説明

温度ドリフト補正装置

【課題】 恒温槽のような大がかりな装置を用いることなくアナログフロントエンド回路の温度特性を簡便に測定することができ、その温度ドリフトを的確に補正可能な温度ドリフト補正装置を提供する。
【解決手段】本発明にかかる温度ドリフト補正装置100の構成は、アナログフロントエンド回路110の温度を検知する温度計102と、アナログフロントエンド回路110を加熱するヒータ104と、ヒータ104のオン、オフそれぞれについてのアナログフロントエンド回路110の入出力特性とそのときの温度とに基づく温度特性を記憶しておくメモリ106と、アナログフロントエンド回路110を通過してA/D変換されたディジタル出力信号に対して、その温度特性を用いて、温度計が検知する温度におけるアナログフロントエンド回路110の温度ドリフトを補正する補正演算回路108とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アナログフロントエンド回路にて発生する温度ドリフトを補正する温度ドリフト補正装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ディジタルマルチメータ、ディジタルオシロスコープ、レコーダ等に代表される電子計測器には、A/D変換に先行してアナログ入力信号を調整(増減)する高精度のアナログフロントエンド回路が搭載されている。かかる高精度のアナログフロントエンド回路は周囲の温度変化によって電子素子の定数が変化するため、その出力が周囲の温度変化に対応してドリフト(温度ドリフト)する問題がある。
【0003】
そこで、特許文献1の段落0003や0113に記載されているように、温度計(温度センサ回路)を設け、温度計が検知した温度に基づき出力を補正する提案がなされている。温度を検知して補正を行うには、対象(アナログフロントエンド回路)の温度特性を予め取得しておく必要がある。特許文献2には、被検査体の温度特性を測定する恒温槽について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−217809号公報
【特許文献2】特開2004−61399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献2に記載のような恒温槽を用いる場合には、測定が大がかりになりがちである。出荷時においてはかかる恒温槽を用いてその温度特性を取得することも可能かもしれないが、現場においては(例えば電子計測器の校正に際しては)かかる恒温槽を用いてその温度特性を取得するのは非常に困難である。すなわち、出荷後においてその温度特性を校正することは非常に困難なため、出荷後にその温度特性が変化した場合には、温度計が検知する温度に基づき出力の補正を行っても精度を保障できなくなるおそれがある。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、アナログフロントエンド回路の温度特性を簡便に測定可能であって、その測定した温度特性に基づき、アナログフロントエンド回路にて発生する温度ドリフトを的確に補正可能な温度ドリフト補正装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明にかかる温度ドリフト補正装置の代表的な構成は、アナログフロントエンド回路の温度を検知する温度計と、アナログフロントエンド回路を加熱するヒータと、ヒータのオン、オフそれぞれについてのアナログフロントエンド回路の入出力特性とそのときの温度とに基づく温度特性を記憶しておくメモリと、アナログフロントエンド回路を通過してA/D変換されたディジタル出力信号に対して、温度特性を用いて、温度計が検知する温度におけるアナログフロントエンド回路の温度ドリフトを補正する補正演算回路とを備えることを特徴とする。
【0008】
かかる構成では、ヒータを備えているため、恒温槽のような大がかりな装置を用いる必要がない。メモリに、ヒータのオン、オフそれぞれについてのアナログフロントエンド回路の入出力特性とそのときの温度とに基づく温度特性を記憶しておくことで、アナログフロントエンド回路にて発生する温度ドリフトを的確に補正することができる。
【0009】
