説明

温度及び湿度制御を有するテスト・チャンバー

空気から水分の相当量を除去せずにテスト・チャンバーにおける温度を効率的に冷却するモードで作動することが可能なテスト・チャンバー。該テスト・チャンバーは、空気を有する作業空間を定める構造及び温度制御システムを含む。該温度制御システムは、作業空間における空気とつながるように置かれた熱交換器、該熱交換器に結合された低温流体源、該熱交換器に結合された高温流体源、及び該熱交換器へ入る低温流体と高温流体との混合物を制御するための制御器、を含む。該制御器は、該熱交換器へ入る混合物の温度が制御され、該熱交換器と作業空間における空気との間の温度差を制限するようにプログラムされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度及び湿度制御がされるテスト・チャンバー及びその温度及び湿度を制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
汎用の環境テスト・チャンバーは、通常、区別できる操作モードを必要とするいくつかのタスクのために設計されている。そのようなタスクの1つは、高温及び低温遷移と180℃から‐70℃までに及ぶ温度の安定化である。通常、機械冷凍でより低い温度を達成するためには、カスケード冷凍システムが使用される。これは、チャンバーから外へ熱を「カスケード」させるために、低い段階では高圧冷媒を有し、高い段階では比較的さらに低圧の冷媒を有する2つの別々の冷凍回路(段階)を必要とし、閉鎖された空間の気温を低下させる。
【0003】
もう1つのタスクは、キャビネット作業空間内の温度及び湿度を正確に制御することである。温度・湿度モードで操作するとき、過度な水分の移動(例えば、コイル上の氷生成など)及び冷却コイルを通る気流の閉塞を防止するために、その冷却コイルを水の凝固点よりも高い温度に維持することが重要である。これを考慮するため、いくつかの設計は、チャンバーの作業空間内に別々の冷却コイルを取り入れ、冷却コイルの温度を水の凝固点の上で維持するために高段階冷媒を使用する。その冷媒は、制御された圧力で液体から気体へと拡張される。蒸発圧力は、操作の温度・湿度モードに対して必要とされる、水の凝固点よりも上の最低温度に基づいて設定される。操作段階において、最高の温度・湿度の組み合わせにおいて冷却が必要な場合、その冷却コイルの温度の一部は、チャンバー内の気流の露点よりもかなり下にあり、それは、凝結をもたらし、凝結の潜熱によってかなり冷却する必要をもたらす。空気から凝縮した水滴は、制御される湿度条件を維持するため、置き換えられなければならない。蒸気が、チャンバー環境に開いているボイラー(非表示)又は加圧蒸気レール(非表示)によって加えられてもよい。水滴もまた、噴霧スプレー・システムの方法によってチャンバーに加えられてもよい。水滴の再導入には、顕熱(蒸気)がしばしば伴い、冷却負荷をさらに増やす。さらなる冷却は、さらなる凝縮をもたらし、凝縮した水滴を置き換えるために必要な蒸気の量を増やす。結果として、温度及び湿度は、望まれる範囲内に留まるように連続的に監視され修正されなければいけない。
【0004】
チャンバー内の生産物が熱を発する間に、高い温度・湿度条件で操作する必要性も市場において存在する。チャンバー内の生産物又は熱負荷は、2つのカテゴリーのうち1つに該当する:熱を発する熱負荷は、「活荷重(live load)」と呼ばれ、熱を発しない熱負荷は、「死荷重(dead load)」と呼ばれる。活荷重を含むシステムにおいて高い温度・湿度条件を維持することは、課題である。現在のシステムは、温度・湿度範囲を制限し、活荷重によって許容可能である熱放散の量を制限するか、あるいはその機器の全体的な使用を制限するように特殊化される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、空気からかなりの量の水分を取り除かずにチャンバーの温度を冷却するモードで作動することが可能なテスト・チャンバーを提供する。