説明

温排水分別回収システム

【課題】 従来の液流染色機からの清排水の回収は、一つの回収タンクに行われていたために回収液の再利用さほど行われていなかった。
【解決手段】 液温に応じた回収タンクを複数用意して、一定温度の清排水が回収されるように、温度センサーで分別用バルブを切り替えながら回収を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液流染色機に付帯している熱交換器から排出される清排水を、分別して回収を行うシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の液流染色機からの清排水回収は、一括して回収が行われる。または、
回収せずに捨てられている。
【0003】
以下、図1により従来の清排水処理について説明をする。図において1は液流染色機、2は液流染色機本槽の循環ポンプである。3は熱交換器で冷却水入口バルブ4と冷却水出口バルブ5を有している。従来は冷却水出口バルブ5からの排水は、排水バルブ6から側溝へ排出されるか、回収バルブ7から一括して回収タンク8へ回収されている。
【特許文献1】特開2002−105842 公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上に述べた従来の回収方式では、一つの回収槽に一括して回収されるため高温・低温排水が混ざり合い50〜60℃の液温になっている。しかし、この液温で再利用するには、再度エネルギーを加えて所定の液温にする必要がありせっかくの温水回収がいかされていない場合が多い。
【0005】
本発明は、このような従来方式の構成が有していた課題を解決し有効利用しようとするものであり、分別回収することにより的確な用途に再利用できることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そして、本発明は上記目的を達成するために分別する液温に応じた回収槽、分別用バルブ、液温を検出するセンサーから構成され、液流染色機から、排出される清排水を液温に応じて制御系で分別用バルブを切り替えて回収を行う。
【0007】
分別用バルブまでに温度センサーを設置して、液温を計測しながら分別バルブを切り替える。よってある一定範囲の液温の排水が回収タンクの中に注入される。
【発明の効果】
【0008】
上述したように本発明の温排水分別回収システムは、一定範囲の液温の水なので、各個別の用途に再利用可能である。
染色工場では、〜40℃までは液流染色機に、50〜80℃までは精錬工程に、また80℃以上では吸引式の空調機の熱源に利用できる。
【0009】
また、必要な液温を得るために従来では、加熱・冷却の処理をすることが必要であった。例えば、1トンの60℃の水を70℃にするには1万キロカロリーの熱量が必要であり、80℃にするにはその二倍必要である。よってこのシステムは経済的な効果もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の状態を図2に基づいて説明する。
【0011】
図において3は熱交換器で冷却水入口バルブ4と冷却水出口バルブ5を有している。5から排水切替バルブ11へは配管で接続される。11からは側溝へ排出されるか、各分別用バルブ13までは配管で接続され、各回収タンク14へ回収される。
温度センサー12は液温を検出する。
【0012】
以下、上記構成の動作を説明する。
熱交換器3から冷却水出口バルブ5より清排水が流れ出る。排水切替バルブ11から分別用バルブ13までの間で、温度センサー12にて液温を検出して所定の分別用バルブを1つだけ開き、回収タンクに注入する。各回収タンク14にはある範囲の液温の清排水しか注入されないように制御を行う。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】従来の液流染色機に付帯する系統図
【図2】本発明を組み込んだ液流染色機に付帯する系統図
【符号の説明】
【0014】
1 液流染色機
2 循環ポンプ
3 熱交換器
4 冷却水入口バルブ
5 冷却水出口バルブ
6 排水バルブ
7 回収バルブ
8 回収タンク
11 排水切替バルブ
12 温度センサー
13 分別用バルブ
14 回収用タンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械装置により排出される再利用可能な排水を、液温により分別回収するシステム
【請求項2】
分別する液温に応じた回収槽、分別用バルブ、液温を検出するセンサーから構成され、液流染色機から、排出される清排水を液温に応じて分別回収を行う要求項1記載のシステム。
【請求項3】
複数ある分別用バルブを液温にて制御する要求項1記載のシステム

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−92890(P2007−92890A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−283570(P2005−283570)
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(305046387)豊田工業 株式会社 (2)
【Fターム(参考)】