説明

測定装置

【課題】 生活動線上に配置されることにより、意識せずに日・時単位の個人の健康管理データを取得することができ、かつ室内インテリアの構成及び装飾性を乱すことなく配置することが可能な測定装置を提供する。
【解決手段】 本発明による測定装置10は、導光性基材1と、導光性基材1と一体となって配置された、所定方向に光を出射する発光部3及び発光部3からの光を受光する受光部4と、発光部3と受光部4の間に配置された、被計測体を載置する加重部2と、を備える。そして、被計測体を載置した際の加重部2の変位による発光部3からの光量変化を受光部4で検出し、その光量変化に基づいて被計測体の重量を計測する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定装置に関し、特に、体重等、人体の健康に関する健康管理データの測定を簡易に行うことのできる測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢化社会に伴う医療費の増大が社会問題化している。そのため、病気にならないようにする、いわゆる予防医学がにわかに注目されている。「予防医療」に対する国の施策として、平成20年度より義務化されたメタボリック検診がある。これは病気ではないが、病気になりうる可能性のある健康状態にある人に対して特定保健指導をする、というものである。ただ、予防としてこれで十分でないことは衆人の認めるところである。
【0003】
実際に治療・予防医療指導に当たる医師として知りたいのは、患者の健康管理データの日・時間単位の変動データである。例えば、糖尿病を予防することを考えてみる。健康診断等においては、通常、空腹時血糖値を測定するが、糖尿病予備軍に当たる人は、摂取後の血糖値が高かったり、摂取後の血糖が空腹時の値まで回復するのが遅かったりするのが通例であり、空腹時血糖値では予防するまでには至らないといわれている。
【0004】
次に、体重に関しては、メタボリックシンドローム検診では腹囲測定を行うが、腹囲に表れる前に体重の増加が先に表れるのが一般的である。これは、糖尿病・高脂血症等の成人病でも同じであり、体重の変動データは医師としては基礎データとして最も欲するものである。
【0005】
しかし、自分の健康管理データをマメに取る人というのは、健康な人ではなく、自覚症状のある人、或いは過去に病気を患ったことのある人であるというのは、紛れもない事実である。健康な人に健康管理データを測定してもらわなければ、予防医学は初めから挫折してしまいかねない。これまでは、測定機器があっても、わざわざ自分の意思で測定機器を取り出して測定せねばならず、その意義を分かりつつも面倒であるため、利用されないという問題があった。
【0006】
一方、上述の測定機器の中には、光を用いて人の体重を測定する重量測定装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この重量測定装置では、荷重に伴って下降する遮光板を用いて荷重による光量の変化から重量の測定を行うので、構造が単純となり装置がコンパクトになる。しかしながら、遮光板はある程度の高さを必要とするので、大きいバネ等を設置する必要があり、装置の厚みや重量が増すという問題があった。さらに、装飾性や機能性といった観点からも問題があった。
【特許文献1】実開平4−73821号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで生活動線上で意識せずに非侵襲で健康管理データを取得することが可能である測定機器が望まれる。ただし、生活動線上で測定するとなると種々の困難がある。まず、場所をとってはならない。しまう場所がないから、と買われないのがおちである。次に室内インテリアを乱すものであってはならない。場所はとらないが、変に目立ってしまうとか、かべの雰囲気とマッチしない、という理由は、医師側から見ればつまらない理由かもしれないが、消費者からみれば購買しない理由として十分である。
したがって、場所をとらず、室内インテリアとなじむような健康管理機器を開発することが予防医療を全うする、という課題を解決する上で必要である。
【0008】
本発明の目的は、生活動線上に配置されることにより、意識せずに日・時単位の個人の健康管理データを取得することができ、かつ室内インテリアの構成及び装飾性を乱すことなく配置することが可能な測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、導光性基材と、前記導光性基材と一体となって配置された、所定方向に光を出射する発光部及び該発光部からの光を受光する受光部と、前記発光部と前記受光部の間に配置された、被計測体を載置する加重部と、を備え、前記被計測体を載置した際の前記加重部の変位による前記発光部からの光量変化を前記受光部で検出し、前記光量変化に基づいて前記被計測体の重量を計測することを特徴とする測定装置である。