説明

測定対象指示装置及び測定対象指示システム

【課題】トルク工具によるトルクの測定対象の締付部材を指示する測定対象指示装置において、締め付け作業の際にユーザが使用する機器を小型軽量のものとし、作業効率を向上することができる測定対象指示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】トルクの測定対象物に対する締付により測定される測定トルク値を含む測定情報を送信する無線式トルク工具との無線通信と、少なくとも音声信号を受信する無線式イヤフォンとの無線通信と、を制御する無線通信制御部と、前記無線式トルク工具によるトルクの測定対象物を特定する測定対象特定情報を、所定の記憶領域から取得する測定対象情報取得部と、前記測定対象情報取得部が取得した測定対象特定情報を、音声信号として前記無線式イヤフォンに送信する音声信号出力部と、前記無線式トルク工具から送信される前記測定情報を取得する測定情報取得部と、を備えることを特徴とする測定対象指示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トルク工具によって締め付けを行う対象物を指示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、締め付けられた複数のボルトやナット等の締付部材が、適正なトルクで締め付けられているか否かを、順番に検査するための装置及びシステムが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
このようなシステムとしては、例えば、締付トルクを検査する対象の締付部材を特定するための位置情報などをユーザに表示するPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末と、携帯端末に有線接続される、締付部材の締付トルクを電気的に測定する検査用トルクレンチとからなる、トルク検査システムが利用されている。このトルク検査システムでは、携帯端末に検査する締付部材を特定する情報を表示し、ユーザがその表示を見て、有線接続されているトルクレンチで締付部材を再度締め付けて、締付トルク値を測定する。そして、測定された締付トルク値は、有線接続されている携帯端末に出力され、携帯端末において予め設定されている設定トルク範囲内であるか否かの判定が行われる。判定の結果、測定された締付トルク値が設定トルク範囲外であった場合には、携帯端末の画面に設定トルク範囲外であったことを表示したり、警告音を出したりすることにより、検査対象の締付部材が適正なトルクで締め付けられていないことをユーザに知らせることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−121132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このような従来のトルク検査システムの場合、ユーザは検査の際に常に携帯端末を携帯していなければならない。そのため、作業の妨げの原因となったり、検査中に携帯端末が周囲に当たって製品などを傷つけてしまう場合もあった。
【0006】
また、締付トルク値が設定トルク範囲外であったことを報知するために、携帯端末から警告音を出すと、その警告音がうるさかったり、携帯端末が一箇所で複数使用されている場合、どの携帯端末からの警告音であるかがわかりにくいなどの問題もあった。
【0007】
そこで、本発明は、トルク工具により締付を行ってトルクを測定する測定対象の締付部材を指示する測定対象指示装置において、締付作業の際にユーザが使用する機器を小型軽量のものとし、作業効率を向上することができる測定対象指示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明に係る測定対象指示装置は、トルクの測定対象物に対する締め付けにより測定される測定トルク値を含む測定情報を無線通信により送信する無線式トルク工具との無線通信と、少なくとも音声信号を無線通信により受信する無線式イヤフォンとの無線通信と、を制御する無線通信制御部と、前記無線式トルク工具によるトルクの測定対象物を特定する測定対象特定情報を、所定の記憶領域から取得する測定対象情報取得部と、前記測定対象情報取得部が取得した測定対象特定情報を、音声信号として無線通信により前記無線式イヤフォンに送信する音声信号出力部と、前記無線式トルク工具から送信される前記測定情報を無線通信により取得する測定情報取得部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本願発明に係る測定対象指示システムは、トルクの測定対象物に対する締め付けに応じたトルク値を測定するトルク測定部と、前記トルク測定部によって測定された測定トルク値を含む測定情報を無線通信により送信する無線通信部と、を備える無線式トルク工具と、少なくとも音声信号を無線通信により受信する無線通信部と、前記無線通信部が受信した音声信号を音声として出力する音声出力部と、を備える無線式イヤフォンと、前記無線式トルク工具との無線通信と、前記無線式イヤフォンとの無線通信と、を制御する無線通信制御部と、前記無線式トルク工具によるトルクの測定対象物を特定する測定対象特定情報を所定の記憶領域から取得する測定対象情報取得部と、前記測定対象情報取得部が取得した測定対象特定情報を、音声信号として無線通信により前記無線式イヤフォンに送信する音声信号出力部と、前記無線式トルク工具から送信される前記測定情報を無線通信により取得する測定情報取得部と、を備える測定対象指示装置と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、トルク工具により締付を行ってトルクを測定する測定対象の締付部材を指示する測定対象指示装置において、締付作業の際にユーザが使用する機器を小型軽量のものとし、作業効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態の締付対象指示装置としての小型PCの構成及び小型PCを含む締付対象指示システムのシステム構成を示すシステム構成図である。
【図2】検査対象情報DBのデータ構造を示す図である。
【図3】小型PCの機能を説明する機能ブロック図である。
【図4】小型PCによる処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0013】
図1は、本実施形態の測定対象指示装置としての小型PC(以下、単に「PC」とも呼ぶ。)1の構成及びPC1を含む測定対象指示システムのシステム構成を示すシステム構成図である。
【0014】
本実施形態のシステムは、PC1と、無線式トルク工具としての無線式トルクレンチ100と、無線式イヤフォン200で構成される。本システムは、例えば、複数部位に締め付けられた締付部材が所定の適正な締付トルクで締め付けられているか否かを、順番に増し締めして検査する場合や、複数の締付部位にボルトやナットなどの締付部材を順番に締め付ける場合に、PC1から無線式イヤフォン200に対して、検査(締付)対象の締付部材を特定可能な情報を、検査(締付)作業を行う順番に音声信号として出力することにより、無線式イヤフォン200を装着した検査員が、出力される音声を聞いて締付部材を順番どおりに増締検査(締付)できるものである。以下、本システムを構成する各機器の構成を説明する。
【0015】
なお、本実施形態は、所定の複数の締付部位にすでに締め付けられている締付部材を、予め決められた順番で無線式トルクレンチ100で増し締めしてトルクを測定し、その測定で得られた測定トルク値としての検査トルク値が、各締付部材について設定されている設定トルク範囲内の適正なトルクで締め付けられているか否かを検査するためのトルク検査システムとして実施する場合について説明する。このような増し締め検査に用いられるトルクレンチとしては、特開2005−265434号公報、あるいは特開2002−120162号公報等に開示されているものが使用される。この増締検査用トルクレンチの構成としては、トルクレンチを回す手力が作用するハンドル部と、締付部材にソケットを介して係合するヘッド部と、前記ヘッド部に貼り付けられたストレインゲージと、前記ハンドル部の回転角を検出するための振動ジャイロと、前記ストレインゲージと前記振動ジャイロからの検出情報に基づいて締付部材に対する検査の検査トルク値を算出し、表示部に表示させる演算部とからなるトルク測定部と、測定部で算出された検査トルク値などを送信する無線送受信部等を備える。締付部材をその締付トルクを超えて増締検査用トルクレンチにより締め付けると、前記ハンドル部が回転するので、この回転を前記振動ジャイロが検出し、そのときのトルク値を前記ストレインゲージにより求め、振動ジャイロの検出情報とストレインゲージからのトルク値情報とにより、検査トルク値を求める。単純に前記ハンドル部の回転開始時のトルク値を検査トルク値としてもよいが、種々の状況を加味して検査トルク値を決定する上述した従来技術として例示の増締検査用トルクレンチを用いてもよい。
【0016】
ここで、「検査トルク値」とは、上述のような測定部を備えるトルクレンチで締付部材を増し締めすることにより測定されるトルク値である。
【0017】
また、「設定トルク範囲」とは、各締め付け部位に締め付けられる締付部材に対して予め設定されている適正なトルク範囲である。
【0018】
まず、本実施形態のPC1の構成について説明する。PC1は、CPU2と、メモリ4と、HDD(Hard Disc Drive)6と、タッチパネル8と、アンテナ10と、を備える。
【0019】
CPU2は、無線式トルクレンチ100や無線式イヤフォン200との無線通信の制御処理や、検査対象の締付部材を特定するための情報を取得する処理や、取得した情報を無線式イヤフォン200に出力する処理や、検査対象の締付部材を締め付けてトルクを測定した無線式トルクレンチ100から送信される検査トルク値が設定トルク範囲内であるか否かを判定する処理などを行う処理装置である。CPU2は、メモリ4やHDD6に記憶されているプログラムを実行することにより、上述した処理を含む様々な処理を実行する機能を実現することができる。
【0020】
メモリ4は、上述したような処理を含む、様々な処理を実行するためのプログラムを格納する。メモリ4としては、例えば、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等から構成される。
