説明

測定装置

【課題】測定値と検査用閾値とを比較する検査機能で装置を動作させる際に、測定者による測定レンジの設定作業が不要でありながら、短時間で測定を行うことができる測定装置を提供する。
【解決手段】インピーダンス測定装置1は、複数の測定レンジの中の一つの測定レンジでDUT90のパラメータを測定する測定部2と、測定に用いる一つの測定レンジを測定部2に設定するCPU3(レンジ制御部)と、測定部2の測定した測定値と予め設定された検査用閾値との比較を行うCPU3(検査部)とを備える測定装置1であって、レンジ制御部が、検査用閾値に基づいて、一つの測定レンジを決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の測定レンジの中の一つの測定レンジで測定対象物のパラメータを測定する測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
測定装置は、一般的に、測定値の大小に応じて切り換え可能な複数の測定レンジ(入力レンジ)を有している。このような測定装置は、装置が自動的に最適な測定レンジを決定するオートレンジ機能と、測定者の手動設定操作で測定レンジが決定されるホールド(固定)レンジ機能とを備えるものが多い。例えば特許文献1には、オートレンジ機能を備えるインピーダンス測定器が記載されている。
【0003】
また、測定装置には、測定値と、予め設定された検査用閾値とを比較して、測定値の検査を行う検査機能を備えているものがある。例えば、特許文献2には、測定値と、上限値及び下限値とを比較する比較測定モードや、所定の基準値に対する測定値の偏差を測定する偏差測定モードを備える測定装置が記載されている。
【0004】
このような検査を行う際に、オートレンジ機能を使用すると、測定周波数などの測定条件を変えたり、測定対象物を交換したりして測定を行う都度、測定レンジの自動選択処理が行われるので、測定に時間が掛かり、ひいては検査時間が長くなる。一方、ホールドレンジ機能を使用して、測定レンジを予め設定しておくと、短時間で測定できるので、検査時間を短くすることができる。しかしながら、測定レンジを予め設定するための作業は煩雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−288778号公報
【特許文献2】特開平6−147932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、測定値と検査用閾値とを比較する検査機能で装置を動作させる際に、測定者による測定レンジの設定作業が不要でありながら、短時間で測定を行うことができる測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するためになされた、特許請求の範囲の請求項1に記載された測定装置は、複数の測定レンジの中の一つの測定レンジで測定対象物のパラメータを測定する測定部と、測定に用いる該一つの測定レンジを該測定部に設定するレンジ制御部と、該測定部の測定した測定値と予め設定された検査用閾値との比較を行う検査部とを備える測定装置であって、該レンジ制御部が、該検査用閾値に基づいて、該一つの測定レンジを決定することを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の測定装置は、請求項1に記載のもので、前記レンジ制御部が、前記検査用閾値に所定のマージンを算入した値を測定可能な前記測定レンジを、前記一つの測定レンジとして決定することを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の測定装置は、請求項2に記載のもので、前記レンジ制御部が、前記検査用閾値に所定のマージンを算入した値を測定可能な前記測定レンジが複数あるときに、その中でインピーダンスに換算した値が最小となる前記測定レンジを、前記一つの測定レンジとして決定することを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の測定装置は、請求項1から3のいずれかに記載のもので、前記レンジ制御部が、前記検査用閾値が複数設定されているときに、複数の該検査用閾値の中でインピーダンスに換算した値が最大となる該検査用閾値に基づいて、前記一つの測定レンジを決定することを特徴とする。検査用閾値が複数設定されているときとは、一つのパラメータに対して上限値及び下限値の2つの検査用閾値が設定されているとき、複数のパラメータに対して各々上限値及び/又は下限値の検査用閾値が設定されているとき、一つのパラメータに対して選別検査用の複数の選別範囲が各々上限値及び/又は下限値で設定されているとき、複数の各パラメータに対して選別検査用の複数の選別範囲が設定されているときが含まれる。
【0011】
