説明

温度制御モジュール及びそれを含む温度制御装置

【課題】入力、制御及び出力機能を共に担当する一体型温度制御モジュールを提供する。
【解決手段】本発明が実施例による温度制御モジュールは、温度測定対象に接続され温度を測定する入力手段と、前記入力手段を介して測定された温度測定値と既設定された目標値を比較して、前記温度測定値と目標値が相違である場合、前記目標値にPID制御を行って調整値を演算する制御手段と、前記制御手段の制御に従って前記演算された調整値を外部に出力する出力手段と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は温度制御モジュールに関するもので、特に、入力、制御及び出力機能を含む一体型温度制御モジュール及びそれを含む温度制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
温度制御装置は、食品梱包機械、各種工業窯炉、半導体製造装置及びプラスチック成型機械など多様な分野にかけて利用されており、最近高機能、小型化、省費用化に対する期待が増大されつつ温度制御装置とPLC(Programmable Logic Controller:プログラマブル論理制御装置)との応用が要求されている。
【0003】
PLCは既存に採用の制御盤(Control Panel)内のリレー、タイマー及びカウンタなどの機能をIC(Integrated Circuit)及びトランジスタ(Ttransistor)などの半導体素子に振替えて基本的なシーケンス制御機能に演算機能を追加することでプログラム制御が可能であるようにした汎用制御装置を称する。また、現在PLCにて温度調節のための方法としては、PID(Proportional Integral Derivative)制御が最も普遍的に使用されている。
【0004】
前記PID制御は、制御対象の現在測定された値と予め設定されている目標値を比較して現在測定値と目標値に差がある場合、出力値を調整して現在値が目標値になるようにする制御動作を称し、比例動作(P)、積分動作(I)、微分動作(D)を組み合わせた制御方式である。
【0005】
従来にPLCを用いる温度制御装置は、温度制御のためにアナログ入力モジュール、PID制御モジュール及びアナログ出力モジュールが各々設けて独立的に動作したが、この方式はPID制御性能に悪影響を与え、PLCのCPU(中央処理装置)に異常が生じると正常的な制御が不可能な問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明による実施例においては、入力、制御及び出力機能を共に担当する一体型温度制御モジュールを提供する。
【0007】
また、本発明による実施例においては、一つのPLCベーススロットを占有した形態の一体型温度制御モジュールを提供する。
【0008】
また、本発明による実施例においては、温度ドリフト影響を最小化して温度変化に応じる測定誤差を減らし、安定的に温度を計測できる温度制御モジュールを提供する。
【0009】
一方、本発明で達成しようとする技術的課題は、上述の言及した技術的課題に制限されることではなく、言及されてないまた他の技術的課題は以下の記載から提案される実施例が属する技術分野で通常の知識を持つ者が明確に理解できるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施例による温度制御モジュールは、温度測定対象に接続され温度を測定する入力手段と、前記入力手段を介して測定された温度測定値と既設定された目標値を比較して、前記温度測定値と目標値が相違である場合、前記目標値にPID制御を行って調整値を演算する制御手段と、前記制御手段の制御に従って前記演算された調整値を外部に出力する出力手段を含む。
【0011】
また、前記入力手段及び出力手段は同じ一個のPLCベーススロットを占有し形成し、前記入力手段は前記PLCベーススロットの上部または下部に設けて、前記出力手段は前記入力手段と反対される前記PLCベーススロットの下部または上部に設けられる。
【0012】
