説明

測定装置

測定装置を提供する。測定装置に含まれる要素は:
i)少なくとも一つの点温度センサーが先端部を有して対象物の温度をはかること、
ii)レーザーが前記点温度センサーの前記先端部を加熱するためにレーザー光線を前記点温度センサーの前記先端部に照射すること、
iii)光学部材が前記レーザーと前記点温度センサーの間に配置されること、
iv)測定素子が前記点温度センサーからの信号を検出して、この信号を測定すること、
V)信号発生器が参照信号を供給すること
である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は測定装置に関し、より詳しくは対象物の熱物性だけでなく流量、圧力、速度及び加速度を測定できる測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近ナノ及びバイオ技術の発達と共に微小体積の熱物性測定は重要な問題として浮び上がっている。また、ナノ及びバイオ技術において、用いられる材料は比較的に高価であるため、熱物性の測定時に要する材料の量も重要な要素である。
微小体積を有する対象物を測定する最も理想的な方式は、点加熱(point heating)及び点測定(point sensing)方式である。
点加熱及び点測定方式を利用した従来の測定装置としては、ペルチエ(peltier)真空計(韓国特許登録0407815)が挙げられる。ペルチエ真空計は、一つの点温度センサーだけでセンサー周辺の熱伝達係数を測定し、それから真空度を測定する。
【0003】
しかし、このようにペルチエ効果を利用して点加熱を実現する場合、加熱方式と測定方式が熱電効果という同じ原理を利用するため、加熱と測定回路の間の電気的干渉が生じる問題があった。従って、測定信号を時間的に区別できる別途の回路が必要となった。
また、交流電源で点温度センサーの先端部を加熱しながら同時に温度信号を分離するリアルタイムで測定できない問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、構造が簡単でかつ微小体積を有する微量の試料または特定部位の局所測定ができ、測定感度が優れて超小型で製作できる測定装置を提供することである。
本発明の他の目的は、対象物の熱物性だけでなく流量、圧力、速度、加速度も測定できる測定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による熱測定装置は、先端部を有し対象物の温度を測定する点温度センサー、レーザー光線を照射して前記点温度センサーの先端部を加熱するレーザー、前記レーザーと前記点温度センサーの間に配置された光学部材、前記点温度センサーで信号を検出して計測する計測器、及び参照信号を供給する信号発生器を含む。
【0006】
前記光学部材は光学レンズを含むことができる。
【0007】
また、前記光学部材は光ファイバーを含むことができる。
【0008】
ここで、前記レーザー光線は前記光ファイバーを経由して前記点温度センサーの先端部に誘導されることが望ましい。
【0009】
前記対象物は容器に入っている流体であり、前記点温度センサーの先端部を前記対象物内部に挿入して、前記レーザーから照射されたレーザー光線で前記点温度センサーの先端部を加熱して前記対象物の熱物性を測定できる。
【0010】
この時、前記対象物は不透明な流体でありうる。
【0011】
ここで、前記容器は一側が透明で形成されたのが望ましい。
【0012】
前記点温度センサーの先端部を前記容器の透明な一側に接触させて、前記点温度センサーの先端部が接触された面の反対面に前記レーザー光線を照射するのが望ましい。
【0013】
また、前記対象物は固体であり、前記点温度センサーの先端部を前記対象物の測定しようとする部位の表面に接触させて、前記レーザーから照射されたレーザー光線で前記点温度センサーの先端部を加熱して、前記対象物の熱物性を測定できる。
【0014】
また、前記対象物は流れる流体であり、前記点温度センサーの先端部を前記対象物内部に挿入して、前記レーザーから照射されたレーザー光線で前記点温度センサーの先端部を加熱して、前記対象物の流量を測定できる。
【0015】
また、前記点温度センサーは複数でありうる。
【0016】
この時、前記対象物は動く物体と一緒に移動する孤立した流体であり、前記多数の点温度センサーの先端部を各々前記対象物内部に挿入して、前記レーザーから照射されたレーザー光線で前記多数の点温度センサーの先端部の中のいずれか一つの先端部を加熱して、前記動く物体の加速度を測定できる。
【0017】
前記多数の点温度センサーの先端部は、前記動く物体の加速度を測定しようとする方向に沿って連続的に配置されたのが望ましい。
【0018】
