッサの駆動に伴う発熱によって、コンプレッサの駆動に支障が生じるほど減音箱内の温度が上昇してしまうことを防止するために、換気用のファンが設けられていることが多い(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭56−155195号明細書
【特許文献2】実開昭57−78791号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、減音箱にファンやファンを駆動するための駆動機構などが設けられている場合には、減音箱の重量が重くなってしまう傾向があった。減音箱の重量が増加する場合には、作業者に多くの搬送負担をかけてしまうおそれがあり、さらに、減音箱に加えてコンプレッサも運ぶ必要が生じることから、減音箱の使用頻度が低下してしまうおそれがあるという問題があった。
【0007】
さらに、ファンなどが設けられた減音箱は、駆動機構などに故障が生ずるおそれがある。特に、減音箱が用いられる作業現場は、建築現場などの特別な環境であるため、他の工具などと干渉しあって不用意に振動・衝撃が加えられ、ファンやその駆動機構などに意図しないトラブルが生ずるおそれがある。このため、意図しないトラブルにより駆動機構が駆動しない場合には、減音箱における放熱性能を十分に確保することができないおそれもあった。
【0008】
さらに、減音箱は、コンプレッサを収納する必要があるため筐体が大きくなる傾向があり、さらにファンなどが設けられた減音箱では、駆動機構などが内設されているため、減音箱をコンパクトに折りたたむ等して体積を小さくすることが容易ではないという問題があった。
【0009】
一方で、ファンやファンを駆動するための駆動機構を減音箱に設置しない場合には、減音箱内で十分な放熱性能を確保することが困難であり、コンプレッサに設置されるサーマルスイッチ機構により、短時間でコンプレッサが自動停止してしまうおそれがあるという問題があった。
【0010】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、ファンや駆動機構を設けることなくコンプレッサの駆動に伴う発熱を十分に放熱させることができ、さらに、十分な減音性能を確保することが可能な減音収納具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明に係る減音収納具は、コンプレッサを収納するための収納空間が形成される筐体部と、該筐体部の内壁と前記コンプレッサの筐体外部とに当接配置されることにより、前記収納空間を、前記コンプレッサに設けられた内部ファンの吸気口が配置される吸気側空間と、前記内部ファンの排気口が配置される排気側空間とに区分けする仕切部材とを有し、前記筐体部には、前記吸気側空間を介して前記吸気口に外気を導入するための吸気用開口部と、前記排気側空間を介して前記排気口より排気された空気を外部へ排出するための排気用開口部とが形成されることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る減音収納具は、コンプレッサに設けられた内部ファンの吸気口が配置される吸気側空間と、内部ファンの排気口が配置される排気側空間とに、収納空間を区分けする仕切部材とを有し、筐体部には、吸気側空間を介して吸気口に外気を導入するための吸気用開口部と、排気側空間を介して排気口より排気された空気を外部へ排出するための排気用開口部とが形成されている。このため、コンプレッサの吸気口に外気を導入するための吸気側空間と、コンプレッサの排気口より排気された空気を外部に排出するための排気側空間とを、仕切部材によって完全に区分けすることが可能となり、排気側の空気と吸気側の空気とが互いに干渉し合って空気の流れが乱れてしまうことを防止することができる。従って、それぞれの空間に応じて円滑な吸気および排気を行うことが可能となり、コンプレッサの駆動に伴う減音収納具内の温度上昇を抑制することができるので、コンプレッサのサーマルスイッチ機構により、短時間でコンプレッサが自動停止してしまうことを抑制することが可能となる。
【0013】
また、仕切部材により、内部ファンの吸気口が配置される吸気側空間と、内部ファンの排気口が配置される排気側空間とに、収納空間を区分けすることができるので、コンプレッサの内部ファンを利用して円滑な吸気および排気を行うことが可能となる。このため、従来の減音収納具のように吸排気用のファンを別途設置する必要がなくなり、減音収納具の軽量化を図ることが容易になると共に、ファンの駆動機構などのトラブルによる利便性低減を防止することが可能となる。
【0014】
なお、減音収納具の筐体は、コンプレッサを収納するための収納空間を形成可能な形状であればよいため、筐体の形状は特に限定されない。例えば、直方体や立方体などの箱状体であっても、また、柱形状や多角面体などであってもよい。
【0015】
また、上述した減音収納具において、前記吸気用開口部と前記排気用開口部とは、それぞれ異なる外部方向を臨むようにして前記筐体部に形成されるものであってもよい。
