説明

温度調整装置および温度調整方法

【課題】製造コストの高騰や装置の大型化を招くことなく、周囲の温度よりも低温の水を供給する。
【解決手段】供給対象体から回収した水Wを冷却する熱交換器4と、熱交換器4に送風する送風ファン5と、ファン5の動作状態を制御する制御部9とを備えて、目標温度範囲内に温度調整した水Wを供給対象体に供給する温度調整装置1であって、熱交換器4による冷却が完了した水Wを貯水可能な貯水槽2と、貯水槽2から供給対象体に供給する水Wの温度を検出する温度センサ8bと、目標温度範囲よりも低温の水(水道水)を貯水槽2に給水する給水管24に配設された電磁弁6とを備え、制御部9は、予め規定された回転数でファン5を動作させている状態においてセンサ8bによって目標温度範囲よりも高温の温度が検出されたときに、電磁弁6を制御して水道水を貯水槽2に給水させて供給対象体に供給する水Wの温度を目標温度範囲内に調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給対象体から回収した水を目標温度範囲内に温度調整して供給する温度調整装置および温度調整方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の温度調整装置(温度調整方法)として、出願人は、実験や分析などに使用する水(恒温水槽内に貯水した水)を一定の温度に調整するための冷却装置(冷却方法)を特開2008−164213号公報に開示している。この場合、出願人が開示している冷却装置は、水中ポンプおよびファンクーラを備えて、恒温水槽に対して着脱自在に構成されている。また、上記のファンクーラは、熱交換器と、熱交換器に対して送風する送風ファンとが筐体内に配設されて構成されている。
【0003】
この冷却装置の使用に際しては、まず、冷却対象の水を貯水している恒温水槽内に水中ポンプを設置する。また、ファンクーラについては、実験台の上などの任意の場所に配置する。次いで、メインスイッチが投入されたときに、ファンクーラ内の送風ファン、および水中ポンプが駆動を開始する。この際には、恒温水槽内の水が水中ポンプによってファンクーラ(熱交換器)内に圧送される。また、ファンクーラにおいては、熱交換器内の水と、送風ファンによって送風された風(空気)とが熱交換し、これにより、熱交換器内の水が室温まで冷却される。また、恒温水槽内の水がファンクーラ内に順次圧送されることにより、熱交換器内において冷却された水が恒温水槽内に戻される。これにより、恒温水槽内の水が室温まで順次冷却される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−164213号公報(第4−7頁、第1−9図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、出願人が開示している冷却装置には、以下の改善すべき課題が存在する。すなわち、出願人が開示している冷却装置では、ファンクーラにおいて送風ファンによって送風された空気と熱交換器内の水とを熱交換させることで冷却対象の水を室温まで冷却する構成が採用されている。このため、出願人が開示している冷却装置では、ファンクーラの設置場所の空気の温度よりも低温の水を供給対象体(この例では、恒温水槽)に供給することができない。したがって、夏期における使用時や、工作機械からの熱によって室温が上昇している場所などで使用する際に、低温の水を供給することができないおそれがあるため、この点を改善するのが好ましい。
【0006】
この場合、例えば、冷凍サイクルによって水を冷却する構成を付加することで、周囲の温度よりも低温の水を供給対象体に供給することができる。しかしながら、そのような構成を採用した場合には、付加した冷凍サイクルの分だけ、冷却装置の製造コストが高騰すると共に、冷却装置の大型化を招くこととなる。
【0007】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、装置の製造コスト高騰や大型化を招くことなく、周囲の温度よりも低温の水を供給し得る温度調整装置および温度調整方法を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく請求項1記載の温度調整装置は、供給対象体から回収した水を冷却する熱交換器と、当該熱交換器に送風する送風ファンと、当該送風ファンの動作状態を制御する制御部とを備えて、目標温度範囲内に温度調整した水を前記供給対象体に供給する温度調整装置であって、前記熱交換器による冷却が完了した水を貯水可能に構成された貯水槽と、前記貯水槽から前記供給対象体に供給する水の温度を検出する温度検出部と、前記目標温度範囲よりも低温の水を前記貯水槽に給水する給水管に配設された給水弁とを備え、前記制御部は、予め規定された回転数で前記送風ファンを動作させている状態において前記温度検出部によって前記目標温度範囲よりも高温の温度が検出されたときに、前記給水弁を制御して前記目標温度範囲よりも低温の水を前記貯水槽に給水させて前記供給対象体に供給する水の温度を当該目標温度範囲内に調整する。
【0009】