これは、温度及び湿度の両方が重要である場合に特に望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの態様において、テスト・チャンバーは、空気を有する作業空間を定める構造、及び温度制御システム(例えば、コンプレッサ、凝縮装置、及び蒸発器の弁を有する冷凍システム)を含む。その温度制御システムは、作業空間における空気とつながるために配置された熱交換器(例えば、蒸発器)、その熱交換器に結合された低温流体源(例えば、圧縮、凝結、及びスロットル調整された冷媒)、その熱交換器に結合された高温流体源(例えば、圧縮された冷媒ガス)、及びその熱交換器に入る低温流体及び高温流体の混合物を制御する(例えば、低温流体弁及び/又は高温流体弁を調節することによる)ための制御器を含む。熱交換器上の凝結によって生じる湿度の減少を制限するために、制御器は、熱交換器に入る混合物の温度を制御し、その熱交換器と作業空間の空気との間の温度差を制限するようにプログラムされるのが望ましい。
【0007】
本発明はまた、低温流体源、低温流体の流れを制限する制御弁、高温流体源、及び熱交換器を含む温度制御システムを有するテスト・チャンバーの温度を制御する方法において具体化される。該方法は、チャンバーにおいて熱交換器を置くステップ、低温流体(例えば、圧縮、凝結、及びスロットル調整された冷媒)を熱交換器に向けて流すステップ、高温流体(例えば、圧縮された冷媒ガス)を熱交換器に向けて流すステップ、該低温流体を該高温流体に混合し、混合物を生成するステップ、及び該混合物における高温流体と低温流体との比を制御するステップ(例えば、熱交換器における混合物の温度を制御するために、高温流体に混合する低温流体の量を制御するための低温流体弁及び/又は高温流体弁を調整する)を含む。熱交換器上の凝結によって生じる湿度の減少を制限するために、制御ステップは、熱交換器と作業空間における空気との間の温度差を制御するために、熱交換器における混合物の温度を調整するステップを含むのがよい。
【0008】
本発明の他の態様は、詳細な説明及び関連する図表を考慮することによって明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明による冷凍装置の第1構造の概略図である。
【図2】本発明による冷凍装置の第2構造の概略図である。
【図3】図1の装置を制御する1つの方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態を詳しく説明する前に理解すべき事項は、本発明は、以下の記載において設定されるか以下の図表において説明される構成要素の構造及び配置の詳細においての適用には限定されない。本発明はまた、他の実施形態の実施も可能であり、多様な方法で実施及び実行することができる。また、ここで使用される表現及び専門用語は、当然のことながら、説明が目的であり、限定するものとして考慮されるべきではない。ここで使用される「含む」、「有する」及びそれらの変化形は、その後に列挙される項目及びそれらの均等物並びにさらなる項目をも含む。指定又は限定されていない場合は、「搭載された」、「接続された」、及び「結合された」及びそれらの変化形は、広く使用され、直接的及び間接的な搭載、接続、及び結合に及ぶ。さらに、「接続された」及び「結合された」は、物理的又は機械的な接続又は結合に限られない。
【実施例1】
【0011】
これは、閉鎖されたループ・システムを流れる冷媒蒸気を使用した温度・湿度テスト・チャンバー10における温度を制御する装置及び方法である。冷媒蒸気は、環境テスト・チャンバーの荷重空間14内における温度制御されたコイル12を通って循環される。湿度を減少させずに冷却することが必要な場合、蒸気冷媒は、コイル12とそのコイル12を通過する水蒸気を含んだ気流との間の温度差を制御する(すなわち、望まれる冷却を達成する一方、実質的に減少させる)ように前提条件が調整され、それによって、コイル12上に凝結する気流からの水蒸気の量が低減又は解消される。より少ない水蒸気が冷却プロセスで失われるため、テスト・チャンバーに蒸気を加えることによって水蒸気を置き換える必要が少なくなる。