【0016】
このように、本発明に係る減音収納具では、吸気用開口部と排気用開口部とが、それぞれ異なる外部方向を臨むようにして筐体部に形成される(例えば、吸気用開口部が下方を臨むようにして形成され、排気用開口部が上方を臨むようにして形成された場合)ので、排気用開口部より筐体部の外部に排出された空気が、すぐに吸気用開口部より導入されてしまうことを防止することができる。
【0017】
さらに、上述した減音収納具において、前記吸気用開口部と前記排気用開口部との少なくとも一方には、開口部に対向する防音壁部が設けられ、該防音壁部と前記開口部の周縁部との間には、空気を通すための間隙が確保されているものであってもよい。
【0018】
このように、本発明に係る減音収納具では、開口部に対向する防音壁部が設けられているので、開口部を介して伝達されるコンプレッサの駆動音を防音壁部で低減させることが可能となる。さらに、防音壁部と開口部の周縁部との間に、空気を通すための間隙が確保されているので、開口部を介して導入または排出された空気が、空気を通すための間隙を通って筐体部内に導入および筐体部の外部へ排出されることになる。このため、開口部に対向するように防音壁部が形成される場合であっても、開口部を介して流入出する空気を吸排気させるための空間を、十分に確保することが可能となる。
【0019】
また、上述した減音収納具において、前記筐体部は、前記コンプレッサを直接収納可能な第一筐体部と、該第一筐体部を収納可能な第二筐体部とを有し、前記第一筐体部に形成される吸気用開口部と前記第二筐体部に形成される吸気用開口部とはそれぞれ同じ外部方向を臨むようにして対応する位置に形成され、前記第一筐体部に形成される排気用開口部と前記第二筐体部に形成される排気用開口部とはそれぞれ同じ外部方向を臨むようにして対応する位置に形成され、前記仕切部材は前記第一筐体部の収納空間に設けられ、前記第二筐体部内の収納空間であって、前記第一筐体部の外壁と前記第二筐体部の内壁との間には、前記吸気用開口部が形成された空間と前記排気用開口部が形成された空間とを区分けする第二仕切部材が設けられるものであってもよい。
【0020】
このように、本発明に係る減音収納具では、筐体部が第一筐体部と第二筐体部とにより構成される二重構造となっているので、コンプレッサの駆動音の減音効果をより顕著なものとすることが可能となる。
【0021】
また、第一筐体部に形成される吸気用開口部と第二筐体部に形成される吸気用開口部とはそれぞれ同じ外部方向を臨むようにして対応する位置に形成され、第一筐体部に形成される排気用開口部と第二筐体部に形成される排気用開口部とはそれぞれ同じ外部方向を臨むようにして対応する位置に形成されているため、筐体部が二重構造になる場合であっても、第一筐体部の排気用開口部と第二筐体部の排気用開口部とを通過する空気の流れを円滑にすることができ、また、第一筐体部の吸気用開口部と第二筐体部の吸気用開口部とを通過する空気の流れを円滑なものとすることができる。
【0022】
さらに、第一筐体部に設けられる仕切部材により、第一筐体部内の収納空間を吸気側空間と排気側空間とに区分けすることが可能になると共に、さらに、第二仕切部材により、第一筐体部の外壁と第二筐体部の内壁との間の空間を、吸気側空間と排気側空間とに区分けすることが可能になるので、筐体部が二重構造となる場合であっても、排気側の空気と吸気側の空気とが互いに干渉し合って空気の流れが乱れてしまうことを防止することができる。従って、それぞれの空間に応じて円滑な吸気および排気を行うことが可能となり、減音収納具に収納されたコンプレッサの駆動に伴う減音収納具内の温度上昇を抑制することができるので、コンプレッサのサーマルスイッチ機構により、短時間でコンプレッサが自動停止してしまうことを抑制することが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る減音収納具によれば、仕切部材により、コンプレッサの吸気側空間と排気側空間とに収納空間が区分けされ、さらに、吸気側空間を介して吸気口に外気を導入するための吸気用開口部と、排気側空間を介して排気口より排気された空気を外部へ排出するための排気用開口部とが形成されているので、排気側の空気と吸気側の空気とが互いに干渉し合って空気の流れが乱れてしまうことを防止することができる。従って、コンプレッサに設けられる内部ファンを利用することにより、それぞれの空間に応じて円滑な吸気および排気を実現して、コンプレッサの駆動に伴う減音収納具内の温度上昇を抑制することができるので、コンプレッサのサーマルスイッチ機構により、短時間でコンプレッサが自動停止してしまうことを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施の形態に係る減音箱の内箱の構造を示した展開図である。
【図2】本実施の形態に係る減音箱の内箱および外箱の構造を示した展開図である。