上記メモリに記憶しておく温度特性が、上記アナログフロントエンド回路に基準信号を入力する基準信号発生部と、上記ヒータのオン、オフそれぞれについての基準信号に対する上記入出力特性とそのときの温度とを取得する測定データ取得部とを用いた校正によって書換可能であるとよい。かかる構成では、出荷後においてその温度特性が変化したとしても、校正によりその温度特性を正規の値に設定しなおせる。そのため、出力の精度を保障することができる。
【0010】
上記温度計および上記ヒータが、上記アナログフロントエンド回路と同一の基材に当接しているとよい。かかる構成では、基材を介して互いの熱が伝播されるため、熱的なムラが生じることを回避できる。すなわち、温度計、ヒータ、アナログフロントエンド回路が、熱的に結合した状態となる。これにより、正確な温度特性を測定することができ、出力の精度を保障することができる。
【0011】
上記ヒータが、外部電源から電力を受電可能な独立した電源端子を有するとよい。かかる構成では、温度特性の測定時に使用するヒータへの電力供給を考慮する必要がない。すなわち、実使用時に要求される電力量を供給できれば充分となるので、省電力化を図ることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、恒温槽のような大がかりな装置を用いることなく、アナログフロントエンド回路の温度特性を簡便に測定することができる。そのため、メモリに記憶しておくその温度特性について、容易に校正を行うことができる。これらのことから、アナログフロントエンド回路にて発生する温度ドリフトを的確に補正することができ、出力の精度を保障することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態にかかる温度ドリフト補正装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】レベル変換回路について例示する図である。
【図3】ヒータをオン、オフさせたときのアナログフロントエンド回路の入出力特性を例示する図である。
【図4】アナログフロントエンド回路の増幅率とそのときの温度とを例示する図である。
【図5】アナログフロントエンド回路の入力換算オフセットとそのときの温度とを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態にかかる温度ドリフト補正装置100の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、温度ドリフト補正装置100は、温度計102、A/D変換器102a、ヒータ104、メモリ106、補正演算回路108を含んで構成される。温度ドリフト補正装置100は、レベル変換回路112およびA/D変換器112aのアナログ部により構成されるアナログフロントエンド回路110にて発生する温度ドリフトを補正する。なお、ディジタル部は周囲の温度変化による影響を受けないので、補正を行う必要がない。
【0016】
図2はレベル変換回路112について例示する図であり、図2(a)〜(c)がその回路図である。レベル変換回路112は、オペアンプ114と抵抗とを組み合わせて構成され、アナログ入力信号(アナログ入力電圧)AINを増幅または減衰させて、アナログ出力信号AOUTを出力する。図2(a)のアナログ出力信号AOUTは、抵抗R1、R2および入力換算オフセット電圧OSを用いて、下記式1のように表される。図2(b)のアナログ出力信号AOUTは、抵抗R3、R4および入力換算オフセット電圧OSを用いて、下記式2のように表される。図2(c)のアナログ出力信号AOUTは、抵抗R1〜R4および入力換算オフセット電圧OSを用いて、下記式3のように表される。すなわち、アナログ出力信号AOUTは、抵抗比によって決定されるアナログ入力信号AINの増幅率Gaおよび入力換算オフセット電圧OSを用いて、下記式4のように表される。なお、入力換算オフセット電圧OSは、オペアンプ114の非理想特性により発生するオフセット電圧を、増幅率Gaで割って入力電圧に換算したものである。
【0017】
【数1】

【0018】
上記のように、増幅率Gaは抵抗比によって決まるため、周囲の温度変化による抵抗値の変化が小さい抵抗を用いれば、増幅率Gaの温度ドリフトを小さくすることができる。加えて、周囲の温度変化によるオフセット電圧値の変化が小さいオペアンプ114を用いれば、入力換算オフセット電圧OSの温度ドリフトも小さくすることができる。しかし、そのような抵抗やオペアンプ114は高価である。
【0019】
