説明

測定の不確実性を考慮した多次元測定データの公差域への適合

測定座標系内で集めた測定データを、測定の不確実性を考慮に入れて、幾何公差域に適合させる。測定データを適合させるための幾何学的自由度を用いて、測定データに関連した不確実領域を公差域内に適合させる。典型的には、測定データは多次元であり、不確実領域は異なったサイズを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は幾何公差に対する多次元測定データの評価に関し、特に、ベストフィットアルゴリズムを用いるとともに測定の不確実性を考慮に入れた評価に関する。
【背景技術】
【0002】
試験部品の幾何学的寸法に関する測定データは、さまざまなタイプの測定器具を用いて得ることができ、接触式測定および非接触式測定が含まれる。個々の試験部品に関連した複数のデータ点は、一般的に、測定器具の共通の基準を通して互いに関係付けられている。
【0003】
製造された試験部品の合格・不合格判定用の計測プログラムにおいては、試験部品の測定データ点を、試験部品の理想上または名目上の境界(ideal or nominal definition)「名目上のモデル境界( nominal model boundary )とも称される」と比較する。この理想境界をまたいで幾何公差域が定められる。この交差域は、測定データ点が理想の部品境界から逸脱しても許容され得る範囲を特定する。ベストフィットアルゴリズムは、試験部品の測定データ点全体を試験部品の理想境界に適合させるものである。測定データ点全体を最良適合(best fit)させる際に、測定データ点の共通の座標系を理想の部品境界の座標系に対して調整する。
【0004】
多くのベストフィットアルゴリズムは、測定データ点の理想の部品境界からの偏差量が全体として最小となるような、理想の部品境界に対する測定データ点の位置を見つけ出す。部品の全次元における公差が理想の部品境界を中心に等しく均衡が取れていれば、これはよい解決法となり得る。しかし、このような理想の部品境界に向かって収束するベストフィットアルゴリズムは、1またはいくつかの測定データ点が公差から逸脱していると、他の点では公差内に適合しても、試験部品を拒絶して(不合格にして)しまう可能性がある。
【0005】
Haertigらの米国特許第6,665,080号で提案された方法においては、各点ごとに非線形最適化を行い、全データ点を幾何公差内に最良適合させている。換言すれば、部品の理想境界を特に考慮することなく、全てのデータ点を公差の境界内(すなわち、公差域内)にできる限り最適に適合させている。
【0006】
試験部品の実寸法を表わす測定データの信頼性もまた、測定された試験部品が実際に公差内に収まっているかどうかに関する判定の信頼性に影響を及ぼす。測定誤差は誤判定につながりかねず、この誤判定においては、公差域を逸脱している測定試験部品が公差域内に存在するものと判定され、公差域内に存在する一部の測定試験部品が公差域を逸脱していると判定される。このような誤差を減らすため、測定の不確実性が数量化され、統計的に試験部品のより優れた評価が可能となった。
【0007】
試験部品測定の不確実性は、測定器具の精度、計測の際の環境条件、人工物の特性、計測担当者の知識、計測手技等のさまざまな要因に依存する。不確実性は測定点ごとに異なる可能性がある。不確実性を推定し、かつ試験部品を既知の公差と比較して合格・不合格の判定を行う際にその不確実性を適用するために、ある基準が開発された。
【0008】
推定された不確実性を適合されたデータに適用することで、統計的により正確な測定結果が得られる。ガウスの誤差推定に基づいて、各測定点を特定の信頼区間に対応した不確実範囲と関連づけることができる。たとえば、測定点の不確実範囲を、測定値の2標準偏差以内の範囲をカバーする、信頼水準95%の信頼区間に対応するように定めることができる。いわゆる許容域は、理想の部品境界の両側の公差域境界を、不確実範囲の2分の1に対応するガードバンド分だけ縮めることによって、規定することができる。許容域内の測定点は、少なくとも95%以上の確率で実際に公差域内に存在する。全ての測定点が許容域内に適合する試験部品は、一般的に公差内に収まるものとして許容される(合格となる)。
【0009】
不確実領域は、公差境界の両側に、上記不確実範囲の2分の1に当たる分ずつまたがっている。不確実領域内の測定点は、所望の信頼水準において公差域に収まるのか、公差域から外れているのかを判定することができない。不確実領域内の測定点を有する試験部品は、一般的には、公差域に収まるとして許容される(合格となる)ことはない。不確実領域外の測定点を有する試験部品は、公差を逸脱していると見なされ、拒絶される(不合格となる)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ベストフィット方法と、その後行われる測定データ点の不確実性解析の結果を用いて、試験部品を許容する、許容せず、拒絶するの判定をし、当該部品を合格させるのに必要な修正に関する決定を行うことが多い。実際は公差内に収まっているであろう試験部品を許容しなかったり拒絶する判定や、実際には公差を逸脱しているであろう試験部品を許容する(合格とする)判定は、重要な影響を及ぼしかねない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