【図3】本実施の形態に係る減音箱にコンプレッサを収納した状態における空気の流れを示した図であって、(a)はコンプレッサの内部ファンが駆動している状態を示し、(b)はコンプレッサの内部ファンが停止している状態を示している。
【図4】本実施の形態に係る減音箱の外箱の折りたたみ収納手順を説明するための図面である。
【図5】本実施の形態に係る減音箱の外箱の他の折りたたみ収納方法を説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る減音収納具の一例である減音箱について、図面を用いて詳細に説明する。
【0026】
減音箱1は、図1に示すように、内部にコンプレッサ2を収納することが可能な収納空間を備えた箱状体を呈する内箱(第一筐体部、筐体部)3と、この内箱3を収納可能な外箱(第二筐体部、筐体部)4(図2参照)とにより概略構成されている。
【0027】
内箱3は、長方形状を呈する内箱底面部5と、内箱底面部5の長辺端部に立設される一対の内箱側面部6,7と、内箱底面部5の短辺端部に立設される内箱前面部8および内箱後面部9と、内箱天井部10とを備えている。
【0028】
内箱底面部5には、コンプレッサ2の四隅に設けられる脚部2aの位置決め用として載置部12が設けられている。この載置部12は、コンプレッサ2の振動が内箱3に伝わってしまうことを防止するために、弾性部材によって形成されている。
【0029】
さらに、内箱底面部5の内箱前面部8寄りの板面には、円形開口部(排気用開口部)14が数カ所(本実施の形態では1カ所)設けられており、内箱後面部9寄りの板面には、円形開口部(吸気用開口部)15が複数箇所(本実施の形態では、一例として5カ所)設けられている。この円形開口部14,15は、内箱3内の温度上昇を抑制するための吸気口および排気口としての役割を有している。その詳細については後述する。
【0030】
さらに、内箱底面部5の中央部近傍には、載置部12に載置されるコンプレッサ2の底面部に圧接する内箱底仕切部材17が、内箱底面部5の短辺端部に略平行に設置されている。この内箱底仕切部材17も、弾性部材によって形成されている。
【0031】
内箱前面部8、内箱後面部9および一対をなす内箱側面部6,7における内側の側面(コンプレッサ2を臨む側面)には、コンプレッサ2の駆動音を吸音するための吸音材18,19,20,21が設けられている。本実施の形態では、吸音材18,19,20,21の一例として弾性部材を用いるものとする。さらに、内箱側面部6,7の吸音材20,21には、内箱底面部5の載置部12に載置されたコンプレッサ2の筐体側面に圧接すると共に、内箱底面部5に設けられる内箱底仕切部材17と協働して、コンプレッサ2の底面部から側面部にかけての隙間を塞ぐことが可能な内箱側面仕切部材22,23が設けられている。
【0032】
内箱天井部10は、内箱側面部6,7、内箱前面部8および内箱後面部9により形成された上部開口を塞ぐようにして設置される。内箱天井部10の内箱後面部9寄りの板面には、円形開口部(吸気用開口部)25が数カ所(本実施の形態では1カ所)設けられており、内箱前面部8寄りの板面には、円形開口部(排気用開口部)26が複数箇所(本実施の形態では、一例として6カ所)設けられている。この円形開口部25,26は、内箱底面部5に形成される円形開口部14,15と同様に、内箱3内の温度上昇を抑制するための吸気口および排気口としての役割を有している。その詳細については後述する。
【0033】
また、内箱天井部10の下面中央部近傍には、内設されるコンプレッサ2の上面部に圧接する内箱天井仕切部材27が設けられており、一対の内箱側面部6,7に設けられるそれぞれの内箱側面仕切部材22,23と協働することによって、コンプレッサ2の上面部から側面部にかけての隙間を塞ぐことが可能となっている。
【0034】
このように、内箱底仕切部材17と内箱側面仕切部材22,23と内箱天井仕切部材27とが、内箱3の内壁とコンプレッサ2の筐体外部との空間を区分けする仕切部材として設けられる。これらの仕切部材17,22,23,27により、内箱3の内部空間(収納空間)が、内箱前面部8側の空間28と、内箱後面部9側の空間29とに仕切られることになる。
【0035】
なお、内箱3における内箱底仕切部材17、内箱側面仕切部材22,23および内箱天井仕切部材27の詳細な設置位置は、コンプレッサ2の構造に基づいて決定される。一般的に、コンプレッサ2は、内部モータ等の駆動部の温度上昇を抑えるために、冷却用の内部ファン30(図3参照)が設けられている。この内部ファン30は、通常、コンプレッサ2の筐体の一側部より空気を導入して、反対側の側部(他側部)より排出する構造となっている。
【0036】