【0021】
HDD6は、MFP1における様々な情報を記憶する補助記憶装置である。本実施形態のHDD6は、検査対象の締付部材を特定するための情報と、それぞれの締付部材に設定されている設定トルク範囲とが対応付けられている、検査対象情報データベース(以下、「検査対象情報DB」とも呼ぶ。)300を格納する。なお、補助記憶装置としては、HDD6に限られず、フラッシュメモリなどの他の記憶装置を用いてもよい。
【0022】
ここで、図2に検査対象情報DB300のデータ構造の一例を示す。検査対象情報DB300は、締付部材を特定するための測定対象特定情報としての、検査対象の締付部材が締結されている部位(位置)の情報(以下、「検査部位情報」とも呼ぶ。)と、上述した締付部材の適正な締付トルクとして設定されている設定トルク範囲を示す設定トルク範囲情報とが対応付けられて、予め設定されている測定順に並べられたリストで構成される。このリストの順番で検査部位情報を音声信号として無線式イヤフォンに出力することで、ユーザが音声信号に基づいて順番に締付部材のトルク検査を行うことができる。
【0023】
なお、本実施形態において、「検査部位情報」と、検査部位情報に対応付けられている「設定トルク範囲情報」とを合わせて、「検査対象情報」とする。また、図2には、検査対象情報DB300の一例として、自動車のステアリング周辺の締付部材を検査する場合に用いる一つのリストを示しているが、これ以外の装置や部品について、それぞれの装置・部品別に同様のリストを格納してもよい。例えば、検査対象情報DB300に、エンジンや変速機などに締め付けられる締付部材についてのそれぞれのリストを格納しておき、本システムによってトルク検査(測定)を行う際に、複数のリストの中からトルク検査を行う装置のリストを選択することで、様々な装置・部品の締付部材のトルク検査を行うことができる。
【0024】
タッチパネル8は、締付部材のトルク検査を行う際に、各種設定を行うための設定画面を表示したり、検査対象情報DB300に登録されているリストに基づいて検査部位情報を表示する表示装置であるとともに、トルク検査を行うリストの選択などの様々な入力を行う入力装置である。入力は、スタイラスペン8pや指で画面に触れることで行う。図1には、タッチパネル8に表示される画面の一例として、トルク検査を行っている際に表示される画面80を示している。画面80は、図2に示したリストの1番目の検査部位に関する情報を示している。具体的には、画面80には、1番目の検査部位である「ステアリングシャフト スライディングヨーク」と、その部位の設定トルク範囲である「10.5」〜「15.0」[N・m]が表示されている。なお、本実施形態においては、PC1は、表示装置と入力装置が一体となったタッチパネル8を用いたが、これに限られるものではなく、通常のディスプレイとボタンなどの入力装置とを別々に備えてもよい。
【0025】
アンテナ10は、無線式トルクレンチ100や無線式イヤフォン200との間で無線通信を行う際に、電波の送受信を行う。電波を送信する場合には、変調器や増幅器などからなる送信回路を介して電気信号を電波に変換してアンテナ10から出力し、電波を受信する場合にはアンテナ10によって受信された電波を、復調器や増幅器などからなる受信回路を介して電気信号に変換する。
【0026】
以上が、本実施形態のPC1の構成である。なお、本実施形態のPC1(及びPC1と無線通信を行う無線式トルクレンチ100と無線式イヤフォン200)が利用する無線通信方式は特に限定されないが、例えば、2.4Ghz帯の電波を用いる通信規格であるBluetooth(登録商標)を利用することができる。
【0027】
次に、本実施形態の無線式トルクレンチ100の構成について説明する。無線式トルクレンチ100は、CPU102と、メモリ104と、トルクセンサ106と、操作入力ボタン107と、表示部108と、アンテナ110とを備える。
【0028】
CPU102は、トルクセンサ106によって検出された電気信号から検査トルク値を算出する処理や、算出した検査トルク値を含む測定情報をPC1に対して出力する処理など、様々な処理を行う。CPU102は、メモリ104に記憶されているプログラムを実行することにより上述した処理を含む様々な処理を実行する機能を実現する。
【0029】
ここで、「測定情報」とは、無線式トルクレンチ100において締付部材の増し締めを行った際に、PC1に送信される締め付け作業の内容などを含む情報であり、本実施形態においては、上述のように、無線式トルクレンチ100において締付部材を締め付けた際に算出される検査トルク値を少なくとも含む情報である。測定情報としては、検査トルク値の他に、例えば無線式トルクレンチ100を識別するためのID(識別)情報などを含んでもよい。
【0030】
メモリ104は、上述したような処理を含む、様々な処理を実行するためのプログラムを格納する。また、算出された検査トルク値など、無線式トルクレンチ100において扱われるデータを保存することもできる。
【0031】