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の測定装置は、厚みが10mm以下であることを特徴とする測定装置である。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、前記発光部は前記導光性基材の一方の端面に配置され、前記受光部は前記一方の端面に対向する他方の端面に配置されており、前記発光部から出射された光が前記加重部の下方空間を介して前記受光部で受光されることを特徴とする請求項1又は2に記載の測定装置である。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、前記発光部を第1の発光部とし前記受光部を第1の受光部として、前記加重部下方の該加重部と対向する位置に第2の発光部及び第2の受光部がさらに配置されており、前記第2の発光部から出射された光の少なくとも一部が前記加重部下面を照射して反射し、前記第1又は第2の受光部で受光されることを特徴とする請求項3に記載の測定装置である。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、前記加重部は、少なくとも1つ以上の透光窓を有しており、前記第2の発光部から出射された光が前記透光窓を介して前記透光窓上に載置された前記被計測体に照射されて反射し前記第1又は第2の受光部に受光されることを特徴とする請求項4に記載の測定装置である。
【0014】
また、請求項6に記載の発明は、前記第2の発光部から出射された光の特定波長における光の吸収に基づいて、前記被計測体の血液データを計測することを特徴とする請求項5に記載の測定装置である。
【0015】
また、請求項7に記載の発明は、前記血液データは、少なくとも血糖値を含むことを特徴とする請求項6に記載の測定装置である。
【0016】
また、請求項8に記載の発明は、前記第2の発光部及び前記第2の受光部をそれぞれ複数個備えたことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の測定装置である。
【0017】
また、請求項9に記載の発明は、前記第2の発光部から出射される光の波長は、250nm〜4μmであることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の測定装置である。
【0018】
また、請求項10に記載の発明は、前記第2の発光部から出射される特定波長の光を用いて、前記血液データの少なくとも1種以上を計測することを特徴とする請求項5〜9のいずれか1項に記載の測定装置である。
【0019】
また、請求項11に記載の発明は、前記加重部の一部は、透光性を有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の測定装置である。
【0020】
また、請求項12に記載の発明は、前記導光性基材及び/又は前記加重部の上面は、外乱光を防ぐための光シールド部材でさらに覆われていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の測定装置である。
【0021】
また、請求項13に記載の発明は、前記導光性基材上に少なくとも1個以上の人感センサをさらに備えたことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の測定装置である。
【0022】
また、請求項14に記載の発明は、前記計測した重量及び/又は血液データを蓄積するとともに、該蓄積したデータを表示する表示部をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の測定装置である。
【0023】
また、請求項15に記載の発明は、振動による発電機構及び/又は光による発電機構をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の測定装置である。
【0024】
また、請求項16に記載の発明は、前記振動による発電機構は圧電により発電し、前記光発電機構は太陽光発電により発電することを特徴とする請求項15に記載の測定装置である。
【0025】
また、請求項17に記載の発明は、前記発電機構で発電された電気を蓄電する蓄電機構をさらに備えたことを特徴とする請求項15又は16に記載の測定装置である。
【0026】
また、請求項18に記載の発明は、前記発電機構を電源として用いることを特徴とする請求項15〜17のいずれか1項に記載の測定装置である。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、光を用いて計測すること及び厚みが薄いことにより、生活動線上に配置して、意識せずに日・時単位の個人の健康管理データを取得することができ、かつ薄いこと及び光シールド材に適宜装飾を施すこと等により、室内インテリアの構成及び装飾性を乱すことなく配置することが可能な測定装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なり、また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることに留意すべきである。なお、本実施の形態において、下方(下面)とは、重力の作用する方向(側)を指し、上方(上面)とは、下方(下面)と反対方向(反対側)を指す。
