説明

測定値を出力するための方法と表示デバイス

本発明は、表示デバイスのためのディスプレイ(27)上に測定値を出力するための方法に関する。前記方法によると、少なくとも1つの試験対象(11)上の測定デバイス(24)によって記録される測定値が、信号処理デバイスへ送られる。測定値が、試験対象(11)上の各測定点(14〜21)で検知される。または複数の測定値が、試験対象(11)上の各測定点(14〜21)で検知される。平均値が、いくつかの検知された測定値から各測定点(14〜21)で決定される。少なくとも1つの試験対象(11)上の各測定点(14〜21)の平均値が、電子式卓上計算機を備える評価デバイス内でそれらのランクに従ってソートされ、かつ前記平均値が、上側および下側境界線とともにディスプレイ(27)上に表される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、特に品質検査の場合に測定値を出力するための方法と表示デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、ペイントによる本体の被覆などの物品の製造中や、物品の移送の前に品質制御を実施することは、顧客の満足のためにだけでなくいくつかの例では製品の安全性のために極めて重要である。さらに、移送された製品の厳密な流入制御が、品質に対する要求や必要に応じて安全性対する要求に対応する部品が移送されることや、不良な部品がさらに処理されないようにすることを確実にするために行われる。このような品質制御は、極めて短い時間内に実施されなければならない。品質制御のコストを低く保持するために、試験品の品質に対する迅速な表明を行えるようにすることが同時に必要である。通常の手法は、処理し、出力されるために通過させられる試験品から、1つまたは複数の測定値を取得することである。決定されたデータが取得され、リストとして出力される。しかし、ユーザーは、取得された測定値が公差幅に関する規定に対応しているかどうかを、簡単かつ迅速に認識することができない。良い部品から悪い部品を分離するために、決定された値と要求される値との複雑な個々の比較に対する必要性がある。特に、測定信号が測定デバイスを介して電子的に取得され、かつ信号取得デバイスによってディスプレイ内に出力される測定方法の場合が、そうである。さらに、個々の測定値が、測定点または測定面に対して割り当てられることは不可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、測定値を出力するための方法と、いくつかの個々の測定を実行した後、試験品の品質についての表明が行われる方法を実行するための表示デバイスを提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、請求項1および13の特徴によって本発明に従って達成される。さらに有利な実施態様が、さらなる特許請求の範囲で特定される。
【0005】
本発明の方法は、試験品に対する品質的な表明を極めて迅速に行うことができるという利点を有する。検査を実行しているスタッフは、測定を実行したすぐ後に、試験品または試験品の要素が、所定の品質条件に従った様々な要求を満たしているかどうかを認識することができる。
【0006】
測定が実施され、かつ測定値がいくつかのステップを通して実行することによってチェックされた後、個々の測定シリーズの平均値が軸に割り当てられた図がディスプレイ内に出力される。測定結果の第1の可視化が、それによって簡単な評価を可能にする。
【0007】
本方法の有利な改良態様によると、軸上にプロットされた後、平均値を直線上に投影する。直線は、最小と最大の平均値の間の補助軸を介して形成され、ランク値または測定シリーズおよび/またはランダム・サンプルが補助軸上にプロットされる。それと同時に、平均値が、上側限界値と下側限界値に対するまたは限界線に対する比を有する。その結果、試験品が規定の要求を満たすかどうか、すなわち、平均値が、限界値の内側にあるか、部分的に外側にあるか、または外側にあるかどうかについて、試験を実施するスタッフに対してすぐに明らかになる。直線での平均値の表現は、いくつかの並置された平均値を用いた一様な生産の認識を可能にする。偏差が、次の平均値または平均値のグループから線に沿った平均値のより大きな距離によって同様にプロットされ、したがってすぐに認識可能である。
【0008】