また、前記入力手段は前記温度測定対象に接続され、前記温度測定対象の温度に応じて可変する抵抗値を用いて電圧値を出力する測温抵抗体と、前記測温抵抗体の一端に接続され定電流を印加する第1定電流源と、前記測温抵抗体の他端に接続され定電流を印加する第2定電流源と、前記第1及び第2定電流源のうち何れか一つの定電流が印加される導線に接続され基準電圧が生じる基準抵抗と、前記測温抵抗体から出力されるアナログ型の電圧値をデジタル信号に変換するA/D変換部と、を含む。
【0013】
また、前記入力手段は、前記入力手段と前記制御手段の間を絶縁する第1絶縁部をさらに含む。
【0014】
また、前記制御手段は、外部からパラメーターを受信するインターフェース部と、前記A/D変換部を介して出力されるデジタル信号と、既設定された目標値を基にPID制御を行って調整値を演算するPID演算部と、前記PID演算部で演算された調整値及び前記パラメーターを用いてPWM制御信号を生成し、前記生成したPWM制御信号を前記出力手段に出力する制御部と、を含む。
【0015】
また、前記制御手段は、前記受信したパラメーター及び前記演算された調整値を格納するメモリをさらに含む。
【0016】
また、前記出力手段は、前記制御手段を介して演算された調整値を外部に出力する出力部を含む。
【0017】
また、前記出力部は、前記制御手段を介して出力されるPWM制御信号によって前記調整値を外部に出力するトランジスタに構成される。
【0018】
また、前記出力部は、前記出力手段と制御手段との間の絶縁のための第2絶縁部がさらに含む。
【0019】
一方、本発明の実施例による温度制御装置は、温度測定対象に対応する恒温装置と、前記恒温装置の温度を測定し、前記測定した温度測定値が既設定された目標値になるように調整値を出力する温度制御モジュールを含む、前記温度制御モジュールは、前記温度を測定する入力手段と、前記調整値を演算する制御手段と、前記演算した調整値を出力する出力手段が一体に形成される。
【0020】
また、前記温度制御モジュールを構成する入力手段及び出力手段は同じ一個のPLCベーススロットを占有し形成され、前記入力手段は前記PLCベーススロットの上部または下部に設けて、前記出力手段は前記入力手段と反対される前記PLCベーススロットの下部または上部に設けられる。
【0021】
また、前記温度制御モジュールを構成する入力手段は前記温度測定対象に接続され、前記温度測定対象の温度に応じて可変する抵抗値を用いて電圧値を出力する測温抵抗体と、前記測温抵抗体の一端に接続され定電流を印加する第1定電流源と、前記測温抵抗体の他端に接続され定電流を印加する第2定電流源と、前記第1及び第2定電流源のうち何れか一つの定電流が印加される導線に接続され基準電圧が生じる基準抵抗と、前記測温抵抗体から出力されるアナログ型の電圧値をデジタル信号に変換するA/D変換部と、を含む。
【0022】
また、前記温度制御モジュールを構成する制御手段は、外部からパラメーターを受信するインターフェース部と、前記A/D変換部を介して変換されるデジタル信号及び既設定された目標値を基にPID制御を行って調整値を演算するPID演算部と、前記PID演算部が演算した調整値及び前記パラメーターを用いてPWM制御信号を生成して前記生成したPWM制御信号を前記出力手段に出力する制御部と、を含む。
【0023】
また、前記制御手段は、前記受信したパラメーター及び前記演算された調整値を格納するメモリをさらに含む。
【0024】
また、前記温度制御モジュールを構成する出力手段は、前記制御手段を介して出力されるPWM制御信号によって前記調整値を外部に出力するトランジスタで構成される出力部を含む。
【0025】
また、前記出力部は、冷却出力のための結線及び加熱出力のための結線が形成され、前記PWM制御信号によって前記演算された調整値を前記冷却出力のための結線または前記加熱出力のための結線に出力する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施例による温度制御モジュールの概略構成図である。
【図2】図1に示す入力手段の詳細構成図である。
【図3】図1に示す制御手段の概略構成図である。
【図4】図1に示す出力手段の概略構成図である。