測定データ点を公差域内に最良適合(ベストフィット)させる際に、測定の不確実性を積極的に組み込むと、部品を許容する、許容しない、拒絶するの決定に、より正確な基準を提供することが出来る。たとえば、測定点の公差域をその測定点の不確実範囲の分だけ縮小することにより、測定点ごとの局所許容域を定めることが出来る。
ベストフィットアルゴリズムを用いて、部品の測定データ点の全部あるいは出来るだけ多数が局所許容域内に適合する解を求めることが出来る。
測定点を全体として公差域に適合させようとする際に、測定の不確実性を積極的に組み込むことで、部品を許容する(合格にする)ためのより多くの解が得られ、測定部品がその部品に設定された公差域の内側あるいは外側に実際に存在するという信頼性の向上がもたらされる。
【0012】
本発明の一態様は、測定部品を公差域に対して比較するための多次元測定データの取扱い方法に関するもので、試験部品の測定位置に対応する、一組の多次元データ点の取得を含んでいる。このデータ点の複数の次元に不確実範囲を関連づけ、測定座標系内において、データ点を取り囲む、大きさの異なる不確実領域を定める。上記測定座標系における上記サイズの異なる不確実領域を、上記理想座標系の上記公差域内に適合させるために、少なくとも2自由度を用いて、上記測定座標系を上記公差域の理想座標系に対して相対移動する。上記測定座標系と上記理想座標系との相対的な位置づけにおいて、上記測定座標系における上記サイズの異なる不確実領域が、上記理想座標系における上記公差域内に全体として適合するか否かを判定し、上記部品の合格、不合格を判定する。
【0013】
好ましくは、測定座標系の相対移動は、サイズの異なる不確実領域を、理想座標系の公差域に対して全体的に平行移動することおよび回転することを含む。たとえば、測定座標系を(a)理想座標系に対して2つの直交方向において相対的に平行移動することができ、また(b)理想座標系に対して、少なくとも1つの直交軸を中心として相対回転することができる。部品を3次元測定する場合は、測定座標系を理想座標系に対して3つの直交方向において平行移動することができ、また理想座標系に対して3つの直交軸を中心として相対回転することができる。
【0014】
好ましくは、多次元データ点は、少なくとも2つの空間次元における値を含む。
個々のデータ点の空間次元の不確実範囲は、データ点によってまちまちである可能性がある。また、異なるデータ点において、同一の空間次元における不確実範囲が異なる可能性もある。
2つ以上の空間次元の不確実範囲を用いて、個々のデータ点を取り囲む不確実領域を定めることができる。たとえば、2つの次元において等しい不確実範囲を用いて、実質的に円形の面分を有する不確実領域を定めることが出来る。2つの次元において等しくない不確実範囲を用いて、実質的に楕円形の面分を有する不確実領域を定めることが出来る。
本発明は、不確実領域が径方向に非対称の空間領域を占める場合に特に適しており、測定座標系と理想座標系との相対的な位置づけの1つにおいて、測定座標系の非対称な不確実領域が理想座標系の公差域内に適合するか否かを判定し、部品の合格、不合格を判定することが出来る。
【0015】
上記多次元データ点は、3つの空間次元における値を含むことができる。3つの空間次元における不確実範囲を用いて、個々のデータ点を取り囲む3次元の不確実領域を定めることができる。公差域も3次元の空間領域を占めることができる。不確実領域と公差域とのオーバーラップの全体量を検討し、不確実領域が公差域と完全にオーバーラップする最良適合解に近づけることができる。不確実領域の境界と公差域の境界とを比較し、不確実領域の境界と公差域の境界との間隔を最大にすることができる。
【0016】
本発明の別の一態様は、測定データ点を幾何公差に対して評価する方法に関するものであって、測定データ点を不確実範囲と関連づける。幾何公差を測定データ点の不確実範囲に基づいて修正し、その測定データ点の局所許容域を定める。測定データ点を局所許容域に対して全体的に相対移動させる。測定データ点が全体として局所許容域内に適合する解を得るために、測定データ点と局所許容域との間の異なった相対位置において、測定データ点の局所許容域に対する位置を評価する。
【0017】
上記不確実範囲は、所望の信頼水準に関連した測定の不確実性に基づいており、上記測定データ点が所望の信頼水準において占めると期待され得る幾何学的範囲を決定する。
さらに、不確実範囲は測定データ点によってまちまちであってもよい。測定データ点をその測定データ点の局所許容域に対して相対的に平行移動および回転することができる。
ベストフィットアルゴリズムを実行し、測定データ点が局所許容域内に適合する解を求めることができる。特に、ベストフィットアルゴリズムを実行し、測定データ点の局所許容域からの偏差が最小となる解を求めることができる。
【0018】
本発明のまた別の一態様は、測定データ点の不確実範囲を考慮して、測定データ点を幾何公差域内に適合させる方法であって、測定データ点を幾何公差域と比較し、測定データ点の幾何公差域内への適合度を評価することを含む。測定データ点の幾何公差域内への適合度の評価に、測定データ点の不確実範囲が組み込まれている。測定データ点の幾何公差域に対する位置づけのために、利用可能な自由度に従って、測定データ点を全体的に相対的に変換する。測定データ点の幾何公差域内への適合度に関する評価を繰り返し、測定データ点の不確実範囲を考慮して、測定データ点が幾何公差域内に最良適合する解を求める。