また、請求項2記載の温度調整装置は、請求項1記載の温度調整装置において、前記貯水槽は、予め規定された貯水量を超えたときに当該貯水槽内の水を排水するオーバーフロー口と前記給水管からの水が給水される給水位置との間に配設されて、当該オーバーフロー口および当該給水位置の間の距離よりも長い第1の水路を当該オーバーフロー口および当該給水位置の間に形成する第1の仕切板を備えている。
【0010】
さらに、請求項3記載の温度調整装置は、請求項2記載の温度調整装置において、前記貯水槽は、前記熱交換器による冷却が完了した水を導入する導入口が、前記給水位置よりも前記オーバーフロー口の近傍に設けられている。
【0011】
また、請求項4記載の温度調整装置は、請求項1記載の温度調整装置において、前記貯水槽は、前記給水管からの水が給水される給水位置と前記供給対象体に供給する水を排水する排水口との間に配設されて、当該給水位置および当該排水口の間の距離よりも長い第2の水路を当該給水位置および当該排水口の間に形成する第2の仕切板を備えている。
【0012】
さらに、請求項5記載の温度調整装置は、請求項4記載の温度調整装置において、前記第2の仕切板には、小孔およびスリットの少なくとも一方が形成されている。
【0013】
また、請求項6記載の温度調整装置は、請求項1から5のいずれかに記載の温度調整装置において、前記給水管が上水道源に接続可能に構成されて、前記目標温度範囲よりも低温の水としての上水道水を前記貯水槽に給水可能に構成されている。
【0014】
さらに、請求項7記載の温度調整装置は、請求項1から6のいずれかに記載の温度調整装置において、前記貯水槽に貯水した水を前記供給対象体に圧送する圧送ポンプ、および前記供給対象体から水を吸引して前記貯水槽に回収する吸引ポンプの少なくとも一方を備えている。
【0015】
また、請求項8記載の温度調整方法は、供給対象体から回収した水を冷却する熱交換器と、当該熱交換器に送風する送風ファンと、前記熱交換器による冷却が完了した水を貯水可能に構成された貯水槽と、前記貯水槽から前記供給対象体に供給する水の温度を検出する温度検出部と、前記目標温度範囲よりも低温の水を前記貯水槽に給水する給水管に配設された給水弁とを用いて、目標温度範囲内に温度調整した水を前記供給対象体に供給する際に、予め規定された回転数で前記送風ファンを動作させている状態において前記温度検出部によって前記目標温度範囲よりも高温の温度が検出されたときに、前記給水弁を制御して前記目標温度範囲よりも低温の水を前記貯水槽に給水させて前記供給対象体に供給する水の温度を当該目標温度範囲内に調整する。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の温度調整装置、および請求項8記載の温度調整方法によれば、予め規定された回転数で送風ファンを動作させている状態において温度検出部によって目標温度範囲よりも高温の温度が検出されたときに、給水弁を制御して目標温度範囲よりも低温の水を貯水槽に給水させて貯水槽から供給対象体に供給する水の温度を目標温度範囲内に調整することにより、製造コストの高騰および装置の大型化を招くおそれがある冷凍サイクルを使用することなく、周囲の温度が目標温度範囲よりも高いときにも、目標温度範囲内に温度調整した水を供給対象体に供給することができる。
【0017】
また、請求項2記載の温度調整装置によれば、規定量を超えたときに貯水槽内の水を排水するオーバーフロー口と給水管からの水が給水される給水位置との間に配設されて、オーバーフロー口および給水位置の間の距離よりも長い第1の水路をオーバーフロー口および給水位置の間に形成する第1の仕切板を備えて貯水槽を構成したことにより、給水位置に給水した低温の水がオーバーフロー口から直ちに排水されてしまう事態を回避することができる。したがって、この温度調整装置によれば、給水位置に給水された水と貯水槽内に貯留されている水とを十分に混合することができるため、供給対象体に供給する水の温度を目標温度範囲内に確実に温度調整することができる。
【0018】
さらに、請求項3記載の温度調整装置によれば、熱交換器による冷却が完了した水を導入する導入口を、給水位置よりもオーバーフロー口の近傍に設けたことにより、給水位置への給水に伴って貯水槽内の水がオーバーフロー口から排水されるときに、主として、導入口から貯水槽内に導入された直後の高温の水を排水することができる。したがって、オーバーフロー口よりも給水位置の近傍に導入口を設ける構成と比較して、この温度調整装置によれば、より高温の水を排水することができる結果、貯水槽内の水を効率良く冷却することができる。
【0019】
また、請求項4記載の温度調整装置によれば、給水管からの水が給水される給水位置と供給対象体に供給する水を排水する排水口との間に配設されて、給水位置および排水口の間の距離よりも長い第2の水路を給水位置および排水口の間に形成する第2の仕切板を備えて貯水槽を構成したことにより、給水位置に給水した水が低温のままの状態で排水口から直ちに排水される事態を回避することができる。したがって、給水位置に給水された水と貯水槽内に貯留されている水とを十分に混合することができるため、供給対象体に供給する水の温度を目標温度範囲内に確実に温度調整することができる。
【0020】