【図5】図1に示す温度制御モジュールを含む温度制御装置を概略に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書及び請求範囲に使用された用語や単語は、通常的であるかまたは辞書的な意味で限定して解析されてはならなく、発明者はそのものの発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができる原則に立脚して本発明の技術的思想に符合する意味と概念に解析されてなければならない。
【0028】
よって、本明細書に記載された実施例と図面に図示された構成は本発明の最も好ましい一実施例に過ぎなく、本実施例の技術的思想をすべて代弁するのはないので、本出願時点でこれを代替できる多様な均等物と変更例があることを理解するべきである。
【0029】
図1は、本発明の一実施例による温度制御モジュールの概略構成図である。
【0030】
図1を参照すると、温度制御モジュール100は入力手段110、制御手段120及び出力手段130を含む。
【0031】
入力手段110は、測定対象に接続され、前記測定対象に対応する温度値を測定する。特に、入力手段110は、測定対象に接続され、前記測定対象を通過する電流に相応する電圧を出力する。前記出力される電圧は、前記測定対象の温度に相応する値を有する。
【0032】
制御手段120は、前記入力手段110を介して出力される測定対象の温度測定値を受信し、前記受信した温度測定値を基に前記測定対象の温度調整のための調整値を出力する。
【0033】
特に、制御手段120は、前記温度測定値と目標値を比較し、それに応じて前記温度測定値と目標値において差がある場合、前記温度測定値が目標値になるように調整値を演算する。
【0034】
出力手段130は、前記制御手段120を介して演算された調整値を受信し、それに応じて前記受信した調整値を前記測定対象に送信する。これによって、前記出力手段130は、前記測定対象が一定な温度を維持するように行う。
【0035】
この際、各手段の間は、絶縁体によって絶縁されている。
【0036】
すなわち、前記入力手段110と制御手段120の間は、絶縁機能を行う絶縁体が形成され、これに応じて入力手段110と制御手段120の間の動作に対する信頼性を確保する。これと同様に、前記制御手段120と出力手段130の間にも、絶縁機能を行う絶縁体を形成し、動作に対する信頼性を確保する。
【0037】
前記のように、本発明の実施例による温度制御モジュール100は、前記入力手段110、制御手段120及び出力手段130が一体に形成されている。
【0038】
この際、前記温度制御モジュール100の入力及び出力を担当する入力手段110と出力手段130は、PLCベーススロットに接続される。すなわち、温度制御モジュール100は、入力のための入力端子台と出力のための出力端子台を含み、前記入力手段110と出力手段130は前記入力端子台と出力端子台に各々接続される。
【0039】
この際、前記温度制御モジュール100は、入力を担当する入力手段110と出力を担当する出力手段が一個のPLCベーススロットを占有する形態に製作される。
【0040】
言い換えると、入力のための入力端子台と出力のための出力端子台が共通の1個の端子台に構成され、前記1個の端子台を用いて入力機能及び出力機能を各々行なうことができるようにする。
【0041】
よって、本発明による実施例においては、温度制御モジュール100が入力、制御及び出力機能をすべて行なうようにし、1個のPLCスロットを介して前記入力機能及び出力機能を行なうようにしてPLCベーススロットの占有個数を1個に減らすことができる。
【0042】
以下、添付の図面を参照して前記各々の手段に対してより具体的に説明する。
【0043】
図2は、図1に示す入力手段110の詳細構成図である。
【0044】
図2を参照すると、入力手段110は測定部111、第1導線112、第2導線113、第3導線114、基準抵抗115、第1定電流源116、第2定電流源117、A/D変換部118及び第1絶縁部119を含む。
【0045】
前記のように構成された入力手段110は、測定対象の温度に対応するアナログ型の温度信号をデジタル型の温度信号に変換して出力する。
【0046】