蒸気からの顕熱がより少なく加えられ、凝結から輸送される潜熱がより少なくなるため、システムの効率が改善され、そのシステムは、より多くの熱を放散するテスト荷重を適合することが可能になる。除湿が望まれる場合、温度制御されるコイル12は、当業者によってよく理解された方法で蒸発器としての機能を果たしてもよい。つまり、蒸発器の一部分は、蒸発器の上を通るチャンバーの空気がコイル上で凝結するように、そのチャンバーの空気の露点よりも低くなるように制御されてもよい。必要な場合、テスト・チャンバーにおいて1つ(又は複数)の加熱器(非表示)が、除湿された空気を再加熱する。
【0012】
本発明に従って、温度制御されたコイル12に入る冷媒は、低温液体又は液体/気体冷媒と高温蒸気冷媒との混合物であり、その混合物は、従来の蒸発器コイルよりも全体として大きい質量流量率を有する。その増加した流量率は、コイル12と荷重空間14との間でより低い温度差で伝熱が起こることを可能にする。従って、温度制御されたコイル12は、荷重空間14に、その荷重空間の空気からの水分を除去せずに効率的な冷却を提供する。本発明は、如何なる冷凍回路に適用してもよい。2つの可能な構造が以下に記載される。
【0013】
図1に示される1つの構造において、単一段階の閉鎖ループ冷凍システム16は、単一段階のコンプレッサ18、凝縮装置20、膨脹弁22、及びコイル12を含む。コンプレッサ18は、冷凍ガスを圧縮し、それは次に、凝縮装置20によって液体冷媒に凝結される。業凝縮装置20は、空冷式又は液冷式又は他の適切な種類の凝縮装置であってよい。液体冷媒は、液体ライン24を通って膨脹弁22に移動する。冷媒は、次に、環境テスト・チャンバー荷重空間14に位置するコイル12に移動する。蒸発冷媒は、当業者によってよく理解された方法で荷重空間14から除熱する。
【0014】
本発明に従って、過熱蒸気ライン26は、コンプレッサ18とコイル12とを流体的に接続し、過熱蒸気が凝縮装置20を迂回し、コイル12に入る前に液体ライン24からの液体又は2相冷媒に混合することを可能にする。手動操作される弁28及び第1制御弁30は、過熱蒸気ライン26上に位置し、第2制御弁32は、液体ライン24上に位置する。第1及び第2制御弁30、32は、コイル12に入る過熱蒸気と液体又は2相冷媒との混合物を制御するためにチャンバー制御器34によって制御される。さらに適切には、コイル12は、コイルに入る冷媒混合物の温度が制御されることから、本発明に従って「温度制御されるコイル」と呼ばれるべきである。第1及び第2制御弁30、32は、過熱蒸気ライン26からの入口、液体ライン24からの入口及びコイル12への出口を有する単一の3方向弁に組み合わせることができる。
【0015】
チャンバー制御器34は、2つのモードで操作される:温度制御及び温度・湿度制御である。各モードにおいて、第1及び第2制御弁30、32を通る冷媒の流れは、ユーザーによって入力される温度及び湿度の設定点で荷重空間14を維持するために適切である過熱蒸気と液体又は2相冷媒との混合物を得るように調節される。
【0016】
温度制御モードにおいて、冷媒混合物は、湿度レベルを気にすることなくテスト・チャンバー10の温度を設定点に持っていくように制御される。このモードにおいて、冷却は、チャンバーにおいて望ましい温度に達するために、コイル12を低温に冷やすことによって素早く達成される。このモードにおいて、コイル12の一部分は、テスト・チャンバー10における空気の露点下であり得ることから、テスト・チャンバー10における空気の凝縮及び湿度の減少をもたらし得る。
【0017】
温度・湿度制御モードにおいて、温度制御される冷媒混合物は、温度制御されるコイル12に導入される。高い相対湿度及び冷却がリクエストされる場合、荷重空間の空気を除湿することは望ましくなく非効率的である(蒸気の理由による)。従って、液体ライン24からの液体冷媒は、測定され過熱蒸気ライン26からの蒸気冷媒の気流に混合される。これは、コイル12に入る冷媒の温度が通常よりも高くなる原因となることから、コイル12とチャンバー10の空気との間のΔTは、比較的小さい。その結果、生じるとしてもコイル12上のわずかな凝結であり、従って、生じたとしてもテスト・チャンバー10における空気の水分のわずかな減少である。