【0019】
本発明のさらに別の一態様は、部品の測定データ点が、望ましい信頼水準において、幾何公差域内に適合し得る実際の部品を表わしているか否かを判定する方法を含む。
上記測定データ点のそれぞれに幾何学的不確実範囲を関連づける。この不確実範囲は、上記測定データ点の予想されるばらつきの統計式に基づくものであり、所望の信頼水準によって境界を付されている。
上記測定データ点に関連した異なる幾何学的不確実範囲を考慮して、上記測定データ点を幾何公差域内に適合させる。これは、上記測定データ点を全体的に、上記測定データ点毎の上記異なる幾何学的不確実範囲に対応する量だけ上記幾何公差域内に適合させることによって行う。
【0020】
好ましくは、上記測定データ点を上記幾何公差域に対して全体的に移動させ、上記測定データ点が上記幾何公差域内に適合しない誤差量を、上記測定データ点の異なる幾何学的不確実範囲に対応する量により計算する。
好ましくは、測定データ点は、測定座標系内に空間位置を有する多次元データ点である。幾何公差域は理想座標系内の空間領域を占めている。
上記測定データ点の上記異なる幾何学的不確実範囲に対応する量だけ、上記測定座標系を上記理想座標系に対して相対移動させることにより、上記測定データ点が上記幾何公差域内に適合するような、上記測定座標系と上記理想座標系との相対的な位置づけを決定する。この相対移動は、好ましくは、測定座標系と理想座標系との間の相対平行移動および相対回転を両方とも含む。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1A】試験部品の一次元データを示す図で、サイズの異なる不確実範囲を、部品の合格・不合格判定のための公差域に重ねて示す。
【図1B】一次元データを公差域に対して相対的に平行移動し、一次元データおよびサイズの異なる不確実範囲を、公差域の上部境界と下部境界との間に適合させた様子を示す、同様の図である。
【図2A】試験部品の二次元データを示す図で、サイズの異なる不確実領域を、部品の合格・不合格判定のための公差域に重ねて示す。
【図2B】二次元データを公差域に対して相対的に平行移動および回転させ、二次元データおよびサイズの異なる不確実領域を公差域の内側境界と外側境界との間に適合させた様子を示す、同様の図である。
【図3】公差域境界と重なった楕円形の不確実領域を有する測定データ点を示すとともに、局所許容域を規定するための幾何学的構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0022】
本発明は、主として、2以上の次元を有する空間における点の計測に関するものであるが、少なくとも部分的には、図1Aと図1Bに示す1組の測定点A−Kのような、一次元計測に関する説明で理解することができる。測定点A−Kは、垂直方向の相対変位によって表わされる測定値を有している。測定点A−Kは水平方向に離間しているが、これは、点の位置を示すためではなく、点を区別するためである。
【0023】
各測定点と関連づけられた図中のバー10A−10Kは、測定点の真の値に関する不確実範囲を表わす。ガウス分布(正規分布)であると仮定すると、上記不確実範囲の上部境界と下部境界は、選ばれた信頼区間に対応する。たとえば、信頼区間95%では、測定値の2標準偏差内の値域がカバーされる。
【0024】
図1A、図1Bにはまた、公差域16の上部境界12と下部境界14が示されている。この交差域16は、名目値18よりも大きい値と小さい値の範囲を表わしている。点A−Kによって測定された試験部品が許容される(合格する)ためには、測定点A−K全部が公差域16の上部境界12と下部境界14の間に存在しなければならない。
好ましい計測方法においては、測定点A−Kの不確実性も考慮に入れており、本発明の目的に従って、試験部品を合格にするための付加的要件を課している。すなわち、各測定点A−Kと関連付けられた不確実範囲10A−10Kもまた、公差域16の範囲内に存在するという要件である。この付加的要件は、上部境界22と下部境界24との間のより狭い許容域26を定める。この上部境界22と下部境界24は、公差域16の上部境界12と下部境界14から、不確実範囲10A−10Kの2分の1に当たる分だけ偏倚している。縮められた許容域26の上部境界22と下部境界24との間に存在するあらゆる測定点A−Kは、不確実範囲10A−10Kに関連した信頼水準において、公差域16内に存在すると推定することができる。このように、許容域26は、測定点A−Kが所望の信頼水準において公差内に収まるか否かを評価する、便利な方法を提供する。
【0025】
図1Aに示された測定点A−Kはすべて公差域16内に収まっているが、2点E、Hは許容域26の外に存在している。したがって、測定点E、Hの不確実範囲10E、10Hは、公差域16の外に延びている。測定の不確実性を考慮するための付加的要件を加味すると、この試験部品は、この測定結果では許容する(合格にする)ことができない。
【0026】
本発明の目的に沿って考えると、測定点A−Kは互いに参照されるが、絶対的な値を持つものではない。むしろ、点A−Kのすべてが測定される基準は、それ自体任意である。同様に、公差域16の上部境界12と下部境界14は、ばらつき(粗さ等)の限られた範囲を定めるが、そのばらつきの範囲が測定される基準は任意である。