さらに、請求項5記載の温度調整装置によれば、小孔およびスリットの少なくとも一方を第2の仕切板に形成したことにより、給水位置に給水した水の大半を第2の水路において貯水槽内の水と十分に混合して排水口から排水することができるだけでなく、給水位置に水を給水した直後においても小孔を通過した水を排水口の近傍の水と混合した状態で排水口から排水することができるため、貯水槽内に貯留した高温の水だけが排水口から排水される事態を回避することができるか、または、そのような水だけが排水される時間を十分に短くすることができる。
【0021】
また、請求項6記載の温度調整装置によれば、給水管を上水道源に接続可能に構成して、目標温度範囲よりも低温の水としての上水道水を貯水槽に給水可能に構成したことにより、給水する水(水道水)に大きな異物が混入していないため、大掛かりな濾過フィルタを設ける必要がない結果、製造コストを十分に低減することができると共に、水に雑菌の繁殖や腐敗などが生じない状態をある程度の期間に亘って維持することができるため、メンテナンスに要するコストを十分に低減することができる。
【0022】
さらに、請求項7記載の温度調整装置によれば、貯水槽に貯水した水を供給対象体に圧送する圧送ポンプ、および供給対象体から水を吸引して貯水槽に回収する吸引ポンプの少なくとも一方を備えたことにより、水を循環させるためのポンプが存在しない供給対象体に水を供給する場合に、水を供給するためのポンプを別途用意することなく、供給対象体に温度調整装置を接続するだけで、目標温度範囲内に温度調整した水を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態に係る温度調整装置1の構成を示す構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る温度調整装置1における貯水槽2の平面図である。
【図3】図2におけるD−D線断面図である。
【図4】図2におけるE−E線断面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る温度調整装置1における制御部9によって実行される温度調整処理30のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して、温度調整装置および温度調整方法の実施の形態について説明する。
【0025】
図1に示す温度調整装置1は、一例として、射出成形機、工作機械および各種医療機器など(「供給対象体」の一例)から回収した水Wを、30℃〜40℃の範囲内で規定された目標温度範囲内(例えば35℃±2℃)に温度調整して供給する循環型の温度調整装置であって、貯水槽2、圧送ポンプ3、熱交換器4、送風ファン5、電磁弁6、バルブ7、温度センサ8a,8bおよび制御部9を備えて構成されている。
【0026】
貯水槽2は、一例として、ステンレススチールの板材を溶接することによって上面開口箱形に形成した貯水槽本体10と、この貯水槽本体10の上面開口部を閉塞する蓋体(図示せず)とを備え、供給対象体から回収した水W(供給対象体に供給する水W:後述するように、熱交換器4による冷却が完了した水W)を貯水可能に構成されている。また、図1,2に示すように、貯水槽本体10には、供給対象体に供給する水Wを排水する排水口11と、供給対象体から回収した水Wを導入する導入口12と、予め規定された貯水量を超えて水が導入されたときに貯水槽2内の水Wを排水するオーバーフロー口13とが設けられると共に、後述するようにして、排水口11から排水した水Wの一部を貯水槽2内に導入するための導入口15(図1参照)が設けられている。
【0027】
この場合、本例の温度調整装置1では、図1に示すように、排水口11が排水管21を介して供給対象体の給水口(図示せず)に接続され、導入口12が給水管22を介して供給対象体の排水口(図示せず)に接続され、オーバーフロー口13が排水管23を介して貯水タンクや排水口(図示せず)に接続されている。また、本例の温度調整装置1では、後述するようにして、上水道に接続された給水管24から給水位置14に水道水(「目標温度範囲よりも低温の水」の一例)が給水されるように給水管24が設置されている。さらに、本例の温度調整装置1では、上記の導入口15がバイパス管25を介して排水管21に接続されている。
【0028】
また、図2に示すように、貯水槽2は、オーバーフロー口13と給水位置14との間に配設されて、オーバーフロー口13および給水位置14の間の距離(最短距離)よりも長い平面視J字状の水路La(「第1の水路」の一例)をオーバーフロー口13および給水位置14の間に形成する仕切板16(「第1の仕切板」の一例:図3参照)を備えている。さらに、貯水槽2は、給水位置14と排水口11との間に配設されて、給水位置14および排水口11の間の距離(最短距離)よりも長い平面視J字状の水路Lb(「第2の水路」の一例)を給水位置14および排水口11の間に形成する仕切板17(「第2の仕切板」の一例:図4参照)を備えている。この場合、図4に示すように、仕切板17には、複数の小孔17aが形成されている。なお、この小孔17aに代えて複数のスリットを形成したり、小孔17aおよびスリットを混在させて形成したりすることもできる。
【0029】