信頼区間が、ランク値に従ってまたは平均値シリーズの指定によってプロットされた直線上の各平均値に対して表示されるのが、本発明の有利な改良態様によって提供される。信頼区間は、たとえば、標準偏差の3倍に対応する。したがって、信頼区間の上側と下側境界は、ランク平均値がプロットされている直線に対して双曲線状に走る。したがって、上側または下側限界線の近傍で、特に、個々の測定値が限界値または限界線の内側または外側にまだある信頼区間の所望の値または限界値を、さらに検知することが可能である。また、信頼区間は、回帰線によって表示されることもできる。
【0009】
本発明のさらに有利な改良態様によると、信頼区間の限界範囲内、または信頼区間の外側にある試験品(複数の試験品)の測定値が、好ましくは自動的に、またはオペレータ・パネル上のキーを駆動することによるユーザーからの要求の際にディスプレイ上に表示され、提供される。いったん限界範囲内または信頼区間の外側にある試験品の測定点が表示された後、スタッフは、問題箇所を直ちに認識し、かつ必要に応じてさらなる測定を実施することができる。たとえば、ハウジングまたは車体がペイントされている進行中の生産の間にいくつかの要素の測定をするとき、たとえば、過度に厚いまたは過度に薄いペイントの層を有する要素を直接検知することが可能になる。生産が実行されている間、個々のプロセス・パラメータを必要に応じて直接再調整することが、それによって可能となる。関連するものが、試験される予定である供給部品である場合、供給者は、再作業されるべき箇所または領域についてすぐに情報を受けることができる。試験品が、1つのみの測定点を備え、いくつかの試験品が、測定シリーズまたはランダム・サンプルで連続的に試験され、かつ平均値の少なくとも1つのランク値が、隣接する領域の限界範囲の外側または隣接する領域の外側にある場合、試験品または要素が厳密に判定されかつ拒絶され、または生産を、それに対応して修正または再調整することができる。同様の表明が、上側と下側限界値の外側にある測定値に対して適用される。
【0010】
本方法の有利な改良態様によると、上側と下側限界値の外側に、すなわち信頼区間の外側にあるランク値が、信頼区間すなわち上側と下側限界線の内側にあるランク値から色および/または形状が逸脱した方式でディスプレイ内でユーザーに対して表示され、提供される。スタッフは、範囲の内側または外側にあるランク値、またはそれに関連する個々の測定値を最適にハイライトすることによる信号送信の追加のモードが供給される。有利には信頼区間の外側にあるランク値が、たとえば赤などの信号色、および/または色および/またはハッチングを用いた対応する背景によってハイライトされ、信頼区間または上側と下側限界線の内側にあるランク値が、たとえば緑の態様の対応する表示、ハッチングおよび/または背景によって識別される。さらに、上側と下側限界線が、第3の色、ハッチングまたはその他の識別子によって表示されてもよい。
【0011】
本方法のさらに有利な改良態様によると、各平均値に関連する測定値の散乱が表示される。この散乱は、平均値の上と下に延び、測定シリーズの最大と最小測定値を備える棒によって表示される。より厳密な解析と評価が、それによって可能である。その品質が少しずつ最適化されている生産が行われているとき、このような棒を拡大または縮小することによって、個々のパラメータがより正確に知らされ、設定のためにアクセスすることができる。
【0012】
信頼区間または標準偏差が、有利には所定の割合に設定される。すべての測定値のどの比率が「良い部品」として採用され、残りの比率は規定の公差の外にあることが、それによって決定される。したがって、信頼区間は、許容可能であると認識されている平均値内での散乱を規定する。
【0013】
結果を決定するためのさらなる方法では、各測定シリーズが個々の測定値の正規分布に対してチェックされる。このようなチェックは、測定シリーズの測定値の間に有意差があるかどうかを確立し、そのようにして、測定結果を評価するための次のステップが、各測定値が高い確率で測定シリーズの平均値を割り当てられると仮定する基礎を備える。
【0014】
測定結果を評価するためのさらに有利なステップの後、測定シリーズの分散の同質性がチェックされる。このチェックと、測定シリーズの測定値の正規分布に対する前のチェックは、分散解析または散乱分解を実施することが可能であるかどうかに関する前提条件を形成する。同質の分散、すなわち、有意差が判定されなかった場合、同質のサブグループを形成するために分散解析を実施することが次に可能である。有意差が平均値の間で判定されたとき、同質のグループが形成され、さらなる方法によってこのようなサブグループに分割される。平均値が比較可能であるかどうか、すなわち、いくつかの被覆された物品または層厚を付着させるシステムを比較する際、比較可能な層厚または状態が見出されるかどうか、または調整または修正が必要とされるかどうかに関する簡単な表明を行うことが、このようなグループ形成を用いて可能である。