前記レーザー光線は前記多数の点温度センサーの先端部の中、中間に位置した先端部を加熱するのが望ましい。
【0019】
前記点温度センサーの数は3つであるのが望ましい。
【0020】
また、先端部を有する熱吸収体を更に含むことができる。
【0021】
ここで、前記対象物は動く物体と共に移動する孤立した流体であり、前記多数の点温度センサーの先端部及び前記熱吸収体の先端部を各々前記対象物内部に挿入して、前記レーザーから照射されたレーザー光線で前記熱吸収体の先端部を加熱して、前記動く物体の加速度を測定できる。
【0022】
前記多数の点温度センサーの先端部及び前記熱吸収体の先端部は前記動く物体の加速度を測定しようとする方向に沿って連続的に配置され、前記熱吸収体の先端部が中間に配置されたのが望ましい。
【0023】
前記点温度センサーで検出される信号を増幅する信号増幅器を更に含むことができる。
【0024】
前記レーザーから照射されるレーザー光線を変調させる光変調器を更に含むことができる。
【0025】
交流電源でも直流電源でも使用することができる。
【0026】
これによって、測定装置は構造が簡単で、微小体積を有する微量の試料または特定部位の局所測定ができ、測定感度が優れて、超小型で製作することができる。
また、対象物の熱物性だけでなく流量、圧力、速度、加速度も測定できる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によると、構造が簡単で、微小体積を有する微量の試料または特定部位の局所測定ができ、測定感度が優れており、超小型の測定装置を提供できる。
従って、測定装置は少量の試料を使っても対象物の熱物性を測定できる。
また、測定装置は直流及び交流電源を全て用いることができ、必要な時にリアルタイムで測定できる。
【0028】
また、測定装置の測定感度を大幅に向上できる。
また、対象物の熱物性だけでなく流量、圧力、速度、加速度も測定できる測定装置を提供できる、
また、測定装置を動かす物体に固定させて一緒に動かして、動く物体の加速度を測定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態による測定装置を添付図を参照して、詳しく説明する。このような本発明の実施形態は単に本発明を例示するためであり、本発明がここに限定されるものではない。
また、多様な実施形態において、同一構成を有する構成要素については同一符号を付け、代表的に実施形態1で説明し、その他の実施形態2では実施形態1と異なった構成についてだけ説明する。
【0030】
本発明を明確に説明するために説明上不要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似する構成要素については同一参照符号を付けた。
図1は本発明の実施形態1による測定装置を示した。
図1に示したように、測定装置は、点温度センサー20、レーザー10、光学部材30、計測器60及び信号発生器40を含む。そして、光変調器70と信号増幅器50を更に含むことができる。この時、測定装置が測定しようとする対象物(T)は微小体積を有する流体の一部または固体の局所の部分になりうる。
【0031】
点温度センサー20は異種の金属線を含んで形成される。つまり、異種の金属線の端部が互いに接合された接合部は点温度センサーの先端部となる。点温度センサー20は測定対象物(T)の内部に挿入されたり、表面に接触して、温度変化を測定する。
【0032】
レーザー10はレーザー光線を照射して点温度センサー20の先端部を加熱する。そして光学部材30はレーザー10で照射されたレーザー光線を局所部位に集中させる。また、光変調器70はレーザー10で照射されたレーザー光線を望む特性を有するように変調させる。つまり、レーザー10で照射されたレーザー光線は光変調器70を通過しながら、適切な波形で変調し、再び光学部材30を通過しながら、点温度センサー20の先端部に集中される。
【0033】
光変調器70では音響光変調器(acousto-optic modulator、AOM)及び光チョッパー(optical chopper)等が用いることができる。
点温度センサー20の先端部の温度は次の数式で計算できる。
【0034】
【数1】

ここで、aは点温度センサー20の先端部の大きさであり、Cは測定対象物(T)の比熱であり、Csは点温度センサー20の先端部の比熱である。c1は接触抵抗と対象物(T)の熱伝導度の比であり、c2は測定対象物(T)と点温度センサー20の先端部の熱容量比である。hは測定対象物(T)と点温度センサー20の先端部の間の接触抵抗であり、kは測定対象物(T)の熱伝導度であり、Msは点温度センサー20の先端部の質量である。そしてqは熱流速、tは時間、uは積分変数、αは流体の熱拡散も、πは円分率を示す。