請求項5に記載の測定装置は、請求項1に記載のもので、前記レンジ制御部が、共に合成することでインピーダンスの絶対値を算出可能な第一及び第二の前記パラメータに対して、各々前記検査用閾値が設定されているときに、該第一のパラメータの検査用閾値及び該第二のパラメータの検査用閾値で算出されるインピーダンスの絶対値に基づいて、前記一つの測定レンジを決定することを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の測定装置は、請求項5に記載のもので、前記レンジ制御部が、前記第一及び第二の前記パラメータに対して、各々前記検査用閾値として上限値及び/又は下限値が設定されているときに、
1:該第一のパラメータの上限値及び該第二のパラメータの上限値、
2:該第一のパラメータの上限値及び該第二のパラメータの下限値、
3:該第一のパラメータの下限値及び該第二のパラメータの上限値、
4:該第一のパラメータの下限値及び該第二のパラメータの下限値、
の1〜4の組の中の当て嵌まる全ての組でインピーダンスの絶対値を算出し、その中の最も大きなインピーダンスの絶対値に基づいて、前記一つの測定レンジを決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の測定装置によれば、レンジ制御部が測定値を検査するための検査用閾値に基づいて、測定に使用する一つの測定レンジを決定することにより、測定者が手動で測定レンジを設定する手間が掛からず、しかも、オートレンジ機能よりも高速に測定することができるホールドレンジ機能と同等の速度で測定を行うことができる。したがって、測定対象物の検査を短時間で行うことができる。このように、検査用閾値から測定レンジを決定できるのは、検査用閾値が正常な測定値から大きく離れない値で設定されるためである。
【0014】
レンジ制御部が、検査用閾値に所定のマージンを算入した値を測定可能な測定レンジを、測定に用いる一つの測定レンジとする場合、このマージンを適宜設定することにより、測定値を正確に測定することのできる最適な測定レンジに設定することができる。例えば検査用閾値が測定レンジの測定範囲の上限側を規定する値であればマージンを小さく設定し、下限側を規定する値であればマージンを大きく設定する。
【0015】
また、検査用閾値に所定のマージンを算入した値を測定可能な測定レンジが複数あるときに、その中でインピーダンスに換算した値が最小となる測定レンジを、一つの測定レンジとして決定する場合、一層最適な測定レンジに設定することができる。
【0016】
レンジ制御部が、検査用閾値が複数設定されているときに、複数の検査用閾値の中でインピーダンスに換算した値が最大となる検査用閾値に基づいて、一つの測定レンジを決定する場合、いずれの検査用閾値付近の測定値に対しても正確に測定することができる測定レンジに設定することができる。
【0017】
レンジ制御部が、共に合成することでインピーダンスの絶対値を算出可能な第一及び第二の前記パラメータに対して、各々検査用閾値が設定されているときに、第一のパラメータの検査用閾値及び第二のパラメータの検査用閾値で算出されるインピーダンスの絶対値に基づいて、測定レンジを決定する場合、2種類のパラメータの検査用閾値から測定レンジを決めているので、1種類のパラメータから測定レンジを決めるよりも、最適な測定レンジに設定することができる。
【0018】
レンジ制御部が、第一及び第二の前記パラメータに対して、各々検査用閾値として上限値及び/又は下限値が設定されているときに、各々の上限値及び/又は下限値を組み合わせて算出できるインピーダンスの絶対値のうちの最も大きなインピーダンスの絶対値に基づいて、一つの測定レンジを決定する場合、取り得る組み合わせ全てでインピーダンスの絶対値を算出しているので、一層最適な測定レンジに設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明を適用する測定装置の一例であるインピーダンス測定装置1の使用状態を示すブロック図である。
【図2】インピーダンス測定装置1のタッチパネル10に表示された「測定レンジの設定画面」を示す概要図である。
【図3】インピーダンス測定装置1のタッチパネル10に表示された「比較検査用の上限値、下限値の設定画面」を示す概要図である。
【図4】インピーダンス測定装置1の検査基準同期機能の動作を示すフローチャートである。
【図5】インピーダンス測定装置1のタッチパネル10に表示された「比較検査実行画面」を示す概要図である。
【図6】インピーダンス測定装置1のタッチパネル10に表示された「選別検査用の上限値、下限値の設定画面」を示す概要図である。
【図7】インピーダンス測定装置1のタッチパネル10に表示された「選別検査実行画面」を示す概要図である。
【図8】インピーダンス測定装置1のθ,Q,Dを考慮した検査基準同期機能の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
【0021】
本発明を適用する測定装置の一例として、図1にインピーダンス測定装置1の構成を示す。このインピーダンス測定装置1は、測定部2、CPU(中央演算処理装置)3、メモリ4、タッチパネル10を備え、DUT(測定対象物)90のパラメータを測定して、その測定値の検査を行うことが可能なものである。
【0022】
測定部2は、例えば同図に示すように、DUT90の両端にプローブ2a、プローブ2bを接触させて2端子法でDUT90のパラメータを測定可能に構成されている。測定部2は、4端子法や公知の他の方法でパラメータを測定するものであってもよい。測定部2は、複数の測定レンジの中の一つの測定レンジに切り換えて、測定対象物のパラメータを測定する。この複数の測定レンジは、測定可能な適正なレベルに入力レベルを変換するために、増幅度又は減衰度を段階的に切り換え可能に構成されている。複数の測定レンジは、公知の回路であるので、具体的な構成についての説明は省略する。
【0023】
ここでパラメータとは、電気的な特性値であり、例えば、抵抗R、静電容量C、インダクタンスL、インピーダンスの絶対値|Z|(以下において「インピーダンス|Z|」ともいう)、インピーダンスの位相角θ、リアクタンスX、アドミタンスの絶対値|Y|(以下において「アドミタンス|Y|」ともいう)、アドミタンスの位相角φ、コンダクタンスG、サセプタンスBであったり、抵抗、コンデンサ、及びコイルを直列接続した直列等価回路における直列等価抵抗Rs、直列等価静電容量Cs、直列等価インダクタンスLsであったり、抵抗、コンデンサ、及びコイルを並列接続した並列等価回路における並列等価抵抗Rp、並列等価静電容量Cp、並列等価インダクタンスLpであったり、Q(Qファクタ)や損失係数D(D=1/Q=tanδ)であったり、直流抵抗Rdcであったりする。測定するパラメータは、タッチパネル10の操作により、任意に複数(例えば2つ)選択可能になっている。
【0024】
CPU3は、メモリ4に記憶されているプログラムに従って動作して、インピーダンス測定装置1の各部の動作を統括的に制御する。また、CPU3は、本発明における検査部及びレンジ制御部を兼ねている。検査部としてCPU3は、測定部2の測定した測定値と予め設定された検査用閾値との比較を行う。レンジ制御部としてCPU3は、検査用閾値に基づいて、測定に用いる一つの測定レンジを決定して、測定部2に設定する。また、CPU3は、タッチパネル10に画像を表示させ、タッチパネル10で操作された内容を判別する。
【0025】
メモリ4は、例えば、プログラムを記憶するROM(リードオンリーメモリ)、CPU3の作業エリアとなるRAM(ランダムアクセスメモリ)、及び、測定値、検査用閾値、及び各種設定値を記憶する例えばフラッシュROMなどの書き換え可能な不揮発性メモリ(いずれも図示せず)で構成されている。
【0026】
タッチパネル10は、操作部及び表示部を兼ねており、液晶パネルやCRTなどの表示装置と、タッチパッドなどの位置入力装置とが組み合わされていて、画像を表示すると共に、指や専用ペン等が画面に触れたときに、その触れた画面上の位置情報をCPU3に出力する。
【0027】
次に、インピーダンス測定装置1の動作について説明する。
【0028】
図2に、タッチパネル10に「測定レンジの設定画面」が表示されている例を示す。この画面は、測定や検査を行う前に予め設定を行うための画面である。
【0029】
タッチパネル10に表示されているパラメータ設定ボタン11,13は、測定を行うパラメータを設定するためのボタンである。パラメータ設定ボタン11,13が指等で選択される(触られる)と、複数種類のパラメータの中から測定を行うパラメータを選択可能に表示した「パラメータの選択画面」(図示せず)をCPU3(図1参照)が表示させる。測定者によってパラメータが選択されると、図2の「測定レンジの設定画面」に戻り、選択されたパラメータをパラメータ設定ボタン11,13に表示する。この例では、パラメータ設定ボタン11にインピーダンス|Z|を示す「|Z|」が表示され、パラメータ設定ボタン13にインピーダンスの位相角θを示す「θ」が表示されていて、|Z|及びθを測定することが示されている。パラメータ設定ボタン11の右横には、測定部2が測定した|Z|の測定値21が表示され、パラメータ設定ボタン13の右横には、測定部2が測定したθの測定値22が表示される。また、DUT90の両端電圧値23a及びDUT90に流れた電流値23bが表示される。
【0030】
検査用閾値設定ボタン12は、パラメータ設定ボタン11で設定されたパラメータ(この例ではインピーダンス|Z|)の測定値との比較検査に用いる検査用閾値を設定するためのボタンである。検査用閾値設定ボタン14は、パラメータ設定ボタン13で設定されたパラメータ(この例では位相角θ)の測定値との比較検査に用いる検査用閾値を設定するためのボタンである。検査用閾値は、一例として、上限値や下限値で設定する。検査用閾値を、基準値に対する上限割合や下限割合、又は、基準値に対する上限幅の値(例えば|Z|の場合、基準値+1Ω)や下限幅の値(例えば|Z|の場合、基準値−1Ω)で設定してもよい。