【0015】
本方法のさらに有利な改良態様によると、測定値の正規分布のチェックと分散の同質性のチェックの後、個々の測定シリーズまたは測定点の平均値に対して有意性試験が実施される、さらなるステップで提供される。有意性は、信用レベルに属する変数であり、各測定シリーズの平均値が互いに属するかどうかに関して表明が作製されることを可能にする。FBeob>Ftabの条件が満たされるとすぐに、有意性が得られ、FBeobは、変数II
【数1】

(測定シリーズの数の関数としてのすべての測定シリーズの平均値に対する各測定シリーズの平均値の合計)および変数I
【数2】

(個々の測定値の数の関数としての個々の二乗標準偏差の合計)の商の結果である。様々な方法によって実施できるこの有意性試験は、同質のサブグループを形成する目的を果たす。サブグループに対して割り当てられるこのような平均値が、グループ内の個々の平均値の構成員が、観察者にすぐに明らかになるように、同じ識別子および/または色で表示されることができる。
【0016】
本方法のさらに有利な改良態様によると、試験品の測定点の個々の測定値の数が同じである。平衡評価が、物品上の測定点ごとに同じ数の個々の測定値が与えられることを指示される。別法として、非平衡評価が指示されるように、異なる数の個々の測定値が測定点ごとに要求される。非平衡評価は、たとえば、ハウジング上の極めて小さい面が、同じハウジング上の大きな面とともに試験されるときにいつでも大部分必要とされ、小さい面は、少ない数の測定点しか有効にしない。
【0017】
有意性試験の後、特に、異なる試験品の要素または対応するランク値に属する部分領域が、互いに有意差がない平均値を出力することによって、ユーザーに直ちに表示することが可能である。また、平均値がサブグループを形成し、さらにそれ自体で同質である、有意性試験が確立できる。したがって、様々なサブグループが、被覆を有する部品のどれが公差の内側にあるか、および系統的な誤差が存在するかどうかに関する推論を引き出すために使用できる。
【0018】
それと同時に、たとえば制御カードの意味で限界を特定することによって、どの要素または製品グループが修正を必要とするかどうかを確立することが可能である。平均値がランクに関してプロットされている直線の勾配は、生産技術である。生産方法は、さらなる有意差が個々の要素と部分領域の間に示されないときはいつでも、理論上制御下にある。要素間の系統的な差を評価することが、それによって可能である。このことは、ペイントの層をチェックする場合、たとえば、原則として、個々の対象の同じ要素に対応しない、または部分的に対応する、ランダム・サンプルを考慮すると、要素が同じ厚さの塗装の層を備える領域を有することを意味する。
【0019】
有意性試験は、シリーズ生産を開始する前の試作運転または予備運転で好ましくは実施される。物品を製造するためのプロセスの設定を最適化することが、それによって可能である。したがって、シリーズ生産を開始または運転するときの損失を防止できる。プロセスが見出した品質階級が、Y座標軸に沿った共通領域内の同じ識別子または色を有する互いに有意差がない平均値の表示から、試験スタッフに直ちに明らかになる。平均値が同じ色でまたは共通領域内に表示される場合、チェックされる予定のプロセス、シリーズ生産のための予備運転などが、最適に設定される。平均値が割り当てられた異なる色または異なる領域が表示された場合、再調整の必要性があり、有意差のある平均値を適応させることによって、プロセスの能力を向上させることに貢献すること、およびしたがって損失を最小化することが可能である。
【0020】
本発明の目的は、請求項12で請求されるような表示デバイスを用いて達成される。この表示デバイスは、個々の測定を実施するために測定装置がそれに接続される、測定装置のための接続部を備える。個々の測定値は、表示デバイス内に設けられ、かつ電子コンピュータを有する、測定シリーズにそれぞれ割り当てられた評価デバイス内で取得される。評価ユニットが、図中の直線上に投影される形式で出力される平均値を決定するために、測定シリーズのいくつかの個々の測定値を使用する。この場合、平均値が補助軸上にプロットされる。品質検査の結果が、それによって作業スタッフまたは検査スタッフに明確に視認される。
【0021】