【0035】
レーザー10によって熱流速が与えられる時、点温度センサー20の先端部の温度は測定対象物(T)による熱熱伝導特性によって変わるため、このような点温度センサー20の先端部の温度変化から対象物(T)の熱物性を測定できる。
【0036】
計測器60は点温度センサー20で信号を検出して、時間に応じた温度変化を測定する。従って、対象物(T)の熱物性が分かる。このような計測器60ではオシロスコープ(oscilloscope)を用いることができる。そして、信号増幅器50は点温度センサー20で検出される信号を増幅して、計測器に伝達する。
【0037】
信号発生器40は光変調器70と計測器60に参照信号を供給する。光変調器70は信号発生器40の参照信号に応じて照射するレーザー光線を調節して、点温度センサー20の先端部に対する加熱程度を調節する。計測器60は信号発生器40の参照信号によって点温度センサー20で検出された信号から必要な情報を測定する。
【0038】
ここで、図1で測定装置は光変調器70を含んでいるが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。つまり、レーザー10でレーザーダイオード(laser diode、LD)のように自らレーザー光線の波形を変調させて照射できる種類が用いられる場合に光変調器70は省略できる。この時には、信号発生器40がレーザー10に直接参照信号を供給するようになる。
【0039】
このように、測定装置は、レーザー10を利用した点加熱及び点測定方式を使用する。従って、少量の試料を使っても対象物(T)の熱物性を測定できる。また、点温度センサー20は光学的な方法で加熱され、熱電効果を通して温度測定を行なう。つまり、加熱方式と測定方式を独立させることによって制限なく直流及び交流電源を全て用いることができ、加熱と同時に必要な時にリアルタイムで測定できる。また、レーザー10の駆動が点温度センサー20とは別に行われるため、レーザー10の駆動信号と点温度センサー20の検出信号が互いに干渉を受けずに点温度センサー20の検出信号を必要な程度に増幅させられる。従って、測定装置の測定感度を大きく向上できる。
【0040】
図2乃至図4を参照して本発明の実施形態1による測定装置を使って、対象物の熱物性を測定する方法を具体的に説明する。以下で測定しようとする 対象物が流体の時には TFを参照符号として使って、固体の時にはTSを参照符号として使うことにする。また、図面で示したように、本発明の実施形態1では光学部材に光学レンズ31が用いられる。
【0041】
図2は透明な流体が測定する対象物(TF)の時、その測定方法を示している。
図2に示したように、測定対象物(TF)が透明な流体の時にはこれを容器81に入れて測定する。点温度センサー20の先端部を容器に収容された対象物(TF)の内部に挿入して、レーザー10で照射されたレーザー光線で点温度センサー20の先端部を加熱する。この時、点温度センサー20の先端部の温度変化を計測して、対象物(TF)の熱物性を測定する。
このような構成によるレーザー10を利用した点加熱及び点測定方式で微小体積を有する流体の熱物性を効果的に測定できる。
【0042】
図3は不透明な流体が測定する対象物(TF)の時、その測定方法を示している。
図3に示したように、測定対象物(TF)が不透明な流体の時にはこれを一側85が透明な容器81に入れて測定する。点温度センサー20の先端部を容器81が透明な一側85に接触させて、点温度センサー20の先端部が接触された面の反対面にレーザー光線を照射して点温度センサー20の先端部を加熱する。この時、点温度センサー20の先端部の温度変化を計測して、対象物(TF)の熱物性を測定する。
【0043】
不透明な流体はレーザー光線を吸収するため、図2のような状態で測定すると、正確な測定が難しい。従って、図3のように、容器81の一側85をレーザー光線が透過できるように透明に形成し、容器81の透明な一側85に点温度センサー20の先端部を接触させた後、これをレーザー光線で加熱することによって正確に対象物(TF)の熱物性を測定できる。
このような構成によるレーザー10を利用した点加熱及び点測定方式によって、微小体積を有する不透明流体の熱物性を効果的に測定できる。
【0044】
図4は、固体が測定しようとする対象物(TS)の時、その測定方法を示している。
図4に示したように、固体の対象物(TS)の測定しようとする局所部位に点温度センサー20の先端部を接触させて、レーザー10から照射されたレーザー光線で点温度センサー20の先端部を加熱する。この時、点温度センサー20の先端部の温度変化を計測して、対象物(TS)の熱物性を測定する。
【0045】