【0031】
検査用閾値設定ボタン12が指等で選択されたときに、例えば図3に示すように、検査用閾値として、上限値、及び下限値の少なくとも一方を設定するための「比較検査用の上限値、下限値の設定画面」をCPU3(図1参照)がタッチパネル10に表示させる。「比較検査用の上限値、下限値の設定画面」では、同図に示すように、上限値を設定するためのHIボタン41、下限値を設定するためのLOボタン42、数値設定用ボタン43、OFFボタン44が表示されている。HIボタン41が選択されて、数値設定用ボタン43によって数値設定されることで、上限値が設定される。LOボタン42が選択されて、数値設定用ボタン43によって数値設定されることで、下限値が設定される。例えば、上限値として17kΩ、下限値として15kΩのように設定する。上限値、下限値はOFFボタン44で設定を解除、つまり設定しないようにすることができる。検査用閾値設定ボタン14が選択されたときも、同様にして上限値及び下限値の少なくとも一方を設定する。設定された上限値、下限値は、パラメータに対応させてメモリ4(図1参照)に記憶させる。検査用閾値が設定されたときには、検査用閾値設定ボタン12,14には、一例として「LIMIT」の文字が表示される。また、図5に示すように、上限値24a,25aや下限値24b,25bの値が表示される。
【0032】
また、図2に示すように、タッチパネル10には、ホールドレンジ機能を選択するためのHOLDボタン31、オートレンジ機能を選択するためのAUTOボタン32、及び検査基準同期機能を選択するためのJUDGE SYNCボタン33が表示されている。タッチパネル10には、ホールドレンジ機能の選択時に測定レンジを手動で設定するための測定レンジ設定ボタン34,34・・・が表示されている。
【0033】
同図において、測定レンジ設定ボタン34,34・・・に表示されている値が、各測定レンジを表している。各測定レンジは、測定するパラメータの種類にかかわらず、インピーダンス|Z|で規定されている。また、各測定レンジは、測定可能なインピーダンス|Z|の最大値で表されている。各測定レンジで測定可能なインピーダンス|Z|(測定値)の範囲は、一例として、100mΩレンジでは0〜100mΩ、1Ωレンジでは80mΩ〜1Ω、10Ωレンジでは800mΩ〜10Ω、300Ωレンジでは8Ω〜300Ω、1kΩレンジでは240Ω〜1kΩ、3kΩレンジでは800Ω〜3kΩ、10kΩレンジでは2.4kΩ〜10kΩ、30kΩレンジでは8kΩ〜30kΩ、100kΩレンジでは24kΩ〜100kΩ、1MΩレンジでは80kΩ〜1MΩ、10MΩレンジでは800kΩ〜10MΩ、100MΩレンジでは8MΩ〜100MΩの範囲である。なお、測定レンジ設定ボタン34,34・・・に表示する測定レンジの値は、測定するパラメータの種類にかかわらず常にインピーダンス|Z|で表してもよいし、例えば静電容量Cを測定するときは、測定レンジ設定ボタン34,34・・・を、1pF、・・・、1μF、・・・1Fのようにパラメータの種類に対応させた単位で表してもよいが、CPU3の内部処理では、測定レンジは測定するパラメータの種類にかかわらず常にインピーダンス|Z|で処理を行うものとする。
【0034】
ホールドレンジ機能が選択されたときには、CPU3(図1参照)は、測定レンジ設定ボタン34,34・・・で設定された測定レンジで測定部2(図1参照)にパラメータの測定を行わせ、測定値が上限値や下限値で示された範囲内にあるか検査して、その検査結果をタッチパネル10に表示させる。オートレンジ機能が選択されたときには、CPU3は、測定レンジの測定可能な範囲内に測定値が入るように測定レンジを適宜切換えて測定を行わせ、測定値の検査を行い、検査結果をタッチパネル10に表示する。
【0035】
検査基準同期機能がJUDGE SYNCボタン33によって選択されたときには、レンジ制御部として機能するCPU3は、図4に示すフローチャートにしたがって、検査用閾値から測定に用いる一つの測定レンジを決定する。
【0036】
具体的には、レンジ制御部は、ステップS1で、測定を行うために予め設定されたパラメータの種類を判別する。検査基準同期機能では、一例として、単独でインピーダンスに換算することができるパラメータの検査用閾値を用いて測定レンジを決定する。単独でインピーダンスに換算することが可能なパラメータについては、表1中に算出式(第一算出式及び第二算出式)を示している。単独でインピーダンスに換算できないパラメータである位相角θ、Qファクタ、損失係数Dについては、表1中に算出式を示していない。図2,3の例では、パラメータとして、インピーダンス|Z|及び位相角θの2つが設定されているので、レンジ制御部は、インピーダンス|Z|について表1中に算出式があると判別する。この表1に相当するテーブルは、メモリ4に予め記憶されている。
【0037】
【表1】

【0038】