本発明の有利な改良態様によると、測定プローブとして設計され、かつ薄い層の厚さを測定することが可能である測定装置が接続部に設けられる。層厚の測定が、たとえば、強磁性のベース材料上の非磁性の層が検知される磁気誘導法を用いて行われる。例は、亜鉛、クロム、銅、錫および/またはペイント、ニス、プラスチック、エナメル、鉄または鋼である。同様に、非鉄金属上の非伝導性の層、たとえば、アルミニウム、真鍮または亜鉛上のペイント、ニスまたはプラスチック、アルミニウム上の陽極化層が決定される、いわゆる渦電流法を実施することが可能である。本発明の表示デバイスは、それらに限定されず、X線蛍光法またはさらなる放射法、微小硬度測定システムなどを使用して層厚を測定するための測定装置を同様に備えることができる。測定値を取得するためのさらなる測定プローブまたは試験ユニットが、表示デバイスと同様に接続される。
【0022】
表示デバイスのさらに有利な改良態様によると、測定装置が表示デバイス内に組み込まれる。測定装置は、各測定課題のために構成される。結果として、取扱いが簡単で、試験品の品質の適格な判定を可能にする試験ユニットが、提供される。
【0023】
本発明、および本発明のさらに有利な改良態様および発展態様が、図面に示された例によって、以下でより詳細に記載されかつ説明される。説明および図面から集められる特徴が、それ自体で個別に、または所望の組合せで各自に本発明に従って適用される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
ハウジングの形態の試験品11が、一例として図1に示されている。これはまた、たとえば、水中、陸上または空中用の乗物の車体、またはその他の物品である。この試験品11は、たとえば被覆されており、この試験品11の品質検査は、規定された一様な層厚が公差範囲内で試験品11に付着されることを検査する。試験品11を試験する目的のために、いくつかの、測定範囲または測定点、たとえば6つが監視されるべきである。これらは、前側面14、上側面16、横面17、開口21内の折返し縁部18、19、上側面15上の保持ラグ22を含む。試験される予定である個々の面を強調したバタフライ図によると、個々の面または測定範囲が、規定の順序で次々に試験される。たとえば、目的物は、測定値を取得するために各測定点14、16、17、18、19、21で10個の個々の測定を実施される。測定点は、十字によって示されている。個々の測定は、層厚を測定するための測定装置24の測定プローブ23によって実施される。同じ測定点での測定シリーズのいくつかの個々の測定を実施することも可能である。測定装置24は、接続部を介して表示デバイス26に接続され、または表示デバイス26内に接続される、または表示デバイス26内に組み込まれるか測定装置に表示デバイスが組み込まれてもよい。表示デバイス26は、電子コンピュータを備える少なくとも1つの評価デバイスと、その中で個々の測定値から決定された、品質検査を査定するためのさらなるデータとともに、測定値が評価され、取得され、表示され、かつ様々なパラメータに対して問い合わせされることができるディスプレイ27とを備える。オペレータ・インターフェイス28が、表示デバイス26を駆動するために設けられている。
【0025】
図2は、個々の測定の番号をx軸上に、および取得された測定値、一例としてμmでの層厚をy軸上にプロットすることによって表示デバイス26上のディスプレイ27内に出力される図を示している。図示された測定シリーズ1は前側面14上の測定を、測定シリーズ2は上側面16上でのもの、などを示している。
【0026】
図3では、一例として示された測定シリーズ1から6での個々の測定値が、各測定点14〜21に対して表形式で与えられている。測定シリーズが正規分布を満たしているかどうかについて、試験が第1のステップで行われる。平均値とそれに関連する標準偏差が、各測定シリーズ1からnから決定される。標準偏差は、たとえば、ランク1とランク2が、互いに有意差があるかどうか、または互いに有意差がないかどうか、および同質のサブグループを形成することができるかどうかを決定するために使用される。平均値を形成するために、各測定点14〜21に対して等しい数の測定値を取得することが好ましい。ランクの決定は、これによって平衡平均値に基づく。別法として、ランク値が非平衡平均値から形成されてもよい。偏差の有意性は、関数として評価される。
【0027】
試験品11の面上の層厚、すなわち試験される予定のパラメータおよび/または変数の品質に関する表明を得るために、さらなるステップで、各測定点14〜21での個々の測定値の平均値が、ランクによってソートされ、かつ直線30上に投影される。最高と最低の平均値が、それらの間に延びる直線30に対する始点を形成する。図4による図のこの表示がディスプレイ27内に出力される。x軸はランク1…nを示し、y軸は層厚を示す。x軸は、好ましくは特徴軸として表される、すなわち、いくつかの測定シリーズがその上にプロットされる。このことは、単純な結果を可能にする。