このような構成によって、測定装置は点温度センサー20の先端部の大きさ程度の空間精度を有して固体表面の熱物性分布を測定できる。従って、測定装置を熱映像顕微鏡として使用できる。
【0046】
図5及び図6を参照して本発明の実施形態2に熱測定装置を使って、対象物の熱物性を測定する方法を具体的に説明する。図面に示したように、本発明の実施形態2において光学部材30は光学レンズ31及び光ファイバー32を含む。しかし、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、光学レンズ31は省略できる。つまり、レーザー10で照射されるレーザー光線が光学レンズ31を通すことなく直接光ファイバー32に向くことができる。
【0047】
図5は流体が測定しようとする対象物(TF)の時、その測定方法を示している。
図5に示したように、流体の測定対象物(TF)を容器に入れて、点温度センサー20の先端部を容器81に入った対象物(TF)内部に挿入する。光ファイバー32の一端を点温度センサー20の先端部に隣接するように配置し、光ファイバー32の他端に向かって、レーザー光線を照射する。レーザー10で照射されたレーザー光線は光ファイバー32を経由して誘導されて点温度センサー20の先端部を加熱する。この時、点温度センサー20の先端部の温度変化を計測して、対象物(TF)の熱物性を測定する。
【0048】
このような構成によって、点温度センサー20の先端部を正確に加熱できる。また、レーザー光線を照射することが容易でないところでも測定ができる長所がある。つまり、光ファイバー32を利用して、空間精度が優れて簡単な構造で小型の測定装置を形成できる。
【0049】
また、測定対象物(TF)である流体が不透明な場合にも光ファイバー32を利用すると効果的であり、正確に熱物性を測定できる。光ファイバー32はレーザー光線が不透明な流体に邪魔されずに正確に点温度センサー20の先端部に到達できるようにする。つまり、レーザー光線が光ファイバー32を通過して、点温度センサー20の先端部に到達するため、不透明な流体にレーザー光線が吸収及び散乱されることを防止できる。
【0050】
図6は、固体が測定しようとする対象物(TS)の時、その測定方法を示している。
図6で示したように、固体の対象物(TS)の測定しようとする局所部位に点温度センサー20の先端部を接触させて、光ファイバー32の一端を点温度センサー20の先端部に隣接配置する。そして、レーザー10に光ファイバー32の他端にレーザー光線を照射する。レーザー10で照射されたレーザー光線は光ファイバー32経由して誘導されて点温度センサー20の先端部を加熱する。この時、点温度センサー20の先端部の温度変化を計測して、対象物(TS)の熱物性を測定する。
【0051】
このような構成によって、点温度センサー20の先端部を正確に加熱できる。また、レーザー光線を照射することが容易でないところでも測定ができる長所がある。つまり、光ファイバー32を利用して、空間精度が優れて簡単な構造で小型化された測定装置を形成できる。
【0052】
図7を参照して本発明の実施形態3による測定装置を使って、流体の対象物(TF)の流量を測定する方法を具体的に説明する。図面で示したように、本発明の実施形態3で対象物(TF)は流れる流体である。また、図7には光学部材30に光学レンズ31が使用されたが、必ずしもこれに限定されるものではない。従って、光学部材30として光ファイバー32(図5に図示)が使用されたり、光ファイバー32と光学レンズ31が共に使われてもよい。
【0053】
図7は流れる流体が測定しようとする対象物(TF)の時、その流体の流量を測定する方法を示している。
図面に示したように、点温度センサー20の先端部を流れる流体内部に挿入して、レーザー10で照射されたレーザー光線で点温度センサー20の先端部を加熱する。この時、点温度センサー20の先端部の温度変化を計測して、対象物(TF)の流量を測定する。
点温度センサー20の先端部に与えた熱が流れる流体に抜け出る量は流体の速度関数であるため、これを利用して流れる流体の流量及び速度などを測定できる。
【0054】
また、このような方法を通して、流れる流体の流量だけでなく速度及び圧力を全て知ることができる。
図8を参照して本発明の実施形態4による測定装置を使って動く物体の加速度を測定する方法を具体的に説明する。つまり、測定装置は動く物体に固定して共に動きながら、物体の加速度を測定できる。また、図8には光学部材30に光学レンズ31が使用されたが、必ずしもこれに限定されるものではない。従って、光学部材30に光ファイバー32(図5に図示)が使用されたり、光ファイバー32と光学レンズ31が共に使われてもよい。
【0055】