トルクセンサ106は、すでに述べたように、ストレインゲージや振動ジャイロなどからなり、締付部材に対する増し締めトルクを電気的な信号として検出する。なお、CPU102及びメモリ104(演算部)と、トルクセンサ106などの機能により、トルク測定部が実現される。
【0032】
操作入力ボタン107は、無線式トルクレンチ100の電源を入れたり、無線式トルクレンチ100における各種設定やトルク検査時のさまざまな操作入力を行うための入力手段である。
【0033】
表示部108は、トルク検査によって測定された検査トルク値などを表示する。
【0034】
アンテナ110は、PC1との間で、電波の送受信を行う。無線式トルクレンチ100においては、測定された検査トルク値を含む測定情報がアンテナ110を介してPC1に送信される。
【0035】
以上が、本実施形態の無線式トルクレンチ100の構成である。なお、CPU102がメモリ104に記憶されているプログラムを実行して実現される無線通信制御機能と、アンテナ110と、電気信号を電波に変換するための変調器や増幅器などからなる送信回路や電波を電気信号に変換するための復調器や増幅器などからなる受信回路などによって、無線式トルクレンチ100の無線通信部としての機能が実現される。
【0036】
次に、本実施形態の無線式イヤフォン200の構成について説明する。無線式イヤフォン200は、無線通信部210と、音声出力部212とを備える。
【0037】
無線通信部210は、PC1から音声信号である電波を受信する。無線通信部210は、アンテナや増幅器や復調器などから構成される。本実施形態においては、無線式イヤフォン200は、PC1から送信される検査部位情報やPC1による検査トルク値の判定結果についての情報などを、音声信号として受信する。
【0038】
音声出力部212は、無線通信部210が受信した音声信号を、音声(音波)に変換して出力する。音声出力部212は、具体的にはスピーカー等から構成される。
【0039】
以上が、本実施形態の無線式イヤフォン200の構成である。なお、無線式イヤフォン200は、図1に示した形状のものに限られず、頭にかぶせて使用するヘッドフォン形式のものでもよい。
【0040】
次に、本実施形態のPC1による検査部位情報の出力処理、検査トルク値の判定処理、及び、判定結果の出力処理について説明する。図3は、PC1によりこれらの処理を実行するための機能を説明する機能ブロック図である。
【0041】
本実施形態のPC1は、無線通信制御部50と、測定対象情報取得部としての検査対象情報取得部52と、音声信号出力制御部54と、トルク値判定部としてのトルク値判定制御部56と、表示制御部58と、を備える。なお、音声信号出力部は無線通信制御部50と音声信号出力制御部54によって実現される。
【0042】
無線通信制御部50は、無線式トルクレンチ100との無線通信と、無線式イヤフォン200との無線通信を制御する。具体的には、無線通信制御部50は、本システムによって締付トルクの検査を開始する場合に、PC1と無線式トルクレンチ100との間、及び、PC1と無線式イヤフォン200との間の無線通信を成立させて、無線接続を行う。また、無線通信制御部50は、検査対象情報取得部52及び音声信号出力制御部54の機能によって生成される、音声信号に変換された検査部位情報を、無線通信が成立している無線式イヤフォン200に対して、アンテナ10を介して出力する処理を制御する。また、無線通信制御部50は、測定情報取得部として、無線式トルクレンチ100から送信された検査トルク値を含む測定情報を取得する処理、及び、取得された検査トルク値についてのトルク値判定制御部56による判定結果を、音声信号として無線式イヤフォン200に出力する処理を実行する。
【0043】
なお、図1に示すように、PC1と複数の無線式トルクレンチとの間で無線通信を行う場合には、それぞれの無線式トルクレンチから、それぞれの無線式トルクレンチを識別するための識別情報を送信して、PC1が取得した測定情報がどの無線式トルクレンチからの情報であるか識別できるようにすればよい。また、無線式トルクレンチと無線式イヤフォンのセットを複数ペア利用する場合には、PC1において、無線式トルクレンチと対応する無線式イヤフォンとを対応付けて無線通信を確立すればよい。これにより、無線式イヤフォンに出力される検査部位情報によって指示されている締付部材と、その締付部材を締め付けた無線式トルクレンチから出力される測定情報とが、正しく対応し、本システムにおいて、データの混信が発生することなく、複数台の無線式トルクレンチと無線式イヤフォンを利用することができる。
【0044】
検査対象情報取得部52は、上述した検査部位情報と設定トルク範囲情報からなる検査対象情報を取得する。具体的には、検査対象情報取得部52は、HDD6にアクセスし、図2に示した検査対象情報DB300から、検査対象情報を取得する。
【0045】