【0028】
ディスプレイ27はまた、指標35に従って規定の所望の層厚に関する許容幅を形成する上限値32と下限値33を示す。これらの上限値と下限値32、33は、許容割合または絶対偏差に関連する取決の関数である。
【0029】
各平均値に対して、それから決定される平均値に関する測定点14〜21での個々の測定値の散乱幅が、鉛直方向の棒37によって示されている。この場合、測定点の平均値を形成する個々の点が、棒37に沿って交互に示される。ランク値3と7の棒37は、これは信頼区間の外側に部分的にあることもあり、個々の測定値の極めて大きな散乱幅があることを示す。
【0030】
個々のランク値の、またはランク値のグループの互いからの各間隔は、各測定点14〜21で決定される層厚の、高いまたは低い一様性を呈する。たとえば、範囲I内のランク値1は、前記ランク値が、範囲II内のランク値2から7と明らかに逸脱していることを示す。ランク値1が、残りの測定点から明らかに逸脱している測定点に関係していることを直接決定することが、これによって可能である。個々の平均値の各サブグループの割当ては、前提に応じて、様々な方式で行われる。たとえば、個々の測定値の正規分布が、すべての測定シリーズに対して得られる場合、個々の測定シリーズの分散の同質性に対して次に試験が行われる。この試験で有意性が確立されなかった場合、不平衡分散解析が次に行われる。この不平衡分散解析によって有意性が確立された場合、グループ化が行われる。別段の指定のない場合、サブグループ化は行われない。試験が、測定シリーズの分散の同質性の有意差を確立した場合、さらに、有意性の確立にサブグループを固定するさらなる試験が行われる。
【0031】
すべての測定値シリーズの正規分布に対して試験する際に、少なくとも1つの測定シリーズが正規分布しない場合、有意性を確立するためにさらなる試験が行われる。有意差が、測定シリーズの場合に確立された場合、測定シリーズの分散の同質性に対して新たな試験が行われる。有意性を確立する、および有意性が得られないことを確立する両方の場合で、サブグループ化が、その次にクロス集計法を使用して実施される。サブグループを固定することは、生産での、または製造された製品の場合の系統誤差の確立での個々のパラメータのより容易な再調整を可能にする。
【0032】
測定点は、平均値にランク値を割り当てることによって、および平均値を測定シリーズに割り当てることによって反復され、結果は、簡単かつ迅速な評価を作成する。たとえば、ハウジングの前側面が、過度に薄いニス層を有することを簡単な方式で決定することがそれによって可能であり、その結果ニス塗りステーションが再設定される。
【0033】
範囲IIは、ランク値が、層厚の平均値に対して高い一様性があるように、互いに規則的な間隔で本質的に配置されていることを示している。したがって、平均値が、査定されているときに互いに関係付けられ、かつ互いに有意差がない。平均値がすべて、上限値と下限値32と33内にあることが直線30の勾配から見られる。直線30の勾配が平坦であるほど、所望の値に対する互いの平均値の公差が小さく、製造される製品の一様性が高い。
【0034】
平均値が、所望の値の近くにあり、平坦なまたは減少する勾配を有する場合、高品質な工程が、試験品11の製造で得られる。
【0035】
一例として、正規分布が、ランク値1の場合に追加で示されている。この正規分布は、各ランク値1からnに対して保管され、かつこれに対して個々に問い合わせることができるのが望ましい。結果として、平均値の周りの散乱幅が、正規分布によって追加的に示される。
【0036】
個々の測定値に対する信頼区間が、各中間点に対する基礎を形成する。双曲線となる個々の値の信頼区間が、指標38、39によって示されている。これは、たとえば、標準偏差の3倍に対応し、各平均値に対してプロットされる。
【0037】
図5aは、互いに有意差がない平均値が、同じ識別子A、B、C…などによって示されている図を示している。たとえば、平均値が、異なる色または記号によって直線に沿って標示されている。ランク1から3の平均値、ランク4と5の平均値、ランク6と7の平均値、ランク8と9の平均値は、互いに有意差がないが、ランク値の個々のグループA、B、C、Dがそれらの間で互いに有意差があることがそれによって見られる。色付きの図の代わりに、直線30に沿って異なる記号を使用することも可能である。棒の形態の表現が縦軸に沿って出力されることが、好ましい代替となる改良形態に従って提供される。これは、互いに有意差がない平均値から、平均値の範囲にわたって延びる。さらに、有利なことに、サブグループ平均値が、水平方向の直線としての同じ色の方向補助線として各サブグループに対して示され、かつサブグループの平均値範囲が、測定値軸上の同じ色の棒として出力されようにすることができる。一例として、4つのグループAからDが、図5aの縦軸に沿って出力される。操作スタッフはこのようにして、プロセスが最適に設定されていないことを直ちに示される。プロセスが最適に設定されたとき、1つの識別子のみ、棒のみ、または1つの色のみがランク値に対して表示される。
