説明

渦巻発生装置

【課題】 製作容易で作動が安定し、渦巻きがリアルにかつ美麗に表現されて飽きることがなく、玩具あるいは装飾物等に広く利用できる渦巻発生装置を提供する。
【解決手段】 基台40の上部に透視可能な材質からなり内部に水を収容した容器10を取り付け、容器10の底部にはファン31を配置し、このファン31の上方には水の吸込孔21を穿設した回転板20を構成すると共に、上記ファン31の下部にマグネット3を一体に取り付ける。一方、上記基台40の内部には上記ファン31の駆動機構50を構成し、この駆動機構50のマグネット5を上記マグネット3と互いに吸引するように対向配置すると共に、上記基台40の外部側面に照明手段45を取り付けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水等の液体を収容した小型の容器内で渦巻きを発生させて、玩具あるいは装飾物等として利用する渦巻発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、水槽内で渦巻きを発生させて楽しむ玩具が提案されていた。特許文献1に記載された渦巻き玩具装置は、液体を封入した透視可能な中空状の容器と、液体に対し渦巻運動を生じさせるべく容器内で駆動源によって回転する攪拌部材とを備えて成るものである。
この渦巻き玩具装置は、球体の中で従来にない水流アート的な珍しい動きを発生することにより、幼児・子供や大人に至るまで好奇心や面白味を湧くようにすることを目的としているものである。
【特許文献1】実用新案登録第3085229号
【0003】
上記考案は、容器内部の液体を強制的に回転させて渦巻運動を発生させるため水流の回転運動を視覚的に捉えることが難しい。そのため、容器内に浮遊物体を入れる必要が生じるが、このようにした場合は液体の渦巻運動に伴って浮遊物体を竜巻状に強制的に旋回させるが、浮遊物体の運動は常に一定の運動であるため単調で飽きがきやすいという問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、製作容易で作動が安定した構成からなり、渦巻きがリアルにかつ美麗に表現されて飽きることがなく、玩具あるいは装飾物等に広く利用できる渦巻発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の要旨とするところは、基台の上部に透視可能な材質からなる容器を取り付け、この容器の内部に液体を収容し、かつ底部にはファンを回転可能に配置し、このファンの上方には上記液体の吸込孔を穿設した上板を構成すると共に、上記基台の内部には、上記ファンの駆動機構を構成した渦巻発生装置である。
【0006】
また、本発明の要旨とするところは、上記ファンの下部にマグネットを一体に取り付け、かつ上記ファンの駆動機構にマグネットを取り付け、これら両方のマグネットを互いに吸引するように対向配置すると共に、上記上板を回転可能に配置したことを特徴とする渦巻発生装置である。
【0007】
また、本発明の要旨とするところは、上記基台の外部側面に照明手段を取り付け、この照明手段によって容器内に発生した渦巻に対して光を照射することを特徴とする渦巻発生装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ファンの上方に配置した上板の吸込孔より液体を吸い込むことで渦巻きを発生させるため、渦巻きがリアルにかつ美麗に表現され視覚的にも明瞭に捉えられるため飽きることがなく、楽しく面白い玩具や装飾物として広く利用できるのである。
【0009】
さらに、渦巻きを発生せるためのファンをマグネットを用いて回転させると製作容易で作動が安定し、かつファンの上方に配置した上板が回転することで渦巻きも移動するため、さらにリアルに表現されて興趣が増す。
また、基台の外部側面に取り付けた照明手段によって渦巻きに対して光を照射すると、この光が渦巻きあるいは上板に美しく反射して、玩具あるいは装飾物として商品価値を高めるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の最良の実施形態は、基台の上部に透視可能な材質からなり内部に水を収容した容器を取り付ける。そして容器の底部にはファンを配置し、このファンの上方には水の吸込孔を穿設した回転板を構成すると共に、上記ファンの下部にマグネットを一体に取り付ける。
上記基台の内部には上記ファンの駆動機構を構成し、この駆動機構のマグネットを上記ファンに取り付けたマグネットと互いに吸引するように対向配置すると共に、上記基台の外部側面に照明手段を取り付け、この照明手段によって渦巻に対して光を照射する渦巻発生装置である。
【0011】
次に本発明の一実施形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態の正面図、図2は同一部拡大正面断面図、図3は同渦巻発生機構の分解斜視図、図4及び図5は同作動説明図である。
【0012】
本実施形態の渦巻発生装置は、上部の容器10とこの容器10の下部に着脱可能に取り付けた基台40よりなる。
上記容器10は、上端に蓋11を有し、内部に水18を収容した透視可能な材質である透明又は半透明の材質からなり、内部の底面には凹部17を構成して渦巻発生機構30を配置してある。また、外部の底面には3本の脚部15を立設すると共に、周面にはネジ部13を構成したリング状の取付部12を設けてある。
【0013】
上記渦巻発生機構30は、図3に示すように、上板である回転板20と、この回転板20の下部に配置したファン31及びファン31を回転駆動させるためのマグネット3などからなる。
この構成を詳しく説明すると、上記ファン31の下部に基部32を一体に構成してあり、この基部32はリング状の周縁部32aを有し、中央には孔32bを穿設した構成である。一方、上記基部32の下方には、中央に孔34bを穿設し周縁部34aを有するマグネット載置部34を構成し、このマグネット載置部34の上に2個のマグネット3を配置する。
【0014】
上記のように構成した後、上記マグネット載置部34の周縁部34aを基部32の周縁部32aの内側に嵌合することにより、マグネット載置部34をファン31の基部32に軸受36と共に固定するのである。