表1中の上限値、下限値(検査用閾値)は、対応するパラメータの単位で設定されているものとする。例えば、検査用閾値が、インピーダンス|Z|、リアクタンスX,抵抗Rs,Rpのときには単位[Ω]で設定され、アドミタンス|Y|、コンダクタンスG、サセプタンスBでは単位[S]で設定され、静電容量Cs,Cpのときには単位[F]で設定され、インダクタンスLs,Lpのときには単位[H]で設定されているものとする。また、表中のfは測定周波数[Hz]である。
【0039】
続いて、レンジ制御部は、ステップS2で、表1中の対応するパラメータ(この例ではインピーダンス|Z|)の欄を参照して、第一算出式で用いる検査用閾値(インピーダンス|Z|の場合、上限値)が設定されているか否かを判別する。第一算出式は、パラメータをインピーダンスの絶対値に換算したときに上限側となる検査用閾値の設定が有る場合に用いられ、第二算出式は、パラメータをインピーダンスの絶対値に換算したときに上限側となる検査用閾値の設定が無く、下限側となる検査用閾値の設定がある場合に用いられる。同表に示すように、第一算出式に上限値を用いるか、下限値を用いるかはパラメータの種類によって異なる。
【0040】
レンジ制御部は、ステップS2で、第一算出式で用いる検査用閾値が有ると判別したときは、ステップS3に進み、第一算出式でレンジ決定用インピーダンスを算出する。ステップS2で、第一算出式で用いる検査用閾値が無いと判別したときは、ステップS4に進み、第二算出式でレンジ決定用インピーダンスを算出する。第一算出式又は第二算出式で算出されるレンジ決定用インピーダンスは、検査用閾値に所定のマージンを算入した値を、インピーダンスに換算した値である。第一算出式では、一例として検査用閾値にマージンを20%算入して120%としてレンジ決定用インピーダンスを求め、第二算出式では、検査用閾値にマージンを100%算入して200%としてレンジ決定用インピーダンスを求めている。何れも、測定可能とすべきインピーダンス|Z|の値を求めている。算入するマージンの値は、測定値のばらつき具合など対応させるように、タッチパネルの操作で測定者が変更設定できるようにすることが好ましい。第二算出式で算入するマージンの方が、第一算出式で算入するマージンよりも大きく設定することが好ましい。第一算出式で算入するマージンは、例えば1〜50%とすることが好ましいが、第一算出式を用いる場合、マージンを算入しなくてもよい。第二算出式で算入するマージンは、例えば50〜300%とすることが好ましい。
【0041】
インピーダンス|Z|の上限値として17kΩが設定されている場合、ステップS3では、第一算出式により17kΩ×120%=20.4kΩのレンジ決定用インピーダンスが算出される。また、インピーダンス|Z|の上限値が設定されておらず、下限値として15kΩが設定されている場合、ステップS4では、第二算出式により15kΩ×200%=30kΩのレンジ決定用インピーダンスが算出される。
【0042】
次に、レンジ制御部は、ステップS5で、測定に用いる一つの測定レンジとして、ステップS3又はステップS4で算出されたレンジ決定用インピーダンスを測定可能な測定レンジを選択する。例えば、ステップS3で算出されたレンジ決定用インピーダンスが20.4kΩの場合、レンジ制御部は8kΩ〜30kΩを測定可能な30kΩレンジを選択する。また、例えばステップS4で算出されたレンジ決定用インピーダンスが30kΩの場合、8kΩ〜30kΩを測定可能な30kΩレンジと、24kΩ〜100kΩを測定可能な100kΩレンジの2つの測定レンジが選択可能であるが、下限値である15kΩを測定可能な30kΩレンジを選択する。このように、複数の測定レンジでレンジ決定用インピーダンスを測定可能な場合には、レンジ制御部はインピーダンスが最も小さい測定レンジを選択する。
【0043】
以上で、検査基準同期機能によるレンジ決定処理が終了する。このような簡便な計算処理で、検査用閾値から測定に用いる一つの測定レンジを自動的に決定することができる。
【0044】
なお、インピーダンスに換算可能な複数のパラメータで測定を行う場合、パラメータごとにステップS1〜S5を行い、得られた複数の測定レンジの中でインピーダンスが最も大きな測定レンジを、測定に用いる一つの測定レンジとして決定する。例えば、インピーダンス|Z|及び直列等価静電容量Csで測定を行う場合、インピーダンス|Z|についてステップS1〜S5を行って決定された測定レンジと、直列等価静電容量CsについてステップS1〜S5を行って決定された測定レンジとを比較して、インピーダンスが大きな方の測定レンジを用いる。また、単独でインピーダンスに換算できないパラメータである位相角θ、Qファクタ、及び/又は損失係数Dのみが検査用閾値に設定されているときには、オートレンジ機能で測定レンジを決定することが好ましい。
【0045】
図5に、タッチパネル10に表示させた「比較検査実行画面」の表示例を示す。同図に示すSTRATボタン35が押されると、CPU3は、決定された測定レンジで測定部2に測定を行わせる。続いて、検査部となるCPU3は、測定値と上限値及び/又は下限値とを比較して測定値の検査(比較検査)を行い、その検査結果をタッチパネル10に表示させる。