圧送ポンプ3は、上記の排水管21に取り付けられている。この圧送ポンプ3は、制御部9の制御に従い、貯水槽2に貯水されている水Wを供給対象体に圧送する(供給する)と共に、この圧送によって、供給対象体において温度上昇させられた水Wを供給対象体から回収する。熱交換器4は、図1に示すように、供給対象体から回収した水Wを貯水槽2に給水する給水管22に配設されて、この熱交換器4内の水Wと、送風ファン5によって送風される空気とを相互に熱交換させることにより、水Wを冷却する。送風ファン5は、制御部9の制御に従って熱交換器4に送風する。電磁弁6は、「給水弁」の一例であって、給水管24に配設されると共に、制御部9によって開放制御されることによって貯水槽2に対する水道水の給水を許容し、かつ、制御部9によって閉塞制御されることによって貯水槽2に対する水道水の給水を規制する。
【0030】
バルブ7は、バイパス管25に配設されており、その開弁率が変更されることにより、排水管21から貯水槽2への水Wの流量(バイパス管25を通過する水Wの流量)を変化させる。この場合、本例の温度調整装置1では、上記の圧送ポンプ3が常時一定量の水Wを圧送するよう構成されている。したがって、バルブ7の開弁率を変更して流量を小さくすることで、排水管21から貯水槽2に戻される水Wの量が減少して、排水管21を介して供給対象体に供給される水Wの水量が増加し、逆に、バルブ7の開弁率を変更して流量を大きくすることで、排水管21から貯水槽2に戻される水Wの量が増加して、排水管21を介して供給対象体に供給される水Wの水量が減少する。
【0031】
温度センサ8a,8bは「温度検出部」の一例であって、検出した温度に応じたセンサ信号を制御部9に出力する。この場合、本例の温度調整装置1では、温度センサ8aが貯水槽2内における導入口12の近傍に配設され、温度センサ8bが排水管21内(この例では、排水管21における圧送ポンプ3よりも下流側)に配設されている。したがって、本例の温度調整装置1では、熱交換器4による冷却が完了した直後の水Wの温度が温度センサ8aによって検出されると共に、熱交換器4による冷却が完了すると共に給水管24からの水道水が混合されて温度低下した水W(供給対象体に供給する直前の水W)の温度が温度センサ8bによって検出される。
【0032】
制御部9は、温度調整装置1を総括的に制御する。具体的には、制御部9は、送風ファン5を制御して熱交換器4に送風させると共に、電磁弁6を制御して貯水槽2に水道水を給水させる。より具体的には、制御部9は、図5に示す温度調整処理30を実行して、温度センサ8aによる水Wの検出温度に応じて送風ファン5の回転数を制御すると共に(「送風ファンの動作状態を制御する」との処理の一例)、温度センサ8bによる水Wの検出温度に応じて電磁弁6を制御して給水管24から所定量の水道水を貯水槽2に供給させる。
【0033】
この温度調整装置1によって目標温度範囲内に温度調整した水Wを供給対象体に共有する際には、図1に示すように、まず、排水管21および給水管22を供給対象体に接続すると共に、排水管23をタンク等に接続し、かつ給水管24を上水道に接続する。次いで、図示しない操作部を操作して、電磁弁6を開放させる。この際には、給水管24から貯水槽2に水道水が給水され、この水道水が、後に供給対象体に供給する水Wとして貯水槽2に貯水される。なお、実際には、各配管内、圧送ポンプ3内および熱交換器4内等のエアを除去するエア抜き作業などが実施されるが、温度調整装置1の動作原理についての理解を容易とするために、これらの作業についての説明を省略する。
【0034】
次いで、温度調整処理の開始を指示する操作が行われたときに、制御部9は、圧送ポンプ3を制御して貯水槽2内の水Wの供給対象体への圧送を開始させると共に、図5に示す温度調整処理30を開始する。なお、実際には、バルブ7を操作することで供給対象体に対して供給する水Wの水量を任意の量に調整するが、この調整作業に関する説明を省略する。一方、温度調整処理30では、制御部9は、温度センサ8aによる検出温度に基づき、熱交換器4による冷却後の水W(熱交換器4によって冷却されて貯水槽2内に給水された水W)の温度が、目標温度範囲内(この例では、35℃±2℃の範囲内)であるか否かを判別する(ステップ31)。この際に、温度センサ8aによる検出温度が目標温度範囲内のときには、制御部9は、送風ファン5の動作状態(この例では、停止状態)を維持して、温度センサ8aによる検出温度の監視を継続する。また、温度センサ8aによる検出温度が、目標温度範囲外のときには、制御部9は、検出温度が目標温度範囲よりも低温であるか否かを判別する(ステップ32)。
【0035】
この際に、供給対象体の負荷が低下するなどして、温度センサ8aによって目標温度範囲よりも低温の温度が検出されたときには、制御部9は、送風ファン5を制御して回転数を低下させて(ステップ33)、温度センサ8aによる検出温度の監視を継続する。なお、温度調整処理30の開始直後のこの時点においては、送風ファン5が停止状態のため、制御部9は、送風ファン5を停止させた状態を維持して、温度センサ8aによる検出温度の監視を継続する。また、供給対象体の負荷が上昇するなどして、温度センサ8aによって目標温度範囲よりも高温の温度が検出されたときには、制御部9は、送風ファン5の回転数が予め規定された回転数(一例として、送風ファン5の最高回転数に達しているか否かを判別する(ステップ34)。この際には、規定された回転数に達していないと判別し、PID制御によって送風ファン5を制御して回転数を上昇させて(ステップ35)、温度センサ8aによる検出温度の監視を継続する。