このため、コンプレッサ2における空気の導入側部分が内箱後面部9側に位置し、空気の排気側部分が内箱前面部8側に位置するようにコンプレッサ2を内箱3に設置した場合において、コンプレッサ2における空気の導入側部分と排気側部分とがそれぞれ異なる空間となるように、内箱底仕切部材17、内箱側面仕切部材22,23および内箱天井仕切部材27が設置される。このようにして、内箱底仕切部材17、内箱側面仕切部材22,23および内箱天井仕切部材27の設置位置が決定されることにより、内箱3における内箱後面部9側の空間29が、コンプレッサ2において吸気用の空間(吸気側空間)として利用され、内箱3における内箱前面部8側の空間28が、コンプレッサ2において排気用の空間(排気側空間)として利用されることになる。
【0037】
外箱4は、図2に示すように、内箱3を構成する内箱底面部5、一対の内箱側面部6,7、内箱前面部8、内箱後面部9および内箱天井部10に対応するようにして、外箱底面部35、一対の外箱側面部36,37、外箱前面部38、外箱後面部39および外箱天井部40を有している。外箱4は、内部に内箱3を収納できるように、内箱3を一回り大きくした形状となっている。具体的に、外箱底面部35は内箱底面部5に相似した一回り大きい寸法により形成され、各外箱側面部36,37は各内箱側面部6,7に相似した一回り大きい寸法により形成され、外箱前面部38は内箱前面部8に相似した一回り大きい寸法により形成され、外箱後面部39は内箱後面部9に相似した一回り大きい寸法により形成され、さらに、外箱天井部40は内箱天井部10に相似した一回り大きい寸法により形成されている。
【0038】
外箱底面部35の上面には、内箱3の下面(内箱底面部5の下面)に当接して、内箱3を支持する上面支持部42が4カ所設けられている。この上面支持部42は、弾性部材によって形成されており、コンプレッサ2の駆動時に内箱3を介して伝達される振動を低減させる役割を有している。また、外箱底面部35の下面には、外箱4と外箱4が載置される床面との間に吸排気用の空間41を確保するための下面支持部43が4カ所設けられている。この下面支持部43も弾性部材によって形成されており、コンプレッサ2の駆動時に内箱3を介して伝達される振動を低減させる役割を有している。上面支持部42および下面支持部43は、内箱底面部5に設けられる載置部12の設置位置に対応させて設けられている。このように、コンプレッサ2が、弾性部材により形成される載置部12、上面支持部42および下面支持部43によって支えられているため、コンプレッサ2の外部への振動を低減させることが可能となっている。
【0039】
また、外箱底面部35には、内箱底面部5に形成された円形開口部14,15に対応して複数の円形開口部44,45が設けられている。具体的には、外箱前面部38寄りの板面に数カ所(本実施の形態では1カ所)の円形開口部(排気用開口部)44が形成され、外箱後面部39寄りの板面に数カ所(本実施の形態では5カ所)の円形開口部(吸気用開口部)45が形成されている。このように、外箱底面部35に形成される円形開口部44,45が、内箱底面部5に形成された円形開口部14,15の設置位置に対応して設けられるため、減音箱1が内箱3と外箱4とによる二重構造により構成される場合であっても、内箱底面部5の円形開口部14,15を通過する空気が、外箱底面部35の円形開口部44,45を円滑に通過することが可能となり、この円滑な吸排気の流れによって、減音箱1内の温度上昇を抑制することが可能となる。
【0040】
また、外箱底面部35の上面には、内箱底面部5の下面に当接することにより、外箱4と内箱3との間の空間を仕切る外箱底上仕切部材47が設けられており、また、外箱底面部35の底面中央部近傍には、外箱4が設置される床面に当接することにより、下面支持部43材により形成される外箱底面部35と床面との間の空間41(図3参照)を仕切る外箱底下仕切部材48が設けられている。また、同様に、各外箱側面部36,37の内箱3側の側面には、内箱側面部6,7に当接することにより、外箱4と内箱3との間の空間を仕切る外箱側面仕切部材50,51が設けられている。
【0041】
一方で、外箱天井部40は、2枚の天板52,53と、長板状を呈する外箱天井上仕切部材55と、5つの間隙形成部材56とにより積層形成されている。具体的には、天板52,53のやや中央部寄りの位置であって天板52,53の短辺端部に平行に配置される外箱天井上仕切部材55と、天板52,53の四隅位置および中央位置に配置される5つの間隙形成部材56とを、天板52と天板53とで挟持させた構造となっている。
【0042】
また、2枚の天板52,53のうち、下側の天板53の板面には、内箱天井部10に形成された円形開口部25,26に対応するようにして複数の円形開口部60,61が形成されている。具体的には、外箱後面部39寄りの板面に数カ所(本実施の形態では1カ所)の円形開口部(吸気用開口部)60が形成され、外箱前面部38寄りの板面に数カ所(本実施の形態では6カ所)の円形開口部(排気用開口部)61が形成されている。
【0043】
このように、天板53に形成される円形開口部60,61が、内箱天井部10に形成された円形開口部25,26の設置位置に対応して設けられるため、減音箱1が内箱3と外箱4とによる二重構造により構成される場合であっても、内箱天井部10に形成された円形開口部25,26を通過する空気が、天板53の円形開口部60,61を円滑に通過することが可能となり、この円滑な吸排気の流れによって、減音箱1内の温度上昇を抑制することが可能となる。