【0046】
同図に示すように、「比較検査実行画面」には、インピーダンス|Z|の測定値21の検査結果として、測定値21の下に検査結果27を表示し、位相角θの測定値22の下に検査結果28を表示している。検査結果27として、測定値21が上限値24a及び下限値24bの範囲内に入っているときには「IN」を表示し、測定値21が上限値24aよりも大きいときには「HI」を表示し、測定値21が下限値24bよりも小さいときには「LO」を表示する。上限値24aだけが設定されているときには、検査結果27として、測定値21が上限値24a以下のときには「IN」を表示し、測定値21が上限値24aよりも大きいときには「HI」を表示する。下限値24bだけが設定されているときには、検査結果27として、測定値21が下限値24a以上のときには「IN」を表示し、測定値21が下限値24bよりも小さいときには「LO」を表示する。検査結果28についても同じ様に判定して表示する。また、「比較検査実行画面」には、インピーダンス|Z|の上限値24a、下限値24b、及び、位相角θの上限値25a、下限値25bを表示させる。また、測定レンジとして、検査基準同期機能で設定された測定レンジ26を表示させる。「比較検査実行画面」には、同図に示すように、測定周波数、測定電圧などの各種測定条件を表示させてもよい。また、検査結果をUSBメモリなどの外部メモリに保存するためのSAVEボタン36や、印刷するためPRINTボタン37を表示させる。
【0047】
次に、インピーダンス測定装置1が、選別検査機能を有する場合に、検査基準同期機能で測定レンジを決定する例について説明する。
【0048】
選別検査機能とは、測定値が、予め設定されている複数の選別範囲(グループ)のうちの何れの選別範囲に該当するか検査する機能である。選別検査機能では、選別検査用に上限値及び/又は下限値(検査用閾値)で示される選別範囲が複数設定されている。選別検査機能は、BIN機能とも呼ばれている。例えば、測定値が、基準値に対して±1%以内(検査用閾値の一例)であればBIN(選別範囲)1、±3%以内であればBIN2、±5%以内であればBIN3、±10%以内であればBIN4のように選別する。選別検査は、1つのパラメータに対して行ってもよいし、複数のパラメータに対して行ってもよい。
【0049】
図6に、タッチパネル10に「選別検査用の上限値、下限値の設定画面」が表示されている例を示す。同図は、パラメータとしてインピーダンス|Z|及び位相角θについて選別検査する例である。インピーダンス|Z|については、一例として、基準値に対する上限割合(HI)、及び下限割合(LO)でBIN1〜BIN4の各範囲が設定されている。基準値に対する上限割合及び下限割合で演算した値が、上限値及び下限値となる。位相角θについては、一例として、相対値ではなく絶対値で、つまり上限値(HI)及び下限値(LO)で、BIN1〜BIN4の各範囲が設定されている。各選別範囲として、上限値(上限割合)又は下限値(下限割合)だけが設定される場合もある。
【0050】
インピーダンス|Z|の測定値がBIN1の範囲であり、かつ位相角θの測定値がBIN1の範囲であるときに、検査部であるCPU3は、検査結果としてBIN1であると判定する。インピーダンス|Z|の測定値がBIN3の範囲であり、かつ位相角θの測定値がBIN1の範囲であるときに、検査部は、検査結果としてBIN3であると判定する。このように複数のパラメータに対して選別検査するときには、検査部は、該当する選別範囲の中で、最も広い範囲の選別範囲(基準の緩やかな選択範囲)を選択する。図7に、タッチパネル10に表示した「選別検査実行画面」の表示例を示す。同図では、検査結果29としてBIN1が表示されている。
【0051】
このような選別検査を行う場合、検査基準同期機能を使用して測定レンジを決定するときには、レンジ制御部は、図4に示したフローチャートで測定レンジを決定する際に、複数の選別範囲(BIN1〜BIN4)の中で、表1の第一算出式(ステップS3)又は第二算出式(ステップS4)で算出するレンジ決定用インピーダンスが、最も大きくなる選別範囲で測定レンジを決定する。具体的には、図6のように上限割合(上限値)及び下限割合(下限値)で選別範囲が設定されているときには、レンジ制御部は、ステップS2からステップS3に進み、レンジ決定用インピーダンスが最も大きくなるBIN4のインピーダンス|Z|の上限値(HI +10%)を用いて、第一算出式でレンジ決定用インピーダンスを算出する。仮に、図6においてBIN1〜4のインピーダンス|Z|の上限割合(HI)がOFFに設定されているときには、レンジ制御部は、ステップS2からステップS4に進み、レンジ決定用インピーダンスが最も大きくなるBIN1のインピーダンス|Z|の下限値(LO −1%)を用いて、第二算出式でレンジ決定用インピーダンスを算出する。なお、ステップS3又はステップS4において、BIN1〜BIN4でそれぞれレンジ決定用インピーダンスを算出し、算出した値を比較して最も大きなレンジ決定用インピーダンスを選択し、その値から測定レンジを決定するようにしてもよい。