音声信号出力制御部54は、検査対象情報取得部52が取得した検査対象情報に含まれる検査部位情報を音声信号に変換し、無線通信制御部50に対して、変換した音声信号を対応する無線式イヤフォン200に送信させる。また、音声信号出力制御部54は、無線式トルクレンチ100から送信される検査トルク値に対する、トルク値判定制御部56による判定結果に基づく音声信号を、無線式イヤフォン200に出力する。音声信号出力制御部54は、検査トルク値の判定結果に基づく音声信号として、例えば、検査トルク値(検査結果)が設定トルク範囲外であった場合に、ブザー音などの警告音を出力し、さらに、具体的に判定結果の内容を音声で出力することができる。例えば、設定トルク範囲を超えていた場合には、「設定トルクを超えています」などの音声信号を出力し、設定トルク範囲に満たない場合には、「設定トルクに達していません」などの音声信号を出力することができる。このような警告音や音声によるアナウンスにより、検査員は検査を行った締付部材が設定トルク範囲で締め付けられているか否かを、判定結果が表示された画面などを確認することなく、素早く確実に認識することができる。
【0046】
トルク値判定制御部56は、検査部位情報を出力して検査部位を指示した無線式イヤフォン200に対応する無線式トルクレンチ、つまり、無線式イヤフォン200を装着した検査員が使用する無線式トルクレンチ100から出力された、測定情報に含まれる検査トルク値が、出力した検査部位情報に対応する設定トルク範囲内であるか否かの判定処理を行う。例えば、検査部位が、図2に示したステアリングギアボックスであれば、この検査部位情報に対応付けられている設定トルク範囲は12.0〜16.0[N.m]であり、トルク値判定制御部56は、検査トルク値がこの設定トルク範囲内であるか否かの判定を行う。
【0047】
また、本実施形態のトルク値判定制御部56は、検査トルク値の判定処理の結果、検査トルク値が設定トルク範囲外であった場合に、その締付部材について再度トルクを測定して検査する再検査モードに移行して、再検査モードでのトルク検査をさらに行うことができる。再検査モードでは、例えば、予め再検査モードに移行した場合にトルク検査を行う回数を設定しておき、その回数分、対象の締付部材のトルクを測定して検査する。これにより、設定トルク範囲外であると判定された締付部材について正確にトルク検査を行うことができる。なお、トルク値判定制御部56は、例えば、検査トルクが設定トルク範囲外であった場合に再検査モードに移行し、再検査モードでもう一度検査した結果、やはり設定トルク範囲外であったと判定した場合、結果として検査対象の締付部材の締付トルクが設定トルク範囲外であると判定してもよい。
【0048】
表示制御部58は、本システムにおいてトルク検査を行う際に、図1に示したように、検査対象情報を示す画面を表示装置であるタッチパネル8に表示させることができる。また、表示制御部58は、各種設定画面や、検査トルク値の判定結果を示す画面や、検査トルク値が設定トルク範囲外の場合に再検査モードに移行するか否かの確認画面などを表示させることができる。
【0049】
以上が、本実施形態のPC1の各処理を実行する機能ブロックである。以上の機能ブロックは、CPU2がメモリ4に記憶されているプログラムを実行することによって実現される。
【0050】
以上の構成の本実施形態のPC1によれば、ユーザに対して、トルク検査を行う部位を音声で知らせることができるため、検査部位を確かめるために画面を確認することなく、指定された正しい順番で迅速に締付部材のトルク検査を行うことができるという効果が得られる。また、検査員(作業者)は無線式トルクレンチ100以外に、例えば従来の携帯端末に比べて、小型・軽量の無線式イヤフォン200のみを装着すればよいため、トルク検査作業が行いやすくなるという効果が得られる。また、トルク検査処理を管理するPC1と、無線式トルクレンチ100及び無線式イヤフォン200が無線で接続されるため、ケーブルなどによって作業が妨げられることもない。
【0051】
また、各検査員が装着する無線式イヤフォン200に検査対象情報や検査トルク値の判定結果などが直接出力されるため、他の検査員が行っているトルク検査についての音声などと聞き間違えることがないという効果も得られる。さらに、無線式イヤフォン200で音声を出力するため、警告音や判定結果を知らせる音声などが周囲に響いてうるさいという問題も生じない。
【0052】
さらに、締付部材のトルクを検査するために測定した場合に、その検査トルク値に対する判定結果が、音声で無線式イヤフォン200に出力されるため、ユーザは直感的に判定結果を認識することができ、締付部材のトルク検査の作業効率が向上するという効果も得られる。
【0053】
なお、以上の効果は、本実施形態で説明したトルク検査システムを、締付部材の通常の締め付け作業の際に締付部位を指示する締付指示システムとして利用した場合にも、同様に得ることができる。
【0054】
次に、本実施形態のトルク検査システムにおいて、トルク検査を行う場合の、PC1によって実行される処理の流れを説明する。図4は、本実施形態のPC1による処理の流れを示すフローチャートである。
【0055】
まず、PC1と、検査部位情報の出力先である無線式イヤフォン200と、出力された検査部位情報に基づいてユーザが締付部材のトルクを検査する無線式トルクレンチ100の電源をオンにした状態で、無線通信制御部50が、無線式トルクレンチ100と無線式イヤフォン200とに対して、無線接続を確立する処理を行う(ステップ101)。なお、上述したように、無線式トルクレンチや無線式イヤフォンを複数台使用する場合には、無線通信制御部50が、ユーザがセットで使用する無線式トルクレンチと無線式イヤフォンとを対応付けて、無線接続する。