図8は動く物体に固定してその物体の加速度を測定する測定装置を示している。
図8に示したように、測定装置は各々先端部を有する多数の点温度センサー20と、多数の点温度センサー20の先端部にレーザー光線を照射するレーザー10と、レーザーから照射されたレーザーを局所的に集中させる光学レンズ31、そして流体の対象物(TF)を孤立させて貯蔵する貯蔵部90を含む。
【0056】
多数の点温度センサー20の先端部を各々対象物(TF)内部に挿入する。そして多数の点温度センサー20は動く物体の加速度を測定しようとする方向に沿って連続的に配置する。レーザー10は多数の点温度センサー20の先端部の中、中間に位置した先端部21を加熱する。
【0057】
この時、加熱した点温度センサー21の先端部周辺の点温度センサー22、23の先端部の温度変化を計測して動く物体の加速度を測定する。
加速度によって動く物体に変化が生じると、加熱した点温度センサー21周辺の点温度センサー22、23の先端部に温度変化が発生する。このような変化の差は加速度の大きさの関数であるため、これによって動く物体の加速度を測定できる。
【0058】
図8には3つの点温度センサー20を有する測定装置を示している。点温度センサー20の数が増加するほど測定精度を高められる。
また、動く物体の加速度を測定する時には、必ずしもレーザー10に加熱する先端部が点温度センサー20である必要はない。つまり、レーザー光線を吸収して、発熱できる熱吸収体であれば可能である。ここで、熱吸収体は点温度センサー20のような先端部を有しなければならない。従って、レーザー10に熱吸収体の先端部を加熱して、熱吸収体の先端部周辺に配置された点温度センサー20の先端部の温度変化を計測して動く物体の加速度を分かることもできる。
【0059】
このような構成によって、測定装置は少量の試料を使っても対象物の熱物性を測定できる。また、測定装置の点温度センサー20は光学的な方法で加熱して、熱電効果を通して温度測定を行なう。つまり、加熱方式と測定方式を独立させることによって制限なく直流及び交流電源を全て用いることができ、加熱と同時に必要な時にリアルタイムで測定できる。また、レーザー10の駆動が点温度センサー20とは別に行われるため、レーザー10の駆動信号と点温度センサー20の検出信号が互いに干渉を受けずに点温度センサー20の検出信号を必要な程度増幅できる。従って測定装置の測定感度を大きく向上できる。
【0060】
また、流体の熱伝導特性は流体の流量、速度、加速度及び圧力にも依存するため、本発明に熱測定装置を利用して、流体の流量、速度、加速度及び圧力も測定できる。
また、本発明に熱測定装置を動かす物体に固定させて一緒に動くようにしながら、動く物体の加速度を測定できる。
【0061】
本発明を前記のように説明したが、特許請求の範囲の概念と範囲を逸脱しない限り、多様な修正及び変形が可能であることを本発明が属する技術分野に務める者らは簡単に理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の実施形態1による測定装置の構成図である。
【図2】図1の測定装置の主要部の構成図である。
【図3】図1の測定装置の他の変形例における主要部の構成図である。
【図4】図1の測定装置のまた他の変形例における主要部の構成図である。
【図5】本発明の実施形態2よる測定装置の主要部の構成図である。
【図6】図5の測定装置の他の変形例における主要部の構成図である。
【図7】本発明の実施形態3による測定装置の主要部の構成図である。
【図8】本発明の実施形態4による測定装置の主要部の構成図である。
【符号の説明】
【0063】
10 レーザー
20、21,22,23 点温度センサー
30 光学部材
31 光学レンズ
32 光ファイバー
40 信号発生器
50 信号増幅器
60 計測器
70 光変調器
81 容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部を有して対象物の温度を測定する点温度センサー、
レーザー光線を照射して前記点温度センサーの先端部を加熱するレーザー、
前記レーザーと前記点温度センサーの間に配置された光学部材、
前記点温度センサーで信号を検出して計測する計測器、及び
参照信号を供給する信号発生器
を含むことを特徴とする測定装置。
【請求項2】
前記光学部材は光学レンズを含むことを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記光学部材は光ファイバーを含むことを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
【請求項4】
前記レーザー光線は前記光ファイバーを経由して、前記点温度センサーの先端部に誘導されることを特徴とする請求項3に記載の測定装置。