したがって、測定点A−Kを公差域16の境界12、14と比較するために、より厳密には許容域26の境界22、24と比較するために、測定点A−K全体を、測定の次元に沿って公差域16と許容域26に対して平行移動して、これら公差域および許容域内への最良適合を求めることができる。
【0027】
図1Bは図1Aの測定点A−Kのそのような最良適合解を表わしている。この最良適合解において、測定点A−Kおよびそれぞれの不確実範囲10A−10Kは、公差域16内にすべて適合している。そのようにすると、測定点A−Kが全て許容域26内に収まっていることがわかる。このように、測定点A−Kを、公差域16の名目値18に対して距離T分だけ相対的に平行移動させれば、この試験部品は合格することができる。
【0028】
ここで提案する最良適合解は、測定点A−K全体の、公差域16の名目値18に対する最良適合ではない。ここで提案する最良適合解は、測定点の不確実範囲10A−10Kを積極的に考慮に入れ、相対的平行移動によって与えられる自由度1を利用して、測定点A−Kの不確実範囲10A−10Kを公差域16内に最大限適合させるものである。
【0029】
本発明の原理は、1次元データから生まれたものであるが、本発明は多次元データを扱う処理において最も有用である。このような測定点は、少なくとも2つの次元において値を有している。複数次元において、幾何公差域は一般的に、部品の所定の向きについて、理想の部品境界すなわち名目の部品境界(名目のモデル境界とも称される)をまたいでいる。しかし、実際の部品が測定される向きに関しては、一般的に、測定点がどの程度うまく公差域内に適合しているか、ということ以上は分からない。
2次元の値を有する測定点については、測定点を公差域に全体として適合させる際に利用可能な自由度は、3までである。つまり、平行移動の直交軸が2つと、この平行移動の軸と直角な回転軸が1つである。
3次元の値を有する測定点の場合は、測定点を公差域に全体として適合させる際に利用可能な自由度は、6までである。つまり、平行移動の直交軸が3つと、それに対応する回転の直交軸が3つである。
【0030】
2次元データ点の公差域は、一般的に境界を有する面からなり、3次元データ点の公差域は、一般的に境界を有する立体からなる。公差域のサイズは、次元、特徴または試験部品の位置によって異なる可能性がある。
本発明の更なる目的に従い、多次元データの不確実範囲もまた、多次元空間を占める。多次元点のための測定次元に対応する不確実範囲は、閉じられた空間領域として規定することができる。たとえば、2つの次元において等しい不確実範囲を有する2次元データは、円形の境界内の空間領域として規定することができる。3つの次元において等しい不確実範囲を有する3次元データは、球形の境界内の空間領域として規定することができる。異なった次元において不確実範囲が異なる場合は、違う形の空間領域を定める可能性があり、2次元の場合は楕円形、3次元の場合はフットボール形(様々に潰れたフットボールの形)になり得る。
【0031】
図2A、図2Bは、1組の2次元測定データ点a−qを示す。この2次元測定データ点a−qはサイズの異なる円形の領域に囲まれており、この円形の領域は、各2次元データ点a−qのサイズの異なる不確実領域30a―30qを表わしている。
内側境界32と外側境界34を有し理想の部品境界(名目モデル境界)38にまたがる幾何公差域36が、1組の測定データ点a−qに任意に重ね合わされ、測定データ点a−qが所望の公差域内に収まるかどうか評価される。内側境界32と外側境界34との間隔は、水平方向と垂直方向とで異なり、このことは、異なる次元において公差が異なることを示している。幾何公差域36の形状とサイズは、試験部品に設定されたさまざまな公差によって異なる。
【0032】
すべての測定点a−qは、共通の測定座標系40を通して、互いが参照される。この測定座標系は、図2Aにおいては、理想(名目)の部品境界38およびそれに関連した公差域36の理想座標系42と一致して、描かれている。測定データが2次元であるため、測定座標系40および理想座標系42は、いずれも共通の平面(図2Aと図2Bの平面)に限定されている。しかし、2つの系40、42の互いに対する向きは、この共通平面において任意に決めることができる。
【0033】
図2Aに見られるように、いくつかの不確実領域30d、30e、30i−30m、30oは、少なくとも部分的に公差域36の外側に存在している。しかし、測定座標系40は、共通の平面上において理想座標系42に対して平行移動および回転のいずれも可能であり、すべての不確実領域30a−30qが公差域36内に収まるような向きを探すことができる。たとえば、ベストフィットアルゴリズムをアレンジし、測定点a−qをその不確実領域30a−30qと共に全体として平行移動および回転させることにより、すべての不確実領域30a−30qが公差域36内に適合するための最適解を求めることができる。図2Bはそのような解を示しており、測定座標系40を理想座標系42に対して、距離Tだけ平行移動し、角度αだけ回転して、所望の解を得ている。
【0034】
不確実領域30a−30qが円形である限り、サイズが異なっていても、測定点a−qと公差域境界32、34との間に要求される間隔は、測定点a−qから公差域境界32または34まで延びる最短ラインに沿って、測定することができる。