【0056】
そして、無線通信制御部50は、無線接続されたか否かを判定する(ステップ102)。
【0057】
ステップ102において、無線接続が確立されたと判定された場合には(ステップ102のYes)、検査対象情報取得部52は、HDD6に格納されている検査対象情報DB300から、検査対象情報を取得する(ステップ103)。
【0058】
次に、音声信号出力制御部54が、検査対象情報取得部52が取得した検査対象情報に含まれる検査部位情報を音声信号に変換し、無線通信制御部50及びアンテナ10を介して、無線接続している無線式イヤフォン200に上記音声信号を出力する(ステップ104)。
【0059】
次に、ステップ104で出力された音声信号を無線式イヤフォン200が受信し、ユーザがその音声を聞いて指定された部位に締め付けられている締付部材を、無線式トルクレンチ100で締め付けて検査する。そして、測定された検査トルク値を含む測定情報が無線式トルクレンチ100のアンテナ110を介して出力され、PC1のアンテナ10が受信し、無線通信制御部50が測定情報を取得する(ステップ105)。
【0060】
次に、トルク値判定制御部56が、取得した測定情報に含まれる検査トルク値が、検査対象情報取得部52が取得した検査対象情報に含まれる設定トルク範囲内であるか否かの判定を行う(ステップ106)。
【0061】
ステップ106において、検査トルク値が設定トルク範囲内であった場合には(ステップ106のYes)、検査対象情報取得部52が、検査対象情報DB300にアクセスして、次の検査対象情報が存在するか否かを判定する(ステップ107)。次の検査対象情報が存在する場合には(ステップ107のYes)、検査対象情報取得部52が、次の締付部材についての検査対象情報を取得し(ステップ108)、ステップ104にもどる。一方、次の検査対象情報が存在しない場合には、全てのトルク検査対象についてトルク検査が終了したと判断して(ステップ107のNo)、処理を終了する。
【0062】
ステップ106において、検査トルク値が設定トルク範囲外であった場合には(ステップ106のNo)、音声信号出力制御部54および無線通信制御部50が、無線式イヤフォン200に対して、検査トルク値が設定トルク範囲外であったことを示す警告音の音声信号を出力する(ステップ109)。そして、音声信号出力制御部54および無線通信制御部50は、無線式イヤフォン200に対して、検査トルク値の具体的な判定内容を音声信号で出力する(ステップ110)。音声信号としては、上述のように、判定結果に応じて「設定トルクに達していません」、あるいは、「設定トルクを超えています」などの音声信号が出力される。
【0063】
次に、トルク値判定制御部56が、検査トルク値が設定トルク範囲外であるかどうかを再検査する再検査モードに移行するか否かを判定する(ステップ111)。この判定は、例えば、表示制御部58が、再検査モードに移行するか否かを確認するための確認画面をタッチパネル8に表示させ、ユーザがタッチパネル8に対していずれかを選択する入力を行い、その入力に基づいて行われる。また、トルク検査を行う前に、予め、再検査モードに移行するか否かを設定しておき、トルク値判定制御部56が、その設定に基づいて再検査モードに移行するか否かを決定してもよい。
【0064】
再検査モードに移行しない場合には(ステップ111のNo)、検査対象情報取得部52が、HDD6の検査対象情報DB300にアクセスして、次の検査対象物についての検査対象情報が存在するか否かを判定する(ステップ112)。次の検査対象情報が存在する場合には(ステップ112のYes)、検査対象情報取得部52が、次の検査対象情報を取得し(ステップ113)、ステップ104に戻る。一方、次の検査対象情報が存在しない場合には(ステップ112のNo)、トルク検査処理を終了する。
【0065】
ステップ111において、再検査モードに移行すると判定された場合には(ステップ111のYes)、トルク値判定制御部56は、トルク検査処理のモードを再検査モードに切り替える(ステップ114)。そして、音声信号出力制御部54と無線通信制御部50が、検査対象情報取得部52が取得している再検査対象の締付部材の検査部位情報を、再度、音声信号として無線式イヤフォン200に対して出力する(ステップ115)。なお、この際に、再検査モードである旨を知らせる音声信号を出力し、再検査モードに移行したことを検査員に知らせてもよい。
【0066】
無線式イヤフォン200にて出力される検査部位情報の音声に基づいて、検査員が無線式トルクレンチ100により締付部材を再度増し締めして検査を行うと、無線式トルクレンチ100から検査トルク値を含む測定情報が出力され、無線通信制御部50がアンテナ10を介して測定情報を取得する(ステップ116)。
【0067】