【0044】
さらに、外箱天井上仕切部材55と間隙形成部材56とを天板(防音壁部)52および天板53とで挟むことにより、天板52が円形開口部60,61に対向した状態になると共に、2枚の天板52,53の間に空間(空気を通すための間隙)54(図3参照)が確保され、各円形開口部60,61から2枚の天板52,53との間の間隙54へと繋がる空間が、外箱4の内部から外部へと連通した空間として形成されることになる。
【0045】
また、下側の天板53の下面には、外箱側面仕切部材50,51と協働して、内箱3と外箱4との間の空間を仕切るための外箱天井下仕切部材64が設けられている。
【0046】
このように、外箱底上仕切部材47と外箱側面仕切部材50,51と外箱天井下仕切部材64とが、内箱3と外箱4との空間を区分けする第二仕切部材として設けられる。これらの第二仕切部材47,50,51,64により、内箱3と外箱4との間の空間が、外箱前面部38側の空間と、外箱後面部39側の空間とに分割されることになる。
【0047】
図3(a)は、コンプレッサ2を収納した内箱3を外箱4内に収納した状態で、コンプレッサ2の内部ファン30が駆動した場合における減音箱1内の空気の流れを示した図であり、図3(b)は、コンプレッサ2の内部ファン30が停止した場合における減音箱1内の空気の流れを示した図である。図3(a)および図3(b)では、コンプレッサ2に内設される内部ファン30の吸気側が内箱後面部9を臨むようにして、コンプレッサ2が減音箱1に納められている。
【0048】
コンプレッサ2の内部ファン30が駆動すると、内部ファン30の回転に伴ってコンプレッサ2の吸気側(空間29)の空気がコンプレッサ2内に吸入される。この場合、コンプレッサ2の吸気側の空間29において、内箱3および外箱4の底面部5,35に円形開口部15,45がそれぞれ5カ所ずつ設けられ、天井部10,53に円形開口部25,60がそれぞれ1カ所ずつ設けられているため、この円形開口部15,45,25,60を介して減音箱1の外部から空気が箱内に流れ込み、コンプレッサ2の内部へと導き入れられる。従って、コンプレッサ2の吸気側の空間29では、図3(a)に示す矢印Aのような空気の流れが発生することになる。
【0049】
一方で、コンプレッサ2の内部ファン30の回転に伴って排出される空気は、内箱3の内箱前面部8寄りの空間28に排出される。このコンプレッサ2の排気側の空間28では、内箱3および外箱4の天井部10,53に円形開口部26,61がそれぞれ6カ所ずつ設けられ、底面部5,35に円形開口部14,44がそれぞれ1カ所ずつ設けられているため、コンプレッサ2により加熱された高温の空気が、この円形開口部26,61,14,44を介して減音箱1の外部に排出される。従って、コンプレッサ2の排気側の空間28では、図3(a)に示す矢印Bのような空気の流れが発生することになる。
【0050】
このように、内箱3内の空間に仕切部材17,22,23,27が設置され、内箱3と外箱4との間の空間に第二仕切部材47,50,51,64が設置されているため、コンプレッサ2の吸気側の空間29と排気側の空間28とを確実に分けることが可能となる。このため、排気側の空気と吸気側の空気とが互いに干渉し合って空気の流れが乱れてしまうことを防止することができ、それぞれの空間に応じて円滑な吸気および排気を行うことが可能となる。従って、減音箱1に設置されるコンプレッサ2に伴う減音箱1内の温度上昇を抑制することができ、コンプレッサ2がサーマルスイッチ機構により、短時間で自動停止してしまうことを抑制することが可能となる。
【0051】
また、コンプレッサ2に設置される内部ファン30を利用して吸気および排気を行っているので、従来の減音箱1のように吸排気用のファンを別途設置する必要がなくなる。このため、減音箱1の軽量化を図ることが容易となり、またファンの駆動機構などのトラブルによる利便性低減を防止することが可能となる。
【0052】
特に、排気側の円形開口部26,61が天井面10,53側に多く形成されているため、温度の高い排気用空気を上方へ導きやすくなり、円形開口部26,61より減音箱1の外部へ容易に導くことが可能となる。さらに、吸気側の円形開口部15,45が底面部5,35側に多く形成され、吸気側の円形開口部15,45と排気側の円形開口部26,61とが、それぞれ異なる外部方向を臨むようにして形成されているため、排気側の円形開口部26,61より減音箱1の外部に排出された空気が、冷却されることなくすぐに吸気側の円形開口部15,45に導入されてしまうことを防止することができる。
【0053】
また、減音箱1は、内箱3と外箱4との二重構造になっているので、コンプレッサ2の駆動音が外部に容易に漏れてしまうことを防止することができる。具体的には、一重構造(例えば、内箱3だけ)の場合には、減音箱1を使用しない場合に比べて約10d程度の駆動音の低減を図ることが可能であるのに対し、二重構造(例えば、内箱3と外箱4とにより構成される構造)の場合には、減音箱1を使用しない場合に比べて約15d程度の駆動音の低減を図ることが可能となる。