それぞれの不確実領域30a−30qのサイズに従って、測定点a−q毎に公差域境界32、34との間の異なる最小間隔を要求する。このように最小間隔を求めることで、測定点a−qの即席の許容域が定められる。
【0035】
不確実領域の形状が円形または球形からかなり外れる場合、不確実領域自体の公差域境界への最短ラインは、測定点から公差域境界までの最短ラインと同一でないかも知れない。たとえば、図3は楕円形の不確実領域50Mを有するデータ点Mを示す。この不確実領域50Mは、測定点Mから公差域境界52への最短ライン上においては公差域境界52内に留まっているが、公差域境界52の外側まで延びてしまっている。
【0036】
不確実領域50Mの境界66上にあって最も公差から外れている点56は、名目モデル境界62と不確実領域境界66との間の共通法線に沿って、名目モデル境界62から最大距離MDにある、境界66上の接点として定められる。すなわち、「最悪」点56は、不確実領域50Mの境界66(たとえば、周または面)の接平面58と法線60との交差点に存在する。この法線60は、名目モデル境界62と不確実領域境界66の両方に対して垂直に延びている。
公差域境界52と「最悪」点56との間の共通法線60に沿う距離“W”は、「最悪」点56がどの程度公差から外れて公差域境界52の外側に存在しているかの指標となる。
測定点Mを通る平行な線分54に正投影すると、距離“W”はまた、測定点Mが局所許容域境界64からどの程度外れているかの指標となる。このように、距離“W”は、点Mを線分54に沿って平行移動させ、不確実領域50Mを公差域境界52内に収め、また測定点Mを許容域境界64内に収めるために必要な最低距離を定める。
【0037】
楕円形の不確実領域50Mのような不確実領域は、測定点の次元数に応じて、2次元または3次元の任意の形をとることができる。このような不確実領域のいわゆる「最悪」点56は、不確実領域境界66と名目モデル境界62との共通法線60上の、名目モデル境界62からの距離が最大距離MDとなる点である。「最悪」点56を含む不確実領域境界66(すなわち、3次元の面)は以下のようにパラメータの形で表わすことができる。
x=x(u,v) (1.1)
y=y(u,v) (1.2)
z=z(u,v) (1.3)
【0038】
式(1.1)、(1.2)、(1.3)にuとvの値を与えると、不確実領域面66上のあらゆる可能な点(x,y,z)が得られる。不確実領域面66上の点(x,y,z)における面法線ベクトル(X,Y,Z)を、式(1.1)、(1.2)、(1.3)から、以下のように求めることができる。
【数1】

【0039】
等式(2.1)、(2.2)、(2.3)において、偏導関数が、(u,v)のパラメータで、点(x,y,z)の面法線ベクトル(X,Y,Z)を計算する。この点(x,y,z)は、不確実領域境界66と名目モデル境界62との共通法線60上にあるため、(x,y,z)での「最悪」点56における面法線ベクトル(X,Y,Z)は、上記共通法線60方向の座標(p,q,r)を有する法線ベクトルRと平行である。以下の等式が当てはまる。
X=p (3.1)
Y=q (3.2)
Z=r (3.3)
【0040】
等式(2.1)、(2.2)、(2.3)と(3.1)、(3.2)、(3.3)を用いて、上記の条件を満たす組(u,v)をすべて求めることができる。(u,v)の累乗根(ルート)を等式(1.1)、(1.2)、(1.3)に代入すれば、接点の座標が得られる。可能な解のうち、(x,y,z)における「最悪」点56は、名目モデル境界62から最大距離MDに存在する。
【0041】
本発明を実践するためのベストフィットアルゴリズムは、測定点(M)の不確実領域(50M)全体を公差域68内に適合させようとするもので、これはまた、測定データ点(M)全体をその局所許容域(70M)内に適合させることに対応する。
【0042】
測定の不確実性を考慮に入れずに行う通常のベストフィットアルゴリズムは、一般的に誤差関数:F(Di,T)の最小化を提供する。
ここで、
・Diは、i番目の測定点の、名目モデル境界62からの距離Dを表わし、
・Tは、関連した公差域境界(52)の、名目モデル境界62からの距離を表わす。
【0043】
測定の不確実性を考慮に入れると、上記の関数は、以下のように修正される。
F(MDi,T)
ここで、
・MDiは、i番目の測定点の、名目モデル境界62からの修正された距離MDを表わし、
・Tは変わらず、関連した公差域境界(52)の、名目モデル境界62からの距離を表わす。
【0044】
ベストフィットアルゴリズム自体は、本発明による修正を必要としない。しかし、公差域境界68内への適合を達成するために用いるデータが異なってくる。測定点(M)の、名目モデル境界62からの距離Dを用いる代わりに、不確実領域境界(66)上のいわゆる「最悪」点(56)の距離MDを用いる。新しい目的は、測定点(M)のすべての不確実領域(50M)を完全に公差域68内に適合させることである。測定点(M)が公差域68の内側に存在するか、外側に存在するかにかかわらず、同じ計算を行う。
【0045】