【0018】
図3は、温度・湿度制御モードの温度制御される部分を説明するフローチャートを表わす。この制御プロセスにおいて、過熱蒸気ライン26を通る過熱蒸気の流れは、定数で維持されることから、コイル12へ入る冷媒の全ての制御は、第2制御弁32を調節して液体ライン24からの液体冷媒の量を変化させることによって達成される。第1に、チャンバー荷重空間の中の温度TCが測定され、ユーザーによって入力される、所望の温度範囲TDに比較される。通常、ユーザーは、特定の所望の温度を入力し、制御器は、維持するのに適切である温度範囲を提供する。
【0019】
TCがTDを超えている場合、チャンバーは冷却される必要があり、制御器34は、過熱蒸気ライン26からの蒸気冷媒と混合する液体冷媒の量を増やすために第2制御弁32をわずかに開く。この量は、荷重空間の空気とコイル12との間の温度差を最小にするために、最初に低く設定される。荷重空間の気温の減少が見られない場合、制御器34は、第2制御弁32をさらに開くことによって、液体冷媒の質量流量率をさらに増やす。弁は、従来技術で知られているように、算出された期間に、パルス状に開になり閉になるようにすることによって質量流量率を制御するように、パルス幅で変調されてもよい。このプロセスは、TCにおける減少が検出されるまで持続してよい。TCの減少が検出された直後に、そのプロセスは、安定状態が保たれ、TCがTDの範囲内にあるまで、あるいはTCがもはやTDの方向へ変化しなくなるまで、監視される。TCがTDの範囲内にある場合、テスト・チャンバー10における活荷重が熱放散を続けることから、温度の監視は持続される。
【0020】
TCがTDの下である場合は、チャンバーの冷却を減らす必要があり、制御器34は、過熱蒸気ライン26からの蒸気冷媒と混合する液体冷媒の量を減らすように、第2制御弁をわずかに閉める。荷重空間の気温の上昇が見られない場合、制御器34は、第2制御弁32をさらに閉めることによって、液体冷媒の質量流量率をさらに減らす。弁は、従来技術で知られているように、算出された期間に、パルス状に開になり閉になるようにすることによって、パルス幅で変調されてもよい。このプロセスは、TCの上昇が検出されるまで続けられる。TCが検出されるとすぐに、プロセスは安定状態が保たれ、TCがTDの範囲内にあるまで、あるいはTCがもはやTDの方向へ変化しなくなるまで、監視される。TCがもはやTDの方向に変化していない場合、第2制御弁は完全に閉められ、TD内にあるTCを上昇させるために(例えば、予備の加熱源により)さらに熱を加える必要がある。TCがTD内にある場合、温度の監視は持続される。
【0021】
除湿がリクエストされる場合、冷媒混合物は、荷重空間の空気の露点を越えないように制御される。通常、過熱蒸気冷媒の量は、第1制御弁30を通してパルス繰り返し数を減少させるか弁を閉めるかのいずれか一方によって低減され、液体又は2相冷媒混合物は、所望のパルス繰り返し数で第2制御弁32を通して温度制御されるコイル12に入れられてよい。高温及び低温冷媒の質量流量率は、所望の温度の混合物を得るように制御される。温度制御されるコイル12は、荷重空間の空気における水分の一部分が凝結し、システムから除去されるように、そのコイル12の少なくとも一部分を、その荷重空間の空気の露点のかなり下まで冷却させ、当業者によってよく知られている方法で蒸発器としての機能を果たしてもよい。この方法は、除湿が望まれる場合はいつでも持続される。荷重空間14における空気の加熱が望まれる場合、チャンバーにおける別の加熱器(非表示)が除湿された空気に水分を加えることなく、その空気を加熱するために使用されてもよい。
【実施例2】
【0022】
図2に示されるもう1つの構造において、低温冷却のためのカスケード冷凍システム36は、高段階冷凍システム38及び低段階冷凍システム40を含む。高段階冷凍システム38は、カスケード熱交換器42を通して低段階冷凍システム40を冷却する。