【0052】
なお、上記の例では、位相角θは単独でインピーダンスに換算できないパラメータであるので、インピーダンス|Z|の検査用閾値から測定レンジを決定しているが、例えば静電容量CやインダクタンスLなど、単独でインピーダンスに換算可能なパラメータを複数測定する場合、各パラメータに基づき決定した測定レンジの中で、インピーダンスが最も大きな測定レンジを用いる。
【0053】
次に、インピーダンス測定装置1が、単独でインピーダンスに換算できない位相角θ、Qファクタ、損失係数Dを考慮して検査基準同期機能で測定レンジを決定する例について、図8のフローチャートを参照して説明する。
【0054】
このフローチャートを実行する前に、測定を行うパラメータや検査用閾値は予め設定されているものとする。
【0055】
先ず、レンジ制御部は、ステップS11で、測定を行うために設定されているパラメータが、表2中の「メインパラメータとサブパラメータとの組み合わせ」欄に示した2つのパラメータに該当するか判別する。ここでは、位相角θ、Qファクタ、損失係数Dをサブパラメータ(本発明における第二のパラメータ)と称しており、表2中の抵抗Rs,Rp、リアクタンスX・・・等の他のパラメータをメインパラメータ(本発明における第一のパラメータ)と称している。このメインパラメータ及びサブパラメータの組み合わせは、両パラメータを共に合成してインピーダンスの絶対値(レンジ決定用インピーダンス|Zr|)を算出することができる組み合わせになっている。表2には、両パラメータからレンジ決定用インピーダンス|Zr|を求める算出式が表されている。表2に相当するテーブルは、メモリ4(図1参照)に予め記憶されている。
【0056】
【表2】

表2中、ω=2πfである。ここでfは測定周波数(Hz)を表す。また、表2中、「*」は乗算を表している。
【0057】
ステップS11で、設定されている2つのパラメータが表2中のパラメータに該当しているときは、レンジ制御部は、ステップS12に進む。
【0058】
次に、レンジ制御部は、ステップS12で、メインパラメータ及びサブパラメータの各々に、検査用閾値として上限値及び/又は下限値の設定が有るか判別する。上限値及び/又は下限値の設定が有るときは、レンジ制御部は、ステップS13に進む。なお、上限値や下限値は、基準値に対する上限割合や下限割合などのように、演算により求める形式で設定されていてもよい。
【0059】
続いて、レンジ制御部は、ステップS13で、
1:メインパラメータの上限値及びサブパラメータの上限値
2:メインパラメータの上限値及びサブパラメータの下限値
3:メインパラメータの下限値及びサブパラメータの上限値
4:メインパラメータの下限値及びサブパラメータの下限値
の1〜4の組(グループ)の中の当て嵌まる全ての組で、それぞれ表2中の算出式を用いてレンジ決定用インピーダンス|Zr|を算出し、その中の最も大きなレンジ決定用インピーダンス|Zr|を選択する。
【0060】
例えば、メインパラメータの検査用閾値として上限値及び下限値が設定され、サブパラメータの検査用閾値として上限値及び下限値が設定されている場合、1〜4の組が全て当て嵌まるので、1〜4の各組が示す検査用閾値でそれぞれレンジ決定用インピーダンス|Zr|を算出し、その4つの中から、最も大きなレンジ決定用インピーダンス|Zr|を選択する。
【0061】
また、例えば、メインパラメータの検査用閾値として上限値及び下限値が設定され、サブパラメータの検査用閾値として上限値のみが設定されている場合、1の組と3の組が当て嵌まるので、1の組及び3の組でレンジ決定用インピーダンス|Zr|を算出し、その2つの中から、最も大きなレンジ決定用インピーダンス|Zr|を選択する。
【0062】
続いて、レンジ制御部は、ステップS14で、測定レンジの中からステップS13で選択されたレンジ決定用インピーダンス|Zr|を測定することができるレンジを、測定に用いる一つの測定レンジとして決定する。複数の測定レンジで測定が可能なときには、インピーダンスが最も小さな測定レンジを選択する。ステップS13で選択されたレンジ決定用インピーダンス|Zr|に所定のマージンを算入して、その値を測定できるレンジを、測定レンジとして決定してもよい。
【0063】
このように、サブパラメータの検査用閾値も考慮して測定レンジを決定することで、メインパラメータの検査用閾値だけから測定レンジを決定するときよりも、的確な測定レンジで測定することができる。なお、ステップS11で該当しない(NO)と判別したときや、ステップS12で上限値、下限値の設定が無い(NO)と判別したときには、処理を終了して、既に説明した図4のフローチャートに従って、測定レンジを決定することが好ましい。
【0064】