測定部111は、測定対象に接続され測定対象を通過する電流に相応する電圧を出力する手段である。測定部111は、測温抵抗体(RTD:Resistance Temperature Detector)で具現可能である。
【0047】
測温抵抗体は、温度係数に応じて抵抗が直接変わる方式を用いて温度を測定するセンサーで、対象体の温度をそれに相応する抵抗値に変換させることができる。
【0048】
この測温抵抗体は2線方式または3線方式を代表的に採用するが、2線方式の測温抵抗体は電流源によって駆動される。この際、前記2線方式の測温抵抗体から生じる電流は、一定であるので電圧変化が温度に応じる抵抗変化に比例する。
【0049】
そして、3線方式の測温抵抗体は、3線ブリッジ回路に接続される。そして、前記ブリッジ回路の出力電圧は、測温抵抗体の抵抗変化を感知するための箇所に使用される。本発明の一実施例においては、3線方式の測温抵抗体を使用して測定部111を構成する。
【0050】
測定部110は、測定対象の温度に応じて可変する抵抗値Rsを用いて電圧値を出力することで測定対象の温度を測定する。
【0051】
上述の3線方式測温抵抗体の第1導線112には第1定電流源116に対応する第1電流I1が通過する。
【0052】
また、前記測温抵抗体の第2導線113には、第2定電流源117に対応する第2電流I2が通過する。
【0053】
また、第3導線114は、第1導線112に流れる第1電流I1と第2導線113に流れる第2電流I2を足した第3電流が流れる。これによって、前記第3導線114には、前記第1導線112または第2導線113に流れる第1電流I1または第2電流I2の二倍に相応する第3電流I1+I2が通過する。
【0054】
このように、第3導線114には、第1導線112または第2導線113の二倍に相応する第3電流I1+I2が通過するので、前記第3導線114にかかる電圧も二倍になる。しかし、前記電圧は、共通型電圧(Common−mode voltage)であるので、これによる誤差を発生させない。
【0055】
第1及び第2定電流源116、117は、2個の定電流源がマッチ(match)された状態で、測定部111の第1導線112及び第2導線113に接続される。
【0056】
第1定電流源116と第2定電流源117は、同じ電流を出力する。
【0057】
前記第1定電流源116の電流は、第1導線112を通過しつつA/D変換部118の信号入力端に電圧誤差を発生させる。これによって、前記生じる電圧誤差を補償するために、A/D変換部118の(−)導線に接続された第2定電流源117が使用される。
【0058】
第2定電流源117の電流は、第2導線113を通過する。この際、第1導線112と第2導線113は、お互い同じ材質及び長さを使用し、これによって第1導線112及び第2導線113はお互い同じ抵抗値を有する。
【0059】
よって、第1定電流源116と第2定電流源117の電流が同値であると仮定すると、第1導線112を通過し生じる電圧誤差は第2導線113を通過し生じる電圧誤差と同値である。これによって、上述のような電圧誤差はお互い相殺されるのでこれを除去することができる。
【0060】
一方、入力手段110は、基準電圧を発生させる基準抵抗115を含む。
【0061】
基準抵抗115は、前記第3導線114に接続される。基準抵抗115から生じた基準電圧は、A/D変換部118の基準電圧入力端子(図示せず)に印加される。前記A/D変換部118に入力される基準電圧は、A/D変換部118が受けられえる入力信号の範囲を決定する。
【0062】
一方、温度ドリフトの影響を受け第1定電流源116と第2定電流源117から出力される電流の大きさが変わる場合、第1導線112及び第2導線113から生じる誤差電圧は相殺される。
【0063】
基準抵抗115の成分に応じる温度ドリフト影響を除いて測定部111から出力される電圧値を考慮すると、測定部111の電圧は二定電流源116、117の電流変動に応じてその値(Rsにかかる電圧)が変わる構造になっている。これによって、前記電流変動は、測定部111にかかる電圧成分のみならずA/D変換部118の基準電圧入力端子に接続された基準抵抗115にも影響する。
【0064】