【0036】
このように、この温度調整装置1では、温度センサ8aによる検出温度に応じて制御部9が送風ファン5の回転数をPID制御によって制御する。具体的には、検出温度が目標温度範囲よりも低温のときには、送風ファン5の回転数を低下させることで熱交換器4における水Wと空気との熱交換量を減少させて、熱交換器4から貯水槽2に給水される水Wの温度を上昇させる。また、検出温度が目標温度範囲よりも高温のときには、送風ファン5の回転数を上昇させることで熱交換器4における水Wと空気との熱交換量を増加させて、熱交換器4から貯水槽2に給水される水Wの温度を低下させる。したがって、熱交換器4や送風ファン5の周囲の温度が目標温度範囲よりも低温のときには、熱交換器4による冷却によって、貯水槽2内の水Wが目標温度範囲内の温度に温度調整される。これにより、排水管21を介して目標温度範囲内に温度調整された水Wが供給対象体に供給される。
【0037】
一方、温度センサ8aによる検出温度が目標温度範囲よりも高温であって(ステップ32)、かつ、送風ファン5の回転数が規定された回転数に達しているときには(ステップ34)、制御部9は、送風ファン5の動作状態を維持しつつ、電磁弁6を制御して、給水管24から貯水槽2への水道水の供給を開始する(ステップ36)。なお、本例の温度調整装置1では、一例として、一定時間間隔で電磁弁6を開閉させると共に、開放状態に制御する時間と閉塞状態に制御する時間との比率(以下、「開閉比率」ともいう)を制御することによって、給水管24から貯水槽2への水道水の供給量を調整する構成が採用されている。この場合、水道水の温度は、気温が高い夏期においても、常温(例えば25℃)よりも低温となっている。したがって、水道水が貯水槽2内に給水されて、貯水槽2内に貯水されている水Wと混合されることにより、排水口11から排水される水Wの温度を周囲の空気の温度よりも低下させることが可能となる。
【0038】
次いで、制御部9は、温度センサ8bによる検出温度(すなわち、排水管21を介して供給対象体に供給する水Wの温度)が、目標温度範囲内(この例では、35℃±2℃の範囲内)であるか否かを判別する(ステップ37)。この際に、温度センサ8bによる検出温度が、目標温度範囲内のときには、制御部9は、電磁弁6の開閉比率を維持して、温度センサ8bによる検出温度の監視を継続する。これにより、給水管24から貯水槽2への水道水の給水量が維持されて、排水口11から排水される水Wの温度が一定に維持される。また、温度センサ8bによる検出温度が、目標温度範囲外の温度のときには、制御部9は、検出温度が目標温度範囲よりも低温であるか否かを判別する(ステップ38)。
【0039】
この際に、供給対象体の負荷が上昇するなどして、温度センサ8bによって目標温度範囲よりも高温の温度が検出されたときには、制御部9は、開放状態の時間を長くするように電磁弁6の開閉比率を制御することによって給水管24からの水道水の給水量を増量させて(ステップ39)、温度センサ8bによる検出温度の監視を継続する。また、供給対象体の負荷が低下するなどして、温度センサ8bによって目標温度範囲よりも低温の温度が検出されたときには、制御部9は、開放状態の時間を短くするように電磁弁6の開閉比率を制御することによって給水管24からの水道水の給水量を減量させる(ステップ40)。
【0040】
なお、給水管24からの水道水の給水を開始した直後のこの時点においては、電磁弁6を制御して給水管24からの水道水の給水を停止させることとなる。したがって、制御部9は、水道水の給水を停止したと判別して(ステップ41)、前述した温度センサ8aによる検出温度の監視(熱交換器4による冷却後の水Wの温度の監視)を継続する(ステップ31)。一方、開放状態の時間を短くするように電磁弁6の開閉比率を制御することによって給水管24からの水道水の給水量を減量させた状態において(ステップ40)、水道水の給水を停止していないときには(ステップ41)、制御部9は、温度センサ8bによる検出温度の監視(貯水槽2内において水道水と混合された水Wの温度の監視)を継続する(ステップ37)。
【0041】
このように、この温度調整装置1では、送風ファン5の回転数が予め規定された回転数に達している状態においては、温度センサ8bによる検出温度に応じて制御部9が電磁弁6の開閉比率を制御して貯水槽2内への水道水の給水量を変化させる。具体的には、検出温度が目標温度範囲よりも高温のときには、水道水の給水量を増量させることで、水道水と混合された水Wの温度を低下させる。また、検出温度が目標温度範囲よりも低温のときには、水道水の給水量を減量させる(または、水道水の給水を停止させる)ことで、水道水と混合された水Wの温度を上昇させる。これにより、周囲の温度(空気の温度)が目標温度範囲よりも高温であったとしても、排水管21を介して目標温度範囲内に温度調整された水Wが供給対象体に供給される。