【0029】
[第1の実施の形態]
(測定装置の構造)
本発明の第1の実施の形態に係る測定装置10は、図1及び図2に示すように、導光性基材1と、導光性基材1と一体となって配置された、所定方向に光を出射する発光部3及び発光部3からの光を受光する受光部4と、発光部3と受光部4の間に配置された、被計測体を載置する加重部2と、を備える。
【0030】
本実施の形態においては、被計測体を載置した際の加重部2の変位による発光部3(第1の発光部)からの光量変化を受光部4(第1の受光部)で検出し、その光量変化に基づいて被計測体の重量を計測する。
【0031】
導光性基材1は、発光部3から出射された光を効率よく導光して受光部4に受光させるためのものである。また、本体の基本骨格を形成する役割も備える。導光性基材1の形状は、平面視において、略四角形状を有する。形状は、特に限定されるものでなく、平面視において、略三角形、略四角形、略五角形等の多角形、或いは略円形、略楕円形等であってもよい。
本実施の形態においては、導光性基材1の中央部には、加重部2を収納するための開口部12が、略四角形状に形成されている。開口部12の形状は、特に限定されるものでなく、平面視において、略三角形、略四角形、略五角形等の多角形、或いは略円形、略楕円形等であってもよい。また、導光性基材1は、加重部2の2辺(例えば、発光部3及び受光部4が設けられた2辺)にそれぞれ設けるようにしてもよい。
【0032】
導光性基材1の材質は、透光性を有するものであれば、特に限定はされない。例えば、ガラスやアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂等のプラスチックが挙げられる。好ましくは、ガラスを用いるのがよい。厚みは、例えば、約10mm程度以下、好ましくは、約5〜10mm程度、さらに好ましくは、約7〜10mm程度であるのがよい。
【0033】
本実施の形態においては、導光性基材1や加重部2等からなる装置本体を支持するための支持基材6を設けることが好ましい。支持基材6の材質として、金属又はプラスチック等が挙げられる。厚みは、本体を支持できるものであれば、特に限定されない。例えば、約1〜5mm程度、好ましくは、約1〜3mm程度である。
【0034】
加重部2は、被計測体を載置するためのものである。加重部2は、後述の複数のコイルバネ5によって支持基材6に固定され、荷重方向に移動可能なように配設されている。
加重部2の形状は、平面視において、開口部12の形状と同じ略四角形状で、略同じ大きさを有する。形状は、開口部12に収納できる形状であれば、特に限定はされず、例えば、平面視において、略三角形、略四角形、略五角形等の多角形、或いは略円形、略楕円形等であってもよい。
【0035】
加重部2の材質としては、特に限定はされないが、例えば、金属やガラス或いはプラスチック等が挙げられる。加重部2は、透光性を有していてもよい。透光性を有することにより、後述するように、発光部3から出射された光を被計測体に照射して反射させて、その反射した光を受光部4で受光することができるので、血液データ等の計測が可能となる。
加重部2の厚みは、少なくとも導光性基材1の厚みより小さいのがよい。厚みは、例えば、約10mm程度以下、好ましくは、約4〜8mm程度、さらに好ましくは、約5〜7mm程度である。
【0036】
弾性部材5は、加重部2を支持するものであり、コイルバネからなる。コイルバネ5の長さは、被計測体を載置しない状態で、加重部2の厚みと合わせた長さが少なくとも導光性基材1の厚み以下であることが好ましい。コイルバネ5は、計測される被計測体の重量の範囲とバネの伸縮可能な長さに応じて、適宜計測に最適な弾性率を有するものを選択することができる。コイルバネ5の材質としては、例えば、金属やゴム等が挙げられる。
弾性部材5の配置は、加重部2を安定して支持できる限り、特に限定されない。例えば、加重部2の周縁部の4隅に対称的に配置することができる。
【0037】
本実施の形態において、発光部3は、例えば、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)からなり、受光部4は、例えば、PD(Photo Diode:フォトダイオード)からなる。発光部3は導光性基材1の一方の端面に取り付けられており、また受光部4は一方の端面に対向する他方の端面に取り付けられており、発光部3から出射された光が、開口部12を介して受光部4で受光されるように配設されている。LEDの発光波長は、特に限定されない。例えば、白色であってもよく、或いは赤色、緑色、青色等であってもよい。