すなわち、第1及び第2定電流源116、117の電流大きさが増加すると基準抵抗115にかかる電圧も増加してA/D変換部118が受けられえる入力信号の範囲が大きくなる。また、これと逆に、第1及び第2定電流源116、117の電流大きさが減少すると基準抵抗(Rref)115にかかる電圧も減少してA/D変換部118が受けられえる入力信号の範囲も小さくなる。
【0065】
よって、温度のドリフトが生じる場合、これは第1及び第2定電流源116、117から出す電流のみならず、測定部111の電圧値(すなわち、測温抵抗体の抵抗値)及び基準抵抗(Rref)115値に同時に影響し、これによって誤差がお互い相殺され電流変化に影響されないので温度ドリフトの影響から外される。
【0066】
A/D変換部118はアナログ‐デジタル変換機として、アナログ電圧信号をデジタル電圧信号に変換する。
【0067】
第1絶縁部119は光カプラーで構成され、入力手段110と制御手段120を絶縁する機能を行う。
【0068】
すなわち、第1絶縁部119は温度制御モジュール100の信頼性のためのものであって、入力手段110と制御手段120の間でノイズ、サージ電流及びサージ電圧を遮断する役割を果たす。
【0069】
図3は、図1に示す制御手段120の概略構成図である。
【0070】
図3を参照すると、制御手段120はインターフェース部121、PID演算部122、メモリ123及び制御部124を含む。
【0071】
上述のように構成された制御手段120は、入力手段110を介して出力される温度測定値と、既設定された目標値を比較してPID制御を行う。
【0072】
インターフェース部121は、PLCのCPU(図示せず)とデータ通信を行う。特に、インターフェース部121は、前記PLCのCPUから予め設定されたパラメーターが伝達される。
【0073】
前記予め設定されたパラメーターには、入力パラメーター、制御パラメーター、出力パラメーターなどがある。
【0074】
前記入力パラメーターには、温度測定対象の入力センサー型に対する情報が含まれている。また、制御パラメーターは、PID制御に要するPID設定係数などの情報が含まれている。また、出力パラメーターには、加熱出力または冷却出力などの出力種類に対する情報と、アナログ出力またはオン/オフ出力などの出力形態に対する情報が含まれている。
【0075】
PID演算部122は、入力手段110を介して出力される温度測定値、より明確にはA/D変換部118で変換された温度測定値PVと既設定された目標値SVを比較し、前記温度測定値PVと目標値SVに差がある場合、前記温度測定値PVが目標値SVになるように調整値MVを演算する。
【0076】
メモリ123は、インターフェース部121を介して受信したパラメーターを格納する。また、メモリ123は、前記PID演算部122を介して演算された調整値MVを格納する。
【0077】
制御部124は、前記温度測定値PVと目標値SVを比較してPID演算が行うように前記PID演算部122を制御し、PID演算部122で演算された調整値MVをメモリ123に格納する。
【0078】
また、制御部124は、前記PID演算部122で演算された調整値MVに対応するPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)制御信号を発生して出力手段130に伝達する。
【0079】
この際、PWM制御信号には出力種類に対する情報と出力形態に対する情報が含まれる。
【0080】
図4は、図1に示す出力手段130の詳細構成図である。
【0081】
図4を参照すると、出力手段130は第2絶縁部131及び出力部132で構成される。
【0082】
上述のように構成された出力手段130は、前記制御手段120を介して演算された調整値を受信し、それによって前記受信した調整値を外部に出力する。
【0083】
第2絶縁部131は第1絶縁部119と同様に、光カプラーで構成され、制御手段120と出力手段130を絶縁する機能を行って動作の信頼性を確保する。
【0084】
出力部132は、制御手段120から伝達されたPWM(Pulse Width Modulation)制御信号に応じてPID演算部122の調整値MWを外部に出力する。
【0085】