次に、トルク値判定制御部56は、取得した検査トルク値について、設定トルク範囲内であるか否かの判定処理を行う(ステップ117)。設定トルク範囲内ではない場合には(ステップ117のNo)、ステップ110と同様に、判定内容を音声信号として無線式イヤフォン200に対して出力する(ステップ118)。なお、ステップ109と同様に、警告音を出力してもよい。
【0068】
設定トルク範囲内であった場合(ステップ117のYes)及びステップ118の処理の後、トルク値判定制御部56は、再検査モードでのトルクの検査回数のカウントを一つ増やす(ステップ119)。
【0069】
次に、トルク値判定制御部56は、再検査モードでの検査回数が予め設定された設定検査回数に達したか否かを判定する(ステップ120)。例えば、設定検査回数が3回で、現在の検査回数が1回であった場合、つまり設定検査回数に達していない場合には(ステップ120のNo)、ステップ115に戻り処理を繰り返す。一方、設定検査回数に達した場合には(ステップ120のYes)、再検査モードを終了し、ステップ112に進み、再検査処理フローから通常のトルク検査処理フローに戻る。
【0070】
ステップ102において、無線通信制御部50が、無線接続が確立されなかったと判定した場合には(ステップ102のNo)、トルク検査のための無線接続処理を中止するか否かの判定を行う(ステップ121)。例えば、表示制御部58が、タッチパネル8に対して、無線接続できないため無線接続処理を終了するか否かを確認する確認画面を表示させ、その確認に対する入力に応じて、無線接続を中止するか否か判定する。無線接続を中止するよう入力があるなどして、無線接続を中止する場合には(ステップ121のYes)、トルク検査処理を終了する。一方、無線接続処理を中止しない場合には(ステップ121のNo)、ステップ101に戻って、無線接続処理を続ける。
【0071】
以上が、本実施形態のPC1のトルク検査処理の流れである。
【0072】
なお、ステップ106において、設定トルク範囲外であると判定された場合に、警告音の音声信号の出力処理(ステップ109)と検査トルク値に対する判定内容の音声信号の出力処理(ステップ110)が実行されるとして説明したが、これに限られるものではなく、設定トルク範囲外であったことを知らせる信号としていずれか一方のみの信号を出力してもよい。また、再検査モードに移行するか否かの判定処理(ステップ111)及び再検査モードでの検査処理(ステップ114〜ステップ120)は、必要ない場合には省略してもよい。
【0073】
また、ステップ105で取得された測定情報やステップ106での検査トルク値の判定結果を、例えば、これらの情報が得られた後に、検査結果として、検査対象情報と対応付けるなどして、HDD6などの記憶媒体に記憶させる処理を実行してもよい。
【0074】
また、CPU2が、ステップ103で検査対象情報を取得した場合や、ステップ105(ステップ116)で測定情報を取得した場合や、ステップ106(ステップ117)で判定結果を得た場合などにおいて、それぞれのステップで取得された情報を、表示制御部58がタッチパネル8に表示させるよう処理してもよい。この場合、PC1の画面上でも、トルク検査処理の内容を把握することができる。
【0075】
以上説明した本実施形態のPC1、及び、PC1によって実現されるシステムによれば、ユーザに対して、トルク検査を行う部位を音声で知らせることができるため、検査部位を確かめるために表示される画面を確認することなく、指定された正しい順番で迅速に締付部材のトルク検査を行うことができるという効果が得られる。また、ユーザは、検査に用いるトルクレンチ以外に、無線式イヤフォンのみを装着すればよいため、非常に作業を行いやすいという効果も得られる。
【0076】
なお、本実施形態においては、検査対象情報取得部52は、検査部位情報と設定トルク範囲情報を含む検査対象情報を一括して取得するとして説明したが、これに限られるものではなく、例えば、検査部位情報の音声出力の前に検査部位情報だけ取得し、測定情報を取得前あるいは取得後に検査部位情報に対応付けられている設定トルク範囲情報を取得するなど、それぞれ別々に情報を取得してもよい。
【0077】
また、本実施形態においては、検査対象の締付部材を特定する情報として、締付部材が取り付けられる部位を指示する検査部位情報について説明したが、これに限られるものではなく、トルク検査又は締め付けの対象の締付部材を特定することができる情報であればどのような情報でもよい。例えば、締付部材に予め番号を付しておき、その番号を、検査部位情報の代わりに、締付部材を特定する情報として利用してもよい。
【0078】
また、本実施形態においては、PC1から無線式イヤフォン200に出力された検査部位情報に基づく締め付けの、検査トルク値に対する判定結果を、無線式イヤフォン200に出力するとして説明したが、これに限られず、判定結果を無線式イヤフォン200に出力する必要がない場合や、無線式イヤフォン200での音声出力以外の手段で報知する場合には、判定結果を無線式イヤフォン200に出力する必要はない。例えば、判定結果をユーザがその都度知る必要がなく、作業後にまとめて確認する場合や、検査員とは別の人間が判定結果を確認する場合などには、判定結果を音声信号で出力しなくてもよい。
【0079】