選別検査機能を使用する場合、ステップS13では、各選別範囲の中で、レンジ決定用インピーダンス|Zr|が最も大きくなる選別範囲の上限値及び下限値を用いて、測定レンジを決定する。例えば、BIN1〜4の各条件でそれぞれステップS13を実行し、その中で最も大きなレンジ決定用インピーダンス|Zr|を用いてステップS14で測定レンジを決定する。
【0065】
なお、種々のパラメータを測定可能なインピーダンス測定装置1について説明したが、例えば静電容量Cだけを測定可能な容量計のように単一のパラメータを測定可能な測定装置に本発明を適用してもよい。このような場合、測定レンジをインピーダンス|Z|で規定せずに静電容量で規定して、レンジ決定用インピーダンスに換算することなく検査用閾値から直接測定レンジを決定してもよい。要は、検査用閾値が正常な測定値の範囲を規定していることから、検査用閾値、又はそこに必要性に応じてマージンを算入した値を測定することができる測定レンジを、測定に用いる一つの測定レンジとして決定すればよい。
【符号の説明】
【0066】
1はインピーダンス測定装置、2は測定部、2a・2bはプローブ、3はCPU、4はメモリ、10はタッチパネル、11・13はパラメータ設定ボタン、12・14は検査用閾値設定ボタン、21は|Z|の測定値、22はθの測定値、23aは両端電圧値、23bは電流値、24a・25aは上限値、24b・25bは下限値、26は測定レンジ、27・28・29は検査結果、31はHOLDボタン、32はAUTOボタン、33はJUDGE SYNCボタン、34は測定レンジ設定ボタン、35はSTRATボタン、36はSAVEボタン、37はPRINTボタン、41はHIボタン、42はLOボタン、43は数値設定用ボタン、44はOFFボタン、90はDUTである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の測定レンジの中の一つの測定レンジで測定対象物のパラメータを測定する測定部と、測定に用いる該一つの測定レンジを該測定部に設定するレンジ制御部と、該測定部の測定した測定値と予め設定された検査用閾値との比較を行う検査部とを備える測定装置であって、該レンジ制御部が、該検査用閾値に基づいて、該一つの測定レンジを決定することを特徴とする測定装置。
【請求項2】
前記レンジ制御部が、前記検査用閾値に所定のマージンを算入した値を測定可能な前記測定レンジを、前記一つの測定レンジとして決定することを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記レンジ制御部が、前記検査用閾値に所定のマージンを算入した値を測定可能な前記測定レンジが複数あるときに、その中でインピーダンスに換算した値が最小となる前記測定レンジを、前記一つの測定レンジとして決定することを特徴とする請求項2に記載の測定装置。
【請求項4】
前記レンジ制御部が、前記検査用閾値が複数設定されているときに、複数の該検査用閾値の中でインピーダンスに換算した値が最大となる該検査用閾値に基づいて、前記一つの測定レンジを決定することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の測定装置。
【請求項5】
前記レンジ制御部が、共に合成することでインピーダンスの絶対値を算出可能な第一及び第二の前記パラメータに対して、各々前記検査用閾値が設定されているときに、該第一のパラメータの検査用閾値及び該第二のパラメータの検査用閾値で算出されるインピーダンスの絶対値に基づいて、前記一つの測定レンジを決定することを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
【請求項6】
前記レンジ制御部が、前記第一及び第二の前記パラメータに対して、各々前記検査用閾値として上限値及び/又は下限値が設定されているときに、
1:該第一のパラメータの上限値及び該第二のパラメータの上限値、
2:該第一のパラメータの上限値及び該第二のパラメータの下限値、
3:該第一のパラメータの下限値及び該第二のパラメータの上限値、
4:該第一のパラメータの下限値及び該第二のパラメータの下限値、
の1〜4の組の中の当て嵌まる全ての組でインピーダンスの絶対値を算出し、その中の最も大きなインピーダンスの絶対値に基づいて、前記一つの測定レンジを決定することを特徴とする請求項5に記載の測定装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−92417(P2013−92417A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−233869(P2011−233869)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000227180)日置電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】