この出力部132は、トランジスタで構成されてPWM制御信号に含まれた出力形態に対する情報をオン/オフ出力の形態に出力する。
【0086】
上述のように本発明の一実施例による温度制御モジュールによると、測温抵抗体を用いて温度を測定してトランジスタを用いて温度を出力できる一体型温度制御モジュールを提供して製作費用を減少させて効率を向上させることができる。
【0087】
また、温度ドリフトの影響を最小化して温度変化による測定誤差を減らすことができ、安定的に温度を計測できる。
【0088】
そして、入力モジュールと出力モジュールを一個のPLCベーススロットを占有した形態に製作して個別的なモジュールの購入による製作費用を減らすことができ、温度制御モジュールの体積を減らすことができる。
【0089】
図5は、図1に示す温度制御モジュールを含む温度制御装置を概略に示した図である。
【0090】
図5に示すように、温度制御モジュール100は、温度測定対象200で測定された温度値が入力されてデジタル値に変換する。すなわち、温度制御モジュール100は、前記測定値を目標値と比較して調整値を演算し、演算された調整値に該当する出力が生じる。
【0091】
ここで、温度測定対象200は加熱機220と冷却機210を備え、温度制御装置の制御によって加熱機220と冷却機210が駆動され一定な温度を維持する。
【0092】
温度制御モジュール100の入力部には、温度測定対象200の温度を測定するための測温抵抗体が結線され、温度制御モジュール200の出力部には加熱機220を駆動するためのトランジスタ加熱出力と冷却機210を駆動するためのトランジスタ冷却出力が各々結線される。
【0093】
この際、温度制御モジュール100は、入力を担当する入力手段110と出力を担当する出力手段130が一個のPLCベーススロットを占有する形態に製作される。すなわち、入力及び出力のための端子台が1個で構成され端子台の上部には、入力(または出力)を行い、端子台の下部には出力(または入力)を行なうことができるように構成されてPLCベーススロットの占有個数を1個に減らすことができる。
【0094】
上述で本発明に対してその好ましい実施例を中心として説明したがこれは但し例示に過ぎなく本発明を限定するものでなく、本発明が属する分野の通常の知識を有する者であれば本発明の本質的な特性を外さない範囲で以上に例示されない多様な変形と応用が可能であることがわかる。例えば、本発明の実施例に具体的に示した各の構成要素は変形して実施することができる。そしてこのような変形と応用にかかる差異点は添付の請求範囲で規定する本発明の範囲に含まれることに解析されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度測定対象に接続されて温度を測定する入力手段と、
前記入力手段を介して測定された温度測定値と既設定された目標値を比較して、前記温度測定値と目標値が相違である場合、前記目標値にPID制御を行って調整値を演算する制御手段と、
前記制御手段の制御によって前記演算された調整値を外部に出力する出力手段と、を含む温度制御モジュール。
【請求項2】
前記入力手段及び出力手段は、同じ一個のPLCベーススロットを占有し形成され、
前記入力手段は、前記PLCベーススロットの上部または下部に設けられ、前記出力手段は、前記入力手段と反対される前記PLCベーススロットの下部または上部に設けられる請求項1に記載の温度制御モジュール。
【請求項3】
前記入力手段は、
前記温度想定対象に接続され、前記温度測定対象の温度に応じて可変する抵抗値を用いて電圧値を出力する測温抵抗体と、
前記測温抵抗体の一端に接続され定電流を印加する第1定電流源と、
前記測温抵抗体の他端に接続され定電流を印加する第2定電流源と、
前記第1及び第2定電流源のうち何れか一つの定電流が印加される導線に接続され基準電圧を発生する基準抵抗と、
前記測温抵抗体から出力されるアナログ型の電圧値をデジタル信号に変換するA/D変換部と、を含む請求項2に記載の温度制御モジュール。
【請求項4】
前記入力手段は、
前記入力手段と前記制御手段の間を絶縁する第1絶縁部をさらに含む請求項3に記載の温度制御モジュール。
【請求項5】
前記制御手段は、
外部からパラメーターを受信するインターフェース部と、