【0038】
図5aによるこのような結果が、たとえば、試作製造または予備運転に対して達成される。プロセスの信頼性を向上させるために、ランク8と9が、たとえば、上側範囲から下方に制御される。このことは、ランク8または9の平均値がそれに基づいている測定点に影響を与えるプロセス・パラメータが、ニス層厚の測定の例ではより薄いニス層を備える測定点が提供されるように、下方に修正されることを意味している。測定が再び実行されると、たとえば、図5bでの表示による結果をそこから得ることが可能である。互いに有意差がない平均値が、3つの部分領域B、C、D、すなわち3つの関連付けられた要素へ減少されたことが、そこから明らかである。直線30の勾配は同時に減少する。このことは、プロセスの能力が改善されたことを直接示す。
【0039】
ランク1、2、3は、次のステップでそれに対応して上昇させられる。このことは、そこでのニス層が、厚い層厚を備えることを意味する。この系統的な手法は、その原因が解析されることができる個々のプロセス・パラメータを厳密に推測することが可能であることを明らかにし、かつしたがってプロセス・パラメータの迅速な設定に至る。
【0040】
さらに、直線30の全行程が、高すぎるまたは低すぎるかどうかに関して、このような表現を用いて表明される。直線30の勾配と、所望の平均値に対するその位置の表現が、これについての迅速な表明を可能にする。
【0041】
図5a、5bで選択された表示は、異なる要素または試験品の、同じ要素または部分領域が互いに有意差がない個々の値を備えることを表示するための、ランダム・サンプルを実行するために選択される。修正される必要がありうる製造サイクルの傾向または傾向性が、それによって検知されることができる。
【0042】
類似の要素をそれらの組合せから全体的に見ることが、このような表示によって可能になる、すなわち、言い換えれば、互いに異なる要素が、ユーザーが、目標とする方式で製造プロセスに介入し、かつ必要に応じて最適化および再調整することができるように、明白な方式で表示される。
【0043】
図6による表示は、いくつかの試験品11の図4による指標が、図中で組み合わせられ、ディスプレイ27に表示される場合の図を示している。このことは、それ自体が各測定点に常に関連する、異なる試験品11間の比較を可能にする。ランクの順序が、図中のx軸上にプロットされ、一方、図4による表示のほかに、y軸が、所望の値よりも小さく決定された実際の値の結果としてのμm単位での偏差をプロットしている。ゼロ線は、図4の指標35による所望の値に対応する。別法として、ランクもまた、特徴軸として、または中立の補助軸として出力される。
【0044】
このディスプレイ27は、一例として、4つの異なる試験品11上での11の測定シリーズを示す、4つの特徴42、43、44、46を一例として示す。試験品11が要求を満たし、かつ試験品またはそれらの個々の測定点が、許容公差の外にあることが、特徴42、43、44、46の異なる行程から見られる。特徴43は、極めて平坦な勾配を有し、したがって所望の値から平均値のわずかな偏差しか備えない。この特徴43と特徴42、44は、上限値32と下限値33の間の公差内にそれぞれある。特徴46は、ランク値10が上限値32上にあり、かつランク値11が上限値32の外側にあることを示している。ランク値10の場合、測定値の範囲は正規分布の点で公差幅内にあり、一方、信頼区間の他方の半分は、上限値32の外側にある。
【0045】
追加の情報の項目は、ランク値10と11が、悪い部品として定義された飛び地であることである。ランク11の平均値が許容される限界32、33の内側にないことは、平均値に対する散乱幅の表示から明らかである。ディスプレイ27によって、特徴43にとなる試験品11が、高品質の製品を供給する供給者から出たものであることを直接知らせることができる。特徴42と44による試験品11は、特徴43による試験品よりも低品質であると分類される。しかし、信頼区間の考慮から、これらは、上限と下限32、33内にまだある。特徴46による試験品11は、品質範囲外にあり、悪い部品として分類される。