発光部3及び受光部4は、それぞれ複数個配設してもよい。また、発光部3に、例えば、複数のLEDを用いた場合、それぞれ異なる発光波長を有するLEDであってもよい。
【0038】
発光部3は、LEDに限定されるものでなく、有機EL(EL:Electroluminescence)素子や冷陰極管等を用いることができる。また、受光部4も、PDに限定されるものでなく、フォトトランジスタや照度センサ等を用いることができる。さらに、上述した、LED、有機EL及び冷陰極管等と、PD、フォトトランジスタ及び照度センサ等とを適宜組み合わせて用いてもよい。
【0039】
図3に示すように、発光部3から出射された光は、加重部2に被計測体が載置されていない状態において、開口部12を通過して、受光部4に到達するときの光量(光の強度)はIである。加重部2に被計測体が載置される状態では、加重部2が荷重方向にΔxだけ移動し、そのため発光部3からの光は、一部が遮光されて、受光部4に到達する光量(光の強度)はItransとなる。
【0040】
図4は、加重部2の移動距離Δxに対する受光部4での光の強度Itransの関係を示す図である。本実施の形態においては、直線性を示す範囲が計測可能域であり、この領域を使用して移動距離Δxが光の強度Itransに比例して変化するように、発光部3のLEDが出射する光の強度を設定している。
被計測体の重量は、受光部4で光の強度Itransを検知して、対応するΔxを算出し、このΔxとコイルバネ5の弾性率から求めることができる。
【0041】
本実施の形態において、表示部7を備えているのが好ましい。表示部7は、計測されたデータを表示するためのものである。例えば、被計測体の体重が計測されると、その値に応じた信号として出力され、表示部7に数値が表示される。表示部7には、有機ELディスプレイや液晶ディスプレイ等を用いることができる。表示部7は、計測した日付・時間とともに、体重等のデータを蓄積する記録記憶部(図示略)を備えることが好ましい。
【0042】
また、本実施の形態においては、人の存在を検知する人感センサ8を設けることが好ましい。人感センサ8は、例えば、赤外線を感知する赤外線センサからなり、人体から発する赤外線を感知すると所定の電圧レベルの検知信号を出力し、測定装置10の電源スイッチをON/OFFする。これにより、人が生活動線上で気軽に体重等を計測することができるようになる。
【0043】
人感センサ8には、焦電型赤外線センサを用いることもできる。これは人体から発せられる赤外線による加熱で電気を発することにより人を検出するセンサであり、比較的広範囲の人の有無を検知すことができる。また、赤外線の反射を利用して、比較的狭い範囲に限定して検知できる赤外線反射型センサを用いてもよい。
【0044】
本実施の形態においては、計測により蓄積された体重等の健康管理データを容易に取り出し可能なように、外部インタフェース9を設けることが好ましい。外部インタフェース9として、例えば、周辺機器との接続を可能にするUSBインタフェース等を挙げることができる。
【0045】
(測定装置の動作)
次に、本実施の形態に係る測定装置10の動作を説明する。
まず、人が近づくと人感センサ8が作動し、電源スイッチ(図示略)がONとなる。そして、加重部2上に被計測体が載って荷重Wがかかると、加重部2は荷重方向にΔxだけ変位する。これにより、開口部12における加重部2の下面より下の空間が狭められる。すると、発光部3から出射された光(光の強度:I)は、導光性基材1内を通過した後、荷重Wの加わる前に比べて加重部2の変位した分だけ遮光され、光の強度の低下した残余の光(光の強度:Itrans)が導光性基材1を通って受光部4で受光される。
【0046】
受光部4で計測されたItransに基づいて、図4に示すような変位ΔxとItransの関係から、荷重Wによる変位Δxが算出される。そして、得られた変位Δxとコイルバネ5の弾性率とから荷重Wの値を求める。この荷重Wの値は、表示部7にデジタル表示され、日付・時間とともに、記録記憶部に記録される。そして、人が離れると、人感センサ8が作動し、電源スイッチがOFFとなる。
【0047】
本実施の形態によれば、日常の生活動線上で、気軽に体重を計測することが可能となる。
【0048】
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態に係る測定装置は、図5に示すように、導光性基材1及び加重部2は、支持基材6側とは反対側の面が外乱光を防ぐための光シールド部材11で覆われている。その他の構成は、第1の実施の形態と同様であるので説明は省略する。
【0049】
光シールド部材11は、外部からの光による外乱の影響を防ぐためのものである。光シールド部材11には、例えば、金属コーティングや誘電体コーティング等を用いることができる。