【0054】
さらに、外箱天井部40が2枚の天板52,53により二重構造となっており、天板52が円形開口部60,61に対向した状態となるため、内箱3および外箱4の円形開口部25,26,60,61を介して伝達されるコンプレッサ2の駆動音が、天板52により抑制されることになり、十分な防音効果を発揮することが可能となる。
【0055】
また、外箱天井部40が2枚の天板52,53により二重構造となっており、各円形開口部60,61から2枚の天板52,53との間の間隙54へと繋がる空間が、外箱4の内部から外部へと連通した空間として形成されることになるため、天板52に円形開口部が形成されていない構造であっても、内箱3および外箱4の円形開口部25,26,60,61を介して導入および排出された空気が、2枚の天板52,53の間(間隙)54を通って減音箱1内に導入および箱外へと排出されることになる。このため、空気の吸排気用の空間を十分に確保することが可能となる。
【0056】
一方で、外箱底面部35には下面支持部43が形成されているため、外箱4の下方に吸排気用の空間41が確保され、外箱底面部35に形成される円形開口部44を介して排出される空気の排出路および円形開口部45を介して導入される空気の導入路を確保することが可能となり、十分な吸排気量を確保することができる。さらに、外箱底面部35には床面との間の空間41を仕切る外箱底下仕切部材48が設けられているため、外箱底面部35の排気用の円形開口部44より排出された空気が、外箱4の下方の空間41を通じて直接吸気側の円形開口部45へと導入されてしまうことを防止することができる。
【0057】
また、天井部10,40に形成される円形開口部25,60と底面部5,35に形成される円形開口部15,45とがそれぞれ異なる外方向を望むようにして形成されているので、コンプレッサ2に設置される内部ファン30が停止した場合であっても、吸気側の空間29において、図3(b)の矢印Cに示すような上側の円形開口部25,60から下側の円形開口部15,45へと空気が抜ける流れ(あるいは反対方向への流れ)を発生させることができる。このため、吸気側の空間29の換気を円滑に行うことが可能となり、減音箱1内の温度上昇を抑制することが可能となる。
【0058】
一方で、コンプレッサ2の排気側の空間28では、天井部10,40に形成される円形開口部26,61と底面部5,35に形成される円形開口部14,44とがそれぞれ異なる外方向を望むようにして形成されているので、コンプレッサ2に設置される内部ファン30が停止した場合であっても、排気側の空間28において、図3(b)の矢印Dに示すような下側の円形開口部14,44から上側の円形開口部26,61へと空気が抜ける流れ(あるいは反対方向への流れ)を発生させることができる。このため、排気側の空間28においても、円滑に換気を行うことが可能となり、減音箱1内の温度上昇を抑制することが可能となる。
【0059】
さらに、減音箱1には、従来の減音箱と異なり、箱内の空気循環を促すためのファンを設ける必要がなくなるため、ファンおよびその駆動機構などを設けることによるコストの上昇や、減音箱全体の重量増加を抑えることが可能となる。
【0060】
次に、上述した減音箱1をコンパクトに折りたたみ収納する構造について説明する。
【0061】
減音箱1を使用する場合には、作業現場に減音箱1、コンプレッサ2、駆動工具などを搬送する必要が生ずる。ここで、減音箱1はコンプレッサ2を収納する構造であるため、コンプレッサよりも大きな筐体となり、持ち運びしにくいという問題があった。このように、減音箱1の持ち運び負担が重い状態では、減音箱1の使用頻度の低下を招き易く、作業者が作業現場で積極的に減音箱1を利用しない状態が生じるという問題があった。
【0062】
そのため、減音箱1を折りたたみ収納可能な構造とすることによって、減音箱1の持ち運びを容易とし、減音箱1の搬送性能を高めることが可能なる。
【0063】
図4は、減音箱1の折りたたみ収納手順を説明するための図面である。なお、本実施の形態に係る減音箱1は、内箱3と外箱4との二重構造となっているが、図4には、外箱4の折りたたみ構造のみを示している。内箱3においても、図4に示した折りたたみ構造と同様の構造を採用することにより、箱の体積を小さくして持ち運びの利便性を高めることが可能である。
【0064】
まず、外箱4の各外箱側面部36,37、外箱前面部38および外箱後面部39の下端部には、外箱4の内側へと傾動することが可能なように蝶番70の一方が固定されており、この蝶番70の他方は外箱底面部35の端縁部に固定されている。さらに、各外箱側面部36,37、外箱前面部38および外箱後面部39には、各板部が立設された状態において、隣接する他の板部と協働することにより箱形状を形成するための係止金具73および被係止金具72が設けられている。外箱4を箱形状に組み立てる場合には、隣設される一方の板部に設けられる係止金具73で、隣設する他方の板部に設けられる被係止金具72を係止させる。このように隣接する板部を係止金具73と被係止金具72とで係止させることにより、各板部が内側へと倒れてしまうことを防止することができる。