ベストフィットアルゴリズムは、測定データ点(M)およびその不確実領域(50M)の全体が、どれほどうまく公差域68内に適合しているかを、測定点(M)と公差域68との一連の相対位置(つまり相対的平行移動および相対回転)を通して、比較する。あらゆる相対位置(これら相対位置では、測定点(M)の公差域68に対する向きが変更される)において、各測定点(M)について、異なった距離値MDiを算出することできる。
解は、相対移動に利用できる自由度において、不確実領域(50M)が公差域68内に最も良く適合する相対位置を同定する。すべての測定点(M)の距離値MDiが公差域境界(52)間に規定された距離の範囲内に収まれば、測定部品(図示せず)は合格することができる。
【0046】
上記と同等の手法として、ベストフィットアルゴリズムを、測定点(M)の位置をその局所許容域(70M)と比較するデータを利用できるようにアレンジする。
F(Di,Li)
ここで、
・Diは変わらず、i番目の測定点の、名目モデル境界62からの距離Dを表わし、
・Liは、i番目の測定点に関連した局所許容域境界(64)の、名目モデル境界62からの距離を表わす。
【0047】
測定点(M)の公差域68に対する相対位置毎に、各測定点(M)における局所許容域境界(64)の名目モデル境界62からの距離Liを算出する。新しい目的は、すべての測定点(M)をその局所許容域(70M)内に適合させることであり、この局所許容域(70M)は、各点ごとに、不確実領域(50M)のサイズ、形状および向きを考慮に入れて、定められる。
【0048】
ベストフィットアルゴリズムは、測定データ点(M)全体が、どれほどうまくその局所許容域(70M)内に適合するかを、測定点(M)と公差域68との間の一連の相対位置(つまり相対的平行移動および相対回転)を通して、比較する。
測定点(M)の公差域68に対する向きが変更された各相対位置において、全ての測定点(M)について異なった局所許容域境界(64)を算出することできる。
解は、相対移動に利用可能な自由度において、測定点(M)がその局所許容域(70M)内に最も良く適合する相対位置を同定する。すべての測定点(M)がその局所許容域(70M)内に適合すれば、部品は合格することができる。
【0049】
公差基準が満たされた時点で、最適化を終了することができる。しかし、測定点(M)をその局所許容域境界(64)よりもさらに内側の位置に適合させる、すなわち、「最悪」点(56)を公差域境界(52)よりもさらに内側の位置に適合させる解を求めることもできる。そうすることで、全ての測定点が実際に公差内に収まる信頼性を、より高く設定することが可能となろう。
異なった測定点について、異なった信頼区間を設けることも可能であり、その場合、最適化のルーチンは戻って、その変更後の基準を満たすような新たな解を求める。更なる分析を用いて、製造の傾向を監視し、積極的に対応することができる。
【0050】
同様に、(a)局所許容域内に適合しない測定点または、(b)公差域の外側に偏位した「最悪」点を有する部品については、さらに評価を行い、信頼水準をどこまで下げれば、その部品が許容され得る(合格する)のかを決めることができる。局所許容域を逸脱した測定点の数と位置のような付加的要因に基づいてさらなる判定を行い、そのような部品の合格、不合格を決めることができる。この情報を用いて、部品を公差内にさらに収めるための修正作業を定めることもできる。
【0051】
測定データ点の次元が付加されると、それに伴って、測定データ点を許容域内に適合させるための自由度が付加される。3次元データ点の不確実領域と公差域は、ともに空間体積を占め、測定点をその3次元の不確実領域と共に3つの垂直方向に相対的に平行移動させ、垂直方向の軸の周りを相対回転させて、公差域の空間体積内への最良適合を求めることができる。
【0052】
限られた数の実施例に関して本発明を説明してきたが、本発明の趣旨と範囲を逸脱することなく、他の実施例および変形例が多数可能であることが当業者には理解されるであろう。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定部品を公差域と比較するための多次元測定データ処理方法であって、以下の工程を備えた方法。
試験部品の測定位置に対応する、一組の多次元データ点を取得する。
不確実範囲を上記データ点の上記多次元に関連づけ、上記データ点を取り囲むサイズの異なる不確実領域を測定座標系内において定める。
上記測定座標系における上記サイズの異なる不確実領域を、上記理想座標系の上記公差域内に適合させるために、少なくとも2自由度を用いて、上記測定座標系を上記公差域の理想座標系に対して相対移動させる。
上記測定座標系と上記理想座標系との相対的な位置づけにおいて、上記測定座標系における上記サイズの異なる不確実領域が、上記理想座標系における上記公差域内に適合するか否かを判定し、上記部品の合格、不合格を判定する。
【請求項2】
上記相対移動の工程が、上記サイズの異なる不確実領域を、上記理想座標系の上記公差域に対して全体的に平行移動および回転することを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上記相対移動の工程が、上記測定座標系を上記理想座標系に対して相対平行移動すること、および上記測定座標系を上記理想座標系に対して相対回転することの両方を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