導光性基材1及び加重部2の外表面を光シールド部材11で覆うことにより、外からの光を遮断できるので、発光部3から出射された光を、精度よく受光部4で受光することができる。また、光シールド部材11の表面に適宜装飾を施してもよい。これにより、室内インテリアの構成及び装飾性に合わせて配置することができる。
【0050】
[第3の実施の形態]
本発明の第3の実施の形態に係る測定装置は、図6に示すように、第2の発光部13及び第2の受光部14が、開口部12領域の支持基材6上に配置されており、第2の発光部13から出射された光が加重部2を照射して反射し第2の受光部14で受光される。その他の構成は、第1の実施の形態と同様であるので説明は省略する。
【0051】
本実施の形態において、第2の発光部13及び第2の受光部14は、開口部12領域の支持基材6上に配置されている。第2の発光部13から出射された光を加重部2に照射し、加重部2の下面で反射した光を第2の受光部14で受光する。そして、第1の実施の形態と同様の方法で、被計測体の計測を行う。
第2の発光部13及び第2の受光部14を、開口部12領域内に配置することにより、より多くの機能をもたせることが可能となる。
【0052】
[第4の実施の形態]
本発明の第4の実施の形態に係る測定装置は、図7に示すように、第1の実施の形態における弾性部材5とは、用いる弾性部材(5a,5b,5c)が異なる。その他の構成は、第1の実施の形態と同様であるので説明は省略する。
【0053】
図7(a)に示すように、弾性部材5aとして、板バネを用いることができる。この板バネは、複数枚を重ねて用いてもよい。板バネの材質としては、金属やプラスチック等が挙げられる。
また、図7(b)に示すように、弾性部材5bとして、皿バネを用いることができる。皿バネの材質としては、金属やプラスチック等が挙げられる。
また、図7(c)に示すように、弾性部材5cとして、弾性スポンジを用いることができる。弾性スポンジの材質としては、ゴム、金属、プラスチック等が挙げられる。
上述した弾性部材(5a,5b,5c)を用いることにより、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0054】
[第5の実施の形態]
本発明の第5の実施の形態に係る測定装置20は、図8に示すように、第2の発光部13及び第2の受光部14が、開口部12領域の支持基材6上に配置されており、第2の発光部13から出射された光が加重部2を照射して反射し第2の受光部14で受光される。加重部2は、少なくとも1つの透光窓(15,16)を有しており、第2の発光部13から出射された光を透光窓(15,16)を介して透光窓(15,16)上に載置された被計測体に照射して反射させ、反射した光を第1又は第2の受光部4,14で受光させて被計測体の血液データを計測する。その他の構成は、第1の実施の形態と同様であるので説明は省略する。
【0055】
本実施の形態において、加重部2に配設された透光窓(15,16)上の被計測体、例えば、人の足の裏の皮膚に、第2の発光部13から光を照射し、反射した光を第2の受光部14で受光することにより、血液データを取得する。第2の発光部13の発光する光の波長は、約250nm〜4μm程度であるのが好ましい。波長がこの範囲であると、血糖値や血液成分であるヘモグロビン、メラニン等をそれらの光の吸光特性から計測することが可能となる。
【0056】
血液成分であるヘモグロビンとメラニン、及び水では、特定の波長領域において光の吸収の強さが表れる。波長領域が3〜4μm以上では水による吸収が大きく、また、200nm以下では炭素結合に由来する吸収、及び人体への浸透深さが浅すぎる等の影響が大きくなり、測定が困難となるので好ましくない。
例えば、血糖については、波長領域が約1200〜2000nm程度において血糖試験のできることが知られている。したがって、血糖の吸収波長領域にある波長の光と、血糖の吸収波長領域の外にある波長の光の強度比から血糖量を計測することができる。
【0057】
本実施の形態においては、第2の発光部13及び第2の受光部14をそれぞれ複数個備えることが好ましい。例えば、発光する光の波長領域が異なるLED等を複数個配置し、それぞれの波長領域の光を受光する複数個のPDを配置することが好ましい。これにより、種々の波長領域に光の吸収特性を有する複数の血液データの取得が可能となる。また、第2の発光部13は回折格子による分光やその他の光学部材を利用することもできる。
【0058】
本実施の形態において、第2の発光部13から出射される光の特定波長により、血液データの少なくとも1種以上を計測する。例えば、計測する血液データとしては、血糖値、血圧及び赤血球数等を挙げることができる。
【0059】
なお、第2の発光部13及び第2の受光部14は、第3の実施の形態で述べたように、加重部2の載置された被測定体の体重を測定するために用いることができる。
【0060】