【0042】
なお、この温度調整装置1は、循環型の温度調整装置であり、供給対象体に対して供給した水Wとほぼ同量の水Wが回収されて貯水槽2内に貯水される。したがって、上記したように給水管24から貯水槽2に水道水を給水している状態においては、貯水槽2内の水Wの水位が上昇することとなる。この際には、規定量を超えた分だけ、貯水槽2内の水Wがオーバーフロー口13から排水管23に流れ込み、このような水Wを貯水するための図示しないタンクに貯水される(または、排水溝に排水される)。
【0043】
この場合、本例とは異なり、給水管24からの水道水が給水される給水位置14とオーバーフロー口13との間に仕切板16が存在しない貯水槽(図示せず)においては、給水管24からの給水に伴って貯水槽2内の水Wがオーバーフロー口13から排水されるときに、給水位置14に給水された低温の水道水が、貯水槽2内の高温の水Wと殆ど混合されることなく、図2に矢印Aで示すように、そのままオーバーフロー口13から排水されるおそれがある。このような状態においては、水Wの温度を低下させるために貯水槽2内に水道水を供給しているにも拘わらず、給水している水道水が無駄になるだけではなく、貯水槽2内の水Wの温度が殆ど低下しないおそれがある。
【0044】
これに対して、本例の温度調整装置1では、オーバーフロー口13と給水位置14との間に仕切板16が設けられて、オーバーフロー口13および給水位置14の間の距離(最短距離)よりも長い距離の水路Laがオーバーフロー口13および給水位置14の間に形成されている。このため、給水管24からの給水に伴って貯水槽2内の水Wがオーバーフロー口13から排水されるときには、給水位置14から給水された水道水よりも先に、水路Laにおける給水位置14近傍の高温の水Wが排水されることとなる。また、この温度調整装置1では、供給対象体から回収した水Wを貯水槽2内に導入する導入口12が、給水位置14よりもオーバーフロー口13の近傍に設けられている。したがって、給水管24からの給水に伴って貯水槽2内の水Wがオーバーフロー口13から排水されるときには、主として、導入口12から貯水槽2内に導入された直後の水Wが排水されることとなる。
【0045】
また、本例とは異なり、給水管24からの水道水が給水される給水位置14と排水口11との間に仕切板17が存在しない貯水槽(図示せず)においては、給水管24から給水位置14に給水された低温の水道水が貯水槽2内の水Wと十分に混合されることなく、図2に矢印Bで示すように、直ちに排水口11から排水されて供給対象体に供給されるおそれがある。このため、本例の温度調整装置1のように電磁弁6の開閉比率を制御することで水道水の給水量を調整する構成を上記の仕切板17が存在しない貯水槽に採用した場合には、給水位置14に水道水が給水されているとき(電磁弁6が開放状態に制御されているとき)には、主として低温の水Wが排水口11から排水され、水道水の給水が停止しているとき(電磁弁6が閉塞状態に制御されているとき)には、主として貯水槽2内の高温の水Wが排水口11から排水されることとなる。したがって、供給対象体に対して一定温度の水Wを供給するのが困難となるおそれがある。
【0046】
これに対して、本例の温度調整装置1では、排水口11と給水位置14との間に仕切板17が設けられて、排水口11および給水位置14の間の距離(最短距離)よりも長い水路Lbが排水口11および給水位置14の間に形成されている。このため、導入口12から導入されて図2に矢印C1で示すように水路Laを移動した水Wと、給水位置14に給水された低温の水道水とが、矢印C2で示すように水路Lbを移動して排水口11に達するまでに、これらが十分に混合される。これにより、給水位置14に給水された水道水が低温のままの状態で(貯水槽2内の水Wと十分に混合されることなく)排水口11から供給対象体に供給される事態が回避される。
【0047】
また、この温度調整装置1では、上記の仕切板17に複数の小孔17aが形成されている。したがって、給水位置14に給水された水道水の大半は、他の水Wと十分に混合されつつ、図2に矢印C2で示すように、水路Lbを通って排水口11に達して排水されるが、給水された水道水の一部は、矢印C3で示すように小孔17aを通過して排水口11の近傍の水Wと混合された後に排水される。したがって、本例の温度調整装置1では、給水位置14に水道水を給水した直後から、その水道水が水路Lbを通って排水口11に達するまでの間の十分に長い時間に亘って、貯水槽2内の高温の水Wと低温の水道水とが混合された適温の水Wが供給対象体に供給されることとなる。
【0048】
このように、この温度調整装置1、および温度調整装置1における温度調整方法によれば、予め規定された回転数(この例では、最高回転数)で送風ファン5を動作させている状態において温度センサ8bによって目標温度範囲よりも高温の温度が検出されたときに、電磁弁6を制御して目標温度範囲よりも低温の水を貯水槽2に給水させることで貯水槽2から供給対象体に供給する水Wの温度を目標温度範囲内に温度調整することにより、製造コストの高騰および装置の大型化を招くおそれがある冷凍サイクルを使用することなく、周囲の温度が目標温度範囲よりも高いときにも、目標温度範囲内に温度調整した水Wを供給対象体に供給することができる。