そこで、本実施形態では、1次の項が支配的な(直線的に変化する)アナログフロントエンド回路110の温度特性を予めメモリ106に記憶しておく。そして、A/D変換器112aにてアナログ出力信号AOUTをA/D変換したディジタル出力信号DOUTに対し、温度計102が検知する温度におけるアナログフロントエンド回路110の温度ドリフトの補正を行う。以下、温度ドリフト補正装置100の各構成要素を説明する。
【0020】
温度計102は温度に比例した信号を出力する。温度計102が出力した信号は後段のA/D変換器102aにてA/D変換され、ディジタル温度信号TOUTとして補正演算回路108に入力される。なお、温度計102は、確度が求められるものではなく、アナログフロントエンド回路110の使用温度範囲(使用温度下限値TMIN〜使用温度上限値TMAX)においてその出力が温度変化に伴って線形に変化するものであればよい。
【0021】
ヒータ104は発熱素子であって、ここでは温度計102、アナログフロントエンド回路110とともにモノリシック集積回路として構成される。これにより、これらがモノリシック集積回路のモールド材(基材)に当接したこととなり、このモールド材を介して互いの熱が伝播されるので、熱的なムラが生じることを回避できる。すなわち、これらが、熱的に結合した状態となる。なお、温度計102、ヒータ104、アナログフロントエンド回路110をモノリシック集積回路として構成せずとも、伝熱板等の同一の基材に当接すれば上記効果を奏することが可能である。
【0022】
ヒータ104には、ヒータ104をオン、オフする制御信号が入力される制御信号入力端子CONTと、外部電源から電力を受電可能な独立した電源端子PSとが設けられる。ここでは、ヒータ104をオン、オフする制御信号は、測定データ取得部122から発せられるように構成される。
【0023】
メモリ106は、フラッシュメモリ等の書換可能な記憶手段で構成される。かかるメモリ106には、1次の項が支配的な(直線的に変化する)アナログフロントエンド回路110の温度特性を予め記憶しておく。
【0024】
また、メモリ106は、アナログフロントエンド回路110のアナログ入力信号AINの下限値AMIN、上限値AMAX、およびディジタル出力信号の下限値DMIN、上限値DMAXを記憶する。
【0025】
補正演算回路108は、中央処理装置(CPU)等の演算手段を含んで構成される。補正演算回路108は、実使用時に、メモリ106を参照しつつ後述の式10に基づいてディジタル出力信号DOUTを補正し、補正ディジタル出力信号ROUTを出力する。補正ディジタル出力信号ROUTは、アナログフロントエンド回路110を理想特性とした(温度ドリフトしない)場合のディジタル出力信号に相当する。
【0026】
本実施形態の特徴は、実使用時の前にメモリ106に予め記憶しておくアナログフロントエンド回路110の温度特性の測定に際して、恒温槽のような大がかりな装置を用いる必要がないことである。温度計102、ヒータ104、アナログフロントエンド回路110が熱的に結合した状態となっているため、ヒータ104をオンした場合に、恒温槽のように各素子の温度を一定に保ちつつアナログフロントエンド回路110を加熱することができる。ヒータ104をオフした場合には、外気により各素子の温度が一定に保たれる。これより、ヒータ104のオン、オフそれぞれについてのアナログフロントエンド回路110の入出力特性とそのときの温度とに基づき、その温度特性を簡便に測定することができる。
【0027】
アナログフロントエンド回路110の温度特性の測定に際しては、基準信号発生部120および測定データ取得部122が用いられる。基準信号発生部120は、アナログ入力信号AINとして、基準入力信号(基準入力電圧)AIN1、AIN2(AIN1<AIN2)を入力する。測定データ取得部122は、ヒータ104のオン、オフを制御するとともに、必要なデータを収集してアナログフロントエンド回路110の温度特性を求め、その温度特性をメモリ106に書き込む。
【0028】
基準信号発生部120および測定データ取得部122は、アナログフロントエンド回路110の温度特性の測定時(書換時)に必要であるが、実使用時(補正時)には必要ではない。よって、これらは温度ドリフト補正装置100(電子計測器)と必ずしも一体である必要はなく、その温度特性の測定時にのみ外付けしてもよい。
【0029】