本実施の形態によれば、日常の生活動線上で、体重をはじめ血糖値等の血液データを計測することが可能となる。
【0061】
[第6の実施の形態]
本発明の第6の実施の形態に係る測定装置30は、図9に示すように、発電機構22,23及び蓄電機構24をさらに備える。その他の構成は、第5の実施の形態と同様であるので説明は省略する。なお、図9においては、図の煩雑さを避けるために発光部3、13、受光部4、14及び透光窓15,16を省略して記載してある。
【0062】
本実施の形態において、発電機構22として、振動により発電することのできる圧電素子を備えた発電装置を設けてもよい。この発電機構22では、測定装置30の未使用時における振動、例えば、人が近づくときの振動や外での車や電車等の通過による振動、或いは使用時において加重部2に被計測体が載置されるときの振動、等を利用して、これらの振動を圧電素子等でとらえて発電することができる。
【0063】
また、発電機構23として、太陽光や蛍光灯等の室内光を利用して発電する太陽電池を用いることができる。
【0064】
そして、これら発電機構22,23で発電された電気の少なくとも一部を本体の測定装置30の電源として用いることができる。
【0065】
また、本実施の形態において、発電機構22,23で発電した電気の一部を蓄電する蓄電機構24を設けてもよい。蓄電機構24として、例えば、リチウムイオン二次電池等の二次電池を挙げることができる。これにより、例えば、電源としてマンガン乾電池やアルカリ乾電池等の一次電池や太陽電池を用いた場合、その交換時期を長くすることができるか、或いは一次電池を用いる必要性をなくすことが可能となる。
【0066】
[第7の実施の形態]
本発明の第7の実施の形態に係る測定装置30は、図10に示すように、計測した重量及び/又は血液データを蓄積するとともに、この蓄積データを表示する表示部17をさらに備える。その他の構成は、第6の実施の形態と同様であるので説明は省略する。
【0067】
本実施の形態において、表示部17は、測定装置30本体の外部に電気配線18を介して配設される。例えば、洗面台21の近傍の床上に測定装置30本体を配置し、表示部17を洗面台21の鏡の表面上に、或いは鏡に埋め込んだ状態で配置することができる。
【0068】
表示部17は、被計測体(人)19の計測中の数値データを表示する以外に、記録記憶部(図示略)に蓄積された種々の健康管理データの履歴をグラフにして表示することもできる。例えば、最近1週間或いは1ヶ月の体重の変化をグラフ化して表示する。
これにより、日常の生活動線上で気軽に体重等の健康管理データの取得が可能となる。
【0069】
[その他の実施の形態]
以上、上述した第1〜第7の実施の形態によって本発明を詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した第1〜第7の実施の形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更形態として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。以下、上述した第1〜第7の実施の形態を一部変更した変更形態について説明する。
例えば、各部材の厚み等の寸法や構成する材料を変更することは可能である。
また、第1〜第7の実施の形態における構成を適宜組み合わせることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る測定装置の模式的平面図。
【図2】図1のI−I線の模式的断面構造図。
【図3】荷重Wが加わったときの加重部2の変位△xと光量Itransを説明する図。
【図4】加重部2の変位△xと光量Itransとの関係を示す図。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る測定装置の模式的断面構造図。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る測定装置の模式的断面構造図。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係る測定装置の模式的断面構造図であって、(a)弾性部材5aが板バネ、(b)弾性部材5bが皿バネ、(c)弾性部材5cが弾性スポンジ、である図。
【図8】本発明の第5の実施の形態に係る測定装置の模式的平面図。
【図9】本発明の第6の実施の形態に係る測定装置の模式的平面図。
【図10】本発明の第7の実施の形態に係る測定装置の模式的側面図。
【符号の説明】
【0071】
1・・・導光性基材
2・・・加重部
3,13・・・発光部(3:第1の発光部、13:第2の発光部)
4,14・・・受光部(4:第1の受光部、14:第2の受光部)
5,5a,5b,5c・・・弾性部材
6・・・支持基材
7,17・・・表示部
8・・・人感センサ
9・・・外部インターフェース