【0049】
また、この温度調整装置1によれば、規定量を超えたときに貯水槽2内の水Wを排水するオーバーフロー口13と給水管24からの水が給水される給水位置14との間に配設されて、オーバーフロー口13および給水位置14の間の距離よりも長い水路Laをオーバーフロー口13および給水位置14の間に形成する仕切板16を備えて貯水槽2を構成したことにより、給水管24から給水位置14に給水した低温の水道水がオーバーフロー口13から直ちに排水されてしまう事態を回避することができる。したがって、この温度調整装置1によれば、給水位置14に給水された水道水と貯水槽2内に貯留されている水Wとを十分に混合することができるため、供給対象体に供給する水Wの温度を目標温度範囲内に確実に温度調整することができる。
【0050】
また、この温度調整装置1によれば、熱交換器4による冷却が完了した水Wを導入する導入口12を、給水位置14よりもオーバーフロー口13の近傍に設けたことにより、給水位置14への給水に伴って貯水槽2内の水Wがオーバーフロー口13から排水されるときに、主として、導入口12から貯水槽2内に導入された直後の高温の水Wを排水することができる。したがって、オーバーフロー口13よりも給水位置14の近傍に導入口12を設ける構成と比較して、この温度調整装置1によれば、より高温の水Wを排水することができる結果、貯水槽2内の水Wを効率良く冷却することができる。
【0051】
また、この温度調整装置1によれば、給水管24からの水が給水される給水位置14と供給対象体に供給する水Wを排水する排水口11との間に配設されて、給水位置14および排水口11の間の距離よりも長い水路Lbを給水位置14および排水口11の間に形成する仕切板17を備えて貯水槽2を構成したことにより、給水管24から給水位置14に給水した水道水が低温のままの状態で排水口11から直ちに排水される事態を回避することができる。したがって、給水位置14に給水された水道水と貯水槽2内に貯留されている水Wとを十分に混合することができるため、供給対象体に供給する水Wの温度を目標温度範囲内に確実に温度調整することができる。
【0052】
さらに、この温度調整装置1によれば、小孔およびスリットの少なくとも一方(本例では、小孔17a)を仕切板17に形成したことにより、給水位置14に給水した水道水の大半を水路Lbにおいて貯水槽2内の水Wと十分に混合して排水口11から排水することができるだけでなく、給水位置14に水道水を給水した直後においても小孔17aを通過した水道水を排水口11の近傍の水Wと混合した状態で排水口11から排水することができるため、貯水槽2内に貯留した高温の水Wだけが排水口11から排水される事態を回避することができるか、または、そのような水Wだけが排水される時間を十分に短くすることができる。
【0053】
また、この温度調整装置1によれば、給水管24を上水道源に接続可能に構成して、「目標温度範囲よりも低温の水」としての上水道水を貯水槽2に給水可能に構成したことにより、給水する水(水道水)に大きな異物が混入していないため、大掛かりな濾過フィルタを設ける必要がない結果、製造コストを十分に低減することができると共に、水Wに雑菌の繁殖や腐敗などが生じない状態をある程度の期間に亘って維持することができるため、メンテナンスに要するコストを十分に低減することができる。
【0054】
さらに、この温度調整装置1によれば、貯水槽2に貯水した水Wを供給対象体に圧送する圧送ポンプ3を備えたことにより、水Wを循環させるためのポンプが存在しない供給対象体に水Wを供給する場合に、水Wを供給するためのポンプを別途用意することなく、供給対象体に温度調整装置1を接続するだけで、目標温度範囲内に温度調整した水Wを供給することができる。
【0055】
なお、「温度調整装置」の構成は、上記の温度調整装置1の構成に限定されるものではない。具体的には、温度センサ8aの検出温度に応じて送風ファン5の動作状態を制御し、温度センサ8bの検出温度に応じて電磁弁6の開閉比率を制御する構成の温度調整装置1を例に挙げて説明したが、例えば、温度センサ8bの検出温度に応じて送風ファン5の動作状態、および電磁弁6の開閉比率をそれぞれ制御する構成を採用することができる。この場合、本例の温度調整装置1のように温度センサ8a,8bを別個に設けることで、送風ファン5の動作状態、および電磁弁6の開閉比率をレスポンスよく、正確に制御することができる。また、上記したように温度センサ8bだけを設ける構成を採用することで、製造コストを十分に低減することができる。
【0056】
また、貯水槽2内の水Wを供給対象体に圧送する圧送ポンプ3を備えた構成を例に挙げて説明したが、圧送ポンプ3に代えて、または、圧送ポンプ3に加えて「吸引ポンプ(図示せず)」を、例えば給水管22における供給対象体と熱交換器4との間に配設して、供給対象体から水Wを吸引して回収すると共に、この吸引によって、貯水槽2内の水Wを供給対象体に供給する構成を採用することができる。これらの構成を採用した場合においても、圧送ポンプ3を備えた上記の温度調整装置1と同様の効果を奏することができる。さらに、電磁弁6の開閉比率を制御することによって給水管24から貯水槽2への水道水の給水量を変化させる構成を例に挙げて説明したが、電磁弁6に代えて、開弁率可変形の「給水弁」を給水管24に配設して、この「給水弁」の開弁率を制御する(変化せる)ことで給水管24から貯水槽2への水道水の給水量を変化させる構成を採用することもできる。