上記相対移動の工程が、上記測定座標系を上記理想座標系に対して、少なくとも2つの直交方向において相対平行移動することを含むことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
上記相対移動の工程が、上記測定座標系を上記理想座標系に対して、少なくとも1つの直交軸を中心として相対回転することを含むことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
上記相対移動の工程が、上記測定座標系を上記理想座標系に対して3つの直交方向において相対平行移動すること、および、上記測定座標系を上記理想座標系に対して2つ以上の直交軸を中心として相対回転することを含むことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
上記多次元データ点が少なくとも2つの空間次元における値を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
個々のデータ点の上記空間次元の上記不確実範囲が、データ点毎にまちまちであることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
異なるデータ点において、同一の空間次元の不確実範囲が異なることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
2つ以上の空間次元における上記不確実範囲が、上記個々のデータ点を取り囲む不確実領域を定めることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
2つの空間次元における不確実範囲が等しく、定められる不確実領域が実質的に円形を有することを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
2つの空間次元における不確実範囲が異なり、定められる不確実領域が実質的に楕円形を有することを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
上記不確実領域のうちの少なくとも幾つかが径方向に非対称な空間領域を占め、上記判定の工程が、上記測定座標系と上記理想座標系との相対的な位置づけの1つにおいて、上記測定座標系の非対称な不確実領域が上記理想座標系の上記公差域内に適合するか否かを判定し、上記部品の合格、不合格を判定することを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
上記多次元データ点が3つの空間次元における値を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
3つの空間次元における上記不確実範囲が、上記個々のデータ点を取り囲む3次元の不確実領域を定めることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
上記公差域が3次元領域を占めることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
上記判定の工程は、上記不確実領域と上記公差域との全体のオーバーラップ量を検討し、上記不確実領域が上記公差域に完全にオーバーラップする解に近づけることを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
上記判定の工程が、上記不確実領域の境界と上記公差域の境界とを比較し、上記不確実領域の境界と上記公差域の境界との間隔を最大にすることを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
測定データ点を幾何公差に対して評価する方法であって、以下の工程を備えた方法。
上記測定データ点を不確実範囲と関連づける。
上記幾何公差を上記測定データ点の上記不確実範囲に基づいて修正し、上記測定データ点の局所許容域を定める。
上記測定データ点を上記局所許容域に対して全体的に移動させる。
上記測定データ点の全体が上記局所許容域内に適合する解を得るために、上記測定データ点と上記局所許容域との間の異なった相対位置において、上記測定データ点の上記局所許容域に対する位置を評価する。
【請求項20】
上記不確実範囲は、所望の信頼水準に関連した測定の不確実性に基づいており、上記測定データ点が所望の信頼水準において占めると予想され得る幾何学的範囲を決定することを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
上記不確実範囲が測定データ点によってまちまちであることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
上記全体的移動の工程が、上記測定データ点を上記測定データ点の上記局所許容域に対して相対平行移動および相対回転することを含むことを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
上記評価の工程が、ベストフィットアルゴリズムを実行し、上記測定データ点の全体が上記局所許容域内に適合する解を得ることを含むことを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