10,20,30・・・測定装置
11・・・光シールド部材
12・・・開口部
15,16・・・透光窓
18・・・電気配線
19・・・被計測体(人)
21・・・洗面台
22・・・振動による発電機構
23・・・太陽光による発電機構
24・・・蓄電機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導光性基材と、
前記導光性基材と一体となって配置された、所定方向に光を出射する発光部及び該発光部からの光を受光する受光部と、
前記発光部と前記受光部の間に配置された、被計測体を載置する加重部と、
を備え、前記被計測体を載置した際の前記加重部の変位による前記発光部からの光量変化を前記受光部で検出し、前記光量変化に基づいて前記被計測体の重量を計測することを特徴とする測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の測定装置は、厚みが10mm以下であることを特徴とする測定装置。
【請求項3】
前記発光部は前記導光性基材の一方の端面に配置され、前記受光部は前記一方の端面に対向する他方の端面に配置されており、前記発光部から出射された光が前記加重部の下方空間を介して前記受光部で受光されることを特徴とする請求項1又は2に記載の測定装置。
【請求項4】
前記発光部を第1の発光部とし前記受光部を第1の受光部として、前記加重部下方の該加重部と対向する位置に第2の発光部及び第2の受光部がさらに配置されており、前記第2の発光部から出射された光の少なくとも一部が前記加重部下面を照射して反射し、前記第1又は第2の受光部で受光されることを特徴とする請求項3に記載の測定装置。
【請求項5】
前記加重部は、少なくとも1つ以上の透光窓を有しており、前記第2の発光部から出射された光が前記透光窓を介して前記透光窓上に載置された前記被計測体に照射されて反射し前記第1又は第2の受光部に受光されることを特徴とする請求項4に記載の測定装置。
【請求項6】
前記第2の発光部から出射された光の特定波長における光の吸収に基づいて、前記被計測体の血液データを計測することを特徴とする請求項5に記載の測定装置。
【請求項7】
前記血液データは、少なくとも血糖値を含むことを特徴とする請求項6に記載の測定装置。
【請求項8】
前記第2の発光部及び前記第2の受光部をそれぞれ複数個備えたことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項9】
前記第2の発光部から出射される光の波長は、250nm〜4μmであることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項10】
前記第2の発光部から出射される特定波長の光を用いて、前記血液データの少なくとも1種以上を計測することを特徴とする請求項5〜9のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項11】
前記加重部の一部は、透光性を有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項12】
前記導光性基材及び/又は前記加重部の上面は、外乱光を防ぐための光シールド部材でさらに覆われていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項13】
前記導光性基材上に少なくとも1個以上の人感センサをさらに備えたことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項14】
前記計測した重量及び/又は血液データを蓄積するとともに、該蓄積したデータを表示する表示部をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項15】
振動による発電機構及び/又は光による発電機構をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項16】
前記振動による発電機構は圧電により発電し、前記光による発電機構は太陽光発電により発電することを特徴とする請求項15に記載の測定装置。
【請求項17】
前記発電機構で発電された電気を蓄電する蓄電機構をさらに備えたことを特徴とする請求項15又は16に記載の測定装置。
【請求項18】
前記発電機構を電源として用いることを特徴とする請求項15〜17のいずれか1項に記載の測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−25638(P2010−25638A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−185168(P2008−185168)
【出願日】平成20年7月16日(2008.7.16)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】