このようにして構成した渦巻発生機構30を、容器10の底部中央に立設した支持杆14に、上記孔32b、軸受36及び孔34bを通して回転自在に配置する。
【0015】
一方、上記ファン31の上方には回転板20を設ける。この回転板20は、図示のように円板であり中心から外れた位置に水の吸込孔21が穿設してある。そして、裏面の外周には一定の間隙25を有して4個の台部22を構成し、この台部22の内端下部にリブ23を設けている。
この回転板20は、リブ23が容器10の凹部17の上端縁である角部16上に位置するように配置してあり、かつ裏面中央は支持杆14の上に接しているため、ファン31とは一定間隔を有していて接触することはない。
【0016】
上記容器10の下部に取り付けた基台40は略円筒形状であり、内側上部にネジ部41を構成してなり、内部下方にハウジング47とモータ60を収容している。このハウジング47は、中央にモータ60の軸61を通すための孔48を穿設してあり、上面には円形状の3個の受け部49を構成している。この受け部49は、上記容器10の3本の脚部15を受けて支えるためのものである。
【0017】
上記受け部49の上方には、上記渦巻発生機構30の駆動機構50を配置する。この駆動機構50は、上面に2個のマグネット5を載置した、リング状の周縁部53aを有するマグネット載置部53と、このマグネット載置部53と嵌合してマグネット5を固定する固定部51からなり、この固定部51は上記モータ60の軸61に固定されている。
【0018】
一方、基台40の外部側面には、LED支持部43とスイッチを兼ねたカバー42を取り付ける。このLED支持部43の上端には、渦巻19に光を照射するための照明手段であるLED45を固定し、上部に保護カバー44を取り付ける。また、基台40の上記カバー42の反対側にはメインスイッチに連動したカバー46を構成する。符号62はコンセントである。
【0019】
次に、以上のように構成した本実施形態の作用を説明する。
容器10の内部に水18を入れ、カバー46を押して内部のスイッチ(図示せず)をオンにしてモータ60を駆動する。モータ60の回転力は軸61から固定部51に伝わり、固定部51の回転に伴ってマグネット載置部53とマグネット5,5が回転する。このマグネット5,5の回転に伴って、容器10の底部に配置した渦巻発生機構30のマグネット3,3も回転する。
すなわち、マグネット5,5とマグネット3,3は対向して配置されていて、対向する磁極をNとSあるいはSとNのように反対に設定してあるため、マグネット5,5とマグネット3,3は常に吸引状態になっている。そのためマグネット5,5が回転するとマグネット3,3も吸引状態を保ったまま回転運動を行なうのである。
【0020】
これによってファン31が回転しファン31の周辺の水が攪拌される。そして図4の矢印で示すように、ファン31周辺の水は回転板20の台部22,22の間隙25,25・・から外部へと送り出されて容器10の壁面にそって上昇し、吸込孔21へと循環するのである。また、このように間隙25,25・・から水が流れる力で回転板20は回転するのである。
そして、上記のように吸込孔21から水18が吸い込まれていくときに、水18と同時に下方に吸い込まれていく空気の作る形状によって吸込孔21から渦巻19が発生しているように見えるのである。
【0021】
また、回転板20は回転しているため、吸込孔21は円運動を描くことになり渦巻19も円運動を描きながら容器10の中を移動する。このようにして作成される渦巻19は、臨場感に富み意外性があるため、玩具あるいは装飾物としても楽しく面白いものとなる(図5参照)。
【0022】
これと同時にカバー42を押してLED45を点灯させれば、その光は保護カバー44を通して渦巻19に照射され渦巻19が美しく光るのである。またこの光は渦巻19に反射して、さらに回転板20の表面で反射して更に美麗な照明効果をもたらすものである。
また容器10は基台40に着脱自在に取り付けられているため、好みに応じて容器10を変更して用いることもでき選択の幅が増えるのである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態の正面図
【図2】本発明の一実施形態の一部拡大正面断面図
【図3】本発明の一実施形態の渦巻発生機構の分解斜視図
【図4】本発明の一実施形態の作動説明図
【図5】本発明の一実施形態の作動説明図
【符号の説明】
【0024】
3 マグネット
5 マグネット
10 容器
18 水(液体)
19 渦巻
20 回転板(上板)
21 吸込孔
30 渦巻発生機構
31 ファン
34 マグネット載置部
40 基台
43 LED支持部
45 LED(照明手段)
50 駆動機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台の上部に透視可能な材質からなる容器を取り付け、この容器の内部に液体を収容し、かつ底部にはファンを回転可能に配置し、このファンの上方には上記液体の吸込孔を穿設した上板を構成すると共に、上記基台の内部には、上記ファンの駆動機構を構成した渦巻発生装置。
【請求項2】
上記ファンの下部にマグネットを一体に取り付け、かつ上記ファンの駆動機構にマグネットを取り付け、これら両方のマグネットを互いに吸引するように対向配置すると共に、上記上板を回転可能に配置したことを特徴とする請求項1記載の渦巻発生装置。
【請求項3】
上記基台の外部側面に照明手段を取り付け、この照明手段によって容器内に発生した渦巻に対して光を照射することを特徴とする請求項1又は2記載の渦巻発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−209602(P2007−209602A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−33945(P2006−33945)
【出願日】平成18年2月10日(2006.2.10)
【出願人】(000136583)株式会社フレックス (3)
【Fターム(参考)】