【0065】
このように構成される外箱4を折りたたみ収納する場合には、まず、各係止金具73を被係止金具72から外して、各板部が外箱4の内側へと傾動可能な状態にする。そして、一方の外箱側面部37を内側へと倒し込んだ後(図4(a)参照)に、外箱前面部38および外箱後面部39を内側へと倒し(図4(b)参照)、最後に残りの外箱側面部36を内側へと倒し込む(図4(c)参照)ことにより、各板部を外箱底面部35に重ね合わせることが可能となる(図4(d)参照)。最後に、図示を省略した外箱天井部40を重ねることにより、減音箱1の外箱4を各板部が積層された板状体にすることができる。
【0066】
このように、箱形状をなす減音箱1を板状態に折りたたみ収納することにより、減音箱1の体積が小さくなるので、持ち運びが容易となる。さらに、折りたたみ収納された状態が板状体となるため、取手や肩掛け帯などを板状態に取り付けることにより、容易に減音箱1の持ち運びを行うことが可能となる。また、台車などを用いて減音箱1を搬送する場合や車の荷室に収納する場合においても、板状体であるため収まりがよくなり、搬送が行いやすくなる。
【0067】
なお、このように板状体に折りたたむことが可能となるのは、本実施の形態に係る減音箱1に、冷却用のファンやその駆動機構などが設けられていないためである。従って、従来の減音箱のように冷却用のファンやその駆動機構などが設けられたものの場合には、板状体に折りたたもうとしてもファンや駆動機構が邪魔になってしまって折りたたむことが困難となる。また、ファンや駆動機構を減音箱から着脱可能な構造とすることによって減音箱本体を折りたたむことが可能であったとしても、その着脱作業負担や、取り外されたファンなどの搬送負担が発生するため、本実施の形態に係る減音箱1のような機動性を確保することが困難である。
【0068】
図5は、図4に示した折りたたみ構造とは異なる構成を示した図である。図4とは異なり、図5では、一の外箱側面部36と外箱前面部38とが、蝶番70により折りたたみ可能に取り付けられており、また、他の外箱側面部37と外箱後面部39とが、蝶番70により折りたたみ可能に取り付けられている。そして、この外箱側面部36・外箱前面部38と外箱側面部37・外箱後面部39とは、外箱底面部35および外箱天井部40より分離することが可能となっている。なお、外箱側面部36・外箱前面部38、外箱側面部37・外箱後面部39、外箱底面部35には、上述した係止金具73および被係止金具72がそれぞれ隣接される板部に対応するようにして設けられており、この係止金具73および被係止金具72を用いて各板部を固定することにより箱形状を形成することが可能となっている。
【0069】
減音箱1を折りたたみ収納する場合には、各係止金具73および被係止金具72の係止を外して、外箱側面部36・外箱前面部38、外箱側面部37・外箱後面部39、外箱底面部35および外箱天井部40をばらばらにする。そして、外箱底面部35に対して折りたたまれた外箱側面部36・外箱前面部38を積層載置し、さらにその上に、折りたたまれた外箱側面部37・外箱後面部39を積層し、最後に、外箱天井部40を載置することによって、図4(d)に示した図と同様に、減音箱1を板状体に折りたたみ収納することが可能となる。
【0070】
図5に示す折りたたみ収納方式では、最初の段階で外箱底面部35の周囲に側板部36,37,38,39が設けられていないという特徴を有している。このため、まず、外箱底面部35の上に内箱底面部5を載置し、この内箱底面部5に対して重量のあるコンプレッサを設置してから、内箱3および外箱4の側板部および天井部を取り付けることができるので、箱状体を構成してからでないとコンプレッサ2を設置することができない図4に示す構成よりも、作業者の設置負担・組立負担を軽減することが可能となる。
【0071】
なお、図5では、外箱4を例として用いて説明を行ったが、内箱3に関しても同様の構成とすることが可能である。また、図5に示す方法で折りたたみ収納された板状体においても、図4に示した方法で折りたたみ収納された板状体と同様の効果を奏することが可能である。
【0072】
以上、本発明に係る減音箱を、図面を用いて詳細に説明したが、本発明に係る減音箱は、実施の形態に示した構成に限定されるものではない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解されるものである。
【0073】