同様に、ヒータ104に関しては、アナログフロントエンド回路110の温度特性の測定時にはオンする必要があるが、実使用時にはオンする必要はない。そこで、上記のように、ヒータ104に外部電源から電力を受電可能な独立した電源端子PSを設ける。これにより、内部電源としてはヒータ104への電力供給を考慮する必要がなく、実使用時に要求される電力量を供給できれば充分となるため、省電力化を図ることができる。
【0030】
図3は、ヒータ104をオン、オフさせたときのアナログフロントエンド回路110の入出力特性を例示する図である。図4は、アナログフロントエンド回路110の増幅率Gaとそのときの温度とを例示する図である。図5は、アナログフロントエンド回路110の入力換算オフセットOSとそのときの温度とを例示する図である。
【0031】
測定データ取得部122が、制御信号入力端子CONTを通じてヒータ104をオンさせた場合について説明する。図3に例示するように、測定データ取得部122は、基準信号発生部120から入力される基準入力信号AIN1、AIN2を取得する。また、測定データ取得部122は、基準入力信号AIN1に対するディジタル出力信号DOUTとしての基準出力信号D1ON、基準入力信号AIN2に対するディジタル出力信号DOUTとしての基準出力信号D2ONを取得する。加えて、図4、図5に例示するように、測定データ取得部122は、A/D変換器102aから出力されるディジタル温度信号TOUTとしての加熱時温度信号TONを取得する。なお、測定データ取得部122がこれらのデータを取得するのは、ヒータ104をオンにして各素子の温度が充分に安定してからとする。
【0032】
測定データ取得部122が、制御信号入力端子CONTを通じてヒータ104をオフさせた場合について説明する。測定データ取得部122は、図3に例示するように、基準信号発生部120から入力される基準入力信号AIN1、AIN2を取得する。また、測定データ取得部122は、基準入力信号AIN1に対するディジタル出力信号DOUTとしての基準出力信号D1OFF、基準入力信号AIN2に対するディジタル出力信号DOUTとしての基準出力信号D2OFFを取得する。加えて、図4、図5に例示するように、測定データ取得部122は、A/D変換器102aから出力されるディジタル温度信号TOUTとしての非加熱時温度信号TOFFを取得する。なお、測定データ取得部122がこれらのデータを取得するのは、各素子の温度が充分に安定してからとする。
【0033】
ヒータ104をオンさせたときのアナログ入力信号AINとディジタル出力信号DOUTとの関係は、下記式5のように表される。ヒータ104をオフさせたときのアナログ入力信号AINとディジタル出力信号DOUTとの関係は、下記式6のように表される。
【0034】
【数2】

【0035】
アナログフロントエンド回路110を理想特性とした場合のアナログ入力信号AINとディジタル出力信号(補正ディジタル出力信号ROUT)との関係は、アナログフロントエンド回路110のアナログ入力信号AINの下限値AMIN、上限値AMAX、およびディジタル出力信号の下限値DMIN、上限値DMAXを用いて、下記式7のように表される。
【0036】
【数3】

【0037】
式5〜式7において、波括弧にかかる係数は、アナログフロントエンド回路110の増幅率Gaである。図4に例示するように、ディジタル温度信号TOUTが示す温度とアナログフロントエンド回路110の増幅率Gaとの実際の特性は、下記式8のように表される。
【0038】
【数4】

【0039】
式5〜式7において、小括弧の中の項は、アナログフロントエンド回路110の入力換算オフセットOSである。図5に例示するように、ディジタル温度信号TOUTが示す温度とアナログフロントエンド回路110の入力換算オフセットOSとの実際の特性は、下記式9のように表される。
【0040】
【数5】

【0041】
理想特性を表す式7の右辺のアナログ入力信号AINを、式4に基づいて増幅率Ga、入力換算オフセットOS、ディジタル出力信号DOUTで置き換えると、下記式10のように表される。なお、このアナログ入力信号AINはアナログフロントエンド回路110へ入力されるものであるから、実際の特性と理想特性とで同じものである。
【0042】
【数6】

【0043】
測定データ取得部122は、ヒータ104をオン、オフさせて、基準入力信号AIN1、AIN2、基準出力信号D1ON、D2ON、D1OFF、D2OFF、加熱時温度信号TON、非加熱時温度信号TOFFを取得したら、式8および式9にこれらを当てはめて、ディジタル温度信号TOUTの1次式で式8の増幅率Ga、式9の入力換算オフセットOSが表されるよう計算を行う。そして、その計算結果をメモリ106に書き込む。