また、本実施形態においては、検査対象情報DB300がPC1のHDD6に記憶されているとして説明したが、これに限られるものではなく、他の記憶装置や外部のサーバーなどに格納されていてもよい。外部のサーバに格納される場合には、PC1の無線通信機能を利用するか、PC1とサーバーとを直接又はネットワークを介して接続して、データを取得すればよい。
【0080】
また、測定対象指示装置としての小型PC1は、図1に示したようなタブレット式のコンピュータに限られず、無線用のアンテナを備えるデスクトップパソコンやノートパソコンでもよい。
【0081】
また、本実施形態においては、CPUが、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各機能を実現しそれぞれの処理を実行するとして説明したが、これに限られるものではなく、他のMPU(Micro Processing Unit)などの同等の処理装置や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの処理回路や、これらの組み合わせによって処理を実行してもよい。
【0082】
また、本実施形態においては、すでに締め付けられている締付部材のトルク検査を行うための装置及びシステムとして説明したが、検査用の装置やシステムに限定されるものではなく、締付部材を決められた締付場所に順番に締付できるように指示するための締付指示装置及びシステムとしても利用することができることは言うまでもない。上述したPC1のトルク検査のための各機能は、そのまま締付を指示するための機能として利用でき、これにより、作業者はイヤフォンとトルクレンチという簡単な装備で、複数の締付部位に対して迅速な締付作業が可能となる。
【符号の説明】
【0083】
1 小型PC(PC)
2 CPU
4 メモリ
6 HDD
8 タッチパネル
10 アンテナ
100 無線式トルクレンチ
102 CPU
104 メモリ
106 トルクセンサ
110 アンテナ
200 無線式イヤフォン
210 無線通信部
212 音声出力部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
トルクの測定対象物に対する締め付けにより測定される測定トルク値を含む測定情報を無線通信により送信する無線式トルク工具との無線通信と、少なくとも音声信号を無線通信により受信する無線式イヤフォンとの無線通信と、を制御する無線通信制御部と、
前記無線式トルク工具によるトルクの測定対象物を特定する測定対象特定情報を、所定の記憶領域から取得する測定対象情報取得部と、
前記測定対象情報取得部が取得した測定対象特定情報を、音声信号として無線通信により前記無線式イヤフォンに送信する音声信号出力部と、
前記無線式トルク工具から送信される前記測定情報を無線通信により取得する測定情報取得部と、
を備えることを特徴とする測定対象指示装置。
【請求項2】
前記測定対象情報取得部は、前記所定の記憶領域にて前記測定対象特定情報に対応付けられる、前記測定対象物について予め設定された設定トルク範囲を示す設定トルク範囲情報を取得し、
前記測定情報取得部によって取得された測定情報に含まれる前記測定トルク値が、前記測定対象情報取得部によって取得された前記設定トルク範囲内であるか否かを判定するトルク値判定部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の測定対象指示装置。
【請求項3】
前記音声信号出力部は、前記トルク値判定部の判定結果に対応する音声信号を無線通信により前記無線式イヤフォンに送信することを特徴とする請求項2に記載の測定対象指示装置。
【請求項4】
トルクの測定対象物に対する締め付けに応じたトルク値を測定するトルク測定部と、前記トルク測定部によって測定された測定トルク値を含む測定情報を無線通信により送信する無線通信部と、を備える無線式トルク工具と、
少なくとも音声信号を無線通信により受信する無線通信部と、前記無線通信部が受信した音声信号を音声として出力する音声出力部と、を備える無線式イヤフォンと、
前記無線式トルク工具との無線通信と、前記無線式イヤフォンとの無線通信と、を制御する無線通信制御部と、前記無線式トルク工具によるトルクの測定対象物を特定する測定対象特定情報を所定の記憶領域から取得する測定対象情報取得部と、前記測定対象情報取得部が取得した測定対象特定情報を、音声信号として無線通信により前記無線式イヤフォンに送信する音声信号出力部と、前記無線式トルク工具から送信される前記測定情報を無線通信により取得する測定情報取得部と、を備える測定対象指示装置と、
を備えることを特徴とする測定対象指示システム。

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2011−240434(P2011−240434A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−114597(P2010−114597)
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【出願人】(000151690)株式会社東日製作所 (47)
【Fターム(参考)】