【0023】
当業者によってよく知られている方法で作動する高段階冷凍システム38は、高段階コンプレッサ44、高段階気冷式又は液冷式凝縮装置46、電磁弁48及び低段階冷凍システム40と伝熱を行うカスケード熱交換器42を含む。
【0024】
低段階冷凍システム40は、カスケード熱交換器42と流体でつながる低段階コンプレッサ54及び荷重空間14に位置するコイル12を含む。液体ライン56はカスケード熱交換器42をコイル12に流体的に接続し、また、膨脹弁又は他の膨脹弁(非表示)を含む。凝縮装置42からの液体冷媒を搬送する注入ライン52は、電磁弁及び膨脹弁を含み、コンプレッサへ戻る過熱蒸気冷媒を選択的に冷却する。いくつかの条件下では、コイル12を出る過熱蒸気は、コンプレッサ54が過度に加熱される原因となることから、注入ラインは、幾分かの液体冷媒の膨脹を選択的に可能にすることによって過熱蒸気を冷却する。そのカスケードシステムは、以下に述べられるように、本発明のシステムの一部分を除いては、当業者によってよく知られた方法で作動する。
【0025】
本発明に従って、過熱蒸気ライン58は、低段階コンプレッサ54をコイル12(上記で説明されたように「温度制御されるコイル」としてさらに適切に呼ばれる)に流体的に接続し、第1制御弁30を含む。液体ラインは、第2制御弁32を含む。第1及び第2制御弁30、32は、チャンバー制御器34によって制御され、過熱蒸気と温度制御されるコイル12へ入る液体又は2相冷媒との混合物を調節する。温度制御されるコイル12は、テスト・チャンバー10の中に位置し、荷重空間14と伝熱を行う。
【0026】
第2構造のチャンバー制御器34は、2つのモードで作動する:温度モード及び温度・湿度モードである。各モードにおいて、第1及び第2制御弁30、32を通る冷媒の流れはユーザーによって入力される温度又は温度・湿度の設定点で荷重空間14を維持するために適切である、過熱蒸気と液体又は2相冷媒との混合物を得るように調節される。そのモードは、本発明の第1構造において以前記載されたものと同一である。
【0027】
テスト・チャンバーの温度・湿度制御のためのカスケードシステムの以前の設計では、高段階蒸発器は、テスト・チャンバー荷重空間14に位置付けられていた。本発明に従って、高段階冷凍システム38上の特殊化された高段階冷却回路は、チャンバーの温度遷移環境14から取り除かれる。この質量の除去は、熱荷重を低減し、温度遷移のパフォーマンスを改善する。冷凍回路及び操作モードも簡略化される。より少ない回路要素が必要となり、装置の信頼性が増加し、費用が低減される。この設計はまた、高い相対湿度において他の操作モードの機能を制限せずに機器の効率を改善し、熱放散容量を増加させる。
【0028】
代替の構造において、液体ラインを過熱蒸気ラインに合併させ、冷媒の混合物を制御する代わりに、熱交換器が、温度制御された冷媒をコイル12に提供するようにその液体と過熱蒸気との間の伝熱を提供してもよい。
【0029】
従って、本発明は、活荷重テスト・チャンバーの湿度及び温度を制御するための装置及び方法を数ある中で提供する。本発明の様々な特徴及び利点が、以下の請求項において説明されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を有する作業空間を定める構造;
該作業空間における空気に通じるように配置された熱交換器;
該熱交換器に結合され高温流体を生成するコンプレッサ;
該コンプレッサに結合され液体を生成する凝縮装置;及び
該凝縮装置に結合され低温流体を生成する絞り弁;
を含む冷凍システム;及び
前記熱交換器へ入る低温流体と高温流体との混合物を制御するための制御器;
を含むテスト・チャンバー。
【請求項2】
前記制御器が、前記混合物と前記作業空間における空気との間の温度差を制御するようにプログラムされている、請求項1に記載のテスト・チャンバー。
【請求項3】