【0044】
勿論、測定データ取得部122が、ヒータ104をオン、オフさせて取得した、基準入力信号AIN1、AIN2、基準出力信号D1ON、D2ON、D1OFF、D2OFF、加熱時温度信号TON、非加熱時温度信号TOFFをそのままメモリ106に書き込んでもよい。
【0045】
このように、予めヒータ104のオン、オフそれぞれについてのアナログフロントエンド回路110の入出力特性とそのときの温度とに基づく温度特性をメモリ106に記憶しておけば、実使用時に、補正演算回路108に式10に基づいて補正を実施させることができる。すなわち、A/D変換器102aからのディジタル温度信号TOUT、A/D変換器112aからのディジタル出力信号DOUTを式10に代入し、理想特性で増幅された場合の補正ディジタル出力信号ROUTを求め、それを補正演算回路108に出力させることが可能である。
【0046】
以上、上述した温度ドリフト補正装置100によれば、恒温槽のような大がかりな装置を用いずとも簡便にアナログフロントエンド回路110の温度特性を測定することができる。よって、現場において、アナログフロントエンド回路110の温度特性の校正を容易に実施することができる。かかる校正により、アナログフロントエンド回路110の温度特性が変化したとしてもその温度特性を正規の値に設定しなおせるので、実使用時において、アナログフロントエンド回路110にて発生する温度ドリフトを的確に補正することができ、出力の精度を保障することができる。
【0047】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、アナログフロントエンド回路にて発生する温度ドリフトを補正する温度ドリフト補正装置として利用することができる。
【符号の説明】
【0049】
100…温度ドリフト補正装置、102…温度計、102a…A/D変換器、104…ヒータ、106…メモリ、108…補正演算回路、110…アナログフロントエンド回路、112…レベル変換回路、112a…A/D変換器、114…オペアンプ、120…基準信号発生部、122…測定データ取得部、R1〜R4…抵抗、AIN…アナログ入力信号、AOUT…アナログ出力信号、DOUT…ディジタル出力信号、ROUT…補正ディジタル出力信号、CONT…制御信号入力端子、PS…電源端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アナログフロントエンド回路の温度を検知する温度計と、
前記アナログフロントエンド回路を加熱するヒータと、
前記ヒータのオン、オフそれぞれについての前記アナログフロントエンド回路の入出力特性とそのときの温度とに基づく温度特性を記憶しておくメモリと、
前記アナログフロントエンド回路を通過してA/D変換されたディジタル出力信号に対して、前記温度特性を用いて、前記温度計が検知する温度における該アナログフロントエンド回路の温度ドリフトを補正する補正演算回路と、
を備えることを特徴とする温度ドリフト補正装置。
【請求項2】
前記メモリに記憶しておく温度特性が、前記アナログフロントエンド回路に基準信号を入力する基準信号発生部と、前記ヒータのオン、オフそれぞれについての該基準信号に対する前記入出力特性とそのときの温度とを取得する測定データ取得部とを用いた校正によって書換可能であることを特徴とする請求項1に記載の温度ドリフト補正装置。
【請求項3】
前記温度計および前記ヒータが、前記アナログフロントエンド回路と同一の基材に当接していることを特徴とする請求項1または2に記載の温度ドリフト補正装置。
【請求項4】
前記ヒータが、外部電源から電力を受電可能な独立した電源端子を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の温度ドリフト補正装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−198037(P2012−198037A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60685(P2011−60685)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】