【0046】
指標38、39によって示された信頼区間が、決定された平均値に対して、それぞれ上限値と下限値32、33内にある場合に良い部品と仮定される。このようなディスプレイ27は、製品の1つまたは複数の測定点での個々の測定を考慮する製品の性能について迅速に表明することができる。製品の性能は、さらに、公差の商から結果として得られるパラメータcp、または上限値と下限値32、33、および信頼区間によって特徴付けられる。予測不可能なプロセスの結果が、指標値cp<1に対して得られる。したがって、目的は、1以上の指標を得ることである。プロセスの結果はそのとき、統計的に予想することができる。このことは、誤差の原因に関する特定の結果を引き出すことを可能にする。目的は、好ましくは、cp>3の指標値である。
【0047】
測定シリーズから導出されるさらなる品質基準は、類似の試験品11の各測定点のランク交代頻度である。各試験品11の各測定点に対する平均値のランクの順序の結果生じるランク交代頻度が低いほど、試験品11の品質はより一様になる。被覆された試験品11の場合には、試験品の規定の測定点が本質的に同じ層厚を備えることによって、実質的に同一の処理状態が得られると推定することができる。
【0048】
個々の測定値からの平均値の前の情報に基づいた図4、5による値の出力、およびランク値によるソートの出力は、各試験品11の迅速かつ簡単な査定を可能にする。
【0049】
本発明はまた、特に、統計的なプロセス制御のためにも使用される。たとえば、所定の数の部品が、所定の時間間隔のランダム・サンプルを使用することによって試験される。
【0050】
試験品11と測定タスクまたは監視は、完全に異なる分野でも適用できる。たとえば、時間依存変動を、測定物体で得ることができる。たとえば、紫外線光または媒体上への作用が、そうである。このような状態の変化、またはさらなる状態の変化を、同様に決定し、かつ試験できる。それにより、純粋に実際に測定されるべき要素に加えて評価の一時的な要素のための開放を見出すことが、それによってまた可能である。
【0051】
装置またはシステムの同期性を、さらなる適用例について試験しかつ監視することができる。マニピュレータの移動経路または繰返し精度の試験、または自動装着プロセスの精度の試験に対して同期性を保持することができる。
【0052】
個々の測定値の、および1つまたは複数の測定対象の測定シリーズのいくつかの連続的な評価ステップを実行することによって、上述の方法は、ランダム・サンプルの平均値が、互いに比較され、したがって互いに属することができ、その平均値が、規定の公差の外側におそらくある個々のサブグループを形成する、極めて簡単な方式で示す。サブグループに関連する関連付けられた値が、必要に応じて修正を受けるために容易に確認されることができる。
【0053】
上述の特徴はすべて、それぞれ本発明にとって本来本質的であり、互いに任意に組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】試験品を示す概略図である。
【図2】個々の測定から取得された測定値を示す図である。
【図3】図2による個々の測定値の表を示す図である。
【図4】図3による個々の測定値からの平均値がランクの順序に従って示されている図である。
【図5a】有意差がない平均値が同じ識別子によって示されている図である。
【図5b】有意差がない平均値が減少することを示すさらなる図である。
【図6】いくつかの試験品に対するランクに従って平均値が示されている図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示デバイス(26)のディスプレイ(27)で測定値を出力するための方法であって、前記測定値が、1つまたは複数の試験品(11)に関する測定装置(24)によって取得され、測定値が、試験品(11)上のいくつかの測定点(14〜21)で取得され、またはいくつかの測定値が、前記試験品(11)上のいくつかの測定点(14〜21)で取得され、平均値が、前記取得された測定値の数から各測定点(14〜21)に対して決定され、1つまたは複数の試験品(11)の各測定点(14〜21)の平均値が、電子コンピュータを備える評価デバイスにおけるランクによってソートされ、前記平均値が軸上にプロットされる方法。
【請求項2】