前記冷凍システムが、前記熱交換器へ入る低温流体の量を制限する低温流体弁をさらに含み、前記制御器は、該熱交換器へ入る混合物の温度を制御するために、高温流体に混合する低温流体の量を制御するように低温流体弁を調整する、請求項1に記載のテスト・チャンバー。
【請求項4】
前記制御器が、前記混合物の温度の低下を制限し、従って、前記熱交換器上における凝結形成を低減するために前記混合物と前記空気との間の温度差を制限するようにプログラムされた温度・湿度モードを含む、請求項3に記載のテスト・チャンバー。
【請求項5】
前記制御器が、前記混合物の温度のさらなる低下を可能にし、従って、前記熱交換器上における凝結を増やすために前記混合物と前記空気との間の温度差を増やすようにプログラムされた除湿モードをさらに含む、請求項4に記載のテスト・チャンバー。
【請求項6】
前記熱交換器が蒸発器である、請求項1に記載のテスト・チャンバー。
【請求項7】
前記低温流体が冷媒である、請求項6に記載のテスト・チャンバー。
【請求項8】
前記冷凍システムが、前記コンプレッサの出力を前記蒸発器の入力と接続する高温流体ラインをさらに含む、請求項6に記載のテスト・チャンバー。
【請求項9】
前記冷凍システムが、前記蒸発器へ入る高温流体の量を制限する高温流体弁をさらに含み、前記制御器は、該蒸発器へ入る混合物の温度を制御するために前記蒸発器の弁を出る冷媒に混合する高温流体の量を制御するように前記高温流体弁を調整する、請求項8に記載のテスト・チャンバー。
【請求項10】
低温流体源、低温流体の流れを制限する制御弁、高温流体源、及び熱交換器を有するテスト・チャンバーの温度を制御する方法であり:
該テスト・チャンバーに熱交換器を配置するステップ;
該熱交換器の方向へ前記低温流体を流すステップ;
該熱交換器の方向へ前記高温流体を流すステップ;
混合物を生成するために該高温流体に該低温流体を混合するステップ;及び
前記熱交換器上の凝結形成を操作するために、前記テスト・チャンバーにおける前記混合物と空気との間の温度差を制御するように、該混合物において高温流体と低温流体との比を制御するステップ;
を含む方法。
【請求項11】
前記テスト・チャンバーが低温流体弁をさらに含み、前記の制御ステップは、前記熱交換器において前記混合物の温度を制御するために、前記高温流体に混合する前記低温流体の量を制御するように前記低温流体弁を調整するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
低温流体を流すステップが:
冷媒を過熱蒸気へと圧縮するステップ;
該過熱蒸気を飽和又はサブクール液体へと凝縮するステップ;及び
該液体を前記低温流体へとスロットルで調整するステップ;
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
高温流体を流すステップが、前記過熱蒸気の一部分を前記熱交換器の方向へそらすステップを含み、該過熱蒸気は該高温流体である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記テスト・チャンバーが高温流体弁を含み、前記制御ステップは、前記熱交換器において混合物の温度を制御するために、前記低温流体に混合する前記高温流体の量を制御するように該高温流体弁を調整するステップを含む、請求項13に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−506975(P2011−506975A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538194(P2010−538194)
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【国際出願番号】PCT/US2008/086633
【国際公開番号】WO2009/079386
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(510122120)ヴェンチャーダイン,リミテッド (2)
【Fターム(参考)】