上記評価の工程が、ベストフィットアルゴリズムを実行し、上記測定データ点の上記局所許容域からの偏差が最小となる解を得ることを含むことを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
測定データ点の不確実範囲を考慮して上記測定データ点を幾何公差域内に適合させる方法であって、以下の工程を備えた方法。
上記測定データ点を上記幾何公差域と比較し、上記測定データ点が上記幾何公差域内にどれほどうまく適合しているかを評価する。
上記測定データ点が上記幾何公差域内にどれほどうまく適合しているかの評価に、上記測定データ点の上記不確実範囲を組み込む。
上記測定データ点の上記幾何公差域に対する位置づけを変えるために、利用可能な自由度に従って、上記測定データ点を全体的に相対的に変換する。
上記測定データ点が上記幾何公差域内に適合する解であって上記測定データ点の上記不確実範囲を考慮した解を得るために、上記測定データ点の不確実範囲に基づいて、上記測定データ点が上記幾何公差域内にどれほどうまく適合しているかを再度評価する。
【請求項26】
上記測定データ点が多次元であり、上記全体的な変換の工程が、上記測定データ点の上記幾何公差域に対する相対平行移動と相対回転との両方を含むことを特徴とする、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
上記不確実範囲が2以上の次元において表されることを特徴とする、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
上記不確実範囲のサイズが上記測定データ点によって異なることを特徴とする、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
上記不確実範囲が、測定のばらつきの推定値および上記測定データ点が上記不確実範囲内にあることの信頼水準に基づくことを特徴とする、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
上記再評価の工程が、上記測定データ点全体が上記幾何公差域内に最良適合し得る信頼水準の度合を提供することを特徴とする、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
部品の測定データ点が、望ましい信頼水準において、公差域内に適合し得る実際の部品を表わしているか否かを判定する方法であって、以下の工程を備えた方法。
上記測定データ点のそれぞれに幾何学的不確実範囲を関連づける。この不確実範囲は、上記測定データ点の予想されるばらつきの統計式に基づくものであり、所望の信頼水準によって境界を付されている。
上記測定データ点に関連した異なる幾何学的不確実範囲を考慮して、上記測定データ点を幾何公差域内に適合させる。これは、上記測定データ点を全体的に、上記測定データ点毎の上記異なる幾何学的不確実範囲に対応する量だけ上記幾何公差域内に適合させることによって行う。
【請求項32】
上記適合の工程が、上記測定データ点を上記幾何公差域に対して全体的に移動させることと、上記測定データ点が上記幾何公差域内に適合しない誤差量を、上記測定データ点の異なる幾何学的不確実範囲に対応する量により計算することを含むことを特徴とする、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
上記測定データ点が測定座標系内に空間位置を有する多次元データ点であることを特徴とする、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
上記幾何公差域が理想座標系内の空間領域を占めることを特徴とする、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
上記適合の工程は、上記測定データ点の上記異なる幾何学的不確実範囲に対応する量だけ、上記測定座標系を上記理想座標系に対して相対移動させることにより、上記測定データ点が上記幾何公差域内に適合するような、上記測定座標系と上記理想座標系との相対的な位置づけを決定することを含むことを特徴とする、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
上記相対移動が上記測定座標系と上記理想座標系との間の相対平行移動と相対回転の両方を含むことを特徴とする、請求項35に記載の方法。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2009−539113(P2009−539113A)
【公表日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−513390(P2009−513390)
【出願日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際出願番号】PCT/US2007/069629
【国際公開番号】WO2007/143413
【国際公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(505377430)クオリティー ヴィジョン インターナショナル インコーポレイテッド (12)
【氏名又は名称原語表記】Quality Vision International, Inc.
【Fターム(参考)】