前記A/D変換部を介して出力されるデジタル信号と、既設定された目標値を基にPID制御を行って調整値を演算するPID演算部と、
前記PID演算部で演算された調整値及び前記パラメーターを用いてPWM制御信号を生成し、前記生成したPWM制御信号を前記出力手段に出力する制御部と、を含む請求項4に記載の温度制御モジュール。
【請求項6】
前記制御手段は、
前記受信したパラメーター及び前記演算された調整値を格納するメモリをさらに含む請求項5に記載の温度制御モジュール。
【請求項7】
前記出力手段は、
前記制御手段を介して演算された調整値を外部に出力する出力部を含む請求項1乃至6のうち何れか一項に記載の温度制御モジュール。
【請求項8】
前記出力部は、
前記制御手段を介して出力されるPWM制御信号によって前記調整値を外部に出力するトランジスタで構成される請求項7に記載の温度制御モジュール。
【請求項9】
前記出力部は、
前記出力手段と制御手段の間を絶縁するための第2絶縁部がさらに含まれる請求項8に記載の温度制御モジュール。
【請求項10】
温度測定対象に対応する恒温装置と、
前記恒温装置の温度を測定し、前記測定した温度測定値が既設定された目標値になるように調整値を出力する温度制御モジュールと、を含み、
前記温度制御モジュールは、
前記温度を測定する入力手段と、前記調整値を演算する制御手段と、前記演算した調整値を出力する出力手段と、が一体に形成された温度制御装置。
【請求項11】
前記温度制御モジュールを構成する入力手段及び出力手段は、同じ一個のPLCベーススロットを占有し形成され、
前記入力手段は、前記PLCベーススロットの上部または下部に設けられ、前記出力手段は、前記入力手段と反対される前記PLCベーススロットの下部または上部に設けられる請求項10に記載の温度制御装置。
【請求項12】
前記温度制御モジュールを構成する入力手段は、
前記温度測定対象に接続され、前記温度測定対象の温度に応じて可変する抵抗値を用いて電圧値を出力する測温抵抗体と、
前記測温抵抗体の一端に接続され定電流を印加する第1定電流源と、
前記測温抵抗体の他端に接続され定電流を印加する第2定電流源と、
前記第1及び第2定電流源のうち何れか一つの定電流が印加される導線に接続され基準電圧を発生する基準抵抗と、
前記測温抵抗体から出力されるアナログ型の電圧値をデジタル信号に変換するA/D変換部と、を含む請求項11に記載の温度制御装置。
【請求項13】
前記温度制御モジュールを構成する入力手段は、
外部からパラメーターを受信するインターフェース部と、
前記A/D変換部を介して変換されるデジタル信号及び既設定された目標値を基にPID制御を行って調整値を演算するPID演算部と、
前記PID演算部で演算された調整値及び前記パラメーターを用いてPWM制御信号を生成し、前記生成したPWM制御信号を前記出力手段に出力する制御部と、を含む請求項12に記載の温度制御装置。
【請求項14】
前記制御手段は、
前記受信したパラメーター及び前記演算された調整値を格納するメモリをさらに含む請求項13に記載の温度制御装置。
【請求項15】
前記温度制御モジュールを構成する出力手段は、
前記制御手段を介して出力されるPWM制御信号に応じて前記調整値を外部に出力するトランジスタで構成される出力部を含む請求項10乃至14のうち何れか一項に記載の温度制御装置。
【請求項16】
前記出力部は、
冷却出力のための結線及び加熱出力のための結線が形成され、前記PWM制御信号に応じて前記演算された調整値を前記冷却出力のための結線または前記加熱出力のための結線に出力する請求項15に記載の温度制御装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−112950(P2012−112950A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252750(P2011−252750)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(593121379)エルエス産電株式会社 (221)
【氏名又は名称原語表記】LSIS CO., LTD
【Fターム(参考)】