前記平均値の軸上へのプロットの後、前記平均値が、前記測定シリーズのまたは前記測定点のランク値を介してプロットされた最小と最大平均値の間に形成された直線(30)上に投影されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記平均値がランクの順序に従ってプロットされる信頼区間が、各平均値に対して前記直線(30)上で表示されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記信頼区間の限界範囲内または前記信頼区間の外にある前記試験品又は複数の試験品(11)の前記測定点または測定値が、ディスプレイ(27)上に表示されることを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
信頼区間すなわち上側と下側限界線(32、33)の内側にある少なくとも1つのランク値から逸脱しているランク値が、ディスプレイ(27)で前記上側と下側限界線(32、33)の外側にあるすなわち信頼区間の外側にあるランク値を得る目的で、ユーザーに表示され、かつ示されることを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記各平均値に関連する前記測定値に対する散乱幅が表示されることを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記信頼区間が所定の割合比に設定されていることを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
各測定シリーズが前記個々の測定値の正規分布に対してチェックされることを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記測定シリーズの分散の同質性がチェックされることを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
試験品(11)の各測定点の測定値の数が同じであることを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
有意性試験が、個々の要素または測定点(14〜21)の平均値に対して実施され、互いに有意差がない前記平均値が、同質のグループを形成し、Y座標軸に沿った領域内に同じ識別子と色で、または直線(30)上に投影される方式で表示されることを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記平均値の有意性試験が、シリーズ生産の前の予備運転で実施されることを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
接続部(29)が、個々の測定を実施するための測定装置(24)と、個々の測定値の測定信号からの測定値のための信号取得デバイスとに対して設けられ、前記個々の測定値が、試験品(11)の測定点(14〜21)にそれぞれ割り当てられており、さらに、評価デバイスを有し、その評価デバイスが、電子コンピュータを備え、かつ、1つまたは複数の試験品(11)から1つまたは複数の測定点(14〜21)で1つまたは複数の測定値を有するいくつかの測定シリーズを取得し、さらに前記評価デバイスが、前記測定点(14〜21)でいくつかの測定値から平均値を決定して、平均値が補助軸を介してプロットされている図中に、直線上に投影された形式でそれらを出力することを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の方法を実行するための表示デバイス。
【請求項14】
測定プローブ(23)として設計され、かつ薄い層の厚さを測定するように意図されている測定装置(24)が、接続部(29)に設けられていることを特徴とする請求項13に記載の表示デバイス。
【請求項15】
前記測定装置(24)が、前記表示デバイス(26)内に組み込まれていることを特徴とする請求項13に記載の表示デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−514935(P2008−514935A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−533953(P2007−533953)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【国際出願番号】PCT/EP2005/010583
【国際公開番号】WO2006/034874
【国際公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願人】(500062047)インモビリーエンゲゼルシャフト・ヘルムート・フィッシャー・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニイ・カーゲー (7)
【Fターム(参考)】