【請求項5】
前記対象物は容器に収納された流体であり、
前記点温度センサーの先端部を前記対象物内部に挿入して、
前記レーザーから照射されたレーザー光線で前記点温度センサーの先端部を加熱して、前記対象物の熱物性を測定することを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
【請求項6】
前記対象物は不透明な流体であることを特徴とする請求項5に記載の測定装置。
【請求項7】
前記容器は一側が透明に形成されたことを特徴とする請求項6に記載の測定装置。
【請求項8】
前記点温度センサーの先端部を前記容器の透明な一側に接触させて、
前記点温度センサーの先端部が接触した面の反対面に前記レーザー光線を照射することを特徴とする請求項7に記載の測定装置。
【請求項9】
前記対象物は固体であり、
前記点温度センサーの先端部を前記対象物の測定しようとする部位の表面に接触させて、
前記レーザーから照射されたレーザー光線で前記点温度センサーの先端部を加熱して、前記対象物の熱物性を測定することを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
【請求項10】
前記対象物は流れる流体であり、
前記点温度センサーの先端部を前記対象物内部に挿入して、
前記レーザーから照射されたレーザー光線で前記点温度センサーの先端部を加熱して、前記対象物の流量を測定することを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
【請求項11】
前記点温度センサーの数は多数個であることを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
【請求項12】
前記対象物は動く物体と一緒に移動する孤立した流体であり、
前記多数の点温度センサーの先端部を各々前記対象物内部に挿入して、
前記レーザーから照射されたレーザー光線で前記多数の点温度センサーの先端部の中のいずれか一つの先端部を加熱して、前記動く物体の加速度を測定することを特徴とする請求項11に記載の測定装置。
【請求項13】
前記多数の点温度センサーの先端部は前記動く物体の加速度を測定しようとする方向に沿って連続的に配置されたことを特徴とする請求項12に記載の測定装置。
【請求項14】
前記レーザー光線は前記多数の点温度センサーの先端部の中、中間に位置した先端部を加熱することを特徴とする請求項13に記載の測定装置。
【請求項15】
前記点温度センサーの数は3つであることを特徴とする請求項14に記載の測定装置。
【請求項16】
先端部を有する熱吸収体を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の測定装置。
【請求項17】
前記対象物は動く物体と一緒に移動する孤立した流体であり、
前記多数の点温度センサーの先端部及び前記熱吸収体の先端部を各々前記対象物内部に挿入して、
前記レーザーから照射されたレーザー光線で前記熱吸収体の先端部を加熱して、前記動く物体の加速度を測定することを特徴とする請求項16に記載の測定装置。
【請求項18】
前記多数の点温度センサーの先端部及び前記熱吸収体の先端部は前記動く物体の加速度を測定しようとする方向に沿って連続的に配置され、前記熱吸収体の先端部が中間に配置されたことを特徴とする請求項17に記載の測定装置。
【請求項19】
前記点温度センサーで検出される信号を増幅する信号増幅器を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
【請求項20】
前記レーザーから照射されるレーザー光線を変調させる光変調器を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
【請求項21】
交流電源及び直流電源を全て用いることができることを特徴とする請求項1に記載の測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−503760(P2008−503760A)
【公表日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−542946(P2007−542946)
【出願日】平成18年10月30日(2006.10.30)
【国際出願番号】PCT/KR2006/004449
【国際公開番号】WO2007/052925
【国際公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(506376458)ポステック アカデミー−インダストリー ファンデーション (28)
【Fターム(参考)】