【0057】
また、「目標温度範囲よりも低温の水」は、水道水に限定されず、井戸水や伏流水などを使用することができる。この場合、井戸水や伏流水などを使用するときには、これらの水に含まれる異物(粉塵)を除去するためのフィルタを設けるのが好ましい。さらに、供給対象体に供給する水Wを冷却する構成を備えた温度調整装置1を例に挙げて説明したが、必要に応じて、水Wを加熱するための構成を付加することができる。具体的には、一例として、貯水槽2内に電気ヒータを配設して、温度センサ8aまたは温度センサ8bの検出温度が目標温度範囲よりも低温のときに、水Wを電気ヒータによって加熱することができる。
【符号の説明】
【0058】
1 温度調整装置
2 貯水槽
3 圧送ポンプ
4 熱交換器
5 送風ファン
6 電磁弁
7 バルブ
8a,8b 温度センサ
9 制御部
10 貯水槽本体
11 排水口
12,15 導入口
13 オーバーフロー口
14 給水位置
16,17 仕切板
17a 小孔
21,23 排水管
22,24 給水管
25 バイパス管
30 温度調整処理
La,Lb 水路
W 水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給対象体から回収した水を冷却する熱交換器と、当該熱交換器に送風する送風ファンと、当該送風ファンの動作状態を制御する制御部とを備えて、目標温度範囲内に温度調整した水を前記供給対象体に供給する温度調整装置であって、
前記熱交換器による冷却が完了した水を貯水可能に構成された貯水槽と、
前記貯水槽から前記供給対象体に供給する水の温度を検出する温度検出部と、
前記目標温度範囲よりも低温の水を前記貯水槽に給水する給水管に配設された給水弁とを備え、
前記制御部は、予め規定された回転数で前記送風ファンを動作させている状態において前記温度検出部によって前記目標温度範囲よりも高温の温度が検出されたときに、前記給水弁を制御して前記目標温度範囲よりも低温の水を前記貯水槽に給水させて前記供給対象体に供給する水の温度を当該目標温度範囲内に調整する温度調整装置。
【請求項2】
前記貯水槽は、予め規定された貯水量を超えたときに当該貯水槽内の水を排水するオーバーフロー口と前記給水管からの水が給水される給水位置との間に配設されて、当該オーバーフロー口および当該給水位置の間の距離よりも長い第1の水路を当該オーバーフロー口および当該給水位置の間に形成する第1の仕切板を備えている請求項1記載の温度調整装置。
【請求項3】
前記貯水槽は、前記熱交換器による冷却が完了した水を導入する導入口が、前記給水位置よりも前記オーバーフロー口の近傍に設けられている請求項2記載の温度調整装置。
【請求項4】
前記貯水槽は、前記給水管からの水が給水される給水位置と前記供給対象体に供給する水を排水する排水口との間に配設されて、当該給水位置および当該排水口の間の距離よりも長い第2の水路を当該給水位置および当該排水口の間に形成する第2の仕切板を備えている請求項1記載の温度調整装置。
【請求項5】
前記第2の仕切板には、小孔およびスリットの少なくとも一方が形成されている請求項4記載の温度調整装置。
【請求項6】
前記給水管が上水道源に接続可能に構成されて、前記目標温度範囲よりも低温の水としての上水道水を前記貯水槽に給水可能に構成されている1から5のいずれかに記載の温度調整装置。
【請求項7】
前記貯水槽に貯水した水を前記供給対象体に圧送する圧送ポンプ、および前記供給対象体から水を吸引して前記貯水槽に回収する吸引ポンプの少なくとも一方を備えている請求項1から6のいずれかに記載の温度調整装置。
【請求項8】
供給対象体から回収した水を冷却する熱交換器と、当該熱交換器に送風する送風ファンと、前記熱交換器による冷却が完了した水を貯水可能に構成された貯水槽と、前記貯水槽から前記供給対象体に供給する水の温度を検出する温度検出部と、前記目標温度範囲よりも低温の水を前記貯水槽に給水する給水管に配設された給水弁とを用いて、目標温度範囲内に温度調整した水を前記供給対象体に供給する際に、
予め規定された回転数で前記送風ファンを動作させている状態において前記温度検出部によって前記目標温度範囲よりも高温の温度が検出されたときに、前記給水弁を制御して前記目標温度範囲よりも低温の水を前記貯水槽に給水させて前記供給対象体に供給する水の温度を当該目標温度範囲内に調整する温度調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−237485(P2012−237485A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−106066(P2011−106066)
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(000103921)オリオン機械株式会社 (450)
【Fターム(参考)】