例えば、本実施の形態に示した減音箱1では、仕切部材17,22,23,27が減音箱の中央部近傍に設けられているが、仕切部材17,22,23,27の設置位置は、コンプレッサの吸気口位置および排気口位置の状態に応じて変更可能である。仕切部材17,22,23,27の役割は、コンプレッサの吸気用の空間29と排気用の空間28との区分けを行う役割を有するため、コンプレッサ2の吸気口位置および排気口位置の状態に応じてその設置位置は変更されることになる。
【0074】
さらに、本実施の形態では、内箱3と外箱4との二重構造で構成される減音箱1について説明を行ったが、減音箱1の構造は必ずしも二重構造に限定されるものではない。コンプレッサ2の駆動音の音量が小さい場合や、減音箱1の板部材および弾性部材の防音性能が高い場合などには、減音箱1の構造を単一(一重)構造とすることも可能であり、また、必要に応じて三重以上の構造とするものであってもよい。
【0075】
また、本実施の形態では、減音箱1が箱形状である場合を一例とし説明をしたが、減音箱1の形状は必ずしも箱形状(直方体や立方体の形状)に限定されるものではなく、他の形状、例えば、円柱形状や多角柱形状やドーム形状など、どのような形状であっても、コンプレッサ2を収納するための収納空間を備える形状であればよい。
【符号の説明】
【0076】
1 …減音箱(減音収納具)
2 …コンプレッサ
2a …(コンプレッサの)脚部
3 …内箱(第一筐体部、筐体部)
4 …外箱(第二筐体部、筐体部)
5 …内箱底面部
6,7 …内箱側面部
8 …内箱前面部
9 …内箱後面部
10 …内箱天井部
12 …載置部
14,26,44,61 …円形開口部(排気用開口部)
15,25,45,60 …円形開口部(吸気用開口部)
17 …内箱底仕切部材(仕切部材)
18,19,20,21 …吸音材
22,23 …内箱側面仕切部材(仕切部材)
27 …内箱天井仕切部材(仕切部材)
28 …空間(排気側空間)
29 …空間(吸気側空間)
30 …内部ファン
35 …外箱底面部
36,37 …外箱側面部
38 …外箱前面部
39 …外箱後面部
40 …外箱天井部
41 …空間(外箱の下面と床面との間の空間)
42 …上面支持部
43 …下面支持部
47 …外箱底上仕切部材(第二仕切部材)
48 …外箱底下仕切部材
50,51 …外箱側面仕切部材(第二仕切部材)
52 …天板(防音壁部)
53 …天板
54 …空間(空気を通すための間隙)
55 …外箱天井上仕切部材
56 …間隙形成部材
64 …外箱天井下仕切部材(第二仕切部材)
70 …蝶番
72 …被係止金具
73 …係止金具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンプレッサを収納するための収納空間が形成される筐体部と、
該筐体部の内壁と前記コンプレッサの筐体外部とに当接配置されることにより、前記収納空間を、前記コンプレッサに設けられた内部ファンの吸気口が配置される吸気側空間と、前記内部ファンの排気口が配置される排気側空間とに区分けする仕切部材とを有し、
前記筐体部には、前記吸気側空間を介して前記吸気口に外気を導入するための吸気用開口部と、前記排気側空間を介して前記排気口より排気された空気を外部へ排出するための排気用開口部とが形成されること
を特徴とする減音収納具。
【請求項2】
前記吸気用開口部と前記排気用開口部とは、それぞれ異なる外部方向を臨むようにして前記筐体部に形成されることを特徴とする請求項1に記載の減音収納具。
【請求項3】
前記吸気用開口部と前記排気用開口部との少なくとも一方には、開口部に対向する防音壁部が設けられ、該防音壁部と前記開口部の周縁部との間には、空気を通すための間隙が確保されていること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の減音収納具。
【請求項4】
前記筐体部は、前記コンプレッサを直接収納可能な第一筐体部と、該第一筐体部を収納可能な第二筐体部とを有し、
前記第一筐体部に形成される吸気用開口部と前記第二筐体部に形成される吸気用開口部とはそれぞれ同じ外部方向を臨むようにして対応する位置に形成され、
前記第一筐体部に形成される排気用開口部と前記第二筐体部に形成される排気用開口部とはそれぞれ同じ外部方向を臨むようにして対応する位置に形成され、
前記仕切部材は前記第一筐体部の収納空間に設けられ、
前記第二筐体部内の収納空間であって、前記第一筐体部の外壁と前記第二筐体部の内壁との間には、前記吸気用開口部が形成された空間と前記排気用開口部が形成された空間とを区分けする第二仕切部材が設けられる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の減音収納具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−229884(P2010−229884A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−78177(P2009−78177